説明

薬剤供給装置

【課題】流体路を介して薬剤供給排出口と連絡する、内部貯蔵室を有するハウジングを有する薬剤供給装置を提供する。
【解決手段】貯蔵室と隣接して配置された拡張室は、ガスが供給された時、貯蔵室の薬剤を排出口へ強制する。フロー調節室は流体路と連絡し、温度、及び/又は圧力の変化に応答して容積を変えることができる。フロー調節室の容積の増加は、排出口のフロー抵抗を増加させ、それにより温度、及び/又は圧力に応答する同じ体積変化による拡張室の拡張を原因とする、応答の供給率の増加に対抗する。好ましい実施態様において、電気回路は、ガスを供給する電解セルとの電気連絡において、電流安定要素を有する。絞り装置は、流体路の詰まりの可能性を減少させるため、装置内において高い圧力を保持する。好ましい実施態様において、薬剤供給装置は装置を大気圧や湿度から絶縁するため包装される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤が拡張可能であり収縮可能な貯蔵室に貯蔵される、幅広い薬剤供給装置が知られている。このような装置では、薬剤は貯蔵室から、貯蔵室を強制的に収縮することにより供給される。(ここで使用される「皮下」という用語は、皮下、皮内、及び静脈内を含む)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第95/013838号
【特許文献2】国際出願第PCT/IE96/00059号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような装置は、工場において充填され得るか、または、薬剤師、内科医又は患者により使用の直前に充填され得る。前者のケースでは、薬剤が、数ヶ月から数年の寿命期間により貯蔵室に貯蔵されるため、この装置で要求される薬剤の安定性を提供することは難しいと思われる。後者のケースでは、薬剤が完全に貯蔵室を満たすこと、すなわち貯蔵室と流体通路が空気泡を少しも含まないことを確実にするのは難しい。一般には、これは、空気泡を薬剤の先端に押すこと、即ち充填入口を底部に、供給出口を上部(充填中に空気泡を上昇させる)にして押すことを確実にする一定の方向へ、装置に薬剤を詰めることが要求される。
【0005】
皮下薬剤供給装置に伴うさらなる問題点は、多くの場合、ガス発生により貯蔵室が圧縮されることである。一定又は制御可能な様々な比率のガス発生(例えば、電解セルを通して一定の電流を通過させる)を確実にすることは可能であるが、これは一定の比率の薬剤供給を確実なものにするのではない。
【0006】
貯蔵室の圧縮量は、(即ち、薬剤の供給率は)、ガス発生室の容量が拡張される率による。理想的なガスの挙動は、方程式PV=nRTにより決定され、ここでガスの容量Vは、ガスn、温度Tと比例し、圧力Pに反比例する。
【0007】
一定の電流における電解セルは、単位時間に対するガスの一定モル数を生成する。しかしながら、ガスの温度とガスに作用する大気圧の変化により、容量が変化する。装置の温度が一定であっても、高度300mごとに約3%圧力が減少する事実により、供給率は実質的に、海抜とそれより高い高度位置(例えば、コロラド州デンバーは、海抜約1マイル又は1.6キロメートルであるので、大気圧は海抜より平均で約17%低くなる)の間で変化する。同様に、天候による大気圧の通常の変化もこの種の装置の供給率を変化させる。
【0008】
肌を通す針を使用する装置の場合、使用後適切に廃棄されない場合、患者又は他のものを偶発的に感染させる可能性がある。特許文献1は、針が使用前に引っ込んだ第1の位置と、針が使用中露出している第2の位置の間で、動作される移動可能なカバーを有する、このタイプの皮内装置を開示している。皮膚からのこの装置の除去により、カバーは、針が再び廃棄前の引っ込んだ状態の位置に戻る。しかしながらこの装置は、使用前の偶発的
な針との接触、及び/又は出荷及び/又は保管中に起こる可能性のある装置の偶発的な作動を最小限にするための、使用前に装置を固定するためのアセンブリにおいて固定機構を含んでいない。
【0009】
薬剤供給装置を充填する時、従来の方法においては偶発的なけがの危険をはらむシリンジを使用していた。本発明は、さらにシリンジを使用する時の安全性を向上させる目的をも有する。本発明はさらに、例えば子供たちが適切に廃棄されなかった装置で遊ぶなど、使用前、使用後の偶然針が露出される可能性を減じる目的も有する。明らかに、伝染病、特に血液により伝播される伝染病に伴う危険性を鑑みて、偶発的な事故はできるだけ最小限にし、より好ましくは完全に除去されねばならない。
【0010】
本願発明者らの特許文献2には、スライドストッパにより封止された円筒カートリッジ(又はバイアル)を受容するハウジング内にて一体となった充填機構を有する医薬品供給装置が開示されている。カートリッジが充填機構内に押されると、重点機構内の中空の針がストッパを貫通し、カートリッジの内側と装置の内部貯蔵室との間の連絡を確立する。カートリッジの充填機構内への連続した作動により、ストッパがカートリッジ内へスライドし、ピストンとして作動して医薬品をカートリッジから貯蔵室へ注入する。この機構により、シリンジ使用による欠点が克服されるが、装置は嵩高いものともなってしまう。
【0011】
従って、方向に無関係な方法での装置の充填を容易にする、改良された充填機構を有する皮下薬剤供給装置を提供する必要がある。
さらに、嵩高さの小さい充填系を提供する必要がある。
【0012】
さらにまた、針に伴うけがの危険性を最小限にするため、針を充填系内に奥まった様式で保持する充填系を提供する必要がある。
さらに、周囲の大気圧とは独立して実質的に一定の供給率で作動する装置を提供する必要がある。
【0013】
さらに、針との偶発的な接触によるけがを最小限にするため、使用前、使用後に針がハウジング表面から後退する、薬剤供給装置を提供する必要がある。
さらに、装置の使用により装置が外れる心配が少ない、改良された皮膚との密着を有する装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明では、先行例による薬剤供給装置と充填系に伴うこれらや他の欠点を克服したものである。一般的に言えば、本発明は、内部貯蔵室と、貯蔵室に対して特定位置に配置された拡張室を有するハウジングとを有する薬剤供給装置を提供する。この装置は、患者の皮膚の貫通のための、ハウジングから延びる薬剤供給針をも有する。この針は、薬剤供給のための排出口を有する。本発明の薬剤供給装置は、さらに、供給針排出口と貯蔵室の間に形成される流体路と、拡張室にガスを制御可能な率で供給するための装置とを含む。この装置はまた、流体路と連絡したフロー調節室も含み、これは温度及び/又は圧力の変化に応答する体積変化が可能である。
【0015】
流体抵抗の増加及び/又は減少の程度を測定する事により、拡張室におけるガスの所定量の体積における、圧力又は温度により引き起こされる差によって生じる、供給率の差を補償することは可能である。従って、周囲の大気圧が降下すると、拡張室のガスは膨張する傾向を持ち、それにより、より多くの薬剤が貯蔵室から強要される。しかしながらこれは、流体路に沿ってフロー抵抗を増加させるフロー調節室によって対抗され、それにより拡張室の拡張する傾向による効果から生じるフロー率の増加に対抗する。
【0016】
拡張室は、使用時に貯蔵室の圧縮を引き起こす事が好ましい。さらに、フロー調節室は、貯蔵室と排出口の間のフロー抵抗を変化させることにより薬剤供給率を変えることが好ましい。フロー調節室は、薬剤の流れを制限するために、フロー調節室の拡張により流体路内にて動作する遮断部材と連携することが好ましい。
【0017】
さらに隔離部材は、少なくとも部分的にフロー調節室を区切る移動可能部材の上に設けられた構成体であって、流体路の導管形成部分のインレットに隣接して配置された構成体を備えることが好ましい。その結果、流体路の制限は隔離部材が導管のインレット内に動作した時になされる。インレットに対して適切な形状と大きさの構成体を有することにより、導管のフロー制限を正確に変動させることが可能になり、それにより周囲の温度及び/又は圧力に関わらず供給率は正確に制御される。
【0018】
隔離部材の形状は、フロー調節室の所定の拡張の程度において、流体路を完全に遮断するよう適合されていることが適切である。代替的に、構成体は、流体路が完全には遮断されないような形状であってもよい。
【0019】
本発明の好ましい態様では、移動可能なカバーは、カバーが皮膚にあてがわれた時カバーに対するハウジングが除去され、それにより供給針が患者の皮膚を貫通するように、ハウジングと接続している。このような移動可能なカバーは、患者の皮膚への適用前及び適用後に針を隠すのに適当であり、けがを防ぎ、針の汚染の可能性を減少させる。
【0020】
本発明の他の態様では、カバーに対するハウジングの動作によりバルブが閉じ、それにより拡張室が封止されるよう、移動可能なカバーに動作可能に連結した解放バルブが設けられる。この特徴は、フロー調節室の存在には関係しない。
【0021】
このバルブにより、装置には、(空の)貯蔵室の容積が最小となり、拡張室の容量が最大となるよう位置を定められた、移動可能部材を設けることができる。従って、貯蔵室は最初は容積が概ねゼロであり、閉じこめられた空気は存在しない。装置はその後、例えばシリンジ又はカートリッジを基にした充填機構を用いて貯蔵室を満たすことにより、注入又は充填され得る。貯蔵室が満たされると、移動可能部材が貯蔵室を拡張させるため動作し、それにより拡張室が収縮する。バルブは、拡張室内の空気又は他のガスを大気中に排気する。
【0022】
装置は、その後使用者の皮膚にあてがう事ができる。装置があてがわれた時、皮膚にあてがわれたカバーに対して動作し、針が皮膚を貫通するだけでなく、(バルブはカバーに動作可能に連結しているため)バルブが閉じて拡張室は封止される。もしバルブが開いたままだと、拡張室に供給されたガスは漏れ出るので、供給は効果を為さない。使用者が手動でバルブを閉鎖することは可能だが、誤りの可能性が明らかに残る。代わりに、バルブをカバーに動作可能に連結すれば、
バルブは装置が皮膚にあてがわれた時に常に閉鎖している事を確認することができる。
【0023】
バルブは、一つはカバーに連結し他方は拡張室に連結している二つの構成要素を備え、カバーに対するハウジングの相対動作によりバルブが閉鎖することが好ましい。
本発明は、針が装置の外装から隠される第1の位置と、供給針が皮膚の貫通のため装置から突出する第2の位置の間で、ハウジングに対して移動可能な移動可能なカバーを含む。本発明の更なる態様は、装置の第1の位置から第2の位置へ、また第1の位置へ戻る唯一つの往復運動の後、装置を第1の位置に固定する部材を備える。
【0024】
移動可能なカバーは、従来技術の装置では未解決だった問題を解決するので、有効な特徴である。我々の従来技術では、使用後にハウジングを所定の位置に固定し、針を隠した
位置に保つ固定機構を有する。しかしながら、針が偶発的に突出しそれによりけがを発生させる可能性がある意図する使用に先立つ早発作動を防止する機構はない。しかしながら、本発明によれば、カバーとハウジングが互いに関して往復する時、即ち装置が皮膚にあてがわれた時ハウジングとカバーがお互いに対して動作し針を突出させる時、固定機構が自動的に係合する。この相対動作は装置が除去される時には反転し、それにより針が隠されるが、しかしまた固定部材と係合いて針が偶然再び露出するのを防ぐ。
【0025】
好ましい態様において、固定部材は、往復動作により作動する機械的掛け金から成る。さらに、掛け金は、カバーとハウジングにそれぞれ装着された一対の要素から成ることが好ましい。この要素は、カバーがハウジングに対して第1の位置にある時、二つの相対配置を有し得ることが好ましい。この要素は、要素が互いに動作可能な第1の動作可能配置と、要素の相互動作が防止された第2の固定配置を有することが好ましい。カバーとハウジングの往復により、この要素が第
1の動作可能配置から、カバーがハウジングに対して第2の位置にある時の中間配置を通って、第2の固定配置へと経過し、それによりカバーのハウジングに対する更なる動作も防止されることが好ましい。
【0026】
下記に更に説明する好ましい態様において、要素の一つは他方の要素の突出部を受容するよう適合された窪みを備え、この窪みと突出部は動作可能な形態では互いに一定の間隔をおき、固定形態では互いに係合している。
【0027】
これらの態様は、機械的に単純で製作が容易であると同時に、その非常な単純性は誤動作の可能性を殆ど有しない。
本発明の好ましい態様において、ハウジングに対するカバーの最初の動作は、除去可能な固定部材により防止される。この機能は、ハウジングがカバーに対して動作する時のみ、即ち、使用者が殊更除去可能な固定部材を除去した後のみ針が露出するため、偶発的なけが発生を防ぐのに役立つ。除去可能な固定部材の存在はまた、ガス供給装置が作動するのを防ぐ。これは、装置が誤った時間に偶発的にオンになり消耗されるのを防ぐ。本発明の好ましい態様において、除去可能な固定部材は、カバーとハウジングの間に挿入された層状部材から成る。
【0028】
本発明の更なる態様において、そこから針が延びるハウジングの表面、又は移動可能なカバーの表面は、もし存在するならば、断面が凹形である。装置が患者の皮膚にあてがわれた時、カバーは皮膚にさらに密接に一致するため、装置は除去されにくい。従来技術の装置では、例えば粘着不良のように、使用者の皮膚への固着に問題があることが判明した。凹形の表面を用いることにより、装置は、粘着部材によってより効果的に保持される。
【0029】
従来技術の装置では、下部表面は、装置の縁が比較的外れ易いため、皮膚から剥離する傾向にある。凹形の下部表面を使用することにより、縁は皮膚との接触を保つ傾向にあり、従って装置を除去するのがより難しい。実際に、単に剥ぐ行為というよりは剪断力が必要であり、これは偶発的な除去の防御の助けとなる。この特徴は、本発明の態様の存在に関係しない。
【0030】
本発明に従った変更装置では、ハウジングの下部表面から延びる針は、ハウジングから延びる管に取り替えられる。管は、薬剤供給針を保持するよう適合されている。このような装置は、管の終端に保持された針が適切な静脈にて正確に位置づけできる為、静脈への薬剤供給にとって好ましい。針は、管と一体にすることができ、又は管と別々に備えることもできる。
【0031】
本発明の更なる好ましい特徴として、薬剤貯蔵室は、拡張室とダイアフラムにて区切ら
れる。ダイアフラムは双安定の働きを示し、一つの安定状態では貯蔵室が満たされており、他方の安定状態では貯蔵室が空である。ダイアフラムは、安定状態間の遷移に必要なエネルギーが最小限となるような形状が施される。本発明の好ましい態様において、ダイアフラムは、可撓性環状部分によりほぼ平面状の中心部分と連結した周辺口縁を有する本体の形態である。可撓性環状部分は、一つの状態では円錐台の断面形状をとり、他方の状態では弓形の湾曲形状をとる。
【0032】
好ましくは、ガス供給のための手段は電気回路を備え、この回路では、トランジスタはどれも500以上のゲインを有するバイポーラトランジスタであり、回路を破壊することなく、回路はイオン化放射により照射され得る。
【0033】
このタイプのトランジスタは、装置を、ガンマ線照射を用いて電子構成要素を損なうことなく滅菌することができるため、有利であることが判明した。照射により一定の性能低下を招くが、高いゲインのトランジスタは照射後でも、まだ確実に作動するに十分なゲインを有する。そのトランジスタ、又は各トランジスタの電流のゲインは、750以上であることが好ましい。例えば、800の定格電流のゲインを有するトランジスタは、照射がトランジスタの電流のゲイン特性を10以上の要素で低下させるにも関わらず、照射後に卓越したパフォーマンスを示すことが判明している。最初の高いゲインが、続いての照射により生じる減少を補う。照射の効果が予測できるという事実は、照射後のパフォーマンスが確実であることを意味している。
【0034】
回路はさらに、それを横切って固定電圧降下が測定可能な、参照構成要素を含むことが好ましい。参照構成要素は、本質的にはイオン化放射により変化しない。もし、照射過程によって影響を受けない参照電位が使用されると、回路の他の構成要素の作動は、この参照電圧により決定され得る。例えば、バッチが照射された時トランジスタの一群の電流のゲインが個々で異なる可能性のある一方、このようなトランジスタの各々は、もし、増幅器の出力電流が所定の参照構成要素に反して合わせられた場合、全く同様に機能する増幅器として使用することができる。
【0035】
発光ダイオード(LEDs)は、ガンマ放射により照射された時、他の標準構成要素より影響を受けないことが判明している。従って、好ましい態様の参照要素は、発光ダイオードから成る。砒化ガリウム(GaAs)LEDsは、事実上ガンマ線に影響を受けない。従って、発光ダイオードは、半導体として砒化ガリウムを使用することが好ましい。
【0036】
更なる態様において、本発明は上述したような薬剤供給装置を含む、皮下薬剤供給キットを提供する。この装置は、貯蔵室と連携する充填機構を備える。充填機構は、充填アダプターを受容する手段を含む。充填アダプターは、薬剤カートリッジを収容するよう適合された本体を含む。本体は、その一端に薬剤供給装置のアダプター受容手段を係合する手段と、その他端にカートリッジを受容する手段と、カートリッジを空にする時に液体をカートリッジから装置の充填機構に移送する移送手段とを有する。アダプター受容手段と、アダプターに設けられた対応する係合手段は、一体となって、一度係合されたらアダプターを所定の位置に保つ解除可能な固定機構を構成する。固定機構は、カートリッジがアダプター内にて空になった時、解除される。
【0037】
本発明によるキットは、装置内にてカートリッジを収容する嵩高い充填機構の必要性を排除し、代わりに、充填された装置が先行技術によるカートリッジを基とした装置よりも嵩高さの小さなものとするよう、装置から外すことのできるアダプターを利用する。
【0038】
さらに、使用される固定機構は、カートリッジが完全に空になった時、即ち、カートリッジ内のゴムストッパーが底へ押された時にのみ解除される。もし、使用されるカートリ
ッジが、ストッパが底に押された時に空になる型である時、この特性は貯蔵室の正確な充填を保証する。即ち、貯蔵室が、薬品の正確な量によって充填される前に装置を簡単に除去するのは不可能である。
【0039】
適切には、移送部材は、中空の両端針から成り、その一端は、アダプターが装置と連結する時に充填機構と連絡するよう、連結部材と連携し、他端は、このようなカートリッジがアダプターに受容される時貫通可能なストッパを有するカートリッジの内部と連絡するよう、カートリッジ受容手段と連携する。
【0040】
そのような中空の両端針は、アダプターの本体の中を通り、二重端の針と機能的に同一になるように両方の端に針が取付けられた、モールドされた導管のような、導管で連結された一対の針と交換することができる。針の両端は、アダプターが装置から離れた時に本体の外装から後退するようにアダプターの本体内に配置されることが好ましい。この配置は、アダプターの不注意な取り扱いから発生する偶発的なけがの恐れなしに廃棄することができる為、安全性の観点から好ましい。
【0041】
好ましい態様において、解除可能な固定機構は、それぞれがアダプター受容手段と対応する係合部材とに備えられた、一対の固定部材から成る。固定部材の一つは、固定位置と取り外し位置との間で動作可能である。動作可能な固定部材は、本体に関して、使用時に、本体内にてカートリッジが空になった時、カートリッジの動作の元に、動作可能な固定部材が固定位置から取り外し位置に動作するよう、本体に対して配置されている。
【0042】
ほぼ円筒状のカートリッジが使用される場合は、本体はカートリッジを完全に収容できるに十分な直径を有する経路に、カートリッジを受容することができる。しかしながら、経路の終端は、動作可能な固定部材に備えられた突出部を考慮して、少々小さな直径となっている。従って、ストッパが底に押されカートリッジが完全に空になると、カートリッジは動作可能な固定部材と接触し、それを脇へ逸らせて固定機構を取り外す。
【0043】
適切には、動作可能な固定部材は固定位置に弾性的に偏倚されている。動作可能な固定部材は、それが連結した時自動的にアダプターと装置が互いに固定するラッチであることが好ましい。カートリッジは、貫通可能なストッパをアダプターに対して動作させる事により空になる事が好ましい。
【0044】
本発明はさらに、さらに貯蔵室と連携する充填機構を備え、該充填機構がここに定義されるような充填アダプターを受容する手段と、充填アダプターとからなる、先行するいかなる請求項にも従う装置を含む皮下薬剤供給キットを提供する。充填アダプターは、シリンジを受容するよう適合された本体を有する。この本体は、その一端に、装置のアダプター受容手段と係合する手段を有し、その他端に、シリンジ受容手段を有し、シリンジが空になる時装置の充填機構にシリンジから液体を移送する移送手段を有する。移送装置は、シリンジ受容手段に連携する導管を含み、この導管は係合手段に連携し充填アダプターの本体内にて配置される針に至る。
【0045】
充填アダプターの本体内に配置される針は、アダプターが装置から取り外される時本体の外装から後退することが好ましい。また、アダプターは、針のないシリンジを受容することが好ましい。アダプターの針は、充填時アダプター本体の外装から後退し、シリンジに針がないため、従来のシリンジ(針のない)は偶発的なけがの危険が全くなく装置を充填するのに使用することができる。
【0046】
本発明の更なる態様では、薬剤供給装置を充填する方法を提供する。この方法は、薬剤貯蔵室を有する薬剤供給装置を提供することを含む。この方法はさらに、アダプター受容
手段と連結する第1の端部と、シリンジを受容して充填アダプター受容手段が充填アダプターを受容するようにする第2の端部とを有する充填アダプターを提供することを含む。この方法は、さらに、充填アダプターの第2の端部が液体と針を中に有するシリンジを受容し、シリンジ内に貯えられる液体と充填アダプターの第1の端部との間の連絡のための導管を提供する方法を含む。充填方法はさらに、シリンジを空にし同時に液体をシリンジから装置へ、導管を経由して移送することを含む。また更なる態様において、本発明では上に定義されるような充填アダプターと、上に定義されるようなダイアフラムを提供する。
【0047】
本発明の好ましい態様において、拡張室にガスを提供するため使用される電気回路は、例えば、一つのバッテリーと三つの電流安定素子の間に、例えば直列連結の二つの抵抗を配置するような高電圧供給装置を含む。この好ましい態様の電気回路は、滅菌のため使用されるガンマ線に感受性の高いトランジスタのような構成要素を使用することなく、電気回路を単純化し、電解セルに供給される電流を安定化する。
【0048】
本発明の薬剤供給系の他の好ましい態様では、閉塞防止機構を含む。さらに、薬剤供給装置の供給率が高度に依存することは好ましくない。例えば、薬剤供給装置のバルブのような要素は、ガス室内における一定の高い背圧を作る。
【0049】
本発明の好ましい態様において、環の形状を持つ構造体のような光学窓は、薬剤供給の量、又は一方、薬剤貯蔵室に残る薬剤の量をさらに正確に評価することを提供する。この態様では、薬剤を含有する弾性体の薄膜やダイアフラムから反射された光の原則を利用している。薬剤貯蔵室がほぼ満杯の時は、薬剤がハウジングを満たすにつれ弾性体の薄膜がハウジングから離れて延びるため、光学窓は黒になる。しかしながら、薬剤貯蔵室がほぼ空の時は、例えば、薬剤供給がほぼ完了するにつれ弾性体の薄膜がハウジング近くなるため、光学窓は青になる。
【0050】
さらに、好ましい態様において、皮下薬剤供給装置は使用者への素早い薬剤注入を防ぐための圧力反応機構を含む。例えば、圧力反応機構は、薬剤供給装置のガス発生部分への電力供給を制御する電気回路の一部分を形成するスイッチを含むことができる。このスイッチは、異なる好ましい構成要素、例えば導電性薄膜、及び導電性レバー、又は一方、電極と水銀液滴などを含むことができ、回路が完了する。電気回路は、ガス発生部分の圧力が室内の圧力より低い限り完了している。
【0051】
他の好ましい実施態様において、本発明の薬剤供給系は、適切な適用と作動とを使用者に表示する視覚表示物を含む。この表示物は、例えば、色マーキング系であり得る。色マーキング系は、使用者に、使用に先立ちどの系の構成要素を系から除去するべきか表示するため使用することができる。
【0052】
本発明の薬剤供給系の他の好ましい態様は、装置の内部構成要素を受容し、設計許容性に対応する、例えば発泡樹脂製の挿入物のような挿入物を含む。挿入物は、アセンブリにおいて、内部ハウジング及び従って薬剤貯蔵室の容積が正確な範囲内であるように、正確な内部容積を保持する。
【0053】
好ましい態様において本発明の薬剤供給系は、拡張室のガス発生を開始し、拡張室は次に装置からの薬剤供給を制御する、例えば作動レバーのような作動機構を含む。作動機構は、穿刺装置と電気接点をも含む。作動時に、減圧によって穿刺装置が電解セルのホイルカバーに穴をあけ、それにより化学成分がガスを放出し拡張室を拡張させる。その結果、近隣の薬剤貯蔵室は収縮し薬剤供給が開始される。
【0054】
薬剤供給系の他の好ましい実施態様は、いくつかのパラメータにより制御される供給率の制御に関する。このパラメータは、回路電流、残留空気容積、材料浸透性、装置のプラスチック材料の材料特性を含むが、これらに制限されるものではない。例えば、薬剤供給系構成要素である浸透性、例えば基部において使用される材料の浸透性は、供給される薬剤の供給率に影響を与える。従って、例えば水素のような、装置で発生したガスの浸透を最小限にする、又は好ましくは防ぐ、例えばPETなどが使用される。拡張室のガスの浸透性を最小限にすることにより、一定の供給率が保持される。ガスの放散率が薬剤の供給率を制御するため、材料の変更が薬剤の供給率を制御し得る。
【0055】
本発明の他の態様は、装置を貯蔵庫から絶縁し、異なる高度で使用するための薬剤供給系の外装を含む。特に、拡張室のガス発生に使用される電解セルの電解質は、環境的な条件に影響を受ける。さらに、気圧バルブは一定量の空気の参照圧力に依拠しているため、環境的な条件に影響を受ける場合がある。高度が高い所にて、参照セルの空気は、空気の拡張のため装置の外に放散され得る。好ましい態様では、装置を密閉して外装することにより、圧力バルブはただ一つの位置を持つ、即ち、装置内の圧力が一定なので静止バルブとなる。
【0056】
従って、本発明の目的は、位置無関係な手法で装置の充填を促進する、改良された充填機構を有する皮下薬剤供給装置を提供することである。
本発明の更なる目的は、嵩の低い充填系を提供することである。
【0057】
本発明の更なる目的は、針に伴うけがの危険性を最小限にするため、針を系内において後退した位置に保持する充填機構を提供する事である。
本発明の更なる目的は、周囲の大気圧に関わらずほぼ一定の供給率で作動する装置を提供することである。
【0058】
本発明の更なる目的は、針との偶発的な接触により発生するけがを最小限にするために、使用前及び使用後に針がハウジング表面から後退する、薬剤供給装置を提供することである。
【0059】
本発明の更なる目的は、改良された皮膚への粘着性、即ち、使用時に装置が外れる可能性が低い粘着性を有する装置を提供することである。
本発明のその他の目的、特徴及び利点は、図面及び請求項と関連して以下の明細書を読む事により明白となる。
【0060】
本発明の上述のおよびその他の目的、特徴及び利点は、同様な参照符号は異なる図を通して同じ部分を指す添付の図面に示されている、本発明の好ましい実施態様の以下のより詳細な説明から明らかとなる。図面は必ずしも正しい縮尺ではなく、発明の原理を説明する時には強調している。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明による薬剤供給装置の第一の態様の側断面図である。
【図2】図1の装置の第一の態様のフロー調節室と針アセンブリの分解斜視図である。
【図3】図1の装置の第一の態様のフロー調節室の拡大側断面図である。
【図4】本発明の薬剤供給装置の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、第二の態様の分解側面図である。
【図5】本発明の薬剤供給装置の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、第二の態様の分解側面図である。
【図6】本発明の薬剤供給装置の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、第二の態様の分解側面図である。
【図7】図4〜6の装置の固定機構の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、拡大斜視図である。
【図8】図4〜6の装置の固定機構の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、拡大斜視図である。
【図9】図4〜6の装置の固定機構の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、拡大斜視図である。
【図10A】それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、固定機構の第一の代替実施態様の略立面図である。
【図10B】それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、固定機構の第一の代替実施態様の略立面図である。
【図10C】それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、固定機構の第一の代替実施態様の略立面図である。
【図10D】図10Aに示す固定機構の斜視図である。
【図11A】固定機構の第二の代替実施態様の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、略立面図である。
【図11B】固定機構の第二の代替実施態様の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、略立面図である。
【図11C】固定機構の第二の代替実施態様の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、略立面図である。
【図11D】図11Aに示す固定機構の斜視図である。
【図12A】固定機構の第三の代替実施態様の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、略立面図である。
【図12B】固定機構の第三の代替実施態様の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、略立面図である。
【図12C】固定機構の第三の代替実施態様の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、略立面図である。
【図12D】図12Aに示す固定機構の斜視図である。
【図13A】固定機構の第四の代替実施態様の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、略立面図である。
【図13B】固定機構の第四の代替実施態様の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、略立面図である。
【図13C】固定機構の第四の代替実施態様の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す、略立面図である。
【図13D】図13Aに示す固定機構の側方立面図である。
【図13E】図13Aに示す固定機構の、斜視図である。
【図14】本発明の薬剤供給装置の第三の態様の断面立面図である。
【図15】本発明の薬剤供給装置の第三の態様の断面立面図である。
【図16】図14,15の装置の、収容された様々な構成要素を含むハウジングの下部の、部分的に切り離した斜視図である。
【図17】図14,15の態様に使用される電解セルの分解斜視図である。
【図18】図14,15の態様に使用される電解セルの側断面図である。
【図19】本発明の薬剤供給装置の第四の態様の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す側断面図である。
【図20】本発明の薬剤供給装置の第四の態様の、それぞれ使用前、使用中、使用後を示す側断面図である。
【図21】図1の第一の態様と、充填アダプター取付と、薬品カートリッジを備える薬剤供給キットの断面上面図である。
【図22】図21に示す、外部アダプターに使用されるサブアセンブリの斜視図である。
【図23】図21の薬剤供給キットの、それぞれ装置の充填中、充填後を示す分解側面図である。
【図24】図21の薬剤供給キットの、それぞれ装置の充填中、充填後を示す分解側面図である。
【図25】本発明の薬剤供給装置の、それぞれ第五、第六の態様の分解側面図である。
【図26】本発明の薬剤供給装置の、それぞれ第五、第六の態様の分解側面図である。
【図27】本発明の装置での使用に適切なダイアフラムの分解側面図である。
【図28】本発明の装置での使用に適切なダイアフラムの分解側面図である。
【図29】本発明の装置での使用に適切な電子制御回路図である。
【図30】本発明の装置から移動可能なカバーの、それぞれ上面、下面の斜視図である。
【図31】本発明の装置から移動可能なカバーの、それぞれ上面、下面の斜視図である。
【図32A】本発明による薬剤供給装置内の電解セルのための電気回路の、好ましい態様の概略を図示するものである。
【図32B】本発明による図32Aに示す電解セルの電流特性をグラフにて図示するものである。
【図33A】閉塞により障害を生じ得る薬剤供給装置の態様を、概略、グラフの両方にて図示するものである。
【図33B】閉塞により障害を生じ得る薬剤供給装置の態様を、概略、グラフの両方にて図示するものである。
【図33C】閉塞により障害を生じ得る薬剤供給装置の態様を、概略、グラフの両方にて図示するものである。
【図33D】閉塞により障害を生じ得る薬剤供給装置の態様を、概略、グラフの両方にて図示するものである。
【図33E】閉塞により障害を生じ得る薬剤供給装置の態様を、概略、グラフの両方にて図示するものである。
【図33F】閉塞により障害を生じ得る薬剤供給装置の態様を、概略、グラフの両方にて図示するものである。
【図34A】本発明の閉塞防止機構を有する薬剤供給装置の好ましい態様の、概略、グラフを図示するものである。
【図34B】本発明の閉塞防止機構を有する薬剤供給装置の好ましい態様の、概略、グラフを図示するものである。
【図35】本発明の薬剤供給装置の好ましい態様を、概略的に図示するものである。
【図36A】本発明の薬剤供給装置の薬剤貯蔵室の変化を概略的に図示するものである。
【図36B】本発明の薬剤供給装置の薬剤貯蔵室の変化を概略的に図示するものである。
【図36C】本発明の薬剤供給装置の薬剤貯蔵室の変化を概略的に図示するものである。
【図37A】圧力感応機構のプリント回路基板の斜視図である。
【図37B】本発明の薬剤供給装置に含まれる図37Aの圧力感応機構の好ましい態様を概略的に図示するものである。
【図37C】本発明の薬剤供給装置に含まれる図37Aの圧力感応機構の好ましい態様を概略的に図示するものである。
【図37D】図32A、図37Aの要素を組み込んだ薬剤供給系のための電気回路の概略的な図表である。
【図38A】本発明による薬剤供給装置に含まれる圧力感応機構の他の好ましい態様を概略的に図示するものである。
【図38B】本発明による薬剤供給装置に含まれる圧力感応機構の他の好ましい態様を概略的に図示するものである。
【図39A】プリント回路基板上の一部分を切り離した、圧力感応機構の斜視図である。
【図39B】本発明による薬剤供給装置に含まれる図39Aの圧力感応機構の好ましい態様を概略的に図示するものである。
【図39C】本発明による薬剤供給装置に含まれる図39Aの圧力感応機構の好ましい態様を概略的に図示するものである。
【図40】本発明による挿入物を含む薬剤供給装置の好ましい態様を概略的に図示するものである。
【図41A】本発明による作動レバーを含む薬剤供給装置の好ましい態様を図示するものである。
【図41B】本発明による作動レバーを含む薬剤供給装置の好ましい態様を図示するものである。
【図42】本発明による残留気体容積を制御する薬剤供給装置の好ましい態様を使用した、薬剤の供給をグラフにて図示するものである。
【図43】本発明による系の透過率を制御する薬剤供給装置の好ましい態様を使用した、薬剤の供給をグラフにて図示するものである。
【図44A】本発明による静的気圧バルブを含む薬剤供給装置の完全なるアセンブリを図示するものである。
【図44B】図44Aの静的バルブの拡大断面図である。
【図45】本発明による薬剤供給装置に使用される包装の好ましい態様を図示するものである。
【図46】本発明による薬剤供給装置に使用される包装の代替実施態様を図示するものである。
【図47A】本発明による薬剤供給装置に使用される包装の他の実施態様を図示するものである。
【図47B】本発明による薬剤供給装置に使用される包装の他の実施態様を図示するものである。
【図47C】本発明による薬剤供給装置に使用される包装の他の実施態様を図示するものである。
【図48】薬剤供給装置の代替実施態様の側断面図である。
【図49】薬剤供給装置の代替実施態様の側断面図である。
【図50A】ルアーが硬膜下針に連結する図48の薬剤供給装置の、代替実施例の側断面図である。
【図50B】ルアーが疎水性薄膜及びハイドロホイル薄膜を伴って硬膜下針に連結する図48の薬剤供給装置の、代替実施態様の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
いくつかの図を通して同様な数字は同様の要素を意味する図面をより詳細に参照する。図1は本発明の皮下薬剤供給装置10を示す。
ハウジング11は貯蔵室12を区画形成し、貯蔵室は貯蔵室を拡張及び収縮させる弾性体のダイアフラム13により部分的に区切られる。ダイアフラム13は、拡張室の拡張が貯蔵室12の収縮及びその反対を引き起こすよう、拡張室14をも区切る。図1において、貯蔵室12は容積が満杯であり薬剤を含み、一方拡張室14は容積が最小となっている。
【0063】
回路板15は、その上に電解セル48を有し(後に詳細に説明する)、ハウジング11の下部16に据付けられている。使用時には電解セル48は、支持部材18の穴17を介
して拡張室14にガスを供給する。
【0064】
貯蔵室12には、充填機構20(後に詳細に説明する)と関連するインレット19が備えられる。排出口22に備えられた供給針21は、矢印で示す流体路23を介して貯蔵室12と連絡している。流体路23は、上部部材24、環状部材25、フローダイアフラム26から成る空気で満たされたフロー調節室35の周りを通る。流体路23は、針保持部材27を介して針へ通る。インレット19から針21へは、突出部28の上への動作はいずれも流れの抵抗を減少させ、下への動作はいずれも流れの抵抗を増加させるよう、フローダイアフラム26の突出部28により部分的に調節される。
【0065】
さらに図2を参照し、フロー調節室35を分解図にて示す。環状部材25はフローダイアフラム26を受容し、上部部材24と3個の構成要素は一体に嵌合して、針保持部材27の上部に位置する気密室36を形成する。針保持部材27内のインレット19は針21に通じ、針保持部材の上部面より明らかに見ることができる。突出部28はインレット19内に延びる。
【0066】
図1に示す装置10の更なる特徴は、蝶番30によりハウジング11に取付けられた移動可能なカバー29である。移動可能なカバー29の、図1に示される位置と(針21が移動可能なカバーを通って突出している)、針21がほぼ移動可能なカバー29により隠された位置(図4に示す)との間の移動は、符号31で一般に示され以下に詳細に述べる固定機構に制御される。
【0067】
使用時には、移動可能なカバー29はハウジングから遠方の表面に備えられた粘着層29’を使用して皮膚に固定される。移動可能なカバー29は、下から見た時に凹形である。もし平面又は凸形の表面が備えられると、カバー29の縁が偶発的に肌から剥がれ落ちやすくなり、即ち、凸形の表面の使用は突出した縁を有しにくく、装置を剥がす為に必要な力は単純な剥離力ではなく剪断力であるため、この形状は有利である。
【0068】
ハウジング11は、装置により美的に快い外観を与え、また、使用者にとって人間工学的に有利である、保護上部カバー32に覆われている。符号33に示す保護上部カバー32の穴により、ハウジングの透明部分34を見ることができ、それにより使用者は、薬剤が存在するかどうかを確認するため貯蔵室を見て調べることができる。保護上部カバー32はまた、装置10の取り扱いを誤ったり落下させたりした場合に、ハウジング11とその構成要素部分を保護する。
【0069】
フロー調節室35は、図3により詳細に示され、上述したように、上部部材24、環状部材25、及びフローダイアフラム26から成る。この構成は、気密空間36が室35の内部にあることを証明するものである。貯蔵室と針(図1)の間の流体路を、太い矢印で示す。ここに示すように、フローダイアフラム26の突出部28は、針21に導く針保持部材27のインレット37内に延びる。流体は、針21に到達するためフローダイアフラム26の上に押し上がる必要がある。室36の空気が収縮可能なため、これは殆ど力を必要としない。
【0070】
しかしながら、例えば高度の上昇により周囲の大気圧が降下すると、室36の一定容積の空気は膨張する傾向にある(一定温度において、理想ガスは圧力と容積の積が一定なため)。これにより、流体がフローダイアフラム26を通って針保持部材27に流れ入ることが困難になり、従って薬剤の供給率が減少する傾向にある。
【0071】
薬剤がガスで満たされた拡張室14により動作される事実は、しかしながら、拡張室もまたこの高度の上昇によって容積が増加する傾向にあり、拡張室の容積の増加による効果
で供給率の速度が上がることを意味する。
【0072】
従って、フロー調節室35を正確に測定することにより、それなしでは大気圧の変化により薬剤の供給率が増加、又は減少する傾向となる気圧の変化が、フロー調節室により作用される対応するフロー調節の量の増加、又は減少により対抗でき、それにより一定の供給率が保持される。拡張室のガスの膨張、又は収縮を招く温度変化は、同様の方法により対抗することができる事は、評価されるべきである。
【0073】
図1〜3の装置の更なる特徴としては、移動可能なカバー29(図1参照)上に位置するO形リング38である。O形リング38は、針保持部材27と伴に封を形成し、使用者の皮膚に対する針の接触点を、石鹸、水、汗、又は他の汚染物から保護する助けをする。もし水や他の液体が針21と接触すると、針21はスイッチとして働き得、水は接触に吸い込まれる。しかしながら、移動可能なカバー29上の粘着物29’は、移動可能なカバーの上面を介して、水の針への到着を妨げる。
【0074】
上部部材24、環状部材25、フローダイフラム26、針保持部材27、及び流体路内の全ての他の要素は、ポリカーボン材料製であることが好ましい。ポリカーボン材料は基本的に不活性で液体薬剤と反応しない。さらにポリカーボン材料は、いかなる特性をも損なう事なくガンマ線に耐える。
【0075】
図4,5,及び6は、各々使用前、使用中、使用後の、図1と同様の装置を示す。装置は符号50で総括的に示され、図1の装置と若干異なっているため、図1に対して異なる参照数字が使用される。装置50は図4に示され、移動可能なカバー52が蝶番54の周囲でハウジング53に対し移動可能であるため、針51は移動可能なカバー52に隠される。除去可能なタブ55は以下に記すように、移動可能なカバー52のハウジング53の方向への移動を防ぐ。移動可能なカバー52の下面56は、接触粘着材56でコーティングされ、貯蔵中、粘着物は剥離ライナーによって保護される。
【0076】
剥離ライナーが除去されると、粘着物でコーティングされた下面56は、粘着を確実にするため皮膚に圧着され(凹形の表面が、粘着をよくする助けとなる)、タブ55は除去される。ハウジング53はその後皮膚の方向へ押され、移動可能なカバー52とハウジング53が蝶番54の周囲で伴に動作するにつれ針51が皮膚を貫通し、図5に示す配置となる。
【0077】
スタートボタンが押され、ガスを発生する電解セル57が作動する。ガスが発生すると、ダイアフラム58が上方向に押され、液体薬剤が貯蔵室59(使用前インレット60を介して満たされる)から移動し、それにより薬剤は流体路61を介してフロー調節室62(図1〜3に関して上記した)へ強制的に運ばれ、供給針51を介して患者へ運ばれる。
【0078】
供給が完了すると、拡張室の拡張により貯蔵室が収縮したため、供給開始時に貯蔵室59に占有されていた空間が、拡張室60(図6参照)に占有される状態で、ダイアフラム58が上昇する。
【0079】
装置50は、上部保護カバー63(図6)を上方に引き上げることにより皮膚から除去される。移動可能なカバー52を保持する粘着力は固定機構64(後に詳細に説明する)により加えられる力よりも大きいため、針51は再び移動可能なカバー52の背後に後退する。針51が一度この方法で後退すると、固定機構64は移動可能なカバー52を永久に図6に示される位置、即ちハウジング53から離れ針51が隠される位置に保持する。
【0080】
図7で、保護上部カバー63を説明の目的のため除去して、固定機構64をより詳細に
示す。固定機構64は、使用前、即ち移動可能なカバーが図4に示す位置の時で図示される。換言すれば、ハウジング53と移動可能なカバー52の間に隙間があり、針51(図4)はこの隙間に後退し、それにより移動可能なカバー52に隠される。ハウジング53の前面に据付けた突出部65は、スロット66の上端に位置する。スロット66は、その下端に広がり部分67を有し、その上部の外側表面にウエッジ突出部68,69が備えられる。スロット66は、連結アーム72によって移動可能なカバー52に取り付けられた部材70内に形成され、連結アームは若干程度の曲げが可能である。突出部65には広がったリブが備えられ、このリブの広さはスロット66の上部のそれより大きい。部材70は若干このリブ方向へバイアスされている。
【0081】
除去可能なタブ55(図4)は、翼71と係合し、それがカバー52の方向へ移動することを防止するよう位置される。これにより、ハウジング53全体がカバー52の方向へ移動するのが効果的に防止され、装置の早発作動が防止される。図7に示すようにタブ55が除去されると、ハウジング上にプレスダウンされることにより移動可能なカバー52はハウジング53の方向に閉じられる。これにより、突出部65がスロット66の下端に移動して、リップ部材73がスロット66の下端の広がり部分67を通り抜ける、図8に示す配置を持つ固定機構となる。これにより、突出部65の方向にバイアスしていた部材70が緩和する。リップ部材73の側面は、部材70にもたれ掛かかっている。
【0082】
供給が完了し、ハウジング53が移動可能なカバー52より離れ持ち上がった時、リップ部材73の口が部材70へのもたれ掛かりから取り外され、再び突出部65がスロット66の上端へ移動する。しかしながら、リップ部材73は図9に示すようにウエッジ突出部68,69の上を通過する。これが起こると、ウエッジ突出部68,69はリップ部材73を捕らえ、それらが下へ戻るのを防止する。これは固定機構64を図9に示す配置に永久に固定し、それにより針51を永久に視野から隠し、装置50の廃棄が安全になる。
【0083】
図1に関する図4〜8の装置の更なる特徴は、図4〜6を参照して理解することができる。一対の突出部74は、使用前フロー調節室62を掴み、使用前貯蔵室59と針51との間の経路を遮断する(図4)。ガス発生が開始されると、貯蔵室59内の液体の圧力が、フロー調節室62を突出部74に対して下方に押しやる。突出部74は弾性があり、フロー調節室62が下方に移動する時、伴に移動する。この配置では、突出部74はフロー調節室62を、供給時(図5)、及び装置が皮膚から除去された時(図6)の両方で固定位置に保つ。従って、供給後は、針51からの偶発的な薬品の漏れ(重力による)がフロー調節室62の固定位置によって防止され、インレットから針に掛けて封をする突出部を持ち上げるための、フロー調節室62内より高い圧力を生み出すガスの発生は起こらない。
【0084】
図4〜6の態様の更なる特徴は、図1の態様のO形リングと同様の方法で、針51の皮膚への導入点において皮膚を封止する環状エラストマーの内側に延びる口75である。この特徴により、針により不要な物質を皮膚に運ばれる事による
感染の危険を減じることができる。
【0085】
本発明による異なる固定機構の四つの代替態様を、図10A〜10D,11A〜11D,12A〜12D,及び13A〜13Eに示す。各々のケースについて、機構が概略的に「使用前」(A)、「使用中」(B)、「使用後」(C)の配置を、一つ又は二つの斜視図(D/E)とともに示す。この機構は、各々のケースについて位置Aから位置Bに動作し、殆ど困難なくBからCへ(一般に自発的又は偶発的な動作を防止するため幾分かの抵抗があるが)動作し、しかし一度位置Cに来ると、機構は永久に効果的に固定され、それ以上作動できない。
【0086】
第1の代替態様の固定機構は、弾性アームと関連するアセンブリから成り、図10A〜10Dに示される。図10Aにおいて、固定機構は総括的に符号80に示され、ハウジング83に据付けられたバイアス部材81と弾性支柱82と、脱着可能なカバー86に据付けられた弾性アーム84とポスト85から構成される。
【0087】
弾性アーム84は、そのベース87に可撓的に蝶番で取り付けられる。ハウジング83が移動可能なカバー86の方向に押される時、バイアス部材81は弾性アーム84をポスト85に逆らって押す。弾性アーム84とポスト85は、アーム84がポスト85の上を通るよう相互形成されており、弾性アーム84は掛け金が掛けられ(図10B参照)図10Aに示される位置への復帰が防止される。
【0088】
ポスト85の上を通る際、アーム84は弾性支柱82に逆らって動作し、瞬間的に支柱82をバイアス部材81から離れる方向に曲げる。アーム84がポスト85の上を完全に通れば、支柱82はその緩和された(そのままの)位置に復帰する(図10B)。
【0089】
(使用後)ハウジング83が移動可能なカバー86から引き離される時、支柱82は再びバイアス部材81から離れる方向に曲げられる(目下ポスト85により所定の位置に固定されたアーム84が、支柱82の経路を妨げるため)。しかしながら、支柱82の端88がアーム84を通過した後は、支柱82は突出部89の後ろにて掛け金が掛けられ、支柱の図10Bの位置への返還が防止され、それにより機構80を図10Cの配置に永久に固定する。
【0090】
図10Dの斜視図は、図10Aに図示される位置の機構を示す。図10Dで見ることのできる更なる特性は、ハウジング83の両脇に下がるアーム90を備えるスナップ機構である。各アーム90の内部表面に設けられた突出部91は、移動可能なカバー86の傾斜面92に逆らって動作し、動作に抵抗を与える。スナップ機構の効果は、ハウジング83と移動可能なカバー86との間の、意図しないいずれの相対動作にも更なる抵抗を加えることである。また更なる効果は、図10Aと図10Bの配置間、及び図10Bと10Cの配置間の、ハウジング83のカバー86に対する動作が非常に素早いことであり、これにより針の皮膚への貫通、及び針の皮膚からの除去が素早く、また無痛となる。
【0091】
本発明の固定機構の第2の代替態様は、逆V形のアセンブリから構成され、図11A〜11Dに示される。図11Aにおいて、固定機構は総括的に符号100で示され、ハウジング102に弾性的に据付けられた部材101と、移動可能なカバー105に据付けられた枠104内に支持されたピン103を備える。部材101は、その中に逆V形スロット106を有する。スロット106は、その上端が内部スロット部分108に連結した外部スロット部分107と、上端の下の、外部及び内部スロット部分107,108の間に分割部材109を有する。
【0092】
「使用前」位置から「使用後」位置へ動作する時、(固定した)ピン103は外部スロット107を上昇させ、外部スロットの頂上にて分割部材109を飛び越えるまで、分割部材109に逆らって動作する。図11Bに示される位置にて、ピン103は内部スロット108の頂上の上に位置する。
【0093】
続いてハウジング102が移動可能なカバー105から引き離される時(図11Bから図11Cへの動作)、ピンは内部スロット108を降下し、分割部材109に逆らって動作し部材101を脇へ押す。図11Cに示される位置に到達すると、ピン103は内部スロット108の下端の窪み110(図11B参照)に位置し、これは部材101を若干緩和させるが、部材101をハウジング102に対して均等な位置に離れて保持することにより、さらに部材101に一定の程度の応力が保持される。この方法により、ピン103
は窪み110に掛け金で掛けられ、機構100を「使用後」配置に永久に固定する。図11Dにおいて機構100は、部材101,ハウジング102,ピン103,枠104,及び移動可能なカバー105が見える「使用前」配置で示され得る。
【0094】
本発明の固定機構の第3の代替態様は、回転可能な歯止めアセンブリから概ね成り、図12A〜12Dに示される。この機構は、総括的に符号120で示され、移動可能なカバー122に据付けられた回転可能な歯止め121から成り、これは「使用前」から「使用中」位置(各々、図12A,12B)の動作にてアーム123によって回転する。回転可能な歯止め121が「使用中」位置に到達すると、窪み124(図12A)は移動可能なカバー122の弾性部分126に位置する突出部125を受容し、更なる動作にある程度の抵抗を与える。
【0095】
図12Aから12B位置への動作において、回転可能な歯止め121はハウシング128から下がる可撓性支柱127に逆らって動作する。回転可能な歯止め121が図12B位置の時、歯止めの更なる時計方向の回転はアーム123により防止される。
【0096】
ハウジング128が上昇すると(図12Bから12Cへの動作)支柱127は突出部129に逆らって動作し回転可能な部材121を時計方向へ動作させるが、アーム123がそのような回転を防止する。ハウジングが図12C位置に到達すると、支柱127は突出部129を飛び越え突出部129の上の窪み内に位置する。この配置の時、アーム123は回転可能な歯止め121の半時計方向の回転を防止すると同時に支柱127は時計方向の回転を防止し、それにより回転可
能な歯止め121を所定の位置に固定し、ハウジング128の移動可能なカバー122への更なる下方向の動きが防止される。
【0097】
本発明の固定機構の第4の代替態様は、概ね図13A〜13Eに示される可撓性支柱アセンブリから構成される。図13Aにおいて、固定機構は総括的に符号130で示され、移動可能なカバー132に据付けられ、ハウジング135の傾斜表面134の方向に延びる突出部133を有する、垂直な可撓性支柱131(図13D,13E)から成る。
【0098】
表面134のスロット136は、二つの穴、即ち、直径が突出部133の最も広い部分より小さい下部穴137(図13B参照)および直径が突出部133の最も広い部分より大きい上部穴138と連結する。
【0099】
「使用前」位置において、突出部133は下部穴に位置する。ハウジングが「使用中」位置(図13B)の方向へ動作すると、可撓性アーム131は突出部133が上部穴138に到達するまで後ろへ曲げられ、突出部133が上部穴138を通って動作する時所定の位置へ跳ね返る。
【0100】
「使用後」位置への動作中、突出部133はスロット136により拘束され、アーム131は、突出部133が、突出部133が跳ね返る(しかし通過しない)穴を備える下部穴137に到達するまで前に曲げられる。アーム131は若干前方向に曲げられたままなので、これは突出部133を効果的に下部穴137に捕らえ、それにより機構は図13Cに示されるように、永久に「使用後」配置に保たれる。
【0101】
図14において、前述した態様と多くの点で等しい本発明による他の薬剤供給装置を示す。装置140は、保護上部カバー141、ハウジング142、移動可能なカバー143,供給針144、フロー調節室145、及び三つの位置固定機構146を有する。
【0102】
図14の薬剤供給装置140の内部空間は、ダイアフラム148が示される位置にある
時拡張室147を形成し、ダイアフラムが149で点線で示される位置にある時貯蔵室を形成する。拡張室147は最初空気で満たされている(図14は装置の、薬品が充填される前の使用前配置を示す)。 従って、貯蔵室はほぼ容積がゼロである。拡張室147は解放バルブ150を介して大気と通じている。
【0103】
液体薬剤が1回の充填を介して貯蔵室に充填される時、ダイアフラム148は位置149に下方向に動作し、貯蔵室は空気が充満し、拡張室147はその容積が減少するにつれて空になる。拡張室147は大気と通じているので、最初室147に充填される空気は使用者の行動の必要性なしに、バルブ150を介して大気中に排出される。
【0104】
さらに、貯蔵室は最初ほぼ容積がゼロなので、特に特定の方向に充填する必要性がない。先行技術による装置は、供給を開始する前に薬剤供給から全ての気泡を確実に排出するため、注意深い充填を必要としているが、図14の装置の薬剤経路における空気は、貯蔵室と針144の間の、この装置の短く狭い部分にあるのみである。従って、薬剤が貯蔵室に注入される時、貯蔵室は直ちにその先にある少ない量の空気を、装置140の方向に関わらず、狭い空間を通って針144の方向へ押す。針144の端から一滴の薬剤が出るまで薬剤を充填することにより、流体路に空気が残留していないことが確実となる。
【0105】
装置140が薬剤で充填される時、ダイアフラム148は符号149に示される位置にあり、バルブ150は開いている。しかしながら、移動可能なカバー143が皮膚にあてがわれた時、またハウジングが下方に押された時、バルブ150は閉鎖しバルブの閉鎖はスイッチ151を動作させ、電解セル152(後により詳細に説明する)によりガスの発生が開始される。
【0106】
装置140はその後、図15に示される「使用中」配置になり、貯蔵室147には薬剤が充填され、ダイアフラム148は149位置にあり、バルブ150とスイッチ151は閉鎖し、電解セル152はガスを発生させるため動作し、そのようにして供給針144を介して貯蔵室から患者への薬剤の供給が開始される。
【0107】
バルブ150は移動可能なカバー143に連結した係合手段153によって閉鎖される。移動可能なカバー143がハウジング142の方向へ動作すると、係合手段153がバルブ150に嵌合しそれを深く押して拡張室147(ダイアフラム149の下の領域)を大気から封止する。ガスが電解セル152によって発生されると、それは貯蔵室147に圧力を加える。
【0108】
固定機構146の色のついたプラスチック部材154の形成部分は、装置140が図15に示される配置の時に保護上部カバー141の穴155を介して突出する。色のついた部材154は装置140が作動していることを視覚的に示す。
【0109】
図16は、ハウジング142(図15参照)の下部156の詳細な図である。下部分156は、電源157と、電解セル158を収容し、両方ともプリント回路基板(PCB)159に据付けられる。PCB159は、例えば供給率を変化させるため、ガス発生率が高すぎる時供給を呈するため、又はその他のいかなる必要性によっても装置140の作動を制御するために、必要に応じて制御回路が備えられる。示される態様において、装置140は高度な制御回路を必要としない、使い捨てのシングルレート(single−rate)装置であるが、より精巧な装置ももちろん本発明の範囲内である。
【0110】
円筒状の排出口160が部分156に形成され、これはバルブ150にバルブ基底部を与える。図15に示されるように、バルブ150が上方向の排出口160内に押されると、それにより気密シールが形成される。バルブ150の窪み161は係合手段153(図
15)を強力に収容し、上述されるようにハウジング142を移動可能なカバー143に押し下げるための力は、係合手段153をバ
ルブ150に押し込むに十分である。この設計により、装置140は、ハウジング142を移動可能なカバー143から引き去り、「使用後」配置にすることにより皮膚から除去され、それにより係合手段153(これは永久に移動可能なカバー143に据付けられ、またこの段階ではバルブ150に押し込まれている)は、バルブを開くためにバルブ150を下に、排出口160の外に引き下げる。この設計の使用では、もし装置140が除去された時に貯蔵室147が空でない時、およびもしガス発生が連続する時は、ガスは薬剤をさらに針144を介して動かすのではなく排出口160から出る。
【0111】
上述されるように、バルブ150が閉鎖すると、固定端子162と振動端子163から構成されるスイッチ151(図15参照)が作動する。これは、電源157を電解セル158に接続することにより回路が完成する。装置140が皮膚から除去される時バルブ150が引き下げられると、支点164を中心に回転する振動端子163の弾性のためスイッチ151は自動的に断絶される。従って、バルブ150の開口は概ね余分な特性であり、もしスイッチ151が自動的に断絶しない時(不要な供給の連続、又はもし貯蔵室147が既に空の場合は、装置140の内部のガス圧の上昇を招く)、安全な特性として重要である。
【0112】
電解セル158は(図17,18も参照)、電解セルの内部空間166を形成する本体165から構成され、内部空間166を通って一対の電極167が通過し、各電極は電源157の端子に接続される(図16)。内部空間166は一対の疎水性のフィルタ168,169によって上部と下部が包囲される。これらフィルタ168,169は、電解セルを保持するが、セル158で発生したガスを拡張室147に放出する。疎水性のフィルタ168,169は、ガスが位置に関係なくガス発生装置の外へ移動するように、本体165に位置される。本体165の上部、下部は、基底部170が備えられる。フィルタ168,169は、基底部170内で本体165の上部と下部に置かれ、その場所で封止される。好ましい実施態様において、本体165は、浸透性を最小にするため押し出し成形された高密度ポリエチレン(HDPE)である。
【0113】
セル158はその後、上部と下部をアルミホイル層171,172で封止される。ホイル層171,172により両端が封止された接続セル174により、上部ホイル層に穴があけば、ガスは疎水性フィルタ168,169を通って排出することができる。基底部170に隣接する間隔により、ガスは疎水性フィルタ158,169を通って排出し接続セル174に到達することができる。ホイル層171は、振動端子163(図16参照)に付設されるスパイク175により穴があけられる。従って、装置140が作動すると、ホイル層171は穴があけられセル158は開封される。疎水性フィルタ176(図17参照)もまた本体165内に付設され、セル158が注入によって電解質により充填されることを可能にする。
【0114】
図19,20において、本発明の更なる実施態様180を示す。この実施態様は、装置180が使用後皮膚から除去される時にバルブ部材181が移動可能なカバー182によって保持されない点のみにおいて、図14〜18の実施態様と異なる。しかしながら、バルブ181はそれでも、使用者に受容された時内部空間183が拡張室によって完全に占有され、装置180が薬品で充填される時ダイアフラム184が185に示される位置に動作するという、主な目的を達成している。これは、充填時に貯蔵室に気泡が閉じ込められず、貯蔵室はそれ故素早く簡単に充填できるという意味である。
【0115】
図21に、図1と同様の本発明による装置190を、充填アダプター191と薬剤含有カートリッジ192と伴に示す。カートリッジ192は円筒形で、その一端193で閉鎖
しエラストマーストッパー195により他端194が封止され、エラストマーストッパー195はカートリッジ192に嵌合可能に据付けられる。カートリッジの液体充填内部空間196は封止されているため、ストッパ195は、圧縮できない液体の性質によりどちらの方向への動作も防止される。
【0116】
アダプター191は、カニューレサブアセンブリ198が取付けられたハウジング197を有する。サブアセンブリ198(図22参照)は、二つの半分体200,201に成型されたプラスチック体199を含み、これは一体に集合すると両端穴の針又はカニューレ202を所定の位置に締付ける。
【0117】
装置190には、アダプター191を受容するためのソケット203が設けられる。アダプター191の端部上の円筒上の突出部204はソケット203に嵌合するよう設計され、同様に、アダプター191の装置190への据付け前、及び後のけがを防止するためカニューレ202を隠す。ソケット203に据付けられた自己封止貫通プラグ205は、導管206と貯蔵室のインレットに至る(図1参照)。
【0118】
サブアセンブリ198は、肩208が、チャンネル207を定義する構造体209の端に接するまで内側に押され得るように、アダプター191のチャンネル207内に据付けられる。この時点で、カニューレ202はプラグ205を貫通し、カニューレ202と装置190の貯蔵室の間の連絡を可能にする。使用時には、カートリッジ192はアダプター191内に押され、それにより、ストッパ195によりサブアセンブリ198が内方向へ押されカニューレ202がプラグ205を貫通する。サブアセンブリ198はそれ以上内方向へ動作できないため、更なるカートリッジ192のアダプター191への押しによりカニューレ202はストッパ195を貫通し、ゆえに薬剤充填空間196を装置190の貯蔵室と間接的に連絡させる。
【0119】
ストッパ195はその後、サブアセンブリ198に保持され、更なるカートリッジ192の内方向への押しによってストッパ195(静止状態)はカートリッジ192(序々にアダプター191のない側に収容される)に対して動作し、続いてカートリッジ192の含有物がカニューレ202を通り装置190の貯蔵室に送られる。
【0120】
これは、カートリッジ192がアダプター191内に殆ど押し入れられ後の状態を示す、図21に断面平面図が示される構成要素の断面図である図23に最もよく図示される。この時点では、ストッパ195(プラグ205を貫通するカニューレ202により貫通される)は、カーアトリッジ192の端203に殆ど到達している。
【0121】
アダプター191は、突出部204の嵌合によってのみソケット内に保持されるだけでなく、解除可能な固定機構210によっても保持される。解除可能な固定機構は、装置190の穴211と、アダプター191の弾性留め具212から成り、弾性留め具212は装置の所定の位置にアダプターを強固に保持するため図23に示される位置に偏倚している。アダプター191と装置190はキットの形で一緒に販売されることが好ましく、選択的にアダプターが既に装置に据付けられていることが好ましい。
【0122】
カートリッジ192が深く完全に押された時、カートリッジ192はアダプター191の壁214の傾斜部分213に働きかけて弾性留め具212を押し、これは壁214の下方向への拡張となる。これは固定機構210を取り外し、アダプター191は装置190から除去される。
【0123】
図24は、カートリッジ192が留め具212を取り外し、それが穴211から後退した後のキットを示す。これは、突出部204をソケット203から引くことにより、アダ
プター191が装置190から除去されるのを許可し、プラグ205が自身を封止し、それにより装置の貯蔵室が絶縁される。
【0124】
留め具212はカートリッジ192が完全に空になった時(ストッパがカートリッジ192の閉鎖端193に押された時)のみ取り外されるため、毎回貯蔵室がちょうど正確な量の薬剤が充填されていることを確認することができ、それにより人的誤りを除去し、キットは家庭での使用により適したものにされる。
【0125】
さらに、カニューレ202の両端は常に隠されているため、アダプター191はけがの危険性なしに安全に廃棄することができる。アダプター191により、使用者はいかなる時でも流体路の構成要素を取り扱うことがないため、薬剤は確実に滅菌された状態で貯蔵室へと移送される。
【0126】
図25は、総括的に符号220で示される、本発明による装置の他の代替態様を示す。この態様は、ハウジング221から直接針が延びる代わりにハウジング221から管222が延び、管222が連結器223を使用前に針が固定され得る所で保持する。装置220は、管222が静脈に針を正確に位置づけることができるため、静脈薬剤供給には適切である。
【0127】
図26は、総括的に符号230で示される、代替静脈態様を示す。この態様において、移動可能な下部のカバーは省かれ、装置はハウジング232の下面に位置する接触スイッチ231により作動する。装置が皮膚にあてがわれると、スイッチ231は内方向に押され(図26に示される位置)、それにより電気回路を閉じて、前記の方法によりガス発生電解セル233を作動させる。前記の装置により提供されたスナップ動作は、針の皮膚への貫通に要求されず、カバーは装置の他の機能を妨害することなしに省くことができる。
【0128】
図27は、本発明の上述の装置に使用されるエラストマーダイアフラム240を示す。ダイアフラム240は、本発明の他の薬剤供給装置にも使用することができる。ダイアフラム240は図27にて、貯蔵室が空(例、図6)の時と同様、緩和された配置が示される。この配置において、ダイアフラム240は、平面部分242を囲む斜面部分241を有する切り株状の円筒形で、口243が斜面部分241がある(口243は、ダイアフラム240を薬剤供給装置のハウジングに取り付けるため使用される)。
【0129】
図28は、貯蔵室が満杯(例、図1)であるダイアフラム240の配置を示す。この配置において、中心部分242はなお平面で、周辺部分241はほぼ逆U形である弓形カーブの断面を有する。
【0130】
ダイアフラム240は双安定で、図27又は図28の配置のいずれにおいても安定である。しかしながら、貯蔵室満杯(図28)配置から貯蔵室空(図27)配置に動作する際、エネルギーを殆ど必要としない事実により、特別な利点が見出されている。
【0131】
多くの双安定な配置と異なり、安定な配置間の動作に最小限の力のみ必要とする。多くの双安定な配置では、一つの配置から、蓄積されたエネルギーの量が比較的高い中間点配置に動作するのにかなりの量のエネルギーが必要とされ、その後は蓄積されたエネルギーが放出され移動が完了する。ダイアフラム240は、配置間でさっと動くのではなく円滑な移動をする。しかしながら、力を一定に作用することが期待できない完全に曲げやすい本体とは対照的に、ダイアフラム240は、配置間の動作に制約されているためその動作は信頼できる。これは、予測できる動作様式は、双安定配置間の移動に実際に影響する最小限のエネルギー消費と組み合わされるという意味である。
【0132】
エラストマーダイアフラム240(及び代替態様に示す他のもの)と、フロー調節室35のフローダイアフラム26はエラストマーである。この材料として二つの好ましい原料がある。一つは、バーネイラボラトリーインコーポレイテッド社(Vernay Laboratories,
Inc. )[ オハイオ州イエロースプリングス] (材料番号:VL911N7)製の、ブロモブチル化合物である。二つには、ブライアントラバー(Bryant Rubber )製の、エチルプロピレンジエンモノマー(「EPDM」)材料番号Bryant850−55である。
【0133】
これら二つの材料を使用するいくつかの利点がある。第1には、この材料はデュロメーターが低いため柔らかさが残る。さらに、この材料はダイアフラムに空気を寄付けず、わずかなエネルギーで一つの安定な配置から他方の配置へ偏向する。加えて、これらのエラストマーは貯蔵期間が長い。他の長所としては、特性を劣化することなしにガンマ線に耐えることである。上述するように、ガンマ線はいくつかの滅菌処理にて使用される。これら材料のガンマ線に耐える能力は、これらの材料が装置内にて組み合わされ滅菌されることから非常に重要である。
【0134】
図29は、特に利便性の高い、又は本発明による薬剤供給装置の、制御回路の回路図である。この回路250において、全ての記号はこの技術の通常の意味を持つ。表示される構成要素は、電源B1,スイッチS1(装置を人体にあてがうことにより作動する)、固定抵抗R1〜R6、R9〜R10、可変抵抗器R7、R8、コンデンサC1、トランジスタQ2〜Q6、測定端末TP1、TP2、発光ダイオードLED、及び電解セル、又は他のガス発生装置を表す負荷U1である。参照番号251は、電流駆動装置として機能する回路250の一部分を表し、参照番号252は、誤回路として機能する回路250の一部分を表す。
【0135】
電解セルU1を通る電流は、R7、R8(装置の検量、又は供給率を定めるよう調整された)から成る可変抵抗を横切る電圧降下を決定する。この電圧降下は参照抵抗R1を横切る電圧降下を有する電圧降下と誤回路により比較され、それ自身はLEDを横切る電圧降下に依存する。抵抗R1の値は、正確な電流がセルU1を通って流れるとき抵抗R7とR8を横切って測定された降下と等しいよう値が決められる。
【0136】
もし抵抗R7とR8を横切る電圧降下が、抵抗R1を横切って測定された定電圧より低い場合は、これは即ちセルU1を通る電流が低すぎる(例、電源がなくなるため、反応物が消費される際の電解セルU1の内部抵抗の変化、など)ことを示すのであるが、誤回路252は駆動装置251の電流を増加し正確な値に強制する。実際には、誤回路252は継続して電流が正確な値から逸れていない事を、一定のフィードバック作動によって確実にする。
【0137】
回路250のトランジスタの各々は、シリコン基板バイポーラトランジスタである。バイポーラトランジスタの使用による利点は、それらが驚くべき程ガンマ線に耐え、その程度は他のタイプのトランジスタよりもはるかに大きいことである。半導体としてのシリコンの使用は必須ではないが、この材料は現在他の多くの半導体よりも高価でない。そのトランジスタ、又は各トランジスタがバイポーラトランジスタである回路を使用することにより、回路、さらには装置全体が製造後、装置を滅菌する手段として、強いガンマ線を照射することができることが見出された。従来の集積回路は装置を素早く滅菌するために必要な強い放射により破壊される。
【0138】
例えば、ガンマ線の2.5M ラド(25kJ/kg)の一回の照射が、装置を滅菌するために必要である。そのような過酷な条件に耐える回路の設計の努力において、我々は米国スペースシャトル飛行のような、宇宙飛行に使用される電子構成要素に関するデータを調査した。スペースシャトル上で測定された吸収照射量は、約0.4〜0.5M ラドであ
ったため、同じ程度の放射抵抗は必要ないことが判明した。
【0139】
通常は、全ての電子構成要素は、照射を受けるとある程度劣化する。しかしながら、できる限り照射に抵抗のある、また所定の放射量を受けた後の性能が予測できる構成要素を選択することにより、強いガンマ放射に耐え、予測される方法にて機能する回路を設計することは可能である。
【0140】
特に、高いゲイン(例、少なくとも600の、しかし好ましくは800又はそれ以上の電流ゲイン)を持つバイポーラトランジスタを使用することにより、照射が前もって補償され得る後、電流ゲインの降下が見られた。このゲインの降下は10倍以上の規模であり得、しかし前もって十分に予測することができる。さらに、十分低い電流値を使用することにより、照射の結果として発生したトランジスタのシリコン連結における電圧降下は、性能にわずかに影響するのみである。
【0141】
更なる長所は、発光ダイオードを誤訂正回路に使用した参照電圧の基礎として使用した回路の使用により得ることができる。これは、LED参照源がガンマ放射により影響されないからである。使用されたLEDは、ガンマ放射の抵抗が特によいことが発見された砒化ガリウム(GaAs)基板のLEDである。
【0142】
以上の事から、使用された構成要素と回路はガンマ線照射にとって適している事がわかり、それ故それらは使用時における性能が十分に予測できる。組立てられた装置がガンマ放射により滅菌されるため、より効率よく製造過程を完了することができる。
【0143】
図30は、本発明による装置の、移動可能なカバー160形成部分の上面の斜視図である。図31は、カバー160の下面の斜視図である。このようなカバーは、例えば図4〜8の実施態様に関連して上に概ね記述されている。
【0144】
カバー160には、上述したような固定機構の形成体161の形成部分が設けられ、使用時に供給針が中を通って突出する穴162を有する。カバー160は蝶番形成体163も有し、これは、上述したようにハウジングに関して第1と第2の位置の間でカバーの変位を可能にする。
【0145】
カバー160は、皮膚に対する装置の保持を改良する形状であり、従って上側164(図30)は凸状であり、使用時に針が突出する下側165(図31)は凹状である。したがって、装置が主体の皮膚にあてがわれた時、カバー160は皮膚とより接近して一致するため装置は除去されにくくなる。カバーの縁が皮膚から離れる可能性が低いため、装置は使用者の意識に力を加えないで皮膚から剥がれる可能性は少ない。
【0146】
図32Aは、皮下薬剤供給装置内の電気回路250の好ましい代替態様の略図である。回路250は、図29の完全な回路と取り替えたものである。薬剤を一定の率で提供するために、供給系254は一定電流を必要とする。この電気回路は、滅菌中ガンマ放射に感応するトランジスタのような構成要素を使用せずに、電解セルに供給される電流を安定化する。ガンマ放射は、医療装置の滅菌の標準的方法である。電解セルに供給された一定電流により、所望の一定の供給率を提供するガスの容積が決まる。この回路は、従来の態様より大きな電圧を使用し、また例えば、直列抵抗のような電流安定抵抗要素を使用する。図32Aは、電流安定装置256により薬剤供給系254に連結された一対の電源253を有する電気回路250を示す。電気回路250の電源253は、例えば1.5又は3Vの電圧を有する例えば1〜3個の電源を有するが、1〜3個に制限されるものではない。図32Aは2個の電源を有する態様を図示する。電流安定装置256は、電流回路250を検量し、皮下薬剤供給装置のため適切な電流を提供する。電気回路250もまた、スイ
ッチ255を含むことができる。
【0147】
先の段落に記述される代替態様において、電流安定装置256は、単一の抵抗、又は一方図32Aに示されるような代替として使用することができ、この電流安定装置256は、直列に接続された二つの抵抗260を含む。好ましい態様において、二つの抵抗260は等しい抵抗値を有する。複数の抵抗260の使用は、偶発的な抵抗の短絡の結果により電流を減少させることができる。一つの抵抗での短絡状態による供給系254の最大供給率は、通常の二倍のみである。電源電圧の変化と電気回路250の抵抗の変化は、回路250の電流特性を変化させることができる。一実施態様において、回路250で使用する電圧及び電源の数を選択することにより制御することができる。好ましい態様において、図32Bに示されるように、電流特性257は時間に関らず一定である。
【0148】
皮下薬剤供給装置は、閉塞防御機構をも含むことができる。図33A〜33Fは、望まない薬物ボーラス(大量瞬時投与)の供給が起こる可能性のある薬剤供給系を概略的に図示する。図3Aは、ガス室264、薬剤室266、可撓性ダイフラム265、及び針270を有する供給装置262を概略的に示す。もしガス室264の背圧が一定であれば、ボーラス供給の危険性は低下する。ガスは、ガス発生装置により一定の率で生成される。ガスが生成されると同時に、薬剤室内の薬剤は、装置262内を一定の圧力を保つため常に流れる。図33Bは、薬剤供給が時間に関らず一定であることを示す。
【0149】
図33Cは、供給装置262の針270で発生する閉塞268を示す。一度閉塞すると、ガス室264の圧力は、ガス発生装置がガスを発生し続け薬剤室266内の薬剤が流れないので上昇する。図33Dは、閉塞による時間に関らない薬剤の供給の減少、又は終結の結果を示す。ガス室264の圧力は、閉塞に打ち勝ち除去するに十分高いレベルに到達することができる。閉塞が除去されると、薬剤室264内の薬剤はガス室264内の背圧と薬剤室266内の圧力が等しくなるまで素早く流れることができ、それにより薬剤のボーラス供給がなされる。
【0150】
図33Eと33Fは、閉塞が除去され圧力が平衡に達した時の、薬剤供給と時間との関係を図示する。濃縮の大きさは、閉塞の持続時間と閉塞なしの通常のフロー率とに依存し得る(ボーラスの容積=閉鎖時間* フロー率)閉鎖持続時間はガス発生率とガス室264内のガスの容積に依存する。皮下薬剤供給装置が閉塞前作動していた時間が長い程、室264内のガスの容積は大きくなり、閉塞268を除去するため圧力を上昇させる時間が長い程、ボーラスは大きくなる。図33Fは、閉塞が針から除去され圧力が平衡した時の、薬剤供給系の素早い流れの図である。
【0151】
図34Aは、薬剤供給において一定で比較的高い圧力レベルを形成することにより作り上げられた、薬剤供給装置262内のボーラス防止機構272である。好ましい態様において、機構272はバルブ274である。バルブ274の使用は、ガス室264内で一定の高さの圧力276を作り上げ、一方供給装置262の針270内で低い圧力278を保持する。針270内の高い背圧276、及び低い圧力278は、長い時間に渡り供給装置262の閉塞による詰まりを防止することができ、従ってボーラスの形成と供給を最小限にし、又は好ましくは防止する。高い背圧276が、薬剤の皮下供給に必要な圧力よりも高い限りは、薬剤の流れは反対に影響されない。図34Bは、本発明の薬剤供給装置におけるボーラス防止機構の使用により作り上げられた、時間に関係ない薬剤の安定した供給の図を示す。
【0152】
皮下薬剤供給装置282の好ましい実施態様は、図35に示される光学窓280を含み、これは装置282内に含まれる薬剤の供給時を使用者に示す。薬剤は一般に、薬剤が貯蔵室に満ちるにつれハウジングから遠ざかるプラスチックハウジングとエラストマー薄膜
、又はダイアフラムの間に含まれる。薬剤供給装置が薬剤を含まない時、エラストマー薄膜はハウジングに隣接している。光学窓280はハウジング上に位置している。薄膜がハウジングの隣接にある時、エラストマー薄膜からの光の直接反射の光学的効果により薄膜の色は明らかに可視、例えば青となる。しかしながら、貯蔵室が満杯の時は、光は薬剤室内で散乱し、黒色が現れる。好ましい実施態様において、光学窓280は光が入り込む円形構造であり、また薄膜の色と一致する一対の不透明な部分284と光が入り込む透明な環状のリング部分286を有する。リング構造は、薬剤供給の量のより正確な評価を提供する。図36A〜36Cは、薬剤供給装置の貯蔵室における流体の量を使用者に指示する、窓を通した薬剤供給中の光学路の変化を示す。
【0153】
図36Aは、ダイアフラム288により区切られた貯蔵室290と、貯蔵室ハウジング要素292を図示するものである。貯蔵室ハウジング要素292は、不透明部分284と透明部分286の両方を含む薬剤窓280を有する。好ましい実施態様において、色のついた部分284の色とダイアフラム288は同一であり、例えば色のついた部分284とダイアフラム288は薄水色である。薬剤供給の開始時に、薬剤貯蔵室290は患者に提供される薬品が満杯であり得る。貯蔵室290が満杯の時、光学窓280の透明部分286は、色のついた部分284およびダイアフラム288の色とは異なる色に見える。一つの実施態様において、透明部分286は黒に見える。
【0154】
図36Bは、薬剤供給が部分的に完了した後の、薬剤貯蔵室290を図示するものである。薬剤供給のこの段階では、ダイアフラム288は部分的に光学窓280と接触し、透明部分286の一部分を妨害し得る。このような妨害は、透明部分286の一部分の外観を光学的に変化させる。即ち、透明部分286は黒く
見える代わりに、色のついた部分284と同じ色に見える。このような色の変化は、使用者に薬剤供給が部分的に完了した事を示す。
【0155】
図36Cは、薬剤供給が完了した後の薬剤貯蔵室290を図示するものである。薬剤供給のこの段階では、ダイアフラム288は完全に光学窓280と接触し、透明部分286全体を妨害し得る。ダイアフラム288の透明部分286との接触は、透明部分286の色の外観を光学的に変化させる。即ち、黒に見える代わりに、ダイアフラムは可視になる。透明部分286の色の完全な変化は、使用者に薬剤供給の完了を示す。
【0156】
他の好ましい実施態様において、薬剤供給系は使用者に適切な使用と作動を指示する光学表示物を含む。光学表示物は、例えば、色マーキング系であり得る。色マーキング系は、使用前に系から除去するべき薬剤供給系の構成要素を使用者に表示するため使用され得る。色マーキング系は、また使用者に薬剤供給系が正確に適用されているか、又は作動しているかを指示し得る。好ましい態様において、色マーキングは、例えば黄色である。色マーキングは薬剤供給系の構成要素に直接的に適用され得るか、又は色のついたラベルの形で適用され得る。
【0157】
一つの態様において、皮下薬剤供給装置の充填アダプター又はシリンジアダプターは、供給装置を作動する前にアダプターを除去するべきか支持する、そこに取り付けられる黄色のラベルを有することができる。他の態様において、供給装置の基部は(例えば、プラスチック中の染料)カバーの色とその対比色で生成され得る。使用中、供給装置のカバーは蝶番を使用して、基部の小さな部分を除く全ての基部とカバーの方向へ動作することができる。色のついた基部のコントラストの消失は、使用者に薬剤供給装置が正確に適用され作動されたことを表示することができる。一般に、薬剤供給装置が正確に適用され開始する時、色生成、又は色ラベルを含む装置の部分はいずれも、使用者から見えない。
【0158】
他の好ましい実施態様において、皮下薬剤供給装置は、ボーラスの供給、又は使用者へ
の薬剤の素早い注入を防ぐため、図37Aのような感圧機構を含む。スイッチ300は、薬剤供給装置内の圧力の増加の結果による薬剤の素早い注入を防ぐことができる。スイッチ300は針が遮断されることを原因とする薬剤供給装置内の圧力の増加を避ける助けになり得る。スイッチ300は、図32Aに示すように、回路250の一部を形成することができ、これは薬剤供給装置のガス発生部分への電力供給を制御する。
【0159】
スイッチ300の一つの実施態様を図37A〜37Cに示す。この実施態様において、回路308の一部であるスイッチ300は導電性薄膜302と導電性レバー306から構成され、図37Aに示すプリント回路基板159上に位置する。スイッチ300は、図37Bと37Cに示されるように、導電性薄膜302によって封止された室304を有する。室304は正確な量の、例えば空気のようなガスを含有し、圧力に影響されず、固体絶縁体と呼ばれる電気的に絶縁性の固体材料製であり得る。薄膜302は、立ち上がった環状部分を有し、それにより薄膜は室304と拡張室14の間の圧力差によって曲がることができる。レバー306は、作動中薄膜302に持たれかかるように設計されている。導電性のレバー306が導電性薄膜302と接触すると、回路308は閉鎖し得、それにより装置のガス発生部分が作動する310。供給系のガス発生部分内での圧力が、室304内での圧力より低い限り、レバー306は薄膜302と接触し得る。
【0160】
針の遮断などの原因で薬剤供給室内の圧力が増加する状況では、ガス発生部分内の圧力は、室304内の圧力より高いレベルに増加し得る。薬剤供給室と拡張室14の圧力が増加する状況では、室304内の圧力は拡張室14に対して低く、薄膜302は図37Bに示されるようにレバー306から接触が押し離される。結果として、レバー306はもはや薄膜304と電気的接触がなく回路は開放され、従って装置のガス発生部分の電源が切られる。これは、次に、圧力の蓄積と、ボーラスの供給の可能性を止める。導電性薄膜又はレバーは、例えばアルミニウム、又は銅製であり得る。
【0161】
図37Dは、図32Aに示される回路256の部分として回路308を図示するものである。スイッチ300は、スイッチ255と直列である。スイッチ255と300の両方は、ガスを発生させるため閉める必要がある。スイッチ300は通常閉められ、スイッチ255はガス発生を開始するため閉められる。上記するように、スイッチ300は、遮断を原因とするような、圧力が電流レベルに増加した場合のみ開放する。
【0162】
図38Aは、感圧機構300の代替実施態様を図示するものである。この実施態様において、スイッチ300は、室304上に据付けた絶縁薄膜314と薄膜314と組み合わされた導電性糸(thread)316を含む。ガス発生部分の圧力が室304内の圧力より低い限り、糸はそのままの状態を保ち、それによりガス発生のための回路が閉鎖し、オン位置310に残る。図38Bに示すような、薬剤貯蔵室の圧力増加の状況では、ガス発生部分は室304内の圧力より高いレベルに増加し得る。この圧力差により、薄膜314は室304内に沈下し、それにより糸316が切断される。この切断によって回路308は開放し、それによりガス発生装置のガス生成が防がれ、薬剤貯蔵室内の圧力の増加が防がれる。前述の態様とは異なり、一度回路が開放すると回路は再び閉鎖しない。即ち一度薄膜が押し下げられると、糸が切断される。
【0163】
図39A〜39Cは、感圧スイッチ300の他の好ましい態様を示すものである。図39Aは、一部が切り離されたスイッチ300の拡大斜視図である。図39Bと39Cは、スイッチ300の概略である。この態様において、スイッチ300は、カプセル319内に延びる一対の電極318から形成される。回路308に接続した各電極318は、大きな室304に開放するチャンネル内に位置する水銀液滴と接触する。水銀液滴320は、ガス発生部分の圧力が室304内の圧力より小さい限り接続間の電流を保つ。このような接触により回路308は閉鎖し得、それにより作動のためのガス発生310が起こる。図
39Bに示される薬剤貯蔵室内の十分高い圧力の元で、室304内の圧力は供給装置のガス発生部分内の圧力より低くなり得、それにより水銀液滴320は室304の方向へ、電極318から離れる方向へ動作する。水銀液滴は、ガス発生部分と室304の間の相対圧力に応答する。このような動作は、回路308を開放し、それによりガス発生装置のガス精製と薬剤供給室の圧力の増加が防がれる。
【0164】
第1の態様、図37A〜37D、及び第3の態様、図39A〜39Cの両者は、もし圧力が平衡すると再び閉鎖する機能を有する一方、圧力は減少せず、従ってスイッチが開放すると開放したままであり、ガス発生装置の電源は再生しないと予測される。
【0165】
皮下薬剤供給系の他の好ましい態様は、装置の製造中の耐性と、従って誤差を減少する機構を含む。製造中、特定の構成要素は特別な耐性が必要である。装置が組み立てられるとき、もし各構成要素の耐性が著しい場合、内部ハウジングの容積は特定の所望の範囲外になる可能性がある。従って、不活性な、例えば装置の内部構成要素を受容する発泡樹脂挿入物は正確な内部容積を保持するので、組み立てられると、内部ハウジングの容積と、さらに薬剤貯蔵室が正確な範囲内になる。
【0166】
皮下薬剤供給装置322は、図40に示される。装置322は、カバー324と基部326を有し、内部構成要素328を収容することができる。装置322はまた、カバー324と内部構成要素328の間に内部容積330を有することができる。装置の製造中、基部326、カバー324、及び内部構成要素328は特定の耐性で製造される必要がある。構成要素の耐性により、内部容積330は特定の範囲の外側であり得る。耐性によるいかなる変動性をも除去するため、装置322内にて必要な正確な薬剤供給室12を保持するため挿入物332が使用できる。挿入物322は、内部構成要素328を供給装置322のカバーの方向へ強制する。これは、製造中の組み立て誤差を除去し、装置322の内部容積330を正確で許容可能な範囲にすることができる。内部気体の容積330は、貯蔵室12と拡張室14を定義する内部室と、デッドエア容積と呼ばれる、構成要素と拡張室14の下部の間の気体の容積を含む。デッドエアはまた、注入後のダイアフラムの下部の残留気体として定義されることができる。一態様において、挿入物332は曲げやすい材料である。好ましい態様において、挿入物332は、閉鎖する発泡樹脂であり、気体のポケットと泡は封止されるのでデッドエア部分を形成しない。装置322の内部容積330は、薬剤貯蔵室として使用することができる。
【0167】
他の実施態様において、薬剤供給装置336は、図41Aと41Bに示される作動レバー334を含むことができ、これは拡張室においてガス発生を開始し、次に装置から薬剤の供給を制御する。作動レバー334は穿刺装置340と電気接点342を含む。薬剤供給装置336は、作動レバー334の隣に据付けた電解セル338を含む。プリント回路基板上では、電解セル338は、セル338内にて化学成分を保つため、例えばアルミニウムホイルのようなホイルカバーを有する。ホイルなしでは、電解質の水成分が貯蔵時に蒸発する可能性があり、装置336の性能に悪影響を及ぼす。作動レバー334は、旋回軸344によって薬剤供給装置に据付けることができる。作動レバーの穿刺装置340は、降下することで電解セル338のホイルカバーを突き刺すことができ、それによりセル作動により発生したガスを排気して拡張ガス室を拡張させ、供給装置336の薬剤貯蔵室を圧縮する。作動レバー334の降下によって、レバー334上の電気接点342は、装置336のプリント回路基板上の端子346と係合し、薬剤の供給が開始される。レバー334の端子342は、不定時間の間端子346の一つを動作させ他方の端子346と係合させることにより、供給装置の二つの端子要素346と連結する。
【0168】
好ましい態様において、レバー334の材料はプラスチックであり得る。プラスチックレバー334は、射出成形技術を使用して、経済的に製造することができる。プラスチッ
クレバー334は、旋回軸344にパチンとはめ込むことにより固定されるのではんだ付けを必要としない。プラスチックレバー334は、薬剤供給装置336の電気接点を形成する時、又は電解セル338のホイルを突き刺す時、レバーが曲がらないよう生産さえ得る。
【0169】
薬剤供給系の他の実施態様は、供給率を、例えば残留気体容積、基部透過度、薄膜封止、及び薄膜透過度などのパラメータによって制御することに関する。特に残留気体容積に関しては、例えば薬剤供給系内に、気体のための空洞を備えることによって気体空間が作ることが出来る。このような気体空間は残留、又はデッドエア容積と見なすことができ、薬剤供給率に影響を与えることができる。残留気体容積が大きくなると、供給率への影響も大きくなる。例えば、温度上昇による気体容積の拡張は、装置の供給にボーラスの効果を引き起こす。残留気体容積は、装置の内部要素の幾何学的な設計特性により制御される。装置内で残量気体体積が高いときは、薬剤供給系の作動と、実際の薬剤供給の開始との間に供給期間を加え得る。
【0170】
図42は、通常の、又は低い残留気体容積条件の元での薬剤供給系の薬剤の供給350と、高い残留気体容積条件の元での供給352のグラフを図示する。高い残留気体容積条件の元での薬剤供給は、系の作動と薬剤供給の開始の間で遅滞する354。設計特性を変更するため供給系内にて残留気体容積を変化させることにより、系内において遅滞は減少、又は除去することができる。
【0171】
薬剤供給系の他の実施態様は、例えば、続いて、薬剤の供給率に影響を与える系の透過度のような、装置の構成要素の材料特性の制御に関係する。透過度は、例えば、装置系の内部構成要素の幾何学的配置を変化させ、また系を製造するのに使用する材料を変化させることにより制御することができる。供給系の透過率を低減することにより、系から拡散できるガスは減少する。系を離れるガスが少ないため、供給率の変動は低減、又は除去される。拡張室のガスへの透過率を最小にすることにより、薬剤の一定の供給率を保持することができる。
【0172】
例えば、PETプラスチックを使用することにより、ガス漏れ率、又は透過度が最小限となる。一方、透過度が高い材料の使用は、薬剤供給系から大量のガスが拡散し、これは薬剤供給率を減少し得る。図43は、低い透過率系における薬剤の供給356と、高い透過率系における供給358とを図示するものである。示されるように、通常の透過率356を有する供給系と比較して、供給359の開始時には高い透過率を生じ、時間が経過するにつれ低供給率360を生じる。
【0173】
薬剤供給装置のパッケージングは実際の貯蔵と、異なる高度と湿度における装置の使用とに関連する、重要な要素であり得る。例えば、装置を適切にパッケージングすることにより、装置の性能にはっきりとした影響を与えずに、装置の貯蔵期間を延長することができる。適切なパッケージングにより、更なる保護をすることなしに薬剤供給装置からガスを発生させる電解セルからの水の拡散などの、装置の内部を環境的影響から防ぐことができる。
【0174】
好ましい態様において、薬剤供給系の気密な包装は、保持期間を延長し、系の気圧バルブと電解セルを単純にする。
前述の態様において、薬剤供給系は、2年間の保持期間中装置を滅菌し保護するためのブリスターとタイベック(Tyvek )ふたを使用してパッケージされる。この実施態様において、タイゲックふたは例えば、制御されない圧力と湿度条件のような大気条件にさらされた時、ガスが透過可能となる。このタイプのパッケージングにより、大気圧バルブ性能の保持と、装置の薬剤蒸発の防止といった問題が発生する。供給装置の大気圧バルブの所
望の性能を保持するため、バルブは二つの状態を有する。一つの状態である貯蔵位置では、バルブ薄膜は動作することができる。もう1つの状態である作動位置では、バルブは薬剤供給系の針に対し圧力を蓄積する。電解セルの蒸発を防ぐため、電解セルはアルミニウムホイルにより完全に保護される。さらに、ホイル封は、作動レバーの使用を必要とする。装置の作動にはこのホイルをセルの周りに挟むことが必要である。好ましい態様において、ブリスターとタイベックふたパッケージングは密閉包装と取り替えることができる。包装を取り替えることにより、バルブ位置と、例えば拡散のような不都合な環境の影響を、内部の特性により保護することなしに解決することができる。
【0175】
図44Aを参照すると、静的バルブ368を備えた代替薬剤供給系362を示す。図14と15に示すような移動可能なカバー143を除いた薬剤供給系362を示す。図44Aの薬剤供給系362の内部空間は、ダイフラム148が示される位置にある時の拡張室147、又はダイアフラムが149の点線で示される位置にある時の貯蔵室を定義する。装置362は、図14〜16に示されるようなこの過程を作動させるスイッチを閉じるための、バルブ150によって連結したスイッチ151を有する。
【0176】
室35が、室の上と下の両方で流体(薬剤)のフローにより動作する、図1〜3、14、15の、空気充填フロー調節室35と異なり、静的バルブ368は動作しない。静的バルブ368は、図3の気密室36とダイフラム26と同様のフローダイアフラム372によって封止された気密室370を有する。しかしながら、この態様のフローダイアフラム372その他の優越性としては、いくつかの前述の態様のような針と連携したインレットを受容する突出部を有しないことである。
【0177】
それと対照して、図44Bを参照すると、フローダイアフラム372は針376の上部を封止する平面の円状部分374を有する。薬剤は、ポート378を通って貯蔵室からフローダイアフラム372の下にある環状室380へ流れる。貯蔵室の圧力と環状室380の圧力は、制御された容積である気密室370内の圧力と等しく、その内部にてフローダイアフラム372と針376の入り口への開口部に圧力をかけ曲げる。この態様において、バルブは静的バルブとなり得、過酷な状況下においてさらに正確でより長い保持期間を有する静的バルブとなり得る。アルミニウム保護層と挟み機構は、セル機能にはもはや必要ない。
【0178】
包装は、図45に図示される。薬剤供給系362は、圧力と温度のような環境的なパラメータの変化に関らず内部圧力を保持するため、ホイル層364と不透過性のブリスター366の間に封入される。ブリスターは、その底面をアルミニウムカバー、又は低透過度のプラスチックで溶接された半剛性の包装である。薬剤供給装置は、窪みの内部に挿入される。ブリスターはPET製である。カバーは、アルミニウムホイル38製であり、溶接のためにH.S.Cの2ミクロン以内である。貯蔵時間の相対圧力による材料を通る漏れは、薬剤供給系の規格書により許可されたよりも少ない影響を与えるよう設計されている。包装の表面積は約0.034m、であり、平均厚さは0.3mmであり、透過因子が約0.4である。これらの寸法から、装置内の圧力は、2年で約3%減少するよう計算される。ホイル層364は、例えば、アルミニウムホイルが使用できる。
【0179】
製造中のパッケージの過圧は、最小限必要とされる圧力を獲得する前に、空気が漏れる時間がより多くかかるため、より長い貯蔵期間を提供することができ、従って貯蔵期間が増大する。
【0180】
薬剤供給装置を包装するための代替実施態様において、装置期間の貯蔵期間を延長するために、第2の包装装置は、ブリスターやタイベックふたのような、第1のガス透過性包装と伴に使用することができる。
【0181】
好ましい態様において、第2の包装装置380は、図46に示されるような、円筒状の容器382であり得る。円筒状の容器382は、例えば、アルミニウム、又はスズの缶を使用することができる。実施態様において、容器382は、図46に示されるような、4個の供給装置パッケージ384か、又はさらなる供給装置包装384を保持することができる。容器382内にて薬剤供給包装384を貯蔵する前に、一つの態様において、薬剤供給装置は、ブリスターとタイベックふたの間に包装され得、その後滅菌される。
【0182】
図47A〜47Cは、第2の包装装置380の代替実施態様を図示するものである。この態様において、示されるように、第2の包装装置は、長方形の容器386である。長方形の容器386は、カバー部分390と基部部分388とを有し、ここで基部部分388は薬剤供給包装384の貯蔵のため使用することができる。図47Aは、閉鎖位置でのカバー部分390の実施態様を示し、図47Bは、カバー390が完全に基部位置388から外れることのできる開放位置でのカバー部分390を示す。代替実施態様において、カバー位置390は、基部部分388に蝶番により取付けることができる。
【0183】
一つの態様において、長方形の容器386は、図47Bに示すように4個の薬剤供給装置384を保持するように設計され得る。他の実施形態によれば、図47Cに示すように、容器386は単一の供給装置384を保持し得る。4個の供給装置を保持する容器386のための容器の寸法は、240mm×148mm×70mmである。単一の供給装置を保持する容器386のための容器の寸法は、120mm×110mm×35mmである。容器386は、プラスチック材料から作られ得る。容器386は、例えば、熱を用いて包装を閉じるためのポリエチレン層で被膜されたアルミニウムホイル層を含むことができる。
【0184】
図48は、総括的に符号400で示される薬剤供給装置の代替態様を示すものである。この供給系は、硬膜下、動脈内、及び硬膜内の投与に適用される。ハウジング402から直接延びる皮下注射針の代わりに、管404が、大気圧バルブ406からハウジング402上へ延びる。カテーテル410は、コレットグリッパー408によって管404に連結される。
【0185】
図49の代替実施態様の薬剤供給装置412は、硬膜下針416からの、ハウジング402内に位置する管418に直接連結する管部分414を有する。管418は、大気バルブ406から延びる。
【0186】
図50Aは、硬膜下針416からの管424を取り付けるためのルアー422を有する薬剤供給装置420を示す。管404は、大気圧バルブ406からルアー422へ延びる。
【0187】
図50Bは、ルアー422を有する薬剤供給装置420を示す。硬膜下針416からの管424はルアー422に取り付けられる。硬膜下針のセットは、濾過のための疎水性の薄膜428を有する。
【0188】
本発明は、いくつかの薬剤を供給するのに使用することができる。ここで使用される用語「薬剤」は、ペプチド又はタンパク質、ホルモン、鎮痛薬、抗片頭痛剤、抗凝固剤、麻薬拮抗剤、キレート化剤、抗狭心症剤、化学療法剤、鎮静剤、抗腫瘍剤、プロスタグランジン、抗利尿剤を含むが、これらに限定されるものではない。
【0189】
代表的な薬剤は、インシュリン、カルシトニン遺伝子調節タンパク、心房ナトリウム排泄増加剤、コロニー刺激因子、ベタセロン(betaseron )、エリスロポイエチン(erythr
ogpoietin(EPO))、a、b、又はgインターフェロンのようなインターフェロン、ソマトロピン(somatropin)、ソマトトロピン(somatotropin)、ソマストスタチン(somastostatin )、インシュリン様増殖因子(ソマトメジン(somatomedins))、黄体ホルモン刺激ホルモン(LHRH)、組織プラスミノゲン活性化因子(TPA)、生長ホルモン刺激ホルモン(GHRH)、第VIII因子、インターロイキン−2のようなインターロイキンのようなペプチド、たんぱく質、又はホルモン、及びそれらの類似体と;フェンタニル(fentanyl)、サフェンタニル(sufentanil)、ブトルファノール(butorphanol )、ブプレノルフィン(buprenorphine )、パベリン(paverin )のような鎮痛薬、及びそれらの類似体と;スマトリプタン(sumatriptan) 、麦角アルカロイドのような坑偏頭痛剤及びそれらの類似体と;ヘパリン(heparin) 、ヒルジン(hirudin )のような抗凝固剤及びそれらの類似体;スコポラミン(scopolamine) 、オンダンセトロン(ondansetron )、ドンペリドン(domperidone )、メトクロプラシド(metoclopramide)のような下痢止め及びそれらの類似体と;ジルチアゼム(diltiazem )、クロニジン(clonidine )、ニフェジピン(nifedipine)、バラプミル(varapmil)、イソソルビド−5−一硝酸塩、有機硝酸塩、心臓疾患の治療に使用する薬剤、のような、心臓血管薬剤、抗高血圧剤、及び血管拡張剤、及びそれらの類似体と;ベンゾジアゼピン(benzodiazepine)、フェノチオジン(phenothiozine )のような鎮静剤及びそれらの類似体と;ディフェロキサシン(deferoxamine)のようなキレート化剤及びその類似体と;デスモプレシン(desmopressin)、バソプレシン(vasopressin )のような抗利尿剤及びそれらの類似体と;ニトログリセリンのような抗狭心症剤及びその類似体と;フルオロウラシル(fluorourachil )、ブレオマイシン(bleomycin )のような抗腫瘍剤、及びそれらの類似体と;プロスタグランジン及びその類似体と;ビンクリスチン(vincristine )のような化学療法剤及びその類似体と;を含む。
【0190】
本発明は、その好ましい態様を参照にして特に図示し記述してきたが、当業者にとって、請求項により包含された本発明の範囲から逸脱することなしに、形態及び詳細を種々に変化することは可能であると理解できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部室を有するハウジングと、
内部室内にあり、内部貯蔵室と拡張可能なガス室とを含む一対の可変な室を形成するダイアフラムと、
拡張可能な前記ガス室を拡張させ、前記内部貯蔵室を圧縮させるガス発生装置と、
薬剤供給排出口と、
前記内部貯蔵室と前記薬剤供給排出口との間の流体路と、
薬剤供給のフロー率を制御するフロー調節装置と、
前記ガス発生装置と電気連結する電流安定要素を有するとともに、ガンマ線照射への暴露に対して安定している電気回路と、
を備える薬剤供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の薬剤供給装置であって、前記電気回路はトランジスタを有さない装置。
【請求項3】
請求項1に記載の薬剤供給装置であって、ガス発生装置は電解セルである装置。
【請求項4】
請求項1に記載の薬剤供給装置であって、前記電流安定要素は一対の直列抵抗である装置。
【請求項5】
請求項1に記載の薬剤供給装置であって、前記フロー調節装置は、前記ガス室内の選択圧力を保持するボーラス防止機構としての絞り装置を備える装置。
【請求項6】
請求項1に記載の薬剤供給装置であって、前記フロー調節装置は、前記内部室の圧力増加を検知する、感圧機構を備える装置。
【請求項7】
請求項1に記載の薬剤供給装置であって、前記ガス発生装置はホイルで覆われた電解セルである装置。
【請求項8】
請求項7に記載の薬剤供給装置であって、前記電解セルのホイルを突き刺すための穿刺装置と電気接点とを有する作動機構をさらに備える装置。
【請求項9】
内部室を有するハウジングと、
内部室内にあり、内部貯蔵室と拡張可能なガス室を分離するダイアフラムと、
拡張可能な前記ガス室を拡張させるガス発生装置と、
薬剤供給排出口と、
内部貯蔵室と薬剤供給排出口との間を定義する流体路と、
ハウジング内の薬剤のフロー率を制御するフロー調節装置と、
前記ガス発生装置と電気連結する電流安定要素を有するとともに、ガンマ線照射への暴露に対して安定している電気回路と、
ハウジングに備えられた薬剤レベル表示物と、
を備える薬剤供給装置。
【請求項10】
請求項9に記載の薬剤供給装置であって、前記表示物は、透明部分と、ダイアフラムから反射した光が透明部分を変えるようダイアフラムの色を近づける部分とを有する光学窓を含む装置。
【請求項11】
請求項9に記載の薬剤供給装置であって、薬剤の供給を表示する視覚表示物をさらに備える装置。
【請求項12】
請求項11に記載の薬剤供給装置であって、前記視覚表示物は適切に搭載された時に隠れる、色のついた構成要素を備える装置。
【請求項13】
請求項11に記載の薬剤供給装置であって、前記視覚表示物は適切に搭載された時に除去される色のついた構成要素を備え、明確な色の該構成要素は、搭載時に見た時に即座に確認できる、装置。
【請求項14】
請求項9に記載の薬剤供給装置であって、ホイルカバーによって覆われた電解セルをさらに有する装置。
【請求項15】
請求項14に記載の薬剤供給装置であって、前記電解セルのホイルカバーを突き刺すための穿刺装置と電気接点とを有する作動機構をさらに備える装置。
【請求項16】
薬剤供給装置の薬剤のフロー率を制御する方法であって、前記薬剤供給装置は内部室と内部室内のダイアフラムとを有するハウジング、フロー調節装置、ガス発生装置及び電気回路を有し、前記ダイアフラムは前記内部室を内部貯蔵室と拡張可能なガス室とに分離し、前記フロー調節装置は内部貯蔵室と薬剤排出口との間の流体路に沿って薬剤の流れを制御し、前記電気回路は前記ガス発生装置と電気連結する電流安定要素を有するとともにガンマ線照射への暴露に対して安定している、前記薬剤供給装置において、
前記電気回路が前記ガス発生装置のガスを発生させることで、拡張可能な前記ガス室を拡張させ、前記内部貯蔵室を圧縮する工程、
から成る方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記薬剤供給装置は、フロー率を制御するために残留気体容積を制御する方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、前記薬剤供給装置は、大気圧や湿度のような環境的条件から薬剤供給系を絶縁するために包装された薬剤供給系を含む方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、前記薬剤供給装置は、挿入装置をさらに備える方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記挿入装置は発泡樹脂である方法。
【請求項21】
内部貯蔵室と拡張室とを有するハウジングと、
患者の皮膚を貫通するためにハウジングから延びる薬剤供給針であって、該針は薬剤供給の為の排出口を有する針と、
供給針放出口と前記内部貯蔵室との間に形成された流体路と、
拡張可能な室を拡張するためのガス発生装置と、
前記ガス発生装置と電気連結する電流安定要素を有するとともに、ガンマ線照射への暴露に対して安定している電気回路と、
を備える薬剤供給装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置であって、周囲状態の変化に応答して容積変化が可能な、前記流体路と連絡した、フロー調節室をさらに備える装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であって、前記フロー調節室は、薬剤の流れを制限するために、前記フロー調節室の拡張によって前記流体路内にて動作する遮断部材
と連携している装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置であって、遮断部材は少なくとも前記フロー調節室を部分的に区切る移動可能部材を備え、前記遮断部材は、該遮断部材が導管のインレット内に移動される時に前記流体路の制限が起こるように、該流体路の導管形成部のインレットに隣接して配置される装置。
【請求項25】
請求項23に記載の装置であって、前記遮断部材は、前記フロー調節室に応答して流体の流れを制御するための遮断バルブを備える装置。
【請求項26】
内部室を有するハウジングと、
内部室内にあり、体積の変動する一対の室である可変内部貯蔵室と拡張ガス室を形成するエラストマーダイアフラムと、
電解セルと電気回路とを有し、制御可能な率にて拡張ガス室にガスを提供するガス発生装置と、
薬剤供給排出口と、
前記内部貯蔵室と前記薬剤供給排出口との間を定義する流体路と、
を備え、
前記電気回路は、前記電解セルと電気連結する電流安定要素を有するとともに、ガンマ線照射への暴露に対して安定している、薬剤供給装置。
【請求項27】
請求項26に記載の薬剤供給装置であって、周囲状態の変化に応答して体積変化が可能である、前記流体路と連絡した、フロー調節装置をさらに含む装置。
【請求項28】
請求項26に記載の薬剤供給装置であって、前記薬剤供給排出口が前記ハウジングから延びる管である装置。
【請求項29】
請求項28に記載の薬剤供給装置であって、前記管は、ルアー連結を有する排出口にてハウジングと連結している装置。
【請求項30】
請求項29に記載の薬剤供給装置であって、さらに硬膜下針を含む装置。
【請求項31】
請求項26に記載の薬剤供給装置であって、前記薬剤供給排出口は患者の皮膚を貫通するための、前記ハウジングから延びる針である装置。
【請求項32】
請求項31に記載の薬剤供給装置であって、前記ハウジングと連結した移動可能なカバーをさらに備え、移動可能な前記カバーが患者の皮膚にあてがわれた時、前記カバーに対して前記ハウジングが移動することにより供給針が患者の皮膚に貫通する装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置であって、移動可能な前記カバーは、前記針が装置の外面から隠された第1の位置と、前記針が皮膚の貫通のために装置から突出した第2の位置の間にて、前記ハウジングに対して移動可能であり、装置は、装置の第1の位置から第2位置へ、およびさらに第1の位置へ戻る単一の往復運動の後に、装置を第1の位置にて固定するための手段をさらに含む装置。
【請求項34】
請求項33に記載の薬剤供給装置であって、装置の適切な使用を指示する視覚表示物をさらに備える装置。
【請求項35】
請求項34に記載の薬剤供給装置であって、前記視覚表示物は適切に搭載された時隠れる構成要素を備え、明確な色の該隠れた構成要素は、搭載時に見た時に即座に確認できる、装置。
【請求項36】
請求項34に記載の薬剤供給装置であって、前記視覚表示物は適切に搭載された時除去される構成要素を備え、明確な色の該除去される構成要素は、搭載時に見た時に即座に確認できる、装置。
【請求項37】
請求項33に記載の薬剤供給装置であって、前記ハウジングに対する前記カバーの動作は、最初除去可能な固定部材により防止される装置。
【請求項38】
請求項37に記載の薬剤供給装置であって、除去可能な前記固定部材の存在は、ガスを提供するための装置の作動をも防止する装置。
【請求項39】
請求項26に記載の薬剤供給装置であって、フロー調節室をさらに備え、同フロー調節室は、閉鎖した空間を形成するフローダイアフラムと窪みとを有する部材を有し、該部材は前記流体路
内にて移動可能である装置。
【請求項40】
請求項26に記載の薬剤供給装置であって、フロー調節室をさらに備え、同フロー調節室は、閉鎖した空間を形成するフローダイアフラムと窪みとを有する部材を有し、該部材は前記流体路に対して固定される装置。
【請求項41】
請求項38に記載の薬剤供給装置であって、大気圧や湿度のような環境的状態から系を絶縁するための、薬剤供給系の包装を備える装置。
【請求項42】
請求項26に記載の薬剤供給装置であって、透明部分と、エラストマーダイアフラムから反射された光が透明部分の概観に影響を与えるエラストマーダイアフラムの色に近い部分とを有する光学窓を有する光学的な量表示物をさらに備える装置。
【請求項43】
請求項42に記載の薬剤供給装置であって、装置内にてより高い圧力を保持し詰まりにくくする、ボーラス防止機構としての絞り装置をさらに備える装置。
【請求項44】
請求項43に記載の薬剤供給装置であって、前記電流安定要素が少なくとも一対の直接抵抗を有する装置。
【請求項45】
請求項44に記載の薬剤供給装置であって、前記内部室の増加圧力を検知する、感圧機構をさらに備える装置。
【請求項46】
請求項45に記載の薬剤供給装置であって、前記電解セルはホイルカバーによって覆われる装置。
【請求項47】
請求項46に記載の薬剤供給装置であって、前記電解セルのホイルを突き刺すための穿刺装置と電気接点とを有する作動機構をさらに備える装置。
【請求項48】
請求項47に記載の薬剤供給装置であって、装置の適切な使用を指示する視覚表示物をさらに備える装置。
【請求項49】
内部室を有するハウジングと、
内部室内にあり、内部貯蔵室と拡張可能なガス室とを含む一対の可変な室を形成するダイアフラムと、
拡張可能な前記ガス室を拡張させ、前記内部貯蔵室を圧縮させるガス発生装置と、
薬剤供給排出口と、
前記内部貯蔵室と前記薬剤供給排出口との間の流体路と、
薬剤供給のフロー率を制御するフロー調節装置と、
前記ガス発生装置と電気連結する電流安定要素を有するとともに、トランジスタを有さない電気回路と、
を備える薬剤供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図11C】
image rotate

【図11D】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図12C】
image rotate

【図12D】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図13C】
image rotate

【図13D】
image rotate

【図13E】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32A】
image rotate

【図32B】
image rotate

【図33A】
image rotate

【図33B】
image rotate

【図33C】
image rotate

【図33D】
image rotate

【図33E】
image rotate

【図33F】
image rotate

【図34A】
image rotate

【図34B】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36A】
image rotate

【図36B】
image rotate

【図36C】
image rotate

【図37A】
image rotate

【図37B】
image rotate

【図37C】
image rotate

【図37D】
image rotate

【図38A】
image rotate

【図38B】
image rotate

【図39A】
image rotate

【図39B】
image rotate

【図39C】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41A】
image rotate

【図41B】
image rotate

【図44A】
image rotate

【図44B】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47A】
image rotate

【図47B】
image rotate

【図47C】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50A】
image rotate

【図50B】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate


【公開番号】特開2012−152597(P2012−152597A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−97091(P2012−97091)
【出願日】平成24年4月20日(2012.4.20)
【分割の表示】特願2001−585847(P2001−585847)の分割
【原出願日】平成13年5月23日(2001.5.23)
【出願人】(500370883)エラン ファーマ インターナショナル,リミティド (45)
【Fターム(参考)】