説明

蓄電池充電量判定装置及び方法

【課題】単相電源における電力貯蔵交直変換装置において、2次電池などの蓄電池を流れる電流の平均値(直流分)に対する脈動率を算出し、充電量を運転中に連続して、かつ、簡易に判定する蓄電池の充電量判定装置及び方法を提供すること。
【解決手段】充放電電流検出手段201で検出された電流検出値から、リプル分抽出手段202、平均値算出部203においてリプル分と直流分を取り出し、直流分に対するリプル分の割合、即ち脈動率を除算器204で算出し、記憶手段205に格納する。記憶手段205には、検出した電流から算出した脈動率の外に、予め測定されたSOCの変化に対する脈動率の変化を記録した脈動率−SOCデータベースが格納されており、SOC判定手段206は、充放電電流検出手段201で検出される脈動率と脈動率−SOCデータベースとを照合してSOCを判定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池充電量判定装置及び方法に関し、より詳細には、単相電源における単相電力貯蔵交直変換装置において、2次電池などの蓄電池充電量を運転中に判定する蓄電池の充電量判定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電池システムは、その運用過程で充放電を繰り返すことにより蓄電池の寿命劣化が進行する。蓄電池システムにおいては、蓄電池の劣化を遅らせることも大きな課題である。蓄電池の寿命劣化抑制方法としては、蓄電池の充電量(SOC:State of Charge)を推定し、SOCに基づいて過充放電を行わないように制御する方法があるが、この場合、蓄電池のSOCを正確に知ることが重要になる。
【0003】
従来、蓄電池のSOCの検出は、例えば鉛蓄電池では、電解液の比重に基づく方法や、蓄電池の無負荷状態での端子電圧、すなわち開路電圧(OCV)に基づく方法がある。
【0004】
また、システム稼動中のSOCを求める方法としては、蓄電池の充電電流及び放電電流を所定期間毎に積算して積算充電量及び積算放電量を求め、これらの積算充電量および積算放電量を充放電開始直前のSOCに加算又は減算することからSOCを算出する方法がある。
【0005】
【特許文献1】特願2007−303596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前者はOCVを無負荷状態で検出することが求められるので、システム稼動中にSOCの検出を行うことはできないという課題があった。また、後者は、積算充電量および積算放電量を算出する際、電流検出器の測定誤差等が累積されるため、長期間のSOC算出課程で誤差が増大する可能性が大きいという課題があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、単相電源における電力貯蔵交直変換装置(PCS:Power Conversion System)において、2次電池などの蓄電池を流れる電流の平均値(直流分)に対する脈動率を算出し、SOCを運転中、すなわち充電時又は放電時に連続して、かつ、簡易に判定する蓄電池の充電量判定装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、単相電力貯蔵交直変換装置が有する蓄電池の充電量(SOC)を判定するSOC判定装置であって、前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段で検出された電流値をリプル分と直流分に分離し、リプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算手段と、所定のSOCのときの前記脈動率を基準とした前記脈動率の変化量に基づいて前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、単相電力貯蔵交直変換装置が有する蓄電池の充電量(SOC)を判定するSOC判定装置であって、前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段で検出された電流値に関してリプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算手段と、前記蓄電池の特性に基づいて脈動率とSOCとを関係付けた脈動率−SOC対応データが格納された記憶手段と、前記記憶手段から読み込んだ前記脈動率−SOC対応データと、前記脈動率とを照合して前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のSOC判定装置において、前記SOC判定手段は、前記脈動率の変化率が大きく変化したことを検出したときに放電末期であると判定することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、SOC判定装置であって、蓄電池及び直流側にリアクトルを含まない平滑化回路を有する単相電力貯蔵交直変換装置と、前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段で検出された電流値に関してリプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算手段と、所定のSOCのときの前記脈動率に応じた所定の脈動率の変化量に対するSOCの変化量に基づいて前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、SOC判定装置であって、蓄電池及び直流側にリアクトルを含まない平滑化回路を有する単相電力貯蔵交直変換装置と、前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段で検出された電流値に関してリプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算手段と、前記蓄電池の特性に基づいて脈動率とSOCとを関係付けた脈動率−SOC対応データが格納された記憶手段と、前記記憶手段から読み込んだ前記脈動率−SOC対応データと、前記脈動率とを照合して前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、SOC判定装置であって、蓄電池及び直流側にリアクトルを含まない平滑化回路を有する単相電力貯蔵変換装置を有し、前記複数の単相電力貯蔵変換装置が直列に接続された単相電力貯蔵交直変換装置と、前記各蓄電池に流入する電流を選択的に検出する電流検出手段と、前記電流検出手段で検出された電流値に関してリプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算手段と、所定のSOCのときの前記脈動率に応じた所定の脈動率の変化量に対するSOCの変化量に基づいて前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、SOC判定装置であって、蓄電池及び直流側にリアクトルを含まない平滑化回路を有する単相電力貯蔵変換装置を有し、前記複数の単相電力貯蔵変換装置が直列に接続された単相電力貯蔵交直変換装置と、前記各蓄電池に流入する電流を選択的に検出する電流検出手段と、前記電流検出手段で検出された電流値に関してリプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算手段と、前記蓄電池の特性に基づいて脈動率とSOCとを関係付けた脈動率−SOC対応データが格納された記憶手段と、前記記憶手段から読み込んだ前記脈動率−SOC対応データと、前記脈動率演算手段によって算出された脈動率とを照合して前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項4又は7に記載のSOC判定装置において、前記SOC判定手段は、前記脈動率が予め設定された閾値以下であることを検出したとき前記蓄電池が放電末期であると判定することを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1、4、6のいずれかに記載のSOC判定装置において、前記所定のSOCは、100%であることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、単相電力貯蔵交直変換装置が有する蓄電池のSOCを判定するSOC判定方法であって、前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を検出する電流検出ステップと、前記電流検出手段で検出された電流値に関をリプル分と直流分に分離し、リプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算ステップと、所定のSOCのときの前記脈動率を基準とした前記脈動率の変化量に基づいて前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定ステップとを有することを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、単相電力貯蔵交直変換装置が有する蓄電池のSOCを判定するSOC判定方法であって、前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を検出する電流検出ステップと、前記電流検出手段で検出された電流値をリプル分と直流分に分離し、リプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算ステップと、前記蓄電池の特性に基づいて脈動率とSOCとを関係付けた脈動率−SOC対応データが格納された記憶手段から読み込んだ前記脈動率−SOC対応データと、前記脈動率演算手段によって算出された脈動率とを照合して前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定ステップとを有することを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項10又は11に記載のSOC判定方法において、前記SOC判定ステップが、前記脈動率の変化率が大きく変化したことを検出したときに放電末期であると判定することを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項10に記載のSOC判定方法において、前記所定のSOCは、100%であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、単相電源におけるPCSにおいて、2次電池などの蓄電池を流れる電流の平均値(直流分)に対する脈動率を算出し、SOCを運転中、すなわち充電時又は放電時に連続して、かつ、簡易に判定するが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
蓄電池の充電量が変化すると蓄電池の内部抵抗が変化することが知られている。本発明では、脈動率による内部抵抗変化測定方法(特許文献1参照)を用いることにより、運転中に連続して、かつ、簡易にSOCを判定することができる。また、特に直流側平滑回路をリアクトル無しでコンデンサのみの構成とすることで、より効果的にSOCを判定することができる。
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0024】
(実施形態1)
図1(a)に、平滑化回路にリアクトルを有する単相電力貯蔵PCSの主回路構成を示し、図1(b)に、本発明の実施形態1に係るSOC判定装置の構成を示す。
【0025】
単相交流電源101はリアクトルLを介してPCS102に交流電力を供給し、PCS102において単相全波整流を行うことによって交流電力から直流電力に変換する。PCS102の直流側には、交直変換の際に生じたリプル電流を平滑用コンデンサC及びリアクトルLdcを介して起電力Ei、内部抵抗riの蓄電池103が接続されている。
【0026】
SOC判定装置200は、平滑用コンデンサCとリアクトルLdcとの間に電気的に接続し、充放電電流検出手段201において電流の検出を行う。充放電電流検出手段201で検出された電流検出値から、リプル分抽出手段202、平均値算出部203においてリプル分と直流分を取り出し、直流分に対するリプル分の割合、即ち脈動率を除算器204で算出し、記憶手段205に格納する。記憶手段205には、検出した電流から算出した脈動率の外に、予め測定されたSOCの変化に対する脈動率の変化を記録した脈動率−SOCデータベースが格納されており、SOC判定手段206は、充放電電流検出手段201で検出される脈動率と脈動率−SOCデータベースとを照合してSOCを判定することができる。SOC判定手段206の判定結果は、判定結果表示手段207によって表示可能にされている。
【0027】
尚、より簡易な蓄電池103のSOC判定方法として、記憶手段205の脈動率−SOCデータベースを使用しない方法もある。この方法では、SOC判定装置206は、脈動率が予め設定された閾値を下回ったか否かを判定することにより、脈動率のみからSOCの判定を行うことができる。
【0028】
図2(a)、(b)に、図1(a)の単相電力貯蔵PCSの主回路構成において、本発明の実施形態1に係るSOC判定装置で測定したSOCに対する脈動率の測定結果を示す。尚、図2(a)は放電時に測定した結果であり、図2(b)は充電時に測定した結果である。また、蓄電池としては鉛蓄電池を用い、蓄電池の経年劣化を模擬するため蓄電池に直列に抵抗を接続した。
【0029】
図2(a)、(b)の結果より、SOCが約40%以上では、劣化度合に関わらず脈動率の変化量に対するSOCの変化量は一定であることが分かる。このことから、例えば、SOC100%のときの脈動率を基準にして、その基準となる脈動率からの変化量を測定すれば劣化度合に関わらずSOCを判定することができる。
【0030】
また、図2(a)が示すように、抵抗無しの場合SOCが約35%で脈動率が大きく低下を始め、経年劣化が進んで内部抵抗が大きくなると脈動率の低下が始まるSOCが徐々に高くなる。さらに、経年劣化により内部抵抗が増加した場合、SOC低下時の脈動率の低下量も大きくなる。このような特性を踏まえて、脈動率の大きな低下が始まるSOCが高くなるのに応じて、脈動率に対応するSOCを高く設定することにより、経年劣化しても脈動率から充電量の変化を把握すること、特に放電末期の状態を知ることができ、過放電を防止することができる。
【0031】
(実施形態2)
蓄電池103の保護のためには、蓄電池103にかかるリプル電圧、リプル電流を小さくする必要がある。そのため、一般的にPCS102の直流側には、リプル除去のための平滑用コンデンサ及びリアクトルが設置されている。また、電源電圧が100V以下のような低い場合には、大容量のコンデンサが比較的容易に使用できるため、図3に示すように平滑用コンデンサ単独で構成することもできる。この場合、実施形態1のSOC判定装置200を、コンデンサCと蓄電池103との間に接続し、蓄電池103に流入するリプル電流の検出を行う。
【0032】
図4(a)、(b)に、図3の平滑回路にリアクトルを有さない単相電力貯蔵PCSの主回路構成において、本発明の実施形態1に係るSOC判定装置で測定したSOCに対する脈動率の測定結果を示す。尚、図4(a)は放電時に測定した結果であり、図4(b)は充電時に測定した結果である。また、蓄電池としては鉛蓄電池を用い、蓄電池の経年劣化を模擬するため蓄電池に直列に抵抗を接続した。
【0033】
この結果を直流側平滑化回路にリアクトルを有する実施形態1の場合と比較すると、直流側にリアクトルを持たない単相PCSの主回路構成の方が充電量に対する脈動率の変化がより滑らかで連続的である。このように、直流側にリアクトルを持たない単相PCSの主回路構成を採用した場合、脈動率からより正確な充電量の概略値を推定することが可能になる。また、実施形態1の場合と異なり、劣化度合により脈動率の変化量に対するSOCの変化量は変化する。そのため、例えば、SOC100%のときの脈動率に応じて脈動率の変化量に対するSOCの変化量を設定することにより、劣化度合に関係なく脈動率からSOCを判定することができる。
【0034】
また図4(a)、(b)が示すように、経年劣化が進み、内部抵抗が増加すると、SOC100%のときの脈動率は大きく低下するが、SOCが低下するのに伴って経年劣化に伴う脈動率の低下は少なくなる。このことから、経年劣化を把握するためには、SOC100%での脈動率の変化を測定することが望ましい。また、経年劣化が進むと脈動率からSOCの変化を把握するのは難しくなるが、放電末期の脈動率は劣化度合に関係無く概ね同程度の脈動率となる。そのため、放電末期の状態は常に脈動率から把握して過放電を防止することができる。
【0035】
尚、実施形態1と同様に、記憶手段205に予め測定されたSOCの変化に対する脈動率の変化を記録した脈動率−SOCデータベースを格納しておき、SOC判定手段206は、検出される脈動率と脈動率−SOCデータベースとを照合してSOCを判定することもできる。
【0036】
また、電源電圧が100Vを超えるような高い電圧であっても、図5に示す低電圧電池多重化インバータシステムを採用することにより、直流側コンデンサの印加電圧を汎用のコンデンサを使用できる電圧まで低減し、直流側のリアクトルを不要とすることができる。これにより、高電圧の電源に対しても脈動率の変化による充電量の推定を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】(a)は平滑化回路にリアクトルを有する単相電力貯蔵PCSの主回路構成を示す図であり、(b)は本発明の実施形態1に係るSOC判定装置の構成を示す図である。
【図2】図1(a)の単相電力貯蔵PCSの主回路構成において、本発明の実施形態1に係るSOC判定装置で測定したSOCに対する脈動率の測定結果であって、(a)は放電時の測定結果を示す図であり、(b)は充電時の測定結果を示す図である。
【図3】平滑化回路にリアクトルを有さない単相電力貯蔵PCSの主回路構成を示す図である。
【図4】図3の平滑回路にリアクトルを有さない単相電力貯蔵PCSの主回路構成において、本発明の実施形態1に係るSOC判定装置で測定したSOCに対する脈動率の測定結果であって、(a)は放電時の測定結果を示す図であり、(b)は充電時の測定結果を示す図である。
【図5】低電圧電池多重化インバータシステムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
100 単相PCS回路
101 交流単相電源
102 PCS
103 蓄電池
200 SOC判定装置
201 充放電電流検出手段
202 リプル分抽出手段
203 平均値算出手段
204 除算器
205 記憶手段
206 SOC判定手段
207 判定結果表示手段
301 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単相電力貯蔵交直変換装置が有する蓄電池の充電量(SOC)を判定するSOC判定装置であって、
前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流値をリプル分と直流分に分離し、リプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算手段と、
所定のSOCのときの前記脈動率を基準とした前記脈動率の変化量に基づいて前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定手段と
を備えたことを特徴とするSOC判定装置。
【請求項2】
単相電力貯蔵交直変換装置が有する蓄電池の充電量(SOC)を判定するSOC判定装置であって、
前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流値に関してリプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算手段と、
前記蓄電池の特性に基づいて脈動率とSOCとを関係付けた脈動率−SOC対応データが格納された記憶手段と、
前記記憶手段から読み込んだ前記脈動率−SOC対応データと、前記脈動率とを照合して前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定手段と
を備えたことを特徴とするSOC判定装置。
【請求項3】
前記SOC判定手段は、前記脈動率の変化率が大きく変化したことを検出したときに放電末期であると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のSOC判定装置。
【請求項4】
蓄電池及び直流側にリアクトルを含まない平滑化回路を有する単相電力貯蔵交直変換装置と、
前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流値に関してリプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算手段と、
所定のSOCのときの前記脈動率に応じた所定の脈動率の変化量に対するSOCの変化量に基づいて前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定手段と
を備えたことを特徴とするSOC判定装置。
【請求項5】
蓄電池及び直流側にリアクトルを含まない平滑化回路を有する単相電力貯蔵交直変換装置と、
前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流値に関してリプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算手段と、
前記蓄電池の特性に基づいて脈動率とSOCとを関係付けた脈動率−SOC対応データが格納された記憶手段と、
前記記憶手段から読み込んだ前記脈動率−SOC対応データと、前記脈動率とを照合して前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定手段と
を備えたことを特徴とするSOC判定装置。
【請求項6】
蓄電池及び直流側にリアクトルを含まない平滑化回路を有する単相電力貯蔵変換装置を有し、前記複数の単相電力貯蔵変換装置が直列に接続された単相電力貯蔵交直変換装置と、
前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を選択的に検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流値に関してリプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算手段と、
所定のSOCのときの前記脈動率に応じた所定の脈動率の変化量に対するSOCの変化量に基づいて前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定手段と
を備えたことを特徴とするSOC判定装置。
【請求項7】
蓄電池及び直流側にリアクトルを含まない平滑化回路を有する単相電力貯蔵変換装置を有し、前記複数の単相電力貯蔵変換装置が直列に接続された単相電力貯蔵交直変換装置と、
前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を選択的に検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流値に関してリプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算手段と、
前記蓄電池の特性に基づいて脈動率とSOCとを関係付けた脈動率−SOC対応データが格納された記憶手段と、
前記記憶手段から読み込んだ前記脈動率−SOC対応データと、前記脈動率演算手段によって算出された脈動率とを照合して前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定手段と
を備えたことを特徴とするSOC判定装置。
【請求項8】
前記SOC判定手段は、前記脈動率が予め設定された閾値以下であることを検出したとき前記蓄電池が放電末期であると判定することを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載のSOC判定装置。
【請求項9】
前記所定のSOCは、100%であることを特徴とする請求項1、4、6のいずれかに記載のSOC判定装置。
【請求項10】
単相電力貯蔵交直変換装置が有する蓄電池のSOCを判定するSOC判定方法であって、
前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を検出する電流検出ステップと、
前記電流検出手段で検出された電流値をリプル分と直流分に分離し、リプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算ステップと、
所定のSOCのときの前記脈動率を基準とした前記脈動率の変化量に基づいて前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定ステップと
を有することを特徴とするSOC判定方法。
【請求項11】
単相電力貯蔵交直変換装置が有する蓄電池のSOCを判定するSOC判定方法であって、
前記蓄電池に流入する、及び前記蓄電池から放出される電流を検出する電流検出ステップと、
前記電流検出手段で検出された電流値をリプル分と直流分に分離し、リプル分の直流分に対する割合である脈動率を算出する脈動率演算ステップと、
前記蓄電池の特性に基づいて脈動率とSOCとを関係付けた脈動率−SOC対応データが格納された記憶手段から読み込んだ前記脈動率−SOC対応データと、前記脈動率演算手段によって算出された脈動率とを照合して前記蓄電池のSOCを判定するSOC判定ステップと
を有することを特徴とするSOC判定方法。
【請求項12】
前記SOC判定ステップは、前記脈動率の変化率が大きく変化したことを検出したときに放電末期であると判定することを特徴とする請求項10又は11に記載のSOC判定方法。
【請求項13】
前記所定のSOCは、100%であることを特徴とする請求項10に記載のSOC判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−154657(P2010−154657A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330022(P2008−330022)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000217686)電源開発株式会社 (207)
【Fターム(参考)】