説明

薬剤ディスペンサー装置

本発明によれば、薬剤を投薬するためのディスペンサー装置が提供される。装置は、装置の保管又は使用中に薬剤と接触する、少なくとも1つの非金属の表面を有する少なくとも1つの金属の構成部分を含む。その中で、非金属の表面は、金属フッ化物及び/又は金属炭化物部分を実質的に含む下層にある金属の構成部分との境界面を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬剤を投薬するためのディスペンサー装置、その製造方法、及び、その構成部分の処理方法に関し、特に、しかしながら排他的では決してなく、加圧されたディスペンサー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
分散媒中の薬剤を投薬する加圧されたディスペンサー装置を使用した吸入によって患者のための薬剤を投与することはよく知られている。薬剤は微粒子の懸濁液として、または、溶液の中に、あるいは、それら2つの組み合わせで存在し得る。そのような装置は、しばしば加圧された計量式吸入器(pMDIs)と呼ばれ、喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療のために非常に一般に使用される。
【0003】
この種のディスペンサー装置に関連した問題は、装置の内面の有効な薬剤の吸収、結合または汚染、及び薬剤自体による放出装置構成部分の腐食を含む。これは、今度は、装置の保管期間中の不安定な投薬及び/又は性能の損失へ導くことになる。いくつかの実例で、有効な薬剤が微粒子の懸濁液のように存在する場合には、薬微粒子のクラスタリングが生じることがある。
【0004】
有効な薬の表面の吸収を低下させるために採用された1つのアプローチは、プラズマ被覆によって低エネルギーのポリマー又は無機コーティング(あるいはそれら2つの組み合わせ)で被覆させることである。欧州0642992、EP1066073及びWO2008/146024は、ディスペンサー装置の様々な構成部分上のプラズマ重合を開示する先行技術文献の例である。
【0005】
しかしながら、多くの送出問題がこのタイプのコーティングに存在することが認識されている。
【0006】
1つの問題は、送出システムとして微粒子の懸濁液を使用する装置に関係する。これらの送出システムは薬剤微粒子の付着によって、そして、缶の壁又はディスペンサー装置内の他の表面にこれらの微粒子が「固まる」ことによって影響される場合がある。これは、薬剤服用量に影響する凝塊形成に結びつく。
【0007】
2番目の問題は、一定の材料、特に、酸化アルミニウムと酸化マグネシウムのような金属酸化膜、との接触を通じていくつかの薬剤の自触媒作用の汚染につながり、そして、腐食のような構成部分及び薬剤の間の他の反応につながる。
【0008】
ディスペンサー装置の所定の構成部分、特に缶身体、は、アルミニウムから形成され、従って、酸化マグネシウムのような合金混合物をさらに含む酸化アルミニウム表層を有する。壁でそのような構成部分を覆うことは潜在的に、汚染や、こびりつかない壁により表面に対する薬剤微粒子の付着が妨げられる方法を提供する。
【0009】
しかしながら、汚染及び/又は腐食が特定の薬に対するただ一つの関心である場合には、こびりつかない特性を有することが必ずしも必要だとは限らない(例えば、薬が溶液送出システムの中にある場合)。
【0010】
さらに、いくつかのコーティングの実行は様々な理由で最適であるとは言い難い。そのような1つの理由は、コーティングが、溶液の中にある薬剤分子が缶の酸化アルミニウム表面のような構成部品の表面に届くことを可能にする欠陥又はピンホールを有する可能性があることであり、ここで汚染及び/又は腐食が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、少なくともその実施形態のうちのいくつかの中で、上記の記述された問題及びニーズに取り組む。
【0012】
本発明の第1の態様によれば、薬剤を投薬するためのディスペンサー装置が提供され、装置は、装置の保管又は使用中に薬剤と接触する少なくとも1つの非金属の表面を有する少なくとも1つの金属の構成部分を含み、その中で、非金属の表面は、実質的に金属フッ化物及び/又は金属炭化物部分を含む下層の金属の構成部分との境界面を有する。
【0013】
本発明は、ディスペンサー装置の1以上の金属の構成部分の表面の表面改質を提供する。表面改質済の境界面は、金属の構成部分の他の方法で未処理の表面と比較して、そのようなプロセスに侵されやすい薬剤の汚染を実質的に除去するか少なくとも低減する。腐食に対する感受性を著しく減少させることが可能となる。
【0014】
1つの実施形態において、境界面は、その上に被覆したコーティングを有しない。これらの実施形態において、装置の保管又は使用中に薬剤と接触するのは境界面自体である。そのような実施形態において、非金属の表面は、本質的に境界面で構成され、そのため、境界面が保管又は装置の使用中に薬剤と接触する。
【0015】
金属フッ化物及び金属炭化物部分は非常に安定しており、多くの製剤を分解せず、腐食抑制を備える表面を提供することが可能である。境界面が実質的に金属フッ化物部分を含む実施形態は、これらの適用のために特に好ましい。
【0016】
他の実施形態において、非金属の表面は境界面に付着するコーティングを含み、そのため、コーティングが保管又は装置の使用中に薬剤と接触する。コーティングはポリマー・コーティング又は無機コーティングでよい。好ましくは、コーティングはプラズマ重合されたポリマー・コーティングである。
【0017】
表面が改質された境界面は、プラズマ重合コーティングの後の被覆のための優れた基板を提供することが可能であることが判明した。しかしながら、コーティングを被覆する前に1以上のさらなる表面処理又は調製を用いることが可能である。すなわち、境界面がコーティングで直接覆われる実施形態に加えて、本発明は、境界面がコーティングで間接的に覆われる実施形態を含む。
【0018】
更に、金属の構成部分の表面のコーティングしていない部分に他の方法で薬製剤のアクセスを可能にするコーティング(しかしながら、被覆した)の中に欠陥がある場合には、表面の改質された境界面は多くの製剤及び腐食の汚染に対して保護することが可能である。
【0019】
境界面が実質的に金属フッ化物部分を含む実施形態において、ポリマー・コーティングは、フルオロカーボン・ポリマー、好ましくはパーフルオロカーボン・ポリマーでよい。
【0020】
境界面が実質的に金属炭化物部分を含む実施形態において、ポリマー・コーティングは、好ましくは炭化水素ポリマー、さらにフッ素ポリマー、又はそれら2つの組み合わせでよい。
【0021】
有利には、境界面は、X線光電子分光法(XPS)によって測定された場合に、約15At%未満、好ましくは約10At%未満、より好ましくは約7At%未満の酸素を含む。最も好ましくは、境界面は、XPSによって測定された場合に、約5At%以下の酸素を含む。概して、金属のプロセス及び等級が許可を使用したとき、At%は0付近であるべきである。この方法で、薬剤の汚染の可能性は最小限にされ、腐食性能は最大化する。
【0022】
有利には、境界面は、X線光電子分光法(XPS)によって測定された場合に、約25At%未満、好ましくは約5At%未満、より好ましくは1At%未満の金属イオンを含む。任意の特定の理論又は推測によって拘束されることなしに、境界面の反応しない金属イオンは、薬剤の汚染の原因である可能性が考えられている。さらに、本発明によって提供される表面改質は、境界面で反応しない金属イオンの数を減らすと考えられる。
【0023】
ディスペンサー装置は、分散媒中の薬剤を投薬する加圧されたディスペンサー装置の形態をしていればよい。
【0024】
好ましくは、ディスペンサー装置は金属の缶本体を含む。しかしながら、バルブ・ステムとスプリングのようなディスペンサー装置の他の構成部分は、本発明に従う表面改質がされてよい。
【0025】
有利には、金属の構成部分はアルミニウムから形成される。しかしながら、本発明はアルミニウムに制限されない。また、他の金属の炭化物及びフッ化物の組成物は可能である。特に好ましい実施形態において、金属の構成部分はアルミニウム缶本体である。あるいは、金属の構成部分はステンレス鋼から形成されてよい。
【0026】
本発明の2番目の態様によれば、薬剤を投薬するディスペンサー装置のための金属の構成部分が提供される。構成部分は、装置の保管又は使用中に薬剤と接触する少なくとも1つの非金属の表面を有し、その中で、非金属の表面は、金属フッ化物及び/又は金属炭化物部分を実質的に含む基礎をなす金属の構成部分との境界面を有する。
【0027】
金属の構成部分は、分散媒中の薬剤を投薬する加圧されたディスペンサーで使用するために金属の缶本体の形をしていればよく、その中で、非金属の表面は、缶本体の内部の表面である。
【0028】
本発明の3番目の態様によれば、薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法が提供され、構成部分は、保管あるいは装置の使用中に薬剤と接触する少なくとも1つの非金属の表面を有し、方法は、構成部分を提供し、基礎をなす金属の構成部分との境界面の形成に結びつく、酸素の本質的な欠如を含む条件の下で、前駆体を封じ込めるフッ素及び/又は炭素を使用して、プラズマ処理ステップで非金属の表面を表面改質する各ステップを含み、そこで、境界面は本質的に金属フッ化物及び/又は金属炭化物部分を含む。
【0029】
その後、このように表面改質された金属の構成部分は、薬剤ディスペンサー装置の中で直接使用されてもよい。すなわち、表面改質された境界面は、保管あるいは装置の使用中に薬剤と接触してよい。
【0030】
他の実施形態では、本方法は、境界面上にコーティングを被覆するステップをさらに含み、コーティングが装置の保管又は使用中に薬剤と接触する。コーティングはプラズマ被覆によって被覆すればよい。
【0031】
好ましくは、コーティングはポリマー・コーティングである。有利に、ポリマー・コーティングはプラズマ重合によって被覆される。
【0032】
コーティングは、プラズマ被覆によって被覆される無機のコーティングでよい。
【0033】
境界面が実質的に金属フッ化物部分を含む実施形態において、前駆物質はフルオロカーボン、好ましくはパーフルオロカーボンでよい。パーフルオロカーボンは、nが1〜8である化学式CnF2n+2であればよい。一般に、フッ素の割合がより大きいので、より小さな前駆物質が好ましい。環式及び/又は不飽和のパーフルオロカーボンが使用されてよい。特に好ましい前駆物質はCF4及び環式C4F8である。
【0034】
他の適切な前駆物質は、C2F6、C3F8、C5F10、及び、化学製品HFA134a(1,1,1,2,-テトラフルオロエタン)及びHFA227(1,1,1,2,3,3,3,-ヘプタフルオロプロパン)を含み、それらは、一般に薬剤ディスペンサー装置の中で推進剤として使用される。
【0035】
境界面が本質的に金属炭化物部分を含む実施形態において、前駆物質は、炭化水素、好ましくはメタンか、エタン、C3H8及びC4H10がさらに好ましい。一般に、nが1〜12である化学式CnH2n+2のアルカンを使用することができる。アルケンとアルキンが使用されてもよい。環式炭化水素は前駆物質として使用されてもよい。
【0036】
有利に、少なくともプラズマ処理ステップの一部はDCバイアス制御の下で、あるいは、最小限のDCバイアスを使用して実行される。プラズマ処理ステップ全体は、DCバイアス制御の下で実行されればよく、あるいは、DCバイアス制御は、プラズマ処理ステップの開始の後に所要のポイントで用いられればよい。
【0037】
一般的に、DCバイアス制御が用いられない場合には、プラズマ処理ステップは、最小限のDCバイアスと共に前パワー・モードを使用して実行される。
【0038】
プラズマの中で生成され、入って来るイオンの衝撃エネルギーはDCバイアス電圧に比例する。好ましくは、DCバイアス制御は、DCバイアス電圧が100〜800ボルトの範囲で、好ましくは350〜700ボルトの範囲で、最も好ましくは400〜550ボルトの範囲で使用して実行される。
【0039】
これらのDCバイアスで、イオン衝撃のレベルは重要であり、フッ素イオンは表面の重合なしで表面に埋め込まれるように著しく加速される。炭素、在来の酸化物及び他の有害物のような表面に存在する不適当な種はスパッターされる。
【0040】
有利には、DCバイアス電圧は、350ボルト以上、好ましくは500ボルトである。最小限のDCバイアスが用いられる実施形態(前パワー・モードにおける実施など)において、採用された最小限のDCバイアスは、DCバイアス制御の下で使用されるDCバイアス電圧に関して上に示された範囲にあればよい。
【0041】
一定の好ましい実施形態において、プラズマ処理ステップは構成部分にRF電位を適用することにより実行される。このように、中空の構成部分において、構成部分のRF電位で放出された電子が容易に漏れることができないため、有利な「中空陰極」効果を生成することができる。効果は、構成部分から離れた体積より、著しくエネルギッシュなプラズマになりえる。構成部分が缶である場合には、この効果は特に際立ち、そこで、缶のRF電位で缶内部の中で放出された電子は缶内部から漏れることができない。
【0042】
これらの条件の下では、表面は、驚くほど低いパワーレベルを使用して、反応的なフッ素で驚くほど強く衝突させられ、それによって効率的なプロセスを提供する。中空でなく、この効果を利用することができない構成部分については、RF電位にそれらを配置することは、処理される表面で生成されたプラズマ・シース中のイオン加速度により、よりよい表面衝撃を提供する。
【0043】
あるいは、プラズマ処理ステップはアースで構成部分をホールドすることにより実行されてよい。プラズマ・コーティングの後のプロセスがアースで金属の構成部分に有利に実行されるから、このアプローチは、プラズマが被覆したコーティングが次に生ずる実施形態に特に好まれ、そのため、構成部分を処理するために使用される装置に対する、最小限の破壊を伴う、表面改質及び次のプラズマ被覆ステップを実行することが可能である。
【0044】
好ましくは、0.05〜5Wcm-2、好ましくは、0.1〜1Wcm-2の範囲の出力密度を使用してプラズマ処理ステップは実行される。
【0045】
構成部分は表面改質のステップに先立って洗浄するステップを行ってよい。好ましくは、洗浄するステップはプラズマ・クリーニング処理を使用する。また、最も好ましくは、プラズマはアルゴンを使用して形成される。構成部分の表面の酸素処理が、フッ化物又は炭化物への表面の変換を、より困難にすることができるので、酸素は任意の洗浄するステップから除外されることは重要である。
【0046】
加えて、処理装置の壁へ吸収されたいかなる酸素も外に浸出し、次のプラズマ・コーティング・ステップを同様に、より困難でより不利にする、次に被覆したいかなるプラズマ・コーティングも分離することができる。
【0047】
本発明の4番目の態様によれば、薬剤ディスペンサー装置を製造する方法が提供され、この方法は、本発明の3番目の態様により、方法のディスペンサー装置の構成部分を処理し、組み立てられた薬剤ディスペンサー装置を提供するために構成部分を組み立てる各ステップを含む。
【0048】
本発明が上に記述されている一方、それは、次の明細書、図面又は請求項で述べられるような任意の創造性のある組み合わせまで及ぶ。本発明に従う方法及びディスペンサー装置の実施形態は、添付図面に関連して記述される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、加圧されたディスペンサー装置の断面図である。
【図2】図2は、缶本体の処理のための配置の第1の実施形態を示す。
【図3】図3は、缶本体の処理のための配置の第2の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、加圧薬剤収納配置14を収容するハウジング12を含む、10で概して示された、加圧されたディスペンサー装置を表す。
【0051】
ハウジング12は、中に加圧薬剤収納配置14が配置された開放端を有する円筒状の部分12aと、吹き口として役割を果たす開放端通路12bを含む。ハウジング12は、さらに、加圧薬剤収納配置のバルブ・ステムを受け取る通路12eを有するソケット12dを支持する内壁12cを含む。
【0052】
通路12eは、開放端通路12bによって定義された出口通路と次に連通する開口12fと連通する。内壁12cは、開放端通路12bの中へのハウジング12の上部のエリアからエアーが流れることを可能にする、そこに形成された多数の開口12gを有する。
【0053】
加圧薬剤収納配置14の構造及び操作は、今より詳細に記述される。配置14は、フェルール18上でかしめられる缶本体16を含む。20で概して示された、測定弁機構が、フェルール18に搭載される。
【0054】
測定弁機構20は、バルブ・ステム22を含み、その一部はバルブ部24に配置される。バルブ・ステム22及びバルブ部24は両方ともバルブ・ハウジング26に位置し、バルブ・ステム22は、図1に示されるような閉鎖位置へバルブ・ステム22にバイアスをかけるスプリング28の動作に対して軸方向に往復可能である。
【0055】
測定弁機構20は、さらには、内部及び外部のシール32、34と共にバルブ部24及びバルブ・ステム22の一部によって定義される測定室30を含む。内部のシール32は、バルブ・ハウジング26に対するバルブ部24を密閉するために作用し、バルブ・ハウジング26の内部36から測定室30を分離する。
【0056】
外部のシール34はバルブ部24及びフェルール18に対するバルブ・ハウジング26を密閉するために作用し、加圧された薬剤コンテナー配置14の外部から測定室30をさらに密閉する。
【0057】
さらに、シーリングは、同じくかしめるフェルール18に対する缶本体16を密閉するために作用する缶本体シール42によって提供される。バルブ・ハウジング26は、バルブ・ハウジング26の内部36が缶本体16の内部40と連通することを可能にする複数のスロット38を有する。バルブ・ステム22は、2つのチャンネル44及び46を有する。各チャンネル、44と46は、縦の通路及び横の通路を含む。
【0058】
バルブ・ステム・チャンネル44の横の通路が配置され、それにより、加圧薬剤収納配置14が図1に示されるようなその閉鎖位置にある場合には、測定室30は、バルブ・ハウジング26の内部36と連通し、したがって、さらに缶本体16の内部40と連通する。
【0059】
より詳細に下に説明されるように、測定室30の体積は、一回量で投与された流体を含む薬剤の体積に相当する。図1に示される閉鎖位置において、服用量は、測定室30に完全に含まれており、外部のシール34の作用のために、加圧薬剤収納配置14の外部へ漏れることができない。
【0060】
流体を含む薬剤の服用量を放出するために、バルブ・ステム22は、スプリング28のバイアスをかける動作に対してバルブ・ステム・チャンネル44が測定室30ともはや連通しない程度までバルブ・ハウジング26の内部36に押し込まれる。
【0061】
バルブ・ステム22は、この投薬する位置において、バルブ・ステム22のバルブ・ステム・チャンネル46は測定室30と連通し、それにより。バルブ・ステム22を介して投薬される測定室30に、流体を含む薬剤の服用量を許可するよう設計される。その後、服用量は、装置を出るために、通路12e、開口12f、及び、開放端通路12bを通過する。
【0062】
バルブ・ステム22が続いてリリースされる場合には、スプリング28のバイアスをかける動作は、図1に示される位置の方へ、バルブ・ステム22を後ろに移動させる。したがって、バルブ・ステム・チャンネル46は位置を仮定し、それによって測定室30は、外部のものに対して密閉され、そして、バルブ・ステム・チャンネル44は位置を仮定し、それによって、バルブ・ハウジング26の内部36は、測定室30と連通する。
【0063】
相対的に高圧の缶本体16の内部40と、相対的に低圧の測定室30との間の圧力差に起因して、測定室30は、流体を含む薬剤の別の服用量に補充される。
【0064】
図1に示される、加圧されたディスペンサー装置10はそのような装置の1つの例であり、それらの正確な動作モードの中の、より大きいかより小さい程度で異なる、他の多くの測定設備が知られている。
【0065】
本発明は、図1に示される装置、又は、他の加圧されたディスペンサー装置の動作モードに対するクレームを主張しない。もっと正確に言えば、装置の内面に対する薬剤の損失を抑制するように処理され、そのような装置及び構成部分の製造方法に関連する本発明は同じ装置と構成部分を提供する。
【0066】
本発明が適用される手法について読者の理解を支援するために、図1に示される装置が提供される。熟練した読者は、本発明は、図1に示されるものより加圧されたディスペンサー装置の他のデザインに適用することができ、実際は、加圧されたディスペンサー装置より異なるタイプの薬剤ディスペンサー装置に適用することができることを十分に理解するだろう。
【0067】
本発明は、加圧されたディスペンサー装置の内面に対する薬剤の損失を抑制する表面処理の方法を提供する。そのプロセスは、直接的に金属の基板を覆う従来技術の処理の代わりの金属の基板の表面改質を利用する。しかしながら、本発明は、表面改質された金属基板の上のポリマー・コーティングの被覆を包含する。
【0068】
本発明の第1の実施形態は今、フッ素化プロセスに関して記述され、そこで表面処理は缶本体の表面で金属フッ化物部分を生成する。適正なプラズマ条件の下では、フルオロカーボンのガスの前駆物質は、その原子の要素に完全に分解することが可能である。
【0069】
前駆物質ガスの圧力、力及び滞在時間のような処理条件の適切な制御の下で、重合は生じず、また、プラズマにさらされた表面は覆われない。代わりに、表面はフッ素及び炭素原子/イオンで衝突させられる。
【0070】
CF4は、最も適切なガスのフルオロカーボン前駆物質であると分かり、任意の特別の理論によって制限されることなく、これは、CF4分子が、炭素に対するフッ素の最も高い比率を備えるためと考えられる。他の適切な前駆物質は、C2F6、C3F8、C4F8、CF5F10、HFA134a及びHFA227を含む。
【0071】
図2は、本発明に従って缶本体50が表面改質された配置を示す。配置において、缶本体50は、RF電位でそれ自体ホールドされる平面テーブル52に缶50を置くことにより、RF電位で維持される。缶50及びテーブル52は、アース電極として作用するプラズマ反応槽54の内部に位置する。アース電極はプラズマ室又は付加的な電極自体になりえる。
【0072】
プラズマ反応槽54は、ガス・フィード入口56及びガスを放出するための出口58を有する。プラズマ反応槽54は、ポンピング機構を含む適切なガス放出源及び適切な排気装置に接続される。これらの追加のアイテムは図2に示されない。しかしながら、適切な機構は熟練した読者にそれら自身を容易に提案するだろう。
【0073】
前駆物質フロン系ガスは、一般的に1以上のマスフローコントローラを含む放出源からガス・フィード入口56を介してプラズマ反応槽54へ配達される。ガスのフルオロカーボン前駆物質がプラズマ反応槽54へ流れる場合に表面改質が生じ、適切なプラズマが生成される。
【0074】
一般的に、13.56MHzのRFパワーは缶50に加えられ、プラズマは当技術においてよく知られている技術を使用して衝突する。他のRF周波数は等しい効果に使用されてよく、また、4kHzから20MHz以内の範囲の周波数が、連続的かパルス化されたモードで利用されてよい。プロセス中に、フッ素(中性かイオン化されたかのいずれか一方)は、缶50の金属酸化膜表層に反応し、優先的に酸素を置き換えて、それによって、金属フッ化物を形成する。
【0075】
好ましい実施形態において、缶はアルミニウムから形成され、処理の前に、在来か、又は、処理された酸化アルミニウムの表層を有する。本発明に従う表面改質は、フッ化アルミニウムの表層を提供する。それは、非常に安定しており、また、それは、多数の薬品製剤に、自動触媒作用を及ぼさず/劣化させず、腐食にそれ自体それほど敏感ではない基板を提供する。
【0076】
強いプラズマを発現させることができるから、プロセスの間、RF電位で缶50をホールドすることが好ましい。特に、RF電極は、前パワー制御において、DCバイアスを採用する。このDCバイアスのレベルは、プラズマの中で生成され、入って来るイオンの衝撃エネルギーに比例する。
【0077】
DCバイアスが約350ボルトを超過する場合には、衝撃のレベルは重要であり、そして、フッ素イオンは、それらが缶表面に容易に埋め込まれるようになる程度まで加速され、そして、炭素、在来の酸化物及び他の有害物は、スパッターされる。そのプロセスは、500ボルト以上で特に効率的である。
【0078】
缶50に対する電力供給がDCバイアス制御の下で駆動される場合には、それは特に有利であり、すなわち、パワーは、一定の高いDCバイアスを駆動する間に変動することを許容される。このように、プロセスの間の衝撃及び処理のレベルは一定に保たれる。
【0079】
プラズマは実質的に密閉されたエリア内に成長させられる缶本体50のような構成部分を処理する場合に、さらなる利点は観察される。この場合、「中空陰極」に似た効果が観察され、そして、缶本体50(それはDCバイアスによって駆動される)のRF電位で放出された電子が、缶本体50の物理的な拘束を回避することができないことが分かる。
【0080】
効果は、缶本体50内に生成されたプラズマが、缶の外側の体積より何倍もエネルギッシュであるということである。これは、予想より著しく低いパワーレベルで反応的なフッ素が強く衝突させられた表面をもたらし、それは、プロセスがより効率的である効果を有する。
【0081】
処理条件の代表的だが制限しない例として、プラズマ反応槽中の圧力は、1x10-2から10mbarの範囲にあればよく、好ましい範囲は、7x10-2から3x10-1mbarである。0.05から5Wcm-2の間の出力密度は利用することができる。
【0082】
DCバイアスは100〜800ボルトの範囲でよいが、上に言及されるように、350ボルト以上のDCバイアスが好ましい。DCバイアスは一般的に700ボルト未満で、有利には400〜550ボルトの範囲にある。バッチ処理過程を提供するために。複数の缶本体は、テーブル52に置かれればよい。
【0083】
プロセスはさらにハイドロフルオロカーボンに働くが、処理の速度及び/又は有効性に対するいくらかの妥協にもかかわらず、パーフルオロカーボンの使用が好ましい。
【0084】
XPSは、このように処理されたアルミニウム缶本体のフッ素で処理された表面を特徴づけるために使用された。プレスと洗浄の後に、収容されるような缶の表面は、高度の酸化物(一般的にXPSによって測定されるような40〜55At%の酸素)と、引抜油又は大気からの一般的な吸着からの20〜30At%の炭素を含む。
【0085】
本発明に従うフッ素処理の後に、別個の化学シフトは、残余アルミニウム、及びその合金元素とともに、XPSによって測定される45At%のフッ素、酸化アルミニウムから約5At%酸素のフッ化物まで観察される。
【0086】
2番目のピークは、本発明に従って、処理の前にアルミニウム缶本体のXPSスペクトルの中で観察される。任意の特別の理論又は推測によって拘束されずに、第2のピークは、反応しない金属イオンに相当すると考えられる。処理なしで、約30At%の金属イオンは表面に存在すると考えられる。処理の後、反応しない金属イオン内容物は、実質的に減衰し、また、1At%未満に、金属イオン内容物を減らすことが可能である。
【0087】
図3は、表面改質が実行されるさらなる実施形態を表し、続いて、ポリマー・コーティングは缶本体60に被覆させられる。この実施形態において、缶本体60はアースされ、また、細長いRF電極62は、缶本体の縦の軸に沿って缶本体60の内部に実質的に配置される。缶本体60は、ガスの前駆物質フィード入口66とガスを排気するための出口68を有するプラズマ反応槽64に存在する。
【0088】
図2に示される実施形態のように、適切なガス放出源及び排気装置(不図示)は、図3に示される機構と共に使用される。RF電極62は、ピンかコイルの構造のような任意の適切な形態になりえる。洗浄(より詳細に下に記述される)のような任意の最初の工程段階の後に、プロセス前駆物質ガスは、マスフロー制御の下でプラズマ反応槽64へ導入される。
【0089】
プラズマ反応槽64中の圧力は、作業条件で安定することを可能にし、マスフローコントローラを使用して、排気する出口68上で、又は、ガス・フローによってスロットル弁バルブ(不図示)のような適切な機構を介して制御される。電力はRF電極62に供給され、相対的に極度のプラズマは表面改質を提供するために生成される。
【0090】
金属フッ素部分及び続くフルオロカーボン・ポリマー・コーティングを有するフッ素で処理された表面を生成するため、前駆物質ガスはパーフルオロカーボン、あるいは、金属炭化物部分及び続く炭化水素ポリマー・コーティングを有する改質された表面を提供するために使用される炭化水素前駆物質でよい。コーティングは任意の重合された層になりえる。
【0091】
代表的な作業条件の下では、缶本体60の内部の表面の中の酸素含有量は、処理の開始の2分以内のXPSによって測定された場合、40〜44At%から5〜10At%にまで、減衰するのが見られる。
【0092】
プロセスの残りについては、電源は、DCバイアスモードに維持されるか、スイッチされ、改質された表面はプラズマ重合層で覆われる。プラズマ重合層は代わりに、前パワー・モードを使用して被覆してよい。
【0093】
図3に示される配置で、アースされた缶本体60に位置したRF電極62では、缶が次第に覆われるにつれて、缶の有効な電気抵抗は増加する。その結果、コーティング厚さが増加するにつれて、アースされた缶に対する正常な電子経路は低減される。
【0094】
前パワー操作は、薬剤ディスペンサー装置のための缶本体のような、構成部分を覆うための従来技術のプラズマ重合プロセスの中で一般的に使用される。しかしながら、正常な前パワー操作の下では、処理が進むにつれて、電源からの電子放出が削減され、自己DCバイアスが低減し、そして、プラズマ強度は減衰し、その結果、その後の段階で、弱い多孔性のコーティングにつながる。
【0095】
対照的に、かなりの割合又はコーティング・サイクルのすべてのためのDCバイアス制御の操作によって、DCバイアスは固定され、今度は一定のプラズマ密度を維持する一定の電子放出が維持される。これは、コーティングの横の範囲の点、及び、コーティングの深さの点の両方から、一定の沈着速度及び高品質の均一のコーティングを提供する。所要の厚さが得られるまで、コーティングのこの安定した比率は維持される。
【0096】
一般的に、所要の厚さは、15〜200nmの範囲である。しかしながら、本発明はこの点に関して制限されない。重合中に、DCバイアスは、好ましくは50〜500Vの範囲、さらに好ましくは50〜350Vの範囲にある。プロセスの終わりに、コーティングのプラズマ重合のDCバイアス制御のさらなる利点に遭遇する。それは、1〜7日のために蓄えられるコーティングされた構成部分のための従来技術において典型的であり、コーティング上の反応的な表面サイトが飽和させることを可能にされる。
【0097】
図3に関して記述されたプロセスで、電源及びDCバイアスモードのスイッチは単に切ることができ、ガスのモノマーの供給は、一般的に、5秒から10分の範囲、好ましくは、30秒から1分の範囲である期間の間その後流れることが可能になる、
【0098】
容量性の貯蔵所の中の電子が使い果たされるにつれて、プラズマの強度は徐々に減衰し、表面が「きれいで」脱イオン化されたモノマーで洗い流すまで、表面が、相対的により少数のイオン化された種を含むプラズマで洗い流すことを可能にする。
【0099】
効果は、続く休み時間の要求なしで、コーティングされた構成部分が、プラズマ反応槽64から取り出されることを可能にする反応しない種及びモノマーを有するコーティング を「完了する」ことである。
【0100】
処理される構成部分がアースされ、別のRF電極が使用される、図3に示される配置は、ポリマー・コーティングを重合するプラズマのための好ましい配置である。さらに、配置は前の表面改質ステップに適する。
【0101】
表面改質ステップ及び続くプラズマ重合ステップの両方で同じ配置を使用する利点は、一連の作業の一部として2つのステップを実行できることである。表面改質ステップに対する前駆物質、及び、さらにプラズマ・コーティング・ステップのモノマー・ガスの両方として、ガス/モノマーを使用することができるので、それは特に有利である。
【0102】
構成部分の表面が金属フッ化物部分に変換される場合には、前駆物質/モノマーが、CF4、C2F6、C3F8、C4F8、HFA134a又はHFA224のうちの1つあることが好ましい。構成部分表面の変更は金属炭化物層を生成することが意図される場合には、前駆物質/モノマーがメタン又はエタンであることが好ましいが、C5までの他のアルカン、アルケン及びアルキンが使用されてもよい。
【0103】
本発明によって処理された構成部分は、表面改質ステップに先立って前処理ステップにさらされてよい。酸素を利用する前処理ステップを使用することは、従来技術において一般的である。本発明者は、前処理ステップ、又は、他のところでの構成部分の処理で酸素の使用は、非常に不利であることを理解した。
【0104】
本発明者は、酸素の存在がポリマー・コーティングの蓄積及び付着に不利益なことを見出した。例えば、プラズマ反応槽の壁及び他の部分に吸収された酸素は、コーティング及び/又はモノマーを分離するために外に浸出することができ、それは、ポリマーに有害であり、処理時間を増加させる。
【0105】
したがって、いかなる前処理ステップも酸素を除外するべきである。特に有用な前処理ステップは、表面改質ステップに先立って構成部分を清掃するためにアルゴン・プラズマを使用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を投薬するためのディスペンサー装置であって、
前記装置は、前記装置の保管又は使用中に前記薬剤と接触する、少なくとも1つの非金属の表面を有する少なくとも1つの金属の構成部分を含み、
前記非金属の表面は、金属フッ化物及び/又は金属炭化物部分を実質的に含む前記下層にある金属の構成部分との境界面を有することを特徴とするディスペンサー装置。
【請求項2】
前記非金属の表面は、前記境界面から本質的に構成され、前記境界面が、前記装置の保管又は使用中に、前記薬剤と接触することを特徴とする請求項1に記載のディスペンサー装置。
【請求項3】
前記非金属の表面は、前記境界面上に被覆するコーティングを含み、前記コーティングが、前記装置の保管又は使用中に前記薬剤と接触することを特徴とする請求項1に記載のディスペンサー装置。
【請求項4】
前記コーティングは、ポリマー・コーティング又は無機のコーティングであることを特徴とする請求項3に記載のディスペンサー装置。
【請求項5】
前記コーティングは、プラズマに重合されたポリマー・コーティングであることを特徴とする請求項4に記載のディスペンサー装置。
【請求項6】
前記境界面は、実質的に金属フッ化物部分を含み、前記ポリマー・コーティングはフルオロカーボン・ポリマーであることを特徴とする請求項4または5に記載のディスペンサー装置。
【請求項7】
前記境界面は、実質的に金属炭化物部分を含み、前記ポリマー・コーティングは炭化水素ポリマーであることを特徴とする請求項4または5に記載のディスペンサー装置。
【請求項8】
前記境界面は、約15At%未満、好ましくは約10At%未満、より好ましくは約7At%未満%、最も好ましくは約5At%未満のXPSによって測定される酸素を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のディスペンサー装置。
【請求項9】
分散媒中の前記薬剤を投薬する加圧されたディスペンサー装置の形態であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のディスペンサー装置。
【請求項10】
金属の缶本体を含み、前記非金属の表面は前記缶本体の内部の表面であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のディスペンサー装置。
【請求項11】
前記金属の構成部分はアルミニウムから形成されることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のディスペンサー装置。
【請求項12】
薬剤を投薬するディスペンサー装置のための金属の構成部分であって、
前記構成部分は、前記装置の保管又は使用中に、前記薬剤と接触する、少なくとも1つの非金属の表面を有し、
前記表面は、金属フッ化物及び/又は金属炭化物部分を実質的に含む、前記下層にある金属の構成部分との境界面を有することを特徴とするディスペンサー装置のための金属の構成部分。
【請求項13】
分散媒中の前記薬剤を投薬する、加圧されたディスペンサーで使用するために、金属の缶本体の形式であり、前記非金属の表面は、前記缶本体の内部の表面であることを特徴とする請求項12に記載のディスペンサー装置のための金属の構成部分。
【請求項14】
薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法であって、
前記構成部分は、前記装置の保管又は使用中に、前記薬剤と接触する、少なくとも1つの非金属の表面を有し、
前記方法は、
前記構成部分を供給し、
前記下層にある金属の構成部分との境界面を形成する、酸素の本質的な欠如を含む条件の下で、前駆物質を含むフッ素及び/又は炭素を使用して、プラズマ処理ステップで前記表面を改質する、各ステップを含み、
前記境界面は、実質的に金属フッ化物及び/又は金属炭化物部分を含むことを特徴とする薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項15】
前記境界面上にコーティングを被覆させ、そのため前記コーティングが前記装置の保管又は使用中に前記薬剤と接触するステップをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項16】
前記コーティングは、プラズマ重合によって被覆したポリマー・コーティングであることを特徴とする請求項15に記載の薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項17】
前記境界面は、実質的に金属フッ化物部分を含み、前記前駆物質はフルオロカーボン、好ましくはパーフルオロカーボンであることを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項18】
前記境界面は、実質的に金属炭化物部分を含み、前駆物質は炭化水素、好ましくはメタンまたはエタンであることを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項19】
少なくとも前記プラズマ処理ステップの一部は、DCバイアス制御の下で実行されることを特徴とする請求項14から18のいずれかに記載の薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項20】
前記DCバイアス制御は、DCバイアス電圧を100〜800ボルトの範囲で、好ましくは350〜700ボルトの範囲で、最も好ましくは400〜550ボルトの範囲で、使用して実行されることを特徴とする請求項19に記載の薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項21】
少なくともプラズマ処理ステップの一部は、最小限のDCバイアスを使用して実行されることを特徴とする請求項14から18のいずれかに記載の薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項22】
前記最小限のDCバイアスは、100〜800ボルトの範囲、好ましくは350〜700ボルトの範囲、 最も好ましくは400〜550ボルトの範囲であることを特徴とする請求項21に記載の薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項23】
前記プラズマ処理ステップは、前記構成部分にRF電位を印加することにより実行されることを特徴とする請求項14から22のいずれかに記載の薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項24】
前記構成部分は缶本体であり、前記表面を改質するステップは、実質的にフッ素部分を含む境界面を形成するために実行されることを特徴とする請求項23に記載の薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項25】
前記プラズマ処理ステップは、アースで前記構成部分をホールドすることにより実行されることを特徴とする請求項14から22のいずれかに記載の薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項26】
前記プラズマ処理ステップは、0.05から5Wcm-2、好ましくは0.1〜1Wcm-2の範囲の出力密度を使用して実行されることを特徴とする請求項14から25のいずれかに記載の薬剤ディスペンサー装置の金属の構成部分を処理する方法。
【請求項27】
薬剤ディスペンサー装置を製造する方法であって、
前記方法は、
請求項14から26のいずれか1つによる方法の中の前記ディスペンサー装置の構成部分を処理し、
前記装置の他の構成部分を供給し、
組み立てられた薬剤ディスペンサー装置を提供するために前記構成部分を組み立てる、各ステップを含むことを特徴とする薬剤ディスペンサー装置を製造する方法。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公表番号】特表2013−520266(P2013−520266A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554416(P2012−554416)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【国際出願番号】PCT/GB2011/050350
【国際公開番号】WO2011/104539
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512220916)ポータル メディカル リミテッド (2)
【Fターム(参考)】