説明

芳香発生装置

【課題】リサイクルに適した構造の芳香発生装置を提供する。
【解決手段】分離可能な第一ケース2A、第三ケース2Cと、第一ケースと第三ケースの間で構成される内部空間を区画する第二ケース2Bとで構成されたケース2を備え、第一ケース2Aに芳香剤を収納をするオイルトレイ部4と、オイルトレイ部を加熱する加熱手段3と、二次電池1と、受電コイル33と、受電コイル33と外部の送電コイル41の電磁結合で充電する充電回路35とを備え、第一ケースと第二ケースの間に回路基板7が配置される第一防水構造の第一収納空間SP1と、第二ケースと第三ケースの間に二次電池が収納される第二収納空間SP2が画成される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてアロマセラピー用の芳香を放出可能な携帯型の芳香発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アロマセラピー用の器具は開発されている(例えば特許文献1参照)。このアロマセラピー用器具80は、図17に示すようにケース部材81の外形を球状とし、風呂の熱で芳香剤を加熱する構造としている。この構造では、外形が大型化し、特に厚さが厚くなるという問題があった。また風呂の熱で芳香剤を加熱して芳香を発する構成のため、風呂以外の通常の部屋などでは利用することができない。
【0003】
一方で、加熱源を備え、室内でも利用可能としたアロマセラピー用器具も開発されている(例えば特許文献2参照)。このアロマセラピー用器具84は、図18に示すように被加熱材料を入れる容器85と、容器85の下方に配置する加熱板86と、加熱板86を加熱するヒータ87とを備えている、しかしながらこのアロマセラピー用器具も外形が比較的大きくなり、コンパクトさに欠けるという欠点があった。
【0004】
さらにこれらのアロマセラピー用器具では、いずれも電池を交換する構造となっておらず、使い捨て式であるため、環境に対して好ましくない。特に近年の環境意識の高まりから、リユース可能な構造が求められているところ、そのような芳香発生装置は未だ開発されていなかった。
【0005】
例えば上記のアロマセラピー用器具では、電池交換のために分解すると、防水構造が維持できなくなる。このため、使用を継続すると安全上問題となる可能性がある。特に近年は内蔵電池として、より高出力なリチウムイオン二次電池が利用されることが多いが、リチウムイオン二次電池は水分を嫌うため、安全性の点においても従来の構造では対応できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−201480号公報
【特許文献2】特開2004−57452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものであり、その主な目的は、リサイクルに適した構造の芳香発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の側面に係る芳香発生装置によれば、ケース2と、前記ケース2に設けられた、芳香剤を収納するためのオイルトレイ部4と、前記オイルトレイ部4を加熱するための加熱手段3と、前記加熱手段3に通電するための充電可能な二次電池1と、前記二次電池1を充電するための充電回路35と、前記充電回路35を実装した回路基板7と、を備え、前記ケース2内部に、前記二次電池1がその長手方向を該ケースと略平行とした横向きの姿勢で収納することができる。これにより、芳香発生装置を小型化でき、携行に容易で、かつ二次電池を無理なく収納してデザイン的にもコンパクトに収めることができる。
【0009】
また第2の側面に係る芳香発生装置によれば、前記ケースが、第一ケース2Aと、前記第一ケース2Aから分離可能とした第三ケース2Cと、前記第一ケース2Aと第三ケース2Cの間で、これらによって構成される内部空間を区画するための第二ケース2Bと、で構成されてなり、第一ケース2Aと第二ケース2Bの間には、第一収納空間SP1が、第二ケース2Bと第三ケース2Cの間には、第二収納空間SP2が、それぞれ画成されており、前記第一収納空間SP1には、前記回路基板7が配置されており、前記第二収納空間SP2には、前記二次電池1を収納することができる。これにより、第三ケースを外すことで二次電池を交換可能としつつ、電池交換時においても、第一収納空間の防水性は維持されるので、ここに収納された回路基板に実装される電子部品を浸水から保護できる。
【0010】
さらに第3の側面に係る芳香発生装置によれば、前記第一収納空間SP1が、防水性を有する第一防水構造を備えることができる。これにより、第一収納空間に内蔵される充電回路などの電子部品を、第一防水構造によって浸水から保護でき、機器の寿命や信頼性を高められる。また水洗い可能とすることで、芳香剤を収納するオイルトレイ部の掃除や手入れが楽となり、清潔に維持しやすいという利点も得られる。
【0011】
さらにまた、第4の側面に係る芳香発生装置によれば、前記第二収納空間SP2が、防水性を有する第二防水構造を備えることができる。これにより、二次電池を交換可能式としつつも、独立した第二防水構造によって通常使用時には第二収納空間への浸水を阻止でき、水洗いが可能な構成とできる。
【0012】
さらにまた、第5の側面に係る芳香発生装置によれば、前記第一防水構造として、前記第一ケース2Aと第二ケース2Bの間に、弾性材で構成された第一シール材8を配置し、前記第二防水構造として、前記第一シール材8に加え、前記第一ケース2Aと第三ケース2Cの間に、弾性材で構成された第二シール材9を配置し、前記第一ケース2Aは、前記第三ケース2Cの内径よりも外径が小さく、かつ前記第二ケース2Bの外径よりも内径が大きい、封止片2aを備えており、前記封止片2aの外面と、前記第三ケース2Cの内面との間に、前記第二シール材9を配置し、前記封止片2aの内面と、前記第二ケース2Bの外面との間に、前記第一シール材8を配置することができる。これによって、第一収納空間、及び第二収納空間の防水性を独立して確実に発揮できる。
【0013】
さらにまた、第6の側面に係る芳香発生装置によれば、前記ケース2が、平面視略円形に形成されてなり、前記第一シール材8と第二シール材9とが、前記ケース2の円形の半径方向に並ぶように配置することができる。これにより、第一ケースの封止片を第二ケースと第三ケースの間に介在させて、ケースの半径方向に沿って第一シール材、第二シール材を並べることで、径の異ならせた第一ケース、第二ケース、第三ケース間の防水構造を効果的に発揮できる。特に、第一シール材と第二シール材で押圧する位置がほぼ一致されて、押圧効果が高められ、より確実に防水性が発揮される。
【0014】
さらにまた、第7の側面に係る芳香発生装置によれば、前記第二収納空間SP2において、さらに前記二次電池1を収納する電池収納空間BSが画成されると共に、前記電池収納空間BSを閉塞する着脱式の電池蓋51を備えており、前記電池収納空間BSに防水構造を付与する第三防水構造として、前記電池蓋51と第二ケース2Bとの間に、弾性材で構成された第三シール材52を配置しており、前記第三シール材52は、前記電池蓋51と第二ケース2Bとで狭持される狭持面を平板状とすることができる。これによって、電池交換のため開放することを想定した電池収納空間は、狭持面を平板状とする第三シール材によって、密着面積を広く確保し、繰り返しの使用でも防水性を維持できる。
【0015】
さらにまた、第8の側面に係る芳香発生装置によれば、さらに前記二次電池1と電気接続された受電コイル33を備えており、前記充電回路35が、前記受電コイル33を、外部の送電コイル41と電磁結合した状態で、前記二次電池1を無接点で充電するよう構成できる。これにより、芳香発生装置をコードレスで無接点充電可能とでき、充電を簡単に行える利点が得られる。
【0016】
さらにまた、第9の側面に係る芳香発生装置によれば、さらに、前記第三ケース2Cを照明するための照明光を発する発光体15を備えており、前記発光体15が、前記二次電池1の側面に配置されてなり、前記発光体15の発する光を、前記第三ケース2Cの平面視略中央に案内するためのランプリーダ60を備えることができる。これにより、発光体を二次電池の下面に配置することなく、よって二次電池を第三ケースから着脱する構造を維持しつつ、発光体からの照明光は第三ケースの中心からの発光させることができ、二次電池の着脱構造と照明光の導光を両立できる。
【0017】
さらにまた、第10の側面に係る芳香発生装置によれば、前記受電コイル33が、空芯であり、前記ランプリーダ60が、その出射面63aを前記受電コイル33の中心に挿入することができる。これにより、空芯の受電コイルに開口された開口部分を有効利用して、ランプリーダは発光体の光を第三ケースの中心に案内できる利点が得られる。
【0018】
さらにまた、第11の側面に係る芳香発生装置によれば、前記ランプリーダ60が、導光部62と、前記導光部62の一端に、折曲姿勢に連結された入光部61と、前記導光部62の他端に連結され、前記入光部61と異なる方向に折曲された出光部63と、を備えており、前記導光部62の幅を、前記出光部63の幅よりも狭くし、かつ前記導光部62と出光部63との連結部分における反射面64を、階段状に形成することができる。これにより、導光部の厚さを薄くしつつも光を効率よく厚い出光部に均一に反射できる利点が得られる。
【0019】
さらにまた、第12の側面に係る芳香発生装置によれば、さらに前記加熱手段3を、所定のON時間と所定のOFF時間を交互に繰り返すようにON/OFFを制御する制御部6を備えることができる。これにより、嗅覚疲労を考慮しながら芳香を持続的に楽しむことができ、アロマテラピー効果を持続できる。
【0020】
さらにまた、第13の側面に係る芳香発生装置によれば、さらに、前記第一ケース2Aを被覆する着脱式の第一カバー部66を備えており、前記オイルトレイ部4が、前記第一ケース2Aの上面において、上方を開放するように配置されており、前記第一カバー部66によって前記オイルトレイ部4の上方が閉塞されるよう構成できる。これにより、芳香剤を充填したオイルトレイ部を第一カバー部で閉塞できるので、芳香剤がこぼれ落ちることを防止できる。
【0021】
さらにまた、第14の側面に係る芳香発生装置によれば、前記第三ケース2Cが、透光性を有する第二カバー67を備えることができる。これにより、発光体で第三ケースを照明する照明光を、第二カバーを通じて外部に透過させることができ、イルミネーション効果を発揮できる。
【0022】
さらにまた、第15の側面に係る芳香発生装置によれば、前記受電コイル33が、前記第二収納空間SP2の底面で、かつ平面視の略中央に配置されており、前記第三ケース2Cが、前記受電コイル33が位置する部分を、略平面状に形成できる。これにより、ケースの底面を、受電コイルを配置する領域を平板状とすることで、電磁誘導による充電に際して、送電コイルと最も近接させることが可能となり、結合効率を高めて充電することが可能となる。
【0023】
さらにまた、第16の側面に係る芳香発生装置によれば、外部電源が、前記受電コイル33と電磁結合する送電コイル41を有する充電台40であって、前記充電台40は、上面に芳香発生装置を載置する載置台43を有しており、前記載置台43に配置された芳香発生装置の前記受電コイル33と、前記充電台40の送電コイル41とを電磁結合して無接点で充電可能に構成できる。これにより、充電台を用いて無接点で芳香発生装置を充電できる利点が得られる。
【0024】
さらにまた、第17の側面に係る芳香発生装置によれば、前記充電台40が、スピーカ46を備えることができる。これにより、芳香と共に音楽などを流すことが可能となり、リラックス効果の高い音楽を流すことでヒーリング効果を高めることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施の形態に係る芳香発生装置を充電台に載置する状態を示す斜視図である。
【図2】図1の芳香発生装置を充電台から分離する状態を示す斜視図である。
【図3】図2の芳香発生装置から第一カバー部を外した状態を示す斜視図である。
【図4】図2の芳香発生装置の分解斜視図である。
【図5】図4の芳香発生装置を下方から見た分解斜視図である。
【図6】図2の芳香発生装置のVI−VI線における垂直断面図である。
【図7】図6の芳香発生装置の第一防水構造及び第二防水構造を示す拡大断面図である。
【図8】図2の芳香発生装置から第三ケースを取り外す状態を示す背面から見た斜視図である。
【図9】図8の芳香発生装置から電池蓋を取り外す状態を示す背面から見た斜視図で
【図10】図6の芳香発生装置のライティング構造を示す拡大断面図である。
【図11】図10の芳香発生装置の出光部を示す拡大断面図である。
【図12】芳香発生装置の温度プロファイルを示すグラフである。ある。
【図13】図2の充電台の分解斜視図である。
【図14】本発明の一実施例にかかる芳香発生装置のブロック図である。
【図15】本発明の他の実施例にかかる芳香発生装置の回路図である。
【図16】図15に示す芳香発生装置を充電台で充電する状態を示す側面図である。
【図17】従来の芳香発生装置を示す分解斜視図である。
【図18】従来の他の芳香発生装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための芳香発生装置を例示するものであって、本発明は芳香発生装置を以下のものに特定しない。特に本明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施の形態に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、及び「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記しているが、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0027】
図1〜図16に、本発明の実施の形態に係る芳香発生装置100を示す。これらの図に示す芳香発生装置100は、外観を平面視円形とし、側面視を楕円状とした、全体に丸みを帯びた外形としている。芳香発生装置100は、ケース2を第一ケース2A、第二ケース2B、第三ケース2Cに大きく3分割しており、上面に位置する第一ケース2Aには、芳香剤を収納するためのオイルトレイ部4を設けている。オイルトレイ部4に芳香剤を充填し、このオイルトレイ部4を内蔵する加熱手段3で加熱することによって芳香剤が加熱され、芳香を周囲に発散する。さらに第一ケース2Aの上面は第一カバー部66を着脱自在に装着している。また第三ケース2Cは、その一部を透光性を有する第二カバー67としている。
【0028】
図1〜図2に示す芳香発生装置100は、充電可能な二次電池1を内蔵しており、ACアダプタのようなコードに接続することなく単体で使用できる。特にこの芳香発生装置100は小型であり、携行にも便利である。また内蔵二次電池1は、充電台40によって充電可能である。充電台40は、内蔵する送電コイル41を芳香発生装置100の受電コイル33と電磁結合させて、電磁誘導によって無接点の充電を可能としている。図1、図2に示すように、充電台40の上面に形成された平板状の載置台43に芳香発生装置100を載置することで、充電が開始される。充電台40は、ACアダプタを介して外部の商用電源と接続され、電力の供給を受け、この電力を送電コイル41から芳香発生装置100に送電する。
(オイルトレイ部4)
【0029】
芳香発生装置100は、図3に示すように、上面に第一カバー部66を着脱式に設けている。第一カバー部66を外すと、芳香装置のケース2の上面に設けられたオイルトレイ部4が表出する。オイルトレイ部4は、上方を開放するお椀状に窪ませて形成される。このオイルトレイ部4は、アルミニウムや銅等の熱伝導の優れた金属板で製作される。そして芳香剤をオイルトレイ部4に充填した状態で、第一カバー部66を装着して、オイルトレイ部4が閉塞され、芳香剤を直接外部に表出させないように構成する。また芳香剤がオイルトレイ部4からこぼれ落ちることに対しても効果的となる。オイルトレイ部4は、熱伝導性に優れた部材、例えば金属で構成される。これによって、芳香発生装置100に内蔵され、二次電池1からの電力によって加熱される加熱手段3の熱伝導によりオイルトレイ部4が加熱され、オイルトレイ部4に収納された芳香剤が芳香を発散させる。さらに第一カバー部66は、後述する第一ケース2Aに設けられたタッチセンサの誤動作を防止する機能も果たす。
【0030】
またケース2の内部には、図4及び図5の分解斜視図に示すように二次電池1と、二次電池1で通電されて加温される加熱手段3と、二次電池1の通電を制御して加熱手段3の温度をコントロールする温度制御回路92とを備える。加熱手段3は、二次電池1に通電されて加温されるPTCヒータであり、この加熱手段3がオイルトレイ部4と熱結合されている。温度制御回路92は、加熱手段3を加温する設定温度を記憶している記憶部13と、加熱手段3の温度を記憶部13に記憶している設定温度に制御する制御部6とを備える。
(加熱手段3)
【0031】
第一ケース2Aに設けたオイルトレイ部4の底面に、加熱手段3を配置する。二次電池1で加熱手段3に通電して発熱させ、この熱をオイルトレイ部4に熱伝導して、ここに充填された芳香剤から芳香を発散させる。加熱手段3としては、平面状のPTCヒータ3Aが好適に利用できる。このPTCヒータ3Aは略円板形であって、角型二次電池1のフラット面1aに対向して、フラット面1aと平行な姿勢で第2ケース2Bの遮蔽プレートの下面に配設される。この平面状のPTCヒータ3Aに熱結合してオイルトレイ部4が固定され、平面状のPTCヒータ3Aがオイルトレイ部4を加温する。平面状のPTCヒータ3Aは、通電されて温度が設定温度まで上昇すると、電気抵抗が急激に大きくなって実質的には電流が遮断される。したがって、平面状のPTCヒータ3Aは、自己で温度を設定温度以下にコントロールする機能があり、温度を制御する温度制御回路を使用しないで、最高温度を設定温度よりも低くできる。ただ、平面状のPTCヒータ3Aは、通電する電流をコントロールして温度を制御することもできる。平面状のPTCヒータ3Aは、その両面に、銀メッキされた電極が形成されており、その表面に、金属板が押圧した状態で接触することで、電力が供給される。金属板は、詳細な説明は省略するが、遮蔽プレートを貫通するように折曲片が延在して形成され、これらの折曲片が回路基板7に電気接続されている。なお加熱手段3には、平面状のPTCヒータ3A以外に、トランジスタの発熱を利用したものや、抵抗体等も利用できる。
(二次電池)
【0032】
二次電池1は、対向する両面をフラット面1aとしてなる角型のリチウムイオン二次電池や、リチウムポリマー電池等からなる角型二次電池が利用できる。角型二次電池は、アルミニウムやアルミニウム合金を角型にプレス加工している外装缶に、電極と電解液を入れて密閉している。この角型二次電池は、外装缶のフラット面1aの内面に電極を密着している。このため、冬季の低温状態において、外装缶のフラット面1aを介して電極を所定の温度に加温して、低温時の電気特性を速やかに改善できる。角型二次電池は、電圧を3.7V、容量を2000mAhとするリチウムイオン二次電池である。この二次電池1は、平面状のPTCヒータ3Aでオイルトレイ部4を38℃〜48℃に加温して、約8〜10時間使用できる。ただ、二次電池には、リチウムポリマー電池も使用できる。さらに、本発明においては、二次電池1の形状を角型に限定するものでなく、円筒型電池等も利用できる。また、リチウムイオン二次電池又はリチウムポリマー電池だけでなく、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等の二次電池も使用できる。
(ケース2)
【0033】
ケース2は、全体の平面形状を楕円形としている。また、断面形状も薄い楕円形状としている。このケース2はプラスチック製である。このケース2は、主に第一ケース2Aと第二ケース2Bと、第三ケース2Cに三分割されている。図4の分解斜視図に示すように、第一ケース2Aと第三ケース2Cで第二ケース2Bを挟み込むように配置される。すなわち、第一ケース2Aと第二ケース2Bは、ケース2をほぼ中央で二分しており、第二ケース2Bはケース2の内部空間を第一収納空間SP1と第二収納空間SP2に二分している。
(収納空間)
【0034】
ケース2内に第二ケース2Bを配置することで、第一ケース2Aと第二ケース2Bの間には、第一収納空間SP1が、第二ケース2Bと第三ケース2Cの間には、第二収納空間SP2が、それぞれ画成される。第一収納空間SP1には、センサフレームと回路基板7が収納される。また第二収納空間SP2には、二次電池1と受電コイル33が収納される。これら第一収納空間SP1と第二収納空間SP2は、それぞれ防水性を有するよう、第一防水構造、第二防水構造が設けられる。
(第一ケース2A)
【0035】
第一ケース2Aは、ケース2の上半分を構成する平面視がほぼ円形で、側面視は底面を平面状とし、ドーム状に湾曲させており、このドーム状部分2bの下面を開口し、内部を第一収納空間SP1としている。またドーム状部分2bには、オイルトレイ部4が設けられる。オイルトレイ部4はインサート成形などにより第一ケース2Aに固定される。また第一ケース2Aは、第二ケース2B、第三ケース2Cを連結する止ネジ20をねじ込む連結リブ21を一体的に成形して設けている。連結リブ21は、角型二次電池の四隅部に位置するように設けられる。
(封止片2a)
【0036】
第一ケース2Aには、図6の断面図及び図7の拡大図に示すように、上方のドーム状部分2bの下面の開口端縁に封止片2aを設けている。封止片2aは、図4の分解図に示すように、開口端縁に沿って、下方に突出するよう形成された円環筒状の壁であり、図6、図7の断面図に示すように、内径を第一ケース2Aのドーム状部分2bの内径とほぼ一致させる一方、外径を、ドーム状部分2bの外径よりも小さくし、ここに第三ケース2Cの開口端縁を位置させるよう、段差2cを設けている。なお第三ケース2Cはさらに外側に第二カバー67を固定しており、一方第一ケース2Aは、外側を第一カバー部66を着脱自在に装着しているため、第一ケース2Aと第三ケース2Cの接合面の外周では、これら第一カバー部66と第二カバー67とが当接している。
(第二防水構造)
【0037】
このように封止片2aの外径は、第三ケース2Cの内径よりも小さく形成される。この例では、第三ケース2Cはねじ込み式に、第二ケース2Bを固定した第一ケース2Aと装着される。さらにこのケース2は、第三ケース2Cと、第二ケース2Bとで画成される第二収納空間SP2を防水する第二防水構造として、第二シール材を設けている。図7の例では、第二シール材は第二Oリングである。第二Oリングは、ゴムなどの弾性体よりなり、断面を円形としたリング状に形成される。
(第二嵌入溝72)
【0038】
また封止片2aの外周には、この第二Oリングを保持するための、断面視コ字状の第二嵌入溝72が設けられている。第二嵌入溝72は第二Oリングの断面外径とほぼ同じか、これよりも若干小さく形成することで、第二Oリングを弾性変形させて第二嵌入溝72内に圧入できる。図7に示すように、第二Oリングによって第一ケース2Aと第三ケース2Cとの接合界面が圧着されて、防水性が維持される。
(第一防水構造)
【0039】
さらに封止片2aの内面側では、第一ケース2Aと第二ケース2Bとの間に第一防水構造が設けられる。封止片2aの内面は、上述の通り第一ケース2Aの内径とほぼ同一平面となるように形成される。この封止片2aの内径は、第二ケース2Bの外径よりも大きく形成され、第二ケース2Bの外面と封止片2aの内面との間を絶縁するための第一防水構造として、ここでは第一シール材8が配置される。第一シール材8は、好ましくは第一Oリングが用いられる。図7の例では、第二ケース2Bの外面で、封止片2aと接触する部分には、第一嵌入溝71が形成される。第一嵌入溝71も断面をほぼコ字状として、ここに第一Oリングを嵌入する。このため第一Oリングの断面外径は、第一嵌入溝71の幅とほぼ同じか、これよりも若干大きく形成して、第一Oリングを弾性変形させて第一嵌入溝71に圧入する。
【0040】
第一Oリングのリング状の外径は、第二Oリングの内径よりも小さくしている。すなわち、封止片2aの表裏で、第一Oリングが内面側に、第二Oリングが外面側に位置する。これによって封止片2aすなわち第一ケース2Aを境に、第二ケース2Bとの間に第一Oリングを、第三ケース2Cとの間に第二Oリングを介在させて、両者の間で防水構造を構成する。
【0041】
また、この第一Oリングと、第二Oリングとは、好ましくは図7に示すように封止片2aの表裏でほぼ水平に、すなわちケース2の平面視円形の半径方向に並ぶように配置される。これにより、封止片2aの表裏で押圧される位置が一致して、押圧効果が高められる結果、より確実に防水性が発揮されることとなる。
【0042】
図7に示すように、第一Oリングの断面は、第二Oリングの断面よりも大きく形成している。これによって、着脱を前提とした第三ケース2Cは、少ない抵抗力で容易に着脱できるように第二Oリングを小径とし、一方、着脱を前提とせずに密閉式の防水構造を実現する第一Oリングは、より強い弾性を発揮するように大きな径としている。
(第二ケース2B)
【0043】
第二ケース2Bは、その上面と第一ケース2Aとの間で第一収納空間SP1を、その下面と第三ケース2Cとの間で第二収納空間SP2を、それぞれ画定する。このようにケース2内部を第一収納空間SP1と第二収納空間SP2に区分けする仕切りの役目を果たす。また図7の例では、封止片2aの内側に観入されるよう、第二ケース2Bの外径は封止片2aの内径とほぼ等しく、又はこれよりも若干小さくした形状に形成される。また第二収納空間SP2に、二次電池1を収納する電池収納空間BSを形成するため、図4〜図5に示すように第二ケース2Bの下面には、角型の二次電池1の形状に応じて、その上面を覆う電池収納部68が形成される。なお電池収納空間BSは、第二収納空間SP2のほぼ中央に配置される。このように配置することで、重量のある二次電池1を第三ケース2Cのほぼ中央に配置して、重心を安定させることができる。また一方で第二ケース2Bの上面においては、第一ケース2Aとの間で回路基板7やセンサフレームを固定するためのねじ穴や凸部、スリットなどが設けられる。
(電池蓋51)
【0044】
第二ケース2Bと第三ケース2Cの間には、二次電池1、受電コイル33、電池蓋51が配置される。電池蓋51は、電池収納空間BSを画定するよう、電池収納部68の下面を覆う。電池蓋51は、図4の分解斜視図に示すように、平面視をほぼ円形状とし、側面視は下側に湾曲させたドーム状としつつ、図6、図7の断面図に示すように、第三ケース2Cの第2カバーの内面に沿う形状としている。また電池蓋51の内面(図4において上側)は、受電コイル33を定位置に配置するよう、隔壁状のリブ69を設けている。さらに二次電池1を収納する電池収納空間BSは、第二ケース2Bの下面と電池蓋51の内面で形成されており、電池蓋51を外すことで開放して、二次電池1を交換できる。このため電池蓋51は、図8に示すように第三ケース2Cを外した状態で着脱できるよう、図9に示すようにねじにより4箇所を第二ケース2Bに固定される。
(第三ケース2C)
【0045】
第三ケース2Cは、中央を開口した円環状に形成され、外側に透光性の第二カバー67を固定している。第二カバー67は、第三ケース2Cの開口部を閉塞する。この第三ケース2Cは、発光体15の光を第二ケース2Bに導光して、これを均一に発光させる。このため第二カバー67は、透明樹脂で形成し、その表面をブラスト加工したり、又は樹脂に拡散材を分散させる等して、ここに案内された光を乱反射させることによって発光させるような発光処理を施している。あるいは、第二カバーの端面のみを発光させるエッジライト方式としてもよい。
【0046】
また第三ケース2Cは、図8に示すように、ねじ込み式にケース2の下面と着脱自在としている。このため第三ケース2Cは、図7の断面図に示すように、上端の内面においてねじ山を設けている。同様に第一ケース2Aの係止片も、下端外面に、このねじ山と歯合するねじ山を形成している。そして第二シール材9を係止片外面と第三ケース2C内面に配置することで、着脱自在としながら、装着後の防水性を保っている。このように、ねじ止め機構でリング板を確実に押圧すると共に、第三ケース2Cを回転させてねじ込む構造の2つで、それぞれ防水構造を発揮させることで、二重の防水構造が実現でき、防水性が確実に維持される。
【0047】
また図10に示すように、第三ケース2Cの底面すなわち第二カバー67の底面は、受電コイル33が位置する部分をほぼ平面状67aに形成している。そして受電コイル33を、第二カバー67の内側でこの平面状領域67aに配置する。このような配置によって、受電コイル33をケース2内部の最も底面、いいかえると充電台40に最も近い位置に配置することができ、受電コイル33と送電コイル41の距離を短くして、結合効率を高めることが可能となる。
【0048】
またケース2底面が平坦であることは、芳香発生装置100を載置する際に安定するという利点も得られる。特にドーム状に形成した第三ケース2C(第二カバー67)は、そのドームの頂点部分を平坦状とすることで、必然的に第三ケース2Cの平面視のほぼ中央が平坦部分となる。よってここに受電コイル33を配置し、さらにその上に二次電池1を配置して、重心的にも安定して芳香発生装置100を充電台40の載置台43に載置できる。受電コイル33は、シールド53を介してコイルカバー54で上面を被覆される。
(第三防水構造)
【0049】
また電池収納空間BSに防水構造を付与する第三防水構造として、電池蓋51と第二ケース2Bとの間に第三シール材52を配置している。第三シール材52を電池蓋51と第二ケース2Bとで狭持するため、第二ケース2Bの下面の、周辺近傍には平坦面を設けており、一方電池蓋51の周辺には、第二ケース2Bの平坦に面するように鍔状の狭持面を形成している。これによって、電池交換のため開放することを想定した電池収納空間BSは、狭持面を平板状とする第三シール材52によって、密着面積を広く確保し、繰り返しの使用でも防水性を維持できる。
(第三シール材52)
【0050】
電池収納空間BSを防水構造とするための第三防水構造として、第三シール材52を備えている。第三シール材52は弾性材で構成され、電池蓋51と第二ケース2Bとの間に配置される。この第三シール材52は電池蓋51と第二ケース2Bとで狭持される狭持面を平板状としている。これによって、電池交換のため開放することを想定した電池収納空間BSは、狭持面を平板状とする第三シール材52によって、密着面積を広く確保し、繰り返しの使用でも防水性を維持できる。
【0051】
この第三シール材52はリング状の弾性材で構成されるリング板である。また必要に応じて、ほぼ平板状の表面に凸状や凹状を設けて、シール性を高めることができる。上述の通り、第三ケース2Cを外した状態で、二次電池1を交換するため電池蓋51を取り外すことができる。このような電池蓋51を着脱自在としつつ、使用時に電池蓋51内部の電池収納空間BSに水が侵入しないよう、防水構造とする。ここで、第三ケース2Cの着脱と電池蓋51の着脱とを、ねじ込み式とねじ止めに分けることで、異なる連結構造を採用することによる浸水のリスクを低減する。さらにねじ込み式の第三ケース2CはOリングで防水しつつ、ねじ止めで固定する電池蓋51については、図9に示すようにOリングでなく板状のリング板とすることで、広い面積でリング板と電池蓋51とを接触させて絶縁性の信頼性を高めることができる。
【0052】
このように、単に第二Oリングのみで第一ケース2Aと第三ケース2Cの嵌合面を封止する構造に追加して、第一Oリングとリング板を設けることで、仮に第三ケースから浸水するようなことがあっても、浸水から保護可能な二重の防水構造が実現される。すなわち、第二Oリングで、実装回路の基板内への浸水を防止する一方で、リング板で二次電池1への浸水を防止できる。さらに第四シール材55であるOリングで、後述するランプリーダ60と電池蓋51との隙間からの浸水を防止できる。一方、ケース2の上面においてはオイルトレイ部4と第一ケース2Aは、インサート成形にて嵌合面をシールしている。このような構造で防水機能を実現することで、芳香発生装置100の内部に水分が侵入することを防ぎ、信頼性の高い芳香発生装置100を得ることに成功したものである。
【0053】
防水機能を備えることで、芳香発生装置100の内部に水分が侵入することを防ぎ、安定的に使用できる。また水洗いを可能とすることもできる。特に第三ケース2Cを着脱式として二次電池1を交換可能式としつつも、第二防水構造によって通常の使用時には第二収納空間SP2への浸水を阻止できるため、水洗いが可能となる。また第一収納空間SP1に内蔵される充電回路35などの電子部品も、独立した第一防水構造によって浸水から保護でき、機器の寿命や信頼性を高められる。また水洗い可能とすることで、芳香剤を収納するオイルトレイ部4の掃除や手入れが楽となり、清潔に維持しやすいという利点も得られる。
(回路基板7)
【0054】
回路基板7は、ドーナツ状の平板であり、中央の開口には加熱手段3が配置される。加熱手段3は、上述の通りPTCヒータ3Aである。また回路基板7上には、図4に示すように、発光体15、温度センサ等が実装される。発光体15は図6、図10の断面図に示すように回路基板7の裏面側に実装されている。この発光体15にはLEDなどが利用できる。発光体15の光は、ランプリーダ60を介して透光性の第二カバー67をライティングする。また温度センサは、サーミスタなどが利用でき、加熱手段3で加熱されたオイルトレイ部4の温度を検出して、制御部6に送出する。この回路基板7上には、加熱手段3や発光体15の駆動回路の他、二次電池1の充電回路35も実装されている。
(ランプリーダ60)
【0055】
またシールド53とコイルカバー54の間には、ランプリーダ60も配置される。コイルカバーは、ランプリーダ60を挿入するためのスリットを形成している。ランプリーダ60は、回路基板7の裏面(図4において下側)に実装された発光体15の光を、第三ケース2Cの第二カバー67まで導光する部材である。ランプリーダ60が発光体15の光を効率よく第二カバー67に案内して第二カバー67全体を効率よく発光させる構成を、図10、図11に基づいて説明する。上述の通り、二次電池1をケース2内部のほぼ中央に配置している都合上、LEDを回路基板7の中央に実装することはできない。回路基板7と第三ケース2Cの間に介在する二次電池1が邪魔をして、導光できないからである。そこで二次電池1を迂回するように、二次電池1の側面に実装されたLEDを2回反射させて、二次電池1の下面に案内するように構成している。このためランプリーダ60は、L字状に2度折曲された形状としている。具体的には、導光部62の一端に入光部61を直角に連結し、他端に出光部63を、入光部61と逆向きの直角に連結している。このランプリーダ60は、透光性を有するアクリル板などで構成される。ランプリーダ60の入光部61側の端面である入射面61aは、二次電池1の側面に配置されたLEDに面するように、また出光部63の端面である出射面63aは第三ケース2Cのほぼ中央に面するように、それぞれ配置される。また第三ケース2Cの中央において、出射面63aと面する位置に、垂直に入射された光が透過せず、水平方向に、すなわち第三ケース2Cの壁面に沿って導光されるように光を反射させるためのゲート部67bが形成される。ゲート部67bは、円錐台状に形成され、断面視で約45°に傾斜する傾斜面を備えている。さらに第二カバー67は、上述の通り案内された光を乱反射させて、全体を発光させるようにブラスト加工や拡散材分散などの発光処理が施されている。これにより、LEDを発光させると、ランプリーダ60の入射面61aから導入された光が、折曲部分で2度反射されて、第三ケース2Cの中央から出射される。そして透光性の第二カバー67に設けられたゲート部67bによって分散され、第二カバー67の全周に効率よくLEDの光が案内される。
【0056】
ランプリーダ60の出射面63aは、図10に示すように受電コイル33を貫通させる。受電コイル33は、空芯としているため、中心が開口されている。ここを利用してランプリーダ60の出射面63aを挿通することにより、ケース2の底面に受電コイル33を位置させて充電時の結合効率を高めつつ、ケース2の中央に光を導光してケース2を発光させる構造を両立できる。
【0057】
加えて、図11に示すランプリーダ60は、導光部62の幅を、出光部63の幅よりも狭くしつつ、導光部62と出光部63との直交部分における反射面64を、階段状としている。導光部62は二次電池1と第三ケース2Cの間に、すなわちケース2の厚さ方向に配置される都合上、極力薄型化することが望まれる。一方で光を効率よく出射して第三ケース2Cに導光するには、出射面63aは広くすることが好ましい。このため、導光部62よりも出光部63の厚さを厚くしている。一方で、このように厚さが異なる反射面64でも、光を均一に反射させて導光できるよう、図11に示すように傾斜面を平面状でなく階段状としている。これにより、導光部62の厚さを薄くしつつも光を効率よく厚い出光部63に均一に反射できる利点が得られる。
(第二カバー67)
【0058】
第二カバー67は、透明樹脂にブラスト加工を施して、導光性を持たせている。これにより、発光体15の発光を導光して、全体を光らせることができる。
【0059】
次に芳香発生装置100の回路図を図14に示す。この回路図の芳香発生装置100は、二次電池1である角型二次電池から加熱手段3である平面状のPTCヒータ3Aに供給する電力をコントロールする温度制御回路92を備える。温度制御回路92が、加熱手段3であるオイルトレイ部4の温度を制御する温度パターンを図12に示している。温度制御回路92は、これらの図に示す温度パターンで加熱手段3を加温するために、第一設定温度と第二設定温度とを記憶する記憶部13と、この記憶部13に記憶している第一設定温度と第二設定温度とに加熱手段3の温度を制御する制御部6とを備えている。
(温度パターン)
【0060】
この制御部6は、図12に示すように、所定のON時間と所定のOFF時間を交互に繰り返すように加熱手段3のON/OFFを制御する。具体的には、香りを感じる最低温度である第一設定温度を第一設定時間維持し、その後、この第一設定温度よりも高く、香りをはっきりと感じることのできる十分な濃度の香りを揮発できる第二設定温度を、(好ましくは第一設定時間よりも短い)第二設定時間維持し、これを繰り返す。これらの設定温度や設定時間は、使用するアロマオイルの種類などによって決定される。図12の例では、第一設定温度を35℃、第二設定温度を50℃、第一設定時間を15分、第二設定時間を30分に設定しているが、この値に限られるものでない。
【0061】
このような設定とすることで、嗅覚疲労を考慮しながら芳香を持続的に楽しむことができ、アロマテラピー効果を持続できる。一定温度でアロマオイルを揮発させても、人間の嗅覚は香りにすぐに慣れてしまう。また香りを強調するために、必要以上に温度を上げてしまうと、嗅覚疲労に陥る。そこで嗅覚疲労を考慮した温度プロファイルを採用し、一定間隔で芳香を感じさせる温度の最低温度まで低下させ、その後温度を上昇させるような揺らぎを与える。この結果、臭いをはっきりと感じさせる濃度の芳香が、一定間隔で表れ、かつ芳香を弱めることで、嗅覚の慣れを回避し、さらに臭いを感じさせない温度とならない限界温度まで下げ、臭いが全くない状態を作り出さないことで、ユーザの不満も回避できる。
【0062】
記憶部13は、第一設定温度と第二設定温度を含む温度パターンを記憶している。図12の温度パターンは、10分毎に、第一設定温度と第二設定温度とを繰り返すので、記憶部13は、0〜10分間において、時間に対する設定温度を1サイクルの温度パターンとして記憶している。温度制御回路92は、加熱手段3の温度が、記憶部13に記憶している1サイクルの温度パターンを周期的に繰り返すように制御する。
【0063】
この芳香発生装置は、操作スイッチをタッチセンサとしている。すなわち、物理的なプッシュボタンなどを用いないことで、ボタンの穴から浸水する事態を回避し、防水構造を維持できる。タッチセンサを実現する回路は、回路基板上に設けられる。
【0064】
温度制御回路92は、加熱手段3であるオイルトレイ部4の温度を、記憶部13に記憶している温度パターンとなるように、制御部6で二次電池1から加熱手段3への電力供給を制御する。この制御部6は、二次電池1と平面状のPTCヒータ3Aとの間に接続しているスイッチング素子11と、このスイッチング素子11をON/OFFに制御するマイコンを含むコントロール回路12とを備える。加熱手段3をPTCヒータとする芳香発生装置100は、PTCヒータとスイッチング素子11と二次電池1とを直列に接続するので、PTCヒータを二次電池1の保護回路に併用できる。スイッチング素子11が内部短絡あるいは溶着されてON状態に保持されても、PTCヒータは設定温度になる電気抵抗が急激に大きくなって、電流を実質的に遮断して二次電池1を保護するからである。
【0065】
コントロール回路12は、スイッチング素子11をON/OFFに切り換えて、加熱手段3であるオイルトレイ部4の温度を、記憶部13に記憶している温度パターンの設定温度に制御する。加熱手段3の温度を検出するために、温度制御回路92は温度センサ10を備えている。図の温度センサ10は、加熱手段3であるオイルトレイ部4の温度を検出する。ただ、温度センサ10は、加熱手段3の温度を検出することもできる。コントロール回路12は、温度センサ10で検出される検出温度を記憶部13に記憶している温度パターンの設定温度に比較し、検出温度が設定温度よりも低いとスイッチング素子11をONに切り換えて加温し、検出温度が設定温度よりも高いとスイッチング素子11をOFFに切り換えて加温しない状態として、設定温度に制御する。
【0066】
温度制御回路92の制御部6は、第一設定温度から第二設定温度に温度を低下させる状態で、スイッチング素子11をON/OFFに切り換えるデューティを制御して、温度が低下する温度勾配を調整することができる。スイッチング素子11をON/OFFに切り換えるデューティ、すなわちOFF時間に対するON時間の割合を小さくすると、二次電池1から加熱手段3に供給される消費電力が小さくなって、加熱手段3の発熱量が減少する。したがって、スイッチング素子11のON時間を短く、すなわちデューティを小さくして、加熱手段3であるオイルトレイ部4の温度を次第に低下することができる。オイルトレイ部4の温度が低下する割合は、スイッチング素子11のON時間を短くして大きくできる。したがって、本発明の芳香発生装置は、必ずしも記憶部13に温度パターンを記憶させることなく、加熱手段3の発熱量を制御して、第一設定温度から第二設定温度に温度を低下させる温度勾配をコントロールできる。この芳香発生装置100は、第一設定温度から第二設定温度に温度を低下させるタイミングで、スイッチング素子11をON/OFFに切り換えるデューティを記憶部13に記憶させる。さらに、オイルトレイ部4の温度が第一設定温度から第二設定温度に低下する温度勾配は、外気温度によっても変化し、外気温度が低いと、温度が低下する温度勾配が大きくなる。この弊害は、記憶部13に外気温度に対するデューティを記憶させることで解消できる。すなわち、温度に対してデューティを変更することで、たとえば外気温度が低くなるにしたがって、スイッチング素子11をON/OFFに切り換えるデューティを大きくすることで、第一設定温度から第二設定温度に低下させる温度勾配のばらつきを少なくできる。
【0067】
図14の温度制御回路92は、コントロール回路12にUSB端子14を接続している。このUSB端子14は、図4の鎖線で示すように、ケース2に設けている。USB端子14はコンピュータに接続される。この温度制御回路92は、USB端子14を介してコンピュータに接続され、コンピュータから入力される制御信号で、記憶部13に記憶している設定温度を変更できるようにしている。この芳香発生装置100は、コンピュータに接続されて、ユーザが自分に最適な設定温度に調整できる。
【0068】
さらに、図14の芳香発生装置100は、複数のLED15を温度制御回路92に接続している。LED15は、図4に示すように、ケース2に内蔵される回路基板7に固定されて、温度制御回路92で点滅状態が制御される。図の芳香発生装置100は、LED15の上方に配置される第一ケース2Aを透光性を有するプラスチックで製作している。このケース2は、LED15を表出させる開口窓を設けることなく、LED15の発光を透過させて外部に表示できる。ただ、ケースは、開口窓を設けてLEDをケースから表出させて外部に表示することもできる。温度制御回路92は、LED15を点灯する点灯パターンをコントロール回路12の記憶部13に記憶している。コントロール回路12の記憶部13に記憶されるLED15の点灯パターンは、USB端子14を介して接続されるコンピュータで変更される。この芳香発生装置100は、コンピュータを接続して、LED15の点灯状態をコントロールして、ユーザが自分の好む点灯パターンに変更できる。
(発光体15)
【0069】
LED15は、ケース2に一又は複数設けることができる。また、LED15の点灯パターンを、二次電池1の残容量に応じて変化させることもできる。すなわち、LED15を所定のタイミングで点灯させると共に、このときの点灯パターンを、二次電池1の残容量に応じて決まる特定の残容量表示点灯パターンに予め設定しておくことで、ユーザはLED15の点灯パターンから、芳香発生装置100の二次電池1の残容量を把握することができる。所定のタイミングは、例えば芳香発生装置100の電源スイッチ19AをONしたとき、又はOFFしたとき、あるいは所定の秒数以上長押ししたとき等に設定できる。特に電源OFF時に残容量表示点灯パターンを実行させることで、ユーザに対し、残容量が少ない場合は充電の必要性を喚起できるので、次回使用時に速やかに芳香発生装置100を使用できるよう、充電を促す効果が得られ、好ましい。また、電源スイッチ19Aを残容量表示点灯パターンの実行スイッチと兼用させることができ、部品点数の増加も回避できる。
【0070】
また、残容量表示点灯パターンは、LED15の点滅回数や時間、あるいはLED15の点灯色、又はこれらの組み合わせから構成できる。残容量表示点灯パターンの一例としては、電源スイッチ19AをONからOFFに切り替えた後、緑色のLED15を3秒間点灯あるいは点滅して表示させる。例えば、二次電池1の残容量が70%以上の場合は充電不要として緑色に3秒間点灯させ、40%〜70%の場合は使用可として緑色にゆっくり点滅させ(例えば1秒間隔で3秒間点滅)、40%以下の場合は充電が必要として緑色に速く点滅させる(例えば0.5秒間隔で3秒間点滅)。また、LED15の発光色を一色のみとせず、複数の発光色とすることもできる。例えば、二次電池1の残容量が70%以上の場合は緑色に5秒間点灯、40%〜70%の場合は黄色に5秒間点滅、40%以下の場合は赤色に8秒間点滅、等とできる。特に、残容量が少ない場合は注意を促す効果の高い赤色や短い時間間隔での点滅等を組み合わせることが好ましい。このようなLED15の残容量表示点灯パターンの制御は、二次電池1の残容量を検出するコントロール回路12で行う。残容量は、二次電池1の電圧を測定して得ることができる。なお、残容量表示点灯パターンの設定は予め設定しておく他、上述の通りユーザがUSB端子14を介して接続されるコンピュータから変更するよう構成してもよい。また、残容量表示点灯パターンは、記憶部13に記録される。なお、LEDの点灯色を変化させる場合は、異なる発光色に変更可能な一以上のLED、あるいは点灯色の異なる複数のLEDを使用することは言うまでもない。
【0071】
図4の芳香発生装置100は、二次電池1のフラット面1aに沿って遮蔽プレートを配設し、さらに、この遮蔽プレートの下面に平面状のPTCヒータ3Aを平行に配設している。すなわち、二次電池1のフラット面1aと遮蔽プレートと平面状のPTCヒータ3Aが平行な姿勢て積層される。この構造の芳香発生装置100は、平面状のPTCヒータ3Aの熱を、遮蔽プレートを介して二次電池1に伝導できる。平面状のPTCヒータ3Aの熱は、直接には二次電池1に伝導されないので、二次電池1が平面状のPTCヒータ3Aで加熱されることはない。ただ、平面状のPTCヒータ3Aの発熱の一部は、遮蔽プレートを介して間接的に二次電池1に伝導される。この芳香発生装置100は、極めて低温環境において、平面状のPTCヒータ3Aに通電して二次電池1を余熱することができる。この芳香発生装置100は、図14に示すように、コントロール回路12に、二次電池1の温度を検出する温度センサ18を接続している。コントロール回路12は、電池温度が設定温度よりも低いことを温度センサ18で検出すると、スイッチング素子11をONに切り換えて、平面状のPTCヒータ3Aで二次電池1を余熱する。このとき、コントロール回路12はスイッチング素子11をON/OFFに切り換えるデューティをコントロールして、平面状のPTCヒータ3Aの温度をコントロールし、平面状のPTCヒータ3Aの温度で二次電池1を加温する温度を特定する。二次電池1はオイルトレイ部4のように高い温度に加温する必要はない。したがって、二次電池1を余熱するスイッチング素子11は、ON時間が短くなるように、デューティをコントロールして二次電池1の消耗を少なくする。
(無接点充電)
【0072】
さらに、芳香発生装置100は、図15に示すように、充電回路35に無接点充電回路32を内蔵して、この無接点充電回路32で、内蔵する二次電池1を充電する。無接点充電回路32を内蔵する充電回路35は、図15に示すように、受電コイル33と、この受電コイル33に誘導される交流を整流して直流に変換する整流回路34とを内蔵している。整流回路34の出力は充電制御部36に入力されて、二次電池1を充電する。無接点充電回路32を内蔵する芳香発生装置100は、図16に示すように、送電コイル41を内蔵する充電台40の上に置かれて二次電池1を充電する。充電台40は、無接点充電回路32に高周波の電力を電磁誘導作用で伝送する送電コイル41と、この送電コイル41に高周波電力を供給する電源回路42とを内蔵している。このように、無接点充電回路32で二次電池1を充電する芳香発生装置100は、コネクタの接触不良などを皆無にして便利に充電できる。
(充電回路25)
【0073】
また、芳香発生装置100にACアダプタや商用電源に直接接続して、二次電池1を充電することもできる。図14の芳香発生装置100は、ケース2に二次電池1の充電回路25を内蔵している。充電回路25は、ケース2に内蔵される回路基板7に実装される。充電回路25は、二次電池1であるリチウムイオン二次電池やリチウムポリマー電池を充電する充電制御部26を備える。この充電制御部26は、二次電池1を定電流・定電圧充電して満充電を検出して、充電を停止する。さらに、図の充電回路25は、二次電池1と直列に保護用FET27を接続しており、この保護用FET27を保護回路28で制御する。保護回路28は、二次電池1の過充電や過放電を検出して、保護用FET27をON/OFFに制御する。充電している二次電池1が満充電されて過充電される状態になると、保護回路28は保護用FET27をOFFに切り換えて充電を停止する。また、放電している二次電池1が過放電される状態になると、保護回路28は、保護用FET27をOFFに切り換えて二次電池1の放電を停止する。
【0074】
図14の回路図の芳香発生装置100は、ACアダプタ29に接続されて、ACアダプタ29から二次電池1を充電する直流が入力される。芳香発生装置100は、ACアダプタ29を接続するDCジャック30を設け、このDCジャック30を充電回路25に接続している。この芳香発生装置100は、商用電源を二次電池1の充電電圧に変換する回路を内蔵しないので、充電回路25を小さくできる。
【0075】
さらに、充電回路25に直流電力を供給して二次電池1を充電する芳香発生装置100は、図14の鎖線で示すように、充電回路25をUSB端子14に接続し、このUSB端子14をPCなどの給電機能を備える端子に接続して、二次電池1を充電することもできる。これらの回路類は回路基板7に実装される。
(充電台40)
【0076】
充電台40は、外部から電力を受けて二次電池1を充電するものである。この充電台40は、図13の分解斜視図に示すように、載置台43と、送電コイル41と、送電シールド44と、充電台基板45と、スピーカ46と、充電台ケース47とで構成される。この充電台40は、図1の斜視図及び図13の分解斜視図に示すように、上面を、芳香発生装置100を載置するための載置台43とし、ここに載置された芳香発生装置100に内蔵される受電コイル33と、電磁結合可能な送電コイル41を、充電台ケースの内部に備えている。この構成によって、載置台43に配置された芳香発生装置100に対して、内蔵される受電コイル33と、充電台40の送電コイル41とを電磁結合して無接点で充電可能である。これにより、充電台40を用いて無接点で芳香発生装置100を充電できる利点が得られる。
【0077】
さらに充電台40は、スピーカを内蔵することで、音楽再生機能を有効に利用できる。これにより、芳香と共に音楽などを流すことが可能となり、リラックス効果の高い音楽を流すことでヒーリング効果を高めることも可能となる。
【0078】
また、本実施例の芳香発生装置には、図示しないが、以下の機能を追加することも可能である。たとえば、芳香発生装置の加熱手段を利用して、ケースの一部若しくは全体を温める懐炉として利用する。また芳香発生装置のケースの外形を、板状のハート型とすることもできる。ハート型であり、芳香発生装置として暖かい温度も備えることにより、使用者を心情的に暖かく感じさせることができる。また、このハート型の芳香発生装置に、バイブレーション機能を持たせて、ボタン操作により、必要時にバイブレーションを実行できるようにすることで、ハート型が振動して、他の人に芳香発生装置をプレゼントするとき、あたかも渡す人のハートがドキドキしているような印象を、受け取った人に与えることができる。さらに、ケースの外形形状、模様等の外観を、板状の鯛焼き型とすることもできる。このような鯛焼き型の芳香発生装置に、上述のバイブレーション機能を持たせることで、鯛が躍動的に動いているような印象を与えて、使用者に楽しい印象を与えることができる。また、同じように、ケースの外形形状、模様等の外観を、板状の動物、マンガ等のキャラクターとすることで、使用者に楽しい印象を与えることができる。さらには、芳香発生装置内に、MP3、MP4、AAC、WMA等のフォーマットを利用したデジタル音楽再生機能を付加することもできる。
【0079】
以上のように、本発明によればACアダプタなどを使用しない無線式の、携帯可能な芳香発生装置を実現できる。特に二次電池を備えることで充電により繰り返し使用可能として、使い捨てを無くし、さらに二次電池が消耗しても、新たな電池に交換することで本体の再利用も可能となり、環境に優しい芳香発生装置とできる。加えて、二次電池を着脱式とすることで、古くなった二次電池を交換して芳香発生装置の使用寿命を長くしたり、あるいは使用できなくなった芳香発生装置から二次電池を外して、二次電池を再利用するなど、リユースに適した構成とできる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係る芳香発生装置は、携帯型のアロマテラピー芳香器として好適に利用できる。
【符号の説明】
【0081】
100…芳香発生装置
1…二次電池;1a…フラット面
2…ケース;2A…第一ケース;2B…第二ケース;2C…第三ケース;
2a…封止片;2b…ドーム状部分;2c…段差
3…加熱手段;3A…PTCヒータ
4…オイルトレイ部
6…制御部
7…回路基板
8…第一シール材
9…第二シール材
10…温度センサ
11…スイッチング素子
12…コントロール回路
13…記憶部
14…USB端子
15…発光体
18…温度センサ
19A…電源スイッチ
20…止ネジ
21…連結リブ
25…充電回路
26…充電制御部
27…保護用FET
28…保護回路
29…ACアダプタ
30…DCジャック
32…無接点充電回路
33…受電コイル
34…整流回路
35…充電回路
36…充電制御部
40…充電台
41…送電コイル
42…電源回路
43…載置台
44…送電シールド
45…充電台基板
46…スピーカ
47…充電台ケース
51…電池蓋
52…第三シール材
53…シールド
54…コイルカバー
55…第四シール材
60…ランプリーダ
61…入光部;61a…入射面
62…導光部
63…出光部;63a…出射面
64…反射面
66…第一カバー部
67…第二カバー;67a…平面状領域;67b…ゲート部
68…電池収納部
69…リブ
71…第一嵌入溝;72…第二嵌入溝
80…アロマセラピー用器具;81…ケース部材
84…アロマセラピー用器具;85…容器;86…加熱板;87…ヒータ
92…温度制御回路
SP1…第一収納空間;SP2…第二収納空間;BS…電池収納空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース(2)と、
前記ケース(2)に設けられた、芳香剤を収納するためのオイルトレイ部(4)と、
前記オイルトレイ部(4)を加熱するための加熱手段(3)と、
前記加熱手段(3)に通電するための充電可能な二次電池(1)と、
前記二次電池(1)を充電するための充電回路(35)と、
前記充電回路(35)を実装した回路基板(7)と、
を備え、
前記ケース(2)内部に、前記二次電池(1)がその長手方向を該ケースと略平行とした横向きの姿勢で収納されてなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の芳香発生装置であって、
前記ケースが、
第一ケース(2A)と、
前記第一ケース(2A)から分離可能とした第三ケース(2C)と、
前記第一ケース(2A)と第三ケース(2C)の間で、これらによって構成される内部空間を区画するための第二ケース(2B)と、
で構成されてなり、
第一ケース(2A)と第二ケース(2B)の間には、第一収納空間(SP1)が、
第二ケース(2B)と第三ケース(2C)の間には、第二収納空間(SP2)が、
それぞれ画成されており、
前記第一収納空間(SP1)には、前記回路基板(7)が配置されており、
前記第二収納空間(SP2)には、前記二次電池(1)が収納されてなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の芳香発生装置であって、
前記第一収納空間(SP1)が、防水性を有する第一防水構造を備えてなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の芳香発生装置であって、
前記第二収納空間(SP2)が、防水性を有する第二防水構造を備えてなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項5】
請求項4に記載の芳香発生装置であって、
前記第一防水構造として、前記第一ケース(2A)と第二ケース(2B)の間に、弾性材で構成された第一シール材(8)を配置し、
前記第二防水構造として、前記第一シール材(8)に加え、前記第一ケース(2A)と第三ケース(2C)の間に、弾性材で構成された第二シール材(9)を配置し、
前記第一ケース(2A)は、前記第三ケース(2C)の内径よりも外径が小さく、かつ前記第二ケース(2B)の外径よりも内径が大きい、封止片(2a)を備えており、
前記封止片(2a)の外面と、前記第三ケース(2C)の内面との間に、前記第二シール材(9)を配置し、
前記封止片(2a)の内面と、前記第二ケース(2B)の外面との間に、前記第一シール材(8)を配置してなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項6】
請求項5に記載の芳香発生装置であって、
前記ケース(2)が、平面視略円形に形成されてなり、
前記第一シール材(8)と第二シール材(9)とが、前記ケース(2)の円形の半径方向に並ぶように配置されてなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか一に記載の芳香発生装置であって、
前記第二収納空間(SP2)において、さらに前記二次電池(1)を収納する電池収納空間(BS)が画成されると共に、
前記電池収納空間(BS)を閉塞する着脱式の電池蓋(51)を備えており、
前記電池収納空間(BS)に防水構造を付与する第三防水構造として、前記電池蓋(51)と第二ケース(2B)との間に、弾性材で構成された第三シール材(52)を配置しており、
前記第三シール材(52)は、前記電池蓋(51)と第二ケース(2B)とで狭持される狭持面を平板状としてなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一に記載の芳香発生装置であって、さらに、
前記二次電池(1)と電気接続された受電コイル(33)を備えており、
前記充電回路(35)が、前記受電コイル(33)を、外部の送電コイル(41)と電磁結合した状態で、前記二次電池(1)を無接点で充電するよう構成してなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一に記載の芳香発生装置であって、さらに、
前記第三ケース(2C)を照明するための照明光を発する発光体(15)を備えており、
前記発光体(15)が、前記二次電池(1)の側面に配置されてなり、
前記発光体(15)の発する光を、前記第三ケース(2C)の平面視略中央に案内するためのランプリーダ(60)を備えてなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項10】
請求項9に記載の芳香発生装置であって、
前記受電コイル(33)が、空芯であり、
前記ランプリーダ(60)が、その出射面(63a)を前記受電コイル(33)の中心に挿入されてなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の芳香発生装置であって、
前記ランプリーダ(60)が、
導光部(62)と、
前記導光部(62)の一端に、折曲姿勢に連結された入光部(61)と、
前記導光部(62)の他端に連結され、前記入光部(61)と異なる方向に折曲された出光部(63)と、
を備えており、
前記導光部(62)の幅を、前記出光部(63)の幅よりも狭くし、
かつ前記導光部(62)と出光部(63)との連結部分における反射面(64)を、階段状に形成してなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一に記載の芳香発生装置であって、さらに、
前記加熱手段(3)を、所定のON時間と所定のOFF時間を交互に繰り返すようにON/OFFを制御する制御部(6)を備えることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項13】
請求項2から12のいずれか一に記載の芳香発生装置であって、さらに、
前記第一ケース(2A)を被覆する着脱式の第一カバー部(66)を備えており、
前記オイルトレイ部(4)が、前記第一ケース(2A)の上面において、上方を開放するように配置されており、前記第一カバー部(66)によって前記オイルトレイ部(4)の上方が閉塞されるよう構成されてなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項14】
請求項2から13のいずれか一に記載の芳香発生装置であって、
前記第三ケース(2C)が、透光性を有する第二カバー(67)を備えてなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項15】
請求項8から14のいずれか一に記載の芳香発生装置であって、
前記受電コイル(33)が、前記第二収納空間(SP2)の底面で、かつ平面視の略中央に配置されており、
前記第三ケース(2C)が、前記受電コイル(33)が位置する部分を、略平面状に形成してなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項16】
請求項8から15のいずれか一に記載の芳香発生装置であって、
外部電源が、前記受電コイル(33)と電磁結合する送電コイル(41)を有する充電台(40)であって、
前記充電台(40)は、上面に芳香発生装置を載置する載置台(43)を有しており、前記載置台(43)に配置された芳香発生装置の前記受電コイル(33)と、前記充電台(40)の送電コイル(41)とを電磁結合して無接点で充電可能に構成してなることを特徴とする芳香発生装置。
【請求項17】
請求項16に記載の芳香発生装置であって、
前記充電台(40)が、スピーカ(46)を備えることを特徴とする芳香発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−61224(P2012−61224A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209369(P2010−209369)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】