説明

苗移植機

【課題】裸苗や大苗や鉢苗を圃場に機械にて移植する苗移植作業の更なる効率化が望まれるようになっている。そこで、本発明は、裸苗又は大苗又は鉢苗等の苗を圃場に機械にて移植する苗移植作業の大幅な効率化が達成できる苗移植機を得ることを課題とする。
【解決手段】駆動輪6を装備した走行装置1に左右方向に複数個の苗植付け具4を設けた苗移植機において、該複数個の苗植付け具4の上方に作業者が苗Nを入れる苗入れ部62と該苗入れ部62内の苗Nを各苗植付け具4に各々振り分け供給する供給具64を備えた苗供給装置60を設けた苗移植機とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗移植機の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場に裸苗や大苗や鉢苗を移植する1条植え苗移植機があった(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−104363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の苗移植機は、手植え作業しかできなかった裸苗や大苗や鉢苗を圃場に機械にて移植することができて、苗移植作業が効率化されて、非常に有意義な苗移植機である。
ところが、今般、裸苗や大苗や鉢苗を圃場に機械にて移植する苗移植作業の更なる効率化が望まれるようになっている。そこで、本発明は、裸苗又は大苗又は鉢苗等の苗を圃場に機械にて移植する苗移植作業の大幅な効率化が達成できる苗移植機を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、駆動輪6を装備した走行装置1に左右方向に複数個の苗植付け具4を設けた苗移植機において、該複数個の苗植付け具4の上方に作業者が苗Nを入れる苗入れ部62と該苗入れ部62内の苗Nを各苗植付け具4に各々振り分け供給する供給具64を備えた苗供給装置60を設けた苗移植機とした。
【0006】
従って、請求項1記載の発明によると、作業者が苗入れ部62に苗Nを入れると、該苗入れ部62内の苗Nを供給具64が順次各苗植付け具4に各々振り分け供給し、機体の進行に伴って、左右方向に複数個設けた苗植付け具4が圃場に複数条の苗移植作業を行なう。この苗移植作業時に、作業者が苗入れ部62に苗Nを順次入れる作業を行なうことによって、裸苗又は大苗又は鉢苗等の苗Nを圃場に複数条植付けることができ、苗移植作業が効率良く且つ容易に行なえる。
【0007】
請求項2記載の発明は、2個の左右苗植付け具4の上方に苗入れ部62を設け、左右苗植付け具4と苗入れ部62間に設けた供給具64の左右両面に苗滑り案内面64bを形成して左右回動切替自在に構成し、供給具64の左右両面に形成した苗滑り案内面64bにて苗入れ部62と左右苗植付け具4の何れかを左右交互に連通する構成とした請求項1記載の苗移植機とした。
【0008】
従って、請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明の作用に加えて、苗供給装置60を簡潔に構成できて、裸苗又は大苗又は鉢苗等の苗Nを圃場に2条植付けることができる小型軽量の2条植え苗移植機を得ることができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、苗入れ部62の下端に設けた苗落下用下端開口部62bに開閉自在の蓋体66を設け、左右苗植付け具4が各々最上昇位置に来たことを検出する上昇センサーUSを設け、該上昇センサーUSが左右苗植付け具4の一方が所定の上昇位置に来たことを検出すると、該所定の上昇位置にある一方の苗植付け具4に苗Nを案内する状態に供給具64を切替えた後に、苗入れ部62の苗落下用下端開口部62bを閉塞している蓋体66を開いて苗入れ部62内の苗Nを下方に落下し、供給具64にて所定の上昇位置にある一方の苗植付け具4内に苗Nを供給する構成とした請求項2記載の苗移植機とした。
【0010】
従って、請求項3記載の発明によると、請求項1記載の発明の作用に加えて、作業者が、苗Nを一つ苗入れ部62に入れ、左右後輪6,6を駆動回転させて機体を前進させると共に、左右苗植付け具4を作動させると、上昇センサーUSが左右苗植付け具4の一方が所定の上昇位置に来たことを検出すると、その所定の上昇位置にある一方の苗植付け具4に苗Nを案内する状態に供給具64が切替えられた後に、苗入れ部62の苗落下用下端開口部62bを閉塞している蓋体66が開いて、苗入れ部62に作業者が入れた苗Nが下方に落下し(苗入れ部62から苗Nが落下した後の所定時間後に蓋体66は再び苗落下用下端開口部62bを閉塞する)、供給具64にて所定の上昇位置にある一方の苗植付け具4内に苗Nが供給される。そして、その所定の上昇位置にある一方の苗植付け具4が下動して圃場に苗Nを植付ける。次に、作業者が空になった苗入れ部62に苗Nを一つ入れると、今度は、他方の苗植付け具4が所定の上昇位置に来たことを検出すると、その所定の上昇位置にある他方の苗植付け具4に苗Nを案内する状態に供給具64が切替えられた後に、苗入れ部62の苗落下用下端開口部62bを閉塞している蓋体66が開いて、苗入れ部62に作業者が入れた苗Nが下方に落下し、供給具64にて所定の上昇位置にある他方の苗植付け具4内に苗Nが供給されて、所定の上昇位置にある他方の苗植付け具4が下動して圃場に苗Nを植付ける。このようにして、作業者が順次苗Nを一つずつ苗入れ部62に入れることにより、左右苗植付け具4は交互に圃場に苗Nを植付けて、結果、圃場に苗Nを千鳥状に2条植付けることができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、苗入れ部62の少なくとも左右側方で複数個の苗植付け具4の上方を覆う位置に苗Nを多数載置できる苗置き台面61bを設けた請求項1から請求項3の何れか1項に記載の苗移植機とした。
【0012】
従って、請求項4記載の発明によると、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の発明の作用に加えて、作業者は苗置き台面61b上に載置された苗Nを容易に且つ効率良く苗入れ部62に入れることができ、また、複数個の苗植付け具4の上方は該苗置き台面61bで覆われた状態となっているので、作業者は苗植付け具4の作動が目障りになることなく、容易に且つ能率よく苗入れ部62に順次苗Nを入れることができ、作業性が良い。
【0013】
請求項5記載の発明は、苗入れ部62に対向して作業者が着座できる座席70を走行装置1に設けた請求項1から請求項4の何れか1項に記載の苗移植機とした。
従って、請求項5記載の発明によると、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の発明の作用に加えて、作業者は座席70に着座し、容易な姿勢で効率よく苗Nを苗入れ部62に入れることができ、作業性及び効率の良い苗移植作業が行なえる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、裸苗又は大苗又は鉢苗等の苗Nを圃場に機械にて効率良く複数条移植する苗移植機を得ることができ、課題を適切に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】苗移植機の側面図である。
【図2】苗移植機の平面図である。
【図3】苗移植機の要部の背面図である。
【図4】苗移植機の要部の側面図である。
【図5】苗移植機の要部の平面図である。
【図6】苗植付け具が開いた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の一実施形態としての乗用型2条植えの苗移植機を以下に説明する。この乗用型2条植えの苗移植機は、ビニールポットで育苗した大きな床土部を有したトマト等の苗N(所謂、鉢苗N)を植えることができるものである。尚、以下の図示例についての説明で前又は後というときは、操縦ハンドル2を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン5を配置した側を前という。そして、右又は左というときは、機体後部において機体前部側を前側として立つ作業者から見て右手側を右とし、左手側が左としている。
【0017】
苗移植機は、走行装置1と操縦ハンドル2を備えた機体に、左右リンク機構3により各々駆動されて昇降動作する左右苗植付け具4を設け、該左右苗植付け具4の下部を各々二分割して開閉する構成としている。走行装置1は、図示例では、エンジン5と、該エンジン5の動力が伝達されて駆動回転する左右一対の後輪6,6と、該後輪6,6の前方に転動自在に支持した左右一対の前輪7,7とを備えたものとしている。
【0018】
エンジン5の後部には、ミッションケース8を配置し、そのミッションケース8は、その左側部からエンジン5の左側方に延びるケース部分8aを有し、これがエンジン5の左側部と連結している。このケース部分8aにエンジン5の出力軸が入り込んでミッションケース8内の伝動機構に動力が伝達する構成となっている。
【0019】
ミッションケース8の左右両側部に伝動ケース9,9を回動自在に取り付け、この伝動ケース9,9の回動中心にミッションケース8から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸の先端が入り込んで伝動ケース9,9内の伝動機構に走行用の動力を伝達している。そして、走行用の動力は伝動ケース9,9内の伝動機構を介して、機体後方側に延びてその後端部側方に突出する車軸10,10に伝動し、後輪6,6が駆動回転するようになっている。
【0020】
また、伝動ケース9,9のミッションケース8への取付部には、上方に延びるアーム11,11を一体的に取り付けていて、これがミッションケース8に固定された昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド先端に上下軸心周りに回動自在に取り付けた天秤杆13の左右両側部と連結している。その連結部の右側はロッド14で連結し、左側は伸縮作動可能な左右水平制御用油圧シリンダ15で連結している。
【0021】
昇降用油圧シリンダ12が作動してそのピストンロッドが機体後方に突出すると、左右の前記アーム11,11は後方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が下方に回動して、機体が上昇する。反対に、昇降用油圧シリンダ12のピストンロッドが機体前方に引っ込むと、左右の前記アーム11,11は前方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が上方に回動して、機体が下降する。この昇降用油圧シリンダ12は、機体に対する圃場面高さを検出するセンサーSの検出結果に基づいて油圧バルブVが切替えられて機体を圃場面高さに対して設定高さになるよう作動する構成となっている。また、操縦ハンドル2近傍に配置した変更操作具としての後輪上下動操作具Aの人為操作によって油圧バルブVを手動で切替えて、左右後輪6,6を下動或いは上動させて、機体を上昇或は下降させる構成としている。即ち、後輪上下動操作具Aの人為操作によって左右後輪6,6を下動させて機体を上昇させた時には、左右苗植付け具4は圃場面から上方に離れた位置となり、後輪上下動操作具Aによって左右後輪6,6を上動させて機体を下降させてセンサーSを接地させ、センサーSの検出結果に基づいて油圧バルブVが切替えられて機体が圃場面高さに対して設定高さになるよう作動する苗植付け状態にした時には、左右苗植付け具4は圃場に苗Nを植付ける状態になる。
【0022】
また、前記左右水平制御用油圧シリンダ15が伸縮作動すると、左伝動ケース9が回動して左後輪6が上下動して機体を左右に傾斜させる。この左右水平制御用油圧シリンダ15は、左右水平に対する機体の左右傾斜を検出する振り子式の錘センサ(図示せず)の検出結果に基づいて機体を左右水平になるように作動する構成としている。
【0023】
前記左右前輪7,7は、エンジン5下方の左右中央位置で前後方向の軸心周りに回動自在に取り付けた前輪支持フレーム16の左右両側部の下方に延びるアーム部分の下端部側方に固定した車軸17,17に回転自在に取り付けている。従って、左右前輪7,7は、機体の左右中央の前後方向の軸心周りにローリング動自在となっている。
【0024】
前記操縦ハンドル2は、ミッションケース8の後端部にボルトにて固定された横フレーム8bに前端部を固定した機体フレーム2bの後端部に取り付けている。機体フレーム2bは、機体の左右中央から右側に偏った位置に配置されて後方に延び、また、前後中間部から斜め後上方に延びている。操縦ハンドル2は、機体フレーム2bの後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル2のグリップ部2a,2aとしている。操縦ハンドル2の左右のグリップ部2a,2aは、作業者がそのグリップ部2a,2aを楽に手で握れるように適宜高さに設定する。なお、図例ではグリップ部2a,2aを左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル2の左右の後端部を互いに連結してその連結部分をグリップ部としても良い。
【0025】
次に、左右リンク機構3について説明する。
左右リンク機構3は、ミッションケース8内から苗植付け具駆動用の動力を受けて伝動する伝動機構を内装する植付け伝動ケース18に装着している。図例のように植付け伝動ケース18は、その前部がミッションケース8の後部に連結しそこから後斜め上方に延びる第一ケース部18aと、この第一ケース部18aの上部左右側部に各々固定され各々左右側方に延びる左右第二ケース部18bと、その左右第二ケース部18bの先端部に各々固定され各々後斜め下方に延びる左右第三ケース部18cと、その左右第三ケース部18cの下端部外側部に各々固定され各々左右側方に延びる左右第四ケース部18dと、その左右第四ケース部18dの先端部に各々固定され各々後方水平状に延びる左右第五ケース部18eを有するものとしている。これら第一ケース部18a・左右第二ケース部18b・左右第三ケース部18c・左右第四ケース部18d・左右第五ケース部18e内にリンク機構3を昇降駆動するための動力を伝達する伝動機構を内装している。
【0026】
そして、第一ケース部18a内に内装した伝動機構には、左右リンク機構3及び左右苗植付け具4をその昇降動最上位の位置で或はその近傍位置で設定時間停止させる間欠駆動機構と、左右リンク機構3及び左右苗植付け具4の昇降動を左右共に停止させるクラッチ機構とを備える。間欠駆動機構によって停止する時間は、該間欠駆動機構が備える変速機構によって調節され、この調節によって左右苗植付け具4による苗植付株間が変更調節されるようになっている。
【0027】
また、左右リンク機構3の各々の駆動伝動機構は、その駆動位相が180度ずれており、即ち、左リンク機構3に装着された左苗植付け具4が最上昇位置にある時には、右リンク機構3に装着された右苗植付け具4が最下降位置の苗植付位置にあり、右リンク機構3に装着された右苗植付け具4が最上昇位置にある時には、左リンク機構3に装着された左苗植付け具4が最下降位置の苗植付位置になるようになっており、左右苗植付け具4にて圃場に千鳥状に苗Nが植付けられる構成となっている。
【0028】
次に、左右苗植付け具4について説明するが、左右苗植付け具4は左右対称に設けられた構成となっており、その作動位相が180度ずれている点を除けば、同じ構成であるので、以下に、左苗植付け具4の構成を詳細に説明する(右苗植付け具4の構成は、左苗植付け具4の構成と左右対称である)。
【0029】
左リンク機構3は、左苗植付け具4の前側の開閉支点となる軸19の左右中間部に回動自在に連結する左第一昇降アーム20と、左苗植付け具4の後側の開閉支点となる軸21の左側部に回動自在に連結する左第二昇降アーム22とを備える。そして、左第一昇降アーム20の後端部は、左第三ケース部18cの上部側後部に突出する取付部に揺動自在に取り付けた左第一揺動アーム23の下端部と回動自在に連結し、左第二昇降アーム22の後端部は、左第五ケース部18eの上部に突出する取付部に揺動自在に取り付けた左第二揺動アーム24の下端部と回動自在に連結する。また、左第一昇降アーム20の中間部は、左第三ケース部18cの下部右側部から突出し駆動回転する左第一駆動軸25に固定されて駆動回転する左第一駆動アーム26の先端部と回動自在に連結し、左第二昇降アーム22の中間部は、左第五ケース部18cの後部右側部から突出し駆動回転する左第二駆動軸27に固定されて駆動回転する左第二駆動アーム28の先端部と回動自在に連結する。従って、左第一駆動アーム26と左第二駆動アーム28とが植付け伝動ケース18内の伝動機構によって動力が伝達されて駆動回転すると、左第一昇降アーム20と左第二昇降アーム22とが揺動しながら昇降動し、その結果、左苗植付け具4の下端部が側面視で上下に長い略楕円形状の軌跡Tで昇降動する。また、左第一駆動アーム26と左第二駆動アーム28とは、共に、左側方から見て反時計回りに回転して左苗植付け具4の下端部が左側方から見て反時計回りに略楕円形状の軌跡Tで昇降回動する。従って、作業走行しながら左苗植付け具4が上記回転方向で前記軌跡Tを描くように昇降回動すると、軌跡Tの下端部で左苗植付け具4の下端部が圃場の土壌中に付き刺さったとき、左苗植付け具4が前後に大きくずれないようになり、前後に大きく植え跡を残さずに適確な姿勢で苗Nを植付けることができる。なお、左苗植付け具4は、その昇降動最下位まで下降すると前後に開いて左苗植付け具4内の苗Nを土壌に放出する。
【0030】
左苗植付け具4は、下方に向かって細くなるように延びるくちばし状に形成したもので前後に開閉可能に構成している。このくちばし状部の前側部分である前側部4Fは、その上部側が後方にアーム状にのびてその先端部が左苗植付け具4の後側の開閉支点となる軸21に回動自在に連結し、くちばし状部の後側部分である後側部4Bは、その上部側が前方にアーム状にのびてその先端部が左苗植付け具4の前側の開閉支点となる軸19に回動自在に連結する。尚、前記前側部4Fと後側部4Bとで内部に苗収容部分が構成され、該前側部4Fと後側部4Bとの上端部分により左苗植付け具4の左上端開口部4aが構成されている。そして、前側部4F上部の後方にのびるアーム状部と後側部4B上部の前方にのびるアーム状部とは、それぞれ前側の軸19と後側の軸21との前後中央位置に設けた長孔に横軸方向の軸部を有するナット29を嵌めて連結し、前側部4Fと後側部4Bの一方側は他方側の動作に連動して回動し両者が前後に開閉動作するようになっている。また、前側部4Fと後側部4Bとはスプリング30にて左苗植付け具4を閉じる方向に互いに連結している。更に、左第二昇降アーム22と左第二揺動アーム24とが互いに連結する軸部分に、左苗植付け具4を開閉動作させるための左開閉アーム31を回動自在に連結し、その左開閉アーム31の先端部と後側部4Bの上部後部側とを左連結ロッド32で連結している。左開閉アーム31の中間部には、回転自在な左ローラ33を取付けていて、この左ローラ33が、左苗植付け具4がその昇降動最下位まで下降したときに、左第二昇降アーム22を回動自在に連結している左第二駆動アーム28の先端部に固定の軸28aに固定した左カム34の作用によって上方に押上げられて左開閉アーム31が上方に回動し、後側部4Bを前側の回動支点である軸19周りに上方回動し、これとともに前側部4Fを後側の回動支点である軸21周りに上方回動して、左苗植付け具4が開く。そして、左苗植付け具4が上昇途中で左カム34の開き作用から開放され左苗植付け具4が閉じる。なお、上記の左カム34、左開閉アーム31、左連結ロッド32等は、左苗植付け具4の開閉機構を構成するが、公知の別の開閉機構を採用してもよい。
【0031】
左右苗植付け具4の上部には、左右苗植付け具4内に苗Nを各々案内する筒状の左右案内体35を各々取り付けている。この左右案内体35の取付構成も、左右苗植付け具4は同じなので、代表で左苗植付け具4について説明する。前記前側の回動支点である軸19及び後側の回動支点である軸21の中途部に該軸19,21に対して回動自在に取付プレート41を各々取り付ける一方、案内体35の外周面から一体で前側に延びる前側プレート42と後側に延びる後側プレート43とを設け、前記取付プレート41と前側プレート42並びに後側プレート43とをボルト44及びナット45で固着し、左苗植付け具4に左案内体35を取り付けた構成となっている。この左案内体35は、左リンク機構3により左苗植付け具4とともに昇降し、左苗植付け具4の開閉支点となる軸19,21より上方に突出させて設けるとともに、左案内体35の上端に設けた上端開口部35aは、弾性体であるゴム材で構成されており、その上端の上面が上側へいくほど大きく外側方へ広がるラッパ状に構成されるとともに下側へ向けて湾曲している。尚、上端開口部35aより下側の部分は、鉄製である。
【0032】
また、筒状の左案内体35の上端開口部35aを下端開口部35bより広く設けるとともに、左案内体35の下端開口部35bを、左苗植付け具4の左上端開口部4aに入り込ませて設けている。更に、左案内体35の上端開口部35aが機体平面視で左案内体35の下部外周近傍に配置した左苗植付け具4と前記左リンク機構3との連結部(図例では、左苗植付け具4の前側の開閉支点となる軸19と左第一昇降アーム20との連結部、及び左苗植付け具4の後側の開閉支点となる軸21と左第二昇降アーム22との連結部)の上方に重なるように設けている。また、左苗植付け具4の開閉機構を構成する動作部材(図例では、左カム34、左開閉アーム31、左連結ロッド32等)の上方にも重なるように設けている。左案内体35の下部は、左苗植付け具4の開閉支点となる軸19,21の前後間を上下に位置するように設けていて、ここで、該軸19,21に取り付けた支持部材にて該左案内体35の下部を支持している。
【0033】
そして、50は左右覆土装置であって、左右苗植付け具4によって圃場に植付けられた各々の苗Nに対し各々左右から覆土し鎮圧する転動自在な左右覆土輪51を各々左右覆土輪支持フレーム52で回転自在に枢支して支持している(左右覆土装置50は、各々左右苗植付け具4の後方位置に設けられている)。そして、左右覆土装置50の各々の左右覆土輪51の内側には該覆土輪51を支持する覆土輪支持フレーム52に固着した左右各々の苗巻き込み防止板53を設けている。該左右苗巻き込み防止板53は、ゴム製であり、左右苗植付け具4によって植え付けた各々の苗Nが覆土輪51に干渉して巻き込まれるようなことを防止している。
【0034】
60は左右苗植付け具4に各々苗Nを供給する苗供給装置であって、苗置き台を兼用した支持体61の前部に筒状で苗入れ上端開口部62aがラッパ状に開いた苗入れ部62を固定して設け、該苗入れ部62の下方に電動モータ63にて左右回動切替自在にシューター64が設けられており、苗入れ部62に作業者が入れた苗Nが電動モータ63にて左右に順次回動して切替えられるシューター64を介して左右苗植付け具4に交互に供給される構成となっている。なお、苗入れ部62は、左右苗植付け具4間の上方位置に設けられている。
【0035】
詳細に説明すると、苗入れ部62の苗落下用下端開口部62bには電動モータ65にて左右方向に横移動する蓋体66を設け、該蓋体66にて苗入れ部62の苗落下用下端開口部62bを閉塞して苗入れ部62に作業者が入れた苗Nを保持する状態と、該蓋体66を左右方向に横移動させて苗入れ部62の苗落下用下端開口部62bを開いて苗入れ部62に作業者が入れた苗Nが下方に落下する状態とに切替えられる構成となっている。そして、左右苗植付け具4が各々最上昇位置に来たことを検出する左右上昇センサーUSを各々左右第五ケース部18eの上面に設けて、該左右上昇センサーUSが各々左右苗植付け具4の左右リンク機構3の左右第二昇降アーム22の最上昇位置に来たことを検出して、左右上昇センサーUSにて左右苗植付け具4が各々最上昇位置に来たことを検出できる構成とし、該左右上昇センサーUSが左右苗植付け具4が各々最上昇位置に来たことを検出した時に、苗入れ部62の苗落下用下端開口部62bを閉塞している蓋体66を電動モータ65にて開いて、苗入れ部62に作業者が入れた苗Nが下方に落下する構成としている。
【0036】
そして、前記シューター64は、左右両面に前後壁64aを備えた苗滑り案内面64bを構成しており、上記苗入れ部62の苗落下用下端開口部62bから落下してくる苗Nを上部で受けて左右苗植付け具4の何れかの案内体35の上端開口部35a内に苗を案内して供給する構成となっている。即ち、前記左右上昇センサーUSの何れか一方(例えば、左上昇センサーUS)が左右苗植付け具4の一方(例えば、左苗植付け具4)が最上昇位置に来たことを検出すると、電動モータ63が作動してその最上昇位置にある方の苗植付け具4(例えば、左苗植付け具4)に苗Nを案内する状態(例えば、図3に示す状態)にシューター64は切替えられる。従って、左右苗植付け具4は交互に最上昇位置に来るので、シューター64は左右に交互に切替えられることになる。
【0037】
なお、シューター64の左右傾斜角度は、シューター64の下端部が案内体35の上端開口部35a内を臨むように設定しており、例えば、左右苗植付け具4の左右間隔を変更して苗植付け条間の調節をした場合には、その左右移動した左右苗植付け具4の位置に応じてシューター64の左右傾斜角度が変更し、常に、シューター64の下端部が案内体35の上端開口部35a内を臨むように電動モータ63の作動が自動制御される構成となっている。
【0038】
また、苗置き台を兼用した支持体61は、その上面が周壁61aを備えた苗(鉢苗)Nを多数載置できる平面状の苗置き台面61bとなっており、機体平面視で苗入れ部62の周囲全体が苗置き台面61bとなっていて、左右苗植付け具4の上方は該苗置き台面61bで覆われた状態となっている。また、苗置き台面61bは、機体側面視で、機体中央部に設けられた作業者が機体後方に向いて着座する座席70の後方近くから操縦ハンドル2後端部まで設けられた平面積の広い構成となっており、多数の鉢苗Nを載置できる。また、機体平面視で、操縦ハンドル2及び操縦パネル部の上方は切り欠かれた形状となっており、操縦ハンドル2の後方にて作業者が機体を操作する場合には、邪魔にならない構成となっている。なお、座席70は、植付け伝動ケース18に基部が固着された座席フレーム71の上部に固定されている。
【0039】
一方、苗置き台を兼用した支持体61は、機体フレーム2bに基部を固定した縦フレーム72に電動モータ73にて前後傾斜調節自在に設けられている。即ち、支持体61の底面に基部を固着し下方に延びる脚部61cの下部を縦フレーム72にて機体左右方向の回動軸73aにて支持し、該回動軸73aが電動モータ73の駆動軸となっている。そして、前記座席70の前方及び後方及び左右側方の周囲下方位置に設けたステップ74の座席70よりも後方の左側に前後傾斜操作できる操作ペダル75を設けて、作業者が該操作ペダル75を前後傾斜操作すると、その前後操作角度に応じて電動モータ73が正転若しくは逆転作動し、苗置き台を兼用した支持体61の前後傾斜角度を自由に設定できる構成となっている。
【0040】
なお、畦際での機体旋回時に、作業者は後輪上下動操作具Aの人為操作によって左右後輪6,6を下動させて機体を上昇させて機体後部を押し下げて機体前部(左右前輪7)浮き上がるようにして機体の旋回操作をするが、その機体の後傾操作にて苗置き台を兼用した支持体61が大きく後傾して、苗Nが苗置き台を兼用した支持体61から落下してしまうような事態が発生する恐れがあるが、この畦終端部での機体旋回時に、該後輪上下動操作具Aの機体上昇操作を検出して、電動モータ73を作動させて苗置き台を兼用した支持体61を座席70側が低くなる前傾姿勢になるように制御すると、機体を後傾操作しても苗置き台を兼用した支持体61が大きく後傾することを防止するので、苗Nが苗置き台を兼用した支持体61から落下してしまうような事態を回避して、作業性良く且つ容易に機体の旋回操作が行えて、苗移植作業が能率良く行なえる。
【0041】
76は左右予備苗載台であって、基部をミッションケース8の左右側面に固着した左右予備苗載台支持フレームパイプ77に各々3段ずつ予備苗載部78を設けて構成し、該各予備苗載部78には鉢苗Nを多数収納したトレーを各々載置できる構成になっている。そして、該左右予備苗載台76は、座席70前方の左右両側位置に設けられている。
【0042】
80は中央安全ポールであって、機体の最前端部に基部を固着した支持パイプ81の上部内に中央検知部82の下部が挿入されて、該中央検知部82は回動用把持部付きボルト83を緩めることによって高さ調節自在であり、回動用把持部付きボルト83を締付けることによって所定高さで固定できる構成となっている(中央検知部82の上端高さは、座席70に着座した作業者の頭よりも若干高い位置に調節しておく)。そして、例えば、ハウス内でこの苗移植機で苗移植作業を行なうときに、該中央安全ポール80の中央検知部82がハウス内の構造物(骨組み)に接当して撓んだ場合に、該撓みを検出して警報を鳴らして作業者に警告し、自動的に主クラッチを切って機体を停止して、作業者が該構造物(骨組み)に当たって怪我をすることを防止することができる。
【0043】
84は左右安全ポールであって、前記左右予備苗載台支持フレームパイプ77の上部内に各々の左右基部パイプ85下端部が上下高さ調節自在に挿入され(回動用把持部付きボルト86にて上下位置を固定する構成となっている)、そして、左右基部パイプ85内に左右検知部87の内端部が各々左右位置調節自在に挿入されている(左右回動用把持部付きボルト88にて各々左右位置を固定する構成となっている)。従って、該左右検知部87は回動用把持部付きボルト86を緩めることによって各々高さ調節自在であり、回動用把持部付きボルト86を締付けることによって所定高さで固定できる構成となっている(検知部87の上端高さは、座席70に着座した作業者の頭よりも若干高い位置に調節しておく)。また、該左右検知部87は回動用把持部付きボルト88を緩めることによって各々左右位置調節自在であり、回動用把持部付きボルト88を締付けることによって所定の左右位置で固定できる構成となっている(検知部87の左右位置は、機体の左右外側端よりも若干左右方向に突出した位置に調節しておく)。そして、例えば、ハウス内でこの苗移植機で苗移植作業を行なうときに、中央安全ポール80の中央検知部82と同様に、該左右検知部87がハウス内の構造物(骨組み・柱)に接当して撓んだ場合に、該撓みを検出して警報を鳴らして作業者に警告し、自動的に主クラッチを切って機体を停止して、作業者が該構造物(骨組み)に当たって怪我をすることや機体が柱などの構造物に接当して破損することを防止することができる。
【0044】
次に、上記の乗用型2条植えの苗移植機を用いてハウス内でトマトの鉢苗Nを移植する作業について説明する。
先ず、エンジン5を始動して、後輪上下動操作具Aを操作し、左右後輪6,6が最も下降した位置にして苗移植機の機体を上昇させ、左右後輪6,6を駆動回転させて機体を移動させハウス内の植付け開始位置まで機体を移動させる。次に、後輪上下動操作具Aによって左右後輪6,6を上動させて機体を下降させてセンサーSを接地させ、センサーSの検出結果に基づいて油圧バルブVが切替えられて機体が圃場面高さに対して設定高さになるよう作動する苗植付け状態にする。
【0045】
そして、中央安全ポール80の中央検知部82及び左右安全ポール84の左右検知部87の上端高さを座席70に着座した作業者の頭よりも若干高い位置に調節し、左右安全ポール84の検知部87の左右位置を機体の左右外側端よりも若干左右方向に突出した位置に調節する。また、左右予備苗載台76の各予備苗載部78にトマトの鉢苗Nを多数収納したトレーを各々載置し、苗置き台を兼用した支持体61の苗置き台面61b上にも一面に多数のトマトの鉢苗Nを載置する。
【0046】
次に、作業者は座席70に後方を向いて着座し、苗置き台面61b上に載置されたトマトの鉢苗Nを一つ苗入れ部62に入れ、左右後輪6,6を駆動回転させて機体を前進させると共に、左右苗植付け具4を作動させる。すると、左右上昇センサーUSの何れか一方(例えば、左上昇センサーUS)が左右苗植付け具4の一方(例えば、左苗植付け具4)が最上昇位置に来たことを検出すると、電動モータ63が作動してその最上昇位置にある方の苗植付け具4(例えば、左苗植付け具4)に鉢苗Nを案内する状態(例えば、図3に示す状態)にシューター64が切替えられた後に、苗入れ部62の苗落下用下端開口部62bを閉塞している蓋体66が電動モータ65にて開いて、苗入れ部62に作業者が入れたトマトの鉢苗Nが下方に落下し(苗入れ部62から苗Nが落下した直後に蓋体66は再び苗落下用下端開口部62bを閉塞する。他方の苗植付け具4が最上昇位置に来るまでには閉じる。)、シューター64にて最上昇位置にある方の苗植付け具4(例えば、左苗植付け具4)内にトマトの鉢苗Nが供給される。そして、最上昇位置にある方の苗植付け具4が下動して圃場にトマトの鉢苗Nを植付ける。次に、作業者は空になった苗入れ部62に苗置き台面61b上に載置されたトマトの鉢苗Nを一つ入れる。すると、今度は、他方の苗植付け具4(例えば、右苗植付け具4)が最上昇位置に来たことを検出すると、電動モータ63が作動してその最上昇位置にある他方の苗植付け具4(例えば、右苗植付け具4)に鉢苗Nを案内する状態にシューター64が切替えられた後に、苗入れ部62の苗落下用下端開口部62bを閉塞している蓋体66が電動モータ65にて開いて、苗入れ部62に作業者が入れたトマトの鉢苗Nが下方に落下し、シューター64にて最上昇位置にある他方の苗植付け具4(例えば、右苗植付け具4)内にトマトの鉢苗Nが供給される。そして、最上昇位置にある他方の苗植付け具4が下動して圃場にトマトの鉢苗Nを植付ける。このようにして、作業者が順次苗置き台面61b上に載置されたトマトの鉢苗Nを一つずつ苗入れ部62に入れることにより、左右苗植付け具4は交互に圃場にトマトの鉢苗Nを植付けて、結果、圃場にトマトの鉢苗Nを千鳥状に2条植付けることができる。
【0047】
この時、機体は、圃場表面に接地しているセンサーSの検出結果に基づいて油圧バルブVが切替えられて圃場面高さに対して設定高さに維持された状態で前進し、左右苗植付け具4は適切に圃場にトマトの鉢苗Nを植付けることができる。
【0048】
また、機体平面視で苗入れ部62の周囲全体が苗置き台面61bとなっていて、左右苗植付け具4の上方は該苗置き台面61bで覆われた状態となっているので、作業者は左右苗植付け具4の作動が目障りになることなく、容易に且つ能率よく苗入れ部62に順次トマトの鉢苗Nを入れることができ、作業性が良い。
【0049】
また、苗置き台面61bは、機体側面視で、機体中央部に設けられた作業者が機体後方に向いて着座する座席70の後方近くから操縦ハンドル2後端部まで設けられた平面積の広い構成となっており、多数の鉢苗Nを載置できて、作業能率も非常に良い。そして、操作ペダル75を操作して苗置き台を兼用した支持体61が作業者側が低くなる前傾姿勢にしておくと、苗入れ部62周囲の鉢苗Nが無くなると、順次、苗置き台面61b後方に載置している鉢苗Nが苗入れ部62の近くに滑ってくるので、苗置き台面61bの一面に多数載置された鉢苗Nを苗入れ部62に順次入れることができ、作業性が良い。
【0050】
そして、苗移植作業の往行程が終了して機体を旋回する場合に、作業者は後輪上下動操作具Aの人為操作によって左右後輪6,6を下動させて機体を上昇させて機体後部を押し下げて機体前部(左右前輪7)浮き上がるようにして機体の旋回操作をするが、その機体の後傾操作にて苗置き台を兼用した支持体61が大きく後傾して、鉢苗Nが苗置き台を兼用した支持体61から落下してしまうような事態が発生する恐れがあるが、この機体旋回時に、該後輪上下動操作具Aの機体上昇操作を検出して、電動モータ73を作動させて苗置き台を兼用した支持体61を座席70側が低くなる前傾姿勢になるように制御するので、機体を後傾操作しても苗置き台を兼用した支持体61が大きく後傾することを防止し、鉢苗Nが苗置き台を兼用した支持体61から落下してしまうような事態を回避して、作業性良く且つ容易に機体の旋回操作が行えて、苗移植作業が能率良く行なえる。旋回後は、同様にして復行程の苗移植作業を行なう。
【0051】
そして、苗置き台面61b上のトマトの鉢苗Nが残り少なくなった時には、作業者は左右予備苗載台76の予備苗載部78に載置したトレーを取出して、該トレー内のトマトの鉢苗Nを苗置き台面61b上に載置して、苗移植作業を続行する。
【0052】
上記の苗移植作業時に、中央安全ポール80の中央検知部82及び左右安全ポール84の左右検知部87の上端高さを座席70に着座した作業者の頭よりも若干高い位置に調節し、左右安全ポール84の検知部87の左右位置を機体の左右外側端よりも若干左右方向に突出した位置に調節しているので、ハウス内での苗移植作業を行なうときに、該中央安全ポール80の中央検知部82又は左右安全ポール84の左右検知部87がハウス内の構造物(骨組み)に接当して撓んだ場合に、該撓みを検出して警報を鳴らして作業者に警告し、自動的に主クラッチを切って機体を停止して、作業者が該構造物(骨組み)に当たって怪我をすることや機体が柱などの構造物に接当して破損することを防止することができる。
【0053】
尚、本形態では苗植付け具4が前後に開いて苗Nを植え付ける構成について説明したが、左右に開いて苗Nを植え付ける苗植付け具を採用してもよい。
【符号の説明】
【0054】
6 駆動輪(後輪)
1 走行装置
4 苗植付け具
N 苗(鉢苗)
62 苗入れ部
64 供給具(シューター)
60 苗供給装置
64b 苗滑り案内面
62b 苗落下用下端開口部
66 蓋体
US 上昇センサー
61b 苗置き台面
70 座席

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動輪(6)を装備した走行装置(1)に左右方向に複数個の苗植付け具(4)を設けた苗移植機において、該複数個の苗植付け具(4)の上方に作業者が苗(N)を入れる苗入れ部(62)と該苗入れ部(62)内の苗(N)を各苗植付け具(4)に各々振り分け供給する供給具(64)を備えた苗供給装置(60)を設けたことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
2個の左右苗植付け具(4)の上方に苗入れ部(62)を設け、左右苗植付け具(4)と苗入れ部(62)間に設けた供給具(64)の左右両面に苗滑り案内面(64b)を形成して左右回動切替自在に構成し、供給具(64)の左右両面に形成した苗滑り案内面(64b)にて苗入れ部(62)と左右苗植付け具(4)の何れかを左右交互に連通する構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
苗入れ部(62)の下端に設けた苗落下用下端開口部(62b)に開閉自在の蓋体(66)を設け、左右苗植付け具(4)が各々最上昇位置に来たことを検出する上昇センサー(US)を設け、該上昇センサー(US)が左右苗植付け具(4)の一方が所定の上昇位置に来たことを検出すると、該所定の上昇位置にある一方の苗植付け具(4)に苗(N)を案内する状態に供給具(64)を切替えた後に、苗入れ部(62)の苗落下用下端開口部(62b)を閉塞している蓋体(66)を開いて苗入れ部(62)内の苗(N)を下方に落下し、供給具(64)にて所定の上昇位置にある一方の苗植付け具(4)内に苗(N)を供給する構成としたことを特徴とする請求項2記載の苗移植機。
【請求項4】
苗入れ部(62)の少なくとも左右側方で複数個の苗植付け具(4)の上方を覆う位置に苗(N)を多数載置できる苗置き台面(61b)を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の苗移植機。
【請求項5】
苗入れ部(62)に対向して作業者が着座できる座席(70)を走行装置(1)に設けたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の苗移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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