説明

蓄電池収納室及びこれを備えたユニット建物

【課題】建物内のスペースの有効利用を図りつつ、蓄電池の性能を良好に維持する。
【解決手段】建物ユニット22が隣接する境界部24はデッドスペースとされるが、このデッドスペースが蓄電池42を収納する蓄電池収納室16とされている。蓄電池収納室16は床下給気口50を介して床下スペース52と連通されており、床下給気口50は床下切換ダンパ62によって開閉される。また、床下給気口50には床下給気ファン54が配設されている。また、蓄電池収納室16は、間仕切り壁40の下端部に形成された室内給気口68を介して室内70と連通されている。室内給気口68は室内切換ダンパ72によって開閉される。さらに、蓄電池収納室16内には収納室温度検出センサ78が配設されており、天井には排気口44が形成されている。床下切換ダンパ72及び室内切換ダンパ72は蓄電池収納室内温度に基づいて開閉制御されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池収納室及びこれを備えたユニット建物に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、住宅用の電力蓄蔵システムにおいて、外壁パネルにおける外面パネルと内面パネルとの間の空間(デッドスペース)に、薄型の蓄電池を収納させた技術が開示されている。さらに、この技術では、蓄電池を収納する外壁パネルの内部スペースと屋根裏スペースとが天井梁に隣接して設けた隙間を介して相互に連通されていると共に、外壁パネルの内部スペースと床下スペースとが土台に隣接して設けた隙間を介して相互に連通されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−328797号公報
【特許文献2】特開2000−333370号公報
【特許文献3】特開2000−323113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された先行技術による場合、蓄電池を適切な温度環境で保持することができないという課題がある。
【0005】
すなわち、外壁パネルの内部スペースに蓄電池を収納させた場合、外部からの日射等により蓄電池の収納スペースが高温になったり、或いは降雪時に積雪した雪等によって蓄電池の収納スペースが低温になったりするが、上記先行技術による場合、天井裏スペース及び床下スペースとの自然換気による温度調節しかできないので、蓄電池の性能を低下させる可能性がある。特に排気側となる天井裏スペース側の空気の温度調節はあまり問題ではないが、給気側となる床下スペース内の空気の温度調節は蓄電池に直接影響を与えるので、一意的な流路しか確保されない場合は温度調節しようにもなかなか難しい面がある。従って、上記先行技術は、この観点から、改良の余地がある。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、建物内のスペースの有効利用を図りつつ、蓄電池の性能を良好に維持することができる蓄電池収納室及びこれを備えたユニット建物を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る蓄電池収納室は、建物高さ方向に沿って形成されると共に蓄電池が収納可能とされた収納室と、この収納室と天井裏スペースとを連通する排気口と、収納室と床下スペースとを連通する第1給気口と、この第1給気口を開閉する第1開閉手段と、収納室と室内とを連通する第2給気口と、この第2給気口を開閉する第2開閉手段と、収納室内の温度を検出する収納室温度検出手段と、この収納室温度検出手段によって検出された収納室内温度が第1の所定温度より大きく第2の所定温度より小さい中温域の場合には、第1開閉手段を開放状態にすると共に第2開閉手段を閉止状態とし、収納室内温度が第1の所定温度以下の低温域になった場合には第1開閉手段を閉止状態にすると共に第2開閉手段を開放状態にする制御手段と、を有している。
【0008】
請求項2の発明に係る蓄電池収納室は、請求項1記載の発明において、前記第1給気口又はその近傍に設けられると共に前記制御手段によってその作動が制御され、作動することにより前記床下スペース内の空気を前記収納室内へ流入させる給気口側ファンを備えており、前記収納室内温度が前記第2の所定温度以上の高温域になった場合には、前記制御手段によって給気口側ファンが強制的に作動される、ことを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明に係る蓄電池収納室は、請求項1記載の発明において、前記排気口又はその近傍に設けられると共に前記制御手段によってその作動が制御され、作動することにより前記収納室内の空気を前記天井裏スペースへ流入させる排気口側ファンを備えており、前記収納室内温度が前記第2の所定温度以上の高温域になった場合には、前記制御手段によって排気口側ファンが強制的に作動される、ことを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明に係る蓄電池収納室は、請求項1記載の発明において、室内の温度を検出する室内温度検出手段及び床下スペース内の温度を検出する床下温度検出手段を備えており、前記制御手段は、前記収納室内温度が前記第1の所定温度以下でかつ前記室内温度検出手段によって検出された室内温度が前記床下温度検出手段によって検出された床下温度以上の場合に、前記第1開閉手段を閉止状態にすると共に前記第2開閉手段を開放状態にする、ことを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明に係る蓄電池収納室は、請求項1記載の発明において、前記収納室と土間とを連通する第3給気口と、この第3給気口を開閉する第3開閉手段と、を備えており、前記制御手段は、収納室温度検出手段によって検出された収納室内温度が第1の所定温度より大きく第2の所定温度より小さい中温域の場合には、第1開閉手段を開放状態にすると共に第3開閉手段を閉止状態とし、収納室内温度が第1の所定温度以下の低温域になった場合には第1開閉手段を閉止状態にすると共に第3開閉手段を開放状態にする、ことを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明に係る蓄電池収納室は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記収納室は、柱が2本以上集まった柱集合部に隣接して設けられ、かつ天井と床と壁に囲まれた柱横スペースである、ことを特徴としている。
【0013】
請求項7の発明に係る蓄電池収納室は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明において、前記収納室は、複数階建ての建物の複数階に亘って形成されている、ことを特徴としている。
【0014】
請求項8の発明に係る蓄電池収納室は、請求項6記載の発明において、前記収納室には、蓄電池を収納可能な複数段の棚部を備えた収納棚が蓄電池取出し方向に前記壁が対面するように設置されており、前記壁には棚の高さに対応して室内側から蓄電池を取り出すための取出し口が設けられている、ことを特徴としている。
【0015】
請求項9の発明に係る蓄電池収納室は、請求項8記載の発明において、前記収納棚は、可動式のラックで構成されている、ことを特徴としている。
【0016】
請求項10の発明に係るユニット建物は、四隅に柱を備えた建物ユニットを複数個隣接して配置し相互に連結した場合に形成される柱集合部の側方に請求項6〜請求項9のいずれか1項に記載された柱横スペースが形成されている、ことを特徴としている。
【0017】
請求項1記載の本発明によれば、建物高さ方向に沿って収納室が形成されており、この収納室内に蓄電池が収納される。一般に、建物高さ方向に沿った狭いスペースは使い勝手が悪いので、有効に利用されずデッドスペースになることが多い。しかし、このようなスペースでも蓄電池の収納室として用いることにより、建物内のスペースの有効利用を図ることができる。
【0018】
ここで、収納室内の気温である収納室内温度は、収納室温度検出手段によって検出されており、この収納室内温度が第1の所定温度よりも大きく第2の所定温度よりも小さい中音域の場合には、第1開閉手段が開放状態とされると共に第2開閉手段が閉止状態とされる。これにより、収納室と床下スペースとが第1給気口を介して相互に連通されると共に収納室と室内との空気の流通が遮断される。このため、中温域の場合には、床下スペースから温度変化が少なく比較的気温が低い空気が収納室内へ取り込まれ、収納室内に収納された蓄電池が冷却される。その結果、収納室内に収納された蓄電池の性能は良好に維持される。なお、蓄電池と熱交換して温度が上がった収納室内の空気は、排気口から天井裏スペース内へ排気される。
【0019】
一方、収納室温度検出手段によって検出された収納室内温度が第1の所定温度以下の低温域になった場合には、第1開閉手段が閉止状態とされると共に第2開閉手段が開放状態とされる。これにより、収納室と室内とが相互に連通されると共に収納室と床下スペースとの空気の流通が遮断される。このため、低温域の場合には、更に低温の床下スペース内の冷たい空気の流入が阻止されると共に、室内の暖かい空気が収納室内に取り込まれ、収納室内に収納された蓄電池が暖められる。その結果、収納室内に収納された蓄電池の性能は良好に維持される。なお、蓄電池と熱交換して温度が下がった収納室内の空気は、排気口から天井裏スペース内へ排気される。
【0020】
このように収納室内の温度が中温域か低温域かで、給気流路が切り替えられるので、夏季や冬季にも蓄電池の性能を良好に保つことができる。
【0021】
請求項2記載の本発明によれば、第1給気口又はその近傍には給気口側ファンが設けられており、収納室内温度が第2の所定温度以上の高温域になった場合には制御手段によって給気口側ファンが強制的に作動される。このため、自然換気の場合よりも迅速に収納室内の温度変化に対応することができる。
【0022】
請求項3記載の本発明によれば、排気口又はその近傍には排気口側ファンが設けられており、収納室内温度が第2の所定温度以上の高温域になった場合には制御手段によって排気口側ファンが強制的に作動される。このため、自然換気の場合よりも迅速に収納室内の温度変化に対応することができる。
【0023】
請求項4記載の本発明によれば、室内の温度を検出する室内温度検出手段及び床下スペース内の温度を検出する床下温度検出手段を備えており、収納室内温度が第1の所定温度以下でかつ室内温度検出手段によって検出された室内温度が床下温度検出手段によって検出された床下温度以上の場合に、制御手段によって第1開閉手段が閉止状態とされると共に第2開閉手段が開放状態とされる。すなわち、本発明では、室内の温度も加味して第2開閉手段の開閉制御がなされる。このため、冬季等において室内が暖房等により充分に暖められているような場合には、蓄電池収納室内温度よりも相対的に温度が高い室内の空気を蓄電池収納室内に取り込むことにより、蓄電池収納室内の空気を暖めて蓄電池の性能を維持することができる。
【0024】
請求項5記載の本発明によれば、収納室と土間との間に第3給気口が設けられており、土間も含めて空気の流通が制御される。このため、暖気の取り込み可能な量が増えるので、冬季等に蓄電池を迅速に暖めるといったことが可能になる。
【0025】
請求項6記載の本発明によれば、収納室は、柱が2本以上集まった柱集合部に隣接して設けられ、かつ天井と床と壁に囲まれた柱横スペースであるので、強度が高く重量物である蓄電池の収納に適している。
【0026】
請求項7記載の本発明によれば、複数階建ての建物の複数階に亘って形成されているので、蓄電池の収納量を充分に確保できる。
【0027】
請求項8記載の本発明によれば、蓄電池収納室には収納棚が設置されている。そして、この収納棚の蓄電池取出し方向に壁が対面して配置されていると共に、壁には取出し口が設けられているので、蓄電池を交換等する際には、室内側から取出し口を開けて蓄電池を取り出すことができる。
【0028】
請求項9記載の本発明によれば、収納棚は可動式のラックで構成されているため、柱横スペースに出し入れするのが容易である。
【0029】
請求項10記載の本発明によれば、建物ユニットを隣接して配置し相互に連結した建物における柱集合部の側方に柱横スペースが形成されており、この柱横スペースに蓄電池収納室が形成される。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、請求項1記載の蓄電池収納室は、建物内のスペースの有効利用を図りつつ、蓄電池の性能を良好に維持することができるという優れた効果を有する。
【0031】
請求項2記載の本発明に係る蓄電池収納室は、収納室内の急激な温度変化に迅速に対応することができるという優れた効果を有する。
【0032】
請求項3記載の本発明に係る蓄電池収納室は、収納室内の急激な温度変化に迅速に対応することができるという優れた効果を有する。
【0033】
請求項4記載の本発明に係る蓄電池収納室は、室内の暖気を収納室内に取り込むことにより収納室内に収納された蓄電池が過度に冷却されるのを防止することができるという優れた効果を有する。
【0034】
請求項5記載の本発明に係る蓄電池収納室は、冬季等、収納室が低温になる場合における蓄電池の性能維持に対する確度を高めることができるという優れた効果を有する。
【0035】
請求項6記載の本発明に係る蓄電池収納室は、建物内のデッドスペースを有効に利用することができるという優れた効果を有する。
【0036】
請求項7記載の本発明に係る蓄電池収納室は、蓄電池に対する将来の需要が増大しても改装等することなく対応することができるという優れた効果を有する。
【0037】
請求項8記載の本発明に係る蓄電池収納室は、室内側から蓄電池を取り出すことができ、メンテナンス時の作業性を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0038】
請求項9記載の本発明に係る蓄電池収納室は、蓄電池の収納作業が容易になるという優れた効果を有する。
【0039】
請求項10記載の本発明に係るユニット建物は、ユニット建物内のデッドスペースを有効に利用することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1実施形態に係る蓄電池収納室の夏季の使用状態を示す図3のA−A線に沿った縦断面図である。
【図2】第1実施形態に係る蓄電池収納室の冬季の使用状態を示す図3のA−A線に沿った縦断面図である。
【図3】第1実施形態に係るユニット建物の概略平断面図である。
【図4】図1に示される排気口の変形例を示す要部拡大断面図である。
【図5】第1実施形態に係る蓄電池収納室で行われる温度制御を実行するための制御ブロック図である。
【図6】第2実施形態に係る蓄電池収納室の設置例を示す間取り図である。
【図7】図6に示される蓄電池収納室内に蓄電池を収納したラックと開閉扉の関係を示す斜視図(図6のX線矢視部の拡大斜視図)である。
【図8】図6に示される蓄電池収納室に収容されるラックの正面図である。
【図9】図8に示されるラックの棚板部分の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
〔第1実施形態〕
【0042】
まず、図1〜図5を用いて、本発明に係る蓄電池収納室及びこれを備えたユニット建物の第1実施形態について説明する。
【0043】
図3には、本実施形態に係るユニット建物10の概略平断面図が示されている。この図に示されるように、ユニット建物10は、一例として平面視で矩形枠状に組まれた外壁12を備えている。外壁12の内側が屋内空間14であり、この屋内空間14の略中央部や外壁12の内側部分に形成されたデッドスペースを利用して蓄電池収納室16、18、20が設けられている。
【0044】
図1及び図2には、上記蓄電池収納室16、18、20のうち、屋内空間14の略中央部に設置された蓄電池収納室16の縦断面図が示されている。以下、この蓄電池収納室16を例にして説明するが、他の蓄電池収納室18、20についても同様に構成されている。
【0045】
図1は蓄電池収納室16の夏季の使用状態を示したものであり、図2は蓄電池収納室16の冬季の使用状態を示したものである。これらの図に示されるように、蓄電池収納室16は、隣接する建物ユニット22の境界部24に設けられている。各建物ユニット22は、箱形ユニットとされており、四隅に立設された図示しない柱と、柱の上端部同士を連結する天井パネル28と、柱の下端部同士を連結する床パネル30と、を含んで構成されている。
【0046】
天井パネル28は、溝型鋼で構成された長短二種類の天井大梁32と、長辺側の天井大梁間に架け渡された天井小梁と、天井小梁の下面側に取り付けられた天井面材34と、を含んで構成されている。
【0047】
同様に、床パネル30は、溝型鋼で構成された長短二種類の床大梁36と、長辺側の床大梁間に架け渡された床小梁と、床小梁の下面側に取り付けられた天井面材34と、を含んで構成されている。
【0048】
また、天井面材34から床面材38に亘って間仕切り壁40が設けられている。このうち、一方の間仕切り壁40には、点検扉41が設けられている。
【0049】
そして、隣接する建物ユニット22の境界部24は、隣接する建物ユニット22の間仕切り壁40同士の間にデッドスペースとして形成された部分であり、この部分を蓄電池収納室16としている。
【0050】
蓄電池収納室16には、建物用蓄電システムで使用する蓄電池42が収納されている。蓄電池42としては、例えば、鉛蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池といった蓄電池が適用可能であるが、ニッケルカドミウム蓄電池等の他の蓄電池であってもよい。
【0051】
ここで、建物用蓄電システムについて概説すると、建物用蓄電システムでは、蓄電池42が商用電力系統から受電することにより、或いは図示しない太陽電池等の独立電源から受電することにより、或いは燃料電池の余剰電力等から受電することにより、蓄電される。蓄電した電力は必要に応じてユニット建物10で使用するエアコン、照明装置、プラグインハイブリッド車、自然冷媒ヒートポンプ給湯器等の負荷に給電される。つまり、この建物用蓄電システムは、蓄電池42を使い、ユニット建物10で使用する電気を蓄電及び給電する省エネ技術の一種である。例えば、この建物用蓄電システムを用いた場合、昼間はソーラーシステムで得られた電力等を蓄電池42に蓄えると共に夜間は料金が安い深夜電力を蓄電池42に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電池42で蓄電した電力を放電して利用するといった使い方ができる。
【0052】
上述した蓄電池収納室16の天井には排気口44が形成されており、この排気口44を介して蓄電池収納室16と天井裏スペース(小屋裏になる場合は小屋裏スペース)46とが相互に連通されている。この排気口44は、建物ユニット22を隣接して配置した場合に元々形成される開口を利用したものであり、図1に示されるように開放したままでもよいが、図4に示されるように通気ガラリ48を配設してもよい。
【0053】
一方、蓄電池収納室16の床には第1給気口としての床下給気口50が形成されており、この床下給気口50を介して蓄電池収納室16と床下スペース52とが相互に連通されている。この床下給気口50は、建物ユニット22を隣接して配置した場合に元々形成される開口を利用したものである。
【0054】
床下給気口50には、給気口側ファンとしての床下給気ファン54が配設されている。床下給気ファン54は床下給気ファンモータ56(図5参照)が駆動することにより回転して床下スペース52内の空気を蓄電池収納室16へ吸引して供給するようになっている。床下給気ファンモータ56は、制御手段としてのコントローラ58(図5参照)によってその作動が制御されている。なお、図1及び図2に示される構成では、床下給気口50側に床下給気ファン54を設けたが、これに限らず、排気口44側に天井排気ファン60(図1の仮想線参照)を設けてもよい。
【0055】
また、床下給気口50には、第1開閉手段としての床下切換ダンパ62が配設されている。床下切換ダンパ62は、床下給気口50の下縁近傍に配設された支軸64回りに回動可能とされている。この床下切換ダンパ62はモータ66(図5参照)の駆動力を受けて回動するようになっている。モータ66はコントローラ58(図5参照)によってその作動が制御されている。
【0056】
また、隣接する建物ユニット22の一方の間仕切り壁40の下端部には、第2給気口としての室内給気口68が形成されており、この室内給気口68を介して蓄電池収納室16と室内70とが相互に連通されている。室内給気口68には、第2開閉手段としての室内切換ダンパ72が配設されている。室内切換ダンパ72は、室内給気口68の上縁近傍に配設された支軸74回りに回動可能とされている。この室内切換ダンパ72はモータ76(図5参照)の駆動力を受けて回動するようになっている。モータ76はコントローラ58(図5参照)によってその作動が制御されている。
【0057】
さらに、上述した蓄電池収納室16の上部には、蓄電池収納室16内の温度を検出する収納室温度検出手段としての収納室温度検出センサ78が配設されている。収納室温度検出センサ78はコントローラ58(図5参照)に接続されており、その検出結果を常時コントローラ58に出力している。
【0058】
また、室内70における室内給気口68の近傍には、室内の温度を検出する室内温度検出手段としての室内温度検出センサ80が配設されている。室内温度検出センサ80はコントローラ58(図5参照)に接続されており、その検出結果を常時コントローラ58に出力している。
【0059】
さらに、床下スペース52における床下給気口50の近傍には、床下スペース52内の温度を検出する床下温度検出センサ82が配設されている。床下温度検出センサ82はコントローラ58(図5参照)に接続されており、その検出結果を常時コントローラ58に出力している。
【0060】
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0061】
本実施形態では、ユニット建物10の屋内空間14に形成されたデッドスペースを利用して蓄電池収納室16、18、20が設けられており、この蓄電池収納室16、18、20内に蓄電池42が収納される。ところで、一般に、建物高さ方向に沿った狭いスペースは使い勝手が悪いので、有効に利用されずデッドスペースになることが多い。しかし、このような狭くて使い勝手の悪いスペースであっても、蓄電池42を収納するための蓄電池収納室16、18、20として用いることにより、ユニット建物10内のスペースの有効利用を図ることができる。
【0062】
ここで、下記表1に基づいて、上記蓄電池収納室16、18、20内の温度制御について説明する。
【0063】
【表1】

本実施形態では、収納室温度検出センサ78、床下温度検出センサ82及び室内温度検出センサ80によって、蓄電池収納室16内の気温である蓄電池収納室内温度t1、床下スペース52内の気温である床下温度t2、室内70の気温である室内温度t3がそれぞれ検出されて、コントローラ58に出力されている。コントローラ58では、これらの検出結果t1、t2、t3に基づいて、床下切換ダンパ62及び室内切換ダンパ72の切換制御及び床下給気ファン54の作動制御が行われている。
【0064】
≪t1≧30℃の場合≫
今仮に、蓄電池収納室16内の蓄電池収納室内温度t1が30℃以上であった場合(高温域の場合)には、基本的には図1に示される夏季のモードとされ、パターン1〜パターン5までに区分けされて制御がなされる。
【0065】
具体的には、蓄電池収納室内温度t1が30℃以上でかつ床下温度t2が蓄電池収納室内温度t1以上の場合には、蓄電池収納室16内の温度が高過ぎかつ床下スペース52内の温度がこれよりも更に高いということになる。このような場合には、床下スペース52内から給気しても蓄電池収納室16内の温度を下げることはできないので、コントローラ58によって床下切換ダンパ62が閉止状態とされる。
【0066】
そして、上記場合を更にパターン1〜パターン3に分類して、室内温度t3がそのときの床下温度t2以上であれば、室内70の温度は床下スペース52内の温度よりも更に高いということになるので、コントローラ58によって室内切換ダンパ72が閉止状態とされる(パターン1)。
【0067】
また、室内温度t3が床下温度t2よりも低いが依然として蓄電池収納室16内の温度t1よりも高い場合は、室内70から給気してもやはり蓄電池収納室16の温度を下げることはできないので、床下切換ダンパ62及び室内切換ダンパ72のいずれも閉止状態とされる(パターン2)。
【0068】
しかし、室内温度t3が蓄電池収納室16内の温度t1以下の場合には、コントローラ58によって床下切換ダンパ62は閉止状態とされ、室内切換ダンパ72は開放状態とされる(パターン3)。これにより、室内70の空気が室内給気口68から蓄電池収納室16内へ流入し、蓄電池収納室16内の蓄電池収納室内温度t1を下げる。その結果、流入した室内70の空気と蓄電池42が熱交換し、蓄電池42の温度が下げられると共に、熱を奪って暖められた空気は排気口44から天井裏スペース46へ排気される。
【0069】
なお、パターン3において、排気口44に天井排気ファン60が設置されている場合には、コントローラ58によって天井排気ファン60を作動させて、室内70の空気を蓄電池収納室16内へ強制的に流入させるようにしてもよい。
【0070】
一方、床下温度t2が蓄電池収納室内温度t1より低かった場合には、コントローラ58によって床下切換ダンパ62が開放状態とされ、室内切換ダンパ72が閉止状態とされる(パターン4、5)。これにより、床下給気口50が開放された状態となり、コントローラ58によって床下給気ファンモータ56が駆動回転されて床下給気ファン54が回転される。床下給気ファン54が作動すると、床下スペース52内の空気が蓄電池収納室16内に強制的に取り込まれて、蓄電池42の温度を下げる。蓄電池42から熱を奪った空気は排気口44から天井裏スペース46内へ排気される。なお、床下温度t2が蓄電池収納室内温度t1と同じ場合も含めて、この制御を行ってもよい。
【0071】
また、床下温度t2が蓄電池収納室16内の蓄電池収納室温度t1よりも低い場合には、室内温度t3と床下温度t2との大小関係は問わない。つまり、室内70の温度t3が床下温度t2より高くても或いは逆に低くても、床下スペース52内の空気を給気して蓄電池42を冷却するという制御を行っている。但し、更に制御を細かくして、パターン5の場合に、床下切換ダンパ62を閉止して室内切換ダンパ72を開放させるようにしてもよいし、両方とも開放させるようにしてもよい。
【0072】
≪10℃<t1<30℃の場合≫
蓄電池収納室16内の蓄電池収納室内温度t1が、蓄電池42の保存に適当とされる10℃よりも大きく30℃よりも低い場合(中温域の場合)にも、基本的には図1に示される夏季のモードとされる。
【0073】
この場合において、床下温度t2が蓄電池収納室内温度t1以上の場合には、室内温度t3の如何に拘わらず、コントローラ58によって床下切換ダンパ62が開放状態とされると共に、室内切換ダンパ72が閉止状態とされる(パターン6、7)。但し、より細かく制御するという意味では、パターン7の場合には、床下スペース52内の空気を蓄電池収納室16内へ取り入れても蓄電池42が直接的に冷却される訳ではないので、コントローラ58によって床下切換ダンパ62を閉止状態とし、かつ室内切換ダンパ72を開放状態にしてもよい。そうすれば、床下スペース52内の空気より温度が低い室内70の空気が室内給気口68から蓄電池収納室16内へ給気されるので、蓄電池42が冷却される。
【0074】
また、床下温度t2が蓄電池収納室内温度t1よりも低い場合にも、室内温度t3の如何に拘わらず、コントローラ58によって床下切換ダンパ62が開放状態とされると共に、室内切換ダンパ72が閉止状態とされる(パターン8、9)。これにより、床下給気口50から床下スペース52内の空気が蓄電池収納室16内へ流入し、蓄電池42を冷却する。なお、この場合に床下給気ファンモータ56を駆動回転させて床下給気ファン54を作動させるようにすればより効果的である。
【0075】
補足すると、一般には、夏季及び冬季のいずれも床下スペース52内の床下温度t2は、蓄電池収納室16内の蓄電池収納室内温度t1よりも低い。このため、夏季等においてパターン6、7のように床下温度t2が蓄電池収納室内温度t1以上となる状況が仮にあったとしても短時間でパターン8、9の方へ移行し、床下温度t2が蓄電池収納室内温度t1よりも低い状況が支配的となる。その意味からすれば、床下温度検出センサ82は必ずしも必須ではなく、床下温度t2は常時蓄電池収納室内温度t1以下であるという前提にして、床下温度検出センサ82を省略することも可能である。
【0076】
≪t1≦30℃の場合≫
蓄電池収納室16内の蓄電池収納室内温度t1が10℃以下であった場合には、基本的には図2に示される冬季のモードとされ、パターン10〜パターン13までに区分けされて制御がなされる。
【0077】
具体的には、蓄電池収納室内温度t1が10℃以下でかつ床下温度t2が蓄電池収納室内温度t1以上の場合には、蓄電池収納室16内の温度が低過ぎかつ床下スペース52内の温度がこれよりも高いということになる。このような場合には、床下スペース52内の空気を給気して蓄電池収納室16内の温度を上げるべく、コントローラ58によって床下切換ダンパ62が開放状態とされると共に室内切換ダンパ72が閉止される(パターン10、11)。これにより、床下給気口50から床下スペース52内の空気が蓄電池収納室16内へ流入し、蓄電池42を暖める。なお、この場合に床下給気ファンモータ56を駆動回転させて床下給気ファン54を作動させるようにすればより効果的である。また、この床下温度t2が蓄電池収納室16内の温度t1より高い場合には、室内温度t3と床下温度t2との大小関係は問わない。
【0078】
一方、床下温度t2が蓄電池収納室内温度t1よりも低い場合には、蓄電池収納室16内の空気が冷え過ぎている上に床下スペース52内の温度はこれよりも更に低いということになるので、コントローラ58によって床下切換ダンパ62が閉止状態とされる。そして、室内70の室内温度t3が床下温度t2以上の場合には、室内70の空気の方が床下スペース52内の空気よりも(室内暖房等により)暖かいということになるので、これを利用するべく、コントローラ58により室内切換ダンパ72が開放状態とされる(パターン12)。
【0079】
逆に、室内70の室内温度t3が床下温度t2より低い場合には、室内70が暖房されていない等の理由により冷えているので、コントローラ58によって室内切換ダンパ72が閉止状態とされる(パターン13)。
【0080】
なお、上記の制御における10℃が本発明における「第1の所定温度」に相当し、30℃が本発明における「第2の所定温度」に相当する。但し、これらの10℃、30℃は一例であり、地域や建物の構造、蓄電池の仕様等によって調整される。また、蓄電池収納室内温度t1が10℃<t1<30℃の場合が本発明における「中温域の場合」に相当し、蓄電池収納室内温度t1がt1≧30℃の場合が本発明における「高温域の場合」に相当し、蓄電池収納室内温度t1がt1≦10℃の場合が本発明における「低温域の場合」に相当する。
【0081】
また、上記制御の説明の中で適宜言及したが、表1に示される制御パターンはあくまでも一例であるので、ニーズに応じて適宜変更される。但し、蓄電池収納室16内の蓄電池収納室内温度t1に基づいて温度制御がなされる。さらに、検出温度が複数ある場合には、蓄電池収納室内温度t1が最優先される。
【0082】
このように本実施形態では、蓄電池収納室16の蓄電池収納室内温度t1が中温域にあるのか、低温域にあるのかによって、給気流路が切り替えられるので、夏季や冬季にも蓄電池42の性能を良好に保つことができる。換言すれば、年間を通じて蓄電池収納室16内の温度が概ね中温域に納まるように床下切換ダンパ62及び室内切換ダンパ72の開閉制御並びに床下給気ファン54(、天井排気ファン60)の作動制御を行うようにしたので、年間を通じて蓄電池42の性能を良好に維持することができる。
【0083】
また、本実施形態では、床下給気口50に床下給気ファン54を設置し、又は排気口44に天井排気ファン60を設置し、蓄電池収納室内温度t1が第2の所定温度である30℃以上になった場合(パターン4、5の場合)には、コントローラ58によって床下給気ファン54又は天井排気ファン60が強制的に作動される。このため、自然換気の場合よりも、蓄電池収納室16内の急激な温度変化に迅速に対応することができる。
【0084】
さらに、本実施形態では、室内70に室内温度検出センサ80が設置されており、蓄電池収納室内温度t1が第1の所定温度である10℃以下でかつ室内温度検出センサ80によって検出された室内温度t3が床下温度t2以上の場合(パターン12の場合)には、コントローラ58によって床下切換ダンパ62が閉止状態とされると共に室内切換ダンパ72が開放状態とされる。このため、冬季等において室内70が暖房等により充分に暖められているような場合には、蓄電池収納室内温度t1よりも相対的に温度が高い室内70の空気を蓄電池収納室16内に取り込むことにより、蓄電池収納室16内の空気を暖めて蓄電池42の性能を維持することができる。すなわち、室内70の温度も加味して室内切換ダンパ72の開閉制御がなされる。その結果、蓄電池収納室16内に収納された蓄電池42が過度に冷却されるのを防止することができる。
【0085】
〔第2実施形態〕
次に、図6〜図9を用いて、本発明に係る蓄電池収納室及びこれを備えたユニット建物の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0086】
図6には、本実施形態に係る蓄電池収納室16を備えたユニット建物10の具体的な間取り図が示されている。この図に示されるように、このユニット建物10では、四隅に柱100が立設された箱形の建物ユニット22を合計5個隣接配置して相互に連結することにより一階部分が構成されている。このため、一階部分の屋内空間14の略中央部には、4本の柱100が集まった柱集合部102が形成されている。この柱集合部102に隣接する側方に蓄電池収納室16が形成されている。蓄電池収納室16の周囲は仕切り壁104と仕切り壁104に設けられた扉106とで包囲されている。
【0087】
図7には、上記蓄電池収納室16内に収容されるラック108が仕切り壁104との関係で描かれている。また、図8には、当該ラック108の概略正面図が示されている。これらの図に示されるように、ラック108は、蓄電池収納室16内に収容可能な縦横寸法及び高さ寸法となっている。ラック108には複数段の棚板110が形成されており、更に底面の四隅にはキャスタ112が取り付けられている。従って、ラック108は押し引きにより移動可能である。
【0088】
図9には、棚板110の内部構成材の斜視図が示されている。図7〜図9に示されるように、棚板110は矩形枠状の外枠114と、この外枠114内に配置された複数本の支持部材116とによって構成されている。複数本の支持部材116は、所定ピッチで並べられてスノコ状に配列されている。このため、棚板110の内部には、スリット状の通気路118が形成されている。また、ラック108の正面、背面、側面にはこれらを塞ぐものは存在しない。
【0089】
上記ラック108の各棚板110には蓄電池42がそれぞれ載置可能とされている。ラック108内に蓄電池42が収納された状態では、蓄電池42は直方体の6面すべてが蓄電池収納室16内の空気に晒されている。なお、棚板110に蓄電池42を載置させる際には、図8図示の如く、ラック高さ方向に千鳥状に載置するのが好ましい。このように蓄電池42を配置すれば、冷却空気が図8の矢印Pのように蛇行する如く流通し、複数段に収納された蓄電池42の全体を万遍なく冷却することができる。さらに、上記ラック108の上部側面には、直流コンセント120が配設されている。
【0090】
一方、図7に示されるように、仕切り壁104には、ラック108の棚板110の高さに合わせて扉122が設けられている。この扉122は下端部回りに室内70側へ回動可能とされており、仕切り壁104に形成された開口124の両側部と扉122の両側部とは、蓄電池42が載っても耐えられるように折り畳み可能な吊り部材126で連結されている。また、扉122の内側面(蓄電池収納室16側の面)には、複数のコロ128が一部埋設された状態で回転自在に配設されている。
【0091】
ラック108が蓄電池収納室16内に収容された状態では、ラック108の収納物出し入れ方向側の面が仕切り壁104に対面するようになっている。
【0092】
(作用・効果)
上記構成によれば、柱100が集まった柱集合部102の側方のデッドスペースを蓄電池収納室16として利用したので、強度が高く重量物である蓄電池42の収納に適している。
【0093】
また、本実施形態では、蓄電池収納室16内にラック108が収容されたときに、蓄電池42の取出し方向側に扉106を備えた仕切り壁104が対面して配置されているので、蓄電池42の交換等する際には、室内70側から扉106を開けて蓄電池42を取り出すことができる。このため、蓄電池42のメンテナンス時の作業性を向上させることができる。
【0094】
さらに、本実施形態では、蓄電池42を収納する収納棚がキャスタ112付きのラック108で構成されているので、柱集合部102の側方に位置する蓄電池収納室16に出し入れするのが容易である。このため、蓄電池42の収納作業が容易になり、作業労力が軽減される。
【0095】
〔実施形態の補足説明〕
なお、上述した第1実施形態では、室内70の空気を蓄電池収納室16内へ給気する給気路及びその開閉について説明したが、これに限らず、土間と蓄電池収納室16とを連通する給気路を設定し、土間からの給気もできるようにしてもよい。
【0096】
この場合、土間と蓄電池収納室16とを連通する開口が請求項5記載の第3給気口となり、そこに設置されたダンパが第3開閉手段となる。
【0097】
上記構成によれば、蓄電池収納室16と土間との間に第3給気口が設けられており、土間も含めて空気の流通が制御される。このため、暖気の取り込み可能な量が増えるので、冬季等に蓄電池を迅速に暖めるといったことが可能になる。その結果、冬季等、蓄電池収納室16が低温になる場合における蓄電池42の性能維持に対する確度を高めることができる。なお、蓄電池収納室16を室内70とは連通せずに、土間とだけ連通して同様の制御を行うようにしてもよい。
【0098】
また、上述した各実施形態では、1フロア分の高さに蓄電池収納室16、18、20を設置した例について説明したが、これに限らず、複数階建ての建物の複数階に亘って蓄電池収納室を形成するようにしてもよい。このようにすれば、蓄電池42の収納量を充分に確保することができる。その結果、蓄電池42に対する将来の需要が増大しても改装等することなく対応することができる。
【符号の説明】
【0099】
10 ユニット建物
16 蓄電池収納室
18 蓄電池収納室
20 蓄電池収納室
28 天井パネル(天井)
30 床パネル(床)
40 間仕切り壁(壁)
42 蓄電池
44 排気口
46 天井裏スペース
50 床下給気口
52 床下スペース
54 床下給気ファン
58 コントローラ(制御手段)
62 床下切換ダンパ(第1開閉手段)
68 室内給気口
70 室内
72 室内切換ダンパ(第2開閉手段)
78 収納室温度検出センサ(収納室温度検出手段)
80 室内温度検出センサ(室内温度検出手段)
82 床下温度検出センサ(床下温度検出手段)
100 柱
102 柱集合部
104 仕切り壁(壁)
108 ラック(収納棚)
112 キャスタ
122 扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物高さ方向に沿って形成されると共に蓄電池が収納可能とされた収納室と、
この収納室と天井裏スペースとを連通する排気口と、
収納室と床下スペースとを連通する第1給気口と、
この第1給気口を開閉する第1開閉手段と、
収納室と室内とを連通する第2給気口と、
この第2給気口を開閉する第2開閉手段と、
収納室内の温度を検出する収納室温度検出手段と、
この収納室温度検出手段によって検出された収納室内温度が第1の所定温度より大きく第2の所定温度より小さい中温域の場合には、第1開閉手段を開放状態にすると共に第2開閉手段を閉止状態とし、収納室内温度が第1の所定温度以下の低温域になった場合には第1開閉手段を閉止状態にすると共に第2開閉手段を開放状態にする制御手段と、
を有する蓄電池収納室。
【請求項2】
前記第1給気口又はその近傍に設けられると共に前記制御手段によってその作動が制御され、作動することにより前記床下スペース内の空気を前記収納室内へ流入させる給気口側ファンを備えており、
前記収納室内温度が前記第2の所定温度以上の高温域になった場合には、前記制御手段によって給気口側ファンが強制的に作動される、
ことを特徴とする請求項1記載の蓄電池収納室。
【請求項3】
前記排気口又はその近傍に設けられると共に前記制御手段によってその作動が制御され、作動することにより前記収納室内の空気を前記天井裏スペースへ流入させる排気口側ファンを備えており、
前記収納室内温度が前記第2の所定温度以上の高温域になった場合には、前記制御手段によって排気口側ファンが強制的に作動される、
ことを特徴とする請求項1記載の蓄電池収納室。
【請求項4】
室内の温度を検出する室内温度検出手段及び床下スペース内の温度を検出する床下温度検出手段を備えており、
前記制御手段は、前記収納室内温度が前記第1の所定温度以下でかつ前記室内温度検出手段によって検出された室内温度が前記床下温度検出手段によって検出された床下温度以上の場合に、前記第1開閉手段を閉止状態にすると共に前記第2開閉手段を開放状態にする、
ことを特徴とする請求項1記載の蓄電池収納室。
【請求項5】
前記収納室と土間とを連通する第3給気口と、
この第3給気口を開閉する第3開閉手段と、を備えており、
前記制御手段は、収納室温度検出手段によって検出された収納室内温度が第1の所定温度より大きく第2の所定温度より小さい中温域の場合には、第1開閉手段を開放状態にすると共に第3開閉手段を閉止状態とし、収納室内温度が第1の所定温度以下の低温域になった場合には第1開閉手段を閉止状態にすると共に第3開閉手段を開放状態にする、
ことを特徴とする請求項1記載の蓄電池収納室。
【請求項6】
前記収納室は、柱が2本以上集まった柱集合部に隣接して設けられ、かつ天井と床と壁に囲まれた柱横スペースである、
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の蓄電池収納室。
【請求項7】
前記収納室は、複数階建ての建物の複数階に亘って形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の蓄電池収納室。
【請求項8】
前記収納室には、蓄電池を収納可能な複数段の棚部を備えた収納棚が蓄電池取出し方向に前記壁が対面するように設置されており、
前記壁には棚の高さに対応して室内側から蓄電池を取り出すための取出し口が設けられている、
ことを特徴とする請求項6記載の蓄電池収納室。
【請求項9】
前記収納棚は、可動式のラックで構成されている、
ことを特徴とする請求項8記載の蓄電池収納室。
【請求項10】
四隅に柱を備えた建物ユニットを複数個隣接して配置し相互に連結した場合に形成される柱集合部の側方に請求項6〜請求項9のいずれか1項に記載された柱横スペースが形成されている、
ことを特徴とするユニット建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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