説明

蒸気養生建築材料ブロックを分離する装置

本発明は、互いに分離方向(8)に駆動可能な少なくとも1つの第1のU字型ヨーク装置(2)と少なくとも1つの第2のU字型ヨーク装置(3)とを有し、前記ヨーク装置(2,3)は、ヨークバー(10,50)と、アーム対(17,51)を形成するとともに、互いに分離される2つの建築材料ブロック(6a)を保持する保持装置(41,71)に接続されるアーム(17a,17b,51a,51b)とをそれぞれ有する建築材料成形物(6)の蒸気養生建築材料ブロック(6a)を分離する装置に関するものであり、前記アーム(17a,17b,51a,51b)は、対応するヨークバー(10,15,16,50,52,53)に対して横方向(11)に移動できるように取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気養生の前の切断により成形物に分割された建築材料ブロック、特に泡コンクリートまたは起泡コンクリートブロックを蒸気養生後に分離する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
実績のある分離装置がドイツ特許公報DE19905988A1で知られている。しかしながら、公知の装置は、加圧装置の加圧ジョーの間の把持幅に関して、加圧装置の加圧ジョーを作動するピストン/シリンダユニットを伸ばすことができる距離に限定されており、分離装置では建築材料ブロック幅の非常に限られた部分のみを処理できるにすぎなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、この公知の分離装置を改良し、事実上すべての共通建築材料ブロック幅を分離処理することができ、分離中はヨーク状要素のそれぞれの閉鎖システム力の範囲内で常に対称的な力の分布が存在するようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴によって達成される。本発明の有利な発展改良は、従属請求項に記載されている。
【0005】
ドイツ特許公報DE10063278C1は、異なる幅の泡コンクリートブロックを分離するように構成された分離装置を開示している。この分離装置は、入口に配置され、下方から泡コンクリートブロックを持ち上げるためのリフト装置と組み合わされた固定ヨーク状要素を有している。加圧ジョーは、少なくとも泡コンクリートブロックの一方と、横方向に移動可能かつブロック可能な中間部分と、ヨーク状要素内の水平受動ガイドとで作動シリンダにより正確にサポートされる。中間部分はそれに関する限りヨーク状要素でサポートされる。中間部分が両側に設けられていても、中間部分は互いに独立して動作するので、この中間部分はヨーク状要素に不均一な力の分布を生じさせる。この中間部分の方法は、ドイツ特許公報DE19905988A1で知られる分離装置には用いることができない。
【0006】
以下、図面を参照して本発明の一例をより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係る蒸気養生建築材料ブロックを分離する装置(図1および2)(以下、分離グリッパー1という)は、下方に開放された少なくとも1つの第1のトンネル状U字型外側ヨーク装置2と、下方に開放された少なくとも1つの第2のトンネル状U字型内側ヨーク装置3とを備えている。ヨーク装置2,3は、下方に開放されたトンネル4を形成しており、トンネル4内には、キュアリングトレイ5上に配置された泡コンクリートケーキまたは泡コンクリート成形物6が内部に垂直直立状態で配置されている。
【0008】
泡コンクリート成形物6は水平分離ジョイント7を有しており、泡コンクリート成形物6は、キュアリングトレイ5上に互いに積み重ねられた多数の泡コンクリートブロック6aからなる。それぞれの泡コンクリートブロック6aは、泡コンクリート成形物6の養生の後に互いに部分的に焼結され、泡コンクリートブロック6aを単純に持ち上げて互いに引き離すことはできず、分離ジョイント7の面に垂直な方向の分離力によって互いに分離しなければならなくなっている。ここで、端部崩壊を避けるためには、分離方向8が分離ジョイント7の分離面から正確に垂直な方向にあり、それぞれの泡コンクリートブロック6が互いに分離されるときに、分離ジョイント面における泡コンクリートブロック6aのずれがないことが特に重要である。
【0009】
本発明に係る分離グリッパー1は、第1のヨークトンネルを形成する少なくとも1つの外側ヨーク装置2、好ましくは多数の、特に5個から10個の外側ヨーク装置2と、第2のヨークトンネルを形成する少なくとも1つの内側ヨーク装置3、好ましくは多数の、特に5個から10個の内側ヨーク装置とを有している。第1のヨークトンネルと第2のヨークトンネルは、縦トンネル方向12に揃えられ、トンネル4を形成している。設けた外側および内側ヨーク装置2,3の数は、重ねられた2つの泡コンクリートブロック6aが互いに分離方向8に分離される泡コンクリート成形物6の長さに本質的に依存している。
【0010】
外側ヨーク装置2はそれぞれヨークバーとしてのクロスバー10と、アーム対17を形成するアーム17a,17bとを有している。クロスバー10は、分離ジョイント7の分離面と平行に横方向11に延びている。クロスバー10は、縦トンネル方向12に沿って均一の間隔で並んでいる。外側ヨーク装置2のクロスバー10は、クロスバー10の上面13で縦トンネル方向12に延びる2つの縦サポート14に固定されており、縦サポート14は、クロスバー10とともに、クロスバー10をクロスメンバとする固定クロスメンバ型フレームを形成している(図2参照)。
【0011】
クロスバー10は、本質的に下方、すなわちトンネル4の方向に開放された中空ボックスとして構成され、その中空ボックスの内部にはクロスバー10の一端から他端まで横方向11に平行にスライドロッド15が延びている。高レベルの安定性を与えるために、このスライドロッド15に、その長さの中程まで中空ボックス10との関係でさらにサポートを設けてもよい。このスライドロッド15上には、横方向11に移動可能な、アーム17a,17bの上端にそれぞれ接続された滑動スリーブ16が据えつけられている(図1参照)。
【0012】
アーム17a,17bは、それぞれクロスバー10との関係で滑動スリーブ16を介して横方向11に移動できるようにスライドロッド15上に取り付けられる。それぞれの場合において、1つのクロスバー10と1つのアーム対17とが、下方に開放され、アーム17a,17b間の間隔を調整可能なU字型ヨーク装置2を形成している。
【0013】
少なくとも1つのクロスバー10は、軸受ブロック18内に回転可能に設けられたケーブルプーリー19を介してガントリークレーン21のリフト機構20に接続されている。ケーブルプーリー19の軸受ブロック18は、便宜上、縦サポート14に固定されている。ガントリークレーン21は、好ましくは、クレーンウェイ23上を横方向11に平行な方向22に移動できるように構成されている。以下により詳細に述べるように、ガントリークレーン21により分離グリッパー1の全体を横方向11に平行な方向22に移動することができ、リフト機構20により分離方向8に平行なリフト方向24に上昇および降下させることができる。
【0014】
あるいは、分離グリッパー1は、単にリフト方向24に移動できるようにスタンド(図示せず)に固定的に取り付けられる。
【0015】
いずれの場合においても、クロスバー10に付属する2つのアーム17a,17bは、駆動装置としての油圧シリンダ30を介して横方向11に互いに接続されている。さらに、いずれの場合も、アーム対17の第1のアーム17aは第1のラック31に接続されており、アーム対17の第2のアーム17bは第2のラック32に接続されている。ラック31,32は、アーム17aおよび17bから分離グリッパー1の縦中央面33に向かってそれぞれ横方向11に延びている。ラック31および32は、縦中央面33の部分でピニオン34に連結されており、アーム17aおよび17bが縦中央面33に対してそれぞれ対称に配置され、油圧シリンダ30の作動時に、常に縦中央面33に対して対称に同期してスライドロッド15に沿った方向11に移動するように互いに係合している。ピニオン34はクロスバー10に取り付けられる。このように、2つのラック31および32およびピニオン34は、ヨーク装置2の2つのアーム17a,17bに対する対称および同期移動を保証する同期装置を形成している。これにより、どのような動作状態であっても、必ず分離グリッパー1の縦中央面33に対してアーム17a,17bが対称に配置される。
【0016】
すべてのヨーク装置2は、好ましくは、アーム17bの上端部分にさらにラック35、すなわち同様に横方向11に延びるラックセグメント35を有している。これらのラック35のそれぞれは、すべてのクロスバー10に取り付けられる同期化シャフト37にピニオン36を介して接続されており、多数のヨーク装置2が縦トンネル方向12に並んでいる場合に、油圧シリンダ30を介して常にこれらのヨーク装置のアーム17aまたは17bを互いに同期して駆動することができる。このように、各ヨーク装置2のラック35およびピニオン36および同期化シャフト37は、異なる外側ヨーク装置2のアーム17bの同期移動を保証する同期化装置を形成している。縦中央面33に対称的な第2のアーム17bの同期的な役割は、ヨーク装置2内の同期装置32,31,34を介して行われる。
【0017】
アーム17a,17bの自由端40の部分には、例えば、ピストンロッド42を有する油圧ピストン/シリンダユニットとして構成された加圧装置41が設けられている。ピストンロッド42は、加圧装置41から離れるように分離グリッパー1の縦中央面33の方向に向けられている。ピストンロッド42の自由端には、泡コンクリートブロック6aの自由側面44に対して相互作用することができる、すなわち、反対側に位置する加圧装置41とともに泡コンクリートブロック6aを固定するために自由側面44に押圧可能な加圧パッド43が配置されている。加圧装置41は、好ましくは、油圧ダブルシリンダ装置であり、加圧パッド43は、好ましくは、加圧ストリップとして構成される。アーム17aまたは17bの各自由端40には、少なくとも1つの加圧ユニット41が割り当てられる。
【0018】
第2の内側ヨークトンネルは、少なくとも1つの内側ヨーク装置3、好ましくはクロスバー50と、アーム51a,51bを備えたアーム対51とをそれぞれ有する多数の内側ヨーク装置3を有している。内側ヨーク装置3のアーム51a,51bを有するクロスバー50が、2つの外側ヨーク装置2の2つのクロスバー10と2つのアーム対17の間の空間に配置される。このように、多数の内側ヨーク装置3は、縦トンネル方向12に沿った外側ヨーク装置2の間で入れ子にされている。ヨーク装置3のクロスバー50は、その自由端で、アーム17a,17bの外側を縦トンネル方向12に走る縦サポート52に接続される。
【0019】
このように、クロスバー50および縦サポート52は、はしご型フレームを形成しており、対応するヨーク装置2のアーム17a,17bは、2つのクロスバー50の間の空間(図2参照)を通して係合している。すべての外側ヨーク装置2およびすべての内側ヨーク装置3はともに、湾曲して切断された泡コンクリート成形物6が内部に配置されるトンネル4を形成している。ここで、外側ヨーク装置2および内側ヨーク装置3は、力に関して互いに完全に分離されており、一方が他方の入れ子になっている。
【0020】
クロスバー10と本質的に同様に、クロスバー50は、トンネル4の方向に下方に開放された中空ボックスとして構成され、その中空ボックスの内部にはクロスバー50の一方の自由端から他方の自由端までスライドロッド52が延びており、高レベルの安定性を与えるために、スライドロッドに、その長さの中程まで中空ボックスとの関係でさらにサポートを設けてもよく、アーム51a,51bは、滑動スリーブ53により横方向11に移動できるようにスライドロッド上に取り付けられる。アーム17a,17bと類似の方法により、2つの両側のアーム51a,51bは、駆動装置としての油圧シリンダ54により横方向11で連結されている。さらに、アーム17a,17bと同様に、アーム51a,51bは、第1のラック55と、第2のラック56と、油圧シリンダ54の作動時に、アーム51a,51bが縦中央面33に対して対称に横方向11に移動するようにクロスバー50に取り付けられたピニオン57とを有する同期装置に同期的に連結されている。
【0021】
外側ヨーク装置2の同期化装置35,36,37と類似の方法により、第2のヨークトンネルのヨーク装置3は、すべてのクロスバーに取り付けられ、アーム51bの1つに接続されるラック62に接続されたピニオン61がその上に配置される同期化シャフト60に連結されている。その結果、すべてのヨーク装置3を、縦トンネル方向12に沿って互いに均等かつ同期的に調整することができる。
【0022】
アーム17a,17bと類似の方法により、ピストンロッド72および加圧パッド73を有するピストン/シリンダ装置として構成される加圧装置71がアーム51a,51bの自由端70に設けられている。分離グリッパー1がどのような動作状態であっても、内側ヨーク装置3の加圧装置71は、外側ヨーク装置2の加圧装置41の垂直上方に設けられる。
【0023】
アーム17a,17bおよび51a,51bの自由端40,70の部分には、2つの隣接するヨーク装置2,3を分離グリッパーの端部で横方向11および縦方向12に互いに機械的にガイドするガイド装置75がそれぞれ設けられている。例えば、ガイド装置75は、滑動ガイドとして構成され、2つの滑動ガイドの全長が必要とされるように分離グリッパーの端部に配置される。
【0024】
分離方向8においては、外側ヨーク装置2のヨークトンネルおよび内側ヨーク装置3のヨークトンネルは、それぞれの外側で少なくとも1つの油圧ピストン/シリンダ装置80に、特に側面ごとに5つの油圧ピストン/シリンダ装置80に連結されている。例えば、油圧ピストン/シリンダユニット80は、複動装置であり、動作線が互いに揃っている予備リフトシリンダ81と分離シリンダ82を有している。ここで、予備リフトシリンダ81は、分離シリンダ82よりも大きなストロークを有している。予備リフトシリンダ81により、内側ヨーク装置3に対して外側ヨーク装置2の垂直方向位置を予めセットすることができる(いわゆる予備リフト)。これにより、加圧装置41と加圧装置71との間の垂直方向の空間を予めセットすることができる。分離シリンダ82により、外側ヨーク装置2を内側ヨーク装置3に対して所定の距離だけ分離方向8に移動させることができる。
【0025】
好ましい実施形態によれば、アーム17bのすべての自由端40とアーム17aのすべての自由端40は、それぞれ縦トンネル方向12に走る縦サポート100によって接続されている。同様に縦トンネル方向12に連続的に走るレール102によってその自由端縁で接続されたウェブプレート101が縦サポート100から垂直下方かつ内方に延びている。ウェブプレート101は、外側ヨーク装置2の加圧装置41用のマウントとしての役割を有する。この手段は、クロスバー10の部分および自由端40の部分の双方において、多数の外側ヨーク装置2が所定の方法で互いに離隔するように固定されて、安定的なボックス構造が形成されるという利点を有する。
【0026】
特に、ヨークの構成を変更することなく、順次加圧ユニット間の幅と空間をブロックの寸法に適合させることができるので有利である。外側ヨーク装置2と類似の方法により、第2の内側ヨーク装置3のアーム51aのすべての自由端70とアーム51bのすべての自由端70は、縦トンネル方向12に沿って延びる縦サポート104によって互いに接続されている。同様に、内側ヨーク装置3の加圧装置71を保持するウェブプレート105が縦サポート104からまたはその下面から延びている。この手段も、多数の内側ヨーク装置3を本質的に安定したねじれ剛性の高いボックス構造にするものである。
【0027】
分離グリッパー1の機能を以下に説明する。第1の例においては、油圧シリンダ54および30を用いて、内側ヨーク装置3と外側ヨーク装置2の内側の幅を、処理される泡コンクリートブロック6の幅よりも大きな幅に予め設定する。アーム51a,51b,17a,17bの移動距離は、都合のよいことに、電子距離計測装置を介して測定され、モニターされ、調整および/または制御される。同期装置31,32,34および55,56,57は、すべてのアーム17a,17b,51a,51bが縦中央面33に対して対称となることを保証する。同期化装置35,36,37および60,61,62は、外側ヨーク装置2のすべてのアームと内側ヨーク装置3のすべてのアームが互いに縦トンネル方向12に揃うことを保証する。
【0028】
分離グリッパー1は、互いに対向する加圧装置41と70の間のトンネル4の内部に泡コンクリート成形物6が配置されるように、ガントリークレーン21により垂直方向に位置決めされる。ここで、分離グリッパー1は、加圧装置41、すなわちその加圧パッド43が第1の泡コンクリートブロック6aの自由側面44に対向するように位置決めされる。そして、予備リフトシリンダ81を用いて、加圧装置71が第1の泡コンクリートブロック6aの上方に位置する第2の泡コンクリートブロック6aの適切な自由面に対向するように垂直に位置するように、内側ヨーク装置3を外側ヨーク装置2に対して垂直に分離方向8に移動させる。
【0029】
この後、好ましくは成形物ごとに1回、油圧シリンダ30および54を用いて、加圧装置41,71がそれぞれの泡コンクリートブロック6aを確実に把持できるように、アーム対17および51の内側の幅を予め設定する。そして、ピストンロッドおよび/または加圧装置41,71の加圧パッドが油圧により伸ばされ、それぞれの関連する泡コンクリートブロック6aが固定される。この泡コンクリートブロック6aが固定される間中ずっと、アーム対17,51を互いの間隔に関して抑制しておくのがよい。このために、作動シリンダ30,54が油圧によりブロックされる。そして、分離シリンダ82が左右同時に作動され、加圧装置71および41は互いに分離方向8に離れ、これにより把持された泡コンクリートブロック6aは、その間に位置する分離ジョイント7に沿って互いに垂直かつ正確に分離される。このように泡コンクリートブロック6aが分離されると、分離シリンダ82が負荷開放および/または退縮され、垂直方向上方にある泡コンクリートブロック6aが再び垂直方向下方にある泡コンクリートブロック6aの上に置かれる。その後、加圧ユニット41,71が退縮され、ガントリークレーン21が分離グリッパー1全体を次のレベルに持ち上げ、加圧装置41が底から2番目の泡コンクリートブロック6aに対応し、内側ヨーク装置3の加圧装置71が該ブロックの上側に位置する3番目の泡コンクリートブロック6aに対して相互作用可能となる。この時点から上述した分離プロセスが繰り返される。なお、工程を逆の方向、すなわち上部から底に向かって行うことがよい場合もある。
【0030】
特に、本発明に係る装置の場合、本発明に係る装置を、種々の方法により異なる寸法、特に処理される、すなわち分離される泡コンクリートブロック6aの幅に予め設定できることが有利な点である。これは、ヨークアーム対17および51を横方向11に移動可能に設けることにより実現され、トンネル4の内側の幅を広い範囲内で設定することができる。また、そのためのサポートが必要になるような外方向に作用するモーメントが生じないように、加圧および分離操作中に生じる力がヨーク装置2,3に対称に与えられることも有利な点である。これにより、経費のかかる外部サポート手段をなくすことができるので、例えば、ガントリークレーンを用いて分離グリッパー1を吊り下げた状態で作動することができる。
【0031】
例えば、さらにブロックを処理するためにキュアリングトレイ5から直接木製パレットおよび/または搬送装置(例えば搬送ローラ)上に泡コンクリートブロックを搬送および再積み上げするために、移動するクレーンに吊り下げられたグリッパーを利用できる点で、ドイツ特許公報DE10063278C1にはない顕著な効果が実現される。これは、対応する把持アームを有する付加的な移動クレーンをなくすものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明に係る蒸気養生建築材料ブロックを分離する装置の機能図を模式的に示すものである。
【図2】図2は、本発明に係る装置の一実施形態の斜視図を示すものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに分離方向(8)に駆動可能な少なくとも1つの第1のU字型ヨーク装置(2)と少なくとも1つの第2のU字型ヨーク装置(3)とを有し、前記ヨーク装置(2,3)は、ヨークバー(10,50)と、アーム対(17,51)を形成するとともに、互いに分離される2つの建築材料ブロック(6a)を保持する保持装置(41,71)に接続されるアーム(17a,17b,51a,51b)とをそれぞれ有する建築材料成形物(6)の蒸気養生建築材料ブロック(6a)を分離する装置であって、前記アーム(17a,17b,51a,51b)は、対応するヨークバー(10,50)に対して横方向(11)に移動できるように取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項2】
ヨーク装置(2,3)の前記アーム(17a,17b,51a,51b)は、前記アーム(17a,17b,51a,51b)が前記装置(1)の縦中央面(33)に関して対称に移動することができるように、同期装置(31,32,34,55,56,57)により連結されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
複数のヨーク装置(2,3)の前記それぞれのアーム(17b,51b)は、同期化装置(35,36,37,60,61,62)を介して連結されることを特徴とする請求項1および/または2に記載の装置。
【請求項4】
前記泡コンクリート成形物(6)は、その間に分離ジョイント(7)が配置される泡コンクリートブロック(6a)により構成され、前記泡コンクリートブロック(6a)はキュアリングトレイ(5)の上に積み重ねられることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項5】
多数のヨーク装置(2)が第1のヨークトンネルを形成し、多数のヨーク装置(3)が第2のヨークトンネルを形成し、前記2つのヨークトンネルの一方が他方の入れ子になってトンネル(4)を形成していることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のヨーク装置(2)は、前記ヨークバーとしてのクロスバー(10)を有し、前記クロスバー(10)は前記分離ジョイント(7)の分離面と平行に横方向(11)に延びることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記ヨーク装置(2)の前記クロスバー(10)は、縦トンネル方向(12)に沿って均一の間隔で並び、前記クロスバー(10)は、前記クロスバー(10)の上面(13)で縦トンネル方向(12)に延びる縦サポート(14)によって接続され、前記縦サポート(14)は、前記クロスバー(10)とともに固定クロスメンバ型フレームを形成することを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記クロスバー(10)は、下方に開放された中空ボックスとして構成され、該中空ボックスの内部には前記クロスバー(10)の一端から他端まで横方向(11)と平行にスライドロッド(15)が延びていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記スライドロッド(15)上には、横方向(11)に移動可能でそれぞれ前記アーム(17a,17b)の上端に接続される滑動スリーブ(16,17)が配置されていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つのクロスバー(10)は、軸受ブロック(18)内に回転可能に取り付けられたケーブルプーリーを介してガントリークレーン(21)のリフト機構(20)に接続されることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記ガントリークレーン(21)は、好ましくは、横方向(11)に平行な方向(22)に移動可能なことを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記蒸気養生建築材料ブロックを分離する装置(1)、すなわち分離グリッパー(1)は、前記リフト機構(20)により分離方向(8)に平行なリフト方向(23)に上昇および降下可能であることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項13】
前記分離グリッパー(1)は、単にリフト方向(24)に上昇および降下可能なようにスタンドに固定的に取り付けられるか、または、前記分離グリッパー(1)は、高さ方向に固定されるようにスタンドに固定され、キュアリングトレイ(5)による前記成形物(6)の必要なリフト移動(24)がリフト装置により行われることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項14】
クロスバー(10)に付属する2つのアーム(17a,17b)は、駆動装置としての油圧シリンダ(30)を介して横方向(11)に互いに接続されることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項15】
第1のアーム(17a)が第1のラック(31)に接続され、第2のアーム(17b)が第2のラック(32)に接続され、それぞれのラック(31,22)は横方向(11)に延び、前記クロスバー(10)に取り付けられたピニオン(34)により連結されることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項16】
前記連結は、前記アーム(17a,17b)が縦中央面(33)に対して対称に配置され、スライドロッド(15)に沿って縦中央面(33)に対して対称に移動可能となるようになされることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項17】
すべての前記ヨーク装置(2)は、一方のアーム(17b)の上端部に横方向(11)に延びるラック(35)をさらに有し、それぞれのラック(35)はすべてのクロスバー(10)に取り付けられた同期化シャフト(37)にピニオン(36)を介して接続されて同期化装置(35,36,37)が形成されていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項18】
前記アーム(17a,17b)の自由端(40)の部分には、ピストンロッド(42)を有する油圧ピストン/シリンダユニットとして構成された加圧装置(41)が設けられ、前記ピストンロッド(42)は前記加圧装置(41)から離れるように前記分離グリッパー(1)の縦中央面(33)の方向に向けられていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項19】
前記ピストンロッド(42)の自由端には、泡コンクリートブロック(6a)の自由側面(44)に対して相互作用することができる加圧パッド(43)が配置されていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項20】
前記加圧装置(41)は油圧装置、特に複動シリンダにより構成されることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項21】
アーム(17a,17b)の各自由端には、少なくとも1つの加圧ユニット(41)が割り当てられることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項22】
前記第2の内側ヨークトンネルは、クロスバー(50)とアーム(51a,51b)を備えたアーム対(51)とを有する少なくとも1つのヨーク装置(3)を有していること特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項23】
内側ヨーク装置(3)のアーム(51a,51b)を有するクロスバー(50)が、2つの外側ヨーク装置(2)の2つクロスバー(10)と2つのアーム対(17)の間の空間に配置され、前記多数の内側ヨーク装置(3)は、前記外側ヨーク装置(2)の間で縦トンネル方向(12)に沿って入れ子構造になっていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項24】
前記ヨーク装置(3)の前記クロスバー(50)は、その自由端で前記アーム(17a,17b)の外側を縦トンネル方向(12)に走る縦サポート(52)により接続され、前記クロスバー(50)および前記縦サポート(52)がはしご型フレームを形成していることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項25】
ヨーク装置(2)の前記アーム(17a,17b)は、2つのクロスバー(50)の間の空間を通して係合していることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項26】
前記外側ヨーク装置(2)および前記内側ヨーク装置(3)は、力に関して互いに完全に分離されていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項27】
前記クロスバー(50)は、前記トンネル(4)の方向に下方に開放された中空ボックスとして構成されており、該中空ボックスの内部には前記クロスバー(50)の一方の自由端から他方の自由端までスライドロッド(15)が延びており、前記アーム(51a,51b)は、滑動スリーブ(53)によって横方向(11)に移動できるように前記スライドロッド上に取り付けられることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項28】
前記アーム(51a,51b)は、油圧シリンダ(54)により横方向に連結されていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項29】
前記アーム(51a,51b)は、第1のラック(55)と第2のラック(56)とピニオン(57)とを有する同期装置により同期的かつ対称的に連結されており、前記ピニオン(57)は前記クロスバーに取り付けられることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項30】
第2のヨークトンネルの前記ヨーク装置(3)は、同期化シャフト(60)により連結され、同期シャフト(60)上には前記アーム(51b)の1つに接続されたラック(62)に連結されたピニオン(61)が配置され、前記同期化シャフト(10)はすべてのクロスバーに取り付けられることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項31】
前記アーム(51a,51b)の自由端(70)には、ピストンロッド(72)および加圧パッド(73)を有するピストン/シリンダ装置として構成された加圧装置(71)が設けられていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項32】
前記内側ヨーク装置(3)の加圧装置(71)は、前記外側ヨーク装置(2)の加圧装置(41)の垂直方向上方に設けられていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項33】
アーム(17a,17b,51a,51b)の自由端(40,70)の部分には、それぞれ2つの隣接するヨーク装置(2,3)を互いに横方向(11)および縦方向(12)に機械的にガイドするガイド装置(75)が設けられ、特にそのうちの1つは前記分離グリッパー(1)の端部に設けられていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項34】
前記ガイド装置(75)は、滑動ガイドとして構成されていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項35】
前記外側ヨーク装置(2)のヨークトンネルおよび前記内側ヨーク装置(3)のヨークトンネルは、それぞれ外側で少なくとも1つの油圧ピストン/シリンダ装置(80)に連結され、この油圧ピストン/シリンダ装置(80)は分離方向(8)に平行な動作方向に作動することを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項36】
前記油圧ピストン/シリンダ装置(80)は、動作線が互いに揃っている予備リフトシリンダ(81)と分離シリンダ(82)とを有する複動ピストン/シリンダユニットであることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項37】
前記予備リフトシリンダ(81)は、前記分離シリンダ(82)よりも大きなストロークを有していることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項38】
前記アーム(17a,17b)の自由端(40)は、縦トンネル方向(12)に走る縦サポート(100)によって接続され、縦トンネル方向(12)に連続的に走るレール(102)によってその自由端縁で接続されたウェブプレート(101)が、前記縦サポート(100)から垂直下方かつ内方に延びていることを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。
【請求項39】
前記ウェブプレート(101)は、前記外側ヨーク装置(2)の加圧装置(41)用のマウントとしての役割を有することを特徴とする先行する1以上の請求項に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2007−522963(P2007−522963A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553555(P2006−553555)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001718
【国際公開番号】WO2005/080056
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(506285035)ゼラ ポレンベトン ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【氏名又は名称原語表記】XELLA PORENBETON HOLDING GMBH
【住所又は居所原語表記】Hornstr.3, 80797 Munich, Germany
【Fターム(参考)】