説明

蒸着装置

【課題】本発明の目的は、蒸着装置内部に基板を支持する基板補助支持部を具備して基板の垂れ現象を防止する蒸着装置を提供することである。
【解決手段】本発明は、基板支持手段を具備する蒸着装置において、前記基板支持手段は、チャンバ内部で、前記チャンバ内部に搬入される基板の搬入方向と一致する基板の側辺を支持する基板支持部と、前記基板支持部で支持されない基板の他の側辺を支持する基板補助支持部と、を含んでいる蒸着装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸着装置に関し、より詳細には、基板の垂れ現象を防止するための蒸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、基板支持手段を含む蒸着装置を示す斜視図である。
図1を参照すれば、基板支持装置100はチャンバ110と、前記チャンバ110内部でチャンバ110内部に搬入される基板140の二つの辺を支持する基板支持部120を含む。
【0003】
基板支持部120は、チャンバ110外部に具備された器具部130によって昇降移動を繰り返すことができる。
【0004】
基板支持部120を利用して基板140を支持する方法をよく見れば、チャンバ110内部に基板140が搬入される前に器具部130を利用して基板支持部120を下降させる。チャンバ110内部で基板140が搬入されれば、基板支持部120を利用して基板140を載置させる。以後、基板支持部120を上部方向に上昇させる。
【0005】
より具体的に、基板支持部120は、チャンバ110の下部面と対向される基板140の一辺及び一辺と向い合う他辺の底面を支持する。すなわち、基板140の二つの辺は、基板支持部120によって載置された形態で支持される。
【0006】
しかし、上述のように基板支持部が基板140の二つの辺のみ支持するようになれば、大面的基板を全体的に均一に支持することができないという問題が発生する。すなわち、基板140が大面的化されれば、基板140自体の荷重が増加されて基板140の中央領域が参照符号Aのように垂れるという問題がある。
【特許文献1】大韓民国特許公開第10−2003−0095580号明細書
【特許文献2】大韓民国登録実用第0385699号明細書
【特許文献3】日本特許公開第2003−017255号明細書
【特許文献4】日本特許公開第2003−017258号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は上記問題等を解消するために導出された発明で、本発明は蒸着装置内部に基板を支持する基板補助支持部を具備して基板の垂れ現象を防止する蒸着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を果たすための本発明の一側面によれば、本発明の蒸着装置は基板支持手段を含む。ここで、基板支持手段は、チャンバ内部で、前記チャンバ内部に搬入される基板の搬入方向側辺を支持する基板支持部及び前記基板支持部で支持されない基板の他の側辺を支持する基板補助支持部を含む。
【0009】
この時、前記基板補助支持部は、前記基板の少なくとも一側辺を支持する支持台、及び前記支持台を上部または下部に移動させる駆動部を含むことができる。
【0010】
前記支持台は、前記基板の底面と接触する支持片が具備された固定片、及び前記固定片と駆動部を連結する連結台を含むことができる。この時、前記連結台は前記基板の両側辺へ延長された一対の構造体も可能である。また、前記固定片は前記連結台に接続され、複数から成ることができる。
【0011】
また、前記基板補助支持部は、前記基板の側辺を支持する第1基板補助支持部、及び前記第1基板補助支持部と対向されて位置し、前記基板の同じ側辺を支持する第2基板補助支持部を含むことができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、蒸着装置内部に基板を支持する基板補助支持部がさらに形成されて基板のすべての辺が支持されることができる。これによって、基板の垂れ現象を防止し、基板が全体的に均一に支持されることができる。
また、基板の垂れ現象を防止して基板前面に合着されるマスクのアレイは、工程時間を減少させることができ、基板上に薄膜を形成する場合、生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図2は、本発明の第1実施例による基板支持手段を含む蒸着装置を示す斜視図であり、図3は本発明の第1実施例による基板支持部及び基板補助支持部の配置関係を図示した底面図である。
【0014】
図2及び図3を参照すれば、本発明の実施例による蒸着装置200は、基板支持手段を含む。ここで、前記基板支持手段はチャンバ210内部に、前記チャンバ210内部に搬入される基板260の搬入方向と一致する基板の側辺を支持する基板支持部220、及び前記基板支持部220で支持されない基板260の他の側辺を支持する基板補助支持部240を含む。
【0015】
基板支持部220は、チャンバ210外部に具備された器具部230によって昇降移動を繰り返して遂行することができる。基板支持部220は、昇降移動によってチャンバ210内部に搬入される基板260を支持することができる。ここで、基板260は四つの辺で構成されて、説明の便宜上基板260がチャンバ210内に入って行く方向と水平になる基板260の一辺を第1辺261、前記第1辺261に沿って第2辺262、第3辺263、及び第4辺264と定義する。
【0016】
例えば、チャンバ200内部に搬入される基板260の搬入方向と一致する一辺を第1辺261、第1辺261と向い合う辺を第3辺263、チャンバ210内部に搬入される基板260の方向に垂直な基板260の辺を第2辺262、第2辺262と向い合う辺を第4辺264とする。
【0017】
基板支持部220を利用して基板260を支持するためにはチャンバ210外部に具備された器具部230を利用して基板支持部220をチャンバ210下部へ下降させる。チャンバ210内部に基板260が搬入されれば、基板支持部220を上昇させて、基板支持部220上に基板260の底面を載置させる。この時、基板支持部220は基板260の第1辺261と第3辺263を支持する。
一方、基板支持部220の少なくとも一側には基板260を補助支持する基板補助支持部240が具備される。
【0018】
基板補助支持部240は、基板支持部220によって支持されない基板260の他の側辺を支持するための手段であり、本実施例では基板260の第2辺及び第4辺262、264を支持するようにする。
【0019】
基板補助支持部240は、基板260の第2辺及び第4辺262、264を支持する支持台241、及び支持台241を上部または下部へ移動させる駆動部242で成る。また、支持台241は、基板260の第2辺及び第4辺262、264の底面を支持する支持片241c、支持片241cに垂直な方向に形成され、支持片241cに載置された基板260の移動を防止する固定片241b、及び固定片241bと駆動部242を連結する連結台241aを含む。
【0020】
支持片241cはさまざまな形状で形成されることができるが、基板260の底面をより安定的に支持するために板形状で形成する。すなわち、支持片241cは板形状で形成され、基板260を支持片241c上に平坦に安着させることができる。
【0021】
固定片241bは、支持片241cに垂直な方向に形成され、支持片241cの上部方向に固定片241bを突出させて支持片241cに載置された基板260の移動を防止することができる。
【0022】
チャンバ210の外部には、基板補助支持部240を駆動させるための駆動部242が形成される。駆動部242は、支持台241と機械的に結合されて、支持台241を上昇または下降させることができる。
【0023】
また、駆動部242と固定片241bとを連結させるために、駆動部242と固定片241bとの間に連結台241aを形成する。連結台241aは、駆動部242に接続された円筒部材241f、固定片241bと直交する方向に形成された第1スチック部材241d、円筒部材241fと第1スチック部材241dとを連結する第2スチック部材241eで成る。また、連結台241a及び固定片241bは、基板260及び基板260の前面に具備されるマスク(図示せず)と接触されることを防止するために基板260及び基板支持部220のまわりの方向と離隔して形成されることが望ましい。
【0024】
このように、支持台241及び駆動部242は、互いに接続されて一体型に形成されることで、駆動部242を利用して支持片241c及び固定片241bを上昇または下降させることができる。
また、支持片241c、固定片241b、及び連結台241aを含む支持台241は、基板260の第2辺262と第4辺264とを間に置いて互いに同じ構造体で形成されて、基板260の第2辺262と第4辺264を均一に支持することができる。
【0025】
このように、本実施例は、基板補助支持部240を介して基板支持部220に支持されない基板260の第2辺262及び第4辺264を支持して、基板260の4つの辺すべてを均一に支持することができる。
【0026】
これによって、基板260がチャンバ210の下部面へ垂れることを防止することができ、基板支持手段に大面的基板260を載置させることができる。また、基板260の垂れ現象を防止することによって、基板260と合着されるマスクアライン工程時間を減少させることができる。
【0027】
図4Aないし図4Cは、本発明の第1実施例による基板の支持方法を説明するための斜視図である。
【0028】
図4Aを参照すれば、チャンバ210内部の上端に具備された基板支持部220及び基板補助支持部240をチャンバ210の下部方向へ下降させる。この時、基板補助支持部240は基板支持部220よりチャンバ210下部面との離隔距離を短く位置させる。以後、チャンバ210内部で基板260を搬入させるために、基板出入部を開放させる。
【0029】
図4Bを参照すれば、基板260がチャンバ210内部に搬入されれば、基板260を基板支持部220の間に位置させる。以後、器具部230を利用して基板支持部220を昇降させて、基板260を基板支持部220に載置させる。この時、基板支持部220は基板260の第1辺と前記第3辺261、263を支持する。
【0030】
図4Cを参照すれば、基板260の第2辺と第4辺262、264を支持するために、駆動部242を利用して基板補助支持部240を昇降させる。これによって、基板260の第2辺262及び第4辺264は基板補助支持部240によって載置される。このように、蒸着装置200は基板支持部220及び基板補助支持部240を具備して、基板260の四つの辺を支持して基板260の垂れ現象を防止することができる。
【0031】
図5は、本発明の第2実施例による基板支持手段を含む蒸着装置を示す斜視図であり、図6は本発明の第2実施例による基板支持部及び基板補助支持部の配置関係を図示した底面図である。
【0032】
図5及び図6を参照すれば、本発明の蒸着装置300は基板支持手段を含む。前記基板支持手段はチャンバ310内部に、前記チャンバ310内部に搬入される基板360の搬入方向と一致する基板の側辺を支持する基板支持部320、及び前記基板支持部320で支持されない基板360の他の側辺を支持する基板補助支持部340を含む。
【0033】
本発明の第2実施例は第1実施例と全体的に同じであるが、基板360の底面と接触する支持片341cが具備された固定片341bが複数から成り、基板360の第2辺362及び第4辺364が均衡的に支持されることができる。
【0034】
図7は、本発明の第3実施例による基板支持手段を含む蒸着装置を示す斜視図であり、図8は、本発明の第3実施例による基板支持部及び基板補助支持部の配置関係を図示した底面図である。
【0035】
図7及び図8を参照すれば、本発明の蒸着装置400は基板支持手段を含む。前記基板支持手段は、チャンバ410内部に、前記チャンバ410内部に搬入される基板470の搬入方向と一致する基板の側辺を支持する基板支持部420、及び前記基板支持部420で支持されない基板470の他の側辺を支持する基板補助支持部440、460を含む。
【0036】
本発明の第3実施例は、第1実施例と全体的に同じであるが、基板補助支持部を第1基板補助支持部440、及び第2基板補助支持部460で設置する。
【0037】
第1基板補助支持部440は、基板支持部420の右側面に配置されて、基板470の第2辺472及び第4辺474の右側領域を支持する。第2基板補助支持部460は、基板支持部420の左側面に形成されて、基板470の第2辺472及び第4辺474の左側領域を支持する。これによって、基板470の第2辺472及び第4辺474は基板補助支持部によってより安定的に支持されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】基板支持手段を含む蒸着装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例による基板支持手段を含む蒸着装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例による基板支持部及び基板補助支持部の配置関係を図示した底面図である。
【図4A】本発明の第1実施例による基板の支持方法を説明するための斜視図である。
【図4B】本発明の第1実施例による基板の支持方法を説明するための斜視図である。
【図4C】本発明の第1実施例による基板の支持方法を説明するための斜視図である。
【図5】本発明の第2実施例による基板支持手段を含む蒸着装置を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施例による基板支持部及び基板補助支持部の配置関係を図示した底面図である。
【図7】本発明の第3実施例による基板支持手段を含む蒸着装置を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3実施例による基板支持部及び基板補助支持部の配置関係を図示した底面図である。
【符号の説明】
【0039】
210 チャンバ
220 基板支持部
230 器具部
240 基板補助支持部
250 駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持手段を具備する蒸着装置において、
前記基板支持手段は、チャンバ内部で、前記チャンバ内部に搬入される基板の搬入方向と一致する基板の側辺を支持する基板支持部と、
前記基板支持部で支持されない基板の他の側辺を支持する基板補助支持部と、
を含むことを特徴とする蒸着装置。
【請求項2】
前記基板補助支持部は、
前記基板の少なくとも一側辺を支持する支持台と、
前記支持台を上部または下部に移動させる駆動部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項3】
前記支持台は、
前記基板の底面と接触する支持片が具備された固定片と、
前記固定片と駆動部とを連結する連結台を含むことを特徴とする請求項2に記載の蒸着装置。
【請求項4】
前記連結台は、前記基板の両側辺へ延長された一対の構造体であることを特徴とする請求項3に記載の蒸着装置。
【請求項5】
前記固定片は、前記連結台に接続され、複数から成ることを特徴とする請求項3に記載の蒸着装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項の蒸着装置において、
前記基板補助支持部は、
前記基板の側辺を支持する第1基板補助支持部と、
前記第1基板補助支持部と対向されて位置し、前記基板の同じ側辺を支持する第2基板補助支持部を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の蒸着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−62608(P2009−62608A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277825(P2007−277825)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】