落下試験装置及びその使用方法
【課題】半導体チップパッケージ製品の落下試験装置及びその使用方法を提供する。
【解決手段】落下試験装置100は、水平移動ができるように固定ラック110に設置され、被試験デバイス(device under test、DUT)10を所定の角度に照準することが可能となり、且つクランプ130に正確、快速及び安全に固定されることを特徴とする落下開始角度設定治具120を有する。このような治具は、第二基準面123を提供して昇降調節可能の試験サンプル台121に連結する。試験サンプル台121は第一基準面122を有することにより、DUT10はクランプ130に挟まれた後に、摩擦が起きなく移動もしないように治具120から着脱することができる。従って、DUT10は精確に位置決められるだけではなく、治具120は滑りレールとストッパとの設計を用い迅速及び安全に参考位置に戻ることができる。
【解決手段】落下試験装置100は、水平移動ができるように固定ラック110に設置され、被試験デバイス(device under test、DUT)10を所定の角度に照準することが可能となり、且つクランプ130に正確、快速及び安全に固定されることを特徴とする落下開始角度設定治具120を有する。このような治具は、第二基準面123を提供して昇降調節可能の試験サンプル台121に連結する。試験サンプル台121は第一基準面122を有することにより、DUT10はクランプ130に挟まれた後に、摩擦が起きなく移動もしないように治具120から着脱することができる。従って、DUT10は精確に位置決められるだけではなく、治具120は滑りレールとストッパとの設計を用い迅速及び安全に参考位置に戻ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器または機器に内蔵される電子部品に対する静止或は動き状態のバランステストに関し、特に半導体チップパッケージ製品の落下試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの操作や携帯において製品の所定設計品質を確保するため、通常、チップパッケージに対し実装完成後に最終製品試験を行い、例えば、老化試験、電気試験、引っ張る試験、半田ボール接合強度試験などがある。次に品質と信頼性の良好なチップパッケージをメモリモジュールなどの電子製品に組み立て、モジュール化にして一般の日常生活においてよく見られる電子機器、例えば、パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、PDAなどに応用することができるので、耐衝撃性や耐抵抗応力性の要求が厳しく求められ、必要とする試験はますます重要となる。それにより、業界では、チップパッケージまたはメモリモジュールの耐衝撃性評価について厳格な試験規格を規定しており、例えば、JEDEC(米国合同電子デバイス委員会)が落下試験(drop test)とする規格を定め、この規格に準拠して電子製品の耐落下衝撃性を計算することができる。
【0003】
従来の落下試験を検討すると、幾つの現象を発見した。
1、試験条件の再現性が低い。被試験デバイス(device under test,DUT)の高度と角度を手動により位置決めることが難しいため、毎回の落下角度と衝撃位置はバラツキとなって得た試験結果は完全に異なるという問題がある。
2、試験のコストが高い、試験前の準備時間もかなりかかる。試験条件の再現性が低いため、DUTを数多く用意するが、一旦設計を変更した以上は、DUTを再用意しなければいけない。特に製品開発段階において、各DUTのコストは比較的に高くなり、且つ落下試験は破壊性な実験であり試験の繰り返しによる材料コストが重くかかるという問題もある。
3、落下試験過程中に衝突現象を発生する可能性があるので、非線形現象が起きる可能性がある。
4、従来の落下試験装置は単一測定条件だけに適用してその試験パラメーターは一定であり、例えば、所定高度HからDUTを落下させ衝突による衝撃波(impulse)を測定する。DUTの実装形態または応用環境は異なる場合、試験条件を変えることができなく、特に各メーカーが準拠する規格は異なるため、一旦試験条件を変えたら、別の落下試験装置を購入しなければいけなくなり、試験コストの低減が実現できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、種々の寸法を持つDUTに適用し、様々な角度で落下試験を行うことが可能となり、且つ異なる試験条件を調節することができる一種の落下試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために本発明による落下試験装置は、主に固定ラック、落下開始角度設定治具及びクランプを含む。固定ラックには水平方向滑りレールを有する滑り座が設置される。落下開始角度設定治具は滑り座に設置され、昇降調節可能な試験サンプル台と連結する。試験サンプル台は第一基準面を提供し、治具は第二基準面を提供し、試験サンプル台の昇降移動により、第一基準面は第一設定位置と第一着脱位置との間で移動する。治具は上記水平方向滑りレールのガイドを受けて水平に移動する時、第二基準面は第二設定位置と第二着脱位置との間で移動する。クランプはDUTを挟む時、第一設定位置にある第一基準面はDUTの第一表面と接触し、第二設定位置にある第二基準面はDUTの第二表面と接触する。
【0006】
上記目的を達するために本発明では、更に他の技術を採用する。
上記落下試験装置において、滑り座の側縁に第一ストッパを設置し、落下開始角度設定治具の側縁に第二ストッパを連結し、第二ストッパが第一ストッパと接触する時に第二基準面は第二設定位置に移動する。
上記落下試験装置において、治具と滑り座との相対位置を固定するため第二ストッパに緊締固定部材を設置してもよい。
上記落下試験装置において、治具は調節棒と弾性部材を有してよい、弾性部材は試験サンプル台を第一設定位置に向いて移動させる弾力を提供し、調節棒は試験サンプル台が第一設定位置に向いて移動する度合いを制限する。
上記落下試験装置において、試験サンプル台の両側にそれぞれ滑り部材を連結してもよい、治具の両側に滑り部材の垂直方向滑り用とする垂直方向滑りレールをそれぞれ1つ設置してもよい。
上記落下試験装置において、水平方向滑りレールの水平面を調節するため固定ラックの底部に複数の調節脚を設置してもよい。
上記落下試験装置において、DUTを細長状のメモリモジュールにしてもよい。
上記落下試験装置において、第一基準面と第二基準面とは相互垂直になってもよい。
上記落下試験装置において、クランプと結合するため更にクランプ座を含んでもよい。
上記落下試験装置において、クランプは、L字の上下を逆にする外形を有して第一挟面と第二挟面を提供し、第一挟面の挟込み間隙は第二挟面の挟込み間隙より小さくなり、且つ第一挟面は第二挟面より第一基準面に遠くなる。
上記落下試験装置において、第一設定位置の第一基準面と第二設定位置の第二基準面との間に割れ目を形成してもよい。
【0007】
本発明は更に該落下試験装置に適用する使用方法を開示し、この使用方法は幾つのステップを含む。先ず、第一基準面を第一設定位置に、第二基準面を第二設定位置にそれぞれ移動させるため試験サンプル台と治具を調節する。次に、該DUTの第一表面を第一基準面に、該DUTの第二表面を第二基準面にそれぞれ接触させるようにDUTを治具に置く。次に、DUTをクランプで固定する。そして、第一基準面を第一着脱位置に移動し、DUTに接触させないように試験サンプル台を降下する。ここで、DUTは依然に治具の第二基準面と接触している。次に、第二基準面を第二着脱位置に移動し、DUTに接触させないように治具を横方向に移動する。最後に、DUTを解放する。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明にかかる落下試験装置及びその使用方法は下記の利点と効果を有する:
一、DUTの様々な落下表面を測定できるように提供し、種々寸法のDUTに適用する。
二、落下試験を行う場合、落下開始の姿勢、例えば、同高度、同角度、同位置を保つことができ、試験条件の再現性を高め、更に試験コストを低減する。
三、DUTの落下開始の高度、角度及び位置を迅速に、正確に、安定に制御することができる。
四、滑り座は移動する時にDUTと摩擦することがなく、DUTの位置は滑り座の移動と共に変わることがない。
五、緊締固定部材とストッパを介し、落下開始角度設定治具を快速的且つ安定的に指定基準位置に戻るようにすることができる。
六、調節脚を介し、落下試験装置の試験サンプル台を水平状態に保つようにすることができ、それにより、DUTの落下を鉛直に保持して精確な数字を測定することが可能となる。
七、落下試験を行う時に、DUTを任意の姿勢、例えば、直立または横置きの角度で落下し、クランプの高度だけではなく、クランプ座の相対高度を調節する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第一実施例による落下試験装置を示す立体図である。
【図2】本発明の第一実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動してDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図3】本発明の第一実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を着脱位置に移動したことを示す一部拡大立体図である。
【図4】本発明の第一実施例による落下試験装置の調節脚を示す立体図である。
【図5A】本発明の第一実施例による落下試験装置の使用方法においての素子を示す側面図である。
【図5B】本発明の第一実施例による落下試験装置の使用方法においての素子を示す側面図である。
【図5C】本発明の第一実施例による落下試験装置の使用方法においての素子を示す側面図である。
【図5D】本発明の第一実施例による落下試験装置の使用方法においての素子を示す側面図である。
【図5E】本発明の第一実施例による落下試験装置の使用方法においての素子を示す側面図である。
【図5F】本発明の第一実施例による落下試験装置の使用方法においての素子を示す側面図である。
【図6】本発明の第一実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して第二調節落下開始角度としてのDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図7】本発明の第一実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して第三調節落下開始角度としてのDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図8】落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して他種のDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図9】本発明の第二実施例による落下試験装置を示す一部拡大立体図である。
【図10A】本発明の第二実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して直立置き、横置き、又は横たわりなどの姿勢による種々の落下開始角度を有するDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図10B】本発明の第二実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して直立置き、横置き、又は横たわりなどの姿勢による種々の落下開始角度を有するDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図10C】本発明の第二実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して直立置き、横置き、又は横たわりなどの姿勢による種々の落下開始角度を有するDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図11A】本発明の第二実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して直立置き、横置き、又は横たわりなどの姿勢による種々の落下開始角度を有する他のDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図11B】本発明の第二実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して直立置き、横置き、又は横たわりなどの姿勢による種々の落下開始角度を有する他のDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図11C】本発明の第二実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して直立置き、横置き、又は横たわりなどの姿勢による種々の落下開始角度を有する他のDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付された図面を参照して、本発明の実施例について説明する。しかしながら、図面においては、本発明の基本構成や実施方法を示す概略図であり、本発明に係る要素と構成だけを示し、実際に実施する部材の個数、外形、寸法を一定の比率で記載するものではなく、説明の便宜及び明確性のために簡略または誇張されておる。一方、実際に使われる個数、外形、寸法は様々な設計に応じ、部材の配置はより複雑になる可能性がある。
【0011】
立体的に示す図1を参照して、本発明の第一実施例に係る落下試験装置について説明する。
図示の落下試験装置100は、主要に固定ラック110、落下開始角度設定治具120及びクランプ130を含み、DUT10を所定高度から落下させ、DUT10の耐落下衝撃性の測定として用いられる。該DUT10を細長状のメモリモジュールにしてもよい、例えば、DIMM(Dual In−Line Memory Modules)またはSO−DIMM(Small Outline Dual In−Line Memory Modules)。該DUT10を他の電子製品にしてもよい、種類としては特に限定されるものではなく、フリップチップパッケージ、リードフレームパッケージ、マルチチップパッケージまたは他の常用なチップパッケージなどにしてもよい。しかしながら、チップパッケージの種類は多く、しかも、各メーカーの試験規格も異なって、低コストで製造することが困難であることに対し、本発明は、多種の試験規格に適用する調節可能な落下試験装置を設計し、コストの低減が実現できる。
【0012】
図1と図2に示すように、固定ラック110には滑り座111が設置され、この滑り座111は水平方向滑りレール112を有する。固定ラック110は直立ラック110Aと底枠110Bにより構成され、直立ラック110Aは底枠110Bの上に直立固定され、固定ラック110が容易に倒れないようにするため底枠110Bは一定の面積を占めている。本実施例において、底枠110Bはコの字形状になってその内側は落下試験の衝突面を囲んでいる(図1に示すよう)。滑り座111は固定ラック110の片持ち梁上に設置され、所定の高さ、例えば、30cm、50cm、60cm、更に120cmに位置して落下開始角度設定治具120の高度設定として用いられる。
【0013】
図2と図3に示すように、落下開始角度設定治具120は滑り座111の上に設置され、昇降調節可能の試験サンプル台121(図3に示すよう)と連結する。試験サンプル台121は水平や傾斜になる第一基準面122を提供し、治具120は垂直や傾斜になる第二基準面123を提供する。水平方向滑りレール112のガイドで治具120は水平に移動することが可能となり、第一基準面122と第二基準面123とは相互垂直になることが好ましい、それにより、DUTの位置決めが提供される。
【0014】
試験サンプル台121の昇降移動により、第一基準面122は第一設定位置と第一着脱位置との間で移動し、ここで、第一設定位置は試験サンプル台121が上昇位置(図5Aに示すよう)に位置することであり、第一着脱位置は試験サンプル台121が降下位置(図5Bに示すよう)に位置することである。
【0015】
治具120は水平方向滑りレール112のガイドで水平に移動する時、第二基準面123は第二設定位置と第二着脱位置との間で移動し、ここで、第二設定位置は第二基準面123が前に移動して固定ラック110から遠ざかる位置(図5Aと図5Bに示すよう)となり、第二着脱位置は第二基準面123が後ろに移動して固定ラック110に接近する位置(図5Dに示すよう)となる。
【0016】
図2に示すように、DUT10はクランプ130で固定される時、DUT10第一表面11は第一設定位置の第一基準面122と接触し、DUT10を試験サンプル台121の上に置くと、DUT10の一第二表面12は第二設定位置の第二基準面123と接触する(図2と図3に示すよう)。本実施例において、第一表面11はメモリモジュールの長手側表面であり、第二表面12はメモリモジュールの基板表面や素子設置面である。
【0017】
DUT10を置いた後、DUT10の第一表面11と第二表面12は第一基準面122と第二基準面123にそれぞれ接触し、クランプ130でDUT10の両側を挟んで固定する。本実施例において、DUT10の挟まれる表面はメモリモジュールの短手側表面であり、よって、DUT10の落下高度、落下開始の角度と位置を快速、精確及び安定に設置でき、繰り返しの落下高度と落下開始角度を同一に保持することも可能となってズレが起きない。具体的に言えば、クランプ130の両端(図に示せず)を直立ラック110Aに連結してクランプ130の高度を上下に調節する。他に、クランプ130は伸縮自在でDUT10の種々寸法に適用することができる。
【0018】
具体的に言えば、図2と図3に示すように、滑り座111の側縁に第一ストッパ113を設置し、落下開始角度設定治具120の側縁に第二ストッパ124を連結する。ここで、滑り座111の該側縁は落下開始角度設定治具120の該側縁と同一側辺に位置し、これからは落下開始角度設定治具120を水平方向に移動する時、第二ストッパ124は第一ストッパ113に接触することにより、第二基準面123を第二着脱位置に移動させることになる(図3と図5Dに示すよう)。また、滑り座111の該側縁に更に第三ストッパ115を設置し、落下開始角度設定治具120は水平方向に移動する時、第二ストッパ124は第三ストッパ115に接触することにより、第二基準面123を第二設定位置に移動させることになる。このように、第二設定位置と第二着脱位置とを明らかに定義することができる。
【0019】
詳しく言うと、図2に示すように、治具120と滑り座111との相対位置を固定して移動しないようにするため、第二ストッパ124に緊締固定部材125を設置する。
【0020】
また、図3にしめすように、治具120は調節棒126と弾性部材127を有し、弾性部材127は、試験サンプル台121を第一設定位置に向って移動するように弾力を提供し、調節棒126は、試験サンプル台121が第一設定位置に向って移動する度合いを制限する。このように、調節棒126の挿入上死点と弾性部材127の復帰弾力とを介し、試験サンプル台121の第一基準面122は第一設定位置に精確に到着することができる。一方、調節棒126の挿入下死点と弾性部材127の復帰弾力とを介し、試験サンプル台121の第一基準面122は第一着脱位置に精確に到着することもできる。それにより、第一設定位置と第一着脱位置とを明らかに定義することができる。また、試験サンプル台121の両側にそれぞれ1つの滑り部材128を連結し、治具120の両側にも、滑り部材128の垂直方向滑り用とする垂直方向滑りレール129をそれぞれ1つ設置すると、調節棒126の回転により試験サンプル台121を垂直方向滑りレール129のガイドで垂直方向に移動することができる。
【0021】
より詳しく言えば、図1と図4に示すように、固定ラック110の底部に複数の調節脚114を設置し、それらの調節脚114は固定ラック110の底枠110Bにある二個や四個の隅所に位置して、それらの調節脚114により、水平方向滑りレール112の水平面が調節され、落下試験装置100の試験サンプル台121が水平状態に保持され、この時、DUT10は鉛直に落下して精確な数字を測定することができる。
【0022】
本発明は更に該落下試験装置100の使用方法を図5A-図5Fに示す側面図を参照して説明する。
【0023】
先ず、図5Aに示すように、試験サンプル台121と治具120を調節することにより、第一基準面122は第一設定位置に、第二基準面123は第二設定位置にそれぞれ移動することになる。第一設定位置は、試験サンプル台121の第一基準面122が上昇位置に位置するのであり、第二設定位置は、第二基準面123が前方位置に移動するのである。第一基準面122と第二基準面123とは相互垂直になっている。次に、図5Aの斜め矢印で指すように、治具120の試験サンプル台121の上にDUT10を置き、DUT10の第一表面11は第一基準面122に接触しDUT10の第二表面12は第二基準面123に接触する(図5Cに示すよう)。次に、DUT10の両側辺をクランプ130で固定すると(図2に示すよう)、DUT10の高度と角度は快速的、精確的、且つ安定的に制御され、同一条件(高度と角度)の試験を繰り返すことができ、ズレが発生しない。
【0024】
次に、図5Bに示すように、調節棒126を回すことにより、試験サンプル台121は降下し、第一基準面122は第一着脱位置に移動してDUT10の第一表面11と接触しなくなるが、DUT10の第二表面12は治具120の第二基準面123と依然に接触している。ここで、上記調節棒126を回す方向は図5Bの矢印で指した時計回りであり、上記試験サンプル台121の降下方向は図5Bの矢印で指した下向きである。
【0025】
次に、図5Cに示すように、治具120を横移動することにより、第二基準面
123は第二着脱位置に移動してDUT10と接触しなくなる。ここで、上記横移動する方向は図5Cの矢印で指した左向きである。この時、第二ストッパ124は第一ストッパ113と接触し、緊締固定部材125を用い治具120と滑り座111との相対位置を固定して移動させない。上記固定方法としては図5Cの矢印で指した逆時計回りのように緊締固定部材125を回すことである。また、治具120は後ろに水平移動する過程において、DUT10の第一表面11は第一基準面122と接触しなくなったため、滑り座111は移動する時にDUT10と摩擦することがなく、滑り座111の移動があったとしてもDUT10の位置は変わることがない。DUT10の両側辺はクランプ130に挟まれ空中に浮かんでいる。
【0026】
次に、図5Dの斜の矢印で指したよう、クランプ130の解放により、第一表面11が下向くままに、DUT10は地面に落下衝突してデータを測定し得る。上記落下方向は図5Dの矢印で指した下向きである。
【0027】
繰り返しの落下試験を行う時、図5Eに示すように、治具120を水平に移動して第二設定位置に復帰することができる。ここで、上記水平移動の方向は図5Eの矢印で指した右向きである。この時、第二ストッパ124は第三ストッパ125と接触して治具120は移動しなくなって停止状態となる。そして、緊締固定部材125を用い治具120と滑り座111との相対位置を固定して滑らせないようにする。上記固定方法としては図5Eの矢印で指した時計回りのように緊締固定部材125を回すことである。
【0028】
次に、図5Fに示すように、試験サンプル台121の第一基準面122を上昇させて第一設定位置(即ち、所定の試験高度)に復帰するように調節棒126を回す。上記調節棒126は図5Fの矢印で指した方向に回し、上記第一基準面122の上昇方向は図5Fの矢印で指した上向きである。
【0029】
次に、図5A−図5Fに示したステップを繰り返してDUT10を1つずつ試験し、試験過程において、DUT10の所定高度、所定位置を保持することができ、落下開始角度をも調節することが可能となり、即ち落下試験の再現性と精度を向上させ、試験コストの低減をも実現することができる。
【0030】
なお、本発明の落下試験装置100はDUT10を種々の落下開始角度で試験することを提供するだけではなく、様々な寸法を持つDUT10にも適用することができる。図6示すように、DUT10を試験サンプル台121に横置いてもよい。具体的に言えば、図3と図5Fに示すように、第一設定位置の第一基準面122と第二設定位置の第二基準面123との間にギャップGを形成し、このギャップGはDUT10の厚みより大きくなるので、DUT10は横置かれる時にギャップGに一部嵌め込まれることができ、クランプ130の固定高度を調節する必要がなくより固定し易くなる。この時、DUT10は第一基準面122の第一表面11に接触ように試験サンプル台121の上に置かれ、第一表面11はメモリモジュールの基板表面や素子設置面である。DUT10の第二表面12はメモリモジュールの長手側辺表面であり、上記第二基準面123と試験サンプル台121との間に形成したギャップGにこの第二表面12を嵌め込むことにより、クランプ130はメモリモジュールの短手側辺表面を固定することができる。
【0031】
図7に示すように、他にDUT10は直立方式で試験サンプル台121に置かれることもある。この場合、DUT10の第一表面11は第一基準面122に、DUT10の第二表面12は第二基準面123にそれぞれ接触する。第一表面11はメモリモジュールの短手側辺表面であり、第二表面12はメモリモジュールの基板表面や素子配置面であるため、クランプ130はメモリモジュールの長手側辺表面を固定することができる。
【0032】
また、本発明の落下試験装置100には、図8に示すように、更に他の寸法または製品形態が異なるDUT20を置くこともできる。この場合、DUT20の第一表面21を第一基準面122に、DUT20の第二表面22を第二基準面123にそれぞれ接触させるように、種々の寸法に応じ伸縮自在なクランプ130を調節しながらDUT20を固定して、同一落下試験装置10で種々の寸法を持つDUT10に対し落下試験を行う。
【0033】
本発明の第二実施例による他種の落下試験装置を、図9を参照して説明する。該落下試験装置は主要に固定ラック110、落下開始角度設定治具120及びクランプ130を含む。本実施例では、第一実施例で用いた主要部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0034】
本実施例において、該落下試験装置は更にクランプ座240を含み、このクランプ座240は固定ラック110と向かい合って配置されて横棒でクランプ130と連結される。クランプ130は、L字の上下を逆にする外形を有し、第一挟面231と第二挟面232を有し、第一挟面231の挟込み間隙は第二挟面232の挟込み間隙より小さくなり、且つ第一挟面231は第二挟面232より第一基準面から遠くなる。それにより、種々の落下角度で落下試験を行う時に、クランプ130とクランプ座240の高度を調節する必要がなく、即ちクランプ座240を昇降する必要がない。各DUT10に対し、クランプ130の第一挟面231と第二挟面232との水平距離差はちょうどDUT10の長手側辺表面と短手側辺表面との長さの半分になる時、クランプ130はDUT10の姿勢、例えば直立置き、横置き、横たわりに拘らず同一挟みプロセスでDUT10を固定することができる。
【0035】
種々の落下開始角度による落下試験を図10A−図10Cを参照して説明する。図10Aにしめすように、DUT10は直立方式で試験サンプル台121に置かれる場合、DUT10の第一表面11は第一基準面122に、DUT10の第二表面12は第二基準面123にそれぞれ接触する。ここで、第一表面11はメモリモジュールの短手側辺表面であり、第二表面12はメモリモジュールの基板表面や素子配置面である。メモリモジュールの長手側辺表面の長さと等しくなるようにクランプ130の第一挟面231の挟み隙間を調節すると同時に、クランプ130の第一挟面231はそのままメモリモジュールの長手側辺表面の中央処を挟んでクランプ130の高度を調節する必要がない。
【0036】
また、DUT10は試験サンプル台121に横置かれる場合(図10Bに示すよう)、DUT10の第一表面11は第一基準面122に、DUT10の第二表面12は第二基準面123にそれぞれ接触する。ここで、第一表面11はメモリモジュールの長手側辺表面であり、第二表面12はメモリモジュールの基板表面や素子配置面である。メモリモジュールの長手側辺表面の長さと等しくなるようにクランプ130の第二挟面232の挟み隙間を調節すると同時に、クランプ130の第二挟面232はそのままメモリモジュールの短手側辺表面を挟むことになる。
【0037】
また、DUT10は試験サンプル台121に横たわられる場合(図10Cに示すよう)、DUT10はギャップGに一部嵌め込まれることができ(図9に示すよう)、クランプ130の挟み高度を調節しなくてもよいためより固定し易くなる。この時、第一基準面122と接触するDUT10の第一表面11はメモリモジュールの基板表面や素子設置面である。DUT10の長手側辺表面は上記第二基準面123と試験サンプル台121との間に形成したギャップGに嵌め込まれることができるため、メモリモジュールの短手側辺表面はクランプ130に挟まれることが可能となる。
【0038】
よって、落下試験を行う時にDUT10の姿勢、例えば直立置き、横置き、または横たわりに拘らず、クランプ130とクランプ座240との高度を調節する必要がなく、同一形態のDUT10に対して種々の落下開始角度で落下試験を実施することができ(直立置き、横置き、と横たわりの方式を含み)、且つデータの統計と分析を提供し得る。更に、第一挟面231の挟み隙間と第二挟面232の挟み隙間との差を用い、クランプ130はDUT10の姿勢、例えば直立置き、横置き、と横たわりに拘らず同一挟みプロセスでDUT10を固定することができる。
【0039】
なお、本発明の第二実施例による落下試験装置は、図11A−11Cに示すように、他種の寸法や異なる形態のDUT20を置くことができ、このDUT20は上記のDUT10より長くまたは大きくなってもよい。ここで、クランプ130はL字の上下を逆にする外形を有することにより、第一挟面231と第二挟面232を有する。図11Aにしめすように、DUT20は直立姿勢で試験サンプル台121に置かれる場合、DUT20が第一基準面122の第一表面21に、第二基準面123の第二表面22にそれぞれ接触するのはメモリモジュールの短手側辺表面とメモリモジュールの基板表面や素子配置面である。クランプ130の第一挟面231だけでメモリモジュールの長手側辺表面処を挟むことができ、そして、直立姿勢の落下開始角度で落下試験を実施する。
【0040】
図11Bに示すように、DUT20は試験サンプル台121に横置かれる場合、DUT20が第一基準面122の第一表面21に、第二基準面123の第二表面22にそれぞれ接触するのはメモリモジュールの長手側辺表面とメモリモジュールの基板表面や素子配置面である。クランプ130の第二挟面232だけでメモリモジュールの短手側辺表面処を挟むことができ、そして、横置き姿勢の落下開始角度で落下試験を実施する。
【0041】
図11Cに示すように、DUT20は試験サンプル台121に横たわられる場合、第一基準面122の第一表面21と接触するのはDUT20のメモリモジュールの基板表面や素子配置面であり、更にDUT20の第二表面22はギャップGに一部嵌め込まれ(図9に示すよう)、この第二表面22はメモリモジュールの長手側辺表面である。クランプ130の第二挟面232だけでメモリモジュールの短手側辺表面処を挟むことができ、そして、横たわり姿勢の落下開始角度で落下試験を実施する。
【0042】
以上のように、同一形態のDUT20に対して直立置き、横置き、横たわりなどの姿勢に拘らず種々の落下開始角度で落下試験を行っても、クランプ130とクランプ座240の高度を調節する必要がない。上記実施例の落下試験装置を用い、落下姿勢の変化を抑制することが可能となり、試験条件の再現性が優れて、手動方法で取得したデータの誤差がなくなる。
【0043】
以上、本発明をその好適な実施例に基づいて説明したが、本発明の保護範囲は後付の特許請求の範囲で限定されて、この保護範囲に基準して、本発明の精神と範囲内に触れるどんな変更や修正は本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0044】
10:被試験デバイス(DUT)、 11:第一表面、 12:第二表面、 20:導入溝、 21:第一表面、 22:第二表面、 100:落下試験装置、 110:固定ラック、 110A:直立ラック、 110B:底枠、 111:滑り座、 112:水平方向滑りレール、 113:第一ストッパ、 114:調節脚、 115:第三ストッパ、 120:落下開始角度設定治具、 121:試験サンプル台、 122:第一基準面、 123:第二基準面、 124:第二ストッパ、 125:緊締固定部材、 126:調節棒、 127:弾性部材、 128:滑り部材、 129:垂直方向滑りレール、 130:クランプ、 231:第一挟面、 232:第二挟面、 240:クランプ座、 G:ギャップ、
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器または機器に内蔵される電子部品に対する静止或は動き状態のバランステストに関し、特に半導体チップパッケージ製品の落下試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの操作や携帯において製品の所定設計品質を確保するため、通常、チップパッケージに対し実装完成後に最終製品試験を行い、例えば、老化試験、電気試験、引っ張る試験、半田ボール接合強度試験などがある。次に品質と信頼性の良好なチップパッケージをメモリモジュールなどの電子製品に組み立て、モジュール化にして一般の日常生活においてよく見られる電子機器、例えば、パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、PDAなどに応用することができるので、耐衝撃性や耐抵抗応力性の要求が厳しく求められ、必要とする試験はますます重要となる。それにより、業界では、チップパッケージまたはメモリモジュールの耐衝撃性評価について厳格な試験規格を規定しており、例えば、JEDEC(米国合同電子デバイス委員会)が落下試験(drop test)とする規格を定め、この規格に準拠して電子製品の耐落下衝撃性を計算することができる。
【0003】
従来の落下試験を検討すると、幾つの現象を発見した。
1、試験条件の再現性が低い。被試験デバイス(device under test,DUT)の高度と角度を手動により位置決めることが難しいため、毎回の落下角度と衝撃位置はバラツキとなって得た試験結果は完全に異なるという問題がある。
2、試験のコストが高い、試験前の準備時間もかなりかかる。試験条件の再現性が低いため、DUTを数多く用意するが、一旦設計を変更した以上は、DUTを再用意しなければいけない。特に製品開発段階において、各DUTのコストは比較的に高くなり、且つ落下試験は破壊性な実験であり試験の繰り返しによる材料コストが重くかかるという問題もある。
3、落下試験過程中に衝突現象を発生する可能性があるので、非線形現象が起きる可能性がある。
4、従来の落下試験装置は単一測定条件だけに適用してその試験パラメーターは一定であり、例えば、所定高度HからDUTを落下させ衝突による衝撃波(impulse)を測定する。DUTの実装形態または応用環境は異なる場合、試験条件を変えることができなく、特に各メーカーが準拠する規格は異なるため、一旦試験条件を変えたら、別の落下試験装置を購入しなければいけなくなり、試験コストの低減が実現できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、種々の寸法を持つDUTに適用し、様々な角度で落下試験を行うことが可能となり、且つ異なる試験条件を調節することができる一種の落下試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために本発明による落下試験装置は、主に固定ラック、落下開始角度設定治具及びクランプを含む。固定ラックには水平方向滑りレールを有する滑り座が設置される。落下開始角度設定治具は滑り座に設置され、昇降調節可能な試験サンプル台と連結する。試験サンプル台は第一基準面を提供し、治具は第二基準面を提供し、試験サンプル台の昇降移動により、第一基準面は第一設定位置と第一着脱位置との間で移動する。治具は上記水平方向滑りレールのガイドを受けて水平に移動する時、第二基準面は第二設定位置と第二着脱位置との間で移動する。クランプはDUTを挟む時、第一設定位置にある第一基準面はDUTの第一表面と接触し、第二設定位置にある第二基準面はDUTの第二表面と接触する。
【0006】
上記目的を達するために本発明では、更に他の技術を採用する。
上記落下試験装置において、滑り座の側縁に第一ストッパを設置し、落下開始角度設定治具の側縁に第二ストッパを連結し、第二ストッパが第一ストッパと接触する時に第二基準面は第二設定位置に移動する。
上記落下試験装置において、治具と滑り座との相対位置を固定するため第二ストッパに緊締固定部材を設置してもよい。
上記落下試験装置において、治具は調節棒と弾性部材を有してよい、弾性部材は試験サンプル台を第一設定位置に向いて移動させる弾力を提供し、調節棒は試験サンプル台が第一設定位置に向いて移動する度合いを制限する。
上記落下試験装置において、試験サンプル台の両側にそれぞれ滑り部材を連結してもよい、治具の両側に滑り部材の垂直方向滑り用とする垂直方向滑りレールをそれぞれ1つ設置してもよい。
上記落下試験装置において、水平方向滑りレールの水平面を調節するため固定ラックの底部に複数の調節脚を設置してもよい。
上記落下試験装置において、DUTを細長状のメモリモジュールにしてもよい。
上記落下試験装置において、第一基準面と第二基準面とは相互垂直になってもよい。
上記落下試験装置において、クランプと結合するため更にクランプ座を含んでもよい。
上記落下試験装置において、クランプは、L字の上下を逆にする外形を有して第一挟面と第二挟面を提供し、第一挟面の挟込み間隙は第二挟面の挟込み間隙より小さくなり、且つ第一挟面は第二挟面より第一基準面に遠くなる。
上記落下試験装置において、第一設定位置の第一基準面と第二設定位置の第二基準面との間に割れ目を形成してもよい。
【0007】
本発明は更に該落下試験装置に適用する使用方法を開示し、この使用方法は幾つのステップを含む。先ず、第一基準面を第一設定位置に、第二基準面を第二設定位置にそれぞれ移動させるため試験サンプル台と治具を調節する。次に、該DUTの第一表面を第一基準面に、該DUTの第二表面を第二基準面にそれぞれ接触させるようにDUTを治具に置く。次に、DUTをクランプで固定する。そして、第一基準面を第一着脱位置に移動し、DUTに接触させないように試験サンプル台を降下する。ここで、DUTは依然に治具の第二基準面と接触している。次に、第二基準面を第二着脱位置に移動し、DUTに接触させないように治具を横方向に移動する。最後に、DUTを解放する。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明にかかる落下試験装置及びその使用方法は下記の利点と効果を有する:
一、DUTの様々な落下表面を測定できるように提供し、種々寸法のDUTに適用する。
二、落下試験を行う場合、落下開始の姿勢、例えば、同高度、同角度、同位置を保つことができ、試験条件の再現性を高め、更に試験コストを低減する。
三、DUTの落下開始の高度、角度及び位置を迅速に、正確に、安定に制御することができる。
四、滑り座は移動する時にDUTと摩擦することがなく、DUTの位置は滑り座の移動と共に変わることがない。
五、緊締固定部材とストッパを介し、落下開始角度設定治具を快速的且つ安定的に指定基準位置に戻るようにすることができる。
六、調節脚を介し、落下試験装置の試験サンプル台を水平状態に保つようにすることができ、それにより、DUTの落下を鉛直に保持して精確な数字を測定することが可能となる。
七、落下試験を行う時に、DUTを任意の姿勢、例えば、直立または横置きの角度で落下し、クランプの高度だけではなく、クランプ座の相対高度を調節する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第一実施例による落下試験装置を示す立体図である。
【図2】本発明の第一実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動してDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図3】本発明の第一実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を着脱位置に移動したことを示す一部拡大立体図である。
【図4】本発明の第一実施例による落下試験装置の調節脚を示す立体図である。
【図5A】本発明の第一実施例による落下試験装置の使用方法においての素子を示す側面図である。
【図5B】本発明の第一実施例による落下試験装置の使用方法においての素子を示す側面図である。
【図5C】本発明の第一実施例による落下試験装置の使用方法においての素子を示す側面図である。
【図5D】本発明の第一実施例による落下試験装置の使用方法においての素子を示す側面図である。
【図5E】本発明の第一実施例による落下試験装置の使用方法においての素子を示す側面図である。
【図5F】本発明の第一実施例による落下試験装置の使用方法においての素子を示す側面図である。
【図6】本発明の第一実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して第二調節落下開始角度としてのDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図7】本発明の第一実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して第三調節落下開始角度としてのDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図8】落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して他種のDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図9】本発明の第二実施例による落下試験装置を示す一部拡大立体図である。
【図10A】本発明の第二実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して直立置き、横置き、又は横たわりなどの姿勢による種々の落下開始角度を有するDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図10B】本発明の第二実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して直立置き、横置き、又は横たわりなどの姿勢による種々の落下開始角度を有するDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図10C】本発明の第二実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して直立置き、横置き、又は横たわりなどの姿勢による種々の落下開始角度を有するDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図11A】本発明の第二実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して直立置き、横置き、又は横たわりなどの姿勢による種々の落下開始角度を有する他のDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図11B】本発明の第二実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して直立置き、横置き、又は横たわりなどの姿勢による種々の落下開始角度を有する他のDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【図11C】本発明の第二実施例による落下試験装置の落下開始角度設定治具を設定位置に移動して直立置き、横置き、又は横たわりなどの姿勢による種々の落下開始角度を有する他のDUTを放置したことを示す一部拡大立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付された図面を参照して、本発明の実施例について説明する。しかしながら、図面においては、本発明の基本構成や実施方法を示す概略図であり、本発明に係る要素と構成だけを示し、実際に実施する部材の個数、外形、寸法を一定の比率で記載するものではなく、説明の便宜及び明確性のために簡略または誇張されておる。一方、実際に使われる個数、外形、寸法は様々な設計に応じ、部材の配置はより複雑になる可能性がある。
【0011】
立体的に示す図1を参照して、本発明の第一実施例に係る落下試験装置について説明する。
図示の落下試験装置100は、主要に固定ラック110、落下開始角度設定治具120及びクランプ130を含み、DUT10を所定高度から落下させ、DUT10の耐落下衝撃性の測定として用いられる。該DUT10を細長状のメモリモジュールにしてもよい、例えば、DIMM(Dual In−Line Memory Modules)またはSO−DIMM(Small Outline Dual In−Line Memory Modules)。該DUT10を他の電子製品にしてもよい、種類としては特に限定されるものではなく、フリップチップパッケージ、リードフレームパッケージ、マルチチップパッケージまたは他の常用なチップパッケージなどにしてもよい。しかしながら、チップパッケージの種類は多く、しかも、各メーカーの試験規格も異なって、低コストで製造することが困難であることに対し、本発明は、多種の試験規格に適用する調節可能な落下試験装置を設計し、コストの低減が実現できる。
【0012】
図1と図2に示すように、固定ラック110には滑り座111が設置され、この滑り座111は水平方向滑りレール112を有する。固定ラック110は直立ラック110Aと底枠110Bにより構成され、直立ラック110Aは底枠110Bの上に直立固定され、固定ラック110が容易に倒れないようにするため底枠110Bは一定の面積を占めている。本実施例において、底枠110Bはコの字形状になってその内側は落下試験の衝突面を囲んでいる(図1に示すよう)。滑り座111は固定ラック110の片持ち梁上に設置され、所定の高さ、例えば、30cm、50cm、60cm、更に120cmに位置して落下開始角度設定治具120の高度設定として用いられる。
【0013】
図2と図3に示すように、落下開始角度設定治具120は滑り座111の上に設置され、昇降調節可能の試験サンプル台121(図3に示すよう)と連結する。試験サンプル台121は水平や傾斜になる第一基準面122を提供し、治具120は垂直や傾斜になる第二基準面123を提供する。水平方向滑りレール112のガイドで治具120は水平に移動することが可能となり、第一基準面122と第二基準面123とは相互垂直になることが好ましい、それにより、DUTの位置決めが提供される。
【0014】
試験サンプル台121の昇降移動により、第一基準面122は第一設定位置と第一着脱位置との間で移動し、ここで、第一設定位置は試験サンプル台121が上昇位置(図5Aに示すよう)に位置することであり、第一着脱位置は試験サンプル台121が降下位置(図5Bに示すよう)に位置することである。
【0015】
治具120は水平方向滑りレール112のガイドで水平に移動する時、第二基準面123は第二設定位置と第二着脱位置との間で移動し、ここで、第二設定位置は第二基準面123が前に移動して固定ラック110から遠ざかる位置(図5Aと図5Bに示すよう)となり、第二着脱位置は第二基準面123が後ろに移動して固定ラック110に接近する位置(図5Dに示すよう)となる。
【0016】
図2に示すように、DUT10はクランプ130で固定される時、DUT10第一表面11は第一設定位置の第一基準面122と接触し、DUT10を試験サンプル台121の上に置くと、DUT10の一第二表面12は第二設定位置の第二基準面123と接触する(図2と図3に示すよう)。本実施例において、第一表面11はメモリモジュールの長手側表面であり、第二表面12はメモリモジュールの基板表面や素子設置面である。
【0017】
DUT10を置いた後、DUT10の第一表面11と第二表面12は第一基準面122と第二基準面123にそれぞれ接触し、クランプ130でDUT10の両側を挟んで固定する。本実施例において、DUT10の挟まれる表面はメモリモジュールの短手側表面であり、よって、DUT10の落下高度、落下開始の角度と位置を快速、精確及び安定に設置でき、繰り返しの落下高度と落下開始角度を同一に保持することも可能となってズレが起きない。具体的に言えば、クランプ130の両端(図に示せず)を直立ラック110Aに連結してクランプ130の高度を上下に調節する。他に、クランプ130は伸縮自在でDUT10の種々寸法に適用することができる。
【0018】
具体的に言えば、図2と図3に示すように、滑り座111の側縁に第一ストッパ113を設置し、落下開始角度設定治具120の側縁に第二ストッパ124を連結する。ここで、滑り座111の該側縁は落下開始角度設定治具120の該側縁と同一側辺に位置し、これからは落下開始角度設定治具120を水平方向に移動する時、第二ストッパ124は第一ストッパ113に接触することにより、第二基準面123を第二着脱位置に移動させることになる(図3と図5Dに示すよう)。また、滑り座111の該側縁に更に第三ストッパ115を設置し、落下開始角度設定治具120は水平方向に移動する時、第二ストッパ124は第三ストッパ115に接触することにより、第二基準面123を第二設定位置に移動させることになる。このように、第二設定位置と第二着脱位置とを明らかに定義することができる。
【0019】
詳しく言うと、図2に示すように、治具120と滑り座111との相対位置を固定して移動しないようにするため、第二ストッパ124に緊締固定部材125を設置する。
【0020】
また、図3にしめすように、治具120は調節棒126と弾性部材127を有し、弾性部材127は、試験サンプル台121を第一設定位置に向って移動するように弾力を提供し、調節棒126は、試験サンプル台121が第一設定位置に向って移動する度合いを制限する。このように、調節棒126の挿入上死点と弾性部材127の復帰弾力とを介し、試験サンプル台121の第一基準面122は第一設定位置に精確に到着することができる。一方、調節棒126の挿入下死点と弾性部材127の復帰弾力とを介し、試験サンプル台121の第一基準面122は第一着脱位置に精確に到着することもできる。それにより、第一設定位置と第一着脱位置とを明らかに定義することができる。また、試験サンプル台121の両側にそれぞれ1つの滑り部材128を連結し、治具120の両側にも、滑り部材128の垂直方向滑り用とする垂直方向滑りレール129をそれぞれ1つ設置すると、調節棒126の回転により試験サンプル台121を垂直方向滑りレール129のガイドで垂直方向に移動することができる。
【0021】
より詳しく言えば、図1と図4に示すように、固定ラック110の底部に複数の調節脚114を設置し、それらの調節脚114は固定ラック110の底枠110Bにある二個や四個の隅所に位置して、それらの調節脚114により、水平方向滑りレール112の水平面が調節され、落下試験装置100の試験サンプル台121が水平状態に保持され、この時、DUT10は鉛直に落下して精確な数字を測定することができる。
【0022】
本発明は更に該落下試験装置100の使用方法を図5A-図5Fに示す側面図を参照して説明する。
【0023】
先ず、図5Aに示すように、試験サンプル台121と治具120を調節することにより、第一基準面122は第一設定位置に、第二基準面123は第二設定位置にそれぞれ移動することになる。第一設定位置は、試験サンプル台121の第一基準面122が上昇位置に位置するのであり、第二設定位置は、第二基準面123が前方位置に移動するのである。第一基準面122と第二基準面123とは相互垂直になっている。次に、図5Aの斜め矢印で指すように、治具120の試験サンプル台121の上にDUT10を置き、DUT10の第一表面11は第一基準面122に接触しDUT10の第二表面12は第二基準面123に接触する(図5Cに示すよう)。次に、DUT10の両側辺をクランプ130で固定すると(図2に示すよう)、DUT10の高度と角度は快速的、精確的、且つ安定的に制御され、同一条件(高度と角度)の試験を繰り返すことができ、ズレが発生しない。
【0024】
次に、図5Bに示すように、調節棒126を回すことにより、試験サンプル台121は降下し、第一基準面122は第一着脱位置に移動してDUT10の第一表面11と接触しなくなるが、DUT10の第二表面12は治具120の第二基準面123と依然に接触している。ここで、上記調節棒126を回す方向は図5Bの矢印で指した時計回りであり、上記試験サンプル台121の降下方向は図5Bの矢印で指した下向きである。
【0025】
次に、図5Cに示すように、治具120を横移動することにより、第二基準面
123は第二着脱位置に移動してDUT10と接触しなくなる。ここで、上記横移動する方向は図5Cの矢印で指した左向きである。この時、第二ストッパ124は第一ストッパ113と接触し、緊締固定部材125を用い治具120と滑り座111との相対位置を固定して移動させない。上記固定方法としては図5Cの矢印で指した逆時計回りのように緊締固定部材125を回すことである。また、治具120は後ろに水平移動する過程において、DUT10の第一表面11は第一基準面122と接触しなくなったため、滑り座111は移動する時にDUT10と摩擦することがなく、滑り座111の移動があったとしてもDUT10の位置は変わることがない。DUT10の両側辺はクランプ130に挟まれ空中に浮かんでいる。
【0026】
次に、図5Dの斜の矢印で指したよう、クランプ130の解放により、第一表面11が下向くままに、DUT10は地面に落下衝突してデータを測定し得る。上記落下方向は図5Dの矢印で指した下向きである。
【0027】
繰り返しの落下試験を行う時、図5Eに示すように、治具120を水平に移動して第二設定位置に復帰することができる。ここで、上記水平移動の方向は図5Eの矢印で指した右向きである。この時、第二ストッパ124は第三ストッパ125と接触して治具120は移動しなくなって停止状態となる。そして、緊締固定部材125を用い治具120と滑り座111との相対位置を固定して滑らせないようにする。上記固定方法としては図5Eの矢印で指した時計回りのように緊締固定部材125を回すことである。
【0028】
次に、図5Fに示すように、試験サンプル台121の第一基準面122を上昇させて第一設定位置(即ち、所定の試験高度)に復帰するように調節棒126を回す。上記調節棒126は図5Fの矢印で指した方向に回し、上記第一基準面122の上昇方向は図5Fの矢印で指した上向きである。
【0029】
次に、図5A−図5Fに示したステップを繰り返してDUT10を1つずつ試験し、試験過程において、DUT10の所定高度、所定位置を保持することができ、落下開始角度をも調節することが可能となり、即ち落下試験の再現性と精度を向上させ、試験コストの低減をも実現することができる。
【0030】
なお、本発明の落下試験装置100はDUT10を種々の落下開始角度で試験することを提供するだけではなく、様々な寸法を持つDUT10にも適用することができる。図6示すように、DUT10を試験サンプル台121に横置いてもよい。具体的に言えば、図3と図5Fに示すように、第一設定位置の第一基準面122と第二設定位置の第二基準面123との間にギャップGを形成し、このギャップGはDUT10の厚みより大きくなるので、DUT10は横置かれる時にギャップGに一部嵌め込まれることができ、クランプ130の固定高度を調節する必要がなくより固定し易くなる。この時、DUT10は第一基準面122の第一表面11に接触ように試験サンプル台121の上に置かれ、第一表面11はメモリモジュールの基板表面や素子設置面である。DUT10の第二表面12はメモリモジュールの長手側辺表面であり、上記第二基準面123と試験サンプル台121との間に形成したギャップGにこの第二表面12を嵌め込むことにより、クランプ130はメモリモジュールの短手側辺表面を固定することができる。
【0031】
図7に示すように、他にDUT10は直立方式で試験サンプル台121に置かれることもある。この場合、DUT10の第一表面11は第一基準面122に、DUT10の第二表面12は第二基準面123にそれぞれ接触する。第一表面11はメモリモジュールの短手側辺表面であり、第二表面12はメモリモジュールの基板表面や素子配置面であるため、クランプ130はメモリモジュールの長手側辺表面を固定することができる。
【0032】
また、本発明の落下試験装置100には、図8に示すように、更に他の寸法または製品形態が異なるDUT20を置くこともできる。この場合、DUT20の第一表面21を第一基準面122に、DUT20の第二表面22を第二基準面123にそれぞれ接触させるように、種々の寸法に応じ伸縮自在なクランプ130を調節しながらDUT20を固定して、同一落下試験装置10で種々の寸法を持つDUT10に対し落下試験を行う。
【0033】
本発明の第二実施例による他種の落下試験装置を、図9を参照して説明する。該落下試験装置は主要に固定ラック110、落下開始角度設定治具120及びクランプ130を含む。本実施例では、第一実施例で用いた主要部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0034】
本実施例において、該落下試験装置は更にクランプ座240を含み、このクランプ座240は固定ラック110と向かい合って配置されて横棒でクランプ130と連結される。クランプ130は、L字の上下を逆にする外形を有し、第一挟面231と第二挟面232を有し、第一挟面231の挟込み間隙は第二挟面232の挟込み間隙より小さくなり、且つ第一挟面231は第二挟面232より第一基準面から遠くなる。それにより、種々の落下角度で落下試験を行う時に、クランプ130とクランプ座240の高度を調節する必要がなく、即ちクランプ座240を昇降する必要がない。各DUT10に対し、クランプ130の第一挟面231と第二挟面232との水平距離差はちょうどDUT10の長手側辺表面と短手側辺表面との長さの半分になる時、クランプ130はDUT10の姿勢、例えば直立置き、横置き、横たわりに拘らず同一挟みプロセスでDUT10を固定することができる。
【0035】
種々の落下開始角度による落下試験を図10A−図10Cを参照して説明する。図10Aにしめすように、DUT10は直立方式で試験サンプル台121に置かれる場合、DUT10の第一表面11は第一基準面122に、DUT10の第二表面12は第二基準面123にそれぞれ接触する。ここで、第一表面11はメモリモジュールの短手側辺表面であり、第二表面12はメモリモジュールの基板表面や素子配置面である。メモリモジュールの長手側辺表面の長さと等しくなるようにクランプ130の第一挟面231の挟み隙間を調節すると同時に、クランプ130の第一挟面231はそのままメモリモジュールの長手側辺表面の中央処を挟んでクランプ130の高度を調節する必要がない。
【0036】
また、DUT10は試験サンプル台121に横置かれる場合(図10Bに示すよう)、DUT10の第一表面11は第一基準面122に、DUT10の第二表面12は第二基準面123にそれぞれ接触する。ここで、第一表面11はメモリモジュールの長手側辺表面であり、第二表面12はメモリモジュールの基板表面や素子配置面である。メモリモジュールの長手側辺表面の長さと等しくなるようにクランプ130の第二挟面232の挟み隙間を調節すると同時に、クランプ130の第二挟面232はそのままメモリモジュールの短手側辺表面を挟むことになる。
【0037】
また、DUT10は試験サンプル台121に横たわられる場合(図10Cに示すよう)、DUT10はギャップGに一部嵌め込まれることができ(図9に示すよう)、クランプ130の挟み高度を調節しなくてもよいためより固定し易くなる。この時、第一基準面122と接触するDUT10の第一表面11はメモリモジュールの基板表面や素子設置面である。DUT10の長手側辺表面は上記第二基準面123と試験サンプル台121との間に形成したギャップGに嵌め込まれることができるため、メモリモジュールの短手側辺表面はクランプ130に挟まれることが可能となる。
【0038】
よって、落下試験を行う時にDUT10の姿勢、例えば直立置き、横置き、または横たわりに拘らず、クランプ130とクランプ座240との高度を調節する必要がなく、同一形態のDUT10に対して種々の落下開始角度で落下試験を実施することができ(直立置き、横置き、と横たわりの方式を含み)、且つデータの統計と分析を提供し得る。更に、第一挟面231の挟み隙間と第二挟面232の挟み隙間との差を用い、クランプ130はDUT10の姿勢、例えば直立置き、横置き、と横たわりに拘らず同一挟みプロセスでDUT10を固定することができる。
【0039】
なお、本発明の第二実施例による落下試験装置は、図11A−11Cに示すように、他種の寸法や異なる形態のDUT20を置くことができ、このDUT20は上記のDUT10より長くまたは大きくなってもよい。ここで、クランプ130はL字の上下を逆にする外形を有することにより、第一挟面231と第二挟面232を有する。図11Aにしめすように、DUT20は直立姿勢で試験サンプル台121に置かれる場合、DUT20が第一基準面122の第一表面21に、第二基準面123の第二表面22にそれぞれ接触するのはメモリモジュールの短手側辺表面とメモリモジュールの基板表面や素子配置面である。クランプ130の第一挟面231だけでメモリモジュールの長手側辺表面処を挟むことができ、そして、直立姿勢の落下開始角度で落下試験を実施する。
【0040】
図11Bに示すように、DUT20は試験サンプル台121に横置かれる場合、DUT20が第一基準面122の第一表面21に、第二基準面123の第二表面22にそれぞれ接触するのはメモリモジュールの長手側辺表面とメモリモジュールの基板表面や素子配置面である。クランプ130の第二挟面232だけでメモリモジュールの短手側辺表面処を挟むことができ、そして、横置き姿勢の落下開始角度で落下試験を実施する。
【0041】
図11Cに示すように、DUT20は試験サンプル台121に横たわられる場合、第一基準面122の第一表面21と接触するのはDUT20のメモリモジュールの基板表面や素子配置面であり、更にDUT20の第二表面22はギャップGに一部嵌め込まれ(図9に示すよう)、この第二表面22はメモリモジュールの長手側辺表面である。クランプ130の第二挟面232だけでメモリモジュールの短手側辺表面処を挟むことができ、そして、横たわり姿勢の落下開始角度で落下試験を実施する。
【0042】
以上のように、同一形態のDUT20に対して直立置き、横置き、横たわりなどの姿勢に拘らず種々の落下開始角度で落下試験を行っても、クランプ130とクランプ座240の高度を調節する必要がない。上記実施例の落下試験装置を用い、落下姿勢の変化を抑制することが可能となり、試験条件の再現性が優れて、手動方法で取得したデータの誤差がなくなる。
【0043】
以上、本発明をその好適な実施例に基づいて説明したが、本発明の保護範囲は後付の特許請求の範囲で限定されて、この保護範囲に基準して、本発明の精神と範囲内に触れるどんな変更や修正は本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0044】
10:被試験デバイス(DUT)、 11:第一表面、 12:第二表面、 20:導入溝、 21:第一表面、 22:第二表面、 100:落下試験装置、 110:固定ラック、 110A:直立ラック、 110B:底枠、 111:滑り座、 112:水平方向滑りレール、 113:第一ストッパ、 114:調節脚、 115:第三ストッパ、 120:落下開始角度設定治具、 121:試験サンプル台、 122:第一基準面、 123:第二基準面、 124:第二ストッパ、 125:緊締固定部材、 126:調節棒、 127:弾性部材、 128:滑り部材、 129:垂直方向滑りレール、 130:クランプ、 231:第一挟面、 232:第二挟面、 240:クランプ座、 G:ギャップ、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向滑りレールが設けられている滑り座を有する固定ラックと、
前記滑り座上に設置され、第一基準面を有する試験サンプル台と第二基準面とを有する落下開始角度設定治具と、
クランプとを備え、
前記試験サンプル台の昇降移動により、前記第一基準面は第一設定位置と第一着脱位置との間で移動し、
前記治具は前記水平方向滑りレールのガイドを受けて水平に移動する時、前記第二基準面は第二設定位置と第二着脱位置との間に移動し、
前記クランプはDUTを挟む時、前記第一設定位置にある前記第一基準面は前記DUTの第一表面と接触し、前記第二設定位置にある前記第二基準面は前記DUTの第二表面と接触することを特徴とする落下試験装置。
【請求項2】
前記滑り座の側縁に第一ストッパを設置し、前記落下開始角度設定治具の側縁に第二ストッパを連結し、該第二ストッパは前記第一ストッパと接触する時、前記第二基準面は前記第二設定位置に移動することを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項3】
前記治具と前記滑り座との相対位置を固定するため前記第二ストッパに緊締固定部材を設置することを特徴とする請求項2記載の落下試験装置。
【請求項4】
前記治具は、調節棒と弾性部材を有し、該弾性部材は前記試験サンプル台を前記第一設定位置に向いて移動させる弾力を提供し、前記調節棒は前記試験サンプル台が前記第一設定位置に向いて移動する程度を制限することを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項5】
前記試験サンプル台の両側にそれぞれ滑り部材を連結し、前記治具の両側に前記滑り部材の垂直方向滑り用とする垂直方向滑りレールをそれぞれ1つ設置することを特徴とする請求項4または5記載の落下試験装置。
【請求項6】
前記水平方向滑りレールの水平面を調節するため前記固定ラックの底部に複数の調節脚を設置することを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項7】
前記DUTを細長状のメモリモジュールにすることを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項8】
前記第一基準面と前記第二基準面とは相互垂直になっていることを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項9】
前記クランプと結合するため更にクランプ座を含むことを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項10】
前記クランプは、L字の上下を逆にする外形を有して第一挟面と第二挟面を有し、前記第一挟面の挟込み間隙は前記第二挟面の挟込み間隙より小さくなり、且つ前記第一挟面は前記第二挟面より前記第一基準面に遠くなることを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項11】
前記第一設定位置の前期第一基準面と前記第二設定位置の前記第二基準面との間にギャップを形成することを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項12】
前記第一基準面を前記第一設定位置に、前記第二基準面を前記第二設定位置にそれぞれ移動させるため前記試験サンプル台と前記治具を調節するステップと
前記DUTの第一表面を前記第一基準面に、前記DUTの第二表面を前記第二基準面にそれぞれ接触させるように前記DUTを前記治具に置くステップと
前記DUTを前記クランプで固定するステップと
前記第一基準面を前記第一着脱位置に移動し、前記DUTに接触させないように前記試験サンプル台を降下するステップであって、ここで、前記DUTは依然に前記治具の前記第二基準面と接触しているステップと、
前記第二基準面を前記第二着脱位置に移動し、前記DUTに接触させないように前記治具を横方向に移動するステップと
DUTを解放するステップと、を含むことを特徴とする請求項1記載の落下試験装置の使用方法。
【請求項13】
前記試験サンプル台の降下ステップと前記治具の横移動ステップにおいて、前記DUTは前記試験サンプル台と前記治具に摩擦しないことを特徴とする請求項12記載の落下試験装置の使用方法。
【請求項1】
水平方向滑りレールが設けられている滑り座を有する固定ラックと、
前記滑り座上に設置され、第一基準面を有する試験サンプル台と第二基準面とを有する落下開始角度設定治具と、
クランプとを備え、
前記試験サンプル台の昇降移動により、前記第一基準面は第一設定位置と第一着脱位置との間で移動し、
前記治具は前記水平方向滑りレールのガイドを受けて水平に移動する時、前記第二基準面は第二設定位置と第二着脱位置との間に移動し、
前記クランプはDUTを挟む時、前記第一設定位置にある前記第一基準面は前記DUTの第一表面と接触し、前記第二設定位置にある前記第二基準面は前記DUTの第二表面と接触することを特徴とする落下試験装置。
【請求項2】
前記滑り座の側縁に第一ストッパを設置し、前記落下開始角度設定治具の側縁に第二ストッパを連結し、該第二ストッパは前記第一ストッパと接触する時、前記第二基準面は前記第二設定位置に移動することを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項3】
前記治具と前記滑り座との相対位置を固定するため前記第二ストッパに緊締固定部材を設置することを特徴とする請求項2記載の落下試験装置。
【請求項4】
前記治具は、調節棒と弾性部材を有し、該弾性部材は前記試験サンプル台を前記第一設定位置に向いて移動させる弾力を提供し、前記調節棒は前記試験サンプル台が前記第一設定位置に向いて移動する程度を制限することを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項5】
前記試験サンプル台の両側にそれぞれ滑り部材を連結し、前記治具の両側に前記滑り部材の垂直方向滑り用とする垂直方向滑りレールをそれぞれ1つ設置することを特徴とする請求項4または5記載の落下試験装置。
【請求項6】
前記水平方向滑りレールの水平面を調節するため前記固定ラックの底部に複数の調節脚を設置することを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項7】
前記DUTを細長状のメモリモジュールにすることを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項8】
前記第一基準面と前記第二基準面とは相互垂直になっていることを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項9】
前記クランプと結合するため更にクランプ座を含むことを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項10】
前記クランプは、L字の上下を逆にする外形を有して第一挟面と第二挟面を有し、前記第一挟面の挟込み間隙は前記第二挟面の挟込み間隙より小さくなり、且つ前記第一挟面は前記第二挟面より前記第一基準面に遠くなることを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項11】
前記第一設定位置の前期第一基準面と前記第二設定位置の前記第二基準面との間にギャップを形成することを特徴とする請求項1記載の落下試験装置。
【請求項12】
前記第一基準面を前記第一設定位置に、前記第二基準面を前記第二設定位置にそれぞれ移動させるため前記試験サンプル台と前記治具を調節するステップと
前記DUTの第一表面を前記第一基準面に、前記DUTの第二表面を前記第二基準面にそれぞれ接触させるように前記DUTを前記治具に置くステップと
前記DUTを前記クランプで固定するステップと
前記第一基準面を前記第一着脱位置に移動し、前記DUTに接触させないように前記試験サンプル台を降下するステップであって、ここで、前記DUTは依然に前記治具の前記第二基準面と接触しているステップと、
前記第二基準面を前記第二着脱位置に移動し、前記DUTに接触させないように前記治具を横方向に移動するステップと
DUTを解放するステップと、を含むことを特徴とする請求項1記載の落下試験装置の使用方法。
【請求項13】
前記試験サンプル台の降下ステップと前記治具の横移動ステップにおいて、前記DUTは前記試験サンプル台と前記治具に摩擦しないことを特徴とする請求項12記載の落下試験装置の使用方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【公開番号】特開2010−160074(P2010−160074A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2862(P2009−2862)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(506292169)力成科技股▲分▼有限公司 (36)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(506292169)力成科技股▲分▼有限公司 (36)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]