説明

蓄熱材寝装具

【課題】非常に簡易な構成によって、長時間にわたって冷感又は温感を維持することのできる蓄熱材寝装具を提供する。
【解決手段】ゲル状蓄熱材をラミネートフィルム内に封入した蓄熱材パックと、蓄熱材パックを収容するカバーと、を備える蓄熱材寝装具であって、弾性復元力を有するとともにその内部に蓄熱材を保持する弾性伸縮部材が、蓄熱材パック内に配設されていて、弾性伸縮部材が、蓄熱材パックに負荷される荷重の増加・減少に応じて、蓄熱材パック内で収縮・伸展の運動を行うことによって、蓄熱材パック内のゲル状蓄熱材を攪拌する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱材寝装具に関し、詳細には、寝装具の内部にゲル状の蓄熱材が収納されていることによって寝装具使用者に冷感又は温感を提供する蓄熱材寝装具に関する。
【背景技術】
【0002】
夏場等において体温の上昇した人間やペットを冷やすために、冷感マットと呼ばれるマットが提案されている。(例えば、特許文献1を参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−144036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている冷感マットにおいては、カバー内部には保冷パック(蓄熱材)を収容することのできる複数の収納室が形成されている。当該冷感マットにおいては、各収納室に対して、対応する保冷パックをそれぞれ装填する構成となっている。
【0005】
上記冷感マットを冷却状態で使用するためには、ファスナーを開けて収納室の開口部から保冷パックを取り出して保冷パックを冷蔵庫で冷却したあと、カバーの収納室に戻す構成になっている。
【0006】
保冷パックに使用されている蓄熱材はゲル状物質からできていることが多く、ゲル状物質は多少の流動性を有するものの、その流動性はあまり良くない。例えば、高吸水性ポリマーであるアクリル酸ナトリウムと水とを用いたゲル状蓄熱材においては、主成分が水であるので、ゲル状蓄熱材の比熱や密度は水の物性値と実質的に同程度であると考えられる。しかしながら、熱の出し入れしやすさ(熱の移動のしやすさ)に関係するゲル状蓄熱材の熱伝導率は、水の物性値と比較して、非常に低い値になるものと考えられる。なぜならば、ゲル状蓄熱材では、その流動性があまり良くないために、保冷パック内部での対流が起こりにくい。したがって、ゲル状蓄熱材では、対流という物質移動によって熱を移動させることがあまり期待できないために、その熱伝導率が水に比べて非常に低い値になるものと考えられる。
【0007】
冷感マットの使用中に、使用者が保冷パックを意識的に揉む等の強制的な内部攪拌動作を行わないならば、保冷パック内部でゲル状蓄熱材の流動を起こさせることは困難である。その結果、保冷パックの表層部に位置するゲル状蓄熱材が保冷に寄与するものの、保冷パックの中心部に位置するゲル状蓄熱材が保冷に寄与しないことにより、中心部がまだ冷たいにもかかわらず短時間で表層部が生暖かくなって使用者の体感する冷却効果が長時間持続しにくいという現象が出現する。
【0008】
したがって、従来の冷感マットにおいては、冷却効果が長時間持続しにくくて、使用者の体感する保冷時間が短いという問題がある。冷感マットの使用中に使用者が内部攪拌動作を行うことを強要することは、冷感マットの利便性を大きく損なうものである。また、保冷パックの内部に何らかの攪拌駆動手段を設けることは、該攪拌駆動手段を駆動するための電池等の動力源が必要になり、構造が非常に複雑になるとともに、大幅なコスト上昇を招くという問題がある。
【0009】
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、非常に簡易な構成によって、長時間にわたって冷感又は温感を維持することのできる蓄熱材寝装具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記技術的課題を解決するために、本発明によれば、以下の蓄熱材寝装具が提供される。
【0011】
すなわち、本発明の請求項1に係る蓄熱材寝装具では、
ゲル状蓄熱材をラミネートフィルム内に封入した蓄熱材パックと、
該蓄熱材パックを収容するカバーと、を備える蓄熱材寝装具であって、
弾性復元力を有するとともにその内部に蓄熱材を保持する弾性伸縮部材が、蓄熱材パック内に配設されていて、
前記弾性伸縮部材が、前記蓄熱材パックに負荷される荷重の増加・減少に応じて、前記蓄熱材パック内で収縮・伸展の運動を行うことによって、前記蓄熱材パック内のゲル状蓄熱材を攪拌することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2に係る蓄熱材寝装具では、弾性伸縮部材が、蓄熱材パック内の一部分の空間を占有するように寸法構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項3に係る蓄熱材寝装具では、弾性伸縮部材は、弾性復元力を有する中空の本体部と、該本体部の内部空間であってゲル状蓄熱材を収容する収容部と、該収容部の内外を連通する少なくとも一つの開口部と、によって構成され、
前記ゲル状蓄熱材が、前記開口部を通じて収容部に出入り自在であることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項4に係る蓄熱材寝装具では、弾性伸縮部材の本体部は、立体形状をしていることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項5に係る蓄熱材寝装具では、弾性伸縮部材の本体部は、ベローズ形状をしていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項6に係る蓄熱材寝装具では、弾性伸縮部材は、弾性復元力を有するスポンジ状の本体部と、該本体部の内部に形成されたトンネル状の空間であってゲル状蓄熱材を収容するトンネル状の収容部と、該トンネル状の収容部の内外を連通する少なくとも一つの開口部と、によって構成され、
前記ゲル状蓄熱材が、前記開口部を通じてトンネル状の収容部に出入り自在であることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項7に係る蓄熱材寝装具では、開口部が、前記本体部の側面部に設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項8に係る蓄熱材寝装具では、弾性伸縮部材は、ゴム系材料又は熱可塑性エラストマー材料からなることを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項9に係る蓄熱材寝装具では、弾性伸縮部材は、軟質ポリウレタン発泡体からなることを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項10に係る蓄熱材寝装具では、弾性伸縮部材は、軟質ポリウレタン発泡体からセル膜を除去することによって形成された弾性復元力を有する三次元網状の本体部と、該三次元網状の本体部の内部に形成されて互いに連通したセル状空間であってゲル状蓄熱材を収容する多数のセル状収容部と、該セル状収容部を連通する多数の開口部とによって構成される、除膜加工された軟質ポリウレタン発泡体であって、
前記ゲル状蓄熱材が、前記開口部を通じてセル状収容部に出入り自在であることを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項11に係る蓄熱材寝装具では、セル状収容部が、8乃至25個/25mmの個数で存在することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に係る本発明では、弾性復元力を有するとともにその内部に蓄熱材を保持する弾性伸縮部材が、蓄熱材パックに負荷される荷重の増加・減少に応じて、蓄熱材パック内で収縮・伸展の運動を行い、当該収縮・伸展の運動によって蓄熱材パック内のゲル状蓄熱材を攪拌するように構成されている。弾性伸縮部材それ自身の弾性復元力と蓄熱材パックに負荷される荷重の増減とが相互に連関することによって、強制的な内部攪拌動作が行われる。したがって、非常に簡易な構成によって、長時間にわたって冷感又は温感を維持することができるという効果を奏する。なお、蓄熱材パックに負荷される荷重の増加・減少による弾性伸縮部材の収縮・伸展の運動は、使用者の寝返りによる体重移動を利用するので、電池等の外部駆動源を必要としない。
【0023】
弾性伸縮部材が、蓄熱材パック内のほとんどの空間を占有してしまうと、その分だけ蓄熱材の容積が少なくなってしまう。そこで、請求項2に係る本発明では、十分な蓄熱材の容積が確保されて、長時間の冷感又は温感の維持に寄与することができるという効果を奏する。
【0024】
請求項3に係る本発明では、弾性復元力を有する中空の本体部の内部空間である収容部にゲル状蓄熱材が収容されるので、十分な蓄熱材の容積が確保されて、長時間の冷感又は温感の維持に寄与することができるという効果を奏する。
【0025】
請求項4に係る本発明では、弾性伸縮部材の本体部は、球形、楕円形状、円柱形状、円錐台形状、直方体形状等の各種立体形状が利用可能であるので、設計的自由度が非常に高いという効果を奏する。
【0026】
請求項5に係る本発明では、ベローズ形状という弾性伸縮部材の本体部の形状に基づいても弾性復元力を発揮するので、より大きな攪拌力が得られるという効果を奏する。
【0027】
請求項6に係る本発明では、弾性伸縮部材として、市中によく流通している各種のスポンジ状物品が利用可能になるので、弾性伸縮部材の製造コストを抑えることができるという効果を奏する。
【0028】
弾性伸縮部材の本体部の上面及び下面が、蓄熱材パックの内壁面に対して、当接するか又は僅かな隙間で隣接しているために、蓄熱材が行き渡りにくくなっているので、十分な攪拌動作を行うことができない。そこで、請求項7に係る本発明では、多くの蓄熱材が存在する側面部に向けて攪拌動作が行われるので、十分な攪拌効果が得られるという効果を奏する。
【0029】
弾性伸縮部材が硬質材料から構成されると、使用者に異物感や違和感を与えてしまう。そこで、請求項8に係る本発明では、弾性伸縮部材が軟質材料から構成されているので、使用者に異物感や違和感を感じさせることがなく、これまでと同様の快適さを提供することができるという効果を奏する。
【0030】
請求項9に係る本発明では、中実の弾性伸縮部材として、市中によく流通している軟質ポリウレタン発泡体が利用可能になるので、弾性伸縮部材の製造コストを抑えることができるという効果を奏する。
【0031】
請求項10に係る本発明では、弾性伸縮部材として、いわゆる除膜加工された軟質ポリウレタン発泡体を、特別な後加工無しで利用することができるので、トータルとして弾性伸縮部材の製造コストを抑えることができるという効果を奏する。
【0032】
セル状収容部の個数が多すぎると、開口部が小さくなるために蓄熱材が開口部を通じて出入りしにくくなって蓄熱材の攪拌性が低下する。また、セル状収容部の個数が少なくなりすぎると、単位体積当たりの三次元網状の本体部が少なくなって弾性復元力が低下する。そこで、請求項11に係る本発明では、適切な攪拌性及び弾性復元力を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係る蓄熱材寝装具を説明する模式図である。
【図2】図1に示した蓄熱材寝装具の一部断面図である。
【図3】図1に示した蓄熱材寝装具の第一の変形例に係る一部断面図である。
【図4】図1に示した蓄熱材寝装具の第二の変形例に係る一部断面図である。
【図5】図1に示した蓄熱材寝装具の第三の変形例に係る一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、本発明の一実施形態に係る蓄熱材マット(蓄熱材寝装具)1を、図1及び2を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明に係る蓄熱材マット1を説明する模式図である。図1において、蓄熱材マット1の内部構造が分かるように、内部に収容されている蓄熱材パック60を一点鎖線で示している。縦方向固着部40,41及び横方向固着部50,51を点線で示している。図2は、図1に示した蓄熱材マット1の一部断面図である。
【0036】
大略矩形形状をした蓄熱材マット1は、図1に模式的に示すように、綿やレーヨンやポリエステル等の布素材からなる上カバー10と下カバー20とを重ね合わせてその上下方向の周縁端部を縫製して、上下方向に延在する周縁端部側の縦方向固着部41を左右に形成する。上カバー10と下カバー20とは、袋状に一体化される。周縁端部側の縦方向固着部41は、縫着又は接着又は熱融着によって形成されている。
【0037】
周縁端部側の縦方向固着部41と隣接する中央側(非周縁端部側)の縦方向固着部40との間、あるいは中央側(非周縁端部側)の各縦方向固着部40の間には、それぞれ収容室30が形成される。各収容室30は、縦方向固着部40,41に対して並行に延在している。図1に例示した蓄熱材マット1では、左右の周縁端部側の縦方向固着部41と、7個の非周縁端部側の各縦方向固着部40と、8個の収容室30を備えている。また、蓄熱材マット1において、例えば、横辺が約100cmであり、縦辺が約90cmである。なお、本願発明は、このような具体的な数字に限定されるものではない。
【0038】
このように構成されたカバーの各収容室30には、蓄熱材パック60がそれぞれ収容される。収容室30に収容された蓄熱材パック60は、縫着又は接着又は熱融着によってカバー10,20に対して固着される。その結果、蓄熱材マット1の上下の周縁端部には、横方向固着部51が形成される。
【0039】
蓄熱材パック60は、ナイロンフィルムとポリエチレンフィルムとを積層した上下のラミネートフィルム62を重ね合わせて三辺を熱圧着(熱融着)して袋状体を形成し、形成された袋状空間に蓄熱材64を封入したあと開口部を熱圧着して閉止したものである。蓄熱材パック60は、収容室30に挿入可能であるように寸法構成されている。ラミネートフィルム62としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレン・メチルメタクリレート共重合体等も使用可能である。後述するゲル状の蓄熱材64の成分が透過して漏出しないように、すなわち高いバリア性を得るために、ナイロンフィルムの厚みを厚くしたり、ナイロンフィルムの上にアルミニウムをコーティングしたりすることもできる。
【0040】
ゲル状の蓄熱材64としては、保冷剤として公知である様々な材料が使用可能であるが、ポリアクリル酸ナトリウムに多量の水を含んだゲル状物質や、硫酸ナトリウム10水塩(Na2SO4・10H2O)と水(H2O)とを適量調合した硫酸ナトリウム10水塩が例示される。
【0041】
蓄熱材パック60は、一つの蓄熱材パック要素66だけが上下方向に延在して、蓄熱材パック60の上縁部と下縁部とがカバー10,20に固着されている単一形態であってもよい。好ましくは、上下方向に配置される複数の小分けされた蓄熱材パック要素66が、境界部分68を介して連結されている複数個連結形態である。図1に示した実施例では、一つの蓄熱材パック60において、一列に9個の蓄熱材パック要素66が整列配置されている。したがって、図1に示した蓄熱材マット1は、全体として、9(個)×8(列)=72個の蓄熱材パック要素66を備えている。したがって、蓄熱材マット1を普通の使用状態で使用したり折り畳んで使用したりしても、蓄熱材パック60が収容室内部で捩れたり偏在することが防止される。そして、マット使用者に対して効果的な冷感又は温感を提供することができる。
【0042】
各蓄熱材パック要素66には、上述したゲル状の蓄熱材64が密封される。蓄熱材マット1の上を使用者等が歩いたり飛び跳ねたりすることにより、過重が蓄熱材パック要素66に負荷されることもあり得る。ゲル状の蓄熱材64が蓄熱材パック要素66の内容積に対して目一杯の状態で封入されているならば、過重が蓄熱材パック要素66に対して負荷されたときに、蓄熱材パック要素66の内部でゲル状の蓄熱材64の逃げ場が無いために、蓄熱材パック要素66が破裂するかもしれない。蓄熱材パック要素66の破裂を防止するために、蓄熱材パック要素66に封入されたゲル状の蓄熱材64は、蓄熱材パック要素66の内容積よりも少なめに封入されていることが好適である。
【0043】
蓄熱材パック要素66のそれぞれには、弾性伸縮部材80が配設されている。弾性伸縮部材80は、弾性復元力を備えるとともにその内部に蓄熱材64を保持するという機能を有している。
【0044】
図2に示した弾性伸縮部材80は、大略球形をしており、弾性復元力を有する中空の本体部82と、本体部82の内部空間であってゲル状の蓄熱材64を収容する収容部85と、収容部85の内外を連通する少なくとも一つの開口部84と、によって構成されている。図2に示した弾性伸縮部材80は、大略球形をしているが、楕円形状、円柱形状、円錐台形状、直方体形状等の各種立体形状が利用可能である。弾性伸縮部材80の本体部82の上面及び下面が、蓄熱材パック要素66の内壁面に対して、当接するか又は僅かな隙間で隣接している。
【0045】
球形の外殻形状を構成する本体部82は、例えば、天然ゴムやイソプレンゴムやクロロプレンゴム等のゴム系材料、又は、スチレン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性エラストマーやポリエステル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー材料からできている。本体部82の厚み及び硬度は、弾性伸縮部材80が適度な弾性復元力及び柔らかさを備えるように構成される。このような軟質材料は、蓄熱材パック要素66に負荷される荷重の増加・減少に応じて弾性伸縮部材80の収縮・伸展の運動を行うことを可能にする弾性復元力を提供するとともに、適度な柔軟性を有するので使用者に異物感や違和感を感じさせることがなく、これまでと同様の快適さを提供することができる。なお、蓄熱材パック要素66に負荷される荷重の増加・減少による弾性伸縮部材80の収縮・伸展の運動は、使用者の寝返りによる体重移動を利用するので、電池等の外部駆動源を必要としない。
【0046】
また、弾性伸縮部材80が、蓄熱材パック要素66における内部空間の一部分を占有するように寸法構成されている。弾性伸縮部材80の本体部82が、蓄熱材パック要素66における内部空間のほとんどを占有してしまうと、その分だけゲル状の蓄熱材64の容積が少なくなってしまう。そこで、上記構成にすることによって、十分な蓄熱材64の容積が確保されて、長時間の冷感又は温感の維持に寄与することが可能になる。蓄熱材パック要素66における内部空間に対する弾性伸縮部材80の占有容積割合は、例えば、20%乃至80%が好適であるが、当該数値に限定されるものではない。
【0047】
また、弾性伸縮部材80の開口部84は、弾性伸縮部材80が収縮・伸展の運動を行ったときに、ゲル状の蓄熱材64が収容部85と空隙空間87との間で出入りするためのものである。開口部84は、本体部82に穿孔することによって形成されており、少なくとも一つ、好ましくは10個程度が形成される。ゲル状の蓄熱材64は、一般に、粘性が高いために流動性が良くない。ゲル状の蓄熱材64の流動性に応じて開口部84の開口サイズが決定されるが、開口部84の開口サイズは、例えば、大略0.5mm乃至5mmが好適であるが、当該数値に限定されるものではない。
【0048】
弾性伸縮部材80は、蓄熱材パック要素66の内壁面に対して接着等によって固定することが好適であるが、必ずしも固定しなくてもよい。固定する態様を採用する場合には、上記開口部84が本体部82の側面部分に位置するように形成することが好ましい。
【0049】
上記構成によれば、弾性伸縮部材80が、蓄熱材パック要素66に負荷される荷重の増加・減少に応じて、蓄熱材パック要素66の内部で収縮・伸展の運動を行う。当該収縮・伸展の運動によって、開口部84を通じたゲル状の蓄熱材64の吸入及び吐出が行われるので、蓄熱材パック要素66の内部にあるゲル状の蓄熱材64を強制的に攪拌する。すなわち、弾性伸縮部材80それ自身の弾性復元力と蓄熱材パック要素66に負荷される荷重の増減とが相互に連関することによって、強制的な内部攪拌動作が行われる。したがって、非常に簡易な構成によって、長時間にわたって冷感又は温感を維持することができる。
【0050】
次に、本発明の第一の変形例に係る蓄熱材マット1について、図3を参照しながら説明するが、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0051】
上述した実施形態では、弾性伸縮部材80が大略球形をしているのに対して、当該第一の変形例では、弾性伸縮部材80がベローズ形状をしていることを特徴としている。したがって、当該第一の変形例における蓄熱材マット1の基本構造は、上記実施形態における蓄熱材マット1と類似しているところが多いので、相違点を中心に以下に説明する。
【0052】
本発明の第一の変形例に係る蓄熱材マット1では、図3に示すように、蛇腹状の伸縮自在なベローズ形状をした弾性伸縮部材80が、蓄熱材パック要素66のそれぞれに配設されている。ベローズ形状をした弾性伸縮部材80は、弾性復元力を備えるとともにその内部にゲル状の蓄熱材64を保持するという機能を有している。
【0053】
図3に示したベローズ形状をした弾性伸縮部材80は、弾性復元力を有する中空の本体部82と、本体部82の内部空間であってゲル状の蓄熱材64を収容する収容部85と、収容部85の内外を連通する少なくとも一つの開口部84と、によって構成されている。
【0054】
ベローズ形状の本体部82は、平坦な上面部82a及び下面部82bと、蛇腹状の側面部82cと、から構成されており、例えば、エステル系樹脂やポリアミド樹脂やフッ素樹脂等の成形可能な樹脂材料からできている。本体部82の肉厚は、弾性伸縮部材80が適度な弾性復元力及び柔らかさを備えるように寸法構成される。このようなベローズ形状をした弾性伸縮部材80は、蓄熱材パック要素66に負荷される荷重の増加・減少に応じて弾性伸縮部材80の収縮・伸展の運動を行うことを可能にする弾性復元力を提供するとともに、適度な柔軟性を有するので使用者に異物感や違和感を感じさせることがなく、これまでと同様の快適さを提供することができる。
【0055】
また、弾性伸縮部材80が、蓄熱材パック要素66における内部空間の一部分を占有するように寸法構成されている。蓄熱材パック要素66における内部空間に対する弾性伸縮部材80の占有容積割合は、例えば、20%乃至80%が好適であるが、当該数値に限定されるものではない。
【0056】
また、弾性伸縮部材80の開口部84は、弾性伸縮部材80が収縮・伸展の運動を行ったときに、ゲル状の蓄熱材64が収容部85と空隙空間87との間で出入りするためのものである。開口部84は、本体部82の側面部82cに穿孔することによって形成されており、少なくとも一つ、好ましくは10個程度が形成される。ゲル状の蓄熱材64の流動性に応じて開口部84の開口サイズが決定されるが、開口部84の開口サイズは、例えば、大略0.5mm乃至5mmが好適であるが、当該数値に限定されるものではない。
【0057】
ベローズ形状の弾性伸縮部材80の上面82a及び/又は下面82bは、本体部82の側面部82cが上下方向に伸縮するように、蓄熱材パック要素66の内壁面に対して接着等によって固定されている。したがって、弾性伸縮部材80の本体部82の上面82a及び下面82bが、蓄熱材パック要素66の内壁面に対して、当接するか又は僅かな隙間で隣接している。
【0058】
上記構成によれば、ベローズ形状の弾性伸縮部材80が、使用者の寝返り等による蓄熱材パック要素66に負荷される荷重の増加・減少に応じて、蓄熱材パック要素66の内部で収縮・伸展の運動を行う。当該収縮・伸展の運動によって、開口部84を通じたゲル状の蓄熱材64の吸入及び吐出が行われるので、蓄熱材パック要素66の内部にあるゲル状の蓄熱材64を強制的に攪拌する。したがって、非常に簡易な構成によって、長時間にわたって冷感又は温感を維持することができる。
【0059】
次に、本発明の第二の変形例に係る蓄熱材マット1について、図4を参照しながら説明するが、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0060】
当該第二の変形例では、弾性伸縮部材80が除膜加工された軟質ポリウレタン発泡体から構成されていることを特徴としている。したがって、当該第二の変形例における蓄熱材マット1の基本構造は、上記実施形態における蓄熱材マット1と類似しているところが多いので、相違点を中心に以下に説明する。
【0061】
本発明の第二の変形例に係る蓄熱材マット1では、図4に示すように、除膜加工された軟質ポリウレタン発泡体から構成された弾性伸縮部材80が、軟質ポリウレタン発泡体からセル膜を除去することによって形成された弾性復元力を有する三次元網状の本体部81と、該三次元網状の本体部81の内部に形成されて互いに連通したセル状空間であってゲル状の蓄熱材64を収容する多数のセル状の収容部85と、該セル状の収容部85を連通する多数の開口部84と、によって構成されている。
【0062】
除膜加工された軟質ポリウレタン発泡体から構成された弾性伸縮部材80が、蓄熱材パック要素66のそれぞれに配設されている。除膜加工された軟質ポリウレタン発泡体から構成された弾性伸縮部材80は、弾性復元力を備えるとともにその内部にゲル状の蓄熱材64を保持するという機能を有している。
【0063】
除膜処理されたポリウレタン樹脂発泡体は、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、触媒、発泡剤及び整泡剤を含むポリウレタン原料を発泡させた後、軟質ポリウレタン発泡体においてセル膜(気泡膜)を除去する除膜処理を行うことによって作製される。除膜処理は、酸素を注入して点火させる爆破処理や、熱やオゾンやアルカリ等を作用させる後処理を挙げることができる。除膜処理によって、軟質ポリウレタン発泡体においては、セル膜のほとんどが除去された連続気泡を有する三次元網状骨格構造の本体部81が形成される。例えば、アキレス社製のムマック(登録商標)という除膜処理されたポリウレタン樹脂発泡体を用いることができる。
【0064】
所定長さ当たりでのセル状の収容部85の個数が多すぎると、開口部84の開口サイズが小さくなってゲル状の蓄熱材64の出入りが規制されるために、攪拌性が低下する。また、所定長さ当たりでのセル状の収容部85の個数が少なくなりすぎると、単位体積当たりの三次元網状の本体部81が少なくなって弾性復元力が低下する。そこで、除膜加工された軟質ポリウレタン発泡体から構成された弾性伸縮部材80においては、25mm当たりに8乃至25個のセル状の収容部85が形成されていることが好適である。このように構成することによって、適切な攪拌性及び弾性復元力が得られる。そして、除膜加工された軟質ポリウレタン発泡体から構成された弾性伸縮部材80は、蓄熱材パック要素66に負荷される荷重の増加・減少に応じて弾性伸縮部材80の収縮・伸展の運動を行うことを可能にする弾性復元力を提供するとともに、適度な柔軟性を有するので使用者に異物感や違和感を感じさせることがなく、これまでと同様の快適さを提供することができる。
【0065】
また、弾性伸縮部材80が、蓄熱材パック要素66における内部空間の一部分を占有するように寸法構成されている。蓄熱材パック要素66における内部空間に対する弾性伸縮部材80の占有容積割合は、例えば、20%乃至80%が好適であるが、当該数値に限定されるものではない。
【0066】
また、弾性伸縮部材80の多数の開口部84は、弾性伸縮部材80が収縮・伸展の運動を行ったときに、ゲル状の蓄熱材64がセル状の収容部85と空隙空間87との間で出入りするためのものである。ゲル状の蓄熱材64の流動性に応じて開口部84の開口サイズが決定されるが、開口部84の開口サイズは、所定長さ当たりでのセル状の収容部85の個数によって規定されるが、例えば、大略0.5mm乃至5mmが好適であるが、当該数値に限定されるものではない。
【0067】
除膜加工された軟質ポリウレタン発泡体から構成された弾性伸縮部材80は、蓄熱材パック要素66の内壁面に対して接着等によって固定することが好適であるが、必ずしも固定しなくてもよい。固定する態様を採用する場合には、上記開口部84が本体部82の側面部分に位置するように形成することが好ましい。弾性伸縮部材80の本体部82の上面及び下面が、蓄熱材パック要素66の内壁面に対して、当接するか又は僅かな隙間で隣接している。
【0068】
上記構成によれば、除膜加工された軟質ポリウレタン発泡体から構成された弾性伸縮部材80が、使用者の寝返り等による蓄熱材パック要素66に負荷される荷重の増加・減少に応じて、蓄熱材パック要素66の内部で収縮・伸展の運動を行う。当該収縮・伸展の運動によって、開口部84を通じたゲル状の蓄熱材64の吸入及び吐出が行われるので、蓄熱材パック要素66の内部にあるゲル状の蓄熱材64を強制的に攪拌する。したがって、非常に簡易な構成によって、長時間にわたって冷感又は温感を維持することができる。
【0069】
次に、本発明の第三の変形例に係る蓄熱材マット1について、図5を参照しながら説明するが、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0070】
当該第三の変形例では、弾性伸縮部材80がスポンジ状の本体部83にトンネル状の収容部85を形成したものであることを特徴としている。したがって、当該第三の変形例における蓄熱材マット1の基本構造は、上記実施形態における蓄熱材マット1と類似しているところが多いので、相違点を中心に以下に説明する。
【0071】
本発明の第三の変形例に係る蓄熱材マット1では、図5に示すように、スポンジ状の本体部83にトンネル状の収容部85を形成した弾性伸縮部材80が、蓄熱材パック要素66のそれぞれに配設されている。スポンジ状の本体部83にトンネル状の収容部85を形成した弾性伸縮部材80は、弾性復元力を備えるとともにその内部にゲル状の蓄熱材64を保持するという機能を有している。
【0072】
図5に示した弾性伸縮部材80は、大略直方体形状をしており、弾性復元力を有するスポンジ状の本体部83と、本体部83の内部に形成されたトンネル状の空間であってゲル状蓄熱材64を収容するトンネル状の収容部85と、該トンネル状の収容部85の内外を連通する少なくとも一つの開口部84と、によって構成されている。図5に示した弾性伸縮部材80は、大略直方体形状をしているが、楕円形状、円柱形状、円錐台形状、球形等の各種立体形状が利用可能である。
【0073】
スポンジ状の本体部82は、例えば、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、触媒、発泡剤及び整泡剤を含むポリウレタン原料を発泡させたポリウレタン樹脂発泡体である。スポンジ状の本体部82の厚み及び硬度は、弾性伸縮部材80が適度な弾性復元力及び柔らかさを備えるように構成される。このようなスポンジ状の弾性伸縮部材80は、蓄熱材パック要素66に負荷される荷重の増加・減少に応じて弾性伸縮部材80の収縮・伸展の運動を行うことを可能にする弾性復元力を提供するとともに、適度な柔軟性を有するので使用者に異物感や違和感を感じさせることがなく、これまでと同様の快適さを提供することができる。
【0074】
また、弾性伸縮部材80が、蓄熱材パック要素66における内部空間の一部分を占有するように寸法構成されている。蓄熱材パック要素66における内部空間に対する弾性伸縮部材80の占有容積割合は、例えば、20%乃至80%が好適であるが、当該数値に限定されるものではない。
【0075】
また、弾性伸縮部材80の開口部84は、弾性伸縮部材80が収縮・伸展の運動を行ったときに、ゲル状の蓄熱材64が収容部85と空隙空間87との間で出入りするためのものである。トンネル状の開口部84は、スポンジ状の本体部82に穿孔することによって形成されており、少なくとも一つ、好ましくは10個程度が形成される。穿孔は、貫通穴又は有底穴のいずれであってもよい。ゲル状の蓄熱材64の流動性に応じて開口部84の開口サイズが決定されるが、開口部84の開口サイズは、例えば、大略0.5mm乃至5mmが好適であるが、当該数値に限定されるものではない。
【0076】
弾性伸縮部材80は、蓄熱材パック要素66の内壁面に対して接着等によって固定することが好適であるが、必ずしも固定しなくてもよい。固定する態様を採用する場合には、上記開口部84が本体部82の側面部分に位置するように形成することが好ましい。弾性伸縮部材80の本体部82の上面及び下面が、蓄熱材パック要素66の内壁面に対して、当接するか又は僅かな隙間で隣接している。
【0077】
上記構成によれば、スポンジ状の弾性伸縮部材80が、使用者の寝返り等による蓄熱材パック要素66に負荷される荷重の増加・減少に応じて、蓄熱材パック要素66の内部で収縮・伸展の運動を行う。当該収縮・伸展の運動によって、開口部84を通じたゲル状の蓄熱材64の吸入及び吐出が行われるので、蓄熱材パック要素66の内部にあるゲル状の蓄熱材64を強制的に攪拌する。したがって、非常に簡易な構成によって、長時間にわたって冷感又は温感を維持することができる。
【0078】
なお、上記いずれの実施形態においても、一つの最小単位(蓄熱材パック要素66)に対して少なくとも一つの弾性伸縮部材80を配設するものであるが、このような構成に限定されるものではない。すなわち、一つの蓄熱材パック60が複数個の最小ユニット(蓄熱材パック要素66)に区切られていなければ、蓄熱材パック60に対して少なくとも一つの弾性伸縮部材80が配設される。したがって、本願発明においては、ゲル状の蓄熱材64を封入した最小単位の封入容器(蓄熱材パック60又は蓄熱材パック要素66)のそれぞれに対して少なくとも一つの弾性伸縮部材80が配設されると、解されるべきである。また、弾性伸縮部材80が配設されていない最小単位の封入容器(蓄熱材パック60又は蓄熱材パック要素66)が部分的に存在していてもよい。
【0079】
本発明の蓄熱材マット1では、後述するような積極的な加熱や冷却を行わなくとも、使用者の体温と蓄熱材マット1の蓄熱材64の温度との間の温度差を利用することにより、ソフトな冷感又は温感を与えることができる。
【0080】
選択的には、蓄熱材マット1を積極的に加熱又は冷却することによりハードな冷感又は温感を与えることができる。すなわち、蓄熱材マット1を冷蔵庫や保冷容器の中に入れて蓄熱材マット1を積極的に冷やすことにより、ハードな冷感を与えることができる。また、濡れないようにして蓄熱材マット1を浴槽に所定時間浸漬したり、蓄熱材マット1をコタツ等の暖房手段に所定時間暴露したりして蓄熱材マット1を積極的に暖めることにより、ハードな温感を与えることができる。
【0081】
なお、本発明に係る蓄熱材寝装具1は、拡開した状態で通常のマットとして使用することができることに加えて、横方向固着部40,41及び横方向固着部50,51に沿って折り畳んで頭部冷却枕、ペット用冷却・保温マット、足裏用冷却・保温マットにも適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 蓄熱材マット(蓄熱材寝装具)
10 上カバー
20 下カバー
30 収容室
40 縦方向固着部
41 縦方向固着部
50 横方向固着部
51 横方向固着部
60 蓄熱材パック
62 ラミネートフィルム
64 蓄熱材
66 蓄熱材パック要素
68 境界部分
80 弾性伸縮部材
81 三次元網状の本体部
82 中空の本体部
83 スポンジ状の本体部
84 開口部
85 収容部
87 空隙空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲル状蓄熱材をラミネートフィルム内に封入した蓄熱材パックと、
該蓄熱材パックを収容するカバーと、を備える蓄熱材寝装具であって、
弾性復元力を有するとともにその内部に蓄熱材を保持する弾性伸縮部材が、蓄熱材パック内に配設されていて、
前記弾性伸縮部材が、前記蓄熱材パックに負荷される荷重の増加・減少に応じて、前記蓄熱材パック内で収縮・伸展の運動を行うことによって、前記蓄熱材パック内のゲル状蓄熱材を攪拌することを特徴とする蓄熱材寝装具。
【請求項2】
前記弾性伸縮部材が、蓄熱材パック内の一部分の空間を占有するように寸法構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の蓄熱材寝装具。
【請求項3】
前記弾性伸縮部材は、弾性復元力を有する中空の本体部と、該本体部の内部空間であってゲル状蓄熱材を収容する収容部と、該収容部の内外を連通する少なくとも一つの開口部と、によって構成され、
前記ゲル状蓄熱材が、前記開口部を通じて収容部に出入り自在であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の蓄熱材寝装具。
【請求項4】
前記弾性伸縮部材の本体部は、立体形状をしていることを特徴する、請求項3に記載の蓄熱材寝装具。
【請求項5】
前記弾性伸縮部材の本体部は、ベローズ形状をしていることを特徴する、請求項3に記載の蓄熱材寝装具。
【請求項6】
前記弾性伸縮部材は、弾性復元力を有するスポンジ状の本体部と、該本体部の内部に形成されたトンネル状の空間であってゲル状蓄熱材を収容するトンネル状の収容部と、該トンネル状の収容部の内外を連通する少なくとも一つの開口部と、によって構成され、
前記ゲル状蓄熱材が、前記開口部を通じてトンネル状の収容部に出入り自在であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の蓄熱材寝装具。
【請求項7】
前記開口部が、前記本体部の側面部に設けられていることを特徴とする、請求項3乃至6のいずれか一つに記載の蓄熱材寝装具。
【請求項8】
前記弾性伸縮部材は、ゴム系材料又は熱可塑性エラストマー材料からなることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の蓄熱材寝装具。
【請求項9】
前記弾性伸縮部材は、軟質ポリウレタン発泡体からなることを特徴とする、請求項6に記載の蓄熱材寝装具。
【請求項10】
前記弾性伸縮部材は、軟質ポリウレタン発泡体からセル膜を除去することによって形成された弾性復元力を有する三次元網状の本体部と、該三次元網状の本体部の内部に形成されて互いに連通したセル状空間であってゲル状蓄熱材を収容する多数のセル状収容部と、該セル状収容部を連通する多数の開口部とによって構成される、除膜加工された軟質ポリウレタン発泡体であって、
前記ゲル状蓄熱材が、前記開口部を通じてセル状収容部に出入り自在であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の蓄熱材寝装具。
【請求項11】
前記セル状収容部が、8乃至25個/25mmの個数で存在することを特徴とする、請求項10に記載の蓄熱材寝装具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−131008(P2011−131008A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295349(P2009−295349)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(506229741)株式会社タカラ (13)
【Fターム(参考)】