説明

蒸気タービン潤滑油供給装置および蒸気タービンシステム

【課題】軸受への潤滑油の供給油量の調整が容易にでき、さらには蒸気タービンの運転中でも各軸受の潤滑油条件を微調整できるようにする。
【解決手段】実施形態によれば、蒸気タービン潤滑油供給装置は、蒸気タービン12の回転軸11を保持する軸受14a,14b,・・・,14jに潤滑油を供給する。当該循環装置は、軸受を覆う軸受台15と、潤滑油を溜める油タンク16と、交流電動機22で駆動されて油タンク16内の潤滑油を昇圧する主油ポンプ17と、主油ポンプ17で昇圧された潤滑油を軸受に導く油供給管28と、軸受台15から排出された潤滑油を油タンク16に戻す油戻り管32と、潤滑油を冷却する油冷却器20と、油供給管28の途中に配置された絞り弁31と、絞り弁31に並列に接続された固定オリフィス30と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蒸気タービン潤滑油供給装置および蒸気タービンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
大型蒸気タービンの各軸受に潤滑油を供給する潤滑油供給装置では、軸受を覆う軸受台と、電動機によって駆動される主油ポンプと、主油ポンプで昇圧された潤滑油を油タンクから軸受に導く油供給管と、軸受台から排出された潤滑油を油タンクに戻す油戻り管と、を備えたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−142709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大型蒸気タービンでは、回転軸が長くなり、軸受の数も多くなる。このため、油供給管が長くなって配管の圧力損失が増加し、油タンクから遠い軸受になればなるほど供給油圧が低下し本来の設計油圧を維持できない可能性がある。
【0005】
また、軸受の数が多くなることにより、軸受の不安定事象(軸振動等)の発生する確率が高まる。これに対処すべく軸受への潤滑油量を増加させて不安定事象の対策を施す場合には、各軸受の直前に設置された軸受オリフィスを取り外してオリフィス孔サイズの微調整を試行錯誤で行う必要があった。このため、その都度蒸気タービンを停止する必要がありこれら起動・停止操作も含めた一連の作業が非常に煩雑であった。
【0006】
本発明の実施形態は上述の点を鑑みてなされたものであり、軸受への潤滑油の供給油量の調整が容易にでき、さらには蒸気タービンの運転中であっても蒸気タービンを停止することなく、各軸受の潤滑油条件を微調整できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る蒸気タービン潤滑油供給装置は、蒸気タービンの回転軸を回転保持する複数の軸受に潤滑油を供給する蒸気タービン潤滑油供給装置において、前記軸受を覆う軸受台と、前記軸受よりも低い位置に配置されて前記潤滑油を溜める油タンクと、第1の電動機によって駆動されて前記油タンク内の潤滑油を昇圧する主油ポンプと、前記主油ポンプで昇圧された潤滑油を前記軸受に導く油供給管と、前記軸受台から排出された潤滑油を落下させて前記油タンクに戻す油戻り管と、前記油供給管の途中に配置された絞り弁と、前記絞り弁に並列に接続された固定オリフィスと、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の実施形態に係る蒸気タービンシステムは、回転軸およびその回転軸を回転保持する複数の軸受を含む蒸気タービンと、前記複数の軸受に潤滑油を供給する潤滑油供給装置と、を有する蒸気タービンシステムにおいて、前記潤滑油供給装置は、前記軸受を覆う軸受台と、前記軸受よりも低い位置に配置されて前記潤滑油を溜める油タンクと、第1の電動機によって駆動されて前記油タンク内の潤滑油を昇圧する主油ポンプと、前記主油ポンプで昇圧された潤滑油を前記軸受に導く油供給管と、前記軸受台から排出された潤滑油を落下させて前記油タンクに戻す油戻り管と、前記油供給管の途中に配置された絞り弁と、前記絞り弁に並列に接続された固定オリフィスと、を有すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、蒸気タービンの複数の軸受への潤滑油の供給油量の調整が容易にでき、さらには蒸気タービンの運転中であっても蒸気タービンを停止することなく、各軸受の潤滑油条件を微調整できる。これにより、蒸気タービンの稼働率向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る蒸気タービン潤滑油供給装置の第1の実施形態を示す系統構成図である。
【図2】本発明に係る蒸気タービン潤滑油供給装置の第2の実施形態を示す系統構成図である。
【図3】本発明に係る蒸気タービン潤滑油供給装置の第3の実施形態を示す系統構成図である。
【図4】図3の個別容積型昇圧ポンプユニットの具体的構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る蒸気タービン潤滑油供給装置の第1の実施形態を示す系統構成図である。
【0013】
共通の回転軸11に複数の蒸気タービン12および発電機13が結合されていて、これらが、複数(図示の例では10個)の軸受14a、14b、・・・、14jによって回転支持されている。回転軸11は水平方向に延びている。軸受台15は、軸受14a、14b、・・・、14jを収納するとともに軸受14a、14b、・・・、14jの周囲を密閉するように覆っており、回転軸11との接触部分にはラビリンスパッキンを使用した図示しない油切りシールが設けられている。
【0014】
軸受14a、14b、・・・、14jよりも下方に、潤滑油を溜める油タンク16が配置されている。油タンク16には、2台の主油ポンプ17、18と、非常用油ポンプ19と油冷却器20と、ガス抽出機21が取り付けられている。2台の主油ポンプ17、18は、交流電動機(第1の電動機)22、23によって駆動される。交流電動機22、23の電源は電力系統から得る。2台の主油ポンプ17、18のうちの1台は常用の主油ポンプ17であり、他の1台はバックアップ用の主油ポンプ18である。非常用油ポンプ19は非常用の直流電源(図示せず)により、直流電動機(第3の電動機)24によって駆動される。
【0015】
油タンク16内に溜まった潤滑油は、2台の主油ポンプ17、18および非常用油ポンプ19から、それぞれ、逆止弁25、26、27を介して油冷却器20に送れられるように構成されている。油冷却器20は潤滑油を冷却することができる。
【0016】
油冷却器20を出た潤滑油は、油供給管28を通して、油タンク16の外に送り出される。油供給管28は分岐していて潤滑油を各軸受14a、14b、・・・、14jに供給することができる。油供給管28の分岐の下流側で各軸受14a、14b、・・・、14jの上流側に軸受オリフィス29a、29b、・・・、29jが取り付けられている。
【0017】
油冷却器20を出た潤滑油が分岐する上流側の油供給管28には固定オリフィス30が配置され、この固定オリフィス30と並列に絞り弁31が配置されている。
【0018】
軸受台15と油タンク16の間で油供給管28を覆うように油戻り管32が配置されており、軸受14a、14b、・・・、14jに供給された潤滑油は油戻り管32を通って重力により油タンク16に落下するように構成されている。
【0019】
油タンク16内には潤滑油の液面33が形成され、ガス抽出機21は、液面33より上の空間に溜まったガスを排出する。これにより、油タンク16内の液面33より上の空間および軸受台15内および油戻り管32内部の空間を、大気圧に対して負圧に保つことができる。
【0020】
固定オリフィス30および絞り弁31よりも下流側で一つの軸受オリフィス29aよりも上流側の油供給管28に圧力計34が取り付けられている。
【0021】
潤滑油は主油ポンプ17、18から排出され、油冷却器20によって冷却された後に、互いに並列に設置された固定オリフィス30と絞り弁31を通過する。その後、軸受オリフィス29a、29b、・・・、29jを通して各軸受14a、14b、・・・、14jに供給される。
【0022】
各軸受14a、14b、・・・、14jに供給される潤滑油は、固定オリフィス30と絞り弁31に分かれて全量通過するが、固定オリフィス30で潤滑油量の支配的な分量を流し、絞り弁31は油圧の微調整のための少量を流すように設計されている。したがって、蒸気タービン12の起動前の油圧調整に当たって、複数の軸受オリフィス29a、29b、・・・、29jのうちの一つの軸受オリフィス29aの上流に設置された圧力計34により、その軸受14aに供給される潤滑油(軸受給油)の圧力値を確認し、適正な設計圧力値でなければ絞り弁31の弁開度を任意に調整すればよい。
【0023】
この第1の実施形態では、電動機駆動の主油ポンプ17、18を有することから、蒸気タービン12の起動前に潤滑油(軸受給油)の圧力値を確定することができる利点がある。これにより、蒸気タービンの複数の軸受への潤滑油の供給油量の調整が容易にでき、さらには蒸気タービンの運転中であっても蒸気タービンを停止することなく、各軸受の潤滑油条件を微調整できる。これにより、蒸気タービンの稼働率向上を図ることができる。
【0024】
以上説明した実施形態では、固定オリフィス30と絞り弁31は、油冷却器20の下流側に配置するものとしたが、変形例として、固定オリフィス30と絞り弁31を油冷却器20の上流側に配置することもできる。この場合でも作用・効果は上記の例と同様である。また、変形例として、図示しないが、油圧監視用として圧力計をその他の軸受オリフィスの前に設置することもできる。
【0025】
[第2の実施形態]
図2は、本発明に係る蒸気タービン潤滑油供給装置の第2の実施形態を示す系統構成図である。
【0026】
この実施形態では、油冷却器20と、固定オリフィス30および絞り弁31の間の分岐点35で油供給管28が分岐していて、分岐した一方の油供給管(第1の油供給管)28aに固定オリフィス30aおよび絞り弁31aが互いに並列に接続されているとともに、分岐した他方の油供給管(第2の油供給管)28bにも同様に固定オリフィス30bおよび絞り弁31bが互いに並列に接続されている。第1の油供給管28aおよび第2の油供給管28bは、それぞれが、さらに下流側で分岐して、第1の油供給管28aは、分岐部に近い位置から順に1番目から6番目の軸受14a、14b、・・・、14f(第1の軸受グループ)に接続され、第2の油供給管28bは、分岐部に近い位置から順に7番目受から10番目の軸受14g、14h、14i、14j(第2の軸受グループ)に、それぞれの軸受オリフィス29a、29b、・・・、29jを介して接続されている。
【0027】
固定オリフィス30aおよび絞り弁31aよりも下流側で第1の軸受グループの一つの軸受オリフィス29aよりも上流側の第1の油供給管28aに第1の圧力計34aが取り付けられており、同様に、固定オリフィス30bおよび絞り弁31bよりも下流側で第2の軸受グループの一つの軸受オリフィス29gよりも上流側の第2の油供給管28bに第2の圧力計34gが取り付けられている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0028】
この実施形態で、蒸気タービン12の起動前の油圧調整時に、第1の圧力計34aにより、第1の軸受グループに供給される潤滑油(軸受給油)の圧力値を確認し、適正な設計圧力値でなければ第1グループの絞り弁31aの弁開度を調整する。
【0029】
また同様に、蒸気タービン12の起動前の油圧調整時に、第2の圧力計34gにより、第2の軸受グループに供給される潤滑油の圧力値を確認し、適正な設計圧力値でなければ第2グループの絞り弁31bの弁開度を調整する。
【0030】
なお、第2グループにおける固定オリフィス30bと絞り弁31bの下流側圧力(出口圧力)は、第1グループに比べ油供給配管が長くなっており、配管の圧力損失が生じるので、両グループの固定オリフィスのサイズが同一であれば、第2グループの絞り弁31bの方が弁開度が大きいように(絞りが少ないように)設定される。
【0031】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、油タンク16から離れた第2グループであっても、軸受14g、14h、14i、14jに供給される油圧は第1グループと変わらずに調整することができる。なお、グループ数を増加させればさらに小まめな設定が可能となる。
【0032】
[第3の実施形態]
図3は、本発明に係る蒸気タービン潤滑油供給装置の第3の実施形態を示す系統構成図である。また、図4は、図3の個別容積型昇圧ポンプユニットの具体的構成を示す構成図である。
【0033】
この第3の実施形態は第1の実施形態の変形である。この第3の実施形態では、軸受オリフィス29a、29b、・・・、29jの各上流側の油供給管28に個別ポンプユニット36a、36b、・・・、36jが配置されている。個別ポンプユニット36a、36b、・・・、36jはそれぞれ、図4に示すように、互いに並列に接続された個別容積型昇圧ポンプ37と個別逆止弁38とを有する。個別容積型昇圧ポンプ37は交流電動機(第2の電動機)39によって駆動される。図では個別ポンプユニット36aを例にとってその構成を示しているが、他の個別ポンプユニットも同様の構成である。
【0034】
個別容積型昇圧ポンプ37は、油冷却器20を出て固定オリフィス30または絞り弁31を通った潤滑油を昇圧して軸受オリフィス29a、29b、・・・、29jへ送るものである。個別容積型昇圧ポンプ37は、たとえば、ギアポンプやベーンポンプ、ネジポンプなどに代表される容積型ポンプである。個別容積型昇圧ポンプ37を駆動する電動機は、誘導電動機を使用し、回転数を可変速にすることが可能な図示しないインバータを設置して回転数の設定を行うように構成されているのが好ましい。個別容積型昇圧ポンプ37の流量は回転数に比例することから、流量を制御することができる。
【0035】
個別逆止弁38は、個別容積型昇圧ポンプ37の吐出側から吸い込み側への逆流を阻止し、個別容積型昇圧ポンプ37の吸い込み側から吐出側へ個別容積型昇圧ポンプ37を通らずに流れる流れを許容するものである。
【0036】
また、図3に示すように、個別ポンプユニット36a、36b、・・・、36jの下流側で各軸受オリフィス29a、29b、・・・、29jの上流側の給油管それぞれに、圧力計34a、34b、・・・、34jが取り付けられている。
【0037】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0038】
この第3の実施形態によれば、蒸気タービン12の起動前の油圧調整時に主油ポンプ17を起動し、固定オリフィス30と絞り弁31を通過した潤滑油(軸受給油)は、各軸受14a、14b、・・・、14jに設置された個別ポンプユニット36a、36b、・・・、36j内の個別逆止弁38を通り各軸受オリフィス29a、29b、・・・、29jを通って各軸受14a、14b、・・・、14jに給油される。
【0039】
この時、個別容積型昇圧ポンプ37は停止しており、容積型の油ポンプであることから、個別容積型昇圧ポンプ37の内部を通過する流れは生じない。また、固定オリフィス30と絞り弁31の開度は第1の実施形態と同じように調整されているため、各軸受14a、14b、・・・、14jに給油される状況は第1の実施形態と同様である。
【0040】
やがて蒸気タービン12を起動した後、たとえば第7の軸受14gに不安定事象(軸振動等)が発生した場合、第7の軸受14gに設置された個別ポンプユニット36gの個別容積型昇圧ポンプ37を起動し、第7の軸受14gに対応する軸受オリフィス29gの上流に設置された圧力計34gを見ながら、この個別ポンプユニット36gの個別容積型昇圧ポンプ37の回転数を変化させて軸受オリフィス29gの入口圧力を上昇させ、軸受14gへの給油量を増加させるように作動させる。この時、個別ポンプユニット36gの個別逆止弁38の吐出側圧力は個別ポンプユニット36gの個別容積型昇圧ポンプ37の吐出圧となるので個別ポンプユニット36gの個別逆止弁38は閉止する。
【0041】
なお、たとえば個別ポンプユニット36gの個別容積型昇圧ポンプ37を停止させると、油供給管28からの潤滑油(軸受給油)は、その個別ポンプユニット36gの個別逆止弁38を開弁し軸受オリフィス29gを介して軸受14gに給油される。そのため、たとえ個別容積型昇圧ポンプ37の運転中に不適合が発生して停止しても、潤滑油(軸受給油)は確実に給油される。
【0042】
以上のように、第3の実施形態によれば各軸受14a、14b、・・・、14jに供給される潤滑油流量を単独で個別に調整することができ、またその不安定事象(軸振動等)の変化状況(対策状況)を同時進行で確認しながら調整できる利点があるため、蒸気タービンを停止する必要がない。
【0043】
なお、図3では全ての軸受14a、14b、・・・、14jに対応させて個別ポンプユニット36a、36b、・・・、36jを設置したが、対象となる蒸気タービン12の種類によってはその必要はなく、経験的に不安定事象(軸振動等)の発生しやすい軸受にのみ設置することでもよい。
【0044】
また、油タンク16から遠い軸受における油圧低下問題を解決するためには、油タンク16から遠い軸受にのみ個別ポンプユニットを設置してもよい。
【0045】
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0046】
たとえば、上記第2の実施形態の特徴と第3の実施形態の特徴を組み合わせて適用することもできる。
【符号の説明】
【0047】
11 回転軸
12 蒸気タービン
13 発電機
14a,14b,・・・,14j 軸受
15 軸受台
16 油タンク
17、18 主油ポンプ
19 非常用油ポンプ
20 油冷却器
21 ガス抽出機
22、23 交流電動機(第1の電動機)
24 直流電動機(第3の電動機)
25、26、27 逆止弁
28,28a,28b 油供給管
29a,29b,・・・,29j 軸受オリフィス
30,30a,30b 固定オリフィス
31,31a,31b 絞り弁
32 油戻り管
33 液面
34,34a,34b,・・・,34j 圧力計
35 分岐点
36a,36b,・・・,36j 個別ポンプユニット
37 個別容積型昇圧ポンプ
38 個別逆止弁
39 交流電動機(第2の電動機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気タービンの回転軸を回転保持する複数の軸受に潤滑油を供給する蒸気タービン潤滑油供給装置において、
前記軸受を覆う軸受台と、
前記軸受よりも低い位置に配置されて前記潤滑油を溜める油タンクと、
第1の電動機によって駆動されて前記油タンク内の潤滑油を昇圧する主油ポンプと、
前記主油ポンプで昇圧された潤滑油を前記軸受に導く油供給管と、
前記軸受台から排出された潤滑油を落下させて前記油タンクに戻す油戻り管と、
前記油供給管の途中に配置された絞り弁と、
前記絞り弁に並列に接続された固定オリフィスと、
を有することを特徴とする蒸気タービン潤滑油供給装置。
【請求項2】
前記複数の軸受は複数の軸受グループに分けられ、
前記油供給管は、前記複数の軸受グループそれぞれに対応して分岐しており、
前記絞り弁および固定オリフィスが前記油供給管の分岐のそれぞれに配置されていること、
を特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン潤滑油供給装置。
【請求項3】
前記複数の軸受それぞれの上流側の前記油供給管に各軸受ごとの軸受オリフィスが配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒸気タービン潤滑油供給装置。
【請求項4】
前記軸受オリフィスそれぞれの上流側の前記油供給管に前記第1の電動機とは別の個別の第2の電動機によって駆動される個別容積型昇圧ポンプが配置され、
前記個別容積型昇圧ポンプに並列に、当該個別容積型昇圧ポンプの駆動方向に逆向きの流れを阻止する個別逆止弁が配置されていること、
を特徴とする請求項3に記載の蒸気タービン潤滑油供給装置。
【請求項5】
前記油供給配管の前記絞り弁および固定オリフィスより下流側で前記軸受の上流側に圧力計が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン潤滑油供給装置。
【請求項6】
前記油供給配管の分岐のそれぞれに、前記絞り弁および固定オリフィスより下流側で前記軸受の上流側に圧力計が取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の蒸気タービン潤滑油供給装置。
【請求項7】
前記油供給配管の前記個別容積型昇圧ポンプの下流側で前記軸受オリフィスの上流側それぞれに圧力計が取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の蒸気タービン潤滑油供給装置。
【請求項8】
前記主油ポンプの下流側で前記軸受の上流側の前記油供給管に潤滑油を冷却する油冷却機が設けられていること、を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の蒸気タービン潤滑油供給装置。
【請求項9】
前記主油ポンプは複数台が並列に接続されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の蒸気タービン潤滑油供給装置。
【請求項10】
第3の電動機によって駆動されて前記油タンク内の潤滑油を昇圧する非常用油ポンプをさらに有し、
前記非常用油ポンプで昇圧された潤滑油は前記主油ポンプと並列に接続されて前記油供給管に接続されており、
前記第3の電動機は非常用直流電源で駆動される電動機であること、
を特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の蒸気タービン潤滑油供給装置。
【請求項11】
前記油タンクに溜められた前記潤滑油の上方の前記油タンク内のガスを抽出するガス抽出機をさらに有すること、を特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の蒸気タービン潤滑油供給装置。
【請求項12】
回転軸および前記回転軸を回転保持する複数の軸受を含む蒸気タービンと、前記複数の軸受に潤滑油を供給する潤滑油供給装置と、を有する蒸気タービンシステムにおいて、
前記潤滑油供給装置は、
前記軸受を覆う軸受台と、
前記軸受よりも低い位置に配置されて前記潤滑油を溜める油タンクと、
第1の電動機によって駆動されて前記油タンク内の潤滑油を昇圧する主油ポンプと、
前記主油ポンプで昇圧された潤滑油を前記軸受に導く油供給管と、
前記軸受台から排出された潤滑油を落下させて前記油タンクに戻す油戻り管と、
前記油供給管の途中に配置された絞り弁と、
前記絞り弁に並列に接続された固定オリフィスと、
を有すること、を特徴とする蒸気タービンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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