説明

苦味を抑制したサポニン

【課題】本発明は、サポニン特有の苦味が効果的に抑制されたサポニン含有素材を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、サポニンを、植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルとシクロデキストリンとともに複合体化することにより苦味を抑制する。本発明の複合体は、水の共存下において、サポニンと植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルとシクロデキストリンとを混合することにより形成することができる。本発明の複合体は飲食品などの組成物中に配合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサポニンの苦味が低減されているサポニン含有複合体、その製造方法、およびその飲食品への応用に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
大豆成分の一つであるサポニンは、脂質過剰を防ぐ機能や、高血糖を改善する機能があることで知られている(非特許文献1)。
【0003】
しかし、食品の中にサポニンを体重低減効果が期待される量を添加すると、サポニン特有の苦味が強く感じられるという問題がある。
【0004】
特許文献1は豆腐類の製造方法に関する発明が開示されており、豆乳にシクロデキストリンと油脂を添加した後、乳化混合することで大豆の苦味を取り除くことができることが記載されている。なお、特許文献1の実施例では、油脂としてパーム油が使用されている。しかし、本発明者らが確認したところ、大豆サポニンとパーム油とシクロデキストリンを乳化混合して粉末化した場合、サポニンの苦味が感じられ、苦味を十分に抑制することができなかった。また、大豆サポニンとパーム油とシクロデキストリンの乳化混合物をレトルトもしくは乾燥した場合も、苦味が感じられた。
【0005】
特許文献2には、大豆等から分離されたサポニンの苦味をグルタミン酸等のアミノ酸を配合することにより抑制する技術が開示されている。しかしながらアミノ酸は調味料としても一般に使用される呈味成分であり、特許文献2の技術は最終製品である食品等への味への影響が大きく汎用性に欠けるという問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平5−64560号公報
【特許文献2】特許第3246738号公報
【非特許文献1】機能性糖質素材の開発と食品への応用 監修井上国世 シーエムシー出版 P299−303
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、サポニン特有の苦味が効果的に抑制されたサポニン含有素材を提供することを目的とする。
【0008】
本発明はまた、苦味が抑制された状態でサポニンを含有する飲食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、サポニンを、植物ステロール及び/又は植物ステロールエステル、並びにシクロデキストリンとともに複合体化することにより、サポニン特有の苦味を抑制できるという驚くべき知見を得て本発明を完成させるに至った。本発明は以下の発明を包含する。
【0010】
(1)サポニンと、植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルと、シクロデキストリンとを含む複合体。
(2)水の共存下において、サポニンと植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルとシクロデキストリンとを混合して複合体を形成する複合化工程を含む方法により製造される、(1)の複合体。
(3)前記方法が、複合化工程で形成された複合体を乾燥させる乾燥工程を更に含む方法である、(2)の複合体。
(4)(1)〜(3)のいずれかの複合体を配合した組成物。
(5)(1)〜(3)のいずれかの複合体を配合した飲食品。
(6)加熱殺菌処理がされている、(5)の飲食品。
(7)大豆タンパク質を含有する(5)または(6)の飲食品であって、一食分量当たり10〜1000mgのサポニンを含有する飲食品。
(8)サポニンと、植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルと、シクロデキストリンとを含む複合体の製造方法であって、水の共存下において、サポニンと植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルとシクロデキストリンとを混合して複合体を形成する複合化工程を含む方法。
(9)複合化工程で形成された複合体を乾燥させる乾燥工程を更に含む、(8)の方法。
【発明の効果】
【0011】
サポニンを、植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルとシクロデキストリンとともに複合体化することにより、サポニン特有の苦味を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
1)サポニン
サポニンとは、ステロイド、ステロイドアルカロイドあるいはトリテルペンの配糖体で、水に溶けて石鹸様の発泡作用を示す物質の総称であり、植物に広く存在する。本発明で使用するサポニンは、どのような植物に由来するサポニンであってもよい。その代表的なものとして、大豆由来のサポニンが挙げられる。
【0013】
大豆由来のサポニンとして、より具体的には大豆種子もしくは大豆種子胚軸のエタノール抽出画分を使用することができる。代表的な物質名としてはソヤサポニンAb、ソヤサポニンBbが挙げられる。このようなサポニンは市販されており、例えば不二製油社製のソイヘルスSA等がある。
【0014】
2)植物ステロール
植物性ステロールとは、1〜2個の二重結合を有するステロイド骨格をもち、C−3位にヒドロキシル基、C−17位に炭化水素側鎖を有する高級環状アルコールのうち、植物に含有されるものである。一般的な植物ステロールとしては、植物油脂中に含まれるステロールなどが挙げられ、例えば大豆、菜種、綿実などの植物油脂から抽出・精製されたものであり、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、フコステロール、ジメチルステロール等が挙げられ、これらの化合物の混合物であってもよい。例えば、大豆ステロールには、53〜56%のシトステロール、20〜23%のカンペステロール及び17〜21%のスチグマステロールが含まれる。植物性ステロールとして、「フィトステロール F」(タマ生化学工業株式会社製)として市販されているものを使用することもできる。
【0015】
3)植物ステロールエステル
植物ステロールエステルとは、植物性ステロールのステロール骨格中の水酸基に脂肪酸がエステル結合することによって得られる物質である。植物ステロールエステルの製造方法としては、例えば酵素を利用した酵素方法などが挙げられる。本発明ではいずれの植物ステロールエステルも使用することができる。
【0016】
酵素方法としては、触媒としてリパーゼなどを利用し、植物ステロールと脂肪酸とを混合し、反応(30〜50℃で48時間程度)させることによって植物ステロールエステルを得る方法などが挙げられる。また、その他の合成方法としては、大豆などから生成された植物性ステロールを菜種油、コーン油などから得られた脂肪酸で、触媒の存在下で脱水することによりエステル化して植物ステロールエステルを得る方法などが挙げられる。
【0017】
植物ステロールエステルを構成する植物ステロールとしては上述のものが使用できる。
【0018】
植物ステロールエステルを構成する脂肪酸としては、植物由来のもの、例えば菜種油、パーム油由来のものであってもよく、又は動物由来のものであってもよい。例えば、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、アラキドン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、パルミトオレイン酸、ラウリン酸などが挙げられる。
【0019】
好ましい植物ステロールエステルとしては、大豆由来の植物ステロールと菜種油由来の脂肪酸とから構成される植物ステロールエステルや、大豆及び菜種由来の植物ステロールとパーム油由来の脂肪酸とから構成される植物ステロールエステルなどが挙げられる。前者には、三栄源エフ・エフ・アイ(株)の「サンステロールNO.3」などがあり、後者には、タマ生化学(株)の「植物ステロール脂肪酸エステル」などがある。
【0020】
植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルの使用量としては、サポニン100重量部に対して10〜1000重量部程度の割合が良い。
【0021】
4)シクロデキストリン
シクロデキストリンとは、ブドウ糖を構成単位とする環状無還元マルトオリゴ糖のことである。シクロデキストリンとしては、ブドウ糖の数が6つのα−シクロデキストリン、7つのβ−シクロデキストリン、8つのγ−シクロデキストリンの何れも使用できるが、人の消化酵素で分解されると共に水への溶解性が高く飲食品に使用しやすいという点からγ−シクロデキストリンが好ましい。
【0022】
シクロデキストリンの使用量としては、サポニン100重量部に対して50重量部以上の割合が良い。より好ましくはサポニン100重量部に対して100〜100000重量部の割合が良い。
【0023】
5)複合体の製造
水の共存下で、サポニンと植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルとシクロデキストリンを混合して複合体を形成できる。
【0024】
複合体を製造する際の水と、サポニンと、植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルと、シクロデキストリンとの添加順序や混合順序は特に限定されない。例えば、サポニンと植物ステロール及び/又は植物ステロールエステル(分散性が悪い場合には水も)を混合して混合物を形成し、一方でシクロデキストリンを水に分散させて他の混合物を形成し、次いで両混合物を混合することが好ましい。しかしこれには限定されず、例えば、サポニンと植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルとシクロデキストリンと水を同時に混合しても良い。
【0025】
複合体を形成する際に共存させる水の量としては、シクロデキストリン100重量部に対して50〜10000重量部程度の割合が良い。
【0026】
複合体形成の際の温度としては、植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルが流動性を有する温度であればかまわないが、40〜80℃程度が望ましい。
【0027】
サポニンと植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルの混合において、適切に分散していれば、混合条件や手段は問わない。
【0028】
シクロデキストリンを添加混合させた後は、十分に混練して複合体を形成するために、ニーダー等のせん断力の高い装置を用いることが好ましい。
【0029】
混合により形成された複合体は水分を含んだペースト状物である。ペースト複合体はそのままの形態で飲食品等の組成物に配合して使用することができる。また更に乾燥を行って水分を除去して乾燥物としてもよい。
【0030】
6)乾燥物の製造
上記複合体化工程により得られたペースト複合体を乾燥させて、乾燥された複合体を製造することができる。
【0031】
乾燥は、フリーズドライ、スプレードライ、ドラムドライ等のいずれの乾燥方法により行ってもよい。
【0032】
乾燥後の複合体は適宜粉砕することにより粉末状とすることができる。
【0033】
7)複合体の特長および他の成分
本発明により複合体化されたサポニンは苦味が抑制されている。更に本発明の複合体は、熱にも安定であり、例えば水を含む飲食品に配合して加熱殺菌した場合であってもサポニンの苦味が抑制される効果は維持される。
【0034】
本発明の複合体は任意の形態とすることができ、例えば賦形剤を使用するなどして、粉状物や顆粒状物にすることもできる。また、水などの溶媒に分散または乳化させた液状物やペースト状物の形態であってもよい。
【0035】
8)組成物
本発明の複合体は、飲食品、医薬品、化粧品等の種々の形態の組成物中に配合することができる。特に飲食品組成物中に配合することが好ましい。
【0036】
配合される飲食品としては、特に限定されないが、例えば、カレーソース、シチュー、パスタソース、親子丼や牛丼の具、すき焼き、豆腐、スープ、ポタージュ、味噌汁、澄まし汁、わかめスープ等の調理済食品や、クッキー焼き菓子、サプリメント等の錠剤や錠菓、粉末スープ(例えば、湯を加えて作るコンソメスープ、麻婆豆腐粉末スープ)、粉末飲料(例えば、水を加えて作るカフェオレ、ミルクティー、ココア、シェイク、ヨーグルトドリンク)等の種々の加工食品が挙げられる。レトルト殺菌やチルド殺菌等の加熱殺菌された飲食品でもよい。
【0037】
本発明の複合体は、飲食品中に一食分量当たりサポニン摂取量が10〜1000mg程度となるように配合することが好ましい。このような量であれば、飲食品を摂取しても、サポニンの苦味が効果的に抑制されているからである。
【実施例】
【0038】
<原料>
サポニン:ソイヘルスSA(不二製油社製)
植物ステロールエステル:サンステロールNo.3ES(三栄源エフエフアイ社製)
シクロデキストリン:CAVAMAX W8 Food (シクロケム社製)
パーム油

【0039】
【表1】

【0040】
実験1:植物ステロールエステルを用いた複合体
(実施例1)
表1に示す実施例の配合にて、サポニンと植物ステロールエステルと水を60℃にて混合して混合物1を得た。
【0041】
表1に示す実施例の配合にて、シクロデキストリンと水を60℃にて混合して混合物2を得た。
【0042】
混合物1と混合物2を、ミキサーを用いて60℃にて混練することにより実施例の配合のペースト複合体を得た。
【0043】
実施例の配合のペースト複合体を80℃の雰囲気下に10時間保持して乾燥した後、乳鉢に入れて攪拌棒で攪拌して粉末状物を得た。
【0044】
得られた粉末状物14.8gを水85.2mlに溶かして食したところ殆ど苦味は感じられなかった。
【0045】
(比較例1)
植物ステロールエステルに代えて5重量部のパーム油を用いること以外は実施例1と同様にして粉末状物を得た。
【0046】
得られた粉末状物14.8gを水85.2mlに溶かして食したところ苦味が感じられた。
【0047】
(比較例2)
表1の配合によりサポニン原料、水及びγ−シクロデキストリンを混合して得られた混合物を実施例1と同様に乾燥した後、乳鉢に入れて攪拌棒で攪拌して粉末状物を得た。
【0048】
得られた粉末状物12.8gを水87.2mlに溶かして食したところ苦味が感じられた。
【0049】
(比較例3)
サポニン原料2.0gを水98mlに溶かして食したところ苦味が強く感じられた。
【0050】
実験2
(実施例2)
実験1に記載の手順で製造された実施例の配合のペースト複合体21.6gを水78.4mlに溶かして得られた溶液のうち100gをレトルトパウチに充填密封し、120℃、20分間の条件でレトルト殺菌を行なった。
【0051】
得られたレトルト殺菌済みの溶液を食したところ殆ど苦味は感じられなかった。
【0052】
(比較例4)
植物ステロールエステルに代えて5重量部のパーム油を用いること以外は実施例2と同様にしてレトルト殺菌済みの溶液を得た。
【0053】
得られたレトルト殺菌済みの溶液を食したところ苦味が感じられた。
【0054】
(比較例5)
サポニン原料5部、水17部及びγ−シクロデキストリン27部を混合して得られた混合物19.6gを水80.4mlに溶かし実施例2と同様にレトルト殺菌を行なった。
【0055】
得られたレトルト殺菌済みの溶液を食したところ苦味が感じられた。
【0056】
(比較例6)
サポニン原料2.0gを水98.0mlに溶かし実施例2と同様にレトルト殺菌を行ない食したところ苦味が強く感じられた。
【0057】
実験3:チキンカレーソース
(実施例3)
(1)ソース配合(表2)の原材料を混合し、撹拌しながら95℃まで加熱して、ソースを作成した。
(2)具材として使用する鶏肉と人参は、予め一口大にカットし、5分間ボイルした。
(3)レトルトパウチ(126×170mm)に表3の配合で充填し、密封した。
(4)120℃20分の加圧加熱殺菌を行った。
(5)得られたチキンカレーソースを食したところサポニン特有の苦味は感じられなかった。
【0058】
(比較例)
粉末化サポニン複合体に代えてサポニン原料0.2部を配合する以外は実施例3と同様の手順でチキンカレーを得た。
【0059】
このチキンカレーソースはサポニン特有の苦味が強く感じられた。
【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

【0062】
実験4:ビーフシチュー
(実施例4)
(1)ソース配合(表4)の原材料を混合し、撹拌しながら95℃まで加熱して、ソースを作成した。
(2)具材として使用する牛肉、マッシュルーム、玉ねぎは、予め一口大にカットし、5分間ボイルした。
(3)レトルトパウチ(126×170mm)に表5の配合で充填し、密封した。
(4)120℃20分の加圧加熱殺菌を行った。
(5)得られたビーフシチューを食したところサポニン特有の苦味は感じられなかった。
【0063】
(比較例)
粉末化サポニン複合体に代えてサポニン原料0.2部を配合する以外は実施例4と同様にビーフシチューを得た。
【0064】
このビーフシチューはサポニン特有の苦味が強く感じられた。
【0065】
【表4】

【0066】
【表5】

【0067】
実験5:親子丼の具
(実施例5)
(1)全卵液以外のソース配合(表6)の原材料を混合し、撹拌しながら95℃まで加熱した。
(2)全卵液を投入し、ゆるやかに撹拌しながら90℃まで加熱した。
(3)具材として使用する鶏肉と玉ねぎは、予め一口大にカットし、5分間ボイルした。
(4)レトルトパウチ(126×170mm)に表7の配合で充填し、密封した。
(5)120℃20分の加圧加熱殺菌を行った。
(6)得られた親子丼の具を食したところサポニン特有の苦味は感じられなかった。
【0068】
(比較例)
粉末化サポニン複合体に代えてサポニン原料0.2部を配合する以外は実施例と同様に親子丼の具を得た。
【0069】
この親子丼の具はサポニン特有の苦味が強く感じられた。
【0070】
【表6】

【0071】
【表7】

【0072】
実験6:粉末中華玉子スープ
(実施例6)
(1)表8の粉体原料をブレンダーで均一に混合し、粉体配合を得た。
(2)アルミ入り袋に表9の配合で計量・充填し、密封した。
(3)得られた粉末スープにお湯を加えて食したところサポニン特有の苦味は感じられなかった。
【0073】
【表8】

【0074】
【表9】

【0075】
実験7:植物ステロールを用いた複合体
(実施例7)
表1に示す実施例の配合のうち植物ステロールエステルに代えて5重量部のβ−シトステロール(メルク社製)を用いること以外は、実施例1に記載の手順でペースト複合体を得た。
【0076】
このペースト複合体を80℃の雰囲気下に10時間保持して乾燥した後、乳鉢に入れて攪拌棒で攪拌して粉末状物を得た。
【0077】
得られた粉末状物14.8gを水85.2mlに溶かして食したところ殆ど苦味は感じられなかった。
【0078】
実験8
(実施例8)
実験7に記載の手順で製造された実施例の配合のペースト複合体21.6gを水78.4mlに溶かして得られた溶液のうち100gをレトルトパウチに充填密封し、120℃、20分間の条件でレトルト殺菌を行なった。
【0079】
得られたレトルト殺菌済みの溶液を食したところ殆ど苦味は感じられなかった。
【0080】
実験9:チキンカレーソース
(実施例9)
実施例1の粉末化サポニン複合体に代えて同量の実施例7の粉末化サポニン複合体を用いること以外は実施例3と同様にしてチキンカレーソースを得た。
【0081】
得られたチキンカレーソースを食したところサポニン特有の苦味は感じられなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サポニンと、植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルと、シクロデキストリンとを含む複合体。
【請求項2】
水の共存下において、サポニンと植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルとシクロデキストリンとを混合して複合体を形成する複合化工程を含む方法により製造される、請求項1の複合体。
【請求項3】
前記方法が、複合化工程で形成された複合体を乾燥させる乾燥工程を更に含む方法である、請求項2の複合体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの複合体を配合した組成物。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかの複合体を配合した飲食品。
【請求項6】
加熱殺菌処理がされている、請求項5の飲食品。
【請求項7】
大豆タンパク質を含有する請求項5または6の飲食品であって、一食分量当たり10〜1000mgのサポニンを含有する飲食品。
【請求項8】
サポニンと、植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルと、シクロデキストリンとを含む複合体の製造方法であって、水の共存下において、サポニンと植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルとシクロデキストリンとを混合して複合体を形成する複合化工程を含む方法。
【請求項9】
複合化工程で形成された複合体を乾燥させる乾燥工程を更に含む、請求項8の方法。

【公開番号】特開2010−148425(P2010−148425A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329858(P2008−329858)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000111487)ハウス食品株式会社 (262)
【Fターム(参考)】