説明

薬剤を投与する方法および装置

【課題】薬剤師から離れた場所の薬剤の受領人に対して、効率的にかつ経済的に薬剤を供給する。
【解決手段】予め包装された薬剤のパッケージを投与する方法および装置は、内部空洞および開口のある本体を有する装置を含む。中央演算処理部は空洞内の作動装置と操作可能に通信し、パッケージの投与を規制し、監視し、一方、作動装置は空洞内の供給機構と操作可能に通信し、パッケージを投与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、薬剤の投与に用いられる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
服用コンプライアンスとは、所定の量の薬物を、所定の間隔をおいた所定の時間間隔中に、薬剤を服用する行為である。薬剤の中には、所定の時間に服用されなかった場合、次の所定の時間間隔まで服用しない方がよいものが存在する。臨床医は安全かつ効果的な治療を確実にするため、服用時間を管理する必要性を認識している。臨床医はまた、薬剤を服用する軽度に無力かつ健忘症の人々の、薬物治療を管理する手助けをすることで、介護者や関係者の果たす重要な役割も認識している。
【0003】
装置の中には、患者の服用コンプライアンスについて補助しようとするものがある。この装置は、装填可能な使い捨てカップもしくは装填可能な容器を有する薬剤投与装置を含む。どの場合でも、患者または介護者が、所定の量で投与される薬剤を中に入れる個々のカップもしくは容器を装填する。患者または介護者は通常は、薬剤が所定の時間に投与されるよう、薬物投与の間隔をプログラムする。患者もしくは介護者はしばしば、装置に装填してプログラムする処理を複雑なものだと感じている。
【0004】
投与装置の中には、所定の時間中、患者が手動で薬剤の投与をリクエストするまで、薬剤を保持するものがある。このことは、薬剤を得るために装置と手動でやりとりすることを患者に要求することで、実現される。もし患者が薬剤をリクエストしなければ、薬剤は装置中の隔離室に投与される。次の薬剤投与間隔は、患者により手動で命令されることで続行する。これは、薬の飲み忘れが起こったことを介護者に通信して通知する、介護者通知システムを含むこともまた知られている。
【0005】
方法の中には、予め包装された薬剤を備えることで、患者の服用コンプライアンスについて補助しようとするものがある。予め包装されたパッケージは、個々にラベル付けされたパッケージの状態で、認可された薬剤師から入手できる。これらのパッケージには、患者、内容物、服用の日時に関する重要な情報がテキスト形式でラベル付けされている。パッケージは連続してつながっており、患者が所定量の薬剤を含む単一のパッケージを、指定された時間に手動で取ることができる。包装の中心ポイントを用いることで、認可された薬剤師が、薬物間相互作用のスクリーニングおよび多剤服用のコントロールを行うことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
予め包装された薬剤を患者もしくは介護者に投与する装置は、患者の薬剤服用におけるコンプライアンスを積極的に管理する監視システムを含む。装置は開口および内部空洞のある本体を有する。作動装置および供給機構は空洞内に受けられ、相互に操作可能に連絡して、開口からパッケージを投与する。中央演算処理装置は、作動装置と、所定の時間におけるパッケージの投与を自動で規制して患者の薬剤服用コンプライアンスを監視する少なくとも1つのセンサーと、操作可能に連絡する。
【0007】
本発明の他の側面は、薬剤のパッケージを患者もしくは介護者に投与する方法を含む。方法は、所定量の薬剤を含むパッケージを備えること、および薬剤投与装置を含む。次に、パッケージを装置内に装填し、パッケージを所定の時間間隔中アクセス可能にする。その後、パッケージが装置から取られていなければ、パッケージをアクセス不能にする。
【0008】
本発明のその他の側面は、予め包装された薬剤を投与する装置を含む。装置は、それぞれ内部空洞および開口を有し、それぞれの空洞に受けられる作動装置を有する複数の本体を含む。供給機構はそれぞれの空洞に受けられ、そこで供給機構は作動装置のうち関連する1つと操作可能に連絡し、薬剤のパッケージを出口の方へ供給し投与する。処理部は作動装置のそれぞれと操作可能に連絡するよう配置され、供給機構によるそれぞれの出口を介するパッケージの投与を規制する。
【0009】
本発明のその他の側面は、薬剤のパッケージを、権限を有する受領人に投与する方法を含む。方法は、複数の薬剤投与装置を備えることと、相互に通信する装置を配置することでネットワークを作成することを含む。また、ネットワークに処理部を組み込み、処理部に通信するインターフェース装置を組み込む。さらに、所定量の薬剤含むパッケージを備え、薬剤投与装置にパッケージを装填する。次に、薬剤のリクエストをインターフェース装置に入力し、処理部を介してリクエストを処理する。次に、指定されたリクエストに応じて、選択された薬剤投与装置からのパッケージに受領人がアクセスできるようにする。
【0010】
本発明の目的、特徴、および利点は、相互にネットワーク化された複数の薬剤投与装置を備え、認可された薬剤師によって離れた場所にいる権限を有する受領人に薬剤のパッケージが投与されることを可能にし、薬剤を得るのに必要な時間を短縮し、認可された薬剤師から離れた単一の場所で効率よく複数の種類および量の薬剤を受け取れるようにし、人が薬剤を得るにあたって見込まれるダウンタイムを短縮し、取り扱いが簡単で、作成および設置において経済的である、薬剤を投与する方法および装置を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の現在好適な実施形態により構成される薬剤投与装置の斜視図である。
【図2】側板が取り外され内部空洞および複数の内部構成要素が示される装置の側面図である。
【図3】図1に示される装置の供給機構の部分側面図である。
【図4】予め包装された薬剤の、ある形状の部分斜視図である。
【図5】薬剤投与装置の現在好適な論理プロセスを示すフローチャートである。
【図6】通常の動作モードにある薬剤投与装置のインターフェース画面を示す図である。
【図7】設定モードにあるインターフェース画面を示す図である。
【図8】投薬プログラムモードにあるインターフェース画面を示す図である。
【図9】装置の供給機構内の一対のローラーの他の実施形態を示す部分斜視図である。
【図10】装置の供給機構の代替実施形態を示す部分側面図である。
【図11】装置の供給機構の代替実施形態を示す部分側面図である。
【図12】本発明の他の実施形態により構成される薬剤投与装置の正面斜視図である。
【図13】図12に示される薬剤投与装置の背面斜視図である。
【図14】インターフェース装置と中央演算処理装置ととともに壁内に搭載される、図12に示される薬剤投与装置の正面図である。
【図15】可動カート上のインターフェース装置と通信する、図12に示す装置の正面図である。
【図16】複数の予め包装された薬剤と連絡する複数の供給機構を示す、図12に示す薬剤投与装置の概略内部側面図である。
【図17】図12に示す複数の薬剤投与装置と複数のリモートステーション間の通信ネットワークのある実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これらおよびその他の目的、特性、および利点は、現在好適な実施形態および最良の態様について、次の詳細な説明および添付の図面から明らかになるであろう。
【0013】
図1および図2は、患者もしくは患者の介護者に、所定の量の薬剤を所定の時間間隔で投与できるようにする、薬剤取り出し容器もしくは装置10を示す。薬剤は予め包装されてラベル付きのパッケージ12内に入れられ、適切な量の薬剤を所定の時間に患者に提供する。装置10は、患者、介護者、又はその他誰でも、直接または遠隔に装置10にアクセスできる人が、患者が所定のとおりに薬剤を服用していることを確認できるよう、薬剤の投与が監視され制御されるようにする。また装置10は、患者が薬剤を服用する時間になった時、もしくは所定の時間間隔中に薬剤が服用されなかった時に、患者もしくはその他の人に知らせることができる。
【0014】
装置10は、フロントパネル21およびリヤパネル23と上面25および下面27を有するハウジング20に取り付けられる一対の側壁16および18を好適に有する本体14を有し、内部空洞22(図2)の輪郭を定める。壁面16としてここに示される一方の壁面は、権限を有する人が装置10の内部にアクセスできるよう、一組の蝶番19を中心として回転するように配置されたドアもしくはアクセスパネル17を有する。アクセスパネルは好適には、権限のない人が装置10の内部にアクセスすることを防ぐ、ロック15を有する。本体14は、例えばプラスティックもしくは金属の材料などのどれでも適切な材料から作成されてもよく、そしてさらに、本体14を構成するために、例えば射出成形、プレス加工、機械加工、その他のどれでも適切な工法が用いられてもよいことが認識されるべきである。
【0015】
ハウジング20は材料の一体成形として構成されてもよく、あるいはその他の方法で相互に取り付けられた2つ以上の材料から構成されてもよい。フロントパネル21は、インターフェーススクリーン26を受ける開口24と、“ソフト”キーもしくはインターフェ
ースキー30を受ける複数の小さな開口28(図6から図8)と、ある形状として、錠剤の図による表示を上に有するボタン32(図1)で表される投与作動装置を有する。投与作動装置32は、パッケージ12の投与を適切な権限を有する人に制限するための、人差し指もしくは親指の指紋認識パッド32であってよい。権限を有する人の人差し指もしくは親指の指紋情報は、必要に応じて装置10にプログラムされてよい。また、投与作動装置32は、パッケージ12の投与を、装置10からのパッケージ12の投与を始動させるのに必要な識別特徴を有する権限を有する個人に制限する、音声認識マイクであっても、瞳もしくは網膜スキャン機構であっても、その他の認識システムであってもよい。以下により詳細に論じるように、それぞれのインターフェースキー30はユーザーによって選択されるモードによって効果的に定義を変更することができ、多様な機能をコントロールすることができる。フロントパネル21はまた、それぞれに指定された時間、もしくは所定の時間に、個々のパッケージ12がそこを通って投与されるところの開口34を有する。望ましくは、リヤパネル23は、電力モジュール38がそこを通ってアクセスできるところの開口36を有する。
【0016】
図2に示されるように、装置10は、本体14の空洞22に受けられる大きさにされたコンテナ40を収容する。コンテナは好適には一般的に長方形であり、複数のパッケージ12を収容する大きさにされている。一実施形態において、図4に示されるように、相互に隣接するパッケージ12は、ミシン目45に沿ってつながれており、好適にはコンテナ40内に、畳まれた蛇腹のように相互に積み重ねられている。パッケージ12はまたスプールの周りに巻き付けられていても、またその他の方法でコンテナ40に格納されていてもよいことが認識されるべきである。望ましくは、コンテナ40は、薬剤のパッケージ12が前進する時にそこを通過するところのスロット44のある壁42を有する。コンテナ40は好適には、例えば1ヶ月分の供給量以上の薬剤など、大量の供給量の薬剤を保持することができる。好適には、パッケージ12は認可された個人、例えば薬剤師によってコンテナに装填される。コンテナ40は、装置10からの投与のために、パッケージ12が容易に開かれたり伸びたりするよう、これらを正しい位置に保持するべく機能していることが認識されるべきである。
【0017】
図4に示されるように、パッケージ12は好適には、ミシン目45で相互につながれた、個々に密封された小袋である。これは相互につながれた一連の薬剤のパッケージを提供する。上述のように、パッケージ12は好適には、認可された薬剤師によって予め包装され、それらの個々の内容を示すため、ラベル付け、符号化、またはその他の方法で識別されている。例えば服用される投薬時間、患者の氏名、薬剤の種類、薬剤の量などの全ての情報を符号化するために、望ましくはバーコード47が用いられる。バーコード47に加えて、もしくはその代わりに、上記の情報が光学的に読み取り可能なテキスト49、または例えば記号や点字などのその他の読み取り可能な情報の形式によって、好適にはラベル付けされることが認識されるべきである。薬剤を予め包装することで、薬剤師は薬物間相互作用のスクリーニングを行うことができ、パッケージ内の薬剤が相互に薬害反応を起こさないことを確認できる。上述の患者情報がラベル付けされたパッケージ12に加え、特定のパッケージ12は、装置10の操作を容易にするための指示形式の情報を含むことができる。この指示は、ダウンロード可能なソフトウェアの形を取り、プログラムに作用したり、ここでは例えば装置10内の中央演算処理装置(CPU)52として表されているプログラム可能な装置を初期化したりすることができる。この指示は、好ましくは先頭のパッケージ12にセットアップ情報を含むことができ、CPU52に通信し、特定の操作指示を装置10に備えることができる。一連のパッケージ12内の望ましいパッケージ12はどれでも、装置10の操作を容易にする情報を含むことができ、それにより所定の時間に装置の操作モードを変更できることが認識されるべきである。
【0018】
再び図2を参照して、薬剤のパッケージ12を前進させ投与するために、装置10は一
般的に46に代表される供給機構を有する。供給機構46は部分的に、ここでは例として電気モーター48として表されている作動装置を有する。モーター48は、例えば結線51などでコントローラー50に操作可能に接続されており、コントローラー50はCPU52と、例えば結線(図示されない)などで操作可能に連絡している。モーター48は、例として、半径方向外向きに延在する所定の数の歯57のある駆動歯車56で表される駆動部のあるシャフト54を有する。駆動歯車56はシャフト54に取り付けられて、シャフト54と結合回転する。
【0019】
供給機構46はまた、一般的に平行な一対のシャフト62、64のそれぞれと一緒に回転するべく支持される、相対的に柔軟な外面61、63を有する第1の一対のローラーを有し、これは以後一対の供給ローラー58、60と呼ばれる。供給ローラー58、60は、パッケージ12がその間を通過するのに充分な間隔で、ローラー58、60がパッケージ12と係合する間隔をとって横方向に配置されている。例えばゴム、シリコン、発泡材などの柔軟な外面61、63は、パッケージ12との摩擦接触を作り出してパッケージ12のローラー間への供給を容易にする。供給ローラー58、60に固定されたシャフト62、64のうち少なくとも一方は、ここではシャフト64としてここに示されるように、バネ65によって付勢されてよく、シャフト62、64をお互いに向くように、もしくはお互いから離れるように付勢し、パッケージ12が供給ローラー58、60間を通過するときに、パッケージ12に順応し係合しながら、供給ローラー58、60がお互いに向くように、もしくはお互いから離れるように横向きに動くようにする。供給ローラー58、60はまず相互に係合し、一方でパッケージ12が供給ローラー58、60間を通過するときにお互いから離れるように横方向に動くことが認識されるべきである。
【0020】
一方の供給ローラー58は、ここでは例として、供給ローラー58が、従動歯車66と駆動歯車56とモーター48との回転運動に応じて、その長手軸を中心として回転するように、従動歯車66から半径方向外向きに延在する所定数の歯67のあるシャフト62に取り付けられた従動歯車66で表される従動部を有している。他方の供給ローラー60は、望ましくはフリーホイールで、供給ローラー58の回転運動に応じて回転するように配置される。
【0021】
望ましくは、モーター48は、ここでは例として、シャフト70を中心として回転するために支持される、外向きに延在する所定の数の歯69を有する遊び歯車68として表される遊び部の組み込みを介して、供給ローラー58と操作可能に連通している。遊び歯車68の歯69は、駆動歯車56の歯57および従動歯車66の歯67のそれぞれと噛みあうように配置されている。したがって、モーター48の駆動歯車56が回転すると、遊び歯車68が回転し、従動歯車66および供給ローラー58が回転する。
【0022】
供給機構46はまた、供給ローラー58、60から横向きに間隔をとって配置され、単一のパッケージ12(図4)の長さ(L)よりも大きな間隔を持つものとしてここに示される、一対の投与ローラー72、74を有する。投与ローラー72、74は、それぞれ一般的に平行な一対のシャフト76、78と回転するべく支持される比較的柔軟な外面75、77を有する。投与ローラー72、74はパッケージ12がその間を通過するのに充分な間隔で、投与ローラー72、74がパッケージ12と噛みあう間隔をとって、相互に横向きに配置されている。柔軟な外面75、77は、供給ローラー58、60のそれと同様であり、それによって投与ローラー72、74間のパッケージ12の投与を容易にする。ここではシャフト78として示される、投薬ローラー72、74に固定されたシャフト76、78のうち少なくとも一方は、シャフト76、78をお互いに向くように、もしくはお互いから離れるように付勢するべく、バネ79によって付勢されてよく、パッケージ12が投与ローラー72、74間を通過する時に、パッケージ12に順応し係合しながら、投与ローラー72、74がお互いに向くように、もしくはお互いから離れるように横向き
に動くようにする。投与ローラー72、74はまず相互に係合し、一方でパッケージ12が投与ローラー72、74間を通過する時に、お互いから離れるように方向に動くことが認識されるべきである。また、供給ローラーシャフト62、64が、投与ローラーシャフト76、78に対して一般的に平行な方向に配置されることが認識されるべきである。
【0023】
投与ローラーの一方72は、ここでは例として、遊び歯車68から延在する歯69と噛みあうように、そこから半径方向外向きに延在する所定の数の歯81のあるシャフト76に取り付けられた従動歯車80で表される従動部を有する。したがって、投与ローラー72は、モーター48、遊び歯車68、および従動歯車80の回転運動に応じて、その長手軸を中心として回転する。他方の投与ローラー74は望ましくはフリーホイールで、投与ローラー72の回転運動に応じて回転するよう配置されている。望ましくは、従動歯車80は供給ローラー58の従動歯車66よりも少ない歯を有する。
【0024】
従動歯車66よりも少ない歯を有する従動歯車80で、投与ローラー72、74は、供給ローラー58、60よりもわずかに速い回転速度で回転するようになる。したがって、パッケージ12が供給ローラー58、60間、投与ローラー72、74間を、また好適には通常は透明である一対の支持プレート83間を通過すると、パッケージ12は、供給ローラー58、60と投与ローラー72、74の間にピンと張られて位置する。その結果、パッケージ12は、隣接するパッケージ12間に予め形成されたミシン目45に沿って破れ、装置12の空洞22内に残る一連のパッケージ12から単一のパッケージ12が分離される。そこで単一のパッケージ12は、以下により詳細に述べられるように、ハウジング20の開口34を通って投与される。
【0025】
図3に示されるように、供給ローラー58、60および投与ローラー72、74間におけるパッケージ12の投与を容易にするために、供給ローラー58のシャフト62および投与ローラー72のシャフト76は、第1の距離(X)だけ離れて配置されており、一方供給ローラー60のシャフト64と投与ローラー74のシャフト78は第2の距離(Y)だけ離れて配置されており、距離(Y)は好適には距離(X)よりも大きい。したがって、角度(A)および(B)が定められ、角度(A)および(B)はそれぞれ一般的に0度から90度であり、望ましくは15度から45度であり、好適には25度から35度である。供給ローラー58、60を投与ローラー72、74に対して角度のついた方向に有することで、パッケージ12は供給ローラーの一方58および投与ローラーの一方72にそれぞれの外面61、75の一部分で係合することとなる。その結果、供給ローラー58および投与ローラー72とパッケージ12との摩擦係合が、パッケージ12が供給ローラー58、60および投与ローラー72、74の間を通過するのにつれ増加する。
【0026】
図2に示されるように、装置10は、所定の指定された時間間隔に受け取られなかった薬剤のパッケージ12を捕捉する室82を有する。室82は、一般的に供給機構46の真下に位置し、投与ローラー72、74の真下に直接位置する開口84を有する。室82の先端部として、同時に少なくとも部分的にはパッケージ12の投与シュートとして機能する蓋86は、閉位置と開位置の間を回転して動くように配置されている。蓋86が閉位置にある時、蓋86は、投与ローラー72、74から投与されたパッケージ12が蓋86の先端に着地し、開口34を通ってスライドするように開口84を覆う。しかし、蓋86が開状態にある時、蓋86は開口34を塞ぎ、投与ローラー72、74間から投与されるパッケージ12が室82内に落ちるよう、室82の開口84を開く。パッケージ12が室82に落ちると、蓋86は閉位置に戻り、権限を有する人が室82にアクセスできるまで、パッケージは室82内に残る。蓋86の動きを容易にするため、例えばソレノイド88などの作動装置が、蓋を開けるか閉めるかするために、それぞれ収縮位置と伸展位置の間を動く。
【0027】
作動装置88の、伸展位置と収縮位置の間の動作を開始するために、作動装置88はCPU52に操作可能に接続されている。CPU52は、患者もしくは介護者が、薬剤が服用されるべき指定された時間から所定の時間間隔中に投与ボタン32を押さなかったときに、ソレノイド88を収縮位置に動かすよう、ソレノイド88に信号を送るようにプログラムされる。したがって、患者もしくは介護者が投与ボタン32を押さなかった結果、蓋86はCPU52によってソレノイド88に送られた信号を介してその開位置に動かされ、一方CPU52は同時に、モーター48を動作させるためにコントローラー50に信号を送る。したがって、供給装置46は、パッケージ12が自動的に装置10によって供給されるように、所定の時間間隔中に服用されなかったパッケージ12を供給し、最終的に服用されなかったパッケージ12は開口84を通って室82に入る。その後、CPU52はモーター48およびソレノイド88の動作を停止し、蓋86を閉位置に戻す。室82に投与されたパッケージ12は全て、ロックシリンダー89を解錠する適切なキーなどによって室82へのアクセス権を有する人が、室82にアクセスし、患者によって服用されなかった薬剤のパッケージ12を回収するまで、室82内に保持されるか、もしくはしまい込まれる。
【0028】
パッケージ12の供給機構46への装填を容易にするために、CPU52と通信するように配置された検知装置もしくは第1のセンサー90が、一般的にコンテナ40と供給ローラー58、60との間に配置される。したがって、ユーザーが一連のパッケージ12の最初のパッケージ12を供給ローラー58、60に係合するように供給すると、センサー90が信号をCPU52に送り、CPU52がモーター48を通電する。そしてモーター48は供給ローラー58、60を回転させ、パッケージを供給ローラー58、60間に、そして投与ローラー72、74方向へ進める。センサー90は、モーター48を作動させるボタンを押すことで、ユーザーが手動でパッケージ12を供給機構46に装填できるように、ボタンによって補完されたり、または置き換えられたりする。第1のパッケージ12が投与ローラー72、74方向へ進むにつれ、例えば光学式文字認識(OCR)装置、光学式バーコードスキャナーなどの読み取り装置もしくは第2のセンサー92が、CPU52と操作可能に通信して、パッケージ12上の情報、例えばテキスト49、バーコード47やその他の例えば記号などの情報など、を読み取りまたは検知し、それらの情報をCPU52へ伝える。パッケージ12が投与ローラー72、74方向へ進み続けるにつれ、パッケージ12は、同じくCPU52と操作可能に通信している予破センサーもしくは第3のセンサー94に直面する。予破センサー94はCPU52に信号を送り、CPU52はモーター48に信号を送って、モーター48の電源を切り、投薬ローラー72、74に先立ってパッケージ12の前進を停止する。パッケージ12は、先にCPU52に伝達された所定の投薬時間になるまで、その位置に留まる。この所定の投薬時間になると、CPU52はモーター48を通電し、パッケージ12をユーザーに投与するか、パッケージ12を室82に投与して、権限を有する人が室82にアクセスして使用されなかった薬剤のパッケージ12を除去するまで格納する、パッケージ12の供給プロセスをスタートする。
【0029】
図5に概略的に示されているように、装置10のスイッチが入れられると、読み取り装置92がCPU52と通信し、バーコード47、テキスト49、もしくはその他の読み取り可能な情報が、読み取り可能な位置にあることを確認する。もしバーコード47、テキスト49、もしくはその他の読み取り可能な情報が読み取り可能な位置にない場合、CPU52はコントローラー50を介してモーター48と通信してモーター48を通電する。そしてモーターは、バーコード47および/またはテキスト49が読み取り可能な位置にくるまで前後に循環する。モーター48は、所定のプログラムされた時間だけ、前後に循環し続ける。もし、その時間の経過後に、バーコード47および/またはテキスト49がまだ読み取れない場合は、装置10は、後に詳しく説明するように、パッケージ12が入っていないか、問題があるかすることを、患者および/または介護者に知らせる。装置は
読み取り不能なパッケージ12を室82内に投与し、次の有効なパッケージ12を読み取ろうとする。
【0030】
テキスト49および/またはバーコード47からの情報を読み取ると、CPU52は図6に示されるようにインターフェース画面26と通信し、現在時を視覚的に表示し、同時に次の薬剤が服用されるべき時間もまた表示する。患者が薬剤を服用すべき時間には、表示パネル26は、例えば、これらに限定されることはないが、例えば点滅電球96(図1および図2)などの点滅信号および/または表示パネル26上の時間などの通知機構を用いてユーザーに知らせる。また、ユーザーが装置10から離れていて表示パネル26を見ていない間に警告されるよう、音響警報機構98が“アラーム”キー30(図6)を押して時間を入力することによって、鳴るようにプログラムされてよい。音響警報機構98は、例えばブザー、予め録音された音声案内などのいかなる形状をとってもよい。
【0031】
通知されると、ユーザーは投与ボタン32を押し、供給機構46を通電する。所定の量の薬剤を服用するべき指定された時間がくるのに先立って、ボタン32は電源を切られており、したがって、これは押されても、モーター48を作動させ装置からの薬剤の投与を開始しないことが理解されるべきである。薬剤を服用すべき、指定された時間間隔がくると、CPU52はボタン32に通電する信号を伝え、ボタン32は指定された時間間隔中、通電されたままである。したがって、所定の容量の薬剤を服用すべき指定された時間間隔中にボタン32を押すと、モーター48は作動される。したがって、指定の時間間隔のための適切な容量の薬剤を含む所定のパッケージ12は、パッケージ12が、供給ローラー58、60と投与ローラー72、74の間に位置するミシン目45で残りのパッケージ12から破られるまで、投与ローラー72、74間に供給される。そこで、残りの一連のパッケージ12から分離されたパッケージ12は、開口34を通ってユーザーに投与される。さもなければ、もしユーザーが上記のように、所定の時間間隔中に投与ボタン32を押さなかった場合、CPU52はボタン32の電源を切るように信号を伝える。その後、指定された時間間隔中にユーザーに投与されなかったパッケージ12は、供給機構46によって自動的に室82へと投与される。
【0032】
図6および図7に示すように、ユーザーは、適切なキー30、例えば“名前”、“ページ”、“アラーム”を押して所望の情報を入力することで、装置10をプログラムできる。したがって情報は、患者もしくは介護者に、薬剤を服用する指定の時間が来ると通知するために、情報が少なくとも部分的に用いられるところのCPU52によって処理される。通知は、ポケットベル、電話、電子メールシステム、例えばコンピュータや無線装置などのその他の電装置に送信される信号の形状をとってもよい。キー30を介してプログラムされた、もしくはパッケージ12上の情報を介してその他の方法でCPU52に伝達された連絡先は、通信ボード100とCPU52間の操作可能な接続を介してモデムおよび/または無線通信ボード100に通信される。したがって、薬剤を服用すべき指定された時間間隔がくると、CPU52は通信ボード100に信号を送信し、ボードは入れ替わりに、上述のポケットベル、電話、電子メールシステム、もしくはその他の電子装置の指定された通信受信機に信号を送る。その結果、患者もしくは指定された介護者は、患者が薬剤を服用する時間であることを、さらに通知される。通信ボード100は、患者および/または介護者に、薬剤を服用する時間であることを通知することに加え、患者および/または介護者に、読み取り装置92がパッケージ12の読み取りに失敗した時に通知することができる。加えて通信ボードは、患者が薬剤を服用できなかったときに介護者に自動的に通知するようにプログラムされることができる。通信ボード100およびCPU52は単一の部品もしくはモジュールとして構成されてもよく、それによって単一の部品に必要なスペースを削減し、製造および組み立ての効率を改善することが認識されるべきである。
【0033】
通信ボード100は上記の電子装置に信号を送信する以外に、患者もしくは介護者は、通信ボード100を調整することによって、通信ボード100を介してCPU52にアクセスすることができる。好適な通信装置、例えば、電話(携帯電話、コードレス電話、固定電話やその他)やコンピュータ装置(デスクトップ、PDA、ハンドヘルドコンピュータ、ラップトップやその他)がどれでも、通信ボードを調整するのに用いられてもよいことが理解されるべきである。したがって、患者、介護者やその他の指定された関係者はCPU52内の記憶された情報にアクセスすることができ、患者が薬剤を服用する際の規則に関する情報を得ることができる。このように介護者は、患者のノンコンプライアンス、万一患者が薬を服用しなかった場合に気づくことができ、薬を服用しなかったことにより患者が面倒な事態を被る前に、フォローする機会を与えられる。CPU52内の情報にアクセスすることに加え、通信ボード100に通信する関係者は、通信ボード100に、したがってCPU52に情報を送信できる。したがって、適切な許可コードを持つ関係者は、装置10を、例えば、薬剤を投与したり、患者や第三者の行動を警告したりという、即時のもしくは将来の指示に従うようプログラムすることができる。
【0034】
さらに図7を参照して、ユーザーは“投薬設定”キー30を押すことで、手動で、薬剤を投与する指定された時刻をプログラムすることができる。キー30を押すと、CPU52に適切な時刻が入力される。ユーザーが均一な時間増分を有する登録を入力すると、CPU52はそれを認識し、ユーザーが、薬を服用する所定の時間の中から、均一な時間増分を有する自動スケジュールを選択したい時に、ユーザーに参照するよう合図を出す。最終的に、これはユーザーが、繰り返し均一に増分する、薬剤を服用する時間間隔を手動で入力しなければならない手間を省く。図8に示されるように、ユーザーが正確な時間入力を確信できるように、インターフェース画面26に服用時間がスクロールされる。情報が入力されると、ユーザーは“完了”キー30を押す。パッケージ12が、服用時間情報を含む読み取り可能なテキスト、バーコード、もしくはその他の読み取り可能な形式を有する場合には、ユーザーは服用時間を入力する必要がないことが認識されるべきである。
【0035】
装置10は一般的に持ち運び可能であり、そのようなものとして、電力モジュール38は好適には、AC壁コンセントのコードと同じく、DCバッテリーバックアップ電源を有する。望ましくは、バッテリーは充電可能であり、装置10がスタンダードな110Vのコンセントに差し込まれた時に充電する。現在好適なある形状において、装置10はおよそ高さ15インチ(15”)、幅8インチ(8”)、奥行き15インチ(15”)である。しかし、装置10は所望によってより小さな、もしくはより大きな寸法に構成されてもよいことが認識されるべきである。
【0036】
図9に最もよく示されているように、一対の供給ローラー58’、60’、および/または、一対の投与ローラー72’、74’の、現在好適な他の実施形態が示される。一方のローラー58’、72’は、それぞれ、一般的に対称な凸カウンタのある外面61’、75’を有し、一方、他方のローラー60’、74’はそれぞれ、一般的に対称な、比較的柔軟な凹形のある外面63’、77’を有する。それぞれ一般的に凸形の外面61’、75’がある一方の供給ローラー58’および一方の投与ローラー72’を有し、また、それぞれ柔軟な、そして好適には凹形の外面63’、77’のある他方の供給ローラー60’および他方の投与ローラー74’を有することで、供給ローラー58’、60’間および投与ローラー72’、74’間の、パッケージ12の一定で均一な供給が容易になる。外面63’、77’は弛緩状態では一般的に円筒形であり、それぞれ外面61’、75’との係合に応じて、それぞれの一般的に凹んだ形状を帯びることが認識されるべきである。
【0037】
図10に示されるように、現在好適な他の実施形態が示され、前述の実施形態で説明されたものと同様の特徴をあらわすために、同様の参照番号に100を加えたものが用いら
れる。装置110(全体としては図示されない)は、投与される薬剤の分離した個々のパッケージ112に対応する。装置110は、上記の第1の実施形態と同じように、個々のパッケージ112を患者もしくは介護者に投与するが、投与の前、ミシン目に沿って相互につながれているパッケージ112の代わりに、パッケージは貯蔵所もしくはカートリッジ102に、分離されたパッケージ112として装填されている。好適には、パッケージ112は、それぞれのパッケージ112が同様に配置されて、それぞれ相互に積み重なって装填されており、カートリッジ102は装置110の空洞122内に配置されている。パッケージ112は、例えばバネ装置104によって上向きに付勢されており、ここではコンベヤーベルト106として表される供給機構の部分を係合する。コンベヤーベルト106は少なくとも部分的に、上部供給ローラー160と、上部供給ローラー160の横方向に間隔を取って配置される遊びローラー108とに巻き付いている。したがって、下部供給ローラー158がモーター148の作動によって駆動されると、上部供給ローラー160が駆動され、そしてコンベヤーベルト106が時計回りに回転することになる。コンベヤーベルト106が回転すると、コンベヤーベルト106に付勢されて接触しているパッケージ112が供給ローラー158,160と係合するようになる。その後、パッケージ112は供給ローラー158,160間に供給され、患者または介護者に投与するべく、投与ローラー172,174と係合する。パッケージ112は、供与ローラー158,160から投薬ローラー172,174の間の距離にわたるのに適した長さにされてよく、パッケージ112が供給ローラー158、160と接触しつつ、投与ローラー172,174に係合するようにする。その他の方法として、もしパッケージ112が供給ローラー158,160と投与ローラー172、174間の距離にわたらないのであれば、パッケージ112は重力やその他の付勢力で、投与ローラー172,174に接触するようになる。もしパッケージ112が供給ローラー158,160と投与ローラー172,174間の距離にわたるようであれば、供給ローラー158,160と投与ローラー172,174の回転速度は、供給ローラー158,160および投与ローラー172,174が同じパッケージ112を係合して相互に競い合うのを防ぐために、従動歯車166,176の適切なサイズ設定を介して調整されることが認識されるべきである。その他の点では装置は上記の第1の実施形態と同様に動作するので、さらなる説明はされない。
【0038】
図11に最もよく示されるように、他の現在好適な実施形態が示され、前述の実施形態で説明されたものと同様の特徴をあらわすために、同様の参照番号に200を加えたものが用いられる。装置210(全体としては図示されない)は、前述の実施形態と同じく、薬剤の分離された個々のパッケージ212に対応する。しかし、前述の実施形態とは異なり、パッケージ212はコンベヤーベルト206上に配置され、好適には重力によってコンベヤーベルト206と接触するよう付勢されている。コンベヤーベルト206は、少なくとも部分的に、下部供給ローラー258と、下部供給ローラー258の横方向に間隔を取って配置される遊びローラー208とに巻き付いている。したがって、下部供給ローラー258がモーター248(図示されない)の作動によって駆動されると、コンベヤーベルト206が反時計回りに回転することになる。コンベヤーベルト206が回転すると、コンベヤーベルト206に付勢されて摩擦接触しているパッケージ212が供給ローラー258,260と係合するようになる。その後、装置210は上記の実施形態と同様に作動するので、これ以上の説明はされない。
【0039】
図12および図13に最もよく示されているように、本発明のその他の実施形態によって構成された装置310が示されており、前述の実施形態で説明されたものと同様の特徴を表すために、同様の参照番号に300を加えたものが用いられる。装置310は、例えばタブレットやカプセルなどの予め包装された薬剤の複数のパッケージ312を投与するように構成されており、パッケージ312は装置310のハウジング320内に、分離された一連のパッケージとして配置されている。したがって、分離された一連のパッケージ312のそれぞれは、装置310が権限を有するユーザーによって指示され、所望によっ
て複数の異なる種類、および/または、異なる量の薬剤を投与できるよう、異なる種類の薬剤を含むことができる。
【0040】
ハウジング320は一対の側壁316,318とフロントパネル321およびリヤパネル323を有する。フロントパネル321は好適にはハウジング320に複数の蝶番319を介して取り付けられており、投与されたパッケージ312が権限を有する受領人によってそこから取り出されるところの、少なくとも1つの開口334を有する。装置310の修理時に必要とされうるハウジング320へのアクセスのために、フロントパネル321は蝶番319によって開かれる。ハウジング320への権限のないアクセスを防ぐために、好適には、例えばキーで作動するロックや電気機械ロックなどのロック315が、組み込まれたロックのタイプに応じて、適切なキー、アクセスコードなどを持つ人以外の人の、権限のないアクセスすることを防ぐために、フロントパネル321との操作可能な通信のために配置される。
【0041】
ロック315に加えて、フロントパネル321を介しての、権限のない、または望ましくない装置310の観察を防ぐために、望ましくは、フロントパネル321は例えば双方向ミラー329などの双方向視覚システムを有する。そのようなものとして、フロントパネル321を見る人は誰でも、まず初めに、アクセスコードをインターフェース装置326(図14および図15)に入力するなどの何らかの方法で自身が権限を有する人であることを示さなければ、フロントパネル321の向こうの装置310の内部を見ることができない。適切な権限を示すと、好適にはフロントパネル321の後で一般的に隣接するライト331が照らされ、フロントパネル321を通して一時的に観察することができる。したがって、投与される薬剤は、フロントパネル321の開口334に向かって落ちるときに一時的に観察され、さらに、投与プロセスの間、装置310内で、例えば薬剤のパッケージ312の1つがつまるなどの問題が起きた時、その問題はすぐに観察される。
【0042】
図14に示されるように、望ましくは、装置310は、壁335の開口333内に搭載され、予め包装された薬剤のパッケージ312の局所的な投与ステーションを提供する。1カ所から投与されるパッケージ312の数と種類を増やすために、所望されるだけの数のユニットが隣り合って配置される。図14に示されるように、装置が壁335内に搭載される時、例えばキーパッドやモニタなどのインターフェース装置326が、望ましくは装置310と中央演算処理装置337(CPU)に通信する。図17に示されるように、(CPU)337は一般的に、ここでは例えばナースステーションおよび/または薬剤師ステーションなどの複数のコントロールステーション339として表される、少なくとも1つのコントロールステーションと操作可能に通信する。それぞれのインターフェース装置326、装置310、CPU337、およびコントロールステーション339の間の通信は、例えばイーサネット(登録商標)システム、仮想プライベートネットワーク(VPN)、もしくはインターネットシステムを介して、または例えばRF信号などのワイヤレス接続を介して、または有線接続を介して行われることができる。
【0043】
また、図15に示されるように、装置310は例えば可動式の薬剤投与ステーションとして、車輪付きの病院用カート351などに載せて運ばれることができる。望ましくは、可動式の投与ステーションとして配置された場合、装置310は、好適には装置310のハウジング320内に運ばれたバックアップバッテリー電源338(図16)を動力源として、ラップトップコンピュータ、パームデバイスなどのインターフェース装置326およびCPU337を経由して、少なくとも1つのステーション339と通信する。可動式のインターフェース装置326は、例えばコンセントや電話用ジャック(図示されない)への有線接続に適応でき、また例えばモデム経由の通信にも対応できることが認識されるべきである。
【0044】
図12および図16に示されるように、装置310は複数の投与シュート386を有し、ここでは例として、制限されることなく、8つのシュート386を有し、それぞれのシュート386は別々の供給機構346と別々の一連のパッケージ312に連絡するものとして示されている。供給機構346およびその働きは前述の実施形態において説明されたものと同様であるので、さらなる説明はなされない。
【0045】
それぞれの一連のパッケージ312は、望ましくは別々の、ここではスプール340として示される、ハウジングコンテナ内に受けられるか、ハウジングの周りに巻き付けられ、スプール340は所望の形状および大きさのパッケージ312を受けるようなサイズにされる。望ましくは、スプール340は、前述の実施形態のように、好適にはミシン目345に沿ってそれぞれつながれる複数の薬剤のパッケージ312に対応するようなサイズにされている。好適には、一般的にはパッケージ312内の包装された薬剤の種類および、パッケージ312内の薬剤の特別な種類に対する需要により、予め包装された薬剤の1日分の供給量もしくはより多くの供給量がスプール340の周囲に受けられる。パッケージ312はスプール340の周囲に巻き付けられた形状で示されるが、パッケージ312は折り畳まれた蛇腹の形状にして、または前述の実施形態で説明したように別々のパッケージとして、配置されてもよいことが認識されるべきである。
【0046】
シュート386は望ましくは、投与された薬剤のパッケージ312がシュート386から出て一般的にフロントパネル321の開口334方向に落ちるように、フロントパネル321から内側に空間をとって配置されている。投与されたパッケージ312を開口334に向けることを容易にするために、好適には一対の傾いた斜面351(図12)が装置310の側面316,318から延在し、フロントパネル321の開口334に向かって内向きに合流し、投与されたパッケージ312を開口334に向けて送るか運ぶかする。単一の開口334を有するものとして図示されているが、それぞれのシュート386から直接に連絡するために、別々の開口がフロントパネルで組み込まれてもよく、ここには図示されていないが、パッケージ312を単一の開口334に直接向けるための斜面351の必要性をなくすことができることが認識されるべきである。
【0047】
図17に概略的に示されているように、複数の装置310は、望ましくはネットワーク353を介して相互に通信している。ここでは単一のネットワーク353が示されているが、複数のネットワークが相互に通信して配置されてもよいことが認識されるべきである。ネットワーク353、装置310、ナースステーション339および薬剤師ステーション339間の通信は、例えばイーサネット(登録商標)、VPN、グローバルエリアネットワーク(GAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットもしくは無線周波(RF)通信などの有線接続もしくは無線通信によるものであってもよい。望ましくは、それぞれの装置312は、CPU337と通信するシリアルコントローラー355(図13)を有し、CPU337は例えば、少なくとも1つのステーションと、そして好適には全てのナースステーション339および薬剤師ステーション339と通信している。ユーザーが適切な証明書を提示したか、もしくは投与指示を発行する権限を有するならば、ユーザーはナースステーション339および/または薬剤師ステーション339から、選択された1つ以上の装置310から薬剤のパッケージ312を投与する指示を送ることができる。好適には、ユーザーは、それぞれの装置310に1つ以上の薬剤のパッケージ312を投与する指示を送るために、アクセスコードをステーション339のうちの1つで入力する。権限を有するユーザーは薬剤を投与する指示を、それぞれの装置310のインターフェース装置326に直接入力できることが認識されるべきである。ステーション339から薬剤を投与する指示を入力すると、CPU337は指示を処理してそれぞれのシリアルコントローラー355に送り、シリアルコントローラー355は、それぞれの供給機構346に、適切な薬剤のパッケージ312を、権限を有する受領人に投与するよう信号を送る。
【0048】
CPU337は好適には、関係するネットワーク353につながるそれぞれの装置310内に含まれる薬剤に関する特定の情報をプログラムされる。例えば、プログラムされた情報は所望によって、それぞれの装置310内のそれぞれの供給機構346において現在利用可能なパッケージ312の数、それぞれのパッケージ312内の薬剤の種類、それぞれのパッケージ312内のそれぞれの薬剤の量、それぞれのパッケージ312内のそれぞれの薬剤の有効期限、それぞれのパッケージ312内の可能性のある薬剤間の相互作用、または所望に応じてその他の情報などを含んでもよい。したがって、CPU337は、残りのパッケージ312の数の低下や、薬剤同士の可能性のある相互作用や、それぞれのパッケージ312内の薬剤の期限切れやその他が起こった場合、選択されたステーション339もしくは権限を有するユーザーに通知を送信するようにプログラムされてよい。
【0049】
使用にあたって、ユーザーは、リクエストを直接装置310のインターフェース装置326に入力するか、もしくはその他の方法でネットワーク353のCPU337に指示を入力することで、装置310のうちの1つから投与される薬剤のリクエストを入力することができる。または、選択された装置310から投与される薬剤のリクエストは、ネットワーク353と通信するどのインターフェース装置326から入力されてもよく、通信経路は有線であっても無線であってもよいことが認識されるべきである。リクエストが入力されると、リクエストは薬剤師などによって処理され、薬剤師はリクエストされた薬剤が特定の装置310から投与されるよう、投与指示を送信することができる。リクエストおよび投与指示は、例えばそれぞれの装置310での薬剤の供給や不足などのいかなる必要な情報でも、薬剤を待つユーザーにすぐに伝えられるよう、CPU337によって処理される。指定された装置310がリクエストされた薬剤を切らしている場合、ユーザーはリクエストされた薬剤のを求めて次に近い装置310に向かってよい。リクエストはいくつかの異なる種類の薬剤についてのものであってよく、単一の装置は、異なる薬剤を装置310内の異なるスプール340から投与させることで、複数の種類の薬剤のリクエストにこたえることができることが認識されるべきである。ユーザーは適切な権限を示すならば、選択された装置310から薬剤師の補助なしで薬剤を投与されることができることもまた、認識されるべきである。
【0050】
図16に示すように、もし装置310がどのような理由であれ正しくない種類の薬剤を投与した場合、受領人は薬剤のパッケージ312を、好適にはフロントパネル321に位置する返却スロット359から装置310に戻すことができる。望ましくは、パッケージ312は、CPU337との通信を介して、装置310の在庫に再び入れられる。返却されたパッケージ312に関して、CPU337との通信を容易にするために、パッケージ312は好適には、例えば、内包される薬剤の、例えば種類、量などの情報などのバーコード347などの暗号化された情報を有する。情報は内容を含み、例えば点字などの前述の実施形態において詳述された形状であってよいことが認識されるべきである。装置310は好適には、返却スロット359に近接し、CPU337と通信するバーコードスキャナー392を有し、バーコードスキャナー392はスロット359を通って返却されたパッケージ312をスキャンし、情報をCPU337に通信する。装置310はまた、前述の実施形態において詳述されたように、パッケージ312が投与されるときにそれらをスキャンできる位置にバーコードスキャナーを置き、バーコード上の情報をCPU337に通信できることが認識されるべきである。返却された薬剤は、権限を有するユーザーが保管領域382にアクセスしパッケージ312を回収するまで、隔離室もしくは保管領域382に保管される。パッケージ312を回収すると、ユーザーはパッケージを、適切な処分および/または在庫追跡のために、薬剤師に返却する。
【0051】
開示された実施形態は、本発明の現在好適な構成の代表的なものであるが、それを制限するものではなく、その一例である。例えば、歯車は鎖歯車、チェーン、プーリ、ベルト
もしくはその他の適切な駆動リンクで置き換えられてもよいことが認識されるべきである。当業者は、この開示全体を見ることで、その他の実施形態を認識することであろう。同一または同様の機能を実現する本発明の他の実施形態は、本発明の請求の範囲に含まれていることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の量の薬剤を含むパッケージを提供し、
薬剤投与装置を提供し、
前記パッケージを前記薬剤投与装置に装填し、
所定の時間間隔中、パッケージをアクセス可能とし、
前記所定の時間間隔中に前記パッケージが前記薬剤投与装置から取り除かれていない場
合、前記所定の時間間隔が過ぎた後に前記パッケージをアクセス不能とする、
ステップから構成される、薬剤のパッケージを所定の時間間隔に投与する方法。
【請求項2】
前記所定の時間間隔中に前記パッケージが前記薬剤投与装置から取り除かれていない場合、前記薬剤投与機械が介護者に通知するようプログラムすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記薬剤投与装置内の情報に、前記薬剤投与装置から離れた場所から、無線伝送を通じてアクセスし、患者の薬物治療コンプライアンス履歴を得ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パッケージの各々の間のミシン目にそって相互につながれた一連のパッケージとしての前記パッケージを供給することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記所定の時間間隔中に前記パッケージを前記一連のパッケージから分離し、前記パッケージを前記所定の時間期間中にアクセス可能とし、前記所定の時間期間が過ぎた後にアクセス不能とすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記薬剤投与装置に投与機構を備えることを含み、前記供給機構は、前記パッケージを前記薬剤投与装置の出口へと進ませ、かつ前記パッケージを破ることにより前記一連のパッケージから前記パッケージを分離するよう操作可能である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記パッケージに読み取り可能な情報を備えることを含み、前記薬剤投与装置は前記パッケージ上の情報を読み、薬剤投与装置の操作を容易にする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
駆動部を有する作動装置と、
薬剤のパッケージが供給ローラーの間から取り除かれると相互に係合するよう、かつ一般的に相互に平行に配置された一対の供給ローラーで、前記供給ローラーの一方は前記駆動部と操作可能に連絡する被駆動部を有し、前記一方の供給ローラーを前記駆動部の回転運動に応じて回転させ、前記パッケージを前記供給ローラー間に進ませる前記供給ローラーと、
薬剤のパッケージが投与ローラーの間から取り除かれると相互に係合するよう、かつ一般的に相互に平行に配置され、前記供給ローラーから横方向に間隔をとって配置された一対の投与ローラーで、前記投与ローラーの一方は前記駆動部と操作可能に連絡する被駆動部を有し、前記一方の投与ローラーを前記駆動部の回転運動に応じて回転させ、前記パッケージ1を前記投与ローラー間に進ませる前記投与ローラーと、
から構成される、薬剤のパッケージを一連の包装された薬剤から分離する供給機構で、前記一連の包装された薬剤はミシン目に沿って相互につながった隣接するパッケージを有する。
【請求項9】
前記一方の投与ローラーが、前記駆動部の回転運動に応じて、前記一方の供給ローラーよりも速い速度で回転する、請求項8に記載の供給機構。
【請求項10】
前記供給ローラーが前記投与ローラーから、前記パッケージのどの長さよりも大きい間隔をとって横方向に配置されている、請求項8に記載の供給機構。
【請求項11】
複数の前記薬剤投与装置を備え、
前記薬剤投与装置を相互に通信するように配置することでネットワークを形成し、
選択された薬剤投与装置からのパッケージを受領人にアクセス可能にする、
ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−5321(P2011−5321A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230712(P2010−230712)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【分割の表示】特願2006−524810(P2006−524810)の分割
【原出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(506065194)コンセプト・メディカル・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】CONCEPT MEDICAL TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】