説明

芳香及び/又は消臭機能を有する装飾内装材

【課題】芳香及び/又は消臭機能を有する機能性ユニットを取替可能に内蔵することができ、意匠性に優れた装飾内装材を提供することを目的とする。
【解決手段】表面に凹部と凸部を有し凹部には機能性ユニット固定部を点在するように設けた内装材本体と、内部に芳香剤及び/又は消臭剤を内蔵すると共に外部に連通する通気部を設けた機能性ユニットからなり、該通気部と凸部との間には隙間を設けるように機能性ユニットが配置され、互いに係止するユニット係止部と本体係止部とによって、着脱可能に固定されている装飾内装材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香及び/又は消臭機能を有するユニットを取替可能に内蔵する装飾内装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、居室、ダイニング、洗面所、トイレ、玄関を問わず、臭いの気になる空間では据え置きタイプの芳香剤や消臭剤を配置しているが、邪魔になったり誤って転倒させたりする場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3099951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの問題点に対して、例えば特許文献1には壁面パネルに着脱自在に装着した有孔パネルとホルムアルデヒド等の有害物質吸着パックからなる壁面パネルが開示されている。この技術を利用すれば、芳香剤や消臭剤を内装材に内蔵することができ、上記の問題点を解決することができる。
【0005】
しかし、この構造では、有孔パネルや吸着パックを着脱するために、壁面パネルの水平支持枠上を有孔パネルをスライド支持する方法であって、水平支持枠を長くすると着脱が不便になる。また、有孔パネルが表面に現れるので、デザインが極めて限定された形になり、十分に化粧性を満足させる壁面が得られない。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたものであり、芳香及び/又は消臭機能を有するユニットを取替可能に内蔵することができ、意匠性に優れた装飾内装材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決するために、請求項1に係る芳香及び/又は消臭機能を有する装飾内装材の発明は、内装材本体と芳香及び/又は消臭機能を有する機能性ユニットからなる装飾内装材であって、機能性ユニットは内装材本体と互いに係止するユニット係止部と本体係止部とによって、着脱可能に固定されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の芳香及び/又は消臭機能を有する装飾内装材において、表面に凹部と凸部を有し凹部には機能性ユニット固定部を点在するように設けた内装材本体と、内部に芳香剤及び/又は消臭剤を内蔵すると共に外部に連通する通気部を設けた機能性ユニットとからなり、該通気部と凸部との間には隙間を設けるように機能性ユニットが配置されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の芳香及び/又は消臭機能を有する装飾内装材において、外部に連通し長尺方向に連続する空間を有する内装材本体と、カバー材と芳香剤及び/又は消臭剤からなる機能性ユニットとからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、芳香及び/又は消臭機能を有する機能性ユニットは内装材本体と互いに係止するユニット係止部と本体係止部とによって、着脱可能に固定されているので、機能が低下した場合には簡単に新しいものとの交換ができ、好みにより各種の芳香剤及び/又は消臭剤と変えることも簡単にできる。さらに内装材本体に固定されているので邪魔になったり誤って転倒させたりすることもない。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明を具体的に装飾壁材に適用した場合であって、表面に凹部と凸部を有した壁材本体に機能性ユニットを点在するように設けているので、芳香及び/又は消臭機能が室内全体に均一に発揮できる。凹部に機能性ユニットを固定するので、機能性ユニットが壁面から大きく突出しないので意匠性を損なうことはない。機能性ユニットに内蔵した芳香剤及び/又は消臭剤は外部に連通する通気部を通じて効果が発揮される。さらに、通気部と凸部との間には隙間を設けるように配置することで、芳香及び/又は消臭機能が妨げられることはない。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、請求項1に係る発明を具体的に造作材(幅木等)に適用した場合であって、造作材本体には外部に連通し長尺方向に連続する収納空間があり芳香剤及び/又は消臭剤が収納される。造作材本体には前面から着脱可能なカバー材で覆われるので、芳香剤及び/又は消臭剤が外部に露出されることなく交換も簡単にできる。また収納空間はカバー材で覆っても外部に通じているので芳香及び/又は消臭効果が十分に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1に係る装飾内装材(壁材)の正面図。
【図2】本発明の実施形態1に係る装飾内装材(壁材)の断面図。
【図3】本発明の実施形態1に係る機能性ユニットの取付けを示す斜視図
【図4】本発明の実施形態1に係る機能性ユニットの斜視図。
【図5】本発明の実施形態2に係る装飾内装材(造作材)の断面図。
【図6】本発明の実施形態2に係る装飾内装材(造作材)の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための実施形態を説明する。もちろん本発明は本実施形態の記載内容に限られるものではない。
【0015】
[実施形態1]
実施形態1に係る装飾内装材Aについて、図1から図4を用いて説明する。装飾内装材Aは壁材であって、内装材本体(壁材本体)12に機能性ユニット11を着脱自在に固定したものである。装飾内装材Aは長尺方向に連続する、断面三角形の凸部17と凹部18が形成され、壁面全体に機能性ユニット固定部19として点在するように凸部17の一部を切り欠いて形成した凹部18に、弾性を有する金属薄板等の金具からなる本体係止部14をビスや釘等の固定具20を用いて固定する。
【0016】
本体係止部14に機能性ユニット11のユニット係止部15(図4では箱体の側面部が該当し本体係止部14の突片が弾性的に係止される)を係止して、内装材本体12に機能性ユニット11を固定する。このように機能性ユニット11は内装材本体12から簡単に着脱できるので、内蔵する芳香剤及び/又は消臭剤13の機能が低下した時には交換することができる。
【0017】
機能性ユニット11はABS等の樹脂やステンレスやアルミ等の金属からなり、木質材料等からなる内装材本体12に合わせるように突板や化粧シートが表面に貼着される。芳香剤及び/又は消臭剤13は特に限定されることなく市販されている一般的なものが使用できる。、箱体内に収納できる形状のものであれば何でも良いが、固形物が好ましい。液状の場合は容器等に入れるとこぼれ易いので、不織布、綿、スポンジ等に含浸させる。
【0018】
機能性ユニット11には、内蔵した芳香剤及び/又は消臭剤13が機能を発揮できるように、室内と連通する通気部16を設けている。本実施形態では箱体の側面に複数個の四角形状の孔としているが、孔の形状、大きさ、個数は限定されず、孔でなくとも切り欠きのようなものでも良い。
【0019】
内装材本体12の凸部17は断面三角形状に突出しているので、機能性ユニット11を内装材本体12に固定した場合、通気部16は凸部17との間に隙間が設けられるので、通気部16は凸部17に邪魔されることはないので、消臭、芳香機能は十分に発揮されると共に、着脱の際に機能性ユニット11を掴み易く着脱が容易に行える。
【0020】
[実施形態2]
実施形態2に係る装飾内装材Bについて、図5、図6を用いて説明する。図6では内装材本体(造作材本体)22の前面を連続的に覆っているカバー材21の一部を削除して内部が見えるようにしている。装飾内装材Bは造作材(図面では幅木であり壁材27と床面との納めに用いる)であって、内装材本体(造作材本体)22にカバー材21を着脱自在に固定したものである。内装材本体22は外部に連通し長尺方向に連続する収納空間26を有し、カバー材21の裏面側に突設するユニット係止部25(長尺方向に連続的に設けられていても部分的に設けられていても良い)を本体係止部24に挿入係止して内装材本体22の前面にカバー材21を固定する。
【0021】
カバー材21には芳香剤及び/又は消臭剤23が裏面側に両面テープ等で固定され、カバー材21を内装材本体22に取り付けた際には、収納空間26に収まるようになる。カバー材21はABS等の樹脂からなり内装材本体22に合わせるように突板や化粧シートが表面に貼着され、芳香剤及び/又は消臭剤23は裏面側に隠されるので、美麗な仕上げができる。また、収納空間26は外部に連通しているので消臭及び/又は芳香機能は十分に発揮される。さらに、カバー材21を着脱するだけで、芳香剤及び/又は消臭剤13を容易に交換できる。芳香剤及び/又は消臭剤23はカバー材21に固定せず、収納空間26に挿入後カバー材21を固定しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0022】
芳香及び/又は消臭機能を有する機能性ユニットを内装材本体に着脱可能に固定することができ、室内の臭気を防止でき、意匠性に優れた装飾内装材を提供できる。

【符号の説明】
【0023】
A 装飾内装材(壁材)
B 装飾内装材(造作材)
11 機能性ユニット
12 内装材本体(壁材本体)
13、23 芳香剤及び/又は消臭剤
14、24 本体係止部
15、25 ユニット係止部
16 通気部
17 凸部
18 凹部
21 カバー材
22 内装材本体(造作材本体)
26 収納空間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内装材本体と芳香及び/又は消臭機能を有する機能性ユニットからなる装飾内装材であって、機能性ユニットは内装材本体と互いに係止するユニット係止部と本体係止部とによって、着脱可能に固定されていることを特徴とする芳香及び/又は消臭機能を有する装飾内装材。
【請求項2】
表面に凹部と凸部を有し凹部には機能性ユニット固定部を点在するように設けた内装材本体と、内部に芳香剤及び/又は消臭剤を内蔵すると共に外部に連通する通気部を設けた機能性ユニットからなり、該通気部と凸部との間には隙間を設けるように機能性ユニットが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の芳香及び/又は消臭機能を有する装飾内装材。
【請求項3】
外部に連通し長尺方向に連続する収納空間を有する内装材本体と、カバー材と芳香剤及び/又は消臭剤からなる機能性ユニットからなることを特徴とする請求項1に記載の芳香及び/又は消臭機能を有する装飾内装材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−229780(P2010−229780A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81324(P2009−81324)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】