説明

蓄電デバイス用セパレータ

【課題】 本発明は、薄膜化が可能で、イオン透過性に優れて低抵抗であり、且つ、電極間の短絡および自己放電がしにくく、しかも機械的強度に優れるセパレータを提供する。
【解決手段】 融点が200℃以上の繊維からなる不織布上に、融点が100℃〜170℃のフィブリル化されたポリオレフィン繊維と融点が200℃以上のフィブリル繊維とを含む繊維を積層してなる蓄電デバイス用セパレータ。前記不織布は、連続フィラメントからなり、該フィラメントの接点が融着していることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、リチウムイオン二次電池、ポリマーリチウム二次電池、アルミニウム電解コンデンサ、電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイス用セパレータ(以下、「セパレータ」という。)に関するものであり、特に、電気二重層キャパシタ用のセパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
比較的大容量を有し、かつ、超寿命であることを特長とする電気二重層キャパシタは、その急速充放電性を特長として、回生エネルギーの蓄電を目的とした車載用途や、複写機の定着ローラーの急速ウォームアップなど、様々な用途への適用が検討されている。特に、近年、電極の容量アップや低抵抗化に伴い、電極間に存在するセパレータには、より低抵抗化が求められると同時に、セパレータ本来の役割である高い絶縁性を同時に備えることが要望されている。電極材料の容量アップの一つとして、電極材層の厚さを増すことがあげられる。しかし、電気二重層キャパシタの体積が増してしまうため、薄型化の要求に応えるためには、電極材層が厚くなった分セパレータはより薄くすることが求められる。また、電気二重層キャパシタの内部抵抗を低減する目的からもセパレータはより薄くすることが望ましい。しかしながら、単に薄くすると上記の電気絶縁性が損なわれ、自己放電が起きやすくなるばかりでなく、電極間の短絡を起こす場合がある。従って、より薄くて低抵抗であり、しかもこれと相反する特性として自己放電や短絡の生じない薄く緻密で均一な構造を有するセパレータが求められている。
【0003】
このような観点から、種々のセパレータが検討されている。例えば、湿式不織布を用いた電気二重層キャパシタ用セパレータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。該セパレータでは、用いる繊維の繊維径を小さくし、更には繊維をフィブリル状にしたものを併用するなど、開口径を小さくし自己放電性を抑制するなどの工夫がなされている。しかしながら、かかる方法では孔径を小さくできるが、製造プロセスにおいて機械的強度が低くなり連続生産ができない場合があり、それゆえに均一な抄紙ができにくい。従って、このような方法では、膜厚を薄く、しかも孔径を均一に制御したセパレータを得ることは、生産性を考慮した場合、非常に難しいのが現状である。
【0004】
一方、このような機械的強度の課題を回避するために、機械的強度が十分な高密度の繊維層を有する第1の層上に、抵抗が低い低密度の別の繊維層を抄き合わせで重ねる方法もある。しかしながら、かかる方法では製造装置系が複雑である。さらに、高密度の第1の層があることで低抵抗化が果たせない。また、予め強度に優れる不織布を準備し、その上に繊維を抄造する方法もある。この方法では、抵抗を下げる目的から不織布の目開きを大きくすると、不織布の目開き以上に抄紙材料からなる上の層の孔径を大きくする必要があるため、非常に短絡が発生しやすく、また、自己放電も起こりやすいセパレータになっていた。
従来、抄造方法を用いたセパレータでは、薄くて均一で、短絡や自己放電の問題を回避でき、しかも生産性にも問題のないものはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−270471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、薄膜化が可能で、イオン透過性に優れて低抵抗であり、且つ、電極間の短絡および自己放電がしにくく、しかも機械的強度に優れるセパレータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のセパレータは、融点が200℃以上の繊維からなる不織布上に、融点が100℃〜170℃のフィブリル化されたポリオレフィン繊維と融点が200℃以上のフィブリル繊維とを含む繊維を積層してなることを特徴とする。
また、前記不織布が、連続フィラメントからなり、該フィラメントの接点が融着していることが好ましい。
また、前記不織布の材質が、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、半芳香族ポリエステルから選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。
また、前記ポリオレフィン繊維の材質が、ポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種以上であり、融着していることことが好ましい。
【0008】
また、前記フィブリル繊維の材質が、セルロース、アラミド、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリエステル、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール、ポリベンゾイミダゾールから選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。
また、前記ポリオレフィン繊維およびフィブリル繊維の平均繊維径が3μm以下、平均繊維長が3mm以下であることが好ましい。
また、蓄電デバイス用セパレータの厚さが60μm以下であり、密度が0.25g/cm〜0.75g/cmであることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のセパレータは、薄膜化が可能で、イオン透過性に優れて低抵抗であり、且つ、電極間の短絡防止も自己放電の抑制も優れており、しかも機械的強度に優れており、リチウムイオン二次電池、ポリマーリチウム二次電池、アルミニウム電解コンデンサ、電機二重層キャパシタなどに好適に用いることができ、特に、電気二重層キャパシタ用として好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のセパレータは、融点が200℃以上の繊維からなる不織布上に、融点が100℃〜170℃のフィブリル化されたポリオレフィン繊維と融点が200℃以上のフィブリル繊維とを含む繊維を積層された後、加熱処理により、該フィブリル化されたポリオレフィン繊維が融着している。不織布上に積層する方法として、予め用意した上記不織布の上に、ポリオレフィン繊維とフィブリル繊維を含む繊維を、湿式抄紙法によって好適に積層することができる。ポリオレフィン繊維を融着する方法としては、多筒式やヤンキー式ドライヤーが好適に使用できる。
【0011】
本発明のセパレータを構成する不織布は、膜厚を薄くし、目開きを小さくし、できるだけ緻密にする目的から、細い繊維からなることが好ましい。不織布を薄くすることで、抵抗の低減がはかれるとともに、より緻密かつ均一に目開きを小さくすることによって、その上に形成するポリオレフィン繊維とフィブリル繊維からなる層の目開きが制御され、均一にすることが可能である。
【0012】
不織布の平均繊維径は、不織布そのものの膜厚を薄くすること、また、上層部に形成する層の孔径を極めて小さくすることから、5μm以下であることが好ましい。繊維径が5μmを超える場合は、不織布の目開きが粗くなるために、その上層部の形成層の孔径が大きくなり、また、セパレータの膜厚も厚くなってしまう。
【0013】
本発明において、不織布は、連続フィラメント同士の接点が融着されることによって、薄くても強度が強い不織布が得られ、機械的強度が必要とされる捲回方式で蓄電デバイスを作製することができる。繊維を加熱により融着させたものでもよく、あるいは、不織布の製造工程で融着させたものであってもよい。
【0014】
不織布は、蓄電デバイスを組み立てる際の耐熱性を持たせるために、融点が200℃以上の樹脂材料からなるものであれば、いずれも好適に使用することが可能である。なお、融点が200℃以上の樹脂には、実質的に融点を有さない樹脂材料からなるものを含むものである。不織布としては、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、半芳香族ポリエステルから選ばれる少なくとも1種以上が、これらの樹脂からなる繊維は耐熱性が優れるとともに、電気化学的な安定性が高いことや有機系の電解液に対する安定性が高いことから、好ましく用いられる。
【0015】
本発明において、不織布の目開きとしては、バブルポイント法で最大孔径が450μm以下であることが好ましい。450μmを超えると、ポリオレフィン繊維またはフィブリル繊維が不織布の隙間から抜け出やすく、連続した安定生産が難しくなる。また、セパレータとしての目開きが大きくなりすぎるために、耐自己放電性が悪化するばかりでなく、短絡も生じやすくなる。
【0016】
本発明のセパレータを構成するフィブリル化されたポリオレフィン繊維は、融点が100℃〜170℃のポリエステル繊維或いはポリプロピレン繊維などを叩解して得られる。融点が100℃未満では、蓄電デバイスの使用温度領域で溶解し、170℃を超えた場合は、ポリオレフィン繊維の加熱処理工程で、本発明のセパレータを構成するその他フィブリル繊維が軟化してしまう。また、該フィブリル化されたポリオレフィン繊維は、フィブリル繊維を含む繊維と不織布上に積層した後、多筒式やヤンキー式ドライヤー等を用いて、加熱融着させることが好ましい。加熱融着させることにより、ポリエステル繊維とフィブリル繊維同士の結合を増大させ、繊維離脱を抑制できる。ポリオレフィンは繊維状で使用するため、溶融しても積層した層の孔径を遮断しないため、フィルム状にならず、内部構造を極めて多孔性に富んだ高空隙率のものとすることができる。
【0017】
本発明のセパレータにおいては、フィブリル繊維を用いることによって、不織布上に積層した層の孔径を極めて均一に小さくできるとともに、内部構造を極めて多孔性に富んだ高空隙率のものとすることができる。そのため、電解液の含浸量を多くすることができ、蓄電デバイスの低抵抗化とともに高容量化が可能となる。
【0018】
ポリエステル繊維およびフィブリル繊維の平均繊維径および平均繊維長は、積層した層の孔径を小さくすることから、平均繊維径は3μm以下、平均繊維長は3mm以下であることが好ましい。平均繊維径が3μmより大きい場合や、あるいは、平均繊維長が3mmより大きいと、積層した層の孔径を小さくしきれず、短絡防止や自己放電の抑制ができにくいという問題を生じやすい。
【0019】
フィブリル繊維の材質は、酸化還元雰囲気における電気化学的な安定性が良好であり、絶縁性を有するものであれば、融点が200℃以上のものであれば、いずれの材質も用いることができるが、特に、アラミド、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリエステル、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール、ポリベンゾイミダゾールから選ばれる少なくとも1種以上が好適に用いられる。
【0020】
本発明のセパレータの厚さは、60μm以下であることが好ましい。セパレータの厚さが60μmを超えると、蓄電デバイスの薄型化に不利になると同時に、一定のセル体積に入れられる電極材の量が少なくなるばかりでなく、抵抗が高くなり好ましくない。
【0021】
また、セパレータの密度は、0.25g/cm〜0.75g/cmであることが好ましい。0.25g/cm未満であると、セパレータの空隙部分が過多となり、短絡の発生や、耐自己放電性が悪化しやすいなどの不具合を生ずる場合がある。一方、密度が0.75g/cmより大きいと、セパレータを構成する材料の詰まり方が過多となるために、イオン移動が阻害され抵抗が高くなりやすい。本発明のセパレータの空隙率としては、30%〜90%の範囲にあることが、短絡を防止することと抵抗が高くなるのを抑えることを両立させるために好ましい。
【0022】
ここでいう空隙率は、坪量M(g/cm)、厚さT(μm)、密度D(g/cm)を用いて次式により求められる。
空隙率(%)=[1−(M/T)/D]×100
【0023】
以上説明したように、本発明のセパレータは、融点が200℃以上の繊維からなる不織布上に、融点が100℃〜170℃のフィブリル化されたポリオレフィン繊維と融点が200℃以上のその他フィブリル繊維とを含む繊維を積層された後、加熱処理により、該フィブリル化されたポリオレフィン繊維が融着しているので、蓄電デバイス用セパレータ、特に、電気二重層キャパシタ用として、短絡もなく、且つ、イオン透過性に優れた性能を有し、機械強度が強く、繊維脱離が抑制されている。また、不織布の層が緻密なため、特にフィブリル繊維の抜け落ちがなく、従って、連続生産においても極めて良好な生産安定性を得るこことができる。それゆえに、比較的高価なフィブリル繊維も無駄にすることがなく、所望の特性向上を果たすことができるので、工業生産上極めて有利である。さらに、不織布上に積層して2層構造としても、非常に薄膜で高性能のセパレータを得ることができる。
【0024】
次に、本発明のセパレータの製造方法の一例について説明する。
先ず、フィブリル繊維を水に分散する。本発明に用いるフィブリル繊維は、通常の離解工程では均一に分散しにくいため、ローター・ステーター型の分散装置や、超音波分散装置を用いることによって、良好な分散が可能である。また、この分散工程で使用する水は、イオン性不純物をできるだけ少なくするために、イオン交換水を用いた方が好ましい。
【0025】
次に上記で得られたフィブリル繊維の分散体とフィブリル化されたポリオレフィン繊維を、通常のスクリュータイプの攪拌機で混合しながら離解し、抄紙用のスラリーに適用できるように、好ましくは固形分濃度が0.5質量%以下になるように濃度調整する。次いで、長網式、短網式、円網式、傾斜式などの湿式抄紙機を適用し、予め通紙してある不織布上に積層し、連続したワイヤーメッシュ状の脱水パートで脱水して、多筒式やヤンキー式ドライヤー等の乾燥パートを通して、セパレータを得ることができる。
【0026】
以下に、本発明のセパレータを実施例によって説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
【実施例1】
【0027】
フィブリル化アラミド繊維(融点なし、平均繊維径0.25μm、平均繊維長0.5mm)をイオン交換水に1質量%で分散した液を超音波分散装置で10分間分散し、フィブリル繊維の分散体を作成した。
上記フィブリル繊維と融点135℃のフィブリル化されたポリエステル繊維を、それぞれの固形分比が、フィブリル化アラミド繊維:フィブリル化ポリエステル繊維=3:2(質量比)となるように、混合し、さらに、混合後のフィブリル化アラミド繊維とフィブリル化ポリエステル繊維の合計の固形分が、イオン交換水中で0.03質量%となるように混合した後に離解した。離解は、小型の投入型スクリューを用いて、ステンレス容器中で10分間行った。離解後、さらにイオン交換水を用いて、トータルの固形分濃度が0.01質量%となるようにイオン交換水を添加して抄紙材料を調整した。次に、本発明に用いる不織布として、平均繊維径が3μmの全芳香族ポリエステル繊維(融点260℃)の連続フィラメントからなり、該フィラメントの接点が融着している厚さ15μmの不織布(バブルポイント法による最大孔径:300μm)を準備し、JIS P8222に規定する標準型手抄き装置を用いて、上記調整した抄紙材料を不織布上に積層した。なお、抄紙材料は固形分の単位面積あたりの質量が4g/mとなるように、抄紙した。その後、得られた湿体シートを手抄紙装置から取り出した後に、ヤンキー・ドライヤーにて150℃で乾燥して本発明のセパレータを得た。
得られたセパレータの物性は、密度は0.45g/cm、空隙率は77%、圧縮率は1.24であった。また、セパレータの厚さは25μmであった。
【実施例2】
【0028】
フィブリル化アラミド繊維をフィブリル化ポリフェニレンサルファイド繊維(融点280℃、平均繊維径0.15μm、平均繊維長0.6mm)に代えた以外は、実施例1と同様にして本発明のセパレータを得た。得られたセパレータの物性は、密度は0.46g/cm、空隙率は75%、圧縮率は1.67であった。また、セパレータの厚さは23μmであった。
【実施例3】
【0029】
フィブリル化アラミド繊維をフィブリル化全芳香族ポリエステル繊維(融点280℃、平均繊維径0.3μm、平均繊維長0.55mm)に代えた以外は、実施例1と同様にして本発明のセパレータを得た。得られたセパレータの物性は、密度は0.41g/cm、空隙率は80%、圧縮率は1.23であった。また、セパレータの厚さは25μmであった。
【実施例4】
【0030】
不織布を平均繊維径が3μmの全芳香族ポリエステル繊維(融点300℃)の連続フィラメントからなり、該フィラメントの接点が融着している厚さが18μmの不織布に代えた以外は、実施例1と同様にして本発明のセパレータを得た。得られたセパレータの物性は、密度は0.48g/cm、空隙率は74%、圧縮率は1.17であった。また、セパレータの厚さは28μmであった。
【実施例5】
【0031】
不織布を平均繊維径が2.5μmのアラミド繊維(融点320℃)の連続フィラメントからなり、該フィラメントの接点が融着している厚さが15μmの不織布に代えた以外は、実施例1と同様にして本発明のセパレータを得た。得られたセパレータの物性は、密度は0.45g/cm、空隙率は77%、圧縮率は1.27であった。また、セパレータの厚さは25μmであった。
【0032】
(比較例1)
セルロース系繊維の叩解度を700mlに調整し、平均繊維径が8μm、平均繊維長が10mmのセルロース系繊維を得た。次にポリエステル繊維の代わりに該セルロース系繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして比較用のセパレータを得た。得られたセパレータの物性は、密度は0.39g/cm、空隙率は83%、圧縮率は1.32であり、セパレータの厚さは29μmであった。
【0033】
<電気二重層キャパシタの組み立ておよびその評価>
実施例1〜5および比較例1で得られたセパレータについて、各々電極を用いて電気二重層キャパシタを組み立てて、コイン型セルを作製した。コイン型セルの作製においては、電極として電気二重層キャパシタ用の活性炭電極(宝泉社製)を用いた。また、電解液としてプロピレンカーボネートに、1mol/Lとなるようにテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレイトを溶解したものを用いた。
作製されたコイン型セルについて、交流インピーダンス法によって、20℃−1KHzでの抵抗を測定した。また、各々のセルについて、2.5Vにて充電した後に、電気回路を開放して15分後の保持電圧を調べた。
【0034】
【表1】

【0035】
表1の結果から、本発明のセパレータを用いた電気二重層キャパシタは、抵抗値も十分に低く、また、自己放電性にも優れていることが確認された。これに対して、比較例1のセパレータを用いた電気二重層キャパシタは、抵抗は低いものの、自己放電が非常に大きく、著しく劣るものであった。
以上の結果から、本発明のセパレータは、薄膜化が可能で、イオン透過性に優れて低抵抗であり、且つ、電極間の短絡防止も自己放電の抑制も優れており、しかも機械的強度に優れており、リチウムイオン二次電池、ポリマーリチウム二次電池、アルミニウム電解コンデンサ、電機二重層キャパシタなどに好適に用いることができ、特に、電気二重層キャパシタ用として好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
融点が200℃以上の繊維からなる不織布上に、融点が100℃〜170℃のフィブリル化されたポリオレフィン繊維と融点が200℃以上のフィブリル繊維とを含む繊維を積層してなることを特徴とする蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項2】
前記不織布が、連続フィラメントからなり、該フィラメントの接点が融着していることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項3】
前記不織布の材質が、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、半芳香族ポリエステルから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項4】
前記ポリオレフィン繊維の材質が、ポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項5】
前記ポリオレフィン繊維が、融着していることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項6】
前記フィブリル繊維の材質が、アラミド、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリエステル、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール、ポリベンゾイミダゾールから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項7】
前記ポリオレフィン繊維およびフィブリル繊維の平均繊維径が3μm以下、平均繊維長が3mm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項8】
蓄電デバイス用セパレータの厚さが60μm以下であり、密度が0.25g/cm〜0.75g/cmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。

【公開番号】特開2010−239061(P2010−239061A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87697(P2009−87697)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000153591)株式会社巴川製紙所 (457)
【Fターム(参考)】