説明

茶園管理機の刈落とし装置

【課題】走行機体の旋回時及び走行時に、案内カバーが茶樹や障害物に接触しても損傷する虞の少ない茶園管理機の刈落とし装置を提供する。
【解決手段】刈落とし装置50は、刈取装置によって茶畝から刈り取られた枝葉及び幹を気流によって機体後方に搬送する刈捨て枠60と、この刈捨て枠60の先端部に設けられて刈り取られた枝葉及び幹を畝間に向かって落下させる案内カバー70とを備える。案内カバー70は、刈捨て枠60に取り付けられる案内本体部71と、案内本体部71に上下方向に延設けされた支軸81を中心として回動自在に支持された落下位置調整部73とを有し、支軸81にねじりコイルばね84が装着され、このねじりコイルばね84によって落下位置調整部73が左右方向外側へ附勢される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈取装置によって茶畝から刈り取られた枝葉及び幹を気流によって機体後方に搬送して畝間に向かって落下させる茶園管理機の刈落とし装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような刈落とし装置を備える茶園管理機は、例えば、特許文献1に記載されているように、茶畝を跨いで走行可能な走行機体の進行方向後側に、茶畝の上面に臨んで茶樹の枝葉を刈り取る刈取装置が設けられ、刈取装置の後方側に刈り取られた茶樹の枝葉を畝間に向かって落下させる刈落とし装置が設けられたものがある。
【0003】
刈落とし装置は、走行機体の進行方向に対して左右両側に配設され、板金等で形成されて後方側へ延びるダクト状の搬送案内部(文献では中継枠、刈捨てドーム)と、搬送案内部の先端部に機体進行方向に対して左右方向外側に向かって開口する開口部に装着されて枝葉及び幹を畝間に向かって落下させる案内カバー(文献では上側及び下側案内板、案内シート)とを有して構成されている。案内カバーは、板金等の金属材料で形成されて下側が開口した箱状に形成されている。
【0004】
このため、刈取装置によって刈り取られた枝葉及び幹は、搬送案内部内を流れる気流によって搬送案内部の先端側に流され、案内カバーに沿って向きを下方に変えて畝間に向かって落とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−44003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この従来の刈落とし装置の案内カバーは、茶園管理機の後側の左右両端部に配設されているので、前向き用の操縦席に座る作業者が後方を振り向いて案内カバーを視認するのは厄介である。また操縦席と案内カバーとの間の走行機体の上方には荷受部材等の設備が配設されているので、作業者が案内カバーを視認する際に設備が邪魔をして案内カバーの視認がし難くなる。さらに走行機体の旋回中心から案内カバーまでの距離は比較的に大きい。このため、茶園管理機の旋回時に案内カバーが茶樹や障害物(例えば、防霜ファン)に当たって損傷する虞がある。
【0007】
また、案内カバーは走行機体の左右両端部から側方に突出するように配設されているので、茶園管理機の走行時に、案内カバーが茶樹に引っ掛かって刈落とし装置が損傷する虞がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、走行機体の旋回時及び走行時に、案内カバーが茶樹や障害物に接触しても損傷する虞の少ない茶園管理機の刈落とし装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するため、本発明の茶園管理機の刈落とし装置は、刈取装置によって茶畝から刈り取られた枝葉及び幹を気流によって機体後方に搬送する搬送案内部(実施の形態における刈捨て枠60)と、該搬送案内部の先端部に設けられて刈り取られた枝葉及び幹を畝間に向かって落下させる案内カバーとを備える茶園管理機の刈落とし装置であって、案内カバーには、該案内カバーに作用する外力を吸収可能な緩衝部材(実施の形態におけるねじりコイルばね84)が設けられていることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
これにより、茶園管理機の旋回時及び走行時において、案内カバーが茶樹や障害物に接触して案内カバーに外力が作用すると、この外力は緩衝部材に吸収される。このため、案内カバーを有する刈落とし装置が損傷する虞を少なくすること
ができる。
【0011】
また本発明の案内カバーは、搬送案内部に対して移動自在に支持され、緩衝部材は、案内カバーと搬送案内部との間に設けられていることを特徴とする(請求項2)。
【0012】
これにより、案内カバーに外力が作用すると、案内カバーは外力によって搬送案内部に対して移動し、この外力は案内カバーを介して緩衝部材に吸収される。このため、案内カバーに作用した外力が吸収されて、案内カバーが損傷する虞を少なくすることができる。
【0013】
また本発明の緩衝部材は、弾性体(実施の形態におけるねじりコイルばね84)であることを特徴とする(請求項3)。
【0014】
これにより、案内カバーに外力が作用すると、この外力の大きさに応じて弾性体が変形して案内カバーが移動するとともに、外力を吸収する。このため、案内カバーを損傷させることなく、案内カバーに作用した外力を効率的に吸収することができる。また、外力が無くなった時には、案内カバーを元の状態へ復帰させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係わる茶園管理機の刈落とし装置によれば、案内カバーには、この案内カバーに作用する外力を吸収可能な緩衝部材が設けられていることで、茶園管理機の旋回時及び走行時において、案内カバーが茶樹や障害物に接触して案内カバーに外力が作用しても、この外力を緩衝部材が吸収することができる。このため、案内カバーに外力が作用しても損傷する虞の小さい茶園管理機の刈落とし装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係わる刈落とし装置が設けられた乗用型茶園管理機の平面図を示す。
【図2】この乗用型茶園管理機の正面図を示す。
【図3】この乗用型茶園管理機の背面図を示す。
【図4】本発明の一実施形態に係わる刈落とし装置を示し、同図(a)は刈落とし装置の平面図であり、同図(b)は刈落とし装置の側面図である。
【図5】この刈落とし装置の傾き調節を説明するための背面図を示し、同図(a)は刈落とし装置を下側に傾き調節した場合の背面図であり、同図(b)は刈落とし装置を上側に傾き調節した場合の背面図である。
【図6】刈落とし装置の傾き調節を説明するための部分背面図であり、同図(a)は刈落とし装置が調節される前の刈落とし装置の部分背面図であり、同図(b)は刈落とし装置が調節された後の刈落とし装置の部分背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。先ず、本発明に係る刈落とし装置を説明する前に、刈落とし装置が設けられる茶園管理機について概説する。なお、本実施例では、茶園管理機として、乗用型の茶園管理機を例にして説明する。
【0018】
茶園管理機1は、図1(平面図)、図2(正面図)、図3(背面図)に示すように、茶畝を跨ぎながら走行する走行機体10と、走行機体10の後側に配設された刈取装置40と、走行機体10の後部に設けられ刈取装置40によって刈り取られた枝葉、幹を空気流によって搬送して進行方向に対して左右の畝間に振り分けて落下させる刈落とし装置50とを備えている。
【0019】
走行機体10は、茶畝を跨ぎながら走行するため門型に形成された前側フレーム12及び後側フレーム13と、これら前側及び後側フレーム12,13を連結する左右一対の上部及び下部連結フレームとを備えて構成されている。
【0020】
前側及び後側フレーム12,13は、それぞれ機体前後方向に離間した状態で対向配置されていると共に、機体左右方向に向かって軌間伸縮が可能となるように左右分割構造になっている。これら前側及び後側フレーム12,13には、油圧式の軌間伸縮シリンダが備えられ、この軌間伸縮シリンダの伸縮によって前側及び後側フレーム12,13の軌間伸縮が可能である。
【0021】
前側フレーム12の左右両側の垂直方向に延びる脚部の下端部と、後側フレーム13の左右両側の垂直方向に延びる脚部の下端部間には、機体前後方向に延びる左右一対の下部連結フレームが結合固定されている。これらの下部連結フレームには、駆動輪と従動輪との間にクローラ19を巻装した油圧式の走行装置20が設けられている。各走行装置20の上方には、油圧アクチュエータに油圧を供給する油圧タンクや、後述する駆動源に燃料を供給するための燃料タンク21が取り付け固定されている。なお、走行装置20は、クローラを用いたものに限定されるものではなく、例えば、車輪、レール式等を用いたものであってもよい。
【0022】
また、前側フレーム12と後側フレーム13の左右方向両端部間には左右一対の上部連結フレームが結合固定されている。これらの上部連結フレームの対向面間には、走行機体10の軌間伸縮動作に追従することがない横架フレーム(図示せず)が架設され、この横架フレームと前側フレーム12との間には板状のフロア部材23が張設されている。
【0023】
フロア部材23は機体右前部に配設され、その上面には操縦部24が配設されている。この操縦部24に隣接して、機体前部の左右方向中央部には送風機26が配設され、機体左前部にはエンジン部25が配設されている。また、これら操縦部24、エンジン部25及び送風機26の周囲には、パイプ材によって形成された荷受部材27が設けられている。
【0024】
操縦部24には、機体操作及び茶園管理作業(ここでは刈捨て作業)を行うための各種スイッチ類等が設けられている。この操縦部24の後方には、オペレータが着座して機体操作及び茶園管理作業を行うための操縦席34、操作ハンドル35、各種機体操作レバーが配設されている。
【0025】
エンジン部25には、走行機体10の動力源としてのエンジンが配置されている。このエンジンには、各油圧アクチュエータに油圧を供給する油圧ポンプがエンジンの動力によって駆動されるように一体的に組付けられている。
【0026】
送風機26は、エンジンによって駆動され、通気孔があけられた防護カバー39内に配設されている。この送風機26は、操縦部24側に配置された切り替えレバー(図示せず)によってオンオフが切り替え操作される。この送風機26が発生した風(気流)は、機体下方側に延びた伸縮可能な送風ダクト36を介して、刈取装置40の前面側に送られたのちに機体後方に向かう複数のノズル41から噴出されて、刈取装置40によって茶畝から刈り取られた枝葉、幹を機体後方に向けて吹き飛ばすと共に、左右の畝間に枝葉、幹を落とし込んだのちに枝葉、幹と分離して大気中に放出される。
【0027】
刈取装置40は、摘採を目的として作られた樹形に合わせて正面視弧状(或いは水平)に形成される。この刈取装置40の下方側には、茶畝から枝葉、幹を刈り取るための油圧式の刈刃(バリカン刃)42が機体幅方向に往復駆動可能に取り付けられている。刈取装置40は走行機体10に設置された昇降装置により昇降可能に支持されている。
【0028】
この刈取装置40の機体後方側に、刈り取られた枝葉及び幹を畝間に向かって落下させる刈落とし装置50が設けられている。刈落とし装置50は、図1、図4(a)、図4(b)に示すように、刈取装置40の後方側へ張り出す板状の支持台51と、刈り取られた枝葉及び幹を気流によって機体後方に搬送する刈捨て枠60と、刈捨て枠60の後端部に取り付けられて刈り取られた枝葉及び幹を畝間に向かって落下させる案内カバー70とを有してなる。
【0029】
支持台51は、刈取装置40の後部に配設された刈取チャンバー31の後側の開口部の両外側端部に設けられたヒンジを介して回動可能に連設されていると共に、支持台51と後側フレーム13に支持された支持フレームとの間に介装されたシリンダ52により刈取装置40側へ折り畳み可能に構成されている。このシリンダ52が伸長すると、支持台51は後方側へ延びた状態となり、刈取装置40により刈り取られた枝葉及び幹を刈落とし装置50によって茶樹畝の畝間に案内することができる。なお、支持台51は、茶園管理機を茶葉の摘採機として使用する場合には、摘採された茶葉の収容台となる。
【0030】
刈捨て枠60は、その前後両端部に配設された矩形状の口枠61,62と、これらの口枠61,62間に取り付けられた柔軟性且つ伸縮性を有する布材64とを有してなる。前側の口枠61は後側の口枠62よりも開口面積が大きく、後側の口枠62の中心位置は前側の口枠61のそれよりも外側にずれて配置されて、刈捨て枠60は、後方側へ延びるに従って先細状を呈した漏斗状に形成されている。
【0031】
この布材64を前側及び後側の口枠61,62に装着する場合、布材64の伸縮性を利用して緊張させて取り付けることができる。このため、刈取装置40により刈り取られた枝葉及び幹を案内カバー70にスムースに搬送することができる。
【0032】
案内カバー70は、案内本体部71と落下位置調整部73とからなり、刈り取られた枝葉及び幹を畝間に確実に落下させるため、枝葉等の落下位置を調整可能に構成されている。落下位置の調整は、刈落としする茶樹の枝葉の量や隣の畝との距離等の条件で決定される。案内本体部71は、前側端部と外側端部が開口したダクト状に形成され、刈り取られた枝葉及び幹を前端の開口部から外側端の開口部71aへ案内するように形成されている。
【0033】
また、落下位置調整部73は、天板74と、天板74の外側縁部及び後側縁部から下方へ延びる側板75と、天板74上に設けられ案内本体部71に対する落下位置調整部73の左右方向の位置調節をする移動調整板76とを有して、下部が開口した箱状に形成されている。側板75の下部には刈り取られた枝葉及び幹の落下位置を案内する柔軟性を有したシート状の案内板78が取り付けられている。
【0034】
移動調整板76には複数の孔部が設けられ、この孔部にはノブナット79が通され、天板74に設けられた長孔74aにノブナット79の軸部を通して、口枠62に固定されて後方側へ延びる固定板80にノブナット79を締結することで、落下位置調整部73を案内本体部71に対して左右方向に位置調節可能に固定することができる。
【0035】
落下位置調整部73は、固定板80の前側に設けられて上下方向に延びる支軸81を中心として進行方向に対して左右方向に回動自在に設けられている。また落下位置調整部73の天板74上には円弧状のガイド溝82aを有したガイド板82が取り付けられ、落下位置調整部73の天板74の裏側にはガイド溝82aに係合可能な係合突起部74bが設けられている。この係合突起部74bはガイド溝82aの右側端に接触すると、落下位置調整部73の左右方向外側に配設された側板75の前側部分75aが前側に進むに従って内側に傾き、側板75の後側部分75bが進行方向後側に進むに従って内側に傾くように、落下位置調整部73の回動を規制する。なお、落下位置調整部73の回動が規制される位置を以下、「初期位置Ps」と記す。このため、落下位置調整部73は、支軸81を中心として初期位置Psから進行方向内側(矢印B方向)に回動自在に支持されている。
【0036】
支軸81には、ねじりコイルばね84が挿着されている。このねじりコイルばね84の一方の腕部は固定板80に接触し、他方の腕部は落下位置調整部73の前端部に接触して、ねじりコイルばね84は、落下位置調整部73を常に初期位置Ps側に附勢している。
【0037】
このように構成された刈落とし装置50は、図4(a)、図5(a)、図5(b)に示すように、支持台51(図1参照)の後端部に沿って支持台51の左右方向一端部から中間部に亘って延設けされた支持部材54を有している。この支持部材54の外側端部には前後方向に延びる支軸55が設けられ、この支軸55は案内本体部71の落下位置調整部73側の下部に固定されて、案内本体部71及びこれに接続された落下位置調整部73からなる案内カバー70は支軸55を中心として上下方向に回動自在である。
【0038】
支持部材54の左右方向中間部には上方へ突出する突出部54aが設けられ、この突出部54aには上下方向に延びる長孔54bが形成されている。この長孔54bには案内本体部71に対して支持されたノブボルト56の軸部が回動可能に挿入されている。このため、ノブボルト56を一方側に回動させると、案内カバー70を支持部材54にロックすることができ、またノブボルト56を他方側に回動させると、案内カバー70の支持部材54に対するロック状態を解除することができる。
【0039】
なお、案内カバー70を支軸55に対して上方へ回動させると、案内カバー70に接続された刈捨て枠60は捻り方向の力を受ける。この力は、刈捨て枠60の布材64を変形させるように作用する。このため、案内カバー70や刈捨て枠60の口枠61,62等に負荷が作用して損傷させる虞はない。また同時に布材64の伸縮性を利用して緊張させて取り付けることができるため、刈取装置40により刈取られた枝葉や幹を案内カバー70にスムースに搬送することができる。
【0040】
このように構成された刈落とし装置50は、刈り落とし作業時には、図1に示すように、支持台51、刈捨て枠64及び案内カバー70が後方側へ延びた状態で配置され、案内カバー70は走行機体10の左右方向端部に配置される。この状態で茶園管理機1が矢印A方向に旋回すると、左右方向左側に配置されて操縦席34から遠い案内カバー70が障害物に衝突して損傷する虞がある。
【0041】
しかしながら、案内カバー70は、図4(a)に示すように、上下方向に延びる支軸81を中心として前後方向に回動自在に支持されるとともに、ねじりコイルばね84を介して常に初期位置Ps側へ附勢されている。このため、案内カバー70の外側に設けられた側板75(75a、75b)に外力F、F'が作用すると、案内カバー70は支軸81を中心としてねじりコイルばね84の附勢に抗して矢印B方向に回動する。
【0042】
このため、案内カバー70に外力F、F'が作用しても、外力F、F'はねじりコイルばね84の変形によって吸収される。従って、案内カバー70が損傷する虞を確実に少なくすることができる。同時に前述した案内カバー70の落下位置調整は、例えば、案内本体部71に対して落下位置調整部73を最大限に外側方向に位置調整しておけば、落下位置調整部73が隣の畝と接触する外力によって回動して、落下位置調整部73から枝葉等が落下する開口部の広さを適当にすることができる。このため、案内カバー70(落下位置調整部73)の位置調整を細かく調整する手間を省くことができる。
【0043】
また、図6(a)(部分背面図)に示すように、茶園管理機1が傾斜する圃場Hを等高線Lに沿って前進走行する場合、茶園管理機1の進行方向左側に配置された刈落とし装置50'の案内本体部71の底面71bが案内カバー70に向かって上り傾斜になると、刈り取られた枝葉及び幹がスムースに搬送されずに刈落とし装置50'内で滞留して畝間に排出されない虞が生じる。
【0044】
しかしながら、刈落とし装置50'の案内カバー70は前後方向に延びる支軸55(図5(b)参照)を中心として上下方向に回動自在に支持されるとともに、所定の傾斜角度範囲内で案内カバー70をノブボルト56(図5(b)参照)を介して位置決めすることができる。このため、図6(b)に示すように、茶園管理機1の進行方向左側に配置された刈落とし装置50'の案内カバー70を上方へ回動させた状態で保持させると、案内本体部71の底面71bを略水平にすることができる。従って、刈り取られた枝葉及び幹は案内本体部71をスムースに移動することができ、刈り取られた枝葉及び幹が刈落とし装置50'内で滞留して畝間に排出されない事態を防止することができる。
【0045】
なお、前述した実施形態では、外力を吸収する手段としてねじりコイルばね84を示したが、これに限るものではなく、ねじりコイルばね84の代わりに、引っ張りばね、圧縮ばね、ゴム等の弾性体でもよい。
【0046】
また、前述した実施形態では落下位置調整部73に設けられた側板75は、天板74に接続されたものを示したが、天板74に対して側板75を移動可能に支持し、天板74と側板75との間に外力を吸収するばね、ゴム等の弾性体を設けてもよい。
【0047】
さらに本発明は、茶園管理機1にのみ適用されるのではなく、例えば、乗用型摘採機、乗用型中刈機や農業作業機等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 茶園管理機
40 刈取装置
50 刈落とし装置
60 刈捨て枠(搬送案内部)
70 案内カバー
84 ねじりコイルばね(緩衝部材、弾性体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取装置によって茶畝から刈り取られた枝葉及び幹を気流によって機体後方に搬送する搬送案内部と、該搬送案内部の先端部に設けられて刈り取られた枝葉及び幹を畝間に向かって落下させる案内カバーとを備える茶園管理機の刈落とし装置であって、
前記案内カバーには、該案内カバーに作用する外力を吸収可能な緩衝部材が設けられていることを特徴とする茶園管理機の刈落とし装置。
【請求項2】
前記案内カバーは、前記搬送案内部に対して移動自在に支持され、
前記緩衝部材は、前記案内カバーと前記搬送案内部との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の茶園管理機の刈落とし装置。
【請求項3】
前記緩衝部材は、弾性体であることを特徴とする請求項2に記載の茶園管理機の刈落とし装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−170351(P2012−170351A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33187(P2011−33187)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000250270)落合刃物工業株式会社 (28)
【Fターム(参考)】