説明

蓋付き容器入り分離液状バジルソース

【課題】 蓋付き容器入りの分離液状バジルソースであって、軽い振とうにより容易に一時的な乳化状態になり、野菜などの食材と絡み易い、分離液状バジルソースを提供する。
【解決手段】 水相部に結晶セルロースを0.05〜5%、および溶融したチーズを0.5〜15%(ナチュラルチーズ換算)含有してなり、一時的に乳化した際の粘度が1〜30Pa・sである蓋付き容器入り分離液状バジルソース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽い振とうにより容易に一時的な乳化状態になり、野菜などの食材と絡み易い、蓋付き容器入り分離液状バジルソースに関する。
【背景技術】
【0002】
バジルは、シソ科に属するインド原産の1年草であり、その甘い香りと食した際のわずかな辛味とを特徴とするハーブ類の1つである。代表的な調理方法としてバジルを細断し、松の実、チーズ、オリーブ油などを加えて作るバジルソースが良く知られており、パスタと和えたり、野菜、魚介類、肉類などのソースとしてイタリア料理に多く用いられ、近年その需要が拡大している。
【0003】
バジルを用いた加工食品としては、従来よりバジルの葉を細断し、食用油、チーズ、及び調味料などと混合した、瓶詰めのバジルペーストが市販されている。しかしながら、上記従来品はバジル特有の香りは保持されているものの、食用油を練り込んだペーストタイプであり、粘度が高く、パスタや野菜に絡みにくいという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために、特開平11−225714号公報(特許文献1)には、流動性を有するバジルペーストとバジルの油溶性成分を溶解させた食用油を、分離した状態でパウチに詰められたバジルソースが提案されている。上記パウチ詰めバジルソースは流動性を有するものであったが、当該バジルソースを分離液状のまま全量を使用するものであり、適量を使用する目的で蓋付き容器に充填すると、バジルが沈殿し、軽く振とうしただけでは一時的な乳化状態にならず、バジルソースが均一に流出しないとの問題があった。更に、当該バジルソースにチーズを配合し、蓋付き容器に充填すると、バジルと共にチーズも沈殿し、強く振とうしても一時的な乳化状態にならず、上記問題点は悪化する傾向にあった。
【0005】
【特許文献1】特開平11−225714号公報
【特許文献2】特開2000−152769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、軽い振とうにより容易に一時的な乳化状態になり、野菜などの食材と絡み易い、蓋付き容器入り分離液状バジルソースを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成すべく蓋付き容器入り分離液状バジルソースに使用されている様々な配合原料、及び製造工程について鋭意研究を重ねた。その結果、水相部に結晶セルロース、および溶融したチーズを含有することで、意外にも、軽い振とうにより容易に一時的な乳化状態になり、野菜などの食材と絡み易い、蓋付き容器入り分離液状バジルソースを提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)水相部に結晶セルロース、および溶融したチーズを含有してなる蓋付き容器入り分離液状バジルソース、
(2)製品に対し結晶セルロースの含有量が0.05〜5%である(1)記載の蓋付き容器入り分離液状バジルソース、
(3)製品に対し溶融したチーズの含有量が0.5〜15%(ナチュラルチーズ換算)である(1)または(2)記載の蓋付き容器入り分離液状バジルソース、
(4)分離液状バジルソースを一時的に乳化した際の粘度が1〜30Pa・sである(1)〜(3)記載の蓋付き容器入り分離液状バジルソース、
である。
【0009】
なお、バジルとチーズを含有するペースト状食品が特開2000−152769号公報(特許文献2)に提案されている。しかしながら、当該ペースト状食品は粘度が高く、パスタや野菜に絡みにくいとの問題があった。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、軽い振とうにより容易に一時的な乳化状態になり、野菜などの食材と絡み易い、蓋付き容器入り分離液状バジルソースを提供することができる。そのため、パスタや野菜に適量を使用することができ、使用用途が広がるため、さらなるバジルソースの需要拡大が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明のソースを詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
【0012】
本発明の分離液状バジルソースは、蓋付き容器に充填されたものである。ここで分離液状バジルソースとは、少なくともバジルの葉の粉砕物と食用油脂とを含み、更に必要に応じてチーズ、調味料、及び添加剤などを含む食品であって、蓋付き容器に充填し、静置した際、食用油脂の一部又は全部が、その他の水相部、及び乳化相部と分離して存在するものをいう。また、このようなバジルソースとしては、例えば、バジルの葉の粉砕物を食用油脂、チーズ、調味料、その他の水相原料などと混合し、瓶詰めした食品などが挙げられる。
【0013】
また、本発明で使用する蓋付き容器は、軽い振とうにより内容物が混合し易いものであれば特に限定するものではない。具体的には、一般に液状調味料などに使用されるガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネートなどの蓋付容器などが挙げられる。なお、容器の硬さは、容器を手に持って振とうする場合に不具合のない程度の硬さであればよく、また、容器の大きさは、内容量が1L以下のものが片手で振とうする場合に相応しく、好ましくは500mL以下である。
【0014】
本発明の蓋付き容器入り分離液状バジルソースは、水相部に結晶セルロース、および溶融したチーズを含有してなることを特徴としており、これにより蓋付き容器入り分離液状バジルソースは、軽い振とうにより容易に一時的な乳化状態になり、野菜などの食材と絡み易いものとなる。
【0015】
本発明で使用する結晶セルロースとは、一般に不溶性食物繊維の一種であり、植物のパルプ繊維を原料としてそのセルロース結晶領域を取り出して精製したものをいう。本発明においては、市販されている結晶セルロースや結晶セルロース製剤を使用しても良く、例えば、旭化成工業株式会社製のセオラス製品や、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のビストップ製品などが挙げられる。
【0016】
本発明で用いるチーズは水相部に溶融していることを特徴としており、これにより蓋付き容器入り分離液状バジルソースは、軽い振とうにより容易に一時的な乳化状態になり、野菜などの食材と絡み易いものとなる。
【0017】
本発明において、水相部に溶融したチーズとは、加熱によってチーズの粒子が外観上確認できない程度まで水相部に溶けているチーズのことをいう。また、水相部に溶融したチーズの製造方法は、水相部に溶融したチーズが得られる方法であれば、特に限定するものではないが、例えば、チーズと清水を混合した後、加熱することでチーズを清水に溶融させる方法、または、チーズを含む全ての水相原料を混合した後、加熱することでチーズを水相部に溶融させる方法などが挙げられる。
【0018】
具体的には、まず、チーズを用意する。本発明で用いるチーズとは、ナチュラルチーズや、ナチュラルチーズを原料として加工されたプロセルチーズ、あるいは他の添加材等を含有したチーズ加工品のことである。ナチュラルチーズは、乳等省令によれば、「乳を乳酸菌で発酵させ、または、乳に酵素を加えてできた凝乳から乳清を除去し、固形状にしたもの、またはこれを熟成したもの」と定義され、チーズの硬さにより一般的に、軟質チーズ、半硬質チーズ、硬質チーズ、及び超硬質チーズに分類される。これらの種々の硬さに分類されたチーズの内、バジルソースに一般的に使用されているものは、硬質あるいは超硬質チーズであり、例えば、パルミジャーノ・レッジャーノ、グラナパダーノ、ペコリーノ・ロマーノ、パルメザンチーズ、ゴーダチーズ、チェダーチーズなどが主に使用されており、本発明もこれらのナチュラルチーズ又はその加工品を用いると良い。
【0019】
続いて、チーズと清水を混合する。チーズと混合する清水の量は、チーズの溶融の容易性を考慮し、チーズ1部に対し0.5部以上が好ましく、1部以上がより好ましい。
【0020】
続いて、上記混合液を加熱する。加熱温度は、チーズと混合する清水の量によっても異なるが、好ましくは60〜100℃であり、より好ましくは70〜95℃である。また、加熱時間は、好ましくは30秒間〜15分間であり、より好ましくは1〜10分間である。加熱温度が前記値より低い、あるいは加熱時間が前記値よりも短いと、チーズが十分に水相部に溶融せず、蓋付き容器入り分離液状バジルソースが一時的な乳化状態になり難く、好ましくない。また、加熱温度が前記値よりも高い、あるいは加熱時間が前記値よりも長いと、チーズの風味が劣化し易く好ましくない。なお、チーズの加熱処理の方法は、上記加熱処理ができる方法であれば、特に限定するものではないが、例えば、湯せん、二重釜を用いて蒸気、熱水などの熱媒体を入れて加熱する方法、プレート式熱交換器を用いて加熱する方法、チューブ式熱交換器を用いて加熱する方法などが挙げられる。
【0021】
本発明で用いるバジルは、通常スパイスとして用いられるスイートバジル、ブッシュバジルなどを用いればよいが、これに限定されるものではなく、レモンバジル、シナモンバジルなどを用いても良い。また、本発明の分離液状バジルソースにおけるバジルの含有量は、好ましいバジルの香りを有した滑らかな物性のソースが得られやすいことから、分離液状バジルソース全体に対して、生換算で好ましくは5〜60%、より好ましくは10〜50%である。
【0022】
本発明で用いる食用油脂は、食用に供される油脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油などの動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)などが挙げられる。また、本発明の分離液状バジルソースにおける食用油脂の含有量は、好ましい香りと物性のソースが得られやすいことから、分離液状バジルソース全体に対して、好ましくは15〜75%、より好ましくは25〜60%である。
【0023】
また、本発明の分離液状バジルソースにおける水分含量は、チーズを水相部に溶融するのに十分な量であればよいが、分離液状バジルソースの軽い振とうによる一時的な乳化の容易性を考慮して、具体的には、分離液状バジルソース全体に対して、好ましくは5〜50%、より好ましくは10〜40%である。
【0024】
分離液状バジルソースに対する結晶セルロースの含有量は0.05〜5%が好ましく、0.1〜3%がより好ましい。結晶セルロースの含有量が前記値より少ないと、たとえ後述の溶融したチーズを含有したとしても、分離液状バジルソースが一時的な乳化状態になり難く好ましくない。また、結晶セルロースの含有量を前記値よりも多くしたとしても、含有量に応じた効果が期待し難く経済的でない。
【0025】
分離液状バジルソースに対する溶融したチーズの含有量は、ナチュラルチーズ換算で0.5〜15%が好ましく、1〜10%がより好ましい。溶融したチーズが前記値より少ないと、たとえ前述の結晶セルロースを含有したとしても、分離液状バジルソースが一時的な乳化状態になり難く好ましくない。また、溶融したチーズの含有量が前記値よりも多いと、分離液状バジルソースが野菜などの食材と絡み難いものとなり好ましくない。なお、本発明の溶融したチーズにおいてのナチュラルチーズ換算とは、チーズとしてナチュラルチーズを用いた場合は、ナチュラルチーズそのものの質量であり、プロセスチーズやチーズ加工品を用いた場合は、これらのチーズの原料として用いたナチュラルチーズの質量である。
【0026】
本発明の分離液状バジルソースは、一時的に乳化したときの粘度が好ましくは1〜30Pa・s、より好ましくは3〜25Pa・sである。粘度が前記値よりも低いと、分離液状バジルソースが野菜などの食材と絡み難いものとなり好ましくない。また、粘度が前記値よりも高いと、分離液状バジルソースが野菜などの食材と絡み難いものとなるだけでなく、容器から流出し難くなるため好ましくない。なお、粘度の測定は、蓋付き容器入り分離液状バジルソースを手で軽く振とうし、一時的に乳化させた状態で行う。また、粘度は、品温20℃のときの粘度であり、BH形粘度計を用いローター:No.2、回転数:4rpmの条件で測定し、2回転後の示度により算出した値である。
【0027】
本発明の蓋付き容器入り分離液状バジルソースには、本発明の分離液状バジルソースの必須原料であるバジル、結晶セルロース及び溶融したチーズ以外に、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択し配合することができる。例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油などの動植物油及びこれらの精製油、並びにMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリドなどのように化学的あるいは酵素的処理を施して得られる油脂などの食用油脂、キサンタンガム、タマリンド種子ガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、グアーガム、アラビアガム、サイリュームシードガムなどのガム質、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、これらの澱粉をアルファ化、架橋などの処理を施した加工澱粉、並びに湿熱処理澱粉などの澱粉類、澱粉分解物、デキストリン、デキストリンアルコール、オリゴ糖、オリゴ糖アルコールなどの糖類、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖などの各種調味料、各種蛋白質やこれらの分解物、酸化防止剤、松の実、クルミなどのナッツ類などが挙げられる。
【0028】
また、本発明の蓋付き容器入り分離液状バジルソースの製造方法は、水相部に上述の結晶セルロース、及び溶融したチーズを含有させる以外は、分離液状バジルソースを常法に則り製造すればよい。例えば、上述の水相部に溶融したチーズをバジル、結晶セルロース、及びその他の水相原料と混合し、ミキサーで均一に混合して水相部を調製する。次いで、得られた水相部を攪拌しながら、植物油を注加して一次乳化をさせ、ガラス容器などに充填密封するなどの方法が挙げられる。
【0029】
以下、本発明について、実施例、比較例並びに試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
【実施例】
【0030】
[実施例1]
<蓋付き容器入り分離液状バジルソースの製造方法>
下記の配合割合に準じ、パルミジャーノ・レッジャーノパウダーを5倍量の清水に混合し、ミキサーで均一に攪拌させながら85℃に加熱し、85℃で1分間加熱処理を行い、水相部に溶融したチーズを得た。次に、得られた水相部に溶融したチーズを残りの水相原料と混合し、ミキサーで均一に攪拌し、水相部を調製した。次いで、得られた水相部を攪拌しながら、植物油を注加して一次乳化をさせ、得られた乳化物を200mL容量のガラス瓶に充填、密栓し、蓋付き容器入り分離液状バジルソースを製した。なお、得られた蓋付き容器入り分離液状バジルソースは粘度が12Pa・sであり、結晶セルロースを0.5%、パルミジャーノ・レッジャーノをナチュラルチーズ換算で5%含むものである。
【0031】
<蓋付き容器入り分離液状バジルソースの配合割合>
(油相)
植物油 45部
(水相)
バジルの葉の粉砕物 15部
食塩 3部
パルミジャーノ・レッジャーノパウダー 5部
結晶セルロース 0.5部
キサンタンガム 0.05部
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100部
【0032】
得られた蓋付き容器入り分離液状バジルソースを24時間静置した後、軽く振とうしたところ、容易に一時的な乳化状態になった。また、サラダにかけたところ、バジルソースがサラダの上に残り、食材と絡み易かった。
【0033】
[比較例1]
実施例1の蓋付き容器入り分離液状バジルソースの製造方法において、チーズの溶融工程を除いた方法で蓋付き容器入り分離液状バジルソースを製した。つまり水相原料を全て混合し、ミキサーで均一に攪拌し、水相部を調製した以外は実施例1と同様の方法で蓋付き容器入り分離液状バジルソースを製した。なお、得られた蓋付き容器入り分離液状バジルソースは粘度が12Pa・sである。
【0034】
得られた蓋付き容器入り分離液状バジルソースを24時間静置したところ、軽く振とうしても、バジル、及びチーズが沈殿しており、容易に一時的な乳化状態にならなかった。また、サラダにかけたところ、バジルソースがサラダの下に流れ落ち、食材と絡み難かった。
【0035】
[比較例2]
実施例1の蓋付き容器入り分離液状バジルソースの製造方法において、配合原料の清水を植物油に置換し、清水を配合しないバジルソースを調製した。具体的には、パルミジャーノ・レッジャーノパウダーのみを85℃に加熱し、85℃で1分間加熱処理を行い、溶融したチーズを得た。次に、得られた溶融したチーズを残りの全原料と混合し、全体が略均一となるようにミキサーで十分に攪拌混合し、得られた混合物を200mL容量のガラス瓶に充填し、蓋付き容器入りバジルソースを製した。なお、得られた蓋付き容器入り分離液状バジルソースは粘度が8Pa・sである。
【0036】
得られた蓋付き容器入り分離液状バジルソースを24時間静置したところ、バジルは沈殿し、チーズは固化しており、軽く振とうしても、容易に一時的な乳化状態にならなかった。また、サラダにかけたところ、バジルソースがサラダの下に流れ落ち、食材と絡み難かった。
【0037】
[試験例1]
結晶セルロースの含有量の違いによる、蓋付き容器入り分離液状バジルソースの乳化容易性、及びバジルソースの食材との絡み易さへの影響を調べた。具体的には、実施例1において、結晶セルロースの含有量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法で蓋付き容器入り分離液状バジルソースを製した。次いで、得られた蓋付き容器入り分離液状バジルソースを24時間静置した後、軽く振とうし、乳化容易性を評価した。また、振とう後のバジルソースをサラダにかけ、食材との絡み易さを評価した。なお、得られた蓋付き容器入り分離液状バジルソースは、結晶セルロースを表1で示す量含有するものであり、各分離液状バジルソースの粘度は25Pa・s以下である。
【0038】
「分離液状バジルソースの乳化容易性」の評価
ランク:基準
A: 軽い振とうにより容易に一時的な乳化状態になった。
B: 軽く振とうしても一部分離状態が残ったが、問題とならない程度であった。
C: 軽く振とうしても一時的な乳化状態にならなかった。
【0039】
「分離液状バジルソースをサラダにかけた際の食材との絡み易さ」の評価
ランク:基準
A :バジルソースがサラダの上に残り、食材と絡み易かった。
B−1:バジルソースが一部サラダの下に流れ落ち、やや食材と絡み難かったが問題とならない程度であった。
B−2:バジルソースがサラダの上に残っており、やや食材と絡み難かったが問題とならない程度であった。
C−1:バジルソースがサラダの下に流れ落ち、食材と絡み難かった。
C−2:バジルソースがサラダの上に残っていたが、食材と絡み難かった。
【0040】
【表1】

【0041】
表1より、結晶セルロースの含有量が0.05〜5%である蓋付き容器入り分離液状バジルソースは、乳化容易性、及び食材との絡み易さに優れており、特に、結晶セルロースの含有量が0.1〜3%である蓋付き容器入り分離液状バジルソースは、より乳化容易性、及び食材との絡み易さに優れていることが理解される。
【0042】
[試験例2]
溶融したチーズの含有量の違いによる、蓋付き容器入り分離液状バジルソースの乳化容易性、及びバジルソースの食材との絡み易さへの影響を調べた。具体的には、実施例1において、パルミジャーノ・レッジャーノパウダーの含有量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法で蓋付き容器入り分離液状バジルソースを製した。この際、パルミジャーノ・レッジャーノパウダーの含有量が15%、18%のサンプルは、配合する全量の清水を用いて溶融させた。なお、得られた蓋付き容器入り分離液状バジルソースは、溶融したパルミジャーノ・レッジャーノ(ナチュラルチーズ換算)を表2で示す量含有するものであり、各分離液状バジルソースの粘度は25Pa・s以下である。また、分離液状バジルソースに対する乳化容易性、及び食材との絡み易さの評価基準は試験例1と同様とする。
【0043】
【表2】

【0044】
表2より、溶融したチーズの含有量がナチュラルチーズ換算で0.5〜15%である蓋付き容器入り分離液状バジルソースは、乳化容易性、及び食材との絡み易さに優れており、特に、溶融したチーズの含有量が1〜10%である蓋付き容器入り分離液状バジルソースは、より乳化容易性、及び食材との絡み易さに優れていることが理解される。
【0045】
[試験例3]
分離液状バジルソースを一時的に乳化した際の粘度の違いによる、蓋付き容器入り分離液状バジルソースの乳化容易性、及びバジルソースの食材との絡み易さへの影響を調べた。具体的には、実施例1において、キサンタンガムの含有量を任意に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、表3に示す粘度の蓋付き容器入り分離液状バジルソースを製した。なお、分離液状バジルソースに対する乳化容易性、及び食材との絡み易さの評価基準は試験例1と同様とする。
【0046】
【表3】

【0047】
表3より、一時的に乳化したときの粘度が1〜30Pa・sである蓋付き容器入り分離液状バジルソースは、乳化容易性、及び食材との絡み易さに優れていることが理解され、また、一時的に乳化したときの粘度が3〜25Pa・sである蓋付き容器入り分離液状バジルソースは、より乳化容易性、及び食材との絡み易さに優れていることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水相部に結晶セルロース、および溶融したチーズを含有してなる蓋付き容器入り分離液状バジルソース。
【請求項2】
製品に対し結晶セルロースの含有量が0.05〜5%である請求項1記載の蓋付き容器入り分離液状バジルソース。
【請求項3】
製品に対し溶融したチーズの含有量が0.5〜15%(ナチュラルチーズ換算)である請求項1または2記載の蓋付き容器入り分離液状バジルソース。
【請求項4】
分離液状バジルソースを一時的に乳化した際の粘度が1〜30Pa・sである請求項1〜3記載の蓋付き容器入り分離液状バジルソース。