説明

草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システム

【課題】草系バイオマスの消化効率を改善する。
【解決手段】草木消化槽10内の草系バイオマスG10を洗浄する。この洗浄方法では、たとえば、草木消化槽10内の消化液W10を排出し(ステップS121)、草木消化槽10内に新たな消化液W100を流入する(ステップS124)。消化液W10を排出して新たな消化液W100を流入することで、草木消化槽10内に消化液の流れを発生させて草系バイオマスG10を洗浄することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路や公園の草刈り等で生じた草などのセルロース系基質を多く含む廃棄物(以下、草系バイオマスという)は、焼却処分されることが一般的であり、エネルギーとして利用されることが稀であった。しかしながら、湿潤系バイオマスである草系バイオマスをエネルギーとして利用せずに焼却処分してしまうのは、資源の有効利用ができない。そこで従来では、草系バイオマスを食品廃棄物や下水汚泥や家畜排せつ物などの他の湿潤系バイオマスと一緒にメタン発酵技術にて消化処分することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−268895号公報
【特許文献2】特開平2−289481号公報
【特許文献3】特開2001−114583号公報
【特許文献4】特開2003−94022号公報
【特許文献5】特開2006−305467号公報
【特許文献6】特許第3694744号公報
【特許文献7】特許第4468123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、草系バイオマスは、他の湿潤系バイオマスに比べ、消化に非常に長い時間を要する。このため、消化液に漬け置きしておく時間が長くなるが、この時間が長くなると、消化対象である草系バイオマスの近傍に菌の消化残さや中間生成物等が滞留してしまい、これにより、菌の消化残さや中間生成物等の介在によって消化効率が低下してしまうという問題が発生する。
【0005】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、草系バイオマスの消化効率を改善することが可能な草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、本発明による草系バイオマス消化促進方法は、消化槽内での草系バイオマスの消化液による消化を促進する草系バイオマス消化促進方法であって、前記消化液を動かすことで前記草系バイオマスを洗浄する洗浄ステップを含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明による草系バイオマス消化槽は、草系バイオマスを消化液で消化するための草系バイオマス消化槽であって、前記草系バイオマスを洗浄する洗浄手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明による消化システムは、下水用の下水消化槽と草系バイオマス用の草木消化槽とを備えた消化システムであって、前記草木消化槽内の前記草系バイオマスを前記下水消化槽内の消化液を用いて洗浄する洗浄手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、草などの湿潤系バイオマスの近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等を洗い流すことが可能となるため、草系バイオマスの消化効率を改善することが可能な草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システムを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1による消化システムの概略構成を示す模式図である。
【図2】図2は、本実施の形態による消化システムの一例を示す概略図である。
【図3】図3は、本実施の形態による草系バイオマスの消化方法の概略を示すフローチャートである。
【図4】図4は、図3に示す洗浄処理の概略を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2による消化システムの概略構成を示す模式図である。
【図6】図6は、本実施の形態2による洗浄処理の概略を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の実施の形態3による消化システムの概略構成を示す模式図である。
【図8】図8は、本実施の形態3による洗浄処理の概略を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施の形態4による消化システムの概略構成を示す模式図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態5による消化システムの概略構成を示す模式図である。
【図11】図11は、本実施の形態5による洗浄処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の説明において、各図は本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎず、従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。また、各図では、構成の明瞭化のため、断面におけるハッチングの一部が省略されている。さらに、後述において例示する数値は、本発明の好適な例に過ぎず、従って、本発明は例示された数値に限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1にかかる消化システム、草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システムを、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態1による消化システムの概略構成を示す模式図である。図1に示すように、消化システム1は、既存の下水消化槽100と、下水消化槽100に隣接して配置された草木消化槽10と、を備える。
【0013】
ダンプトラックやゴミ収集車などの運搬車両110で運搬されてきた草などの草系バイオマスG10は、草木消化槽10の上方に設けられた投入口11aから内部に投入される。草木消化槽10には、下水消化槽100内の消化液W100と草木消化槽10内の消化液W10との水位差D1(=H100−H10)を利用して下水消化槽100内の消化液W100を草木消化槽10内に流入させる上部流入管12と、同じく消化液W100と消化液W10との水位差D1を利用して下水消化槽100内の消化液W100を草木消化槽10内に流入させる下部流入管14と、草木消化槽10内の液面高さを調節するために消化液W10を廃液する側部排出管15と、が接続される。また、草木消化槽10の底部には、消化しきれなかった残さG11を取り除くための取出口11bが設けられる。なお、本説明において、消化液W100およびW10は、それぞれ汚泥を含んでもよいものとする。
【0014】
ここで、上部流入管12の流出口は、草木消化槽10内の上方に位置する。この流出口には、シャワーヘッドが設けられており、消化液W100がシャワー状に放出される。消化液W100を上方からシャワー状に放出することで、草木消化槽10内の草系バイオマスG10表面を満遍なく消化液W100で湿らせることが可能となり、結果、菌を活性化して草系バイオマスの消化を促進することが可能となる。
【0015】
下部流入管14の流出口は、草木消化槽10内の下方に位置する。草木消化槽10内の下方から下水消化槽100内の消化液W100を流入させることで、この流入による消化液W100等の流れを利用して草木消化槽100内の草系バイオマスG10を洗浄することが可能となり、結果、菌を活性化して草系バイオマスの消化を促進することが可能となる。ただし、草木消化槽10内での草系バイオマスG10の洗浄には、上部流入管12からの消化液W100の放出を利用もしくは併用することも可能である。
【0016】
側部排出管15は、上流(草木消化槽10側)において複数の枝管15A〜15Nに分岐している。各枝管15A〜15Nの流入口は、草木消化槽10の側壁の異なる高さ位置にそれぞれ接続される。これにより、草木消化槽10内の消化液W10の液面高さを、それぞれの枝管15A〜15Nが接続された高さに容易に調節することが可能となる。また、消化液W10の上澄み部分を選択的に排出することが容易となる。なお、合流後の側部排出管15は、たとえば下部排出管13と合流する。
【0017】
下部排出管13の流入口は、草木消化槽10内の底部近くに位置し、草木消化槽10内の底部付近の消化液W10を排出する。なお、下部排出管13(一部、側部排出管15を含む)を介して排出された消化液W10は、たとえば、下水消化槽100へ戻されても、運搬車や送り管等を経由して不図示の脱水機等の汚泥処理施設へ送られてもよい。下部排出管13へ排出された消化液W10を下水消化槽100に戻す場合、実質的に草木消化槽10から廃液等が生じないため、より効率的に草系バイオマスを有効活用することができる。ここで、側部排出管15と合流後の下部排出管13には、ポンプなど、消化液W10の排出を促進するための構成が設けられてもよい。
【0018】
なお、上部流入管12、下部流入管14、側部排出管15の各枝管15A〜15N、および、下部排出管13のそれぞれには、手動または自動で開閉するバルブ12a、14a、15a〜15n、および、13aが設けられており、必要に応じてそれぞれの流路が開閉される。
【0019】
また、草木消化槽10の上部には、草木消化槽10内の消化液W10を排出する下部排出管13と、草木消化槽10内に対して空気を導入/排気するエア配管16と、草木消化槽10内に発生したメタン等のガスを排気するガス排気管17と、が接続される。エア配管16およびガス排気管17とには、それぞれ手動または自動で開閉するバルブ16aおよび17aが設けられており、必要に応じてそれぞれの流路が開閉される。
【0020】
エア排気管16は、投入口11aおよび取出口11bを閉じることで密閉された草木消化槽10内へ下水消化槽100から消化液W100を流入させる際に草木消化槽10内の空気を抜くための配管である。また、エア排気管16は、消化液W10を草木消化槽10から排出する際に草木消化槽10内に空気を導入するための配管でもある。
【0021】
ガス排気管17は、消化の過程または消化行程の完了後に草木消化槽10内のガスを排出するための配管である。なお、ガス排気管17は、たとえば下水消化槽100に接続されたガス排気管120に合流する。ガス排気管120には、手動または自動で開閉するバルブ120aが設けられており、必要に応じてその流路が開閉される。下水消化槽100または草木消化槽10から排気されたガスは、たとえば、ガス排気管120(一部、ガス排気管17を含む)を経由してガス精製装置(たとえば図2に示すガス精製装置200参照)等へ送られてバイオガスに精製された後、ガスタンク(たとえば図2に示すガスタンク210参照)等に貯蔵される。
【0022】
なお、本実施の形態1では、たとえば図2に示すように、1つの下水消化槽100に対して複数の草木消化槽10−1〜10−nが隣接設置されてもよい。図2は、本実施の形態1による消化システムの一例を示す概略図である。この場合、図2に示すように、各草木消化槽10−1〜10−nの各ガス排気管17−1〜17−nは、まとめて下水消化槽100のガス排気管120に合流されてもよい。
【0023】
つづいて、本実施の形態1による草系バイオマスの消化方法について、以下に図面を参照して詳細に説明する。図3は、本実施の形態1による草系バイオマスの消化方法の概略を示すフローチャートである。図3に示すように、本消化方法では、まず、草木消化槽10の投入口11aを開け、この投入口11aから運搬車両110等で運搬されてきた草などの草系バイオマスG10を草木消化槽10内に投入する(ステップS101)。つづいて、草系バイオマスG10が予め目安として定めておいた所定量に達したか否かを判定し(ステップS102)、所定量に達していない場合(ステップS102のNo)、次の草系バイオマスG10の投入を待つ。一方、所定量以上となっている場合(ステップS102のYes)、まず、草木消化槽10の投入口11aを閉め(ステップS103)、つぎに、エア配管16のバルブ16aを開き(ステップS104)、つづいて、下部流入管14のバルブ14aを開く(ステップS105)ことで、草木消化槽10内の空気を抜きつつ、草木消化槽10内に下水消化槽100内の消化液W100を導入する。この際、上部流入管12を併用してもよい。なお、所定量とは、たとえば重量や暈などであればよい。また、所定量に代えて、所定の収集期間などとしてもよい。
【0024】
その後、草木消化槽10内の消化液W10の液面が所定高さに到達したか否かを判定し(ステップS106)、到達するのを待機する(ステップS106のNo)。その後、所定高さに到達すると(ステップS106のYes)、下部流入管14およびエア配管16のバルブ14aおよび16aを閉める(ステップS107)。なお、草木消化槽10内の消化液W10の液面が所定高さに到達したか否かは、たとえば、草木消化槽10内の所定の高さに液面センサ等を配置して検出する方法や、予め定めておいた時間が経過したか否かに基づく方法など、種々変形することが可能である。
【0025】
つぎに、消化液W100の導入から所定日数(ここでは60日とする)待機する間、所定間隔(たとえば毎日)で、所定時間(たとえば1時間)、上部流入管12のバルブ12aを開けて(ステップS108)、草木消化槽10内に消化液W100のシャワーを降らすことで、草木消化槽10内において草系バイオマスG10の上層が乾燥することを防止する。
【0026】
また、消化液W100の導入から所定日数(60日)経過するまでの間に、1回もしくは2回以上、草系バイオマスG10の消化効率を向上するための処理として、草木消化槽10内の草系バイオマスG10を洗浄する洗浄処理を実行する(ステップS109、ステップS110のNo)。この洗浄処理は、たとえば所定日数(たとえば14日や30日など)ごとに行ってもよい。洗浄処理の詳細については、後述において触れる。なお、消化液W100の導入から所定日数(60日)経過するまでの間は、たとえば、洗浄処理を1度行った後であっても、ステップS108の処理は継続されるとよい。
【0027】
つぎに、所定日数(60日)のうち残りの日数が経過すると(ステップS110のYes)、ガス排気管17および下部流入管14のバルブ17aおよび14aを開ける(ステップS111)ことで、草系バイオマスG10の消化によって草木消化槽10内に発生したメタン等のガスを下水消化槽100から流入した消化液W100の圧力でガス排気管17へ送り出す。なお、ガス排気管17へ送り出されたガスは、その後、たとえばガス精製装置200(図2参照)へ送られて精製された後、ガスタンク210(図2参照)へ貯蔵される。
【0028】
その後、草木消化槽10内のガスの排気が完了するまで待機し(ステップS112のNo)、完了すると(ステップS112のYes)、ガス排気管17および下部流入管14のバルブ17aおよび14aを閉め(ステップS113)、その後、エア配管16および下部排出管13のバルブ16aおよび13aを開く(ステップS114)ことで、草木消化槽10内の消化液W10を排出する。なお、草木消化槽10から排出された消化液W10は、たとえば下水消化槽100へ戻されてもよいし、脱水機などの汚泥処理施設へ送られてもよい。
【0029】
その後、消化液W10の排出が完了すると(ステップS115のYes)、エア配管16および下部排出管13のバルブ16aおよび13aを閉じた後(ステップS116)、動作を終了する。
【0030】
以上のような構成および動作を備えることで、本実施の形態1では、下水消化用の下水消化槽100とは別の草木消化槽10を用いて下水消化槽100内の消化液W100を利用しつつ草系バイオマスG10を消化することが可能となる。これにより、下水消化槽100にかかる負担を過度に増加させることなく、既存の設備を利用して草系バイオマスを有効活用することができる草系バイオマス消化槽、消化システムおよび草系バイオマスの消化方法を実現することが可能となる。
【0031】
つぎに、図3のステップS109に示す洗浄処理について、以下に図面を用いて詳細に説明する。図4は、図3に示す洗浄処理の概略を示すフローチャートである。図4に示すように、洗浄処理では、消化液W100の導入後から、または、前回の洗浄処理を行ってから、所定日数(たとえば14日)が経過したか否かを判定し(ステップS120)、経過してない場合(ステップS120のNo)、図3に示す動作へリターンする。一方、所定日数が経過した場合(ステップS120のYes)、まず、エア配管16のバルブ16aを開くとともに、下部排出管13のバルブ13aを開く(ステップS121)ことで、草木消化槽10内の消化液W10を排出する。これにより、草木消化槽10内の草系バイオマスG10の近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等、草系バイオマスG10の消化を阻害するもの(以下、単に菌の消化残さや中間生成物等という)が消化液W10の流れによって洗い流される。なお、この際、側部排出管15を併用して消化液W10を排出してもよい。この場合、側部排出管15から分岐する複数の枝管15A〜15Nのバルブ15a〜15nを開く手順としては、たとえば一番上の枝管15Aのバルブ15aから開き、その後、草木消化槽10内の液面がバルブを開いた排出管の流入口の位置まで低下すると、次の排出管のバルブを開くという手順を、一番下の枝管15Nまで繰り返す方法などを採用することができる。
【0032】
その後、草木消化槽10内の液面が所定高さ(たとえば、草系バイオマスG10の半分以上を消化液W10から露出させる程度の高さ)まで低下すると(ステップS122のYes)、つぎに、エア配管16および側部排出管13のバルブ16aおよび13aを閉め(ステップS123)、つづいて、ガス排気管17および上部流入管12のバルブ17aおよび12aを開く(ステップS124)ことで、下水消化槽100内の消化液W100を草木消化槽10内の上方からシャワーする。これにより、草系バイオマスG10の表面に残った菌の排出物等がシャワー効果によって洗い流されるとともに、草木消化槽10内が下水消化槽100内の消化液W100で満たされて、草系バイオマスG10に新たな菌が付着する。この結果、草系バイオマスG10の消化効率が向上し、消化が促進される。ただし、この際、下部流入管14を併用しても、上部流入管12の代わりに下部流入管14を用いてもよい。この場合であっても、草木消化槽10内で消化液W10の流れを発生させることが可能であるため、草系バイオマスG10の近傍に残留した菌の消化残さや中間生成物等を洗い流せるとともに、草木消化槽10内が下水消化槽100内の消化液W100で満たされて草系バイオマスG10に新たな菌が付着する。
【0033】
その後、草木消化槽10内の液面が運転用の所定高さに到達したか否かを判定し(ステップS125)、到達した場合(ステップS125のYes)、ガス排気管17および上部流入管12のバルブ17aおよび12aを閉め(ステップS126)、その後、図3に示す動作へリターンする。
【0034】
このように動作することで、本実施の形態1では、草系バイオマス用の草木消化槽10内の草系バイオマスG10の近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等を下水消化槽100内の消化液W100を用いて洗い流すことが可能となるため、草系バイオマスG10の消化効率を改善して消化を促進することが可能となる。このため、下水消化槽100で草系バイオマスを消化する場合と比較して、下水消化槽100にかかる負担を過度に増加させることなく、既存の設備を利用して草系バイオマスを有効活用することが可能となる。また、本実施の形態1による草系バイオマスの洗浄方法では、草などの草系バイオマスを物理的に動かす必要がないため、たとえば草系バイオマスを動かして消化液を攪拌することで草系バイオマスの近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等を除去する方法に比べ、容易且つ簡便に草系バイオマスを洗浄して消化を促進することが可能となる。
【0035】
また、従来処理すべきであった食品廃棄物や下水汚泥や家畜排せつ物などの湿潤系バイオマスに加えて草系バイオマスを消化処分する場合、1つの下水消化槽にかかる負荷を増加させるため、規模的に余裕のある下水消化槽を備えた施設でなければ実現することが困難であったが、本実施の形態1によれば、下水消化槽とは別に草木用の消化槽を用いているため、下水消化槽にかかる負荷を過度に増加させることなく、効率的に草系バイオマスを消化することが可能となる。
【0036】
さらに、道路や公園の草刈り等で生じた草系バイオマスは年間を通じて安定して生じるものではない。そのため、草系バイオマスを専用に消化する消化槽は、時期によって発停のある設備となる。このような発停のある設備を導入することは、導入コストや施設面積などの点において処理施設に多大な負担を要してしまうこととなる。これに対し、本実施の形態1では、既存の下水消化槽を利用して草木バイオマスを消化することが可能となるため、処理施設に多大な負担を要することを回避できる。
【0037】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2にかかる草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システムを、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の説明において、上述の実施の形態1と同様の構成および動作については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
【0038】
図5は、本実施の形態2にかかる消化システムの概略構成を示す模式図である。図1と図5とを比較すると明らかなように、本実施の形態2にかかる消化システム2は、図1に示す消化システム1と同様の構成に加え、草木消化槽10内のガス圧を測定する圧力センサ21が設けられている。なお、その他の構成は、消化システム1と同様である。
【0039】
本実施の形態2では、実施の形態1で図3のステップS109に示した洗浄処理が、たとえば圧力センサ21で検出された草木消化槽10内のガス圧に基づいて実行される。すなわち、本実施の形態2では、草木消化槽10内のガス圧がある程度高くなるか、草木消化槽10内のガス圧の変化が小さくなったら、草木消化槽10内の草系バイオマスG10を洗浄することで、草系バイオマスG10の近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等を洗い流す。
【0040】
ここで、本実施の形態2による洗浄処理について、図面を用いて詳細に説明する。図6は、本実施の形態2による洗浄処理の概略を示すフローチャートである。なお、本実施の形態2による草系バイオマスの消化方法は、図3のステップS109に示す洗浄処理が、図6に示す洗浄処理に置き換えられる点以外、上述の実施の形態1と同様である。
【0041】
図6に示すように、本実施の形態2による洗浄処理では、まず、草木消化槽10に設けられた圧力センサ21を用いて、草木消化槽10内のガス圧を測定し(ステップS220)、測定されたガス圧が予め定めておいた所定圧力以上であるか否かを判定する(ステップS221)。この判定の結果、草木消化槽10内のガス圧が所定圧力以上でない場合(ステップS221のNo)、図3に示す動作へリターンする。一方、所定圧力以上である場合(ステップS221のYes)、実施の形態1において説明した図4のステップS121以降の動作を実行することで、下水消化用の下水消化槽100内の草系バイオマスG10を洗浄する(ステップS121〜S126)。
【0042】
以上のように構成および動作することで、本実施の形態2では、実施の形態1と同様に、下水消化用の下水消化槽100とは別の草木消化槽10を用いて下水消化槽100内の消化液W100を利用しつつ草系バイオマスG10を消化することが可能となる。これにより、下水消化槽100にかかる負担を過度に増加させることなく、既存の設備を利用して草系バイオマスを有効活用することができる草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システムを実現することが可能となる。
【0043】
また、本実施の形態2においても、草系バイオマスG10の近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等を下水消化槽100内の消化液W100を用いて洗い流すことが可能となるため、草系バイオマスG10の消化効率を改善して消化を促進することが可能となる。このため、下水消化槽100で草系バイオマスを消化する場合と比較して、下水消化槽100にかかる負担を過度に増加させることなく、既存の設備を利用して草系バイオマスを有効活用することが可能となる。また、本実施の形態2による草系バイオマスの洗浄方法では、草などの草系バイオマスを物理的に動かす必要がないため、たとえば草系バイオマスを動かして消化液を攪拌することで草系バイオマスの近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等を除去する方法に比べ、容易且つ簡便に草系バイオマスを洗浄して消化を促進することが可能となる。
【0044】
なお、他の構成および動作は、上述の実施の形態1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0045】
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3にかかる草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システムを、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の説明において、上述の実施の形態1または2と同様の構成および動作については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
【0046】
図7は、本実施の形態3にかかる消化システムの概略構成を示す模式図である。図1と図7とを比較すると明らかなように、本実施の形態3にかかる消化システム3は、図1に示す消化システム1と同様の構成において、ガス排気管17を開閉するバルブ17aが省略されるとともに、ガス排気管17を流れるガスの流量を測定する流量センサ27が設けられている。なお、その他の構成は、消化システム1と同様である。
【0047】
本実施の形態3では、草木消化槽10で発生したガスが、常時、たとえばガス精製装置(図2参照)へ送られる。また、この際、草木消化槽10においてどの程度、ガスが発生しているかが、ガス排気管17に設けられた流量センサ17によって測定される。そこで本実施の形態3では、実施の形態1で図3のステップS109に示した洗浄処理が、たとえば流量センサ27で検出されたガス流量に基づいて実行される。すなわち、本実施の形態3では、草木消化槽10内で発生するガスの量がある程度小さくなったら、草木消化槽10内の草系バイオマスG10を洗浄することで、草系バイオマスG10の近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等を洗い流す。
【0048】
ここで、本実施の形態3による洗浄処理について、図面を用いて詳細に説明する。図8は、本実施の形態3による洗浄処理の概略を示すフローチャートである。なお、本実施の形態3による草系バイオマスの消化方法は、図3のステップS109に示す洗浄処理が、図8に示す洗浄処理に置き換えられる点以外、上述の実施の形態1と同様である。
【0049】
図8に示すように、本実施の形態3による洗浄処理では、まず、ガス排気管17に設けられた流量センサ27を用いて、草木消化槽10内で発生しているガスの量を測定し(ステップS320)、測定されたガス流量が予め定めておいた所定流量以上であるか否かを判定する(ステップS321)。この判定の結果、ガス流量が所定流量以上である場合(ステップS321のYes)、図3に示す動作へリターンする。一方、所定流量以上でない場合(ステップS321のNo)、実施の形態1において説明した図4のステップS121以降の動作を実行することで、下水消化用の下水消化槽100内の草系バイオマスG10を洗浄する(ステップS121〜S126)。ただし、本実施の形態3においては、ガス排気管17を開閉するバルブ17aが省略されているため、図4に示すステップS124は上部流入管12のバルブ12aが開かれるステップS324に置き換えられ、また、図4に示すステップS126は上部流入管12のバルブ12aが閉められるステップS326に置き換えられる。
【0050】
以上のように構成および動作することで、本実施の形態3では、実施の形態1および2と同様に、下水消化用の下水消化槽100とは別の草木消化槽10を用いて下水消化槽100内の消化液W100を利用しつつ草系バイオマスG10を消化することが可能となる。これにより、下水消化槽100にかかる負担を過度に増加させることなく、既存の設備を利用して草系バイオマスを有効活用することができる草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システムを実現することが可能となる。
【0051】
また、本実施の形態3においても、草系バイオマス用の草木消化槽10内の草系バイオマスG10の近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等を下水消化槽100内の消化液W100を用いて洗い流すことが可能となるため、草系バイオマスG10の消化効率を改善して消化を促進することが可能となる。このため、下水消化槽100で草系バイオマスを消化する場合と比較して、下水消化槽100にかかる負担を過度に増加させることなく、既存の設備を利用して草系バイオマスを有効活用することが可能となる。また、本実施の形態3による草系バイオマスの洗浄方法では、草などの草系バイオマスを物理的に動かす必要がないため、たとえば草系バイオマスを動かして消化液を攪拌することで草系バイオマスの近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等を除去する方法に比べ、容易且つ簡便に草系バイオマスを洗浄して消化を促進することが可能となる。
【0052】
なお、他の構成および動作は、上述の実施の形態1または2と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0053】
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4にかかる草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システムを、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の説明において、上述の実施の形態1〜3のいずれかと同様の構成および動作については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
【0054】
図9は、本実施の形態4にかかる消化システムの概略構成を示す模式図である。図1と図9とを比較すると明らかなように、本実施の形態4にかかる消化システム4は、それぞれ図1に示す消化システム1における草木消化槽10と同様の構成を備える草木消化槽10−1および10−2が2段に設置された構成を備える。なお、その他の構成は、消化システム1と同様である。
【0055】
図9に示す例では、下水消化槽100から上段の草木消化槽10−1内に下部流入管14−1を介して消化液W100が送られる。また、下水消化槽100内の消化液W100は、上部流入管12−1を介して草木消化槽10−1内にシャワーされる。草木消化槽10−1内の空気は、適宜、後述のエア配管16−2と合流するエア配管16−1を介して排気され、また、草木消化槽10−1内のガスは、適宜、ガス排気管120と合流するガス排気管17−1を介して排気される。
【0056】
また、草木消化槽10−1内の消化液W10は、適宜、下部排出管13−1を介して排出される。排出された消化液W10は、下段の草木消化槽10−2内に導入される。また、草木消化槽10−1内の消化液W10の上澄みは、適宜、枝管15A−1〜15N−1のいずれかおよび側部排出管15−1を介して下段の草木消化槽10−2内にシャワーされる。草木消化槽10−2内の空気は、適宜、後述のエア配管16−2を介して排気され、また、草木消化槽10−2内のガスは、適宜、ガス配管17−2を介してガス排気管120と合流するガス排気管17−1を介して排気される。
【0057】
なお、草木消化槽10−2内の消化液W10は、適宜、下部排出管13−2を介して排出される。また、草木消化槽10−2内の消化液W10の上澄みは、適宜、枝管15A−2〜15N−2のいずれかおよび側部排出管15−2を介して下部排出管13−2へ送られる。下部排出管13−2に流入した消化液W10は、たとえば、不図示のさらに下段の草木消化槽へ送られても、下水消化槽100へ戻されても、運搬車や送り管等を経由して不図示の脱水機等の汚泥処理施設へ送られてもよい。
【0058】
このように、本実施の形態4では、複数段に配置された草木消化槽10−1および10−2を連携させることで、上段に位置する草木消化槽10−1の消化液W10を、これに対して下段に位置する草木消化槽10−2において有効に活用することが可能となる。この結果、下水消化槽100にかかる負担をより低減しつつ、既存の設備を利用して草系バイオマスを有効活用することができる草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システムを実現することが可能となる。
【0059】
なお、他の構成および動作は、上述の実施の形態1〜3のいずれかと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0060】
(実施の形態5)
つぎに、本発明の実施の形態5にかかる草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システムを、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の説明において、上述の実施の形態1〜4のいずれかと同様の構成および動作については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
【0061】
上述では、草系バイオマスG10を洗浄する際に、草木消化槽10内の消化液W10の排出と、下水消化槽100内の消化液W100の流入とを、1回以上繰り返す場合を例に挙げた。ただし、草系バイオマスの洗浄方法は、種々変形することが可能である。その一例を以下に、実施の形態5として、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では、上述の実施の形態1を引用して本実施の形態5を説明するが、これに限らず、上述の実施の形態のいずれに対しても適用可能である。
【0062】
図10は、本発明の実施の形態5による消化システムの概略構成を示す模式図である。図1と図10とを比較すると明らかなように、本実施の形態5にかかる消化システム5は、図1に示す消化システム1と同様の構成に加え、空気を送り出すエアポンプ50と、エアポンプ50からの空気を草木消化槽10内の下方から気泡Bとして放出(バブリング)するエア導入管51と、を備える。エア導入管51には、手動または自動で開閉するバルブ51aが設けられており、必要に応じて流路が開閉される。本実施の形態5では、エアポンプ50からの空気を草木消化槽10内の下方の1つ以上の位置から気泡Bとして放出することで、草木消化槽10内に消化液W10の流れを生じさせ、これによって、草木消化槽10内の草系バイオマスG10を洗浄する。
【0063】
ここで、本実施の形態5による洗浄処理について、図面を用いて詳細に説明する。図11は、本実施の形態5による洗浄処理の概略を示すフローチャートである。なお、本実施の形態5による草系バイオマスの消化方法は、図3のステップS109に示す洗浄処理が、図11に示す洗浄処理に置き換えられる点以外、上述の実施の形態1と同様である。
【0064】
図11に示すように、本実施の形態5による洗浄処理では、消化液W100の導入後から、または、前回の洗浄処理を行ってから、所定日数(たとえば14日)が経過したか否かを判定し(ステップS120)、経過してない場合(ステップS120のNo)、図3に示す動作へリターンする。一方、所定日数が経過した場合(ステップS120のYes)、まず、ガス排気管17のバルブ17aを開き(ステップS521)、つづいて、エア導入管51のバルブ51aを開くとともに、エアポンプ50を始動する(ステップS522)ことで、草木消化槽10内を下方からバブリングする。これにより、草木消化槽10内に消化液W10の流れが発生し、これにより、草系バイオマスG10の近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等が洗い流される。この際、草木消化槽10内のガスおよび送り込まれた空気は、たとえばガス排気管17を介して排気される。
【0065】
その後、バブリング開始から所定時間が経過するのを待機し(ステップS523のNo)、所定時間経過すると(ステップS523のYes)、ガス排気管17およびエア導入管51のバルブ17aおよび51aを閉めるとともに、エアポンプ50を停止し(ステップS524)、その後、図3に示す動作へリターンする。
【0066】
以上のように構成および動作することで、本実施の形態5では、実施の形態1〜4のいずれかと同様に、下水消化用の下水消化槽100とは別の草木消化槽10を用いて下水消化槽100内の消化液W100を利用しつつ草系バイオマスを消化することが可能となる。これにより、下水消化槽100にかかる負担を過度に増加させることなく、既存の設備を利用して草系バイオマスを有効活用することができる草系バイオマス消化促進方法、草系バイオマス消化槽および消化システムを実現することが可能となる。
【0067】
また、本実施の形態5においても、草木消化槽10内にバブリングによる消化液W10の流れを生じさせて草系バイオマスG10の近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等を洗い流すことが可能となるため、草系バイオマスG10の消化効率を改善して消化を促進することが可能となる。このため、下水消化槽100で草系バイオマスを消化する場合と比較して、下水消化槽100にかかる負担を過度に増加させることなく、既存の設備を利用して草系バイオマスを有効活用することが可能となる。また、本実施の形態2による草系バイオマスの洗浄方法では、草などの草系バイオマスを物理的に動かす必要がないため、たとえば草系バイオマスを動かして消化液を攪拌することで草系バイオマスの近傍に滞留した菌の消化残さや中間生成物等を除去する方法に比べ、容易且つ簡便に草系バイオマスを洗浄して消化を促進することが可能となる。
【0068】
なお、他の構成および動作は、上述の実施の形態1〜4のいずれかと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0069】
また、上記実施の形態およびその変形例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、仕様等に応じて種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは上記記載から自明である。例えば各実施の形態に対して適宜例示した変形例は、他の実施の形態に対して適用することも可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0070】
1、2、3、4、5 消化システム
10、10−1〜10−n 草木消化槽
11a 投入口
11b 取出口
12、12−1、12−2 上部流入管
13、13−1、13−2 下部排出管
14、14−1 下部流入管
15、15−1、15−2 側部排出管
15A〜15N、15A−1〜15N−1、15A−2〜15N−2 枝管
12a、13a、14a、15a〜15n、16a、17a、120a バルブ
16、16−1、16−2 エア配管
17、17−1〜17−n ガス排気管
21 圧力センサ
27 流量センサ
50 エアポンプ
51 エア導入管
51a バルブ
100 下水消化槽
110 運搬車両
120 ガス排気管
200 ガス精製装置
210 ガスタンク
B 気泡
D1 水位差
G10 草系バイオマス
G11 残さ
W10、W100 消化液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消化槽内での草系バイオマスの消化液による消化を促進する草系バイオマス消化促進方法であって、
前記消化液を動かすことで前記草系バイオマスを洗浄する洗浄ステップを含むことを特徴とする草系バイオマス消化促進方法。
【請求項2】
前記洗浄ステップは、前記消化槽内の前記消化液を排出する排出ステップと、前記消化槽内に新たな消化液を流入する流入ステップと、を含み、前記消化液を排出して前記新たな消化液を流入することで、前記消化槽内に消化液の流れを発生させて前記草系バイオマスを洗浄することを特徴とする請求項1に記載の草系バイオマス消化促進方法。
【請求項3】
前記流入ステップは、前記消化槽内の上方からシャワー状に前記新たな消化液を放出することを特徴とする請求項2に記載の草系バイオマス消化促進方法。
【請求項4】
前記流入ステップは、下水用の消化槽内の消化液を前記新たな消化液として前記消化槽内に流入することを特徴とする請求項2または3に記載の草系バイオマス消化促進方法。
【請求項5】
前記洗浄ステップは、前記消化槽内の下方から気泡を放出することで前記消化槽内に消化液の流れを発生させて前記草系バイオマスを洗浄することを特徴とする請求項1に記載の草系バイオマス消化促進方法。
【請求項6】
草系バイオマスを消化液で消化するための草系バイオマス消化槽であって、
前記草系バイオマスを洗浄する洗浄手段を備えたことを特徴とする草系バイオマス消化槽。
【請求項7】
前記洗浄手段は、前記消化槽内の前記消化液を排出する排出管と、新たな消化液を前記消化槽内に流入させる流入管と、を含むことを特徴とする請求項6に記載の草系バイオマス消化槽。
【請求項8】
前記流入管は、前記新たな消化液を前記消化槽内の上方からシャワー状に放出することを特徴とする請求項7に記載の草系バイオマス消化槽。
【請求項9】
前記流入管は、前記消化槽とは別に設けられた下水用の消化槽内の消化液を前記新たな消化液として前記消化槽内に流入させることを特徴とする請求項7または8に記載の草系バイオマス消化槽。
【請求項10】
前記洗浄手段は、前記消化槽内の下方から気泡を放出することを特徴とする請求項6に記載の草系バイオマス消化槽。
【請求項11】
下水用の下水消化槽と草系バイオマス用の草木消化槽とを備えた消化システムであって、
前記草木消化槽内の前記草系バイオマスを前記下水消化槽内の消化液を用いて洗浄する洗浄手段を備えたことを特徴とする消化システム。
【請求項12】
前記洗浄手段は、前記草木消化槽内の消化液を排出する排出管と、前記下水消化槽内の消化液を前記草木消化槽内に流入させる流入管と、を含むことを特徴とする請求項11に記載の消化システム。
【請求項13】
前記流入管は、前記下水消化槽内の消化液を前記草木消化槽内の上方からシャワー状に放出することを特徴とする請求項12に記載の消化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−16653(P2012−16653A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155172(P2010−155172)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(507214083)メタウォーター株式会社 (277)
【Fターム(参考)】