説明

蓄熱暖房器

【課題】 蓄熱体を熱源として温風の送風と、ハウジングの外装パネルから放熱する蓄熱暖房器について、冬期間における暖房性能を低下させることがなく、しかも端境期における熱効率を低下させずに無用の放熱を防止することができる蓄熱暖房器の提供。
【解決手段】 ハウジング1の内部に収容された蓄熱体と、蓄熱体を加熱するヒータとを具備した蓄熱暖房器Aにおいて、ハウジング1の外装パネルの放熱面を覆う遮蔽手段であるカーテン部材6を有し、放熱面から室内へ放出される熱量制御をカーテン部材6によって行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば深夜電力を利用して蓄熱し、蓄熱体から熱を放射することによって暖房を行う蓄熱暖房器に関する。
【背景技術】
【0002】
電力会社では、昼間と夜間の電力負荷の平準化を図るため、深夜電力時間帯を設け、電力単価を割安に設定するサービスを行っている。そこで、この深夜電力サービスを利用してサービス時間中に蓄熱体を加熱して熱を蓄えておき、暖房が必要なときに蓄熱体から室内へ熱を放出させて暖房することが行われている。

【0003】
一般に、この種の蓄熱暖房器では本体ハウジング内に熱を蓄える蓄熱体(蓄熱ブロックなど)と、この蓄熱体を加熱するヒータと、蓄熱体に通風して温風を室内へ送るファンと、蓄熱体を包囲する断熱材と、蓄熱体の温度が上限を超えるとヒータをオフにする制御部などを備えて構成されている。制御部は、深夜電力時間帯になるとヒータをオンにして蓄熱体に熱を蓄え、昼間の使用時に蓄熱体から断熱材を介して本体ハウジングの外装パネル側からの放射並びに自然対流によって放熱させるとともに、ファンを作動させて蓄熱体に通風し、温風を発生させるように制御することにより暖房を行っている。また、本体ハウジングの外装パネルのうち、特に前面パネル側は、蓄熱体との間に介在する断熱材を薄くしておき、火傷をしない程度の温度(例えば80°C前後)に上昇させ、室内を暖める際に十分な放射熱伝達量を確保するようになっている。
【0004】
具体的な運転方法としては、真冬の気温の低い日には本体ハウジングの外装パネルからの放熱と、ファンによる温風によって暖房を行い、蓄熱体の蓄熱量は徐々に消費される。そして、深夜電力時間帯になると、蓄熱体に残留している蓄熱量に応じてヒータをオンにする時間が判断され、深夜電力のサービス時間の終了時近傍に向けて蓄熱量が100パーセントとなるように通電制御を行う。一方で、春先のような端境期は昼間の気温に対し、朝方と夕方の気温が低いために朝夕に暖房が必要となるが、昼間は室内に入る日射などによって気温がかなり高くなる。このため、ファンを停止しても本体ハウジングの特に前面パネルからの放熱によって室温が高くなりすぎ、そのため、窓を開放せざるを得なかったりと、エネルギー的には好ましいとはいえない対応を余儀なくされていた。このような端境期での使用を考慮し、暖房器からの放熱をきめ細かく制御し、快適性の維持は勿論、環境負荷の低減なども考慮した対策が望まれている。
【0005】
そこで、蓄熱体と前面パネルとの間における断熱性を高めたり、特開2005−249352号公報(特許文献1)に記載されているように、蓄熱体とハウジングの前面パネル,天面パネルとの間に空気通路を形成し、前面パネルの下部から流入した空気を空気通路に流通させ後面パネルからハウジングの外部に流出させるようにした蓄熱暖房器が知られている。これによれば、暖房器としての基本的な性能を損なうことなく外装パネルからの放熱量を抑制することができ、室内温度が高くなりすぎることを防止することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−249352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の蓄熱暖房器では、蓄熱した熱量の室内への放出は減少するものの、前面パネルや天面パネルへの伝熱量を途中で外部へ放出していることになり、結果的にエネルギーを有効に利用していることにはならない。また、空気断熱層により外装パネルからの単位時間当たりの放熱量(以下、「放熱量」とする)を抑制する構成が採用されていることから、気温の低い真冬に十分な放熱量を確保することができず、特に北海道、東北地方など寒さの厳しい地域では室温を快適に維持することができないという課題があった。

【0008】

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、冬期における暖房効率を低下させることがなく、しかも春先や初秋などの端境期のように昼間の気温が高い時に、外装パネルからの放熱量を無駄が生じないように抑制し、無用な温度上昇を防止して快適な室温が維持できる蓄熱暖房器を提供することを目的とする。また、気温の低い真冬でも十分な暖房性能を確保することが可能な蓄熱暖房器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】

上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ハウジングの内部に収容された蓄熱体と、該蓄熱体を加熱するヒータとを具備した蓄熱暖房器において、前記ハウジングの外装パネルの放熱面を覆う遮蔽手段を有し、該放熱面から室内へ放出される熱量制御を該遮蔽手段によって行うことを特徴としている。

【0010】
請求項2記載の発明は、上記1項において、前記遮蔽手段は、前記外装パネルの放熱面に対し、開閉自在に設置されたシャッタ、又はカーテン部材であることを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の発明は、上記1項又は2項において、前記遮蔽手段に、前記外装パネルの放熱面に対し開閉自在、且つ遮蔽量をコントロールする覆面積可変機構を設け、該覆面積可変機構によって該遮蔽手段による放熱面に対する遮蔽量を可変しうるように構成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項4記載の発明は、上記1項から3項のうち、いずれか1項において、前記遮蔽手段は、前記外装パネルの放熱面に対し、密着状態から一定の間隔を保持しうる位置へ調節可能とするクリアランス調節機構を介して取り付けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項5記載の発明は、上記1項から4項のうち、いずれか1項において、前記遮蔽手段は、前記ハウジングの外装パネルの内部に設置されている断熱材と外装パネル内側との間に配置されていることを特徴としている。
【0014】
請求項6記載の発明は、上記1項から5項のうち、いずれか1項において、前記遮蔽手段は、シート材によって形成され、前記覆面積可変機構は該シート材を巻取り,繰出しするものであることを特徴としている。
【0015】
請求項7記載の発明は、上記2項から6項のうち、いずれか1項において、前記カーテン部材には、プリーツ部が形成され、該プリーツ部の頂部が前記外装パネルに対し接触していることを特徴としている。
【0016】
請求項8記載の発明は、上記1項から7項のうち、いずれか1項において、前記ハウジングの外装パネルと蓄熱体との間に形成した空気層に、低放射率の遮蔽手段を設けたことを特徴としている。
【0017】
請求項9記載の発明は、上記1項から8項のうち、いずれか1項において、前記ハウジングの内部に空気を取り入れる空気取入口と、前記空気取入口と連通しているとともに、前記蓄熱体の内部又は前記ハウジング内における蓄熱体の近傍に形成され、該空気取入口から導入される給気に対し、該蓄熱体の熱を伝達することによって給気を昇温させる熱交換流路と、前記熱交換流路と連通し、前記ハウジングに形成された温風送風口と、前記熱交換流路に空気を導入するとともに、回転数を無段階に可変することが可能な熱交換流路循環用のファンとを具備し、前記熱交換流路を通過した熱交換後の空気を前記温風送風口から吹き出す際に、風量を連続的に可変しうるようにしたことを特徴としている。
【0018】
請求項10記載の発明は、上記1項から9項のうち、いずれか1項において、前記蓄熱体の温度を測定する温度センサを設け、該温度センサの検出温度に基づいて、前記覆面積可変機構によって前記遮蔽手段による放熱面に対する遮蔽量を可変するとともに、前記ファンの回転数を無段階に変化させて室内への放熱量を制御するようにしたことを特徴としている。
【0019】
請求項11記載の発明は、上記1項から10項のうち、いずれか1項において、前記ハウジングの背面側に、複数の断熱空気層、又は断熱空気層と真空層を形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る蓄熱暖房器は、遮蔽手段によって、ハウジングの外装パネルの全面を覆うことで、該外装パネルからの放射と自然対流による放熱を抑制するため、熱効率を低下させずに無用の放熱を防止する効果がある。
また、覆面積可変機構によって遮蔽手段による外装パネルの覆う面積を調節することができ、冬期間には覆面積を縮小させることで、遮蔽手段の断熱材的な機能を消失させることができるため、冬期に暖房効率を低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る蓄熱暖房器の第1の実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】同じく、第1の実施形態における蓄熱暖房器のハウジング並びにカバー体との関係を示す概略斜視図である。
【図3】同じく、第1の実施形態の蓄熱暖房器における内部構造の側面断面図であり、(a),(b),(c)にそれぞれ異なる動作状態が示されている。
【図4】同じく、第1の実施形態の蓄熱暖房器における要部である覆面積可変機構の構成を示す説明図である。
【図5】同じく、第1の実施形態の蓄熱暖房器における制御方法を示すブロック図である。
【図6】同じく、第1の実施形態の蓄熱暖房器における動作と時刻との関係を示すグラフである。
【図7】本発明に係る蓄熱暖房器の第2の実施形態を示す一部分解斜視図である。
【図8】同じく、第2の実施形態の蓄熱暖房器における内部構造の側面断面図であり、(a),(b)にそれぞれ異なる動作状態が示されている。
【図9】本発明に係る蓄熱暖房器の第3の実施形態の要部である覆面積可変機構の構成を示す説明図である。
【図10】本発明に係る蓄熱暖房器の第4の実施形態を示す斜視図であり、(a),(b)にそれぞれ異なる動作状態が示されている。
【図11−1】本発明に係る蓄熱暖房器の第4の実施形態の変形例を示す図であり、(a)が斜視図,(b)が側面図である。
【図11−2】同じく、本発明に係る蓄熱暖房器の第4の実施形態の変形例を示す側面断面図である。
【図12】本発明に係る蓄熱暖房器の第5の実施形態を示す図であり、(a)が斜視図,(b)が側面図である。
【図13】本発明に係る蓄熱暖房器の第6の実施形態を示す側面断面図である。
【図14】本発明に係る蓄熱暖房器の第7の実施形態を示す斜視図である。
【図15】同じく、第7の実施形態における蓄熱暖房器のシャッタを巻き上げた状態を示す斜視図である。
【図16】同じく、第7の実施形態における蓄熱暖房器の側面断面図である。
【図17】同じく、第7の実施形態における蓄熱暖房器から室内へ放熱される放熱量と、蓄熱体の平均温度との関係を示したグラフである。
【図18】本発明に係る蓄熱暖房器の第8の実施形態を示す側面断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る蓄熱暖房器の好適な実施形態につき添付図面に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明に係る蓄熱暖房器の第1の実施形態を示した図である。

【0023】
図1〜図6に示される蓄熱暖房器Aは、ハウジング1、断熱材2、ハウジング1内に熱を蓄える蓄熱体(蓄熱ブロックなど)3、蓄熱体3に通風して温風を室内へ送るファン4等とを備えて構成され、本実施形態の蓄熱暖房器Aは床設置タイプのものである。
ハウジング1は前面パネル1a,天パネル1b,後面パネル1c,側面パネル1d,床面パネル1eで囲まれた直方体状に形成され、ハウジング1の内部には断熱材2で包囲された蓄熱体3が収容されている。ハウジング1の前面パネル1aの下部には、ハウジング1の内部に設置されたファン4によって通風された温風を、室内側に向けて送りだす送風口5が設けられている。

【0024】
第1の実施形態では、外装パネルの放熱面(ハウジング1の前面パネル1a)を覆う遮蔽手段としてのカーテン部材6、覆面積可変機構7をハウジング1に外装している。カーテン部材6はハウジング1の特に放熱量が多い前面パネル1aの全面を覆うことのできる面積を有してシート状に形成されている。遮蔽手段であるカーテン部材6の材質については特に制約はないが、耐熱性,断熱性、低放射率性を有していることが好ましく、例えばナイロン・ビニロン・テトロン・アクリル繊維などの合成繊維、綿・麻・紙などの植物繊維、及び絹・羊毛などの動物繊維、ポリエステル・塩化ビニル樹脂などの高分子化合物、アルミニウム・チタン・ステンレスなどの金属、木製などのものが好適に用いられる。さらにカーテン部材6の材質は、放射率が低く、巻き取り可能な薄膜であることが望ましく、低放射率の物質をカーテン部材6表面に塗布して用いることも可能である。また、カーテン部材6の表側に装飾を施すことにより、美観の向上にも資することができる。

【0025】
覆面積可変機構7はカーテン部材6による前面パネル1aを覆う面積を変更可能とすることによって、前面パネル1aからの放熱量を可変するために設置されるもので、カーテン部材6の一端縁(上端縁)が固定されハウジング1の上部に横幅方向へ延びて配設される巻軸7aと、カーテン部材6の他端縁(下端縁)に取付けられた重りバー7bと、巻軸7aに連結され巻軸7aを正逆方向に回転駆動するモーター7cとからなる。
【0026】
モーター7cは、図4に示されるように、蓄熱暖房器A全体の運転を制御する制御装置8に接続されている。この制御装置8には、図5に示されるように、モーター7cの駆動を操作する手動モータ駆動スイッチ9が接続されている。また、制御装置8には、前記ファン4に加えて蓄熱体3を加熱するヒータ10が接続されているとともに、自動制御を可能にするための温度センサ11,タイマ12,手動自動切換スイッチ13や、各種操作を実行したり表示したりする操作パネル14,表示部15が接続されている。

【0027】
図3に示されるように、覆面積可変機構7は、天板16a,後板16b,側板16cで囲まれてなるハウジング1に、上方から被せられるカバー体16によって支持されている。覆面積可変機構7の巻軸7aは、カバー体16の天板16aの前方端縁付近に配設されて側板16cに回転可能に支持されている。覆面積可変機構7のモーター7bは、カバー体16の側板16cに支持されている。従って、覆面積可変機構7,カバー体16は、ハウジング1に対して一体的に着脱が可能である。この結果、既設の蓄熱暖房器に覆面積可変機構7,カバー体16を簡単に追加設備することが可能である。また、ハウジング1とカバー体16の接合方法は、嵌合やマグネット等で簡単に固定される。

【0028】
以上の第1の実施形態によると、図3(a)に示すように、春秋の暖房端境期に温風の送風を停止した際に、カーテン部材6でハウジング1の前面パネル1aの外側の全面を覆うことで、ハウジング1の前面パネル1aから室内への放射や自然対流による放熱が阻止される。従って、春秋の暖房端境期に無用の放熱を大幅に抑制することができる。また、図3(a)に示す状態では、空気の流通がカーテン部材6,カバー体16の内部に限定されているので、外部に流出する量は微少である。従って、蓄熱体3の熱を無用に逃散させることがなく、熱効率が低下することもない。
ここで、カーテン部材6と前面パネル1aとの間隔は、放射伝熱量と自然対流伝熱量を抑制し、且つ、ハウジング1の奥行を短くした薄型にするには5〜20mmが好ましい。また、前面パネル1aの放熱を大幅に抑制するにはカーテン部材6の放射率を0.4以下、望ましくは0.2以下のアルミ箔等が適している。また、カーテン部材6を複数枚設けると、更に効果を高めることも可能である。

【0029】
また、図3(c)に示すように、冬期間の低温の時期には、カーテン部材6を巻き取ってハウジング1の前面パネル1a外側の全面を送風口5をも含めて開放することで、ハウジング1の前面パネル1aからの放射や自然対流、及び送風口5からの送風による放熱が行われる。従って、冬期の暖房効率の低下を避けることができる。具体的には、冬の気温の低い時期にはカーテン部材6を開放し、深夜電力でほぼ100パーセントに蓄熱した蓄熱体3からの熱を断熱材2,ハウジング1を介して放熱させるとともに、ファン4を回転させ、送風口5から温風を強制放熱することにより、冬の暖房性能を確保することが可能である。
【0030】
一方、春秋の端境期の暖房は、外気温と室温との差に見合う、冬より少ない蓄熱量となるように深夜電力で蓄熱量を制御する。朝方の暖房の必要なときはカーテン部材6を開放し、前面パネル1aからの放射と自然対流のみで暖房する。昼間に室温が上昇し暖房が必要ないときは、前面パネル1aをカーテン部材6によって覆い、前面パネル1aとカーテン部材6との間に空気断熱層を形成し、蓄熱体3からの室内への放熱を抑制する。そして、気温が低下し、再び暖房が必要となる夕方以降は、カーテン部材6を開放して前面パネル1aからの放射と、自然対流によって暖房を行う。つまり、気象情報などを勘案して蓄熱量を決定しておき、当日の室内温度変化に応じてカーテン部材6による前面パネル1aの覆面積を変化させることにより、暖房の負荷変動に対応するようにしたものである。

【0031】
図3(a),(b)の間の移行は、覆面積可変機構7のモーター7bの正逆方向の回転の切換によって、覆面積可変機構7の巻軸7aへのカーテン部材6の巻取り,繰出しによって行われる。なお、カーテン部材6の巻取り,繰出しの際には、覆面積可変機構7の重りバー7bがカーテン部材6にテンションを掛けて捻れ等の発生を防止する。
【0032】
また、図3(a),(b)の間の移行では、図3(b)に示すように、択一的ではなく覆面積可変機構7のモーター7bの回転数の制御によって、カーテン部材6によって前面パネル1aを覆う面積を変更し、適切な放熱量となるように設定することもできる。このような設定を利用すると、前述の温度センサ11,タイマ12との連係で蓄熱体3の温度変化をふまえて、深夜電力サービスのサービス時間中に効率的な蓄熱ができるようにカーテン部材6の覆面積を可変調整することができる。
なお、覆面積可変機構7はカーテン部材6の巻き取り方式に限定されるものではなく、ブラインドシャッタ等のような構造も可能である。また、カーテン部材6を手動で操作する方式も可能である。春秋の端境期の蓄熱暖房器からの放熱が前面パネル1a以外にも問題となる場合には当該パネルをカーテン部材6によって覆うことになる。

【0033】
図7及び図8は本発明に係る蓄熱暖房器の第2の実施形態を示すものである。
第2の実施形態では、第1の実施形態におけるカバー体16を省略して、カーテン部材6をハウジング1の前面パネル1aの内側と断熱材2との間に形成した空気層6aに配置し、覆面積可変機構7をハウジング1の側面パネル1dによって支持するように構成している点が相違している。

【0034】
このような第2の実施形態によれば、低放射率のカーテン部材6,覆面積可変機構7をハウジング1の内部に収容しているため外観をシンプルにすることができる。また、ハウジング1の前面パネル1aからの放射や自然対流による放熱がより蓄熱体3により近い位置で阻止される。従って、春秋の暖房端境期に無用の放熱をより抑制することができ、室温を快適に維持することが可能である。
【0035】
また、カーテン部材6によって覆われる面積を可変する空間6aを前面パネル1aの内側と断熱材2との間に設けたことにより、蓄熱体3から前面パネル1aまでの熱通過率が低減したため、前面パネル1aの表面温度が低下し、春秋の暖房端境期には更に効果を高めるものである。加えて、冬期間における暖房性能を確保するためには断熱材2を薄くしなければならないので、このことがむしろ製造コストの削減に資する。

【0036】
図9は本発明に係る蓄熱暖房器の第3の実施形態を示すものである。
第3の実施形態では、覆面積可変機構7の巻軸7aを縦方向に配設してモーター7cにボールネジ機構7dを連結し、ボールネジ機構7dのナット部でカーテン部材6を横方向に移動させて巻取り,繰出し動作を行うようにしてある。
第3の実施形態によると、縦長のハウジング1の場合にカーテン部材6,覆面積可変機構7の設備が容易になる。

【0037】
図10は、本発明に係る蓄熱暖房器の第4の実施形態を示した図、図11−1,11−2は第4の実施形態の変形例を示した図である。

【0038】
第4の実施形態では、第1の実施形態のカバー体16を採用するとともに、カーテン部材6に、縦プリーツ部17を形成し、放熱量の調節は覆面積可変機構7の巻軸7aへのカーテン部材6の巻き取り、繰り出しにより行うようにしている。
ここで、カーテン部材6に縦プリーツ部17を形成したのは、前面パネル1aとカーテン部材6との間の空気層を多段に分割するとともに、各空気層の気密性を高めて自然対流による放熱量を抑制するためである。

【0039】
また、図11−1に示されるように、水平方向に横プリーツ部18を設け、その横プリーツ部18の頂部18aが前面パネル1aの表面に接するように形成した場合には、高さ方向に連続する空気層を多段に分割することになり、暖められた空気の上昇流をより抑制することができ、自然対流による放熱を防止できる。
一方で、ドラフト力による上昇流を抑制する手段は、プリーツに限定するものではなく、カーテン部材6に空気層を分断する突起を付けてもよい。
【0040】
なお、カーテン部材6については、図11−2(a)表面側に平坦部18bを形成するとともに、裏面側に横プリーツ部18を形成してもよい。この場合は横プリーツ部18の頂部18aが前面パネル1aの表面に接し、且つ裏面側の平坦部18bが、室内側に面することとなる。
さらに、図11−2(b)に示されるようにカーテン部材6を前面パネル1a(外装パネル)と断熱材2の間に設置する際は、前面パネル1aの内側、並びに断熱材2に、その前後の頂部18cを接触させることによって、暖められた空気の上昇流を防止することが可能である。あるいは、頂部18cは、前面パネル1aの内側、断熱材2のうち、いずれか一方にのみ接触するように構成してもよい。
第4の実施形態によれば、カーテン部材6の外観をよりシンプルとすることができるとともに、放熱量のきめ細かなコントロールが可能となる。
【0041】
図12は、本発明に係る蓄熱暖房器の第5の実施形態を示した図である。
同図に示される蓄熱暖房器では、カバー体16に、カーテン部材6がクリアランス調整機構20を介して取り付けられている。クリアランス調整機構20は、ハウジング1の前面パネル1aに対し、カーテン部材6を密着状態から一定の間隔を保持しうる位置へ調節可能とする。図12では、カバー体16に、水平方向に延出する可動軸20A,20A・・を、カバー体16側に取り付けられた支持部20B,20B・・に案内支持させることによって、前面パネル1aとカーテン部材6とのクリアランスを調整しうるようになっている。
【0042】
このように構成した第5の実施形態によれば、カーテン部材6につき、クリアランス調整機構20によって前面パネル1aとの間隔を調節することができる。この結果、冬の気温の低いときには、カーテン部材6を前面パネル1aに密着させて一体化することにより、蓄熱体3からカーテン部材6までの熱抵抗が小さくなり、カーテン部材6の温度は前面パネル1aに近い値となるので、真冬においても放熱量を確保することが可能となり、快適性を維持できる。
【0043】
また、春や秋の端境期では、室温と外気温の差に見合う冬よりも少ない蓄熱量を深夜電力によって蓄熱し、朝方などの暖房の必要な時間帯にカーテン部材6を前面パネル1aに密着させて、カーテン部材6からの放射と自然対流によって暖房を行う。そして、昼間に室温が上昇し、暖房を必要としない時間帯では、クリアランス調整機構20によってカーテン部材6を前面パネル1aに対し一定のクリアランスを隔てて空気断熱層を形成し、蓄熱体3からカーテン部材6との間の断熱性能を高めて、室内への放熱を抑制する。そして、外気温が低下し、再び暖房が必要となる夕方以降は、再びクリアランス調整機構20によってカーテン部材6を前面パネル1aに密着させればよい。
【0044】
なお、図12においては、クリアランス調整機構20のみを図示しているが、覆面積可変機構を同時に設けることにより、前面パネル1aを覆う面積を調節できることに加え、カーテン部材6とのクリアランスの調整を行うことができるようになり、よりきめ細かに室温の変化に対応することが可能となる。
【0045】
図13は、本発明に係る蓄熱暖房器の第6の実施形態を示す側面断面図である。
従来、冬の最大蓄熱量の時、後面パネル1cの温度が40°Cから50°Cになるので、後面パネル1cを壁から5〜10cmほど離して暖房器を設置しているが、一方で、暖房器の設置スペースを少なくする観点から、後面パネル1cを壁に接触させた状態で設置することが望まれている。
【0046】
そこで、第5の実施形態では、図13に示されるように、ハウジング1の後面パネル1cと断熱材2との間には空気層6c(従来より存在する場合もある)を設け、ハウジング1内における後面パネル1cと断熱材2との間に、固定式の低放射率カーテン部材6´を挿入して介在させている。これによって、蓄熱体3から後面パネル1cまでの熱通過率を大幅に低下させることが可能となり、その結果、後面パネル1cの表面温度を室温以下まで低下させることできる。よって、後面パネル1cを壁に接触させた状態で暖房器を室内に設置することが可能となり、蓄熱暖房器の設置に必要なスペースを小さくすることができ、スペース効率の向上に寄与するものである。

【0047】

以上、図示した各実施形態の外に、ハウジング1の前面パネル1aの外側の全面を覆うことができれば、カーテン部材6,覆面積可変機構7の形状,配置を適宜変更することが可能である。また、前面パネル1aの他、例えば、天パネル1bや側面パネル1dをも覆うように構成することも可能である。
さらに、カーテン部材6,覆面積可変機構7をハウジング1の内部,外部の双方に配置することも可能である。
【0048】
図14は本発明に係る蓄熱暖房器の第7の実施形態を示す斜視図である。第7の実施形態では、遮蔽手段として開閉自在なシャッタ30を用い、このシャッタ30によって、放熱面(ハウジング1の前面パネル1a)を覆うように構成している。天板16の前部に設置されているカバー体16の上端部には、前方側へ張り出す収納部16dが設けられ、シャッタ30は収納部16dの内部側に覆面積可変機構7とともに設置され、覆面積可変機構7によって巻き上げ可能となっている。
シャッタ30は鋼板製などの横板30A,30A・・を複数段に亘って組み合わせるとともに、シャッタ30の主要部を構成する横板30A,30A・・の間には、横板30A間を折り畳み可能とする連結部材30B,30B・・が取り付けられ、収納時にはシート状のカーテン部材と同様に、巻き込んだ状態で収納部16d内に収まるようになっている。
【0049】
また、シャッタ30は、カバー体16前部の左右に設けられたガイドレール32,32の内側ガイド部に沿って上下動し、放熱面を所望の開度(遮蔽量)に調節することができるようになっている。カバー体16は、前述したように、ハウジング1に対して一体的に着脱が可能であり、既設の蓄熱暖房器に対し、シャッタ30を覆面積可変機構7とともに追加して設置することが可能である。
なお、図示していないが、ガイドレール32のガイド部に、発泡ウレタンなどのシール材を設置すれば、シャッタ30によって閉塞した場合に、ハウジング1内部の気密性を高めることが可能となるので、熱の放散をより確実に防止することが可能である。
【0050】
図15はシャッタ30を巻き上げることにより前面パネル1aを開放した状態を示す斜視図、図16は側面断面図である。
図15及び図16に示されるように、シャッタ30は、覆面積可変機構7の巻軸7aによって巻き上げ可能に構成され、前述した図4及び図5に示されるモーター7cの回転により、上下に移動することができるようになっている。
運転方法の一例として、図16(a)に示されるように、春秋の暖房端境期には、温風の送風を停止するとともに、シャッタ30によって前面パネル1a外側の全面を覆うことにより、前面パネル1aからの放射や自然対流による室内への放熱を阻止することが可能となる。従って、春秋の暖房端境期に無用の放熱を大幅に抑制することができ、室温を快適な値に維持することができる。
【0051】
また、図16(c)に示すように、真冬の低温の時期は、シャッタ30を完全に巻き上げ、ハウジング1の前面パネル1a外側の全面、並びに送風口5を開放することで、ハウジング1の前面パネル1aからの放射や自然対流、及び送風口5からの送風による放熱を行い、低温となる冬期間の暖房効率の低下を回避することができる。具体的には、シャッタ30を完全に開放し、深夜電力によってほぼ100パーセントまで蓄熱した蓄熱体3から、断熱材2,ハウジング1を介して放熱させるとともに、ファン4を回転させ、送風口5から温風を強制放熱することにより、冬の暖房性能を確保する。
【0052】
一方、春秋の端境期では、例えば朝方の冷え込み時にシャッタ30を開放し、前面パネル1aからの放射と自然対流(ファン4を停止)のみで暖房する等が考えられる。
そして、昼間に日射などによって室温が上昇し、暖房があまり必要ないときは、前面パネル1aをシャッタ30によって覆い、前面パネル1aとシャッタ30との間に空気断熱層を形成し、蓄熱体3からの室内への放熱を抑制する。さらに、再び暖房が必要となる夕方以降は、シャッタ30を開放して前面パネル1aからの放射と、自然対流若しくはファン4により温風を吹き出す強制放熱とによって暖房を行う。
このように、1日における室内の温度変化に応じてシャッタ30による前面パネル1aの覆面積を変化させることにより、暖房の負荷変動に対応するようにしたものである。
図16(a),(b),(c)の間の移行は、覆面積可変機構7のモーター7bの正逆方向の回転の切換によって、覆面積可変機構7における巻軸7aによるシャッタ30の巻取り,繰出しによって行われる。
【0053】
図17は蓄熱暖房器の全外装パネル(底部を除く、表面積約1.4m)から室内への放熱量(W)と、ハウジング1内部に設置されている蓄熱体(蓄熱ブロック)の平均温度(°C)との関係を示したグラフである。図17に示す放熱量(W)は、蓄熱体の温度変化を所定時間毎に計測し、その時の温度と、比熱及び質量とから算出している。
また、シャッタ開度とは、前面パネル1aの開口率を表し、つまりシャッタ30を完全に巻き上げ、前面パネル1aを全て露出させた時を開度100(%)、シャッタ30によって全て覆ったときを開度0(%)と定義する。室内温度は、主として暖房器から室内への放熱量と室内から外気及び隣室等への放熱量とのバランスから決定される。
図17に示されるグラフからは、シャッタ30の開度を100(%)としたときの蓄熱体の温度と、放熱量の各値をプロットした場合、曲線Xの軌跡となった。また、開度50(%)としたきは、曲線Y、開度0(%)としたときは曲線Zという軌跡となることが確認された。このことから、遮蔽手段であるシャッタ30の開度を調節することによって、放熱量を示す曲線を、グラフ上で幅広くシフトさせることが可能になった。
【0054】
さらに本実施形態の構成に加えて、前述した図5に示される制御システムを採用し、シャッタ30の開度のコントロールとともに、熱交換流路循環用のファン4の回転数を、インバータ等を含む制御装置8によって無段階に可変可能として、送風口5から吹き出される温風を連続的に変化させることで、熱量制御を行うことも可能である。
これによって、蓄熱暖房器による放熱量の制御幅の自由度を向上させることが可能となり、暖房器から放熱される熱量を、時間帯や気温の変動に対応させた最適な熱量制御を行うことができる。この結果、蓄熱体の熱量を有効に活用することが可能となり、暖房に必要な消費電力を低減することができ省資源化に寄与する。
【0055】
放熱量の自動制御は、例えば、翌日の気象情報等に基づいて、蓄熱体に蓄える必要熱量を決定し、深夜電力時間帯で蓄熱体を所定の温度まで加熱する。蓄熱体の残熱量は逐一、温度センサによってモニタされており、計測された残熱量を加味した上で、必要な熱量を、制御装置8によって算出し、ヒータの通電時間をコントロールする(特許第2650875号公報参照)。
室温は、温度センサ11によって一定の時間間隔で測定されており、時間的変化から、カーテン部材6又はシャッタ30の覆面積と、ファン4の回転数とを決定して夫々を制御することにより放熱量をコントロールし、所望の室温に保持する。
【0056】
図18は本発明に係る蓄熱暖房器の第8の実施形態を示す側面断面図である。
同図に示されるように、第8の実施形態の蓄熱暖房器40ではハウジング1の背面側に、通常設置されている断熱材に替えて、複数の断熱空気層42A,42B,42Cを形成した点が相違する。
蓄熱暖房器40には、ハウジング1の内部に空気を取り入れる図示しない空気取入口が設けられているとともに、空気取入口と連通する熱交換流路44が蓄熱体3の近傍に形成され、空気取入口から導入された給気に対して蓄熱体3の熱を伝達して、取り入れられた給気を昇温させる熱交換を行うようになっている。熱交換流路44は、暖房器40の前面側下部に開口する温風送風口5と連通し、暖められた空気を居室内にファン4によって送出するようになっている。
【0057】
また、蓄熱体3の前方側及び上面側には断熱材2が設置されている一方、背面側にはセラミックファイバー等の耐熱ボード46が設置され、熱交換流路44を区画している。耐熱ボード46の後部には、仕切板48A,48Bによって断熱空気層42A,42B,42Cが設けられている。仕切板48A,48Bは低放射率(例えば0.1以下)のステンレス鋼板によって形成され、断熱空気層42A,42B,42Cの上部は空気が漏洩しないように耐熱ボード46、仕切板48A,48Bおよび背面パネル52の上端は、薄板ステンレス等の耐熱材料50でシールされている。
さらに、断熱空気層42Cの背面部の背面パネル52は、勿論ステンレス鋼板で形成することも可能であるが、断熱空気層42Cは、断熱空気層42A,42Bと比較して高温にはならないことから、亜鉛メッキ鋼板を利用して形成してもよい。また、断熱空気層42Cが200°C以下の場合には、比較的安価な真空断熱材が使用可能となり、断熱性能が一段と向上し、蓄熱体3から背面パネル52までの奥行き寸法を短くできる。
【0058】
このように、蓄熱暖房器40に、断熱空気層42A,42B,42Cを設けたことにより、背面側の断熱材が不要となり、暖房器全体を薄型化することが可能となる。この結果、暖房器の前面側に、カーテン部材若しくはシャッタ30を設けたことによる厚みが増加することの影響を最小限にすることが可能となり、暖房器全体のコンパクト化を図ることができる。また、使用する断熱材を少なくすることが可能となり、暖房器の製造コストの低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0059】

A 蓄熱暖房器

1 ハウジング
1a 前面パネル
1b 天パネル
1c 後面パネル
1d 側面パネル
2 断熱材
3 蓄熱体
4 ファン
5 送風口
6 カーテン部材
6´ 低放射率カーテン部材
6a 6c 空気層
7 覆面積可変機構
16 カバー体
16a 天板
16b
16c 側板
16d 収納部
17 縦プリーツ部
18 横プリーツ部
18a 頂部
20 クリアランス調節機構
30 シャッタ
30A 横板
30B 連結部材
32 ガイドレール
40 蓄熱暖房器
42A 42B 42C 断熱空気層
44 熱交換流路
46 耐熱ボード
48A 48B 仕切板
50 耐熱材料
52 背面パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの内部に収容された蓄熱体と、該蓄熱体を加熱するヒータとを具備した蓄熱暖房器において、
前記ハウジングの外装パネルの放熱面を覆う遮蔽手段を有し、該放熱面から室内へ放出される熱量制御を該遮蔽手段によって行うことを特徴とする蓄熱暖房器。
【請求項2】
前記遮蔽手段は、前記外装パネルの放熱面に対し、開閉自在に設置されたシャッタ、又はカーテン部材であることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱暖房器。
【請求項3】
前記遮蔽手段に、前記外装パネルの放熱面に対し開閉自在、且つ遮蔽量をコントロールする覆面積可変機構を設け、該覆面積可変機構によって該遮蔽手段による放熱面に対する遮蔽量を可変しうるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄熱暖房器。
【請求項4】
前記遮蔽手段は、前記外装パネルの放熱面に対し、密着状態から一定の間隔を保持しうる位置へ調節可能とするクリアランス調節機構を介して取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項に記載の蓄熱暖房器。
【請求項5】
前記遮蔽手段は、前記ハウジングの外装パネルの内部に設置されている断熱材と外装パネル内側との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか1項に記載の蓄熱暖房器。
【請求項6】
前記遮蔽手段は、シート材によって形成され、前記覆面積可変機構は該シート材を巻取り,繰出しするものであることを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか1項に記載の蓄熱暖房器。
【請求項7】
前記カーテン部材には、プリーツ部が形成され、該プリーツ部の頂部が前記外装パネルに対し接触していることを特徴とする請求項2〜6のうち、いずれか1項に記載の蓄熱暖房器。
【請求項8】
前記ハウジングの外装パネルと蓄熱体との間に形成した空気層に、低放射率の遮蔽手段を設けたことを特徴とする請求項1〜7のうち、いずれか1項に記載の蓄熱暖房器。
【請求項9】
前記ハウジングの内部に空気を取り入れる空気取入口と、
前記空気取入口と連通しているとともに、前記蓄熱体の内部又は前記ハウジング内における蓄熱体の近傍に形成され、該空気取入口から導入される給気に対し、該蓄熱体の熱を伝達することによって給気を昇温させる熱交換流路と、
前記熱交換流路と連通し、前記ハウジングに形成された温風送風口と、
前記熱交換流路に空気を導入するとともに、回転数を無段階に可変することが可能な熱交換流路循環用のファンとを具備し、
前記熱交換流路を通過した熱交換後の空気を前記温風送風口から吹き出す際に、風量を連続的に可変しうるようにしたことを特徴とする請求項1〜8のうち、いずれか1項に記載の蓄熱暖房器。
【請求項10】
前記蓄熱体の温度を測定する温度センサを設け、該温度センサの検出温度に基づいて、前記覆面積可変機構によって前記遮蔽手段による放熱面に対する遮蔽量を可変するとともに、前記ファンの回転数を無段階に変化させて室内への放熱量を制御するようにしたことを特徴とする請求項1〜9のうち、いずれか1項に記載の蓄熱暖房器。
【請求項11】
前記ハウジングの背面側に、複数の断熱空気層、又は断熱空気層と真空層を形成したことを特徴とする請求項1〜10のうち、いずれか1項に記載の蓄熱暖房器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−38759(P2011−38759A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131929(P2010−131929)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(304061228)アオキ製作株式会社 (2)
【出願人】(505266226)佐々木機工株式会社 (2)
【出願人】(000153720)株式会社白山製作所 (36)
【Fターム(参考)】