説明

蕎麦植物体発酵焙煎品及びその製造方法

【課題】本発明は、従来の蕎麦植物体飲食品とは異なった香り、風味、味わいを持ち、ルチンなどの各種薬効成分の抽出量の向上を図った蕎麦植物体発酵焙煎品や、その製造方法を提供することにある。
【解決手段】蕎麦の葉及び/若しくは茎、又はこれらの処理物に麹菌を添加して発酵処理を行い、この発酵処理物を焙煎する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蕎麦の葉及び/若しくは茎、又はこれらの処理物(以下、蕎麦植物体ともいう。)を発酵処理させ、その発酵処理物を焙煎することにより得られる従来の蕎麦植物体飲食品とは異なった香り、風味、味わいを持ち、ルチンなどの各種薬効成分の抽出量の向上を図った蕎麦植物体発酵焙煎品や、その製造方法に関する。
【0002】
また、本発明は上記蕎麦植物体発酵焙煎品を含有する機能性食品又は食品材料や、さらに焙煎した蕎麦の実を混合した機能性食品又は食品素材に関する。
【背景技術】
【0003】
蕎麦には、さまざまな生理活性物質が含まれており、例えばその1つであるルチンには、活性酸素を除去する酸化防止作用や、毛細血管を強くしたり、血圧を下げたり、また糖尿病を予防する働きなど、様々な働きがあることが知られている。蕎麦植物体は、穀物の中で蕎麦にのみ特有に見られるルチンが蕎麦の実の200倍程度と豊富に含まれており、またミネラル類等の栄養素も多く健康食品の素材として極めて有用であることが知られている。本出願人は先に、蕎麦植物体を用いた飲食品を提案している(特公昭58−56656号参照)。この飲食品は、緑色の蕎麦植物体を乾燥して粉末にし、飲食品の着色や、そのまま蕎麦植物体がもつ高い栄養素を取る事が出来るようにしたもので、その製造に当たっては、蕎麦植物体を刈り取った後24時間以内に水分が7%以下になるように乾燥し、粉砕して製造したものである。また、蕎麦植物体を原料とした飲食品としては、特開平9−271347号公報や特開2000−116363号公報等に記載の蕎麦植物体の粉砕物や、また特公平5−81231号等に記載の蕎麦植物体の焙煎物などが知られている。
【0004】
しかしながら、蕎麦植物体の粉末は、食品添加剤や自然由来の着色料として、栄養価にも富み非常に優れたものであるが、蕎麦植物体単体で飲食品として摂取しようとした場合には、植物特有の青臭さが強く感じられるため、使用方法や添加量についてはある程度の制限があるという問題が発生していた。
【0005】
【特許文献1】特公昭58−56656号
【特許文献2】特開平9−271347号公報
【特許文献3】特開2000−116363号公報
【特許文献4】特公平5−81231号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、従来の蕎麦植物体飲食品とは異なった香り、風味、味わいを持ち、ルチンなどの各種薬効成分の抽出量の向上を図った蕎麦植物体発酵焙煎品や、その製造方法を提供することにある。
【0007】
さらに、上記蕎麦植物体発酵焙煎品を含有する機能性食品・食品素材や、蕎麦植物体発酵焙煎品と焙煎した蕎麦の実を混合させた機能性食品・食品素材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、蕎麦植物体を原料に用いて飲食品として使用する際、植物特有の青臭さを消して、蕎麦植物体が持つ栄養素を有効に利用しうる飲食品の製造方法について鋭意研究を行ったところ、蕎麦の葉及び/若しくは茎、又はこれらの処理物に麹菌を添加して発酵処理を行い、この発酵処理物を焙煎すると、従来の蕎麦植物体飲食品とは異なった香り、風味、味わいを持ち、ルチンなどの各種薬効成分の抽出量が向上する蕎麦植物体発酵焙煎品が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、(1)蕎麦の葉及び/若しくは茎、又はこれらの処理物に、麹菌を添加して発酵処理を行い、この発酵処理物を焙煎することを特徴とする蕎麦植物体発酵焙煎品の製造方法や、(2)蕎麦の葉及び/又は茎の処理物として、蕎麦の葉及び/又は茎を水分が7%以下となるように熱風乾燥した乾燥処理物を用いることを特徴とする前記(1)記載の蕎麦植物体発酵焙煎品の製造方法や、(3)麹菌として、リゾプス属(Rhizopus)に属する麹菌を用いることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の蕎麦植物体発酵焙煎品の製造方法や、(4)リゾプス属(Rhizopus)に属する麹菌として、リゾプス・オリゴスポラス(Rhizopus oligosporus)を用いることを特徴とする前記(3)記載の蕎麦植物体発酵焙煎品の製造方法に関する。
【0010】
また本発明は、(5)前記(1)〜(4)のいずれか記載の製造方法によって得られる、ルチン抽出量が増加した蕎麦植物体発酵焙煎品や、(6)前記(5)記載の蕎麦植物体発酵焙煎品を含有することを特徴とする機能性食品又は食品素材や、(7)さらに、焙煎した蕎麦の実が混合されていることを特徴とする前記(6)記載の機能性食品又は食品素材に関する。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、蕎麦植物体を使用した新しい種類の飲食品として、青臭い風味を消して香ばしい風味を付加させると共に、ルチン等の薬効成分を多量に抽出することができる蕎麦植物体発酵焙煎品や、該蕎麦植物発酵焙煎品を含有した機能性食品・食品素材や、該蕎麦植物発酵焙煎品に焙煎した蕎麦の実を混合した機能性食品・食品素材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の蕎麦植物体発酵焙煎品の製造方法としては、蕎麦の葉及び/若しくは茎、又はこれらの処理物に、麹菌を添加して発酵処理を行い、この発酵処理物を焙煎する方法であれば特に制限されず、上記蕎麦としては、普通蕎麦(学名:ファゴピルム・エスクレンツム(Fagopyrum esculeentum))の他、ダッタン蕎麦(学名:ファゴピルム・タータリクム(Fagoryrum tataricum))や、シャクチリ蕎麦(宿根蕎麦)(学名:ファゴピルム・サイモスム(Fagopyrum cymosum))等を挙げることができる。なお、蕎麦の葉及び/又は茎を以下「蕎麦植物体」ということがある。
【0013】
本発明に用いられる蕎麦植物体としては、葉や茎が緑色の状態のものであれば、いずれの時期のものであってもよいが、葉が旺盛に茂っている開花前後の時期のものを使用することが好ましい。
【0014】
また、本発明に用いられる蕎麦植物体の処理物における処理としては、粉砕処理、裁断処理、乾燥処理、超音波ホモゲナイズ処理、凍結処理、加熱処理、抽出処理等を挙げることができ、これら処理を二以上組み合わせて行ってもよい。これらの処理の中でも裁断後の乾燥処理を好適に例示することができ、乾燥処理は熱風乾燥、凍結乾燥などいずれの乾燥方法を用いてもよいが熱風乾燥が好ましい。また、水分が7%以下になるように乾燥処理を施すことが好ましく、保存性の関係から水分が4%以下になることがより好ましい。具体的な一形態として、蕎麦植物体を地表面より5cm程度の位置から刈り取り(蕎麦植物体の地表面からの高さは10〜45cm程度)、これを水洗、裁断(1〜5cm程度)し、刈り取りから24時間以内に水分が7%以下となるように乾燥させる方法を好適に挙げることができる。
【0015】
本発明における発酵処理に用いられる微生物としては、麹菌であれば特に制限されず、麹菌としては、アスペルギルス属(Aspergillus)、リゾプス属(Rhizopus)、モナスカス属(Monascus)に属する麹菌等を例示することができ、アスペルギルス属に属する麹菌としてはアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・ソジャ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)等を、リゾプス属に属する麹菌としては、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、リゾプス・オリゴスポラス(Rhizopus oligosporus)を、モナスカス属に属する紅麹菌としてはモナスカス・アンカ(Monascus anka)、モナスカス・パーパレウス(Monascus purpureus)を、それぞれ例示することができる。これらの中でも、テンペ菌であるリゾプス・オリゴスポラスを好適に例示することができる。
【0016】
本発明における発酵処理は、発酵の際に麹菌を用いた処理であれば発酵方法・条件等については特に制限されるものではないが、麹菌を蕎麦植物体やその処理物に対して0.5〜5重量%添加して発酵することが好ましく、さらに、発酵の進行を促進するため、蕎麦植物体の乾燥物重量に対して、1〜2.0倍量の水を添加することが好ましい。発酵温度は季節的な要因にあわせて適宜変更されるが、20〜40℃が好ましく、より好ましくは30〜35℃であり、発酵時間はpHや、菌数等の条件による発酵の進行状況等により適宜選択することができ、例えば、pH4〜5、菌数10以上であれば、約24〜36時間とすることができる。また、発酵処理時には必要に応じてエアレーションや脱酸素処理を行うことができるが、脱酸素処理後に静置培養において発酵させることもできる。発酵形式は、液体培養でなく固体培養が好ましい。さらに発酵処理後、水分が10%以下になるように乾燥させることが好ましく、この乾燥方法については熱風乾燥、凍結乾燥など乾燥におけるいずれの方法を用いてもよい。
【0017】
本発明における焙煎は、蕎麦植物体やその処理物を発酵処理した後、この発酵処理物を焙煎するものであれば、その焙煎方法・条件等は特に制限されるものではないが、上記発酵処理物を粉砕処理し、粉砕した処理物を焙煎することが好ましく、具体的には1〜8mmに粉砕する方法を挙げることができる。また、焙煎方法としては、焙煎釜にて100〜230℃で10〜18分間、焙煎を行う方法を好適に例示することができる。
【0018】
以上のようにして得られた本発明の蕎麦植物体発酵焙煎品は、従来の蕎麦植物体を利用した食品と比べ、植物特有の青臭さが無く、その香り、風味、味わいが異なるものであり、また、例えば、上記蕎麦植物体発酵焙煎品を熱水により抽出した場合、従来の蕎麦植物体飲食品に比べ、ルチンなどの各種薬効成分の抽出量が向上するという特徴を持つものである。
【0019】
本発明の機能性食品又は食品素材は、上記蕎麦植物体発酵焙煎品を含有するものであれば特に限定されるものではなく、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、蕎麦茶、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料や、プリン、クッキー、パン、ケーキ、ゼリー、煎餅などの焼き菓子、羊羹などの和菓子、冷菓、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、蕎麦等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、みそ、しょう油、食用油、マーガリン、ラード、バター、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、チーズ、バター等の乳製品や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ等の各種総菜へ配合して食品として使用することができるほか、サプリメントとしてそのまま使用することもできる。なお、配合量は、特に限定されるものではなく、食品によって適宜選択することができる。
【0020】
さらに、上記蕎麦植物体発酵焙煎品に、焙煎した蕎麦の実を混合させることもでき、蕎麦の実を混合させることにより、甘味を抑えて香ばしい風味を付与させることができる。なお、焙煎した蕎麦の実の混合量は適宜選択することができるが、蕎麦の実の混合比が蕎麦植物体焙煎品に対して0.5倍であった場合には蕎麦植物体発酵焙煎品の特徴が強く現れ、蕎麦の実の混合比が1.5倍以上であった場合には蕎麦の実焙煎物の特徴が強く現れ、特に蕎麦の実の混合比が2.5倍を越えたものについては蕎麦植物体発酵焙煎品の特徴が殆どわからなくなるという傾向を示す。
【0021】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0022】
生育が地表面から20cm程度になった蕎麦植物体を刈り取り、水洗・裁断後すぐに植物体の水分が4%以下になるように熱風乾燥を行った。この蕎麦植物体の乾燥物10kgに、リゾプス属の菌株(Rhizopus oligosporus)を1%投入し、水を14kg加えてよく攪拌し、29℃で24時間発酵を行った。発酵終了後、60〜70℃の熱風乾燥にて24時間乾燥を行い、水分が10%以下になった蕎麦植物体の発酵処理物を得た。この発酵処理物を2〜5mmになるように粉砕し、焙煎釜にて140〜155℃で13〜15分間焙煎を行い、蕎麦植物体発酵焙煎品を得た。該蕎麦植物体発酵焙煎品を2g取り、それにお湯を500mL入れ2分間抽出し、蕎麦の葉茶として飲用をしたが、蕎麦植物体発酵焙煎品からなる蕎麦の葉茶は、これまでの蕎麦植物体を使用した飲食品と比べて青臭さが少なく、香り・味に甘味があって、まろやかであるという特徴を有していた。
【実施例2】
【0023】
前記実施例1と同じ方法で作成した蕎麦植物体発酵焙煎品について、特公昭57−5142号に記載されている方法で焙煎された蕎麦の実を、蕎麦植物体発酵焙煎品に対する重量比で0.5〜3倍混合し、蕎麦植物体発酵焙煎品及び蕎麦の実焙煎物の混合品を得た。該混合品について、蕎麦植物体発酵焙煎品を基準として2gで統一になるように、蕎麦の実焙煎物の重量が0.5、1、1.5、2、3倍量混合された混合物を、それぞれ3、4、5、6、8g取り、それにお湯を500mL入れ2分間抽出し、蕎麦の葉茶として飲用をしたが、蕎麦植物体発酵焙煎品と蕎麦の実焙煎物の混合品からなる蕎麦の葉茶は、これまでの蕎麦植物体を使用した飲食品と比べ青臭さが少なく、香り・味に甘味があってまろやかであり、また実施例1の蕎麦の葉茶と比較してさらに香ばしさが付加されているという特徴を有していた。またこの際、蕎麦の実の混合比が0.5倍であった場合には蕎麦植物体発酵焙煎品の特徴が強く現れ、蕎麦の実の混合比が1.5倍以上であった場合には蕎麦の実焙煎物の特徴が強く現れ、特に蕎麦の実の混合比が2.5倍を越えたものについては蕎麦植物体発酵焙煎品の特徴が殆どわからなくなるという傾向が見られた。
【実施例3】
【0024】
リゾプス・オリゴスポラス(Rhizopus oligosporus)の代わりにアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)を使用した以外は実施例1と同様の方法で蕎麦植物体発酵焙煎品を製造し、該蕎麦植物体発酵焙煎品を2g取り、それにお湯を500mL入れ2分間抽出し、蕎麦の葉茶として飲用をしたが、前記蕎麦植物体発酵焙煎品からなる蕎麦の葉茶も、これまでの蕎麦植物体を使用した飲食品と比べて青臭さが少なく、香り・味に甘味があって、まろやかであるという特徴を有していた。
【実施例4】
【0025】
次に、実施例1で製造した蕎麦植物体発酵焙煎品、及び蕎麦植物体の各種処理物並びにそれぞれを初期温度100℃の熱水に浸漬することにより抽出した抽出液について、蕎麦に含まれているその他の薬効成分として知られているγ−アミノ酪酸(以下、「GABA」ともいう。)の含有量について調査した。GABAの含有量は、高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)により測定した。結果は表1のとおりである。
【表1】

【0026】
表1の結果より、本件発明の蕎麦植物体発酵焙煎品(抽出液も含む)及び蕎麦植物体発酵焙煎品+蕎麦の実焙煎物(抽出液も含む)は、他の蕎麦植物体に比べて、GABA含有量が減少していることがわかる。
[比較例]
【0027】
生育が地表面から20cm程度になった蕎麦植物体を刈り取り、水洗・裁断後すぐに植物体の水分が4%以下になるように熱風乾燥を行った蕎麦植物体の乾燥物を2〜5mmになるように粉砕したもの、及びその蕎麦植物体の乾燥物を直接140〜155℃で13〜15分間焙煎を行った蕎麦植物体の焙煎物、それぞれについて2g取り、それにお湯を500mL入れ2分間抽出し、蕎麦の葉茶として飲用をしたが、蕎麦植物体の乾燥物から抽出した蕎麦の葉茶は青臭みが強く、抽出液の色が薄いという特徴を有し、蕎麦植物体の焙煎物から抽出した蕎麦の葉茶は焙煎臭として焦げ臭さが際立ち、味にとげとげしさがあって飲みにくいという特徴を有していた。これら二つの蕎麦の葉茶と、実施例1、2及び3で作成した蕎麦の葉茶について、10名のパネラーで官能検査を行った評価を下記表2に記載した。また抽出液に含まれるルチン量及びミネラル類の結果を下記表3に、GC−MSによる匂い成分の分析結果を下記表4にそれぞれ記載した。なお、実施例2の蕎麦植物体発酵焙煎品と蕎麦の実焙煎物の混合品については、混合比1:1のもの(蕎麦植物体発酵焙煎品2g:蕎麦の実焙煎物2g)を使用した。
【0028】
【表2】

【0029】
【表3】

【0030】
上記表3に示すとおり、本発明の蕎麦植物体発酵焙煎品は、従来の蕎麦植物体飲食品と比較して、ルチンをはじめとする各種薬効成分の抽出量が増加しているのがわかる。また、アスペルギルス・オリゼにて発酵処理を施した蕎麦植物体発酵焙煎品(実施例3)は、従来の蕎麦植物体飲食品に比べ、青臭さが無く、その香り、風味、味わいはよいものであったが、ルチンの抽出量は増加しなかった。
【0031】
【表4】

【0032】
(分析手法)
本発明の実施例及び比較例で製造される飲食物の成分分析の分析手法として、ルチン含量についてはHLPC法(島津製作所社製;液層クロマトグラフ分析計)で、ミネラル類のナトリウム、カリウムについては原子吸光光度法(日本食品分析センター依頼)で、リン、カルシウムについてはICP発光分析法(日本食品分析センター依頼)で、匂い成分についてはGC−MS分析で(Agirent社製・匂い成分の吸着:HSSE法・匂い嗅ぎ装置使用)それぞれ行った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蕎麦の葉及び/若しくは茎、又はこれらの処理物に、麹菌を添加して発酵処理を行い、この発酵処理物を焙煎することを特徴とする蕎麦植物体発酵焙煎品の製造方法。
【請求項2】
蕎麦の葉及び/又は茎の処理物として、蕎麦の葉及び/又は茎を水分が7%以下となるように熱風乾燥した乾燥処理物を用いることを特徴とする請求項1記載の蕎麦植物体発酵焙煎品の製造方法。
【請求項3】
麹菌として、リゾプス属(Rhizopus)に属する麹菌を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の蕎麦植物体発酵焙煎品の製造方法。
【請求項4】
リゾプス属(Rhizopus)に属する麹菌として、リゾプス・オリゴスポラス(Rhizopus oligosporus)を用いることを特徴とする請求項3記載の蕎麦植物体発酵焙煎品の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか記載の製造方法によって得られる、ルチン抽出量が増加した蕎麦植物体発酵焙煎品。
【請求項6】
請求項5記載の蕎麦植物体発酵焙煎品を含有することを特徴とする機能性食品又は食品素材。
【請求項7】
さらに、焙煎した蕎麦の実が混合されていることを特徴とする請求項6記載の機能性食品又は食品素材。

【公開番号】特開2008−86290(P2008−86290A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−273184(P2006−273184)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(391043491)日穀製粉株式会社 (10)
【Fターム(参考)】