説明

蓄電システム

【課題】電池の劣化及び運転効率の低下を抑制しながら、セルバランス動作を確実に実施すること。
【解決手段】システム制御装置30は、セルバランス回路3によるセルバランス制御が開始される場合に、セルバランス制御を行うアームに対応する開閉装置を開状態とし、セルバランス制御が終了し、かつ、セルバランス制御が行われたアームの組電池の端子間電圧と他のアームの組電池の端子間電圧との差分が既定の許容範囲内となった場合に、開状態としていた開閉装置を閉状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池を直列に接続した組電池を備える電池モジュールを並列に接続してなる蓄電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、二次電池のセルバランス方式として、抵抗バイパス方式、トランス方式、フライングキャパシタ方式、充電電源方式等、様々な方式が提案、実用化されている。これらの方式は、いずれも、セルを複数個直列接続した組電池で各セルの充電状態を均等化するものである。
セルバランス方式は、各セル電圧を均等化するように動作するのが一般的であるが、均等化制御中において、充放電電流と内部抵抗に起因する電圧降下によるバランス誤差が生ずる可能性がある。大電流で充放電を行う場合、この誤差は顕著になるため、従来は、充放電停止中か充放電電流が小さいときに均等化制御を行うことが提案されている。
【特許文献1】特許第3229696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、複数のセルを直列接続してアームを構成し、このアームが更に複数個並列に接続されてなる組電池においては、一つのアームについて均等化が必要となった場合、全てのアームの動作を停止させて均等化を行うとすると、均等化が必要ではないアームについても動作停止を迫られることとなり、運転効率が悪化するという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、電池の劣化及び運転効率の低下を抑制しながら、セルバランス動作を確実に実施することのできる蓄電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、並列に接続されるとともに、充放電を制御する電力変換手段と接続される複数の電池モジュールと、前記電池モジュールの各々と前記電力変換手段との間に設けられた複数の開閉手段と、前記開閉手段を制御する制御手段とを備え、前記電池モジュールの各々は、複数の電池が直列に接続された組電池と、該組電池に対応して設けられたセルバランス回路とを有し、前記制御手段は、前記セルバランス回路によるセルバランス制御が開始される場合に、セルバランス制御を行う前記電池モジュールに対応する前記開閉手段を開状態とし、前記セルバランス制御が終了し、かつ、前記セルバランス制御が行われた前記電池モジュールの端子間電圧と他の前記電池モジュールの端子間電圧との差分が既定の許容範囲内となった場合に、開状態としていた前記開閉手段を閉状態とする蓄電システムを提供する。
【0006】
このような構成によれば、各電池モジュールと電力変換装置との間に開閉手段を設けたので、セルバランス制御を行う電池モジュールのみを電力変換装置から切り離すことが可能となる。これにより、他の電池モジュールについては充放電を継続して行わせることができる。更に、非接続状態とした電池モジュールを再投入する場合には、他の電池モジュールとの電圧差を考慮するので、過電流が流れる等の問題を解消することができる。
【0007】
上記蓄電システムは、前記開閉手段の各々に対して並列に接続される抵抗手段と、前記抵抗手段と直列に接続される第2の開閉手段とを備え、前記制御手段は、前記電池モジュールのセルバランス制御が終了した場合に、セルバランス制御を行っていた前記電池モジュールに対応する前記第2の開閉手段を閉状態とし、セルバランス制御が行われた前記電池モジュールの端子間電圧と他の前記電池モジュールの端子間電圧との差分が既定の許容範囲内となった場合に、前記第2の開閉手段を開状態とするとともに、該第2の開閉手段に並列接続されている前記開閉手段を閉状態とすることとしてもよい。
【0008】
このような構成によれば、セルバランス制御が終了した場合に、その電池モジュールと電力変換手段とを抵抗手段を介して接続するので、電池モジュールに流れる電流を制限することが可能となる。また、このように抵抗手段を設けることで、セルバランス制御を行っていた電池モジュールを早期に電力変換手段に接続することが可能となり、蓄電システムの能力を向上させることができる。
【0009】
また、上記蓄電システムは、前記開閉手段の各々に対して並列に接続される抵抗手段と、前記抵抗手段と直列に接続される第2の開閉手段とを備え、前記制御手段は、前記セルバランス制御を行っていない前記電池モジュールに関しては、該電池モジュールに対応する前記第2の開閉手段と前記開閉手段とを閉状態とし、前記電池モジュールのセルバランス制御を行う場合に、該電池モジュールに対応する前記第2の開閉手段と前記開閉手段とを開状態とし、該セルバランス制御が終了した場合に、セルバランス制御を行っていた前記電池モジュールに対応する前記第2の開閉手段を閉状態とし、セルバランス制御が行われた前記電池モジュールの端子間電圧と他の前記電池モジュールの端子間電圧との差分が既定の許容範囲内となった場合に、セルバランス制御を行っていた前記電池モジュールに対応する前記開閉手段を閉状態とすることとしてもよい。
【0010】
このような構成によれば、セルバランス制御が終了した場合に、その電池モジュールと電力変換手段とを抵抗手段を介して接続するので、電池モジュールに流れる電流を制限することが可能となる。また、このように抵抗手段を設けることで、セルバランス制御を行っていた電池モジュールを早期に電力変換手段に接続することが可能となり、蓄電システムの能力を向上させることができる。
【0011】
上記蓄電システムは、前記組電池の各々の電圧を調整するための充放電装置を備え、前記制御手段は、前記セルバランス制御が終了した場合に、前記セルバランス制御が行われた前記電池モジュールの端子間電圧と他の前記電池モジュールの端子間電圧との差分に応じて、前記充放電装置を作動させることとしてもよい。
【0012】
このような構成によれば、セルバランス制御が終了した場合に、セルバランス制御を行った電池モジュールの端子間電圧と他の電池モジュールの端子間電圧との差分が大きかった場合には、充放電装置を作動させて当該電池モジュールの端子間電圧を調整することが可能となる。これにより、セルバランス制御を行った電池モジュールの端子間電圧を早期に他の電池モジュールの端子間電圧に近づけることが可能となる。この結果、非接続状態としていた電池モジュールを早期に接続させることが可能となる。
【0013】
上記蓄電システムにおいて、前記制御手段は、前記セルバランス回路によるセルバランス制御が開始される場合に、セルバランス制御の対象となる前記組電池の各セル電圧を計測する期間に限って、セルバランス制御を行う前記電池モジュールに対応する前記開閉手段を開状態とすることとしてもよい。
【0014】
このようにすることで、セル電圧を計測するわずかな時間だけ、電池モジュールを電力変換手段と切り離せばよいので、この間における電池モジュールの電圧変化をわずかにとどめることができる。これにより、他の電池モジュールとの電圧差を考慮することなく、この電池モジュールを速やかに再投入することが可能となる。
【0015】
上記蓄電システムは、前記開閉手段に代えて電圧変換手段を備え、前記制御手段は、前記セルバランス回路によるセルバランス制御が開始される場合に、セルバランス制御を行う前記電池モジュールに流れる電流が規定値以下となるように前記電圧変換手段を制御し、前記セルバランス制御が終了した場合に、前記電圧変換手段の運転を正常状態に戻すこととしてもよい。
【0016】
このような構成によれば、開閉手段に代えて電圧変換手段を備えるので、この電圧変換手段の運転を制御することで、各電池モジュールに流れる電流を制御することが可能となる。これにより、セルバランス制御を行う場合には、セルバランス制御を行う電池モジュールに流れる電流を抑制するように電圧変換手段を作動させ、また、セルバランス制御が終了した場合には、電圧変換手段の運転を正常状態に戻すことで、電池モジュールに過電流が流れることを回避することが可能となる。
上記「電池モジュールに流れる電流が規定値以下となるように」とは、電流がゼロの場合も含む概念である。換言すれば、電圧変換手段の作動を停止させる場合も含むものとする。
【0017】
上記蓄電システムにおいて、前記制御手段は、前記セルバランス制御中において、負荷の状態に応じた要求電力量を他の前記電池モジュールからの電力供給だけでは負担できなくなった場合に、前記セルバランス制御を停止させ、前記セルバランス制御が行われていた前記電池モジュールに対応する前記電圧変換手段の運転を通常状態に戻すこととしてもよい。
【0018】
このような構成によれば、セルバランス制御中において、他の電池モジュールだけでは要求電力量を負担できなくなった場合に、セルバランス制御を停止して、セルバランス制御を行っていた電池モジュールを通常の運転状態に戻すので、セルバランス制御中においても蓄電システムの性能を維持した運転を行うことが可能となる。
【0019】
上記蓄電システムにおいて、前記制御手段は、前記セルバランス回路によるセルバランス制御が開始される場合に、セルバランス制御の対象となる前記組電池の各セル電圧を計測する期間に限って、セルバランス制御を行う前記電池モジュールに流れる電流が規定値以下となるように前記電圧変換手段を制御し、前記セル電圧の計測後は、前記電圧変換手段の運転を通常状態に戻すこととしてもよい。
【0020】
このようにすることで、セル電圧を計測するわずかな時間だけ、電池モジュールの充放電電流を抑制すればよいので、電池モジュールの運転効率を向上させることが可能となる。上記「電池モジュールに流れる電流を抑制する」とは、電流がゼロの場合も含む概念である。換言すれば、電圧変換手段の作動を停止させる場合も含むものとする。
【0021】
上記蓄電システムは、前記電力変換手段と接続される電圧変換手段と、各前記電池モジュールと前記電圧変換手段との間に設けられた第4の開閉手段とを備え、前記制御手段は、前記セルバランス回路によるセルバランス制御が開始される場合に、セルバランス制御を行う前記電池モジュールに対応する前記開閉手段を開状態とするとともに、該電池モジュールに対応する前記第4の開閉手段を閉状態とし、前記セルバランス制御が終了した場合に、開状態としていた前記開閉手段を閉状態とするとともに、閉状態としていた前記第4の開閉手段を開状態とすることとしてもよい。
【0022】
このような構成によれば、電圧変換手段の動作条件によっては、セルバランス制御中のアームを常に電力変換手段と接続した状態としておけるので、セルバランス制御中であってもアームの充放電を行うことが可能となる。これにより、蓄電システムの能力を向上させることができる。
【0023】
上記蓄電システムにおいて、前記制御手段は、同時にセルバランス制御を行うことができる電池モジュールの最大個数を保有しており、該最大個数の範囲内でセルバランス制御を実施させることとしてもよい。
【0024】
上記蓄電システムにおいて、前記制御手段は、セル電圧のばらつきが大きな電池モジュールから優先させて前記セルバランス制御を行わせることとしてもよい。
【0025】
このようにすることで、セルバランス制御を効率的に行うことが可能となり、電池モジュール間におけるセル電圧のばらつきを均等化することが可能となる。
【0026】
上記蓄電システムにおいて、前記制御手段は、セルバランス制御を行っている前記電池モジュールのセル電圧差とセルバランス制御待ちの前記電池モジュールのセル電圧差との差分が既定の閾値以下となった場合に、セルバランス制御を行う電池モジュールの切り替えを行うこととしてもよい。
【0027】
このようにすることで、電池モジュール間におけるセル電圧のばらつきを均等化することが可能となる。この結果、セルバランス制御待ちの電池モジュールにおけるセル電圧の過度なばらつきを防止することができる。
【0028】
上記蓄電システムにおいて、同時にセルバランス制御を行うことができる電池モジュールの最大個数は、平均的な負荷を賄える数に設定されていることとしてもよい。
【0029】
このようにすることで、蓄電システムとしての機能を果たしながら、各電池モジュールにおけるセル間電圧を均等化することが可能となる。
また、上記態様は、可能な範囲で組み合わせて利用することができるものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、電池の劣化及び運転効率の低下を抑制しながら、セルバランス動作を確実に実施することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本発明に係る蓄電システムの各実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る蓄電システムの概略構成を示したブロック図である。図1に示すように、蓄電システムは、並列に接続される複数のアーム(電池モジュール)1−1,1−2,・・・1−mを備えている。各アーム1−1,1−2,・・・1−mは、それぞれ同様の構成を備えている。アーム1−1を例に挙げて説明すると、アーム1−1は、複数のセル(電池)C1,C2,・・・,Cnが直列に接続された組電池2と、セルバランス回路3と、各セルC1,C2,・・・,Cnの電圧を計測するセル電圧センサ4と、組電池2の端子間電圧を計測する組電池電圧センサ5と、セルバランス回路3等を制御するアーム制御装置6とを備えている。
【0032】
各アーム1−1,1−2,・・・1−mは、開閉部(開閉手段)10−1,10−2,10−mを介して電力変換装置(電力変換手段)20に接続されている。電力変換装置20は、例えば、負荷が接続されている商用系統に接続されており、蓄電システムの電力を負荷に供給したり、商用系統から電力を取り込み、蓄電システムを充電する。
【0033】
各開閉装置10−1,10−2,10−m、電力変換装置20は、システム制御装置(制御手段)30によって制御される。また、システム制御装置30及び各アーム1−1,1−2,・・・1−mが備えるアーム制御装置6とは、情報の授受が可能な構成とされている。これにより、例えば、情報を相互にやり取りすることで、セルバランス回路3の作動タイミングに同期してシステム制御装置30が開閉装置10−1,10−2,10−mの開閉を制御する。更に、各アーム1−1,1−2,・・・1−mのアーム制御装置6は、相互に情報を授受することが可能とされている。これにより、例えば、各アーム1−1,1−2,・・・1−mが備える組電池2の端子間電圧をアーム間で共有することが可能となる。
【0034】
蓄電システムの動作中においては、システム制御装置30により、全ての開閉装置10−1,10−2,・・・10−mが閉状態とされ、各アーム1−1,1−2,・・・1−mと電力変換装置20とが接続状態とされる。放電時においては、各アーム1−1,1−2,・・・1−mが備える組電池2に蓄電された電力が電力変換装置20を介して負荷に供給され、充電時においては、商用系統からの電力が電力変換装置20を介して各組電池2に供給される。
【0035】
このような運転動作中において、各アーム1−1,1−2,・・・1−mのセル電圧センサ4は、所定の時間間隔で、組電池2を構成する各セルC1,C2,・・・Cnのセル電圧を検出し、この検出結果をアーム制御装置6に出力する。また、組電池電圧センサ5により組電池2の端子間電圧が検出され、検出結果がアーム制御装置6に出力される。
【0036】
アーム制御装置6は、各セルの電圧差を算出し、この電圧差が予め設定されている所定の均等範囲外であった場合に、セルバランス制御(セル電圧の均等化)が必要であると判断し、その旨の信号をシステム制御装置30に出力する。
以下、アーム1−1においてセルバランス制御が必要であると判断された場合を想定して説明する。
【0037】
アーム1−1のアーム制御装置6からセルバランス制御の必要性を通知されたシステム制御装置30は、アーム1−1に対応する開閉装置10−1を開状態とするとともに、開閉装置10−1を開状態とした旨の信号をアーム1−1のアーム制御装置6に通知する。この通知を受け、アーム制御装置6は、セルバランス回路3を作動させる。これにより、アーム1−1のセルバランス制御が開始され、各セルC1,C2,Cn間の電圧差が徐々に均等化される。そして、セル電圧の差分が予め設定されている均等範囲内に入ると、アーム制御装置6はセルバランス回路3の作動を停止させ、セルバランス制御が終了した旨をシステム制御装置30に通知する。
【0038】
システム制御装置30は、セルバランス制御の終了通知を受信すると、各アーム1−1,1−2,・・・1−mが備えるアーム制御装置6から各アーム1−1,1−2,・・・1−mの組電池2の端子間電圧の情報を定期的に受信し、アーム1−1の組電池2の端子間電圧と他のアーム1−2,1−mの組電池2の端子間電圧との電圧差が既定の許容範囲内となった場合に、アーム1−1に対応する開閉手段10−1を閉状態とする。これにより、アーム1−1が電力変換装置20に再び接続され、充放電が可能な状態となる。
【0039】
以上説明してきたように、本実施形態に係る蓄電システムによれば、各アーム1−1,1−2,・・・1−mと電力変換装置20との間に開閉装置10−1,10−2,・・・10−mを設けたので、セルバランス制御を行うアーム1−1のみを電力変換装置20から切り離すことが可能となる。これにより、他の電池モジュール1−2,・・・1−mについては充放電を継続して行わせることができる。
更に、非接続状態としたアーム1−1を再投入する場合には、他のアーム1−2,・・・1−mとの電圧差を考慮するので、過電流が流れる等の問題を解消することができ、アーム1−1が備える組電池2の劣化を抑制することが可能となる。
【0040】
なお、上記セルバランス回路3は、公知のものを適用することができる。また、アーム制御装置6におけるセルバランス制御が必要であるか否かの判断基準については、適宜設定・変更することが可能である。例えば、セル電圧の最大値と最小値との差分が予め設定されている基準値以上であった場合に、セルバランス制御が必要であると判断することとしてもよい。
【0041】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る蓄電システムついて説明する。
上述した第1の実施形態では、セルバランス制御が終了するまで、セルバランス制御を行っているアームに対応する開閉装置を開状態とし、このアームと電力変換装置とを非接続状態としていた。本実施形態では、蓄電システムの構成は上述した第1の実施形態と同様であるが、システム制御装置30による開閉装置の開閉タイミングが異なる。
以下、本実施形態に係る蓄電システムについて、図1を用いて説明する。また、本実施形態においても、アーム1−1においてセルバランス制御が必要であると判断された場合を想定して説明を行う。
【0042】
本実施形態に係る蓄電システムにおいて、システム制御装置30は、アーム1−1のアーム制御装置6からセルバランス制御を行う旨の通知を受信すると、アーム1−1に対応する開閉装置10−1を開状態し、開状態とした旨の通知をアーム1−1のアーム制御装置6に対して送信する。アーム制御装置6は、開閉装置10−1が開状態となった旨の通知を受信すると、セルバランス制御に関する各処理を所定の順序で実行する。
【0043】
まず、セルバランス制御では、セル電圧センサ4によりセル電圧が計測され、この計測結果がアーム制御装置6に出力される。アーム制御装置6は、セル電圧の計測結果を取得すると、システム制御装置30に対してセル電圧の計測が終了した旨の通知を行う。システム制御装置30は、この通知を受信すると、開状態としていた開閉装置10−1を閉状態とする。
【0044】
また、アーム1−1のアーム制御装置6は、セル電圧センサ4から各セル電圧の計測結果を取得すると、このセル電圧のばらつきからセルバランス制御に要する時間を計算した後、セルバランス回路3を作動させるとともに作動時間を計時する。そして、アーム制御装置6は、セルバランス回路3の作動開始から計算した該時間が経過したときに、セルバランス回路3の作動を停止させ、セルバランス制御が終了した旨をシステム制御装置30に通知する。
【0045】
以上説明してきたように、本実施形態に係る蓄電システムによれば、セルバランス制御においてセル電圧を計測するわずかな期間に限って、セルバランス制御を行うアームを電力変換装置20から切り離すので、この間におけるアームの組電池2の電圧変化をわずかにとどめることができる。これにより、上述した第1の実施形態のように、開閉装置を開状態から閉状態へ切り替える際の電圧調整が不要となるとともに、アームを早期に電力変換装置と再接続することが可能となる。この結果、セルバランス制御を行いながらも、通常の充放電制御を行うことが可能となり、セルバランス制御による蓄電システムの効率低下を抑制することができる。
【0046】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態に係る蓄電システムついて、図2を用いて説明する。以下、本実施形態の蓄電システムについて、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。また、本実施形態においても、アーム1−1においてセルバランス制御が必要であると判断された場合を想定して説明を行う。
【0047】
本実施形態の蓄電システムが第1の実施形態と異なる点は、各開閉装置10−1,10−2,・・・10−mに対し電流抑制部40−1,40−2,・・・40−mを並列に接続した点である。電流抑制部40−1,40−2,・・・40−mは、それぞれ抵抗素子(抵抗手段)41と第2の開閉装置(第2の開閉手段)42とが直列に接続された構成とされている。
【0048】
このような構成を備える蓄電システムにおいて、システム制御装置30は、アーム1−1のアーム制御装置6からアーム1−1のセルバランス制御が必要である旨の通知を受信すると、閉状態であった開閉装置10−1を開状態とし、アーム1−1と電力変換装置20とを非接続状態とする。この状態において、アーム1−1のセルバランス制御がアーム制御装置6の制御のもと行われ、セルバランス制御が終了すると、アーム制御装置6はシステム制御装置30に対してセルバランス制御が終了した旨の通知を送信する。この通知を受信すると、システム制御装置30は、開閉装置10−1を開状態で維持したまま、アーム1−1に対応する電流抑制部40−1の第2の開閉装置42を閉状態とする。これにより、電力変換装置20とアーム1−1とが抵抗素子41を介して接続される。
【0049】
そして、システム制御装置30は、セルバランス制御が行われたアーム1−1の組電池2の端子間電圧と他のアームの組電池2の端子間電圧との差分が既定の許容範囲内となった場合に、電流抑制部40−1の第2の開閉装置42を開状態とするとともに、アーム1−1の開閉装置10−1を閉状態とする。
【0050】
このように、本実施形態に係る蓄電システムによれば、セルバランス制御が終了した場合に、そのアームと電力変換装置20とを抵抗素子41を介して接続するので、アームに流れる電流を制限することが可能となる。また、このように抵抗素子41を設けることで、セルバランス制御を行っていたアームを早期に電力変換装置20に接続することが可能となり、蓄電システムの能力を向上させることができる。
【0051】
なお、本実施形態において、以下のような開閉装置の切り替え方法を採用することも可能である。例えば、システム制御装置30は、セルバランス制御を行っていないアームに関しては、該アームに対応する第2の開閉装置42と開閉装置とを閉状態とし、セルバランス制御を行う場合に、セルバランスを行うアームに対応する第2の開閉装置42と開閉装置とを開状態とする。そして、該セルバランス制御が終了した場合に、システム制御装置30は、セルバランス制御を行っていたアームに対応する第2の開閉装置を閉状態とし、更に、セルバランス制御が行われたアームの端子間電圧と他のアームの端子間電圧との差分が既定の許容範囲内となった場合に、セルバランス制御を行っていたアームに対応する開閉装置を閉状態とする。このように開閉装置の切り替えを行っても、同様の作用効果を得ることが可能である。
【0052】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態に係る蓄電システムついて、図3を用いて説明する。以下、本実施形態の蓄電システムについて、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。また、本実施形態においても、アーム1−1においてセルバランス制御が行われていた場合を想定して説明を行う。
【0053】
本実施形態の蓄電システムが第1の実施形態と異なる点は、各アーム1−1,1−2,・・・1−mに、組電池2の充放電を制御する充放電装置7が更に設けられている点である。
このような構成を備える蓄電システムにおいて、アーム1−1のセルバランス制御が終了すると、アーム制御装置6は、アーム1−1の組電池2の端子間電圧と、他のアーム1−2,・・・1−mの組電池2の端子間電圧とを比較し、これらの差分が許容範囲内であるか否かを判定する。
【0054】
この結果、許容範囲内でなければ、アーム制御装置6は対応する充放電装置7を作動させ、組電池2の充放電を行うことで、この組電池2の端子間電圧を他のアーム1−2,・・・1−mの組電池2の端子間電圧に近づける。そして、電圧差が許容範囲内となったところで、その旨をシステム制御装置30に通知する。システム制御装置30は、この通知を受信すると、アーム1−1に対応する開閉装置10−1を閉状態とし、アーム1−1を電力変換装置20と再接続させる。
【0055】
このように、本実施形態に係る蓄電システムによれば、セルバランス制御が終了した場合に、セルバランス制御を行ったアーム1−1の組電池2の端子間電圧と他のアーム1−2,・・・1−mの組電池2の端子間電圧との差分が大きかったときには、充放電装置7を作動させて当該アーム1−1の端子間電圧を調整することが可能となる。これにより、セルバランス制御を行ったアーム1の組電池2の端子間電圧を他のアームの組電池2の端子間電圧に早期に近づけることができ、セルバランス制御を行ったアーム1−1の再投入の時期を早めることが可能となる。
【0056】
なお、上記実施形態においては、各アーム1−1,1−2,・・・1−m内に充放電装置7を備えていたが、図4に示すように、アーム1−1,1−2,・・・1−mの外部に充放電装置7を一つ設け、この充放電装置7と各アーム1−1,1−2,・・・1−mの組電池2とを第3の開閉装置12−1,12−2,・・・12−mを介して接続することとしてもよい。このような構成では、充放電が必要な組電池2に対応する第3の開閉装置のみを閉状態とし、該組電池2と充放電装置7とを接続することにより、組電池2の充放電を行う。
【0057】
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態に係る蓄電システムついて、図5を用いて説明する。以下、本実施形態の蓄電システムについて、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。また、本実施形態においても、アーム1−1においてセルバランス制御が必要であると判断された場合を想定して説明を行う。
【0058】
図5に示すように、本実施形態の蓄電システムが第1の実施形態と異なる点は、開閉装置10−1,10−2,10−mに代えて、電圧変換装置(電圧変換手段)50−1,50−2,50−mを備えている点である。電圧変換装置50−1,50−2,50−mは、例えば、コンバータである。
【0059】
このような構成を備える蓄電システムにおいて、システム制御装置30は、アーム1−1のセルバランス制御が開始される場合に、セルバランス制御を行うアーム1−1に流れる電流が規定値以下となるように電圧変換装置50−1を制御する。このとき、システム制御装置30は、電圧変換装置50−1の作動を停止させてもよい。作動を停止させることで、アーム1−1に流れる電流をゼロにすることができる。
【0060】
そして、システム制御装置30は、セルバランス制御が終了した旨の通知をアーム1−1のアーム制御装置6から受信した場合に、電圧変換装置50−1の運転を徐々に正常状態に戻す。これにより、アーム1−1に流れる電流が上昇し、所定の期間後には、通常の充放電状態となる。
【0061】
このように、本実施形態に係る蓄電システムによれば、開閉装置10−1,10−2,10−mに代えて電圧変換装置50−1,50−2,50−mを備えるので、この電圧変換装置50−1,50−2,50−mの運転を制御することで、各アーム1−1,1−2,・・・1−mに流れる電流を制御することが可能となる。これにより、例えば、セルバランス制御を行う場合には、セルバランス制御を行うアームに流れる電流を抑制するように電圧変換装置を作動させ、また、セルバランス制御が終了した場合には、徐々に電圧変換装置の運転を正常状態に戻すことで、アームに過電流が流れることを回避することが可能となる。
【0062】
また、このような構成によれば、電圧変換装置の動作条件によっては、セルバランス制御中のアームを常に電力変換装置20と接続した状態としておけるので、セルバランス制御中であってもアームの充放電を行うことが可能となる。これにより、蓄電システムの能力を向上させることができる。
【0063】
また、本実施形態において、システム制御装置30は、アーム1−1のセルバランス制御中において、他のアーム1−2,・・・1−mによって要求電力量を負担できなくなった場合に、アーム1−1のセルバランス制御を停止させ、セルバランス制御が行われていたアーム1−1に対応する電圧変換装置50−1の運転を通常状態に戻すこととしてもよい。このようにすることで、セルバランス制御中においても蓄電システムの性能を維持した運転を行うことが可能となる。
【0064】
また、本実施形態では、セルバランス制御を実施している期間にわたって、電圧変換装置50−1の作動を抑制することとしたが、これに代えて、上述した第2の実施形態のように、セル電圧の計測時に限って電圧変換装置50−1の作動を抑制させることとしてもよい。これにより、早期に電圧変換装置50−1を通常の運転状態に戻すことができ、セルバランス制御による蓄電システムの充放電効率の低下を抑制することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態では、図5に示すように各アームに対応して電圧変換装置50−1,50−2,50−mを設けていたが、この構成に代えて、例えば、図6に示すように、1つの電圧変換装置50を設け、この電圧変換装置50と各アーム1−1,1−2,・・・1−mとを第4の開閉装置(第4の開閉手段)を介して接続することとしてもよい。このような構成では、セルバランス制御を行っているアーム1−1に対応する第4の開閉装置のみを閉状態とし、このアーム1−1を電圧変換装置50を介して電力変換装置20と接続することで、図5に示した構成の場合と同様の効果を得ることができる。
【0066】
〔第6の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態に係る蓄電システムついて説明する。
上述した各実施形態においては、一つのアーム1−1をセルバランス制御する場合について述べたが、本実施形態では、複数のアームのセルバランス制御を同時に行う点で異なる。以下、システム構成として図1に示した第1の実施形態を例に挙げて、本実施形態に係るシステム制御装置の制御方法について説明する。
【0067】
本実施形態係る蓄電システムにおいて、システム制御装置30は、同時にセルバランス制御を行うことが可能なアームの最大個数を保有しており、この最大個数の範囲内でセルバランス制御を実施させる。この最大個数は、例えば、平均的な負荷を賄える数に設定されている。
【0068】
システム制御装置30は、各アーム1−1,1−2,・・・1−mが備えるアーム制御装置6からセルバランス制御が必要であると通知されたアームの個数が、上記最大個数を超えていた場合には、各アーム制御装置6からセル電圧の情報を取得し、この情報に基づいてセル電圧のばらつきが大きなアームから優先させてセルバランス制御を行わせる。そして、セルバランス制御が終了した時点で、セルバランス制御を行うアームを切り替えることにより、順番待ちのアームについても順番にセルバランス制御を実施する。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係る蓄電システムによれば、セルバランス制御を効率的に行うことが可能となり、アーム間におけるセル電圧のばらつきを均等化することが可能となる。
【0070】
なお、上記説明では、セルバランス制御が終了したときに、セルバランス制御を行うアームの切り替えを行っていたが、これに代えて、アームの切替時期を以下のようにしてもよい。
例えば、システム制御装置30は、定期的に、セルバランス制御を行っているアームのアーム制御装置6及びセルバランス制御待ちのアームのアーム制御装置6から、それぞれの組電池2の各セル電圧を受信し、受信した各アームにおけるセル電圧からセル電圧差の最大値をアーム毎に算出する。そして、セルバランス制御を行っているアームのセル電圧差の最大値とセルバランス制御待ちのアームのセル電圧差の最大値との差分が既定の閾値以下となった場合に、セルバランス制御を行うアームの切り替えを行う。
【0071】
このようにすることで、アーム間におけるセル電圧のばらつきを均等化することが可能となる。この結果、セルバランス制御待ちのアームにおけるセル電圧の過度なばらつきを防止することができる。
【0072】
〔変形例〕
上述した各実施形態においては、各アーム1−1,1−2,・・・1−m内にアーム制御装置6を設け、このアーム制御装置6とシステム制御装置30との間で情報を授受することにより、セルバランス制御等を行っていたが、これら制御装置30の構成や配置については限定されない。
例えば、図7に示すように、各アーム1−1,1−2,・・・1−mに設けられていたアーム制御装置6(図1参照)を省略するとともに、このアーム制御装置6の機能をシステム制御装置30に担わせることで、システム制御装置30だけでセルバランス制御に関する全ての制御を行うこととしてもよい。
また、この場合において、図8に示すように、システム制御装置30を電力変換装置20’に設けることとしてもよい。
【0073】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した各実施形態に係る構成や制御方法に関する特徴部分は、可能な範囲で組み合わせて利用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る蓄電システムの概略構成を示した図である。
【図2】本発明の第3の実施形態に係る蓄電システムの概略構成を示した図である。
【図3】本発明の第4の実施形態に係る蓄電システムの概略構成を示した図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る蓄電システムの変形例を示した図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る蓄電システムの概略構成を示した図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る蓄電システムの変形例を示した図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る蓄電システムの変形例を示した図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る蓄電システムの変形例を示した図である。
【符号の説明】
【0075】
1−1,1−2,・・・1−m アーム
2 組電池
3 セルバランス回路
4 セル電圧センサ
5 組電池電圧センサ
6 アーム制御装置
7 充放電装置
10−1,10−2,・・・10−m 開閉装置
12−1,12−2,・・・12−m 第3の開閉装置
20,20’ 電力変換装置
30 システム制御装置
40−1,40−2,・・・40−m 電流抑制部
41 抵抗素子
42 第2の開閉装置
50,50−1,50−2,・・・50−m 電圧変換装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に接続されるとともに、充放電を制御する電力変換手段と接続される複数の電池モジュールと、
前記電池モジュールの各々と前記電力変換手段との間に設けられた複数の開閉手段と、
前記開閉手段を制御する制御手段と
を備え、
前記電池モジュールの各々は、
複数の電池が直列に接続された組電池と、
該組電池に対応して設けられたセルバランス回路と
を有し、
前記制御手段は、
前記セルバランス回路によるセルバランス制御が開始される場合に、セルバランス制御を行う前記電池モジュールに対応する前記開閉手段を開状態とし、
前記セルバランス制御が終了し、かつ、前記セルバランス制御が行われた前記電池モジュールの端子間電圧と他の前記電池モジュールの端子間電圧との差分が既定の許容範囲内となった場合に、開状態としていた前記開閉手段を閉状態とする蓄電システム。
【請求項2】
前記開閉手段の各々に対して並列に接続される抵抗手段と、
前記抵抗手段と直列に接続される第2の開閉手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記電池モジュールのセルバランス制御が終了した場合に、セルバランス制御を行っていた前記電池モジュールに対応する前記第2の開閉手段を閉状態とし、
セルバランス制御が行われた前記電池モジュールの端子間電圧と他の前記電池モジュールの端子間電圧との差分が既定の許容範囲内となった場合に、前記第2の開閉手段を開状態とするとともに、該第2の開閉手段に並列接続されている前記開閉手段を閉状態とする請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項3】
前記開閉手段の各々に対して並列に接続される抵抗手段と、
前記抵抗手段と直列に接続される第2の開閉手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記セルバランス制御を行っていない前記電池モジュールに関しては、該電池モジュールに対応する前記第2の開閉手段と前記開閉手段とを閉状態とし、
前記電池モジュールのセルバランス制御を行う場合に、該電池モジュールに対応する前記第2の開閉手段と前記開閉手段とを開状態とし、
該セルバランス制御が終了した場合に、セルバランス制御を行っていた前記電池モジュールに対応する前記第2の開閉手段を閉状態とし、
セルバランス制御が行われた前記電池モジュールの端子間電圧と他の前記電池モジュールの端子間電圧との差分が既定の許容範囲内となった場合に、セルバランス制御を行っていた前記電池モジュールに対応する前記開閉手段を閉状態とする請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記組電池の各々の電圧を調整するための充放電装置を備え、
前記制御手段は、前記セルバランス制御が終了した場合に、前記セルバランス制御が行われた前記電池モジュールの端子間電圧と他の前記電池モジュールの端子間電圧との差分に応じて、前記充放電装置を作動させる請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記セルバランス回路によるセルバランス制御が開始される場合に、セルバランス制御の対象となる前記組電池の各セル電圧を計測する期間に限って、セルバランス制御を行う前記電池モジュールに対応する前記開閉手段を開状態とする請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項6】
前記開閉手段に代えて、電圧変換手段を備え、
前記制御手段は、
前記セルバランス回路によるセルバランス制御が開始される場合に、セルバランス制御を行う前記電池モジュールに流れる電流が規定値以下となるように前記電圧変換手段を制御し、前記セルバランス制御が終了した場合に、前記電圧変換手段の運転を正常状態に戻す請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記セルバランス制御中において、負荷の状態に応じた要求電力量を他の前記電池モジュールからの電力供給だけでは負担できなくなった場合に、前記セルバランス制御を停止させ、前記セルバランス制御が行われていた前記電池モジュールに対応する前記電圧変換手段の運転を通常状態に戻す請求項6に記載の蓄電システム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記セルバランス回路によるセルバランス制御が開始される場合に、セルバランス制御の対象となる前記組電池の各セル電圧を計測する期間に限って、セルバランス制御を行う前記電池モジュールに流れる電流が規定値以下となるように前記電圧変換手段を制御し、前記セル電圧の計測後は、前記電圧変換手段の運転を通常状態に戻す請求項6または請求項7に記載の蓄電システム。
【請求項9】
前記電力変換手段と接続される1台の電圧変換手段と、
各前記電池モジュールと前記電圧変換手段との間に設けられた第4の開閉手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記セルバランス回路によるセルバランス制御が開始される場合に、セルバランス制御を行う前記電池モジュールに対応する前記開閉手段を開状態とするとともに、該電池モジュールに対応する前記第4の開閉手段を閉状態とし、
前記セルバランス制御が終了した場合に、開状態としていた前記開閉手段を閉状態とするとともに、閉状態としていた前記第4の開閉手段を開状態とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の蓄電システム。
【請求項10】
前記制御手段は、同時にセルバランス制御を行うことができる電池モジュールの最大個数を保有しており、該最大個数の範囲内でセルバランス制御を実施させる請求項1から請求項9のいずれかに記載の蓄電システム。
【請求項11】
前記制御手段は、セル電圧のばらつきが大きな電池モジュールから優先させて前記セルバランス制御を行わせる請求項10に記載の蓄電システム。
【請求項12】
前記制御手段は、セルバランス制御を行っている前記電池モジュールのセル電圧差とセルバランス制御待ちの前記電池モジュールのセル電圧差との差分が既定の閾値以下となった場合に、セルバランス制御を行う電池モジュールの切り替えを行う請求項10または請求項11に記載の蓄電システム。
【請求項13】
同時にセルバランス制御を行うことができる電池モジュールの最大個数は、平均的な負荷を賄える数に設定されている請求項10から請求項12のいずれかに記載の蓄電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−45923(P2010−45923A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208429(P2008−208429)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(000164438)九州電力株式会社 (245)
【Fターム(参考)】