説明

薬の服用管理システム

【課題】簡便で薬の飲み忘れを防止するのに効果的な薬の服用管理システムの提供を目的とする。
【解決手段】薬袋又は服用説明書あるいは添付用紙に、少なくとも、薬の名称、服用日時、服用数、服用チェック欄及び正規服用後の薬の残存数印字欄を有する、薬の服用管理表示部を設けてあり、パッケージソフトウェア提供者又はクラウドプロバイダーは少なくとも前記薬の服用管理表示部作成ソフトウェアを所有し、前記薬の提供者は通信ネットワークを用いて服用条件をパッケージソフトウェア提供者又はクラウドプロバイダーに送信する手段と、服用条件を受信したパッケージソフトウェア提供者又はクラウドプロバイダーは前記薬の提供者に前記服用管理表示部印字データを返信する手段を有し、前記薬の提供者は印字手段を用いて服用管理表示部を印字した薬袋又は服用説明書あるいは添付用紙を前記服用者に渡す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は定期又は不定期に継続して薬の服用をする者が薬を飲み忘れないようにするのに有効な薬の服用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療機関から処方された薬は薬の種類により、3食毎、1日毎、朝夕2回、3日に1回等、バラバラである。
薬の服用インターバルは薬効の有効時間を考慮されて定められているから、服用忘れは薬の効果が充分に得られない問題がある。
そこで、特許文献1〜4に示すようにこれまでも服用方法の改善案が多く提供されている。
しかし、特許文献1,2に示すものは専用の薬袋や管理具が必要であり、一般的に普及されていない。
また、特許文献3,4に示す方法はシステムが複雑であり、実用的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−119424号公報
【特許文献2】特開2008−5871号公報
【特許文献3】特開2006−285973号公報
【特許文献4】特開2007−188149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、簡便で薬の飲み忘れを防止するのに効果的な薬の服用管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る薬の服用管理システムは病院又は薬局等の薬提供者が薬を服用する服用者に薬を提供する際に用いる薬袋又は当該薬に添付する服用説明書又は薬と一緒に添付する用紙に、少なくとも、薬の名称、服用日時、服用数、服用チェック欄及び薬を正しく服用した場合の薬の残り数を印字した薬の残存数を有する薬服用管理表示部を設け、薬と一緒に渡すことを特徴とする。
本服用管理システムはその特徴から、パッケージソフトウェア提供者及びクラウドコンピューテングの一方の担い手のクラウドプロバイダーが提供するソフトウェアで本薬服用管理表示部を前記の添付用紙等に印字することである。
特に、クラウドプロバイダーは少なくとも前記薬の服用管理表示部作成ソフトウェアを所有し、一方前記薬の提供者は通信ネットワークを用いて服用条件をクラウドプロバイダーに送信する手段をもつ。
服用条件を受信したクラウドプロバイダーは、前記薬の提供者に前記服用管理表示部印字データを返信する手段を有する。
前記薬の提供者は印字手段を用いて服用管理表示部を印字した薬袋又は服用説明書あるいは薬と一緒に添付する添付用紙を前記服用者に渡すことを特徴とする。
このようなシステムを用いると前記薬の服用者は、前記服用管理表示部に表示された服用条件に従い、所定の薬を服用後に前記服用チェック欄に服用のチェック印を入れる。
これによって服用したかどうかを確認できる。
また、前記の薬の残存数欄には正しく服用した場合の薬の残数が印字されているので、実際に残っている薬の数を調べ、前記の残存数欄の数値と比較することでも薬の服用の有無を確認できる。
従って、服用チェック欄のチェック印と薬の残存数欄の印字された数値の2つの方法で薬の飲み忘れを二重に確認できる。
【発明の効果】
【0006】
本発明にあっては、コンピュータの印字機能を使用することによって薬の服用のチェックを容易にかつ安価に行える。
クラウドコンピューテングで利用すれば、各病院や薬局毎にソフトウェアを準備する必要がなく、薬の提供者はクラウドコンピューテングの一方の担い手であるクラウドプロバイダーにアクセスし、必要なデータを入力するだけで服用管理表示部の表示データが入手できるので、より安価で普及が容易である。
【0007】
また、薬の服用者は提供された服用管理表示部の表示に従って服用し、服用した場合には服用チェック欄にレ点又は○印等を記入すればよい。
また、本発明においては飲み忘れを防止するために正しく服用した場合の薬の残存数があらかじめ印字されている。
仮に服用チェック欄へのチェック印の記入を忘れても、残りの薬の数を調べて、前記の薬の残存数欄に印字されている数値と比較することによって飲み忘れの有無を容易に確認することができ、二重のチェックができるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】服用管理表示部の例を示す。
【図2】服用管理表示部の例を示す。
【図3】薬の種類が複数ある場合を示す。
【図4】薬毎に服用タイミングが異なる例を示す。
【図5】薬毎に服用タイミングが異なる例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1〜図5に本発明に係る薬の服用管理表示部の例を示す。
なお、本発明は図1〜図5に示した例に限定されるものでなく、発明の趣旨に沿った範囲に適宜、応用できる。
病院や薬局等の薬提供者は手元の端末を操作し、薬の印刷部の大きさ、服用すべき薬の名称、薬の回数、数量、服用する日時、服用者の生年月日、性別等を入力すると、この情報をパッケージソフト提供者又はクラウドプロバイダーが提供するソフトウェアが受信する。
パッケージソフト提供者又はクラウドプロバイダーは薬の服用管理表示部の作成ソフトを用いて、服用管理表示部印字データを作成する。
特にクラウドプロバイダーはそのデータを薬提供者に返信する。
薬の提供者はこの印字データで端末を用いて薬の袋又は薬の説明書又は薬袋と一緒に添付する添付用紙に印字し、薬の服用者に薬とともに渡す。
【0010】
薬を服用する者はこの服用管理表示部を見て所定の予め定められた、日時に所定の薬を服用する。
薬を服用した場合には、薬の服用チェック欄に印を付ける。
本実施例では「○」印を付けているがレ点でもよい。
正しく服用した場合の薬の残存数が前記の薬の残存数欄にあらかじめ印字されているので、実際の残りの薬の数を調べ、前記の残存数欄の数値と比較することでも薬の服用の有無を確認できる。
薬の服用チェック欄と薬の残存数欄の2つで服用の有無を二重にチェックすることができる。
例えば図1に示した例では、3月4日が空欄になっていて、飲み忘れたことを示す。
また、図3では3月4日に飲み忘れたことに気が付き、後で「×」を記入した例である。
また、図4、図5は薬の種類毎にチェックする例を示す。
本実施例では、備考欄を設けて服用者自らがビタミン剤等の服用管理をできるようにしてある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院又は薬局等の薬提供者が薬を服用する服用者に薬を提供する際に用いる薬袋又は当該薬に添付する服用説明書あるいは薬と一緒に添付する添付用紙であって、
薬袋又は服用説明書あるいは添付用紙に、
少なくとも、薬の名称、服用日時、服用数、服用チェック欄及び正規服用後の薬の残存数印字欄を有する、薬の服用管理表示部を設けてあり、
パッケージソフトウェア提供者又はクラウドプロバイダーは少なくとも前記薬の服用管理表示部作成ソフトウェアを所有し、
前記薬の提供者は通信ネットワークを用いて服用条件をパッケージソフトウェア提供者又はクラウドプロバイダーに送信する手段と、
服用条件を受信したパッケージソフトウェア提供者又はクラウドプロバイダーは前記薬の提供者に前記服用管理表示部印字データを返信する手段を有し、前記薬の提供者は印字手段を用いて服用管理表示部を印字した薬袋又は服用説明書あるいは添付用紙を前記服用者に渡すことを特徴とする薬の服用管理システム。
【請求項2】
前記薬の服用者は、前記服用管理表示部に表示された服用条件に従い、所定の薬を服用後に、前記服用チェック欄に服用確認チェックをし、前記薬の残存数印字欄に印字された薬の残存数と比較することで薬の飲み忘れを防止したことを特徴とする請求項1記載の薬の服用管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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