芳香発生装置
【課題】香油を気化させて、空間の広さに適した量の芳香或いは芳香発生物を発生させる芳香発生装置の提供。
【解決手段】香料を貯留した一つの香料貯蔵装置(10)を設け、香料貯蔵装置(10)の開口部(10b)に連通する複数の第1の可撓性配管(H1)を備え、第1の可撓性配管(H1)の各々は香料貯蔵タンク(10)から香料を吸引するポンプ(P)の吸引側(Pi)に接続されており、当該ポンプ(P)の吐出側(Po)は第2の可撓性配管(H2)に接続されており、第2の可撓性配管(H2)は香料を一時的に貯蔵して加熱する香料加熱装置(71、16)に連通している。
【解決手段】香料を貯留した一つの香料貯蔵装置(10)を設け、香料貯蔵装置(10)の開口部(10b)に連通する複数の第1の可撓性配管(H1)を備え、第1の可撓性配管(H1)の各々は香料貯蔵タンク(10)から香料を吸引するポンプ(P)の吸引側(Pi)に接続されており、当該ポンプ(P)の吐出側(Po)は第2の可撓性配管(H2)に接続されており、第2の可撓性配管(H2)は香料を一時的に貯蔵して加熱する香料加熱装置(71、16)に連通している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香油を気化させて、芳香或いは芳香発生物を発生させる芳香発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、香りに関する研究が進み、雰囲気中に芳香が存在することにより、人体に良好な影響を及ぼすことが判明している。
そのため、人が存在する空間に、芳香を発生するような機器、芳香発生装置が色々と提案されている。
【0003】
しかし、従来の芳香発生装置は、一般家庭に設置されることを前提に開発されているため、芳香或いは芳香発生物質(気化した香油等)の徐放量が比較的少ない。
そのため、各種遊技場等の娯楽施設の様に、多人数が集まる比較的広い空間に従来の芳香発生機器を配置したとしても、当該空間中における芳香或いは芳香発生物質(気化した香油等)の徐放量が少なく、当該空間に存在する人々に芳香の存在を感知させることが困難であった。
【0004】
その他の従来技術として、上端に加熱コイルを設けたヒューム管内にガラス繊維を配置し、ガラス繊維内に吸い上げられた香油がヒューム管の加熱コイルにより加熱されて、香油が発散して、芳香が発生する機器が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術(特許文献1)においても、芳香が発生するのは単一のヒューム管の開口部に限定されるので、多数の人々が集まる娯楽施設等に十分な芳香を発生するには、芳香の徐放能力が不足している。
そのため、芳香を発生することによる各種メリットを発揮することが出来ないという問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−372830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、劇場や遊技場などの室内や、イベント会場等、人が多く集まる広い空間に、香油を気化させて、空間の広さに適した量の芳香或いは芳香発生物を発生させる芳香発生装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の芳香発生装置(100)は、香料を貯留した一つの香料貯蔵装置(タンク10)を設け、香料貯蔵タンク(10)の開口部(10b)に連通する複数本の第1の可撓性配管(H1)を備え、第1の可撓性配管(H1)の各々は香料貯蔵タンク(10)から香料を吸引するポンプ(P)の吸引側(Pi)に接続されており、当該ポンプ(P)の吐出側(Po)は第2の可撓性配管(H2)に接続されており、第2の可撓性配管(H2)は香料を一時的に貯蔵して加熱する香料加熱装置(加熱皿(ホットフランジ)71、加熱手段16)に連通しており、香料加熱装置(71、16)で加熱されて気化した香料を吸引して大気中に放散する複数の吸引装置(ファンF)を有しており、第1の可撓性配管(H1)とポンプ(P)と第2の可撓性配管(H2)と香料加熱装置(71、16)は同一数が設けられており、吸引装置(F)は香料加熱装置(71、16)と同一数或いはその整数倍が設けられていることを特徴としている。
【0008】
ここで、香料としては、例えば、森林に多量に存在するフィトンチッドと、柑橘系を含んでいるのが好ましい。
もちろん、係る香料としては、使用状況に応じて、ケース・バイ・ケースで成分が調整可能であるのが好ましい。
【0009】
本発明の芳香発生装置(100)において、制御装置(50)を有しており、当該制御装置(50)は、気化して徐放するべき香料の量に対応して香料加熱装置(71、16)における加熱を開始するタイミングと終了するタイミングを制御する機能と、香料加熱装置(71、16)における加熱を開始するタイミングと終了するタイミングに対応して吸引装置(F)を作動するタイミングと停止するタイミング及び吸引装置(F)における風量を制御する機能を有しているのが好ましい。
この場合、制御装置(50)は、気化して徐放するべき香料の量に対応して香料貯蔵装置(10)から必要な量の香料を吸い上げるためにポンプ(P)の吸入流量(或いは吐出流量)を制御する機能をも有しているのが好ましい。
【0010】
また本発明の芳香発生装置(100)において、香料加熱装置(71、16)が過熱した旨を検知する検知装置(19:例えば、サーミスタ、温度センサ)を備え、前記制御装置(50)は、検知装置(19)により香料加熱装置(71、16)が過熱した旨を検知した場合には香料加熱装置(71、16)における加熱を停止する機能を有しているのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
上述する構成を具備する本発明の芳香発生装置(100)によれば、香料貯蔵装置(10)は一つのみであっても、第1の可撓性配管(H1)、ポンプ(P)、第2の可撓性配管(H2)、香料加熱装置(71、16)、吸引装置(F)は複数設けられているので、気化した香料を大量に徐放することが出来る。
そのため、各種遊技場等の娯楽施設の様に、多人数が集まる空間に配置しても、当該空間中における大量の芳香或いは気化した香料を徐放して、当該空間に存在する人々に芳香或いは気化した香料の存在を感知させることが出来る。
その結果、香料(特に機能性香料)における身体に良好な影響を、各種遊技場等の娯楽施設等の空間に集った大勢の人達に与えることが出来る。
【0012】
そして、本発明の芳香発生装置(100)によれば、第1の可撓性配管(H1)、ポンプ(P)、第2の可撓性配管(H2)、香料加熱装置(71、16)、吸引装置(F)が複数設けられているため、香料を気化して徐放する機構(徐放機構)が複数存在しているので、何れか一つの徐放機構が損傷したり、機能しなくなった場合においても、その他の徐放機構から気化した香料を徐放して、芳香発生装置(100)が設置されている空間に集っている人々に芳香や気化した香料の存在を認識させ続けることが可能である。
【0013】
本発明において、制御装置(50)を設け、ポンプ(P)の吸入流量(或いは吐出流量)と、香料加熱装置(71、16)における加熱を開始するタイミング及び終了するタイミングと、吸引装置(F)を作動するタイミング及び停止するタイミングと、吸引装置(F)における風量とを制御する様に構成すれば、気化して徐放するべき香料の量に対応して、ポンプ(P)、香料加熱装置(71、16)、吸引装置(F)を適正に制御して、香料の加熱及び除法を適正に実行することが出来る。
【0014】
また本発明において、香料加熱装置(71、16)が過熱した旨を検知する検知装置(19)を備え、検知装置(19)が、香料加熱装置(71、16)が過熱した旨を検知した場合には香料加熱装置(71、16)における加熱を停止する様に構成すれば、香料加熱装置(71、16)における異常な加熱を防止して、異常な過熱に伴う不都合(例えば、発火や焦げ付きによる異臭発生)を完全に防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1においてトップカバーを取り外した状態を示す後面図である。
【図3】実施形態におけるケーシングの水平断面図である。
【図4】実施形態における内部構造を示す断面図である。
【図5】図4のX1-X1断面矢視図である。
【図6】図4のX2-X2断面矢視図である。
【図7】実施形態における光センサの配置を示す斜視図である。
【図8】図4とは異なる断面図である。
【図9】実施形態のブロック図である。
【図10】実施形態における芳香発生の制御を示すフローチャートである。
【図11】実施形態における停止の制御を示すフローチャートである。
【図12】実施形態における異常加熱時の制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1、図2において、全体を符号100で示す芳香発生装置は、ケーシングCを有している。
ケーシングCは、フロントカバー1、2枚のサイドカバー2、リヤカバー3、トップカバー4、床部材5、中段棚部材6、上段棚部材7を有している。
図3で示すように、垂直部材であるフロントカバー1、2枚のサイドカバー2、リヤカバー3が、公知の接続部材(例えば図示しないビス、ナット)によって接続されており、ケーシングCの水平断面が不等辺六角形となって組み立てられている。
【0017】
図2において、垂直方向に延在する6枚の部材(垂直部材)、すなわち上述のフロントカバー1、2枚のサイドカバー2、リヤカバー3には、床部材5、中段棚部材6、上段棚部材7が公知の手段によって接続され、ケーシングCが形成されている。
床部材5の下面側には、4箇所に移動用のキャスター80が取り付けられている。4箇所の移動用キャスター80の近傍には、上下高さを調節できるスタンド85が設置されている。
【0018】
床面において、装置100の移動(キャスター80の転がりによる移動)を防止する場合は、先ず、スタンド85を回転させる。すると、例えばネジのリードにより、スタンド85が伸長し、相対に移動用キャスター80の下端が床面から浮き上がる。その結果、スタンド85の下面のみが床面と接触した状態となり、キャスター80の転がりによる装置100の移動が防止できる。
ここで、図1、図2の芳香発生装置100において、フロントカバー1のある側を「フロント側」、リヤカバー3のある側を「リヤ側」と定義する。
【0019】
図1において、フロントカバー1は、フロント部1a及び二つの傾斜部1bを有する。フロント部1aの下方には、矩形の開口部1oが形成され、当該開口部1oには前蓋1Lが設けられている。
詳細は後述するが、矩形の開口部1oからは、前蓋1Lを開けて、香料タンク10が出し入れ自在に構成されている。
【0020】
図1における右側のサイドカバー2には縦長の開口部2oが形成され、開口部2oには横蓋2Lが設けられている。
詳細は後述するが、縦長の開口部2oからは、横蓋2Lを開けて、廃液タンク12が出し入れ自在に構成されている。
開口部2oの上方には、操作盤110とモニタ120が設けられている。
【0021】
図1において、トップカバー4は、高さ寸法の小さな垂直部41、傾斜部42、後方垂直部43、天蓋部44を有している。
垂直部41の水平断面は、フロントカバー1、サイドカバー2、リヤカバー3より成る上述した6面体の断面形状と相似形となっている。そして、垂直部41は、フロントカバー1、サイドカバー2、リヤカバー3より成る上述した6面体の上端に接続される。
【0022】
傾斜部42は5つの傾斜面を有し、その5つの傾斜面それぞれに開口部42oが形成され、当該開口部42oに網状部材42Gが張られている。或いは、各傾斜面にはパンチングメタル状に多数の小孔が穿孔された領域が形成されている。
網状部材42Gが張られた5つの傾斜面の開口部42oからは、気化した香料を含む空気が排出される。
トップカバー4の後方垂直部43の構成に関しては、後述の図5において説明する。
【0023】
図4及び図1、図2において、芳香発生装置100は、香料タンク10、廃液タンク12(図2参照)、香料ポンプP、加熱皿71、ファンユニット14及び制御手段であるコントロールユニット50を備えている。
床部材5の上面には、2本のレール8が配置され、当該レール8上を、香料タンク10を載せたトレイ9がスライドする様に構成されている。
中段棚部材6には、図示の例では5台の香料ポンプPが、支持部材62によって、中段棚部材6を貫通するように取り付けられている。
【0024】
中段棚部材6の上面には、コントロールユニット50が配置されている。
図4において、上段棚部材7には図示の例では、5箇所に下側が凸になるような円形の窪みが形成されており、当該窪みに加熱皿71が配置されている。
各加熱皿71の近傍にはチューブTが取り付けられている。チューブTの端部Tt側(上端側)の先端は湾曲しており、そのため、チューブTは「J」字を上下逆にしたような形状となっている。チューブTの上方側の端部Ttは、加熱皿71の投影範囲内に配置されている(図6、図7参照)。
加熱皿71周辺のその他の構成に関しては、図8、図9で詳述する。
【0025】
図4において、香料タンク10は、香料を注入するための注ぎ口10a、香料排出口10b、把持用のハンドル10hを有している。
注ぎ口10aは、タンク10内に香料を供給した後、キャップ10Aをねじ込んで蓋をするように構成されている。香料排出口10bには、キャップ10Cが螺合している。
キャップ10Cの表面側と裏面側を貫通する様に、複数(例えば5本)の第1の香料ホースH1が取り付けられる。
【0026】
第1の香料ホースH1の各々における下端は、キャップ10Cを貫通して香料タンク10の底部に概略到達する様に配置されている。そして、第1の香料ホースH1の各々における上端は、香料ポンプPの吸入側Piに接続されている。
香料ポンプPの各々における吐出側Poには、第2のホースH2の各々における下端が接続されている。そして、第2のホースH2の各々における上端は、チューブTの下端に接続されている。
【0027】
ここで、香料としては、各種香油や精油、或いは、それらを適宜混合(調合)したものが好ましい。例えば、森林に多量に存在するフィトンチッドと、柑橘系を含んでいるのが好ましい。
もちろん、係る香料としては、使用状況に応じて、ケース・バイ・ケースで調合可能になっていることが好ましい。
【0028】
図4において、トップカバー4の5つの傾斜面を有する傾斜部42に形成された開口部42o(図1参照)には、5台のファンユニット14が取り付けられている。
図4において、符号Lofは制御信号ラインであり、電動ファン(以下、「ファン」と言う)Fの作動・停止を制御する制御信号を伝達している。
符号Lovは、開閉弁Vの開閉制御信号を伝達する制御信号ラインを示している。
符号Lopは香料ポンプPの作動・停止を制御する制御信号を伝達する制御信号ラインを示している。
【0029】
トップカバー4内部を、トップカバー4下方から覗いた状態を示す図5において、ファンユニット14の各々は、2台の電動ファンFを有しており、芳香発生装置100全体では10台の電動ファンFを備えている。なお、図5では、ファンユニット14のファンFを作動・停止させる信号ラインは図示が省略されている。
各ファンFのリード線Lfは、トップカバー4の天蓋44の裏面に設置された集合コネクタCfに接続されている。集合コネクタCfは、図示しない電源コードにより、制御盤110(図1参照)に接続されている。
【0030】
トップカバー4の後方垂直部43には、例えば2箇所に矩形の開口部43oが形成されている。それぞれの開口部43oにはフィルター4Fが取り付けられ、フィルター4Fにより開口部43oから吸引される空気を清浄化している。
図5において、矢印Ffaはトップカバー4内に吸引される外気を示し、矢印Faaはトップカバー4外に排出される香料を含んだ空気を示している。
【0031】
図6、図7において、上段棚部材7の上面には加熱皿71が5箇所に配置されている。各加熱皿71の上方には、チューブ支持部材72によって、チューブTの上方の端部Ttが加熱皿71側へ向かう様に取り付けられている。
上段棚部材7の上面には、発光側光センサOS1、受光側光センサOS2が、加熱皿71を挟む様に配置されている。ここで、発光側光センサOS1、受光側光センサOS2は、発光側光センサOS1の発光部s1と受光側光センサOS2の受光部s2とが対向するように、チューブ支持部材72の両端部に取り付けられている。
【0032】
そして、発光側光センサOS1、受光側光センサOS2を作動させ、加熱皿71から香料が気化して立ち上れば、発光部s1が遮られ或いは減衰するので、これにより、揮発性香料が皿内部の液中から気化していることが認識される。そして、揮発性香料が皿内部の液中から気化している旨の信号は、信号ラインLos(図9参照)を経由して、コントロールユニット50に送信される。
図6、図7において、符号71oは、加熱皿71の廃液排出孔を示している。廃液排出孔71oは、第1廃液排出管T2(図8参照)と連通している。
【0033】
図8において、加熱皿71の下面側には、第1廃液排出管T2が取り付けられており、第1廃液排出管T2には開閉手段(開閉バルブ)Vが介装されている。そして開閉バルブVは、制御信号ラインLovによってコントロールユニット50と接続されている。
第1廃液排出管T2の端部(下端)には、第1の廃液ホースH3の上端が差し込まれている。そして第1の廃液ホースH3の下端は、第2廃液排出管T3の上端に差し込まれる。
中段棚部材6の上面には、チューブサポート64が取り付けられている。チューブサポート64は、図示の例では、5本の第2廃液排出管T3を支持している。
【0034】
図8において、中段棚部材6の下面における5本の第2廃液排出管T3の下方の領域には、漏斗66が取り付けられている。漏斗66の広口側は、中段棚部材6の下面に接している。
漏斗66の出口チューブ66tには、第2の廃液ホースH4の上端部が差し込まれている。第2の廃液ホースH4の下端部は、廃液タンク12のキャップ12Cを貫通して、廃液タンク12の内部に連通している。
開閉バルブVが開放された場合には、加熱皿71内の廃液は、第1廃液排出管T2、第1の廃液ホースH3、第2廃液排出管T3、漏斗66、第2の廃液ホースH4を介して、廃液タンク12内に貯蔵される。
図8において、符号12Bは、廃液タンク12の収容棚を示し、収容棚12BはケーシングC内壁面に設けられている。
【0035】
図9は、芳香発生装置100の制御系を模式的に示している。
なお、図9の制御系については、部分的には既に説明されている。以下においては、主として、制御系の上述されていない構成について述べる。
図9において、加熱皿71の下方には、加熱手段16が設けてあり、加熱手段16には電源18から開閉器17を介装した給電ラインLeが接続されている。
加熱手段16近傍には、加熱手段16の温度を計測するための温度センサ(例えば、サーミスタ)19が設けてある。
温度センサ19は、入力信号ラインLihによって、コントロールユニット50と接続されている。また、開閉器17は、制御信号ラインLohによって、コントロールユニット50と接続されている。
【0036】
香料ポンプPは、制御信号ラインLopによって、コントロールユニット50と接続されている。
光センサOS1、OS2は、制御信号ラインLosによって、コントロールユニット50と接続されている。
電動ファンFは、制御信号ラインLofによって、コントロールユニット50と接続されている。
図9において、符号Uag(二点差線で囲った領域)は、香料蒸発ユニットを示しており、香料蒸発ユニットUagは単一の加熱皿71、単一のポンプPを包含している。
【0037】
図示の実施形態では、コントロールユニット50は、気化して徐放するべき香料の量に対応して、加熱皿71の加熱温度を、例えば、3段階に調節する機能を有している。
また、コントロールユニット50は、気化して徐放するべき香料の量に対応して、加熱皿71における加熱開始タイミングと、加熱終了タイミングを制御する機能を有している。
さらに、コントロールユニット50は、加熱開始と加熱終了のタイミングに対応して、電動ファンFを作動するタイミングと停止するタイミングを制御する機能を有している。
それに加えて、コントロールユニット50は、電動ファンFの風量を制御する機能を有している。
【0038】
次に、図10〜図12を参照して、実施形態における芳香発生の制御を説明する。
図10は、芳香発生制御のメインルーチンを示している。
なお、図示の実施形態では、芳香発生装置100は制御プログラムにより作動するように構成されているが、各種制御を作業員が行なう様に構成しても良い。
【0039】
図10のステップS1では、芳香発生装置100の電源を入れる。そしてステップS2では、芳香発生量を変更するか否かを判断し、芳香発生量を変更するのであれば(ステップS2がYES)ステップS3に進む。芳香発生量を変更しないのであれば(ステップS2がNO)、ステップS6まで進む。
ここで、芳香発生量を変更するか否かは、コントロールユニット50により、モニタ120を介して、質問することにより行なわれる。
ステップS3では、芳香発生装置100の管理者(操作スタッフ)が、芳香発生量を入力する。
図示の例では、芳香発生量は、例えば5段階に調整可能である。そして、例えば、現状より増量する場合はアップボタンを押し、現状より減量する場合はダウンボタンを押すように構成されている。
【0040】
ステップS4では、コントロールユニット50により加熱温度を変更して、芳香発生量に対応する加熱温度とせしめる。
図示の実施形態では、芳香発生量に対応する加熱温度として、例えば5段階(T1〜T5)の温度を設定している。
ステップS5では、コントロールユニット50は、例えばインバータ制御のファンFの回転数を変更することにより、風量を変更する。
ここで、空間の広さ、温度、湿度という条件が一定であれば、芳香発生量と、加熱皿71の加熱温度及び電動ファンFの回転数は相関がある。係る創刊について、予め制御マップその他の形式で、コントロールユニット50内の図示しない記憶手段に記憶させておくことが好ましい。
【0041】
ステップS6に進み、コントロールユニット50は、ポンプPを作動する。ここで、ポンプPに吸入流量(或いは吐出流量)の可変機能を設けている場合には、コントロールユニット50は、必要な香料の徐放量に対応してポンプPの吸入流量(或いは吐出流量)を調整することも可能である。
次のステップS7では、コントロールユニット50は、ポンプP作動から所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過するまではステップS7がNOのループを繰り返す。一方、所定時間が経過したなら(ステップS7がYES)、加熱皿71に規定量の香料が注入されたと判断して、ポンプPを停止する(ステップS8)。
ステップS9では、コントロールユニット50は、所望の香料発生量に対応した加熱温度で加熱皿71を加熱するべく、開閉器17を操作して、電源18から加熱手段16に電力を供給する。
次のステップS10では、コントロールユニット50はファンFを作動し、光センサOS1、OS2を作動する(ステップS11)。
【0042】
ここで、芳香発生装置100が使用される空間の温度や湿度は、季節、空間の広さ、人間の数によって変化する。そのため、ステップS3で入力された芳香発生量の標準値としては、例えば、年間を通しての平均温度、平均湿度において、所定の加熱温度で、且つ、所定のファン回転数の場合に、加熱皿71中の香料における揮発成分が、所定時間内で蒸発するような量として設定されている。
したがって、例えば、温度は標準域であるが、湿度が極めて高い場合、或いは、空間が狭いような場合には、加熱温度及びファン回転数が適切に設定された値であっても、加熱皿71内の香料の揮発成分は、予定時間よりも早く蒸発する可能性が高い。ここで、香料が揮発したか否かは、光センサOS1、OS2により、確認できる。
【0043】
ステップS12では、コントロールユニット50は光センサOS1、OS2の信号から、香料が蒸発しなくなったか否か、換言すれば、過熱皿71内に香料が残存しているか否かについて判断する。例えば、光センサOS1から放射される光が遮られず、減衰しなくなった場合には、香料蒸気が当該光を遮っておらず、加熱皿71内からは香料蒸気が発生しておらず、香料は蒸発しなくなったと判断する。
香料が蒸発している間は(ステップS12がNO)、ステップS12が「NO」のループを繰り返す。香料が蒸発しなくなったなら(ステップS12がYES)、加熱皿71の開閉バルブVを開放して、加熱皿71内の廃液を排出する(ステップS13)。排出した廃液は、廃液タンク12に貯留される。
ステップS14では、コントロールユニット50は、排出を開始してから所定時間が経過したか否かを確認する。所定時間が経過したなら(ステップS14がYES)、加熱皿71の廃液は完全に排出されたと判断して、開閉バルブVを閉じて、廃液のドレンを停止する(ステップS15)。そして、ステップS2まで戻る。
【0044】
図11は、芳香発生装置100を停止させるためのサブルーチンである。係るサブルーチンは、図10のメインルーチンと並行して実行される。
図11のステップS21では、コントロールユニット50は、装置停止信号の有無を判断する。そして、装置停止信号があるまで、待機している(ステップS21がNOのループ)。
装置停止信号があったなら(ステップS21がYES)、ステップS22に進み、例えば図示しないセンサを用いて、加熱皿71に液体が残っていないか否かを判断する。
【0045】
加熱皿71に液体が残っていれば(ステップS22がNO)、コントロールユニット50は開閉弁V(図8参照)を開放して廃液ドレンを開始する(ステップS23)。そして、ステップS22が「NO」のループを実行する。
一方、加熱皿71に液体が残っていなければ(ステップS22がYES)、ステップS24に進む。
ステップS24では、コントロールユニット50は開閉弁V(図8参照)を閉鎖して廃液ドレンを停止し、加熱皿71の加熱も停止する(ステップS25)。さらに、ポンプPも停止し(ステップS26)、光センサOS1、OS2を停止して(ステップS27)、ファンFを停止させる(ステップS28)。
最後にステップS29で電源を切って、芳香発生装置100停止の制御を終了する。
【0046】
図12を参照して、加熱皿71が過加熱状態(オーバーヒート)となった場合に対処するためのサブルーチンを説明する。係るサブルーチンは、図10のメインルーチンにおけるステップS9以降に始動され、図10のメインルーチンと並行して実行される。
図12のステップS31では、温度センサ(例えばサーミスタ)19によって加熱皿71の所定位置における温度を計測する。
ステップS32では、コントロールユニット50は、サーミスタ19からの温度情報に基づいて、加熱皿71の所定位置における温度が第1の所定温度Tn以上となったか否かを判断する。
加熱皿71の所定位置温度が第1の所定温度Tnに達しない場合は(ステップS32がNO)、ステップS32が「NO」のループを繰り返す。加熱皿71の所定位置温度が第1の所定温度Tn以上となった場合には(ステップS32がYES)、加熱皿71の加熱を停止して(ステップS33)、ステップS34に進む。
【0047】
ステップS34では、コントロールユニット50は、ステップS33で加熱を停止した後、所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過したならば(ステップS34がYES)ステップS35に進み、加熱皿71の所定位置温度が第2の所定温度Ty以下であるか否かを判断する。
ここで、第1の所定温度Tn>第2の所定温度Tyである。
所定時間内で加熱皿71の所定位置温度が第2の所定温度Ty以下に降温したのであれば(ステップS35がYES)、加熱皿71は加熱していないと判断して、ステップS36で加熱皿71の加熱を再開する。そしてステップS31まで戻り、ステップS31以降を繰り返す。
所定時間が経過したのに、加熱皿71の所定位置温度が第2の所定温度Ty以下に降温市無かった場合(ステップS35がNO)には、ステップS37に進む。ステップS37では、コントロールユニット50は、トラブルが発生したと認識して、当該加熱皿71を包含する香料蒸発ユニットUagを停止して、ステップS38に進む。
【0048】
ステップS38では、コントロールユニット50は、装置100全体で香料蒸発ユニットUagが何台停止しているかを判断し、停止しているユニットUagがN台(例えば3台)以上になったか否かを判断する。
停止しているユニットUagがN台未満であれば(ステップS38がNO)、トラブルが発生した香料蒸発ユニットUagのみを停止すれば、芳香発生装置100の運転自体には問題がないと判断して、ステップS31まで戻る。
一方、停止しているユニットUagがN台以上となった場合には(ステップS38がYES)、コントロールユニット50は、芳香発生装置100の運転続行は危険であると判断して、芳香発生装置100の非常停止を行ない(ステップS39)、制御を終了する。
【0049】
図示の実施形態によれば、香料ポンプP、第2のホースH2、加熱皿71及び加熱装置16、ファンFは複数設けられているので、気化した香料を大量に徐放することが出来る。
そのため、各種遊技場等の娯楽施設の様に、多人数が集まる空間に配置しても、当該空間中における大量の芳香或いは気化した香料を徐放して、当該空間に存在する人々に芳香或いは気化した香料の存在を感知させることが出来る。
その結果、香料(特に機能性香料)における身体に良好な影響を、各種遊技場等の娯楽施設等の空間に集った大勢の人達に与えることが出来る。
【0050】
また、図示の芳香発生装置100によれば、第1のホースH1、ポンプP、第2のホースH2、加熱皿71及び加熱装置16、ファンFから成る徐放機構が複数ユニット(蒸発ユニットUagとして5ユニット)存在しているので、何れか一つの徐放機構(Uag)が損傷したり、機能しなくなったりした場合においても、残りの徐放機構から気化した香料を徐放して、芳香発生装置100が設置されている空間に集っている人々に芳香や気化した香料の存在を認識させ続けることが可能である。
【0051】
図示の実施形態では、芳香発生装置100にコントロールユニット50を設け、加熱手段16の加熱温度と、加熱手段16における加熱を開始するタイミング及び終了するタイミングと、ファンFの作動タイミング及び停止タイミングと、ファンFにおける風量とを制御する様に構成している。
そのため、気化して徐放するべき香料の量に対応して、加熱手段16、ファンFを適正に制御して、香料の加熱及び除法を適正に実行することが出来る。
【0052】
さらに実施形態に係る芳香発生装置100は、加熱皿71(加熱装置16)が過熱した旨を検知する温度センサ(例えば、サーミスタ)19を備え、温度センサ19が、加熱皿71及び加熱装置16が過熱した旨を検知した場合には加熱装置16における加熱を停止する様に構成している。
したがって、加熱皿71及び加熱装置16における異常な加熱を防止して、例えば、発火や焦げ付きによる異臭発生等の不都合を防止することが出来る。
【0053】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
【符号の説明】
【0054】
1・・・フロントカバー
2・・・サイドカバー
3・・・リヤカバー
4・・・トップカバー
5・・・床部材
6・・・下方棚部材
7・・・上方棚部材
8・・・レール
9・・・トレイ
10・・香料タンク
12・・・廃液タンク
14・・・ファンユニット
16・・・加熱部材
19・・・温度センサ
50・・・制御手段/コントロールユニット
71・・・加熱皿
F・・・電動ファン/ファン
H2・・・第2の香料ホース
H3・・・第1の廃液ホース
OS1、OS2・・・光センサ
P・・・香料ポンプ/ポンプ
V・・・開閉弁
【技術分野】
【0001】
本発明は、香油を気化させて、芳香或いは芳香発生物を発生させる芳香発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、香りに関する研究が進み、雰囲気中に芳香が存在することにより、人体に良好な影響を及ぼすことが判明している。
そのため、人が存在する空間に、芳香を発生するような機器、芳香発生装置が色々と提案されている。
【0003】
しかし、従来の芳香発生装置は、一般家庭に設置されることを前提に開発されているため、芳香或いは芳香発生物質(気化した香油等)の徐放量が比較的少ない。
そのため、各種遊技場等の娯楽施設の様に、多人数が集まる比較的広い空間に従来の芳香発生機器を配置したとしても、当該空間中における芳香或いは芳香発生物質(気化した香油等)の徐放量が少なく、当該空間に存在する人々に芳香の存在を感知させることが困難であった。
【0004】
その他の従来技術として、上端に加熱コイルを設けたヒューム管内にガラス繊維を配置し、ガラス繊維内に吸い上げられた香油がヒューム管の加熱コイルにより加熱されて、香油が発散して、芳香が発生する機器が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術(特許文献1)においても、芳香が発生するのは単一のヒューム管の開口部に限定されるので、多数の人々が集まる娯楽施設等に十分な芳香を発生するには、芳香の徐放能力が不足している。
そのため、芳香を発生することによる各種メリットを発揮することが出来ないという問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−372830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、劇場や遊技場などの室内や、イベント会場等、人が多く集まる広い空間に、香油を気化させて、空間の広さに適した量の芳香或いは芳香発生物を発生させる芳香発生装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の芳香発生装置(100)は、香料を貯留した一つの香料貯蔵装置(タンク10)を設け、香料貯蔵タンク(10)の開口部(10b)に連通する複数本の第1の可撓性配管(H1)を備え、第1の可撓性配管(H1)の各々は香料貯蔵タンク(10)から香料を吸引するポンプ(P)の吸引側(Pi)に接続されており、当該ポンプ(P)の吐出側(Po)は第2の可撓性配管(H2)に接続されており、第2の可撓性配管(H2)は香料を一時的に貯蔵して加熱する香料加熱装置(加熱皿(ホットフランジ)71、加熱手段16)に連通しており、香料加熱装置(71、16)で加熱されて気化した香料を吸引して大気中に放散する複数の吸引装置(ファンF)を有しており、第1の可撓性配管(H1)とポンプ(P)と第2の可撓性配管(H2)と香料加熱装置(71、16)は同一数が設けられており、吸引装置(F)は香料加熱装置(71、16)と同一数或いはその整数倍が設けられていることを特徴としている。
【0008】
ここで、香料としては、例えば、森林に多量に存在するフィトンチッドと、柑橘系を含んでいるのが好ましい。
もちろん、係る香料としては、使用状況に応じて、ケース・バイ・ケースで成分が調整可能であるのが好ましい。
【0009】
本発明の芳香発生装置(100)において、制御装置(50)を有しており、当該制御装置(50)は、気化して徐放するべき香料の量に対応して香料加熱装置(71、16)における加熱を開始するタイミングと終了するタイミングを制御する機能と、香料加熱装置(71、16)における加熱を開始するタイミングと終了するタイミングに対応して吸引装置(F)を作動するタイミングと停止するタイミング及び吸引装置(F)における風量を制御する機能を有しているのが好ましい。
この場合、制御装置(50)は、気化して徐放するべき香料の量に対応して香料貯蔵装置(10)から必要な量の香料を吸い上げるためにポンプ(P)の吸入流量(或いは吐出流量)を制御する機能をも有しているのが好ましい。
【0010】
また本発明の芳香発生装置(100)において、香料加熱装置(71、16)が過熱した旨を検知する検知装置(19:例えば、サーミスタ、温度センサ)を備え、前記制御装置(50)は、検知装置(19)により香料加熱装置(71、16)が過熱した旨を検知した場合には香料加熱装置(71、16)における加熱を停止する機能を有しているのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
上述する構成を具備する本発明の芳香発生装置(100)によれば、香料貯蔵装置(10)は一つのみであっても、第1の可撓性配管(H1)、ポンプ(P)、第2の可撓性配管(H2)、香料加熱装置(71、16)、吸引装置(F)は複数設けられているので、気化した香料を大量に徐放することが出来る。
そのため、各種遊技場等の娯楽施設の様に、多人数が集まる空間に配置しても、当該空間中における大量の芳香或いは気化した香料を徐放して、当該空間に存在する人々に芳香或いは気化した香料の存在を感知させることが出来る。
その結果、香料(特に機能性香料)における身体に良好な影響を、各種遊技場等の娯楽施設等の空間に集った大勢の人達に与えることが出来る。
【0012】
そして、本発明の芳香発生装置(100)によれば、第1の可撓性配管(H1)、ポンプ(P)、第2の可撓性配管(H2)、香料加熱装置(71、16)、吸引装置(F)が複数設けられているため、香料を気化して徐放する機構(徐放機構)が複数存在しているので、何れか一つの徐放機構が損傷したり、機能しなくなった場合においても、その他の徐放機構から気化した香料を徐放して、芳香発生装置(100)が設置されている空間に集っている人々に芳香や気化した香料の存在を認識させ続けることが可能である。
【0013】
本発明において、制御装置(50)を設け、ポンプ(P)の吸入流量(或いは吐出流量)と、香料加熱装置(71、16)における加熱を開始するタイミング及び終了するタイミングと、吸引装置(F)を作動するタイミング及び停止するタイミングと、吸引装置(F)における風量とを制御する様に構成すれば、気化して徐放するべき香料の量に対応して、ポンプ(P)、香料加熱装置(71、16)、吸引装置(F)を適正に制御して、香料の加熱及び除法を適正に実行することが出来る。
【0014】
また本発明において、香料加熱装置(71、16)が過熱した旨を検知する検知装置(19)を備え、検知装置(19)が、香料加熱装置(71、16)が過熱した旨を検知した場合には香料加熱装置(71、16)における加熱を停止する様に構成すれば、香料加熱装置(71、16)における異常な加熱を防止して、異常な過熱に伴う不都合(例えば、発火や焦げ付きによる異臭発生)を完全に防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1においてトップカバーを取り外した状態を示す後面図である。
【図3】実施形態におけるケーシングの水平断面図である。
【図4】実施形態における内部構造を示す断面図である。
【図5】図4のX1-X1断面矢視図である。
【図6】図4のX2-X2断面矢視図である。
【図7】実施形態における光センサの配置を示す斜視図である。
【図8】図4とは異なる断面図である。
【図9】実施形態のブロック図である。
【図10】実施形態における芳香発生の制御を示すフローチャートである。
【図11】実施形態における停止の制御を示すフローチャートである。
【図12】実施形態における異常加熱時の制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1、図2において、全体を符号100で示す芳香発生装置は、ケーシングCを有している。
ケーシングCは、フロントカバー1、2枚のサイドカバー2、リヤカバー3、トップカバー4、床部材5、中段棚部材6、上段棚部材7を有している。
図3で示すように、垂直部材であるフロントカバー1、2枚のサイドカバー2、リヤカバー3が、公知の接続部材(例えば図示しないビス、ナット)によって接続されており、ケーシングCの水平断面が不等辺六角形となって組み立てられている。
【0017】
図2において、垂直方向に延在する6枚の部材(垂直部材)、すなわち上述のフロントカバー1、2枚のサイドカバー2、リヤカバー3には、床部材5、中段棚部材6、上段棚部材7が公知の手段によって接続され、ケーシングCが形成されている。
床部材5の下面側には、4箇所に移動用のキャスター80が取り付けられている。4箇所の移動用キャスター80の近傍には、上下高さを調節できるスタンド85が設置されている。
【0018】
床面において、装置100の移動(キャスター80の転がりによる移動)を防止する場合は、先ず、スタンド85を回転させる。すると、例えばネジのリードにより、スタンド85が伸長し、相対に移動用キャスター80の下端が床面から浮き上がる。その結果、スタンド85の下面のみが床面と接触した状態となり、キャスター80の転がりによる装置100の移動が防止できる。
ここで、図1、図2の芳香発生装置100において、フロントカバー1のある側を「フロント側」、リヤカバー3のある側を「リヤ側」と定義する。
【0019】
図1において、フロントカバー1は、フロント部1a及び二つの傾斜部1bを有する。フロント部1aの下方には、矩形の開口部1oが形成され、当該開口部1oには前蓋1Lが設けられている。
詳細は後述するが、矩形の開口部1oからは、前蓋1Lを開けて、香料タンク10が出し入れ自在に構成されている。
【0020】
図1における右側のサイドカバー2には縦長の開口部2oが形成され、開口部2oには横蓋2Lが設けられている。
詳細は後述するが、縦長の開口部2oからは、横蓋2Lを開けて、廃液タンク12が出し入れ自在に構成されている。
開口部2oの上方には、操作盤110とモニタ120が設けられている。
【0021】
図1において、トップカバー4は、高さ寸法の小さな垂直部41、傾斜部42、後方垂直部43、天蓋部44を有している。
垂直部41の水平断面は、フロントカバー1、サイドカバー2、リヤカバー3より成る上述した6面体の断面形状と相似形となっている。そして、垂直部41は、フロントカバー1、サイドカバー2、リヤカバー3より成る上述した6面体の上端に接続される。
【0022】
傾斜部42は5つの傾斜面を有し、その5つの傾斜面それぞれに開口部42oが形成され、当該開口部42oに網状部材42Gが張られている。或いは、各傾斜面にはパンチングメタル状に多数の小孔が穿孔された領域が形成されている。
網状部材42Gが張られた5つの傾斜面の開口部42oからは、気化した香料を含む空気が排出される。
トップカバー4の後方垂直部43の構成に関しては、後述の図5において説明する。
【0023】
図4及び図1、図2において、芳香発生装置100は、香料タンク10、廃液タンク12(図2参照)、香料ポンプP、加熱皿71、ファンユニット14及び制御手段であるコントロールユニット50を備えている。
床部材5の上面には、2本のレール8が配置され、当該レール8上を、香料タンク10を載せたトレイ9がスライドする様に構成されている。
中段棚部材6には、図示の例では5台の香料ポンプPが、支持部材62によって、中段棚部材6を貫通するように取り付けられている。
【0024】
中段棚部材6の上面には、コントロールユニット50が配置されている。
図4において、上段棚部材7には図示の例では、5箇所に下側が凸になるような円形の窪みが形成されており、当該窪みに加熱皿71が配置されている。
各加熱皿71の近傍にはチューブTが取り付けられている。チューブTの端部Tt側(上端側)の先端は湾曲しており、そのため、チューブTは「J」字を上下逆にしたような形状となっている。チューブTの上方側の端部Ttは、加熱皿71の投影範囲内に配置されている(図6、図7参照)。
加熱皿71周辺のその他の構成に関しては、図8、図9で詳述する。
【0025】
図4において、香料タンク10は、香料を注入するための注ぎ口10a、香料排出口10b、把持用のハンドル10hを有している。
注ぎ口10aは、タンク10内に香料を供給した後、キャップ10Aをねじ込んで蓋をするように構成されている。香料排出口10bには、キャップ10Cが螺合している。
キャップ10Cの表面側と裏面側を貫通する様に、複数(例えば5本)の第1の香料ホースH1が取り付けられる。
【0026】
第1の香料ホースH1の各々における下端は、キャップ10Cを貫通して香料タンク10の底部に概略到達する様に配置されている。そして、第1の香料ホースH1の各々における上端は、香料ポンプPの吸入側Piに接続されている。
香料ポンプPの各々における吐出側Poには、第2のホースH2の各々における下端が接続されている。そして、第2のホースH2の各々における上端は、チューブTの下端に接続されている。
【0027】
ここで、香料としては、各種香油や精油、或いは、それらを適宜混合(調合)したものが好ましい。例えば、森林に多量に存在するフィトンチッドと、柑橘系を含んでいるのが好ましい。
もちろん、係る香料としては、使用状況に応じて、ケース・バイ・ケースで調合可能になっていることが好ましい。
【0028】
図4において、トップカバー4の5つの傾斜面を有する傾斜部42に形成された開口部42o(図1参照)には、5台のファンユニット14が取り付けられている。
図4において、符号Lofは制御信号ラインであり、電動ファン(以下、「ファン」と言う)Fの作動・停止を制御する制御信号を伝達している。
符号Lovは、開閉弁Vの開閉制御信号を伝達する制御信号ラインを示している。
符号Lopは香料ポンプPの作動・停止を制御する制御信号を伝達する制御信号ラインを示している。
【0029】
トップカバー4内部を、トップカバー4下方から覗いた状態を示す図5において、ファンユニット14の各々は、2台の電動ファンFを有しており、芳香発生装置100全体では10台の電動ファンFを備えている。なお、図5では、ファンユニット14のファンFを作動・停止させる信号ラインは図示が省略されている。
各ファンFのリード線Lfは、トップカバー4の天蓋44の裏面に設置された集合コネクタCfに接続されている。集合コネクタCfは、図示しない電源コードにより、制御盤110(図1参照)に接続されている。
【0030】
トップカバー4の後方垂直部43には、例えば2箇所に矩形の開口部43oが形成されている。それぞれの開口部43oにはフィルター4Fが取り付けられ、フィルター4Fにより開口部43oから吸引される空気を清浄化している。
図5において、矢印Ffaはトップカバー4内に吸引される外気を示し、矢印Faaはトップカバー4外に排出される香料を含んだ空気を示している。
【0031】
図6、図7において、上段棚部材7の上面には加熱皿71が5箇所に配置されている。各加熱皿71の上方には、チューブ支持部材72によって、チューブTの上方の端部Ttが加熱皿71側へ向かう様に取り付けられている。
上段棚部材7の上面には、発光側光センサOS1、受光側光センサOS2が、加熱皿71を挟む様に配置されている。ここで、発光側光センサOS1、受光側光センサOS2は、発光側光センサOS1の発光部s1と受光側光センサOS2の受光部s2とが対向するように、チューブ支持部材72の両端部に取り付けられている。
【0032】
そして、発光側光センサOS1、受光側光センサOS2を作動させ、加熱皿71から香料が気化して立ち上れば、発光部s1が遮られ或いは減衰するので、これにより、揮発性香料が皿内部の液中から気化していることが認識される。そして、揮発性香料が皿内部の液中から気化している旨の信号は、信号ラインLos(図9参照)を経由して、コントロールユニット50に送信される。
図6、図7において、符号71oは、加熱皿71の廃液排出孔を示している。廃液排出孔71oは、第1廃液排出管T2(図8参照)と連通している。
【0033】
図8において、加熱皿71の下面側には、第1廃液排出管T2が取り付けられており、第1廃液排出管T2には開閉手段(開閉バルブ)Vが介装されている。そして開閉バルブVは、制御信号ラインLovによってコントロールユニット50と接続されている。
第1廃液排出管T2の端部(下端)には、第1の廃液ホースH3の上端が差し込まれている。そして第1の廃液ホースH3の下端は、第2廃液排出管T3の上端に差し込まれる。
中段棚部材6の上面には、チューブサポート64が取り付けられている。チューブサポート64は、図示の例では、5本の第2廃液排出管T3を支持している。
【0034】
図8において、中段棚部材6の下面における5本の第2廃液排出管T3の下方の領域には、漏斗66が取り付けられている。漏斗66の広口側は、中段棚部材6の下面に接している。
漏斗66の出口チューブ66tには、第2の廃液ホースH4の上端部が差し込まれている。第2の廃液ホースH4の下端部は、廃液タンク12のキャップ12Cを貫通して、廃液タンク12の内部に連通している。
開閉バルブVが開放された場合には、加熱皿71内の廃液は、第1廃液排出管T2、第1の廃液ホースH3、第2廃液排出管T3、漏斗66、第2の廃液ホースH4を介して、廃液タンク12内に貯蔵される。
図8において、符号12Bは、廃液タンク12の収容棚を示し、収容棚12BはケーシングC内壁面に設けられている。
【0035】
図9は、芳香発生装置100の制御系を模式的に示している。
なお、図9の制御系については、部分的には既に説明されている。以下においては、主として、制御系の上述されていない構成について述べる。
図9において、加熱皿71の下方には、加熱手段16が設けてあり、加熱手段16には電源18から開閉器17を介装した給電ラインLeが接続されている。
加熱手段16近傍には、加熱手段16の温度を計測するための温度センサ(例えば、サーミスタ)19が設けてある。
温度センサ19は、入力信号ラインLihによって、コントロールユニット50と接続されている。また、開閉器17は、制御信号ラインLohによって、コントロールユニット50と接続されている。
【0036】
香料ポンプPは、制御信号ラインLopによって、コントロールユニット50と接続されている。
光センサOS1、OS2は、制御信号ラインLosによって、コントロールユニット50と接続されている。
電動ファンFは、制御信号ラインLofによって、コントロールユニット50と接続されている。
図9において、符号Uag(二点差線で囲った領域)は、香料蒸発ユニットを示しており、香料蒸発ユニットUagは単一の加熱皿71、単一のポンプPを包含している。
【0037】
図示の実施形態では、コントロールユニット50は、気化して徐放するべき香料の量に対応して、加熱皿71の加熱温度を、例えば、3段階に調節する機能を有している。
また、コントロールユニット50は、気化して徐放するべき香料の量に対応して、加熱皿71における加熱開始タイミングと、加熱終了タイミングを制御する機能を有している。
さらに、コントロールユニット50は、加熱開始と加熱終了のタイミングに対応して、電動ファンFを作動するタイミングと停止するタイミングを制御する機能を有している。
それに加えて、コントロールユニット50は、電動ファンFの風量を制御する機能を有している。
【0038】
次に、図10〜図12を参照して、実施形態における芳香発生の制御を説明する。
図10は、芳香発生制御のメインルーチンを示している。
なお、図示の実施形態では、芳香発生装置100は制御プログラムにより作動するように構成されているが、各種制御を作業員が行なう様に構成しても良い。
【0039】
図10のステップS1では、芳香発生装置100の電源を入れる。そしてステップS2では、芳香発生量を変更するか否かを判断し、芳香発生量を変更するのであれば(ステップS2がYES)ステップS3に進む。芳香発生量を変更しないのであれば(ステップS2がNO)、ステップS6まで進む。
ここで、芳香発生量を変更するか否かは、コントロールユニット50により、モニタ120を介して、質問することにより行なわれる。
ステップS3では、芳香発生装置100の管理者(操作スタッフ)が、芳香発生量を入力する。
図示の例では、芳香発生量は、例えば5段階に調整可能である。そして、例えば、現状より増量する場合はアップボタンを押し、現状より減量する場合はダウンボタンを押すように構成されている。
【0040】
ステップS4では、コントロールユニット50により加熱温度を変更して、芳香発生量に対応する加熱温度とせしめる。
図示の実施形態では、芳香発生量に対応する加熱温度として、例えば5段階(T1〜T5)の温度を設定している。
ステップS5では、コントロールユニット50は、例えばインバータ制御のファンFの回転数を変更することにより、風量を変更する。
ここで、空間の広さ、温度、湿度という条件が一定であれば、芳香発生量と、加熱皿71の加熱温度及び電動ファンFの回転数は相関がある。係る創刊について、予め制御マップその他の形式で、コントロールユニット50内の図示しない記憶手段に記憶させておくことが好ましい。
【0041】
ステップS6に進み、コントロールユニット50は、ポンプPを作動する。ここで、ポンプPに吸入流量(或いは吐出流量)の可変機能を設けている場合には、コントロールユニット50は、必要な香料の徐放量に対応してポンプPの吸入流量(或いは吐出流量)を調整することも可能である。
次のステップS7では、コントロールユニット50は、ポンプP作動から所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過するまではステップS7がNOのループを繰り返す。一方、所定時間が経過したなら(ステップS7がYES)、加熱皿71に規定量の香料が注入されたと判断して、ポンプPを停止する(ステップS8)。
ステップS9では、コントロールユニット50は、所望の香料発生量に対応した加熱温度で加熱皿71を加熱するべく、開閉器17を操作して、電源18から加熱手段16に電力を供給する。
次のステップS10では、コントロールユニット50はファンFを作動し、光センサOS1、OS2を作動する(ステップS11)。
【0042】
ここで、芳香発生装置100が使用される空間の温度や湿度は、季節、空間の広さ、人間の数によって変化する。そのため、ステップS3で入力された芳香発生量の標準値としては、例えば、年間を通しての平均温度、平均湿度において、所定の加熱温度で、且つ、所定のファン回転数の場合に、加熱皿71中の香料における揮発成分が、所定時間内で蒸発するような量として設定されている。
したがって、例えば、温度は標準域であるが、湿度が極めて高い場合、或いは、空間が狭いような場合には、加熱温度及びファン回転数が適切に設定された値であっても、加熱皿71内の香料の揮発成分は、予定時間よりも早く蒸発する可能性が高い。ここで、香料が揮発したか否かは、光センサOS1、OS2により、確認できる。
【0043】
ステップS12では、コントロールユニット50は光センサOS1、OS2の信号から、香料が蒸発しなくなったか否か、換言すれば、過熱皿71内に香料が残存しているか否かについて判断する。例えば、光センサOS1から放射される光が遮られず、減衰しなくなった場合には、香料蒸気が当該光を遮っておらず、加熱皿71内からは香料蒸気が発生しておらず、香料は蒸発しなくなったと判断する。
香料が蒸発している間は(ステップS12がNO)、ステップS12が「NO」のループを繰り返す。香料が蒸発しなくなったなら(ステップS12がYES)、加熱皿71の開閉バルブVを開放して、加熱皿71内の廃液を排出する(ステップS13)。排出した廃液は、廃液タンク12に貯留される。
ステップS14では、コントロールユニット50は、排出を開始してから所定時間が経過したか否かを確認する。所定時間が経過したなら(ステップS14がYES)、加熱皿71の廃液は完全に排出されたと判断して、開閉バルブVを閉じて、廃液のドレンを停止する(ステップS15)。そして、ステップS2まで戻る。
【0044】
図11は、芳香発生装置100を停止させるためのサブルーチンである。係るサブルーチンは、図10のメインルーチンと並行して実行される。
図11のステップS21では、コントロールユニット50は、装置停止信号の有無を判断する。そして、装置停止信号があるまで、待機している(ステップS21がNOのループ)。
装置停止信号があったなら(ステップS21がYES)、ステップS22に進み、例えば図示しないセンサを用いて、加熱皿71に液体が残っていないか否かを判断する。
【0045】
加熱皿71に液体が残っていれば(ステップS22がNO)、コントロールユニット50は開閉弁V(図8参照)を開放して廃液ドレンを開始する(ステップS23)。そして、ステップS22が「NO」のループを実行する。
一方、加熱皿71に液体が残っていなければ(ステップS22がYES)、ステップS24に進む。
ステップS24では、コントロールユニット50は開閉弁V(図8参照)を閉鎖して廃液ドレンを停止し、加熱皿71の加熱も停止する(ステップS25)。さらに、ポンプPも停止し(ステップS26)、光センサOS1、OS2を停止して(ステップS27)、ファンFを停止させる(ステップS28)。
最後にステップS29で電源を切って、芳香発生装置100停止の制御を終了する。
【0046】
図12を参照して、加熱皿71が過加熱状態(オーバーヒート)となった場合に対処するためのサブルーチンを説明する。係るサブルーチンは、図10のメインルーチンにおけるステップS9以降に始動され、図10のメインルーチンと並行して実行される。
図12のステップS31では、温度センサ(例えばサーミスタ)19によって加熱皿71の所定位置における温度を計測する。
ステップS32では、コントロールユニット50は、サーミスタ19からの温度情報に基づいて、加熱皿71の所定位置における温度が第1の所定温度Tn以上となったか否かを判断する。
加熱皿71の所定位置温度が第1の所定温度Tnに達しない場合は(ステップS32がNO)、ステップS32が「NO」のループを繰り返す。加熱皿71の所定位置温度が第1の所定温度Tn以上となった場合には(ステップS32がYES)、加熱皿71の加熱を停止して(ステップS33)、ステップS34に進む。
【0047】
ステップS34では、コントロールユニット50は、ステップS33で加熱を停止した後、所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過したならば(ステップS34がYES)ステップS35に進み、加熱皿71の所定位置温度が第2の所定温度Ty以下であるか否かを判断する。
ここで、第1の所定温度Tn>第2の所定温度Tyである。
所定時間内で加熱皿71の所定位置温度が第2の所定温度Ty以下に降温したのであれば(ステップS35がYES)、加熱皿71は加熱していないと判断して、ステップS36で加熱皿71の加熱を再開する。そしてステップS31まで戻り、ステップS31以降を繰り返す。
所定時間が経過したのに、加熱皿71の所定位置温度が第2の所定温度Ty以下に降温市無かった場合(ステップS35がNO)には、ステップS37に進む。ステップS37では、コントロールユニット50は、トラブルが発生したと認識して、当該加熱皿71を包含する香料蒸発ユニットUagを停止して、ステップS38に進む。
【0048】
ステップS38では、コントロールユニット50は、装置100全体で香料蒸発ユニットUagが何台停止しているかを判断し、停止しているユニットUagがN台(例えば3台)以上になったか否かを判断する。
停止しているユニットUagがN台未満であれば(ステップS38がNO)、トラブルが発生した香料蒸発ユニットUagのみを停止すれば、芳香発生装置100の運転自体には問題がないと判断して、ステップS31まで戻る。
一方、停止しているユニットUagがN台以上となった場合には(ステップS38がYES)、コントロールユニット50は、芳香発生装置100の運転続行は危険であると判断して、芳香発生装置100の非常停止を行ない(ステップS39)、制御を終了する。
【0049】
図示の実施形態によれば、香料ポンプP、第2のホースH2、加熱皿71及び加熱装置16、ファンFは複数設けられているので、気化した香料を大量に徐放することが出来る。
そのため、各種遊技場等の娯楽施設の様に、多人数が集まる空間に配置しても、当該空間中における大量の芳香或いは気化した香料を徐放して、当該空間に存在する人々に芳香或いは気化した香料の存在を感知させることが出来る。
その結果、香料(特に機能性香料)における身体に良好な影響を、各種遊技場等の娯楽施設等の空間に集った大勢の人達に与えることが出来る。
【0050】
また、図示の芳香発生装置100によれば、第1のホースH1、ポンプP、第2のホースH2、加熱皿71及び加熱装置16、ファンFから成る徐放機構が複数ユニット(蒸発ユニットUagとして5ユニット)存在しているので、何れか一つの徐放機構(Uag)が損傷したり、機能しなくなったりした場合においても、残りの徐放機構から気化した香料を徐放して、芳香発生装置100が設置されている空間に集っている人々に芳香や気化した香料の存在を認識させ続けることが可能である。
【0051】
図示の実施形態では、芳香発生装置100にコントロールユニット50を設け、加熱手段16の加熱温度と、加熱手段16における加熱を開始するタイミング及び終了するタイミングと、ファンFの作動タイミング及び停止タイミングと、ファンFにおける風量とを制御する様に構成している。
そのため、気化して徐放するべき香料の量に対応して、加熱手段16、ファンFを適正に制御して、香料の加熱及び除法を適正に実行することが出来る。
【0052】
さらに実施形態に係る芳香発生装置100は、加熱皿71(加熱装置16)が過熱した旨を検知する温度センサ(例えば、サーミスタ)19を備え、温度センサ19が、加熱皿71及び加熱装置16が過熱した旨を検知した場合には加熱装置16における加熱を停止する様に構成している。
したがって、加熱皿71及び加熱装置16における異常な加熱を防止して、例えば、発火や焦げ付きによる異臭発生等の不都合を防止することが出来る。
【0053】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
【符号の説明】
【0054】
1・・・フロントカバー
2・・・サイドカバー
3・・・リヤカバー
4・・・トップカバー
5・・・床部材
6・・・下方棚部材
7・・・上方棚部材
8・・・レール
9・・・トレイ
10・・香料タンク
12・・・廃液タンク
14・・・ファンユニット
16・・・加熱部材
19・・・温度センサ
50・・・制御手段/コントロールユニット
71・・・加熱皿
F・・・電動ファン/ファン
H2・・・第2の香料ホース
H3・・・第1の廃液ホース
OS1、OS2・・・光センサ
P・・・香料ポンプ/ポンプ
V・・・開閉弁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料を貯留した一つの香料貯蔵装置を設け、香料貯蔵タンクの開口部に連通する複数本の第1の可撓性配管を備え、第1の可撓性配管の各々は香料貯蔵タンクから香料を吸引するポンプの吸引側に接続されており、当該ポンプの吐出側は第2の可撓性配管に接続されており、第2の可撓性配管は香料を一時的に貯蔵して加熱する香料加熱装置に連通しており、香料加熱装置で加熱されて気化した香料を吸引して大気中に放散する複数の吸引装置を有しており、第1の可撓性配管とポンプと第2の可撓性配管と香料加熱装置は同一数が設けられており、吸引装置は香料加熱装置と同一数或いはその整数倍が設けられていることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項2】
制御装置を有しており、当該制御装置は、気化して徐放するべき香料の量に対応して香料加熱装置における加熱を開始するタイミングと終了するタイミングを制御する機能と、香料加熱装置における加熱を開始するタイミングと終了するタイミングに対応して吸引装置を作動するタイミングと停止するタイミング及び吸引装置における風量を制御する機能を有している請求項1の芳香発生装置。
【請求項3】
香料加熱装置が過熱した旨を検知する検知装置を備え、前記制御装置は、検知装置により香料加熱装置が過熱した旨を検知した場合には香料加熱装置における加熱を停止する機能を有している請求項2の芳香発生装置。
【請求項1】
香料を貯留した一つの香料貯蔵装置を設け、香料貯蔵タンクの開口部に連通する複数本の第1の可撓性配管を備え、第1の可撓性配管の各々は香料貯蔵タンクから香料を吸引するポンプの吸引側に接続されており、当該ポンプの吐出側は第2の可撓性配管に接続されており、第2の可撓性配管は香料を一時的に貯蔵して加熱する香料加熱装置に連通しており、香料加熱装置で加熱されて気化した香料を吸引して大気中に放散する複数の吸引装置を有しており、第1の可撓性配管とポンプと第2の可撓性配管と香料加熱装置は同一数が設けられており、吸引装置は香料加熱装置と同一数或いはその整数倍が設けられていることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項2】
制御装置を有しており、当該制御装置は、気化して徐放するべき香料の量に対応して香料加熱装置における加熱を開始するタイミングと終了するタイミングを制御する機能と、香料加熱装置における加熱を開始するタイミングと終了するタイミングに対応して吸引装置を作動するタイミングと停止するタイミング及び吸引装置における風量を制御する機能を有している請求項1の芳香発生装置。
【請求項3】
香料加熱装置が過熱した旨を検知する検知装置を備え、前記制御装置は、検知装置により香料加熱装置が過熱した旨を検知した場合には香料加熱装置における加熱を停止する機能を有している請求項2の芳香発生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−217814(P2011−217814A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87445(P2010−87445)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(501048930)株式会社シームス (34)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(501048930)株式会社シームス (34)
【Fターム(参考)】
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