説明

蒸気抑制添加剤

CO含有気体流をアンモニウム水溶液と接触させる、CO含有気体流からCOを除去するための方法。アンモニア水溶液は、0.1〜40w/v、v/v/ w/wのアンモニアと0.01%〜10%wtまたはv/vまたはw/vの濃度範囲の可溶性塩とを含み、可溶性塩は、VIIA族元素のアニオンおよびNO、SO2−、OH、PO3−およびHCOからなる群から選択される対アニオンと共に、IA、IIA、IIIAおよびIVA族金属からなる群から選択されるカチオンを有する。本発明は同様に、アンモニア水溶液と上述の可溶性塩とを含むCO捕捉溶媒にも拡大される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミンと、気体流からの二酸化炭素の捕捉におけるその使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
温室効果ガスを恒常的に発生させる事業者にとっては、その大気排出を劇的に削減することのプレッシャーが日々増大している。特に懸念されているのは、大気中への二酸化炭素(CO)の排出である。大気中のCO排出を削減する1つの方法は、ポイント汚染源におけるその捕捉と地質中の貯留槽または他の貯留場所におけるその貯蔵を通した方法である。
【0003】
発電所および他の燃焼装置の燃焼排ガスに由来するCOを捕捉するための方法は、燃焼後捕捉(PCC)と呼ばれる。PCCのための最も成熟した市販の技術は、溶媒ベースの化学的なCOの吸収/放出である。PCC技術の運用が広範に展開された場合には、アンモニアやアミンなどの溶媒が大量に必要となる。これを視野に入れると、微粉黒炭を燃やす典型的な2.4GWの発電機は、およそ30〜50トン/分または680kmol/分のCOを発生させる。明らかに、この規模のPCCプラントにおいて循環的に使用される溶媒は前代未聞の量となる。特にこの規模で、溶媒のスリップによる局所的環境への放出が不可避的となる場合があることから、溶媒および(酸化および熱によるプロセスを介して生産される)溶媒分解生成物が潜在的に環境に及ぼす影響は一考を要する。
【0004】
CO捕捉のための最も注目される物理的溶媒は、高い熱安定性、極めて低い蒸気圧、不燃性および非毒性などの特性を有する溶媒である。このような材料は、気体流中の溶媒損失を最小限におさえながらCOを捕捉する潜在力を有する。
【0005】
燃焼排ガス流からCOを除去するためにアンモニア溶液を使用することは、気体混合物からCOを回収するために長く知られてきたモノエタノールアミン(MEA)または他のアミンを溶媒として使用するシステムに比べて数多くの重要な利点を提供し、化学的観点からみて注目に値する。これらの利点には、以下のものが含まれる:
1.SOおよびNOを吸収できると同時に、有利にも使用済み溶媒溶液を肥料として売却できる可能性もある(SOおよびNOはアミン溶媒を分解させる)。
2.アンモニアは、広く普及した商業的用途において用いられる低コストの化学物質である。
3.このようなプロセスに必要とされる全エネルギーは、MEAシステムに必要なエネルギーの40%前後であると見積られている。
【0006】
アンモニアプロセスのためには、溶媒溶液は、溶解したアンモニア(水)および溶解したCO(水性)と平衡状態で、アンモニウム、重炭酸塩イオンそして比較的低レベルの炭酸塩で構成される。吸収装置の中で、水とアンモニアはCO(水性)と反応して、重炭酸塩イオンまたはカルバミン酸アンモニウムイオンを形成し、この反応はストリッピング装置内でエネルギーを適用することにより逆転する。関連する水相反応は、以下の反応式全体によって要約することができる:

【0007】
アンモニアは、(大気圧で)摂氏−30度より高い温度で気体である軽量の分子(分子量=17ダルトン)であり、水に容易に溶解する。(例えば燃焼後の捕捉プロセスにおいて)気体流でアンモニア水溶液を散布することにより、結果として溶液からアンモニアが離れ、気相内に入ることになる。吸収装置から退出する気相内の遊離アンモニアの量は、アンモニア水の量に正比例し、これは溶液化学および温度などの熱力学的因子により制御される。すなわち、温度が高くなると気相中のアンモニアの量は増大する。
【0008】
アンモニアプロセスに伴う大きな懸念事は、吸収装置およびストリッピング装置の両方に付随するアンモニアの損失(つまり「スリップ」)であった。捕捉プラントからのアンモニアのスリップを軽減するために考えられる1つのアプローチは、アンモニア水の沸点を上昇させ、こうして塩効果または共沸効果を介してアンモニアの損失を減少させるために添加剤を使用することである。
【0009】
CO捕捉溶媒としてのアンモニアの使用に付随する問題の1つ以上を克服するかまたは少なくとも軽減することが本発明の目的である。
【0010】
本明細書中におけるいずれかの先行技術に対する参照指示は、この技術がオーストラリアまたはあらゆる管轄区域における共通の一般的知識の一部を成すとも、この先行技術が合理的に当業者によって関連性あるものとして確定され、理解されかつそのようにみなされると予期され得るものであるとも認知するものではなく、一切の形の示唆でもなく、そのように考慮されるべきでもない。
【発明の概要】
【0011】
したがって、一つの態様において、本発明は、CO含有気体流からCOを除去する方法であって、
CO含有気体流をCO捕捉溶媒と接触させるステップであって、CO捕捉溶媒は、アンモニウム水溶液を含むかまたはそれで構成されており、アンモニア水溶液は、0.1%wt〜40%wtのアンモニアと0.01%〜10%wtの濃度範囲の可溶性塩とを含み、可溶性塩が、VIIA族元素のアニオンおよびNO、SO2−、OH、PO3−およびHCOからなる群から選択される対アニオンおよび他の水溶性対アニオンと共に、IA、IIA、IIIAおよびIVA族金属のカチオンからなる群から選択される1つ以上のカチオンを有するステップと;
CO含有気体流由来のCOを、CO捕捉溶媒中に吸収させるステップと;
を含む方法を提供する。
【0012】
本発明の別の態様においては、
0.1%wt〜40%のアンモニア濃度を有するアンモニア水溶液と、
0.01%〜10%wtの濃度範囲での可溶性塩と
を含むかまたはこれらで構成されるCO捕捉溶媒であって、可溶性塩が、VIIA族元素のアニオンおよびNO、SO2−、OH−、PO3−およびHCOからなる群から選択される1つ以上の対アニオンまたは他の水溶性対アニオンと共に、IA、IIA、IIIAおよびIVA族金属からなる群から選択される1つ以上のカチオンを有するCO捕捉溶媒が提供されている。
【0013】
本発明の上述の態様の好ましい形態において、可溶性塩のカチオンは、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Raからなる群から選択される1つ以上の元素のカチオンであり、アニオンは元素F、Cl、Br、I、AtのアニオンおよびNO、SO2−、OH、PO3−およびHCOまたは他の水溶性対アニオンからなる群から選択される一つまたは複数のアニオンである。
【0014】
添加剤は、塩の溶液、純粋な固体、複数の塩の不均質な固体混合物または水性塩(水中に溶解した塩)の混合物であってもよい。添加剤は、添加される時点で結晶質、粉末状、溶融または任意の他の状態であってもよい。塩はまた、水和した結晶質固体として添加されてもよく、すなわち塩は結晶水を含む固体である。塩は、例えばNa(x)K(1−X)Clなどの混合固体塩として添加されてもよい。塩は、アンモニア水溶液のバルク量に添加するための水と混和できる溶媒中に溶解させられてもよい。本発明の好ましい形態において、水溶性塩は、0.1〜5%wtそして最も好ましくは1〜3%wtの濃度まで添加される。
【0015】
CO捕捉のために使用されるアンモニア水溶液の濃度は、0.1%wt〜40%wtの濃度範囲内にある。添加剤の唯一の目的は、発電所の燃焼排ガス中に含まれているCOの吸収時点で気相に移送される溶解したアンモニアの量を削減することにある。アンモニアは唯一のCO捕捉溶媒であってもよいし、または他の溶媒と配合されてもよい。これらの他の溶媒には、配合溶媒中のアンモニア濃度より低い任意の濃度で、任意のCO捕捉アミンが含まれていてもよい。一部の適切な一般的捕捉溶媒の化学的構造を以下で提示する。

【0016】
詳細には、追加の溶媒は、MEA(モノエタノールアミン)、DEA(ジエタノールアミン)、AMP(2−アミノ−2−メチルプロパノール)、MDEA(メチルジエタノールアミン)およびPZ(ピペラジン)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、ジグリコールアミン(DGA)、およびジ−イソプロパノールアミン(DIPA)およびその2つ以上のものの配合物からなる群から選択される。配合溶媒中のこれらの溶媒の濃度は配合溶媒中のアンモニア濃度よりも低い。したがって、配合溶媒を使用してもよい状況において、溶媒中のアンモニア濃度は20〜40%wtの範囲内にある。
【0017】
本発明の塩の好ましい形態において、カチオンは、バリウム、セシウムまたはルビジウムからなる群から選択されるカチオンから選択される1つ以上のものであり、アニオンは塩化物、PO3−または硝酸塩である。
【0018】
文脈上別段の必要性がある場合を除いて、本明細書中で使用される「含む(comprise)」という用語、およびその変形形態、例えば「comprising」、「comprises」および「comprised」は、さらなる添加剤、構成成分、整数またはステップを排除するようには意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、10%wtのアンモニア水およびさまざまな添加剤を含む150mlの溶液の上の平衡ヘッドスペース圧力のグラフである。
【図2】計算結果(表1a)を示す。
【図3】計算結果(表1b)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明人らの目的は、アンモニアに添加した場合に溶液の沸点を上昇させ、かくして二成分共沸効果を介してNH損失を減少させることになる添加剤を発見することにある。この作業の中で、モデル系CHCOOH−NH(熱安定塩)、MEA−NH、トリス(THAM)−NH、Na−NHおよびHCO−NHについての計算が行われた。
【0021】
計算方法
相対水素結合強度についてはB3LYP/6−31++G(d、p)がうまく機能し、生成された熱化学値は通常は実験結果の10kJ/molの範囲内にあり、したがって、この場合にはそれを使用した。0.9806というScott/Radom係数を用いて、ゼロ点エネルギーをスケーリングし、分配関数に対する振動エントロピーの寄与を1.0015でスケーリングした。結果は全て、298.15Kの温度についてである。ガウス03プログラムを用いてG3レベルで実施されるNa−NHの計算を除いて、Docklands、VICにあるSGI−AltixマルチノードDDIシステム上で実行されるGAMESSソフトウェアを計算に使用した。計算結果は表1(a)および1(b)に示されている。
【0022】
表1(a)および1(b)中の数字を用いて、以下の反応のエネルギーを計算することができる:
X−NH→X+NH
【0023】
これらの数字は表2に示されている。
【0024】

【0025】
次にこれらの値を用いて、以下の式から平衡定数を計算することができる:
G=−RT.In(Keq
【0026】
これらの数値は表3中に含まれている。
【0027】

【0028】
以上を見ればわかるように、予想通り、静電結合は強い気相結合であり、溶液相においてさえ充分会合錯体に向かって平衡が存在する。CHCOOおよびNHを形成するためのCHCOOH−NHについての気相電荷分離は、CHCOO−NHをこれらの生成物へ分離するために実質的エネルギー(表2(a)および2(b)参照)ひいては大きなエンタルピー値を必要とする。CHCOOH−NHについての気相双極子間相互作用は、約40kJ/molの強度を有する。
【0029】
調査されたアルカノールアミンのうち、MEAはトリスヒドロキシメチルアミノメタンと同程度に強い相互作用をアンモニアと形成するが、平衡定数(298K)はトリスがアンモニアの錯化にやや有利に作用する可能性があることを示唆している。
【0030】
明らかに、ナトリウムカチオンが錯化に対し最強の有利な作用を及ぼし、一方HCOは解離生成物に有利に作用する(ヒドロキシル基水素は全く酸性ではない)。
【0031】
全体にわたり、錯体形成が好まれる場合およびこれが平衡定数に反映される場合、その結果として揮発度の減少と共により高い溶媒沸点が観察されることになると推測されている。
【0032】
この情報に基づくと、MEAは、アンモニアの揮発度の減少においてまさにトリスと同様に作用するはずである。
【0033】
この情報に基づくと、0.01%〜10%wtの濃度範囲の水溶性塩が溶液中のアンモニアの揮発度を抑制するのに適するものである。蒸気圧抑制に有利に作用する可溶性塩としては、VIIA族元素のアニオンおよびNO、SO2−、OH、PO3−およびHCOからなる群から選択される1つ以上の対アニオンまたは他の水溶性対アニオンと共にIA、IIA、IIIAおよびIVA族金属からなる群から選択される1つ以上のカチオンを有する可溶性塩が含まれる。これらには具体的に、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Raからなる群から選択される元素のカチオンおよび、元素F、Cl、Br、I、AtのアニオンおよびNO、SO2−、OH、PO3−およびHCOからなる群から選択されるアニオンまたは他の水溶性対アニオンを有する1つ以上の可溶性塩が含まれる。
【0034】
アンモニアの揮発度を抑制する上での可溶性塩の有効性を評価するために、以下の実験を実施した。
【実施例】
【0035】
VLE測定のための実験的手順
NH水溶液および蒸気抑制剤については、抑制剤を添加した結果として、抑制が発生している場合に平衡ヘッドスペース圧力は(抑制剤が全く添加されない場合の平衡溶液と比べて)低くなる。
蒸気抑制%=(Pno suppress−Psuppress)/Pno suppress×100
【0036】
いくつかの可溶性塩の蒸気抑制を評価するために実験を行ない、図1に結果を示す。なお図中、Run B=BaCl;Run C=CsCl;Run R=RbCI;Run A=アンモニアおよびRun THAM=トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、(HOCHCNHである。
【0037】
これらの実験では、Parr圧力反応装置、一部の圧力センサー、ガス管路、熱電対、制御ソフトウェアおよび水浴で構成された蒸気−液体平衡装置が使用される。
【0038】
反応装置に、10%wtのアンモニアとイオン性固体として添加された1%wtの可溶性塩で構成された150mlの溶液を満たした。溶液温度を平衡化させ、その間システムを反復的に排気し窒素でフラッシングして試料から空気をパージした。最後に、ヘッドスペースを排気し;平衡に達するまで液体より上の(ヘッドスペース内の)圧力を記録した(Δρ、ΔT=0 圧力/温度は少なくとも1時間恒常にとどまる)。
【0039】
値を記録した。次に、同じ条件下で水溶液を査定した(水溶液を分析する場合に基線を補正するため)。
【0040】
図1は、10%wtのアンモニア水とさまざまな添加剤を含む150mlの溶液より上の平衡ヘッドスペース圧力のグラフである。図1の結果を精査すると、値が低くなればなるほどNHの抑制は有利になる。絶対圧力値はいずれも、0〜20barの範囲を有する送信機で測定されたことから無意味である。相対値が重要である。y軸の値は、センサーの圧力読取り値と(気圧計を用いて測定された)実際の実験室圧力の差に等しい。水蒸気分圧は2.3〜3.2kPa(0.02〜0.03atm)である。実験は室温で行ない、70時間までで終わっているグラフ(図の凡例中の星印)は、測定値に対して実験室温度の変動が及ぼす効果を明らかにしている。
【0041】
CsClについての平均値=0.153atm
水の分圧について修正された値=0.123〜0.133atm(平均=0.128atm)
アンモニアにつての平均圧力値=0.218atm
水の分圧について修正された値=0.188〜0.198atm(平均=0.193atm)
CsClによる平均蒸気抑制34%(範囲=29〜38%)
【0042】
およそ0.254atmの絶対圧力における水平な直線は、3回の反復的なアンモニア水でのラン、つまりランC、ランBおよびランRの平均である。結果は、添加剤C=塩化セシウム、B=塩化バリウム、R=塩化ルビジウムに起因する明らかな蒸気抑制効果を実証している。5時間後に達した平衡圧力は、添加剤無しの10%wtのアンモニア水について達成された平均平衡圧力よりも低いものである。
【0043】
本明細書中で開示され定義された発明が、本文または図面に言及されているまたはそこから明白である個別の特徴の2つ以上の全ての代替的組合せにまで拡大されることが理解される。これらの異なる組合せの全てが、本発明のさまざまな変形態様を構成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1%w/w〜40%w/vのアンモニア濃度を有するアンモニア水溶液と;
前記CO捕捉溶媒に基づいて0.01%〜10%wtの濃度範囲での可溶性塩と;
を含むCO捕捉溶媒であって、前記水溶性塩が、VIIA族元素のアニオン、NO、SO2−、OH、PO3−およびHCOからなる群から選択される対アニオンと共に、IA、IIA、IIIAおよびIVA族金属からなる群から選択されるカチオンを有することを特徴とするCO捕捉溶媒。
【請求項2】
請求項1に記載の捕捉溶媒において、前記可溶性塩の前記カチオンが、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Raのカチオンからなる群から選択され、前記アニオンが元素F、Cl、Br、I、AtのアニオンおよびNO、SO2−、OH、PO3−およびHCOからなる群から選択されることを特徴とする捕捉溶媒。
【請求項3】
請求項2に記載の捕捉溶媒において、前記カチオンがバリウム、セシウムまたはルビジウムのカチオンから選択されることを特徴とする捕捉溶媒。
【請求項4】
請求項2に記載の捕捉溶媒において、前記アニオンが塩化物、硝酸塩またはPO3−であることを特徴とする捕捉溶媒。
【請求項5】
請求項1または3に記載の捕捉溶媒において、前記水溶性塩が0.1〜5%wtの濃度まで添加されることを特徴とする捕捉溶媒。
【請求項6】
請求項1または3に記載の捕捉溶媒において、前記水溶性塩が1〜3%wt濃度まで添加されることを特徴とする捕捉溶媒。
【請求項7】
請求項1または3に記載の捕捉溶媒において、配合溶媒を形成するため、MEA(モノエタノールアミン)、DEA、ジエタノールアミン、AMP(2−アミノ−2−メチルプロパノール)、MDEA(メチルジエタノールアミン)およびPZ(ピペラジン)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、ジグリコールアミン(DGA)、およびジ−イソプロパノールアミン(DIPA)およびその配合物からなる群から選択される1つ以上の追加の溶媒をさらに含み、1つまたは複数の前記追加の溶媒の前記濃度が前記配合溶媒中のアンモニアの前記濃度よりも低いことを特徴とする捕捉溶媒。
【請求項8】
CO含有気体流からCOを除去する方法であって、
前記CO含有気体流をCO捕捉溶媒溶液と接触させるステップであって、CO捕捉溶媒は、0.1%w/v、v/v/ w/w〜40%w/vのアンモニアを含むアンモニア水溶液と、前記CO捕捉溶媒に基づいて0.01%〜10%wtまたはv/vまたはw/vの濃度範囲の可溶性塩とを含み、前記可溶性塩が、VIIA族元素のアニオンおよびNO、SO2−、OH、PO3−およびHCOからなる群から選択される1つ以上の対アニオンと共に、IA、IIA、IIIAおよびIVA族金属からなる群から選択される1つ以上のカチオンを有するステップと;
前記CO含有気体流由来のCOを、前記アンモニア溶液中に吸収させるステップと;
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記可溶性塩の前記カチオンが、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Raからなる群から選択される1つ以上の元素のカチオンであり、前記アニオンが元素F、Cl、Br、I、AtのアニオンおよびNO、SO2−、OH、PO3−およびHCOからなる群から選択される1つ以上のアニオンであることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法において、前記カチオンがバリウム、セシウムおよびルビジウムのカチオンからなる群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法において、前記アニオンが塩化物、硝酸塩またはPO3−であることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項8または10に記載の方法において、前記水溶性塩が0.1〜5%wtの濃度まで添加されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項8または10に記載の方法において、前記水溶性塩が1〜3%wtの濃度まで添加されることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項8または10に記載の方法において、配合溶媒を形成するため、MEA(モノエタノールアミン)、DEA、ジエタノールアミン、AMP(2−アミノ−2−メチルプロパノール)、MDEA(メチルジエタノールアミン)およびPZ(ピペラジン)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、ジグリコールアミン(DGA)、およびジ−イソプロパノールアミン(DIPA)およびその配合物からなる群から選択される追加の溶媒をさらに含み、前記配合溶媒中の前記追加の溶媒の前記濃度が前記配合溶媒中のアンモニアの前記濃度よりも低いことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−519514(P2013−519514A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553154(P2012−553154)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【国際出願番号】PCT/AU2011/000182
【国際公開番号】WO2011/100806
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(511307096)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼーション (4)
【Fターム(参考)】