説明

蓋装置

【課題】蓋のロック解除操作と、蓋の開放操作とを特に意識しなくても使用者が連続的に行うことができる蓋装置を提供することを目的とする。
【解決手段】筐体と前記筐体に開閉可能に取り付けられた蓋体とを備える蓋装置であって、蓋体は、第1の方向にスライド操作されることにより、蓋体を閉状態でロックするロック状態からロック状態が解除されたロック解除状態へと切り替え可能なスライド部を有し、ロック解除状態において、スライド部に対して、第1の方向とは異なる第2の方向に力が加えられることにより、開放可能であり、スライド部には、第1の方向と第2の方向の合成方向に対して略垂直方向の突起部が表面に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋装置に関し、特に、筐体に蓋が設けられている蓋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、メモリカードやバッテリーが格納される収容部を開閉する蓋部カバーと、蓋部カバーを蓋ロック解除位置に操作するためのスライド式の蓋開放つまみと、を有するカメラ装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−354303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているカメラ装置において、使用者は、蓋部カバーを開放する際に、蓋部カバーのロック解除操作と、蓋部カバーの開放操作との2段階の操作を意図的に行うことが必要となる。
【0005】
本発明は、蓋のロック解除操作と、蓋の開放操作とを特に意識しなくても使用者が連続的に行うことができる蓋装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明にかかる蓋装置は、筐体と前記筐体に開閉可能に取り付けられた蓋体とを備える蓋装置であって、蓋体は、第1の方向にスライド操作されることにより、蓋体を閉状態でロックするロック状態からロック状態が解除されたロック解除状態へと切り替え可能なスライド部を有し、ロック解除状態において、スライド部に対して、第1の方向とは異なる第2の方向に力が加えられることにより、開放可能であり、スライド部には、第1の方向と第2の方向の合成方向に対して略垂直方向の突起部が表面に形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、蓋のロック解除操作と、蓋の開放操作とを特に意識しなくても使用者が連続的に行うことができる蓋装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】デジタルビデオカメラ100の斜視図
【図2】デジタルビデオカメラ100を結合ユニット102と最小ユニット200とに分解した様子を示す分解斜視図
【図3】最小ユニット200を筐体カバー201と蓋ユニット300とに分解した様子を示す分解斜視図
【図4】蓋ユニット300を分解した様子を示す分解斜視図
【図5】蓋ユニット300の正面図
【図6】最小ユニット200を裏側から見た裏面図
【図7】蓋ユニット300の動作状態を説明するための図
【図8】蓋ツマミ302に作用にする力を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔1.実施の形態1〕
〔1−1.概要〕
以下、本発明をデジタルビデオカメラに適用した実施の形態の一例について、図1から図8を用いて説明する。図1は、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100の斜視図である。図2は、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100を結合ユニット102と最小ユニット200とに分解した様子を示す分解斜視図である。図3は、最小ユニット200を筐体カバー201と蓋ユニット300とに分解した様子を示す分解斜視図である。図4は、蓋ユニット300を分解した様子を示す分解斜視図である。図5は、蓋ユニット300の正面図である。図6は、最小ユニット200を裏側から見た裏面図である。図7は、蓋ユニット300の動作状態を説明するための図である。図8は蓋ツマミ302に作用にする力を説明するための図である。
【0010】
〔1−2.デジタルビデオカメラ100の全体構成〕
図1に示すように、デジタルビデオカメラ100は、装置本体内にレンズ101と、レンズ101により結像された画像を撮像する撮像素子(不図示)と、撮像素子により撮像された画像を記憶媒体に記録するための記録装置(不図示)と、記録装置に記憶媒体を差し込むための挿入口に設けられた蓋ユニット300とを有する。ここで、蓋ユニット300は、デジタルビデオカメラ100の上面に配置されている。デジタルビデオカメラ100は、レンズ101により結像された画像を撮像素子より撮像し、画像データを生成し、生成した画像データを記憶媒体に記録する。
図2に示すように、デジタルビデオカメラ100は、結合ユニット102と蓋ユニット300を有する最小ユニット200とから構成される。結合ユニット102は、幾つかの小ユニット、レンズ101、撮像素子、及び記録装置などから構成される。
【0011】
〔1−3.最小ユニット200の構成〕
図3に示すように、最小ユニット200は、蓋ユニット300と、外ケース201とから構成される。外ケース201は、記憶媒体を差し込むための挿入口202を有している。蓋ユニット300は、挿入口202の上部に取り付けられている。使用者は、蓋ユニット300を開状態にすることにより、記憶媒体を挿入口202に挿入できる。
【0012】
〔1−4.蓋ユニット300の構成〕
図4に示すように、蓋ユニット300は、蓋301と、蓋301に相対移動可能に取り付けられた蓋ツマミ302と、シャフト303と、蓋ツマミ302を所定の方向に押さえ付けるロックバネ304と、蓋301を開放する方向に力を加える回動バネ305とから構成される。蓋301は、小判形のフタ孔306を左右対称に有している。また、蓋ツマミ302は、小判形のツマミ孔307を左右対称に有する。シャフト303は、蓋301に設けられたフタ孔306と、蓋ツマミ302のツマミ孔307と、回動バネ305とを貫通し、蓋ユニット300として結合する。このように、蓋ツマミ302は、蓋301の下部に設けられる。従って、蓋ツマミ302を蓋301と全くことなる位置に設ける場合と比べて、機器全体を小型化することができる。
【0013】
〔1−5.蓋ユニット300の動作〕
図5に示すように、蓋301に取り付けられた蓋ツマミ302は、矢印方向(左右方向)に所定の距離だけ相対移動可能となっている。蓋ツマミ302が蓋301に対して相対移動する際の詳細について説明する。図7は、図6に示す最小ユニット200のα部(蓋ユニット300を裏側から示した部分)について説明する図である。図7を用いて、蓋ユニット300の動作(閉状態から開状態に至るまでの一連の動作)を説明する。
【0014】
図7-1は、蓋ユニット300が閉じた状態を示している。また、図7-2は、蓋ツマミ302が蓋301に対してA方向に所定の距離だけ移動した状態を示している。また、図7-3は、蓋ユニット300が外ケース201に対してB方向に所定の距離だけ移動した状態を示している。
図7-1に示すように、蓋ユニット300が閉じた状態にある時、蓋ツマミ302が有するツマミ爪308は、外ケース201が有するケース爪309と嵌合している。これにより、ツマミ爪308とケース爪309とは、蓋ユニット300のB方向の動作を規制する。図7-1の状態から蓋ツマミ302をA方向に沿って所定の距離だけ移動させることで、図7-2に示すように、ツマミ爪308とケース爪309との嵌合は解除される。これにより、蓋ユニット300は、B方向(フタ孔306、及びツマミ孔307の長手方向)に沿って移動可能となる。この状態において、回動バネ305は回動可能となるため、蓋ユニット300をB方向に動かす力を加える。しかし、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100においては、回動バネ305の力のみによって蓋ユニット300を開けることはできない。そこで、使用者は、図7-2の状態において、図7-3に示すように蓋ユニット300をB方向に所定の距離動かすことにより、蓋ユニット300を開いた状態とすることができる。
〔1−6.スライド部材310の構成〕
使用者は、蓋ユニット300の開閉操作を蓋ツマミ302が有するスライド部材310をスライド操作することにより行う。図8に示すように、スライド部材310は、B方向に対して所定の傾斜を有する形状(斜辺部500)とA方向に沿った形状(上辺部400)とから構成される。蓋ユニット102を閉状態から開状態に移行するために、使用者は、前述の通り、蓋ツマミ302をA方向にスライド操作し、その後に、蓋ツマミ302を垂直方向であるB方向にスライド操作する必要がある。
ここで、スライド部材310は、所定の傾斜(斜辺部500)を有する形状となっている。従って、使用者は、スライド部材310をA方向にスライド操作することにより、傾斜方向に対して法線方向である方向Cに力を加えることになる。この方向Cの力はA方向の操作力DとB方向の操作力Eに分解することができる。従って、蓋ユニット300がB方向への移動を規制されている状態において、使用者がスライド部材310に対してC方向の力を加えると、蓋ツマミ302は、A方向にスライドする。また、蓋ユニット300のB方向への移動の規制が解除されている状態において、使用者がスライド部材310に対してC方向の力を加えると、蓋ユニット300は、B方向にスライドし、開放状態となる。
このため、使用者は、蓋ツマミ302をA方向へ操作した後に蓋ユニットをB方向に移動させるといった操作方向の変更を意識しなくても、A方向の操作からB方向への操作への操作移行をスムーズに行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の蓋を有する装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0016】
100 デジタルビデオカメラ
101 レンズ
102 結合ユニット
200 最小ユニット
201 筐体カバー
202 挿入口
300 蓋ユニット
301 蓋
302 蓋ツマミ
303 シャフト
304 ロックバネ
305 回動バネ
306 蓋孔
307 ツマミ孔
308 ツマミ爪
309 ケース爪
310 スライド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と前記筐体に開閉可能に取り付けられた蓋体とを備える蓋装置であって、
前記蓋体は、
第1の方向にスライド操作されることにより、前記蓋体を閉状態でロックするロック状態から前記ロック状態が解除されたロック解除状態へと切り替え可能なスライド部を有し、
前記ロック解除状態において、前記スライド部に対して、前記第1の方向とは異なる第2の方向に力が加えられることにより、開放可能であり、
前記スライド部には、第1の方向と第2の方向の合成方向に対して略垂直方向の突起部が表面に形成されている、
蓋装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−278832(P2010−278832A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130028(P2009−130028)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】