説明

荷台作動式車両の荷台作動装置

【課題】荷台作動式車両において、荷台を作動させるのに、騒音苦情が出る環境下では低騒音(静かに)で行えるようにするとともに、低騒音作動装置をコンパクトに設置し得るようにする。
【解決手段】車両のシャシフレーム上で荷台を油圧アクチュエータにより作動させ得るようにした荷台作動式車両において、油圧アクチュエータを作動させる油圧源として、エンジンによって駆動される油圧ポンプのほかに補助バッテリからの電力で駆動される電動油圧ポンプを使用している一方、補助バッテリと電動油圧ポンプと車両バッテリと作動油タンクとを、荷台より下方で且つシャシフレームの左右いずれか一方の側部位置に集約して配置していることにより、荷台を作動させるのに、騒音苦情が出る環境下では低騒音で行えるようにするとともに、荷台作動装置をコンパクトに設置できるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、車両運搬車やダンプトラックのように荷台を傾動又は/及び前後移動させることによって該荷台を所定用途(例えば、被運搬車両の載せ降ろしや土砂の排出等)に使用し得るようにした荷台作動式車両に関し、さらに詳しくはそのような荷台作動式車両において荷台を作動させるための荷台作動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の荷台作動式車両(車両運搬車やダンプトラック)では、荷台を作動(例えば傾動)させるのに油圧アクチュエータ(伸縮シリンダ)が使用されているが、この荷台作動用の油圧アクチュエータは、走行用のエンジンでPTOを作動させ、該PTOにより作動させた油圧ポンプからの油圧力で作動させるようにしている。尚、この種の荷台作動式車両として車両運搬車を採用したものに、本件出願人が既に特許出願している特開2010−58776号公報(特許文献1)のものがあるが、この公知例の車両運搬車も、走行用エンジン由来の動力(PTO、油圧ポンプ)で荷台作動用の油圧アクチュエータ(伸縮シリンダ)を作動させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−58776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このように荷台作動用の油圧アクチュエータをエンジン由来の動力で作動させる場合は、該エンジンを起動させておく必要がある(騒音が発生する)ので、住宅街で特に夜間においてエンジンを起動させていると騒音苦情が出る虞れがある。
【0005】
そこで、本願は、荷台作動源(油圧アクチュエータへの油圧源)として、エンジン由来の動力(騒音が発生する)で駆動される油圧ポンプのほかに補助バッテリで駆動される電動油圧ポンプ(静かである)を使用し、荷台を作動させるのに、作業時の状況に応じてエンジンからの動力(回転力)と補助バッテリからの動力(電力)とを選択して使い分け得るようにするとともに、補助バッテリや電動油圧ポンプ等による低騒音作動装置をコンパクトに設置し得るようにした、荷台作動式車両の荷台作動装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、車両運搬車やダンプトラックのような荷台作動式車両の荷台作動装置を対象にしたものである。
【0007】
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明で使用される荷台作動式車両は、車両のシャシフレーム上で荷台を油圧アクチュエータ(主として伸縮シリンダ)により傾動又は/及び前後移動させ得るようにしたものである。
【0008】
尚、荷台作動式車両がダンプトラックでは、荷台はシャシフレーム上で単に傾動するだけであるが、荷台作動式車両が車両運搬車の場合では、荷台がシャシフレームに対して傾動するとともに前後移動するようになっている。
【0009】
本願請求項1の発明の荷台作動装置では、荷台作動用の油圧アクチュエータを作動させる油圧源として、エンジンによって駆動される油圧ポンプのほかに補助バッテリからの電力で駆動される電動油圧ポンプを使用している一方、補助バッテリと電動油圧ポンプと車両バッテリと作動油タンクとを、荷台より下方で且つシャシフレームの左右いずれか一方の側部位置に集約して配置していることを特徴としている。
【0010】
即ち、本願請求項1の荷台作動装置では、既存の車両バッテリとは別に補助バッテリを使用し、荷台作動用の油圧アクチュエータを作動させるのに、エンジン由来の動力(回転力)で駆動する油圧ポンプと補助バッテリからの動力(電力)で駆動する電動油圧ポンプとを選択して使用できるようにしたものである。荷台作動用の油圧アクチュエータを作動させるのに、エンジンによる動力を選択したときにはかなりの騒音が発生するが、補助バッテリからの電力を選択したときには電動油圧ポンプの作動音は比較的静かである。
【0011】
又、補助バッテリと電動油圧ポンプと車両バッテリと作動油タンクとは、シャシフレームにおける燃料タンク設置側とは反対側の側部であって、車両のキャビンと後輪間のスペースに集約して配置させるとよい。
【0012】
ところで、車両バッテリは、エンジンに付設されているオルタネータによって充電されるが、補助バッテリも該オルタネータからの起電力で充電することが好ましい。その場合、補助バッテリチャージャーを用いてオルタネータからの起電力で補助バッテリを充電するが、その際の電気配線として、車両バッテリと補助バッテリと補助バッテリチャージャーとは相互に近傍する位置に集約して設置することが好ましい。又、油圧配管(ホースの接続)についても、電動油圧ポンプと作動油タンクと作動油バルブとが相互に近傍する位置にあることが好ましい。
【0013】
そこで、本願請求項1のように、補助バッテリと電動油圧ポンプと車両バッテリと作動油タンクとを、荷台より下方で且つシャシフレームの左右いずれか一方の側部位置に集約して配置することにより、電気配線や油圧ホースをそれぞれ短くできるとともに、それらの接続作業が車両の片側からのみで行える(作業性が良好となる)。又、電気配線を短くできると、各電気関連部材間の送電ロスを小さくできる。
【0014】
この請求項1の荷台作動装置は、エンジンを作動させていても騒音苦情が出ない環境下では、通常通りエンジン由来の動力(PTOで駆動される油圧ポンプ)により荷台作動用の油圧アクチュエータを作動させることができる一方、騒音苦情が出るような環境下では、エンジンを停止し、補助バッテリからの電力(電動油圧ポンプの駆動)で荷台作動用の油圧アクチュエータを作動させることができる。
【0015】
尚、補助バッテリによる電動油圧ポンプの駆動は静かであるが、充電することなしに補助バッテリによる荷台動作を頻繁に行っていると、該補助バッテリの残存蓄電量が低下していく。
【0016】
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の荷台作動装置において、補助バッテリの近傍位置に、商業電源を接続して該補助バッテリを充電し得る充電器を設置したものである。
【0017】
ところで、本願のように補助バッテリの電力でも荷台を作動させ得るようにしたものでは、上記のように補助バッテリチャージャーを用いることでエンジン(オルタネータ)からの起電力で補助バッテリにも充電し得るようになっているが、オルタネータによる起電力は、まず車両バッテリを充電し、該車両バッテリの蓄電が満杯になった後の余剰起電力で補助バッテリを充電するようになっている。
【0018】
従って、エンジン作動時における補助バッテリへの充電は後回しにされる一方、補助バッテリによる荷台作動を頻繁に行うと、該補助バッテリの残存蓄電量が低下して、延いては補助バッテリの電力で荷台を作動できない場合が生じることがある。そして、補助バッテリの蓄電量が極端に低下すると、例えば走行時のエンジン作動でオルタネータが起電しても、補助バッテリへの充電は後回しにされる関係で、該補助バッテリで荷台を作動させ得るまで充填するにはかなりの時間がかかる。
【0019】
そこで、この請求項2のように、補助バッテリの近傍位置に該補助バッテリ用の充電器を設けておくと、該充電器に商業電源のプラグを接続することで、補助バッテリを比較的短時間のうちに必要とする蓄電量まで充電することができる。
【発明の効果】
【0020】
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1の荷台作動装置では、荷台作動用の油圧アクチュエータに対して、エンジン由来の動力のほかに補助バッテリによる電力でも作動させ得るようになっている。
【0021】
従って、本願請求項1の荷台作動装置には、次のような効果がある。
【0022】
(1) 騒音苦情が出るような環境下(例えば夜間時の住宅街)では、補助バッテリによる電力で油圧アクチュエータを作動させることにより、荷台を静かに作動させることができる(騒音苦情が出ない)。
【0023】
(2) 補助バッテリと電動油圧ポンプと車両バッテリと作動油タンクとを、荷台より下方で且つシャシフレームの左右いずれか一方の側部位置に集約して配置しているので、それらの部材間に接続される電気配線や油圧ホースをそれぞれ短くできるとともに、それらの接続作業が車両の片側からのみで行えるので作業性が良好となる。尚、電気配線を短くできると、各電気関係部材間の送電ロスを小さくできる。
【0024】
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の荷台作動装置において、補助バッテリの近傍位置に、商業電源を接続して該補助バッテリを充電し得る充電器を設置したものであるが、このように補助バッテリ用の充電器があると、必要時に補助バッテリに対して商業電源により充電することができる。
【0025】
従って、この請求項2の荷台作動装置では、上記請求項1の効果に加えて、オルタネータによる補助バッテリへの充電不足が生じても、外部の商業電源を利用して補助バッテリに充電できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本願実施例の荷台作動装置を採用した荷台作動式車両(車両運搬車)の側面図である。
【図2】図1の荷台作動式車両(車両運搬車)における荷台を車両載せ降ろし位置まで後方移動させた状態の側面図である。
【図3】図1の荷台作動式車両(車両運搬車)における荷台部分を透視した状態での荷台作動装置部分の平面図である。
【図4】本願実施例の荷台作動装置における各部材の接続状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[実施例]
図1〜図4を参照して本願の実施例を説明すると、この実施例では荷台作動式車両として荷台上に被運搬車両を積み降ろしできるようにした車両運搬車を採用している。尚、本願の他の実施例では、荷台作動式車両としてダンプトラックを採用することができるが、この実施例では車両運搬車を採用している関係で、以下の説明では本願の荷台作動式車両を車両運搬車という。
【0028】
この実施例で採用している車両運搬車は、図1〜図3に示すように、左右一対のシャシフレーム11を有した車両1と、シャシフレーム11上に設けたサブフレーム12の後端部において傾動自在に枢支(枢支部31)された左右一対の傾斜フレーム3と、該傾斜フレーム3上に車両前後方向に移動自在に支持された荷台2と、荷台2を傾斜フレーム3に対して車両前後方向に移動させる油圧作動式の伸縮シリンダ42を有し且つ該伸縮シリンダ42の伸縮動によって傾斜フレーム3を荷台2とともに傾動させる傾動装置4とを備えて構成されている。
【0029】
この車両運搬車の傾動装置4は、サブフレーム12に設けたガイドレール41と油圧作動式の伸縮シリンダ42とを有している。尚、この実施例では、該伸縮シリンダ42が本願各請求項に記載した荷台作動用の油圧アクチュエータに相当するものであり、以下の説明では、該油圧アクチュエータを伸縮シリンダ42と表現する。
【0030】
尚、図1及び図2に示す実施例の車両運搬車の基本構成は、公知例として開示した特開2010−58776号公報(同公報の図1及び図12)のものと同じであり、又、この実施例の車両運搬車の基本動作は本願発明の荷台作動装置とはさほどの関連性がないので、以下に簡単に説明する。
【0031】
即ち、この実施例の車両運搬車は、図1に示す荷台格納状態から伸縮シリンダ42を伸長させると、図2に示すように傾斜フレーム3がサブフレーム12の後端部において枢支部31を中心にして後傾する一方、荷台2が傾斜フレーム3に対して車両積み降ろし可能位置まで後方移動するようになっている。尚、図2の状態から伸縮シリンダ42を縮小させると、荷台2が傾斜フレーム3に対して前方移動するとともに、後傾していた傾斜フレーム3がガイドレール41によって水平姿勢方向に戻されて、最終的には図1に示す荷台格納姿勢になる。
【0032】
ところで、荷台2を作動(傾動及び前後移動)させるための伸縮シリンダ42は、油圧作動式であって、該伸縮シリンダ42に作動油を供給することによって伸縮作動させ得るようになっている。そして、この荷台作動用の伸縮シリンダ42への作動油は、通常は走行用のエンジン13でPTO14を作動させ、該PTO14により作動させた油圧ポンプ15によって供給するようになっている。
【0033】
伸縮シリンダ作動用の作動油は作動油タンク17に貯留されているが、この作動油タンク17は、図1及び図3に示すように荷台2より下方で且つシャシフレーム11の左右いずれか一方(図示例では車両後方側から見て左側)の側部位置に設置されている。この作動油タンク17の近傍には、伸縮シリンダ42用の作動油バルブ18が設置されている。
【0034】
又、シャシフレーム11の左右一方の側方で作動油タンク17と同側(左側)には、車両バッテリ21が配置されている。尚、この車両バッテリ21は、図3及び図4に示すようにエンジン13に設けたオルタネータ16によって充電される。
【0035】
又、この実施例では、図3に示すようにシャシフレーム11の右側位置(作動油タンク17及び車両バッテリ21の設置位置とは反対側位置)に燃料タンク19と工具箱20とを設置して、左右の重量バランスを均衡させるようにしている。
【0036】
ところで、上記のように荷台作動用の伸縮シリンダ42をエンジン由来の動力で作動させる場合は、該エンジン13を起動させておく必要があるが、例えば住宅街で特に夜間においてエンジン13を起動させていると騒音苦情が出る虞れがある。
【0037】
そこで、本願実施例では、荷台作動装置として、エンジン由来の動力で駆動される油圧ポンプのほかに補助バッテリ22で駆動される電動油圧ポンプ5を使用し、荷台作動用の伸縮シリンダ42を作動させるのに、作業時の状況に応じてエジン13からの動力(回転力)と補助バッテリ22からの動力(電力)とを選択して使い分けることができるようにしている。
【0038】
そして、この実施例の荷台作動装置では、補助バッテリ22と電動油圧ポンプ5と車両バッテリ21と作動油タンク17とを、荷台2より下方で且つキャビン9と後輪10との間におけるシャシフレーム11の左右いずれか一方の側部位置に集約して配置している。即ち、図示例のように車両バッテリ21と作動油タンク17とがシャシフレーム11の左側に配置されている場合には、補助バッテリ22と電動油圧ポンプ5もそれと同側(左側)に配置する。
【0039】
尚、電動油圧ポンプ5は、図3及び図4に示すように電動モータ51と油圧ポンプ52とを一体化させたものであり、補助バッテリ22からの電力で電動モータ51を回転させることにより、油圧ポンプ52を駆動させ得るようになっている。又、この電動油圧ポンプ5は、そのブラシ部53(図3参照)が車両の外側に向くように設置していて、該ブラシ部53のメンテナンスを容易に行えるようにしている。
【0040】
又、この実施例では、図3及び図4に示すように、補助バッテリ22も車両バッテリ21とともにエンジン13に設けたオルタネータ16で充電し得るようになっているが、該補助バッテリ22をオルタネータ16で充電するには補助バッテリチャージャー23を使用する必要がある。この補助バッテリチャージャー23は、車両バッテリ21と補助バッテリ22間に介設されている。
【0041】
そして、この補助バッテリチャージャー23は、車両バッテリ21の充電量が満杯になったときにオルタネータ16からの余剰起電力を補助バッテリ22に供給して、該余剰起電力で補助バッテリ22を充電し得るようになっている。
【0042】
図3及び図4において、点線図示する各結線はそれぞれ電気関係部材(オルタネータ16、車両バッテリ21、補助バッテリ22、補助バッテリチャージャー23、電動油圧ポンプ5の電動モータ51等)を接続している電線27であり、実線図示する各結線はそれぞれ油圧関係部材(エンジン13側の油圧ポンプ15、作動油タンク17、作動油バルブ18、伸縮シリンダ42、電動油圧ポンプ5の油圧ポンプ52等)を接続している油圧ホース28である。尚、図3及び図4において、符号24は電動油圧ポンプ作動用のスイッチであり、該スイッチ24をONにすることにより、補助バッテリ22からの電力で電動油圧ポンプ5を作動させ得るようになっている。
【0043】
この実施例の荷台作動装置では、荷台作動用の伸縮シリンダ42を作動させるのに、騒音苦情が出ないような状況下ではエンジン由来の動力(PTO14及び油圧ポンプ15)を用いる一方、騒音苦情が出るような状況下ではエンジンを停止させて補助バッテリ22からの電力を用いることができるようにしている。そして、補助バッテリ22からの電力で荷台作動用の伸縮シリンダ42を作動させる場合は、荷台2を低騒音で(静かに)作動させることができるので、例えば夜間時の住宅街で荷台2を作動させる場合でも騒音苦情はでない。
【0044】
さらに、この実施例の荷台作動装置では、上記のように補助バッテリ22と電動油圧ポンプ5と車両バッテリ21と作動油タンク17とをシャシフレーム11の左右いずれか一方の側部位置に集約して配置しているので、各電気関係部材を接続している各電線27や各油圧関係部材を接続している各油圧ホース28をそれぞれ短くできるとともに、それらの接続作業が車両の片側からのみで行えるので作業性が良好となる。
【0045】
又、この実施例の荷台作動装置では、図3及び図4に示すように、車両バッテリ21及び補助バッテリ22のそれぞれ近傍位置に、商業電源(電源プラグ26,26)を接続して該車両バッテリ21及び補助バッテリ22をそれぞれ充電し得る充電器25,25を設置している。
【0046】
ところで、本願のように補助バッテリ22の電力でも荷台2(伸縮シリンダ42)を作動させ得るようにしたものでは、上記のように補助バッテリチャージャー23を用いることでエンジン13(オルタネータ16)からの起電力で補助バッテリ22にも充電し得るようになっているが、オルタネータ16による起電力は、まず車両バッテリ21を充電し、該車両バッテリ21の蓄電が満杯になった後の余剰起電力で補助バッテリ22を充電するようになっている。
【0047】
従って、エンジン作動時における補助バッテリ22への充電は後回しにされる一方、補助バッテリ22による荷台作動を頻繁に行うと、該補助バッテリ22の蓄電量が低下して、延いては補助バッテリ22の電力で荷台2を作動できない場合が生じることがある。そして、補助バッテリ22の蓄電量が極端に低下すると、例えば走行時のエンジン作動でオルタネータ16が起電しても、補助バッテリ22への充電は後回しにされる関係で、該補助バッテリ22で荷台2を作動させ得るまで充填するにはかなりの時間がかかることがある。
【0048】
そこで、上記のように、補助バッテリ用の充電器25を設けておくと、該充電器25に商業電源のプラグ26を接続することで、補助バッテリ22を比較的短時間のうちに必要とする蓄電量まで充電することができる。
【0049】
尚、この実施例では、車両バッテリ21と補助バッテリ22の両方をそれぞれ充電器25,25で充電し得るようになっているが、車両バッテリ21はオルタネータ16で優先的に充電されるので、他の実施例では車両バッテリ21用の充電器を省略してもよい(補助バッテリ22側のみに充電器25を設けたものでもよい)。
【符号の説明】
【0050】
1は車両、2は荷台、4は傾動装置、5は電動油圧ポンプ、9はキャビン、10は後輪、11はシャシフレーム、12はサブフレーム、13はエンジン、14はPTO、15は油圧ポンプ、16はオルタネータ、17は作動油タンク、18は作動油バルブ、19は燃料タンク、21は車両バッテリ、22は補助バッテリ、23は補助バッテリチャージャー、25は充電器、42は伸縮シリンダ(油圧アクチュエータ)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のシャシフレーム上で荷台を油圧アクチュエータにより傾動又は/及び前後移動させ得るようにした荷台作動式車両において、
上記油圧アクチュエータを作動させる油圧源として、エンジンによって駆動される油圧ポンプのほかに補助バッテリからの電力で駆動される電動油圧ポンプを使用している一方、
上記補助バッテリと上記電動油圧ポンプと車両バッテリと作動油タンクとを、上記荷台より下方で且つ上記シャシフレームの左右いずれか一方の側部位置に集約して配置している、
ことを特徴とする荷台作動式車両の荷台作動装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記補助バッテリの近傍位置に、商業電源を接続して該補助バッテリを充電し得る充電器を設置している、
ことを特徴とする荷台作動式車両の荷台作動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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