説明

薬の服用予定ボード

【課題】医者より処方されて袋に入った多数の錠剤やカプセルを、毎日朝・昼・夕等の時間帯に分けて服用する必要がある人にとり、服用忘れを防止し、薬を整理しておくためにも使い易い状態に薬を分配して管理できる薬の服用予定ボードを提供する。
【解決手段】ボード1に着脱が容易でしかも容易に脱落することのない透明で蓋のない小容器2を朝・昼・夕の3時間帯、または朝・昼・夕・寝る前の4時間帯に分けて1週間分を配置する。ボードは卓上用と壁掛け用が共用できるようにする。卓上用としてはボードを後方に約10度傾けた状態で脚部を設置し、この脚部が付いたままで壁掛け用としても使用可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は毎日の時間帯毎に薬を服用する必要のある人が、服用忘れを防止するために、一週間分の服用薬を配分しておく服用管理ボードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多種類の錠剤やカプセルを朝・昼・夕等の時間帯に別けて服用する必要のある人のために、背景技術として下記のような公報文献がある。
【公報文献1】
登録実用新案第3024180号公報
【公報文献2】
登録実用新案第3035809号公報
【公報文献3】
登録実用新案第3148622号公報
公報文献1では分配用に蓋なしの透明な小容器ではなく収容袋を使用しており、ボード側と収容袋裏側の対応部には着脱自在テープを貼ることで、着脱を可能にしている。
公報文献2では折り曲げ可能なファイルの面に分配袋を多数配列し、分配袋の着脱にはやはり面ファスナーを使用している。しかし着脱自在テープや、面ファスナーによる取り付けは外れ易く、また再取り付け時に位置がずれやすい。
公報文献3は本人の考案で、小容器の着脱方法として、ボード側より舌状の突起を垂直に出し、この突起に毛状の面を持つ可撓体を包むように貼り付け、小容器側はこれと勘合する穴を開けて落下防止と着脱を容易にしているが、ボードは板であるため舌状突起は別に作って貼り付ける必要があるが、小容器にとり、面に垂直な舌状突起なら容易に一体加工も可能で、公報文献3のように小容器側に長穴加工よりも本発明のようにボード側に長穴加工の方が有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
医者より処方されて袋に入った多数の錠剤やカプセルを、毎日朝・昼・夕等の時間帯に分けて服用する必要がある人にとり、服用忘れを防止し、薬を整理しておくためにも使い易い状態に薬を分配して管理できるものが必要である。それと共に、より使い易く製作が容易であることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するために本発明ではまずボードを用意するが、ボードは卓上用と壁掛け用が共用できるようにする。卓上用としてはボードを後方に約10度傾けた状態で脚部を設置し、この脚部が付いたままで壁掛け用としても使用可能とする。このためボードの上部には比較的大きな長円形の手持ち用穴を開けておき、手で持ち上げ易くすると共に壁掛け用に使用した場合の引っ掛け用の穴として使用する。また別に紐による壁掛けを行う場合の紐用通し穴を用意しておくとよい。ボード表面には着脱が容易で、しかも容易に脱落することのない透明な小容器を朝・昼・夕の3時間帯、または朝・昼・夕・寝る前の4時間帯に分けて1週間分を配置する。小容器の取り付け法として、小容器の裏面から垂直に出る舌状突起を設置する。この舌状突起は小容器と一体成型とするのが望ましいが、L形の小片として小容器裏面に接着する場合もある。該舌状突起の上面または下面のみに、または上下面を包むように毛状の面を持つ可撓体、具体的には面ファスナーの一部を貼り付ける。小容器舌状突起に対応するボード側には程良く勘合する長円形の切り抜き小穴を設けるものとする。
【発明の効果】
【0005】
垂直な舌状突起を小容器側に設け、対応するボード側に長円形の切り抜き小穴を設けたことにより、製作が比較的容易に、毛状の面を持つ垂直舌状突起のために小容器の着脱が容易でありながら、ボードの揺れや衝撃にも容易に脱落することがない。また卓上用としても壁掛け用としても使用でき、使い勝手良く薬の服用忘れを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1に本発明の薬の服用予定ボードの正面図を示す。図において1はボード、2は着脱可能で透明な小容器で、図では朝・昼・夕の1週間分を配置した例を示している。また図では小容器の一部を取り外して、ボード側にある多数の長円形の切り抜き小穴3が見える状態にしてある。4はボードの上部にある比較的大きな手持ち用穴で、手で持ち上げ易くすると共にフック掛け部5が設けてある。6は紐による壁掛けをする場合の紐用通し穴、7は卓上使用時必要な脚部を示している。
【0007】
図2は、図1の薬の服用予定ボードを卓上使用状態とした側面図で、ボードは使い易いよう、後方に約10度傾けた構造をしている。図の8は小容器と一体的に小容器の裏面から垂直に出る舌状突起を示し、図では舌状突起の下側にのみ毛状の面を持つ可撓体、具体的には面ファスナーの一部9を貼り付けた例を示している。
【0008】
図3は本発明の薬の服用予定ボードにおける小容器の詳細を示す断面図で、図3では小容器との一体成型により小容器裏面から垂直に出る舌状突起8の下側にのみ面ファスナーの一部9を貼り付けた例を示す。
【0009】
図4は本発明の薬の服用予定ボードにおける小容器の別例を示す断面図で、小容器との一体成型により小容器裏面から垂直に出る舌状突起8の上側にのみ面ファスナーの一部9を貼り付けた例を示している。
【0010】
図5は本発明の薬の服用予定ボードにおける小容器の更に別例を示す断面図で、舌状突起としてL形の小片を小容器裏面に接着した例を示している。またこの図では面ファスナーの一部9を舌状突起8の上下面を包むように貼り付けた例を示している。
【0011】
図6は、図1で示す本発明の薬の服用予定ボードを壁掛け用として使用する場合の例を示し、幅広の板10を鋭角に折り曲げて、壁に接着する面を両面接着テープ11により壁に貼り付け、突出した部分にボード側の手持ち用穴を掛ける方法である。
【0012】
図7は、図1で示す本発明の薬の服用予定ボードを壁掛け用として使用する場合の別例を示し、ねじ込み式のL形フック12にボード側の手持ち用穴にあるフック掛け部を掛ける方法を示している。
【0013】
図8は、図1で示す本発明の薬の服用予定ボードを壁掛け用として使用する場合の更に別例を示し、ボードにある紐用通し穴6に紐13を通して壁に掛ける方法である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】 本発明の薬の服用予定ボードの一例を示す正面図
【図2】 図1の薬の服用予定ボードを卓上使用状態とした側面図
【図3】 小容器と一体成型した舌状突起の下側にのみ面ファスナーの一部を貼り付けた例を示す断面図
【図4】 小容器と一体成型した舌状突起の上側にのみ面ファスナーの一部を貼り付けた例を示す断面図
【図5】 舌状突起としてL形の小片を小容器裏面に接着した例を示すと共に面ファスナーの一部を舌状突起の上下面を包むように貼り付けた例を示す断面図
【図6】 図1の薬の服用予定ボードを壁掛け用として使用する例で、幅広の板を両面接着テープにより壁に貼り付け、突出した部分に手持ち用穴を掛ける方法を示す側面図
【図7】 図1で示す本発明の薬の服用予定ボードを壁掛け用として使用する場合の別例で、ねじ込み式L形フックに手持ち用穴にあるフック掛け部を掛ける方法を示す側面図
【図8】 図1で示す本発明の薬の服用予定ボードを壁掛け用として使用する場合の更に別例で、ボードにある紐用通し穴に紐を通して壁に掛ける方法示す正面図
【符号の説明】
【0015】
1 ボード
2 小容器
3 切り抜き小穴
4 手持ち用穴
5 フック掛け部
6 紐用通し穴
7 脚部
8 舌状突起
9 面ファスナーの一部
10 幅広の板
11 両面接着テープ
12 L形フック
13 紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボード上を曜日と各曜日毎の服用時間帯に区分し、透明で着脱可能な小容器に各時間帯に服用する必要のある服用薬を配分して飲み忘れを防止する用具において、小容器の着脱方法として容器の裏側に裏方向に垂直な舌状の突起を出し、該舌状突起の上面または下面のみに、または上下面を包むように毛状の面を持つ可撓体を貼り付け、対応するボード側には該舌状突起を適度な抵抗で差し込むことができる長円形の切り抜き小穴を設けた構造を持つ薬の服用予定ボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−245254(P2011−245254A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134482(P2010−134482)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(500335675)
【出願人】(599011610)株式会社カネキチ (3)
【Fターム(参考)】