説明

蒸気排出装置

【課題】蒸気排出装置では、炊飯器、湯沸かし器のように使用電力が異なる二種類の蒸気
発生器具を収納部の左右に収納し、収納部に設けたそれぞれの電源コンセントに差し込ん
で使用されるが、この電源コンセントは、炊飯器用コンセントと、湯沸かし器用コンセン
トとして指定されているのが一般的であり不便である。本発明は左右いずれのコンセント
にも炊飯器と湯沸かし器を接続可能とし、且つ同時通電させた場合、炊飯器での炊き上げ
途中に家庭のブレーカが遮断状態になることを避けるものである。
【解決手段】第1・第2のコンセントに炊飯器と湯沸かし器が接続可能とし、湯沸かし器
が接続された回路に電流遮断器を接続するように切り替える手動切り替え装置を設け、炊
飯器と湯沸かし器が同時使用された場合、炊飯器での炊き上げ途中に家庭のブレーカが遮
断する電流状態となったとき、湯沸かし器の電源を遮断し炊飯器の通電は継続すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納部へ炊飯器、湯沸かし器等の蒸気発生を伴う器具を収納して使用するよ
うに構成した蒸気排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
収納部へ蒸気発生を伴う調理器具を収納して使用するように構成した収納庫において、
収納部内の左側に炊飯器、右側に電気保温ポットが設置されて通電使用されるものがあり
、収納部内の天井面の左側と右側には、それぞれ上方へ窪んだ凹状空間があり、この左側
の凹状空間には正方形環状の蒸気吸込口が形成され、右側の凹状空間には長方形環状の蒸
気吸込口が形成され、これら蒸気吸込口の上方にはそれぞれ吸込み口8a、8bを形成し
た三角形状のダクトが配置され、このダクトの前端部に単一の遠心式送風機が配置され、
送風機の運転によって各蒸気吸込口から吸い込んだ蒸気が、各吸込み口8a、8bからダ
クトへ吸い込まれ、前面の蒸気排気口から排出されるものがある。(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−195764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の蒸気排出装置では、炊飯器、湯沸かし器等のように、使用電力が異なる二種類
の蒸気発生器具を収納部の左右に収納し、収納部に設けたそれぞれの電源コンセントに差
し込んで使用されるが、この電源コンセントは、炊飯器用コンセントと、湯沸かし器用コ
ンセントとして指定されているのが一般的である。このため、使用者は、それを記憶する
か、使用前に確認する必要があり面倒である。
【0004】
本発明はこのような点に鑑み、左右いずれの位置にも炊飯器と湯沸かし器を収納可能と
し、且ついずれのコンセントに炊飯器と湯沸かし器を接続してもよいように切換手段を設
ける。そして、炊飯器と湯沸かし器が同時使用された場合、炊飯器での炊き上げ途中に家
庭のブレーカが遮断する状態になったときは、炊き上げ不良となるが、本発明は、湯沸か
し器の電源を遮断して、炊飯器の通電は継続することにより、炊き上げ不良が生じないよ
うに制御する技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明の蒸気排出装置は、使用電力が異なる二種類の蒸気発生器具が収納設置される
収納部と、前記二種類の蒸気発生器具から発生する蒸気を前記収納部に開口した蒸気吸い
込み口から吸い込んで蒸気排出口から前記収納部外へ排出する蒸気排出ファンと、前記収
納部に設けられた第1電源コンセントと、前記収納部に設けられた第2電源コンセントと
、前記第1電源コンセントと前記第2電源コンセントの両方を流れる電流を検出する電流
検出部と、前記一方の電源コンセントの電力ラインを遮断するように接続した電流遮断器
と、前記電流遮断器に前記第1電源コンセントを接続するか前記第2電源コンセントを接
続するかの手動切り替え装置と、前記電流検出部の検知に基づき動作する制御部とを備え
、前記二種類の蒸気発生器具の両方が前記第1及び第2電源コンセントのいずれかにそれ
ぞれ接続された状態で、前記制御部は、前記電流検出部の検出に基づく電力が家屋に設置
したブレーカが遮断動作するときの電流以上またはそれを超えるとき、前記電流遮断器を
作動させることを特徴とする。
【0006】
第2発明の蒸気排出装置は、使用電力が異なる二種類の蒸気発生器具が収納設置される
収納部と、前記二種類の蒸気発生器具から発生する蒸気を前記収納部に開口した蒸気吸い
込み口から吸い込んで蒸気排出口から前記収納部外へ排出する蒸気排出ファンと、前記収
納部に設けられた第1電源コンセントと、前記収納部に設けられた第2電源コンセントと
、前記第1電源コンセントと前記第2電源コンセントの両方を流れる電流を検出する電流
検出部と、前記一方の電源コンセントの電力ラインを遮断するように接続した電流遮断器
と、前記電流遮断器に前記第1電源コンセントを接続するか前記第2電源コンセントを接
続するかの切り替え装置と、前記電流検出部の検知に基づき前記電流遮断器を作動させる
制御部を備え、前記二種類の蒸気発生器具の両方が前記第1及び第2電源コンセントのい
ずれかにそれぞれ接続された状態で、前記制御部は、前記電流検出部の検出に基づき前記
二種類の蒸気発生器具のうち使用電力の小さい方の蒸気発生器具が接続された電源コンセ
ントへ前記直列回路が接続状態となる状態に前記切り替え装置を制御すると共に、前記電
流検出部の検出に基づく電力が家屋に設置したブレーカが遮断動作するときの電流以上ま
たはそれを超えるとき前記電流遮断器を作動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
第1発明は、左右いずれの位置にも使用電力が異なる二種類の蒸気発生器具を収納可能
とし、ブレーカが遮断する電流状態となったことを速やかに検出して、一方の蒸気発生器
具の電力供給ラインは残して他方の蒸気発生器具の電力供給ラインを遮断するようにする
ため、炊飯器の炊き上げ途中のように、通電途中で電力供給を断ったら困る器具の救済が
できるものとなり、蒸気排出装置の使用性が向上すると共に、安全稼動ができるものとな
る。
【0008】
第2発明は、左右いずれの位置にも炊飯器と湯沸かし器を収納可能とし、且ついずれの
コンセントに炊飯器と湯沸かし器を接続してもよいようにするために、いずれのコンセン
トに使用電力の小さい器具である湯沸かし器が接続されているかを検出して切り替え装置
によって、電流遮断器が湯沸かし器の通電回路に接続された状態とし、炊飯器と湯沸かし
器が同時使用された場合、炊飯器での炊き上げ途中に家庭のブレーカが遮断する状態にな
ったときに、速やかに湯沸かし器の電源を遮断して、炊飯器の通電は継続することにより
、炊き上げ不良が生じないように制御できる。このため、蒸気排出装置の使用性が向上す
ると共に、安全稼動ができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の蒸気排出装置は、使用電力が異なる二種類の蒸気発生器具が収納設置される収
納部と、前記二種類の蒸気発生器具から発生する蒸気を前記収納部に開口した蒸気吸い込
み口から吸い込んで蒸気排出口から前記収納部外へ排出する蒸気排出ファンと、前記収納
部に設けられた第1電源コンセントと、前記収納部に設けられた第2電源コンセントと、
前記第1電源コンセントと前記第2電源コンセントの両方を流れる電流を検出する電流検
出部と、前記一方の電源コンセントの電力ラインを遮断するように接続した電流遮断器と
、前記電流遮断器に前記第1電源コンセントを接続するか前記第2電源コンセントを接続
するかの手動切り替え装置と、前記電流検出部の検知に基づき動作する制御部とを備え、
前記二種類の蒸気発生器具の両方が前記第1及び第2電源コンセントのいずれかにそれぞ
れ接続された状態で、前記制御部は、前記電流検出部の検出に基づく電力が家屋に設置し
たブレーカが遮断動作するときの電流以上またはそれを超えるとき、前記電流遮断器を作
動させるものであり、本発明の実施例を以下に記載する。
【実施例1】
【0010】
本発明の実施形態について説明する。図1は本発明に係る蒸気排出装置の正面斜視図、
図2は本発明に係る蒸気排出装置の手動切り替えスイッチ方式の制御回路図である。
【0011】
これらの図において、1は本発明の蒸気排出装置を示しており、蒸気排出装置1の機体
2は、炊飯器、湯沸かし器等の蒸気発生器具が左右に収納設置される前面開口の収納部(
収納室)3を備え、収納部(収納室)3の上部に位置するように、機体2の上部に蒸気排
出ユニットJUが取り付けられている。蒸気排出ユニットJUは、収納部(収納室)3の
天井部を形成するように機体2に取り付けらており、その前面に化粧パネル4が設けられ
ている。蒸気排出ユニットJUは、上面等の外壁を形成する外殻板51と収納部(収納室
)3の天井面を形成する天井板5との間に、各種ダクト及び蒸気排出ファン9を備えた蒸
気排出通路8を形成し、収納部(収納室)3内の蒸気を収納部(収納室)3の天井面に形
成した蒸気吸い込み口6から吸い込み、この蒸気排出通路8を通して化粧パネル4に形成
した蒸気排出口7から収納部(収納室)3外へ排出する構成である。また収納部(収納室
)3内の壁(図では背壁面)には、炊飯器や湯沸かし器等の蒸気発生器具11の電源用と
して電源コンセント10が取り付けられている。実施例では、使用電力が異なる二種類の
蒸気発生器具として、湯沸かし器11Aと湯沸かし器11Aに比して使用電力が大きい炊
飯器11Bを示しており、そのため、電源コンセント10は、左右に第1電源コンセント
(差し込み口)10Aと、第2電源コンセント(差し込み口)10Bを有する二口用の電
源コンセント10を採用している。
【0012】
化粧パネル4内にはマイクロコンピュータ式の制御部12が収納され、化粧パネル4の
前面には操作パネル13があり、操作パネル13には、蒸気排出装置1の電源の入/切(
ON/OFF)スイッチ部14と、動作モード選択スイッチ部15と、自動標準モードの
表示部16と、自動長時間モードの表示部17と、手動モードの表示部18と、優先動作
モードの表示部19と、これらの下方に動作状態を表示する横長のインジケータ20が設
けられている。各表示部16、17、18、19はそれぞれ1個のLEDの点灯で表示さ
れる構成であり、インジケータ20は、複数のLEDが直線状に横一列に配置された構成
である。これらのスイッチ部14、15、及び各表示部16、17、18、19、及びイ
ンジケータ20は、それぞれ制御部12に電気的に接続され、蒸気排出ファン9も制御部
12に電気的に接続されている。
【0013】
図2において、21は電力会社から家屋へ供給される家屋用電源であり、22は家屋に
設けられたブレーカである。23は電流遮断器(電流遮断リレー)であり、後述のように
、第1電源コンセント10Aと第2電源コンセント10Bのうちの一方の電源コンセント
に接続された蒸気発生器具11の通電回路を遮断するものであり、制御部12によって通
電が制御される。24は第1電源コンセント10Aと第2電源コンセント10Bに接続さ
れた蒸気発生器具11A、11Bの電流を検出する電流検知器であり、電流遮断器(電流
遮断リレー)23と直列回路を構成する。電流検知器24は、蒸気発生器具11A、11
Bの総合電流が1次側コイル24Aを流れ、この電流によって2次側コイル24Bに生じ
る電流または電圧が制御部12に入力されて、制御部12が動作する。蒸気排出装置1へ
の電源供給は、電源プラグ25Bをコンセント25Aに差し込むことにより得られる。
【0014】
電流遮断器23を第1電源コンセント10Aに接続するか、第2電源コンセント10B
に接続するかの手動切り替え装置26が設けられている。手動切り替え装置26は、電源
コンセント10A、10Bの選択使用を考慮すれば、電源コンセント10の近傍に配置す
るのが好ましいが、蒸気排出装置1のその他の箇所に配置しても差し支えない。手動切り
替え装置26は、切り替えスイッチcを上方の接点aに接続するか、下方の接点bに接続
するかを手動で切り替えるものである。図2のように切り替えスイッチcが下方の接点b
に接続した状態は、ライン27Aが電源コンセント10Aに接続され、ライン27Bが電
源コンセント10Bに接続された状態であり、電流遮断器23がライン27Bによって第
2電源コンセント10Bに接続され、電流検知器24が電源コンセント10A、10Bの
両方を流れる電流を検知する状態である。また、切り替えスイッチcが上方の接点aに接
続した状態は、点線で示すように、ライン27Aが電源コンセント10Bに接続され、ラ
イン27Bが電源コンセント10Aに接続された状態であり、電流遮断器23がライン2
7Bによって第2電源コンセント10Aに接続され、電流検知器24が電源コンセント1
0A、10Bの両方を流れる電流を検知する状態である。
【0015】
このような構成において、電源プラグ25Bを家屋内のコンセント25Aに差し込んだ
状態で、蒸気排出装置1に電源が供給された状態となり、電源コンセント10へ電力が供
給された状態である。この状態で、電源コンセント10の第1差し込み口10Aへ湯沸か
し器11Aの電源プラグを差し込み、第2差し込み口10Bへ炊飯器11Bの電源プラグ
を差し込み、手動切り替え装置26を切り替えスイッチcが上方の接点aに接続した状態
とする。この手動切り替え装置26の操作は、第1差し込み口10Aと第2差し込み口1
0Bへ湯沸かし器11Aと炊飯器11Bを接続する前に行ってもよい。この状態で、電流
遮断器23が第1電源コンセント10Aに接続された状態となり、電流遮断器23の接点
23BはONである(閉じている)。
【0016】
この状態で、電源の入/切(ON/OFF)スイッチ部14を押す操作によってそのス
イッチがONし、その信号が制御部12へ入力され、自動標準モードの表示部16のLE
Dが点灯すると共に、蒸気排出ファン9を運転状態とし、湯沸かし器11Aと炊飯器11
Bへ通電され、湯沸かし器11Aの沸き上げ終了及び炊飯器11Bの炊き上げ終了までは
、湯沸かし器11Aと炊飯器11Bへは大きな電流が流れる状態である。この大きな電流
を電流検知器24が検知し、2次側コイル24Bに生じる電流または電圧が制御部12へ
入力される。湯沸かし器11Aの沸き上げ終了及び炊飯器11Bの炊き上げ終了まで、制
御部12の動作によってこの状態が継続し、発生する多くの蒸気を蒸気排出ファン9によ
って良好に排出する。
【0017】
そして、湯沸かし器11Aの沸き上げ終了にて保温状態になり、電源コンセント10A
を流れる電流が減少する。また、炊飯器11Bの炊き上げ終了にて保温状態になり、電源
コンセント10Bを流れる電流が減少する。電源コンセント10A、10Bを流れる電流
によって2次側コイル24Bに生じる電流または電圧が減少し、これが制御部12に入力
される。蒸気排出ファン9は、制御部12によって予め定めた所定時間(湯沸かし器11
Aの沸き上げ終了間での時間と炊飯器11Bの炊き上げ終了までの時間よりも長い時間)
運転して停止するように制御される。なお、動作モードは動作モード選択スイッチ部15
の操作によって設定された動作モードを選択して、動作させることができる。
【0018】
上記のように、収納部(収納室)3内の左側に湯沸かし器11Aを収納して電源コンセ
ント10の差し込み口10Aへ湯沸かし器11Aの電源プラグが差し込み、収納部(収納
室)3内の右側に炊飯器11Bを収納して差し込み口10Bへ炊飯器11Bの電源プラグ
が差し込み、それらのスタートスイッチをONし、電源の入/切(ON/OFF)スイッ
チ部14をON操作することにより、湯沸かし器11Aが沸き上げ中で、且つ炊飯器11
B炊き上げ中の通電状態にあるとき、何らかの原因により、電流が増大し、ブレーカ22
を流れる電流が所定値オーバー状態となってブレーカ22が遮断動作すれば、炊飯器11
Bでの炊き上げ途中に中断し、炊き上がらずに所謂ブチ飯となることが懸念される。
【0019】
本発明は、これを防止するように構成している。図示しないが制御部12は、電源コン
セント10の電力、即ち電源コンセント10に接続された湯沸かし器11Aと炊飯器11
Bとの総合電力を検知する回路を備えており、電源コンセント10の電力、即ち電源コン
セント10に接続された湯沸かし器11Aと炊飯器11Bを含む総合電力が所定の上限値
(ブレーカ22が遮断動作するための最低電流値に相当する単位がワットの電力であり、
実施例では1480W)未満または以下である場合、インジケータ20の表示の一つとし
て、インジケータ20のLEDを第1発光状態(例えば連続発光状態)とする。この総合
電力が所定の上限値(実施例では1480W)以上の状態を所定時間T6(この時間はブ
レーカ22が遮断するまでの動作時間よりも若干短い時間であり、実施例では10秒に設
定)継続したことが制御部12によって判定されたとき、表示部19のLEDが点灯する
と共に、制御部12によって電流遮断器(電流遮断リレー)23のコイル23Aの通電が
切れてその接点23BがOFFし(開く)、差し込み口10Aの電力ラインをOFFし(
開く)て、湯沸かし器11Aへの電力供給を遮断する。これによって、ブレーカ22を流
れる電流が低下して遮断することが避けられ、電源コンセント10Bに接続された炊飯器
11Bの電力供給が遮断することなく継続する。この状態では、蒸気排出ファン9は運転
を継続しており、インジケータ20の複数のLEDが所定の第2発光状態(例えば1秒間
隔での点滅状態か、更に長い時間間隔での緩やかな点滅状態)となる。
【0020】
次に、収納部(収納室)3内の右側に湯沸かし器11Aを収納して、電源コンセント1
0Bに湯沸かし器11Aを接続し、収納部(収納室)3内の左側に炊飯器11Bを収納し
て、電源コンセント10Aに湯沸かし器11Aよりも電力消費の大きい炊飯器11Bを接
続し、手動切り替え装置26を切り替えスイッチcが下方の接点bに接続した状態とする
。この状態で、電流遮断器23が第2電源コンセント10Bに接続された状態となる。
【0021】
この場合も上記同様に動作し、前記総合電力が所定の上限値(実施例では1480W)
以上の状態を所定時間T6(この時間はブレーカ22が遮断するまでの動作時間よりも若
干短い時間であり、実施例では10秒に設定)継続したことが制御部12によって判定さ
れたとき、表示部19のLEDが点灯すると共に、制御部12によって電流遮断器(電流
遮断リレー)23のコイル23Aの通電が切れてその接点23BがOFFし(開く)、差
し込み口10Bの電力ラインをOFFし(開く)て、湯沸かし器11Aへの電力供給を遮
断する。これによって、ブレーカ22を流れる電流が低下して遮断することが避けられ、
電源コンセント10Aに接続された炊飯器11Bの電力供給が遮断することなく継続する
。この状態では、蒸気排出ファン9は運転を継続しており、インジケータ20の複数のL
EDが所定の第2発光状態(例えば1秒間隔での点滅状態か、更に長い時間間隔での緩や
かな点滅状態)となる。
【0022】
上記によって、左右いずれの位置にも使用電力が異なる二種類の蒸気発生器具11を収
納可能とし、ブレーカ22が遮断する電流状態となったとき、一方の蒸気発生器具の電力
供給ラインは残して他方の蒸気発生器具の電力供給ラインを遮断するようにするため、炊
飯器11Bの炊き上げ途中のように、通電途中で電力供給を断ったら困る器具の救済がで
きるものとなり、蒸気排出装置1の使用性が向上すると共に、安全稼動ができるものとな
る。
【実施例2】
【0023】
図3は実施例2を示しており、本発明に係る蒸気排出装置の手動切り替えリレー方式の
制御回路図である。実施例1と異なるところは、手動切り替え装置26の構成が異なるの
みで、他は同じである。このため、実施例1と同様部分は同一符号を付しており、その説
明は実施例1と同様である。
【0024】
図2の手動切り替えスイッチ方式では、手動切り替え装置26は、切り替えスイッチc
を上方の接点aに接続するか、下方の接点bに接続するかを、手動で切り替えるものであ
るが、図3の手動切り替えリレー方式では、手動切り替え装置26は、切り替えスイッチ
cを上方の接点aに接続するか、下方の接点bに接続するかを、リレーコイル26Aの通
電切り替えで行うものである。即ち、手動スイッチ28をON状態にすることによって、
制御部12を通してリレーコイル26Aに通電され、切り替えスイッチcが上方の接点a
に接続される。また、手動スイッチ28をOFF状態にすることによって、リレーコイル
26Aが非通電となり、切り替えスイッチcが下方の接点bに接続される。図3のように
切り替えスイッチcが下方の接点bに接続した状態は、ライン27Aが電源コンセント1
0Aに接続され、ライン27Bが電源コンセント10Bに接続された状態であり、電流遮
断器23がライン27Bによって第2電源コンセント10Bに接続され、電流検知器24
が電源コンセント10A、10Bの両方を流れる電流を検知する状態である。また、切り
替えスイッチcが上方の接点aに接続した状態は、点線で示すように、ライン27Aが電
源コンセント10Bに接続され、ライン27Bが電源コンセント10Aに接続された状態
であり、電流遮断器23がライン27Bによって第2電源コンセント10Aに接続され、
電流検知器24が電源コンセント10A、10Bの両方を流れる電流を検知する状態であ
る。
【0025】
このような切り替えが行なわれるが、上記同様に、電源コンセント10の第1差し込み
口10Aへ湯沸かし器11Aの電源プラグを差し込み、第2差し込み口10Bへ炊飯器1
1Bの電源プラグを差し込んだ状態では、手動スイッチ28をON状態にすることによっ
て、制御部12を通してリレーコイル26Aに通電され、切り替えスイッチcが上方の接
点aに接続した状態とする。これによって、上記同様に、総合電力が所定の上限値(実施
例では1480W)以上の状態を所定時間T6(この時間はブレーカ22が遮断するまで
の動作時間よりも若干短い時間であり、実施例では10秒に設定)継続したことが制御部
12によって判定されたとき、制御部12によって電流遮断器(リレー)23のコイル2
3Aの通電が切れてその接点23BがOFFし(開く)、差し込み口10Aの電力ライン
をOFFし(開く)て、湯沸かし器11Aへの電力供給を遮断する。
【0026】
また、上記同様に、電源コンセント10の第2差し込み口10Bへ湯沸かし器11Aの
電源プラグを差し込み、第1差し込み口10Aへ炊飯器11Bの電源プラグを差し込んだ
状態では、手動スイッチ28をOFF状態にすることによって、リレーコイル26Aは非
通電となり、切り替えスイッチcが下方の接点bに接続した状態となる。これによって、
上記同様に、総合電力が所定の上限値(実施例では1480W)以上の状態を所定時間T
6(この時間はブレーカ22が遮断するまでの動作時間よりも若干短い時間であり、実施
例では10秒に設定)継続したことが制御部12によって判定されたとき、制御部12に
よって電流遮断器(電流遮断リレー)23のコイル23Aの通電が切れてその接点23B
がOFFし(開く)、差し込み口10Bの電力ラインをOFFし(開く)て、湯沸かし器
11Aへの電力供給を遮断する。
【0027】
手動切り替え装置26の手動スイッチ28は、電源コンセント10A、10Bの選択使
用を考慮すれば、電源コンセント10の近傍に配置するのが好ましいが、蒸気排出装置1
のその他の箇所に配置しても差し支えない。なお、手動スイッチ28の接続位置は、リレ
ーコイル26Aに直接接続するのではなく、図3に点線28Aで示すように制御部12に
入力するように接続し、手動スイッチ28のON、OFFによって、制御部12がリレー
コイル26Aを通電、非通電に制御するようにして、上記同様の動作が得られるようにし
てもよい。
【0028】
これによって、左右いずれの位置にも使用電力が異なる二種類の蒸気発生器具11を収
納可能とし、ブレーカ22が遮断する電流状態となったとき、一方の蒸気発生器具の電力
供給ラインは残して他方の蒸気発生器具の電力供給ラインを遮断するようにするため、炊
飯器11Bの炊き上げ途中のように、通電途中で電力供給を断ったら困る器具の救済がで
きるものとなり、蒸気排出装置1の使用性が向上すると共に、安全稼動ができるものとな
る。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、上記実施例に示した構成に限定されず、種々の形態の蒸気排出装置に適用で
きるものであり、本発明の技術範囲において種々の形態を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る蒸気排出装置の正面斜視図である。(実施例1)
【図2】本発明に係る蒸気排出装置の手動切り替えスイッチ方式の制御回路図である。(実施例1)
【図3】本発明に係る蒸気排出装置の手動切り替えリレー方式の制御回路図である。(実施例2)
【符号の説明】
【0031】
1・・・・・蒸気排出装置
2・・・・・蒸気排出装置の機体
3・・・・・収納部(収納室)
4・・・・・化粧パネル
5・・・・・壁(図では天井壁面)
6・・・・・蒸気吸い込み口
7・・・・・蒸気排出口
9・・・・・蒸気排出ファン
10・・・・電源コンセント
10A・・・第1電源コンセント(差し込み口)
10B・・・第2電源コンセント(差し込み口)
11A・・・湯沸かし器
11B・・・炊飯器
12・・・・制御部
13・・・・操作パネル
14・・・・電源の入/切(ON/OFF)スイッチ部
19・・・・優先動作モードの表示部
20・・・・インジケータ
21・・・・家屋用電源
22・・・・ブレーカ
23・・・・電流遮断器(電流遮断リレー)
24・・・・電流検知器
25A・・・コンセント
25B・・・電源プラグ
26・・・・手動切り替え装置
26A・・・リレーコイル
28・・・・手動スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用電力が異なる二種類の蒸気発生器具が収納設置される収納部と、前記二種類の蒸気
発生器具から発生する蒸気を前記収納部に開口した蒸気吸い込み口から吸い込んで蒸気排
出口から前記収納部外へ排出する蒸気排出ファンと、前記収納部に設けられた第1電源コ
ンセントと、前記収納部に設けられた第2電源コンセントと、前記第1電源コンセントと
前記第2電源コンセントの両方を流れる電流を検出する電流検出部と、前記一方の電源コ
ンセントの電力ラインを遮断するように接続した電流遮断器と、前記電流遮断器に前記第
1電源コンセントを接続するか前記第2電源コンセントを接続するかの手動切り替え装置
と、前記電流検出部の検知に基づき動作する制御部とを備え、前記二種類の蒸気発生器具
の両方が前記第1及び第2電源コンセントのいずれかにそれぞれ接続された状態で、前記
制御部は、前記電流検出部の検出に基づく電力が家屋に設置したブレーカが遮断動作する
ときの電流以上またはそれを超えるとき、前記電流遮断器を作動させることを特徴とする
蒸気排出装置。
【請求項2】
使用電力が異なる二種類の蒸気発生器具が収納設置される収納部と、前記二種類の蒸気
発生器具から発生する蒸気を前記収納部に開口した蒸気吸い込み口から吸い込んで蒸気排
出口から前記収納部外へ排出する蒸気排出ファンと、前記収納部に設けられた第1電源コ
ンセントと、前記収納部に設けられた第2電源コンセントと、前記第1電源コンセントと
前記第2電源コンセントの両方を流れる電流を検出する電流検出部と、前記一方の電源コ
ンセントの電力ラインを遮断するように接続した電流遮断器と、前記電流遮断器に前記第
1電源コンセントを接続するか前記第2電源コンセントを接続するかの切り替え装置と、
前記電流検出部の検知に基づき前記電流遮断器を作動させる制御部を備え、前記二種類の
蒸気発生器具の両方が前記第1及び第2電源コンセントのいずれかにそれぞれ接続された
状態で、前記制御部は、前記電流検出部の検出に基づき前記二種類の蒸気発生器具のうち
使用電力の小さい方の蒸気発生器具が接続された電源コンセントへ前記直列回路が接続状
態となる状態に前記切り替え装置を制御すると共に、前記電流検出部の検出に基づく電力
が家屋に設置したブレーカが遮断動作するときの電流以上またはそれを超えるとき、前記
電流遮断器を作動させることを特徴とする蒸気排出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−82334(P2009−82334A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254481(P2007−254481)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302071092)テガ三洋工業株式会社 (244)
【Fターム(参考)】