薬剤投与器用マイクロ・ニードル・アダプタ
【課題】 皮膚内に浅く薬剤を注入できるアダプタを提供すること。
【解決手段】 本発明の薬剤の皮内注入を行うアダプタは、貫通可能な隔壁を有する容器する有薬剤投与器と共に使用される。本発明のアダプタは、コネクタと、前記コネクタに機械的にリンクされる薬剤投与インターフェースと、ニードルと前記マイクロ・ニードルのアレイとを相互に接続する流路パス構造体とを有する。前記コネクタは、薬剤投与器に取り付けられる取付部品と、隔壁を貫通するニードルとを有する。前記薬剤投与インターフェースは、ほぼ直線状の皮膚接触エッジと、前記皮膚接触エッジに隣接し平行に配置される少なくとも1つのマイクロ・ニードルとを有する。前記少なくとも1つのマイクロ・ニードルは、前記皮膚接触エッジから突出する。
【解決手段】 本発明の薬剤の皮内注入を行うアダプタは、貫通可能な隔壁を有する容器する有薬剤投与器と共に使用される。本発明のアダプタは、コネクタと、前記コネクタに機械的にリンクされる薬剤投与インターフェースと、ニードルと前記マイクロ・ニードルのアレイとを相互に接続する流路パス構造体とを有する。前記コネクタは、薬剤投与器に取り付けられる取付部品と、隔壁を貫通するニードルとを有する。前記薬剤投与インターフェースは、ほぼ直線状の皮膚接触エッジと、前記皮膚接触エッジに隣接し平行に配置される少なくとも1つのマイクロ・ニードルとを有する。前記少なくとも1つのマイクロ・ニードルは、前記皮膚接触エッジから突出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤投与器(一回分の薬剤を投与する装置:dosed drug delivery devices)に関し、特に、薬剤投与器と共に使用されるマイクロ・ニードル・アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤投与器は、通常「ペン型インジェクタ」とも称し、インシュリンを日常的に投与する糖尿病患者により使用される。同様な装置もホルモン投与に用いられている。薬剤投与器は、投与される薬剤の量が変わるがその量は正確でなければならず、小型で頻繁に使用されるような薬剤投与手段である。用語「ペン型インジェクタ」を用いるのは、市販の多くの薬剤投与器が細長いペン型をしているからである。本明細書において、特に断らない限り、「ペン型インジェクタ」と「薬剤投与器」とは同意で使用する。これらの装置は、複数のドーズ量の治療薬剤を収納する携帯型の自立型装置を意味し、多くの場所で患者の体内に所定量の薬剤を投与し、患者自身が自分で使用できる装置である。多くのペン型インジェクタは、様々な構造あるいは機能により様々に分類できる。例えば、置換可能なカートリッジを有しその内容物を使い切った時には廃棄できるような薬剤投与器、一定あるいは可変のドーズ(一回の薬剤)量を注入できる薬剤投与器、様々な流路活性機構、人間工学に基づいた設計、貯蔵システム、貯蔵容量等の様々な特徴を持った薬剤投与器がある。
【0003】
ペン型インジェクタは、取り替え可能な専用のニードル組立体(通常「ペン型ニードル」と称する)と共に使用される。市販のペン型ニードルは、あらゆる種類の皮下(subcutaneous (SC))脂肪層用であり、金属(ステンレス・スチール)製ニードルを用いる。市販のペン型ニードルは、通常1mmから25mmの長さを有する。
【0004】
ペン型ニードルは、ペン型インジェクタに特有のいくつかの条件を満たすよう構成される。ペン型ニードルは、ペン型インジェクタ内の液体(薬剤)容器に着脱可能に接続されるコネクタを有する。このコネクタは、液体カートリッジと一体に形成された隔壁(柔軟性のある自己シール性の膜)を貫通するよう配置された中空のニードルと、ペン型インジェクタへ取り付ける為にねじが切られたカラーのような取り付け構造体とを有する。またさらに、ペン型ニードルは、皮膚を穿孔するニードルを特徴とする。隔壁を貫通するニードルと皮膚を穿孔する(皮膚に孔を開ける)ニードルは、通常1本のニードルの両端に形成される。この両端部は通常互いに異なる先端形状を有する。後端のニードルは、隔壁内に孔の芯を抜く(ニードルの孔内に隔壁の一部が残る)のを回避する形状をし、先端のニードルは、人の皮膚を穿孔する際に痛みを最小にするような形状をしている。この為、両端が2つの異なる機能を有するニードルを製造することは複雑である。しかし、1本のニードルを用いると、ニードルと周囲のコネクタ・ボディとの間のシールの必要性がなくなる。これにより、この構造体は、他の皮下のアプリケーションで必要とされるシーリング用接着剤を使わずに、組み立てることができ、ニードル内の「デッド・ボリューム」は極めて小さくなる。上記の理由でペン型ニードルの設計で考慮すべき点は、他の皮下ニードルのそれと大きく異なる。このようなニードルは、この医療の技術分野においては独自の地位を占め、ペン型ニードルとペン型インジェクタに関連した付属品を専用に扱う会社によって製造されている。
【0005】
ペン型インジェクタ用に使用されるマイクロ・ニードルは、1mmの最小長さしか突出していない。従来型の皮下タイプのマイクロ・ニードル(即ち、傾斜端部が形成された金属製針)の場合、ニードル先端の傾斜は、少なくとも0.8mmの長さを有し、1mm未満の深さの皮膚内に薬剤を投与するのは不可能である。
【0006】
ある公知の文献によれば、「マイクロ・ニードル」をペン型インジェクタの投与用インターフェースとして使用することが提案されている。本明細書および特許請求の範囲において、用語「マイクロ・ニードル」とは、最も広い意味で使用され、1mm未満の突出長さを有する突出構造体を意味する。この公知文献の一例は、特許文献1,2である。理論上マイクロ・ニードルをペン型インジェクタに取り付けることは、皮内に薬剤を投与することに関し、様々な利点を有する。その利点の一例は、これに限定される訳ではないが、改善した流動性(これは、その構造と正確な注入部位に依存し、緊急吸収(例えばインシュリンの投与に対し特に利点がある)、遅延吸収(ゆっくりとした薬剤の投与処方箋が用いられる場合))と、改善した反応(例えば、ワクチンの皮内投与は免疫性の反応を向上させ、一回の薬剤の投与量を少なくし、薬効促進剤の使用を少なくし、より良好なワクチン機能等が得られる)と、痛みの緩和(マイクロ・ニードルは通常の皮下注射用ニードルよりも細いことに起因する)と、最小痛みのあるいは無痛の注射器が得られることである。最後の特徴は、特に極めて重要で、患者を納得させやすく、クオリティ・オブ・ライフを向上させ、予防機能を向上させ、合併症の治療費を減少させる。これは、特に糖尿病患者のインシュリンの注射の場合に関連する。その理由は、血液のグリコース・レベルの長期にわたる制御と合併症の長期予防との間に直接的な関係があるからである。
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第2003/0050602号明細書
【特許文献2】米国出願特許第2003/0181863号明細書
【特許文献3】米国特許第6,533,949号明細書
【特許文献4】国際公開第03/074102 A2号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2005/049107 A2号パンフレット
【特許文献6】米国出願特許第2005/0209566 A1号明細書
【特許文献7】米国特許第6,503,231号明細書
【特許文献8】米国出願特許第2005/0163711 A1号明細書
【0008】
実際にペン型インジェクタにマイクロ・ニードルを取り付けることは、いくつかの現実的問題があり簡単なことではない。多くのマイクロ・ニードルのデザインの第1の問題点は、マイクロ・ニードルの機械的脆弱さにある。この機械的脆弱さ故に、患者の皮膚に接触すると破損し易く、特に横方向に動くことによるせん断力がかかる時には、そうである。別の問題点は、高度に弾性力のある皮膚のバリアは、マイクロ・ニードルの周囲で変形して、マイクロ・ニードルが患者の皮膚を穿孔できない点である。さらなる問題点は、マイクロ・ニードルの挿入先端の周囲における薬剤の漏洩と/または薬剤注入中に発生する背圧により、ニードルが押し返されることである。多くのデザインでは、中空マイクロ・ニードルのボア(貫通孔)が破損する傾向があるが、これは、皮膚を通して挿入する間、組織のプラグの押し返し(punching-out)が原因である。
【0009】
上記の問題に対する解決法は、注入装置とシリンジ(注射器)のようなアプリケーションの中で提案されてきている。特に頑強なマイクロ・ニードル構造は特許文献3に開示しており、様々なマイクロ・ニードル挿入技術は特許文献4、5、6に開示されている。これらの特許文献は、本発明を理解する上で参照されたい。しかし、これらの解決方法は、ペン型インジェクタの特定の要件を解決するためには適していない。さらにペン型ニードルの独自の設計と特有の利用形態を考慮に入れると、このような応用は、直ちに当業者には明らかではない。
【0010】
従って、薬剤投与器を使用することにより、薬剤を皮内に注入するようなアダプタのニーズがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記のような薬剤投与装置の使用により、薬剤を皮下に投与するアダプタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の貫通可能な隔壁を有する容器を有する薬剤投与器の使用により薬剤の皮内注入を行うアダプタは、(a)コネクタと、前記コネクタは、薬剤投与器に取り付けられる取付部品と、隔壁を貫通するニードルとを有し、(b)前記コネクタに機械的にリンクされる薬剤投与インターフェースと、前記薬剤投与インターフェースは、直線状の皮膚接触エッジと、前記皮膚接触エッジに隣接し平行に配置されるマイクロ・ニードルの線形のアレイとを有し、前記マイクロ・ニードルは、前記皮膚接触エッジから突出し、(c)前記ニードルと前記マイクロ・ニードルのアレイとを相互接続する流路パス構造体とを有する。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記皮膚接触エッジと前記各マイクロ・ニードルとの間の距離は、前記マイクロ・ニードルの高さを超えない。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記皮膚接触エッジは、ブロック材料のエッジとして形成され、前記ブロック材料は、前記取付部品と一体に形成される。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記コネクタのニードルの延長方向が、第1流路軸を規定し、前記各マイクロ・ニードルは、薬剤の注入方向を規定する流路チャネルを有し、前記注入方向は、前記第1流路軸に対し、少なくとも20度傾斜している。
【0016】
本発明の一実施例によれば、前記注入方向は、前記第1流路軸に対し、30度と150度の間の角度で、傾斜している。
【0017】
本発明の一実施例によれば、前記注入方向は、前記第1流路軸に対し、90度傾斜している。
【0018】
本発明の一実施例によれば、前記マイクロ・ニードルは、基板と一体に形成される。
【0019】
本発明の一実施例によれば、前記基板は、平面状の表面を有する。前記各マイクロ・ニードルは、前記基板の平面状表面から垂直方向に立ち上がった壁と、前記壁と交差する傾斜面により形成される。
【0020】
本発明の一実施例によれば、前記各マイクロ・ニードルは、流路チャネルを有し、前記流路チャネルは、前記基板を貫通し、前記傾斜表面と交差する。
【0021】
本発明の一実施例によれば、前記マイクロ・ニードルは、シリコン製である。
【0022】
本発明の一実施例によれば、アダプタと薬剤投与器との組み合わせ構造体において、前記薬剤投与器は、貫通可能な隔壁を有する液体容器を有し、前記アダプタは、前記薬剤投与器と接続されると前記アダプタのニードルが前記隔壁を貫通する。これにより、前記マイクロ・ニードルは、前記容器の内容物と連通する。
【0023】
本発明の一実施例によれば、前記容器は、インスリン、排卵ホルモン、成長ホルモン、ワクチンを入れる。
【0024】
本発明の一実施例の薬剤投与器の使用により薬剤の皮内注入を行うアダプタは、前記薬剤投与器は、貫通可能な隔壁を有する容器を有し、(a)コネクタと、前記コネクタは、薬剤投与器に取り付けられる取付部品と、隔壁を貫通するニードルとを有し、(b)前記コネクタに機械的にリンクされる薬剤投与インターフェースと、前記薬剤投与インターフェースは、ほぼ直線状の皮膚接触エッジと、前記皮膚接触エッジに隣接して配置される少なくとも1つのマイクロ・ニードルとを有し、前記少なくとも1つのマイクロ・ニードルは、前記皮膚接触エッジから突出し、(c)前記ニードルと前記マイクロ・ニードルのアレイとを相互に接続する流路パス構造体とを有する。
【実施例】
【0025】
本発明は、薬剤の皮内投与を行うために、薬剤投与器と共に用いられるアダプタである。
【0026】
本発明のアダプタの構成と動作について以下説明する。
【0027】
本発明は、特許文献6に記載したマイクロ・ニードルの薬剤投与のインターフェースとその適用に関する。これは、ペン型インジェクタ用の廃棄可能な薬剤投与のインターフェースとして使用される。本発明のアダプタは、特許文献3に記載のシリコンのような単一結晶ブロック材料からMEMS技術により形成されたマイクロ・ニードルを用いる。別の構成として、様々な形状のマイクロ・ニードルと/または他の材料を用いることができ、これは特許文献7に教示されている。これらの文献は、本発明の背景を理解するために、本発明の明細書の一部として採用する。
【0028】
図1に、本発明のアダプタに使用されるマイクロ・ニードル列10が示される。特にこのマイクロ・ニードル列10は、複数本のマイクロ・ニードルを有する。その本数は、1個から10個、より好ましくは3個から6個、ここに示した実施例では4個である。各マイクロ・ニードルは、穿孔点1と、流路チャネル2と、切断用エッジ3とを有する。マイクロ・ニードルは平面を有する基板5と一体に形成される。ここに示した実施例においては、マイクロ・ニードルは1つあるいは複数の側壁6と傾斜面7で形成される。この側壁6は、基板5の平らな表面から垂直上方に伸びている。傾斜面7は側壁6と交差する。流路チャネル2は、基板5を貫通するボアとして形成され、傾斜面7と交差する。マイクロ・ニードル列10は、好ましくはシリコンのような単一結晶材料からドライ・エッチング・プロセスとウェット・エッチング・プロセスの組み合わせで、形成される。その詳細は、特許文献3に開示されている。本発明のマイクロ・ニードルの好ましい寸法は、全高が250μm−650μmの範囲で、最も好ましくは450±30μmである。流路チャネル2は、円形あるいは他の形状の断面を有し、円形の場合には、その最小内径は45±10μmで、他の形状を採った時はそれと同等の最小断面積を有する。
【0029】
図2A−2Cには、本発明の第1実施例であるアダプタ50が示される。このアダプタ50は、薬剤投与器と共に使用され、薬剤の皮内注入を達成する。アダプタ50は、薬剤投与器に取り付けられる取付部品22と中空ニードル25とを有する。このニードル25は、薬剤投与器の薬剤容器(例、着脱可能な栓を有するガラス瓶(shell vial)のようなカートリッジ)の隔壁を貫通する。アダプタ50は、コネクタに機械的にリンクされた薬剤投与インターフェース24を有する。薬剤投与インターフェース24は、ほぼストレートな皮膚接触エッジ26とマイクロ・ニードル列10とを有する。このマイクロ・ニードル列10は、皮膚接触エッジ26に隣接し平行に配置される。このマイクロ・ニードルは、皮膚接触エッジ26から突出する。流路パス28は、ニードル25とマイクロ・ニードル列10のマイクロ・ニードルの流路チャネルを接続する。
【0030】
図2A、2Bに示すように、使用前には、アダプタ50はフロント・カバー30により保護されている。このフロント・カバー30は、マイクロ・ニードルが偶発的に機械的損傷を受けるのを防止する。フロント・カバー30は、剥ぎ取られるバック・シート35に当たって、中身をシールする。このバック・シート35は、ニードル25との偶発的な接触を防止し、殺菌性を保持して、アダプタ50用の予めシールされた殺菌済みパッケージを形成する。この装置は、通常の方法(ガンマ照射または酸化エチレンへの露出)で殺菌される。
【0031】
図4A、4B、6A、6Bを参照してアダプタ50の使用方法を説明する。最初にアダプタ50を取り除いた後、取付部品22をペン型ニードルの代わりに、従来のペン型インジェクタ100に取り付ける(図4A、図4B)。アダプタ50がペン型インジェクタ100に取り付けられると、ニードル25はペン型インジェクタ内の水薬ビンあるいはカートリッジの隔壁を貫通し、マイクロ・ニードルの流路接続を確立する。その後、図6Aに示すように、組み立てられた装置が使用者の皮膚に接触し、皮膚の最初の表面に平行な成分を有する動作ベクトルでもってゆっくりと(右側に)押し当てられ、皮膚の最初の表面に平行に、主に側面に突出するマイクロ・ニードルで、穿孔を達成する。この挿入方法は、従来の垂直(皮膚に対し法線)方向の挿入方法(これに関しては前掲の特許文献6に開示されている)よりも利点がある。その後、ペン型インジェクタを、溶液(薬剤)の所望のドーズ量の注入を達成するように、動かす(図6B)。
【0032】
この段階において、本発明のアダプタは、従来のそれに比較して大きな利点を有する。特に、従来公知のペン型インジェクタは、皮膚へニードルを直角方向に挿入する従来アプローチを採用し、これにより、従来のニードルにとって、1mmを超える穿孔深さの制限を受けるか、あるいはマイクロ・ニードルの背圧による不完全な穿孔および注入の問題がある。これに対して、本発明のマイクロ・ニードルのアレイは、皮膚の接触端に隣接している独自の構成を採ることにより、マイクロ・ニードルの挿入が容易となり、マイクロ・ニードルの流路チャネルが側面方向を向く、即ち皮膚の最初の面から±30°の範囲の角度で、装置により押しつぶされず、組織に入るようになる。その結果、本発明のアダプタにより、ペン型インジェクタは、従来の装置を使用したのよりも、より浅い皮内薬剤の投与を達成でき、従来の装置よりも流路抵抗が低くなり、皮内投与が良好となる。本発明のこれらの利点および他の利点を以下さらに説明する。
【0033】
本発明のさらなる特徴を詳述する。皮膚接触エッジ26は、マイクロ・ニードル列10を支持するブロック材料のエッジとして形成される。好ましくは、このブロックは、取付部品の少なくとも一部と一体に形成される。かくして図2A−2Cの実施例においては、アダプタ50は、3個の要素のみから形成される、即ち、マイクロ・ニードル列10とニードル25とボディ20のみの組み合わせから形成される。このボディ20は、取付構造とマイクロ・ニードル列10の支持構造の両方を提供するモールドされたポリマー材料から形成される。好ましくは、ボディ20はモールドされたポリカーボネートから形成される。この3つの要素で本発明のアダプタを構成することにより、製造コストを下げ、ペン型ニードルの基板として使用される廃棄可能なアダプタが形成できる。
【0034】
ボディ20は、流路パス28を規定する。この流路パス28は、ニードル25とマイクロ・ニードルの流路チャネルとを相互接続する。ここに示した実施例においては、マイクロ・ニードル列10の取り付けポイントの下に形成される横方向に開いたチャネルを有する。その結果、基板が接着剤、溶接あるいは他の公知の方法を用いて接着されると、チャネルの基板の底部表面と共に閉じられたチャネルを形成して、ニードル25からの薬剤をマイクロ・ニードルの全てに投与できる。このチャネルの配置は、アダプタ50の中央軸に交差するよう選択され、この中央軸に沿ってニードル25が整合する。その結果、ボディ20の製造がより簡単になる。これは、プラスチック注入モールド技術業界では公知のことである。
【0035】
ボディ20の形状は、マイクロ・ニードルを正しい方向から皮膚と接触するのを容易にするよう選択される。ここに示した実施例においては、ボディ20は、ほぼ四角形の断面の前方向に突出した部分を有する。この四角形の断面は、マイクロ・ニードル列10の延長方向に平行な長い側面部分とそれに直交する短い側面部分とを有する。マイクロ・ニードルは、流路チャネル2を有する傾斜面が、下方向に向いた、すなわち組織の深さ方向に内側にむいて配置される。
【0036】
側面からの挿入を最適化するために、マイクロ・ニードルは、皮膚接触エッジ26に近い。好ましくは、皮膚接触エッジ26とマイクロ・ニードルの端部との間の距離は、皮膚接触エッジ26とマイクロ・ニードルのベースの最も近い部分との間での距離で定義されるが、基板の面に直交する方向のマイクロ・ニードルの高さを超えることはない。最も好ましくは、マイクロ・ニードルは並べて配置され、そのベースは皮膚接触エッジ26から始まる。ちなみに、皮膚接触エッジ26そのものは、マイクロ・ニードル列10の基板のエッジ、またはマイクロ・ニードル列10に隣接するボディ20のエッジのいずれかに具備される。
【0037】
アダプタ50により、薬剤投与器の軸方向(ニードル25の方向に対応する)と、マイクロ・ニードルの流路チャネルにより規定される注入方向との間で、薬剤の流れる方向が大きく傾く。この傾きは、少なくとも20度で好ましくは30度と150度の間である。ここに示した実施例においては、この傾きはほぼ40度である。患者の皮膚の初期面にほぼ平行な注入方向を達成するために、この実施例では、図4A、4B、6A、6Bに示す傾斜角でペン型インジェクタを留置する必要がある。
【0038】
ここに示した装置は、マイクロ・ニードルの線形の配列を用いたが、1本のマイクロ・ニードルを皮膚接触エッジ26の近傍で使用するような実施例も、本発明の範囲内に入る。
【0039】
図3、5A、5B、7A、7Bには、アダプタ55の他の実施例を示す。この実施例は、流体の流れる方向が大きく即ち約90度に傾いている。この傾きにより、アダプタ55を初期の皮膚表面に直交に保持しながら側面注入を行える。この直交保持は、従来のペン型ニードルと共に使用されるペン型インジェクタの方向付けと類似する方法である。マイクロ・ニードルを皮膚表面に最初に挿入することは、図5A、5Bに示すよう、僅かな角度でもって行い、通常若干回転動作を必要とするが、図7Aに示すような反時計方向への回転を加える。
【0040】
他の点に関しては、アダプタ55の構造的特徴と機能とは、上記のアダプタ50の対応する特徴と機能と類似し、同一の要素は同一の番号を付す。
【0041】
本発明は、多くの薬剤投与器のアプリケーションで用いることができる。このアプリケーションには、ペン型インジェクタが従来通り使用されるアプリケーションと、本発明により達成されるより浅い皮内の薬剤分布の新たなアプリケーションにも適用される。このアプリケーションの一例は、これに限定されるわけではないが、インシュリン、排卵ホルモン、成長ホルモン、ワクチンの投与である。他のアプリケーションは、これに限定されるわけではないが、皮下および特許文献8に開示されたものを含む。
【0042】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のアダプタで使用されるマイクロ・ニードル列の斜視図。
【図2A】薬剤の皮内注入を行うために、薬剤投与器と共に使用される本発明の第1実施例のアダプタの展開斜視図。
【図2B】組み立てられた使用前の図2Aのアダプタの部分切りかき断面図。
【図2C】保護カバーを取り除いた後の図2Bのアダプタの断面図。
【図3】薬剤の皮内注入を行うために、薬剤投与器と共に使用される本発明の第1実施例のアダプタの図2Cに類似した断面図。
【図4A】使用直前のペン型インジェクタに組み込まれた図2Bのアダプタの側面図。
【図4B】図4Aのアダプタを有する領域の拡大図。
【図5A】使用直前のペン型インジェクタに組み込まれた図3のアダプタの側面図。
【図5B】図5Aのアダプタを有する領域の拡大図。
【図6A】アダプタとユーザの皮膚との接触後の図4Bに類似する図。
【図6B】薬剤を注入した後の図6Aに類似する図。
【図7A】アダプタとユーザの皮膚との接触後の図5Bに類似する図。
【図7B】薬剤を注入した後の図7Aに類似する図。
【符号の説明】
【0044】
1 穿孔点
2 流路チャネル
3 切断用エッジ
5 基板
6 側壁
7 傾斜面
10 マイクロ・ニードル列
20 ボディ
22 取付部品
24 薬剤投与インターフェース
25 ニードル
26 皮膚接触エッジ
28 流路パス
30 フロント・カバー
35 バック・シート
50 アダプタ
55 アダプタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤投与器(一回分の薬剤を投与する装置:dosed drug delivery devices)に関し、特に、薬剤投与器と共に使用されるマイクロ・ニードル・アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤投与器は、通常「ペン型インジェクタ」とも称し、インシュリンを日常的に投与する糖尿病患者により使用される。同様な装置もホルモン投与に用いられている。薬剤投与器は、投与される薬剤の量が変わるがその量は正確でなければならず、小型で頻繁に使用されるような薬剤投与手段である。用語「ペン型インジェクタ」を用いるのは、市販の多くの薬剤投与器が細長いペン型をしているからである。本明細書において、特に断らない限り、「ペン型インジェクタ」と「薬剤投与器」とは同意で使用する。これらの装置は、複数のドーズ量の治療薬剤を収納する携帯型の自立型装置を意味し、多くの場所で患者の体内に所定量の薬剤を投与し、患者自身が自分で使用できる装置である。多くのペン型インジェクタは、様々な構造あるいは機能により様々に分類できる。例えば、置換可能なカートリッジを有しその内容物を使い切った時には廃棄できるような薬剤投与器、一定あるいは可変のドーズ(一回の薬剤)量を注入できる薬剤投与器、様々な流路活性機構、人間工学に基づいた設計、貯蔵システム、貯蔵容量等の様々な特徴を持った薬剤投与器がある。
【0003】
ペン型インジェクタは、取り替え可能な専用のニードル組立体(通常「ペン型ニードル」と称する)と共に使用される。市販のペン型ニードルは、あらゆる種類の皮下(subcutaneous (SC))脂肪層用であり、金属(ステンレス・スチール)製ニードルを用いる。市販のペン型ニードルは、通常1mmから25mmの長さを有する。
【0004】
ペン型ニードルは、ペン型インジェクタに特有のいくつかの条件を満たすよう構成される。ペン型ニードルは、ペン型インジェクタ内の液体(薬剤)容器に着脱可能に接続されるコネクタを有する。このコネクタは、液体カートリッジと一体に形成された隔壁(柔軟性のある自己シール性の膜)を貫通するよう配置された中空のニードルと、ペン型インジェクタへ取り付ける為にねじが切られたカラーのような取り付け構造体とを有する。またさらに、ペン型ニードルは、皮膚を穿孔するニードルを特徴とする。隔壁を貫通するニードルと皮膚を穿孔する(皮膚に孔を開ける)ニードルは、通常1本のニードルの両端に形成される。この両端部は通常互いに異なる先端形状を有する。後端のニードルは、隔壁内に孔の芯を抜く(ニードルの孔内に隔壁の一部が残る)のを回避する形状をし、先端のニードルは、人の皮膚を穿孔する際に痛みを最小にするような形状をしている。この為、両端が2つの異なる機能を有するニードルを製造することは複雑である。しかし、1本のニードルを用いると、ニードルと周囲のコネクタ・ボディとの間のシールの必要性がなくなる。これにより、この構造体は、他の皮下のアプリケーションで必要とされるシーリング用接着剤を使わずに、組み立てることができ、ニードル内の「デッド・ボリューム」は極めて小さくなる。上記の理由でペン型ニードルの設計で考慮すべき点は、他の皮下ニードルのそれと大きく異なる。このようなニードルは、この医療の技術分野においては独自の地位を占め、ペン型ニードルとペン型インジェクタに関連した付属品を専用に扱う会社によって製造されている。
【0005】
ペン型インジェクタ用に使用されるマイクロ・ニードルは、1mmの最小長さしか突出していない。従来型の皮下タイプのマイクロ・ニードル(即ち、傾斜端部が形成された金属製針)の場合、ニードル先端の傾斜は、少なくとも0.8mmの長さを有し、1mm未満の深さの皮膚内に薬剤を投与するのは不可能である。
【0006】
ある公知の文献によれば、「マイクロ・ニードル」をペン型インジェクタの投与用インターフェースとして使用することが提案されている。本明細書および特許請求の範囲において、用語「マイクロ・ニードル」とは、最も広い意味で使用され、1mm未満の突出長さを有する突出構造体を意味する。この公知文献の一例は、特許文献1,2である。理論上マイクロ・ニードルをペン型インジェクタに取り付けることは、皮内に薬剤を投与することに関し、様々な利点を有する。その利点の一例は、これに限定される訳ではないが、改善した流動性(これは、その構造と正確な注入部位に依存し、緊急吸収(例えばインシュリンの投与に対し特に利点がある)、遅延吸収(ゆっくりとした薬剤の投与処方箋が用いられる場合))と、改善した反応(例えば、ワクチンの皮内投与は免疫性の反応を向上させ、一回の薬剤の投与量を少なくし、薬効促進剤の使用を少なくし、より良好なワクチン機能等が得られる)と、痛みの緩和(マイクロ・ニードルは通常の皮下注射用ニードルよりも細いことに起因する)と、最小痛みのあるいは無痛の注射器が得られることである。最後の特徴は、特に極めて重要で、患者を納得させやすく、クオリティ・オブ・ライフを向上させ、予防機能を向上させ、合併症の治療費を減少させる。これは、特に糖尿病患者のインシュリンの注射の場合に関連する。その理由は、血液のグリコース・レベルの長期にわたる制御と合併症の長期予防との間に直接的な関係があるからである。
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第2003/0050602号明細書
【特許文献2】米国出願特許第2003/0181863号明細書
【特許文献3】米国特許第6,533,949号明細書
【特許文献4】国際公開第03/074102 A2号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2005/049107 A2号パンフレット
【特許文献6】米国出願特許第2005/0209566 A1号明細書
【特許文献7】米国特許第6,503,231号明細書
【特許文献8】米国出願特許第2005/0163711 A1号明細書
【0008】
実際にペン型インジェクタにマイクロ・ニードルを取り付けることは、いくつかの現実的問題があり簡単なことではない。多くのマイクロ・ニードルのデザインの第1の問題点は、マイクロ・ニードルの機械的脆弱さにある。この機械的脆弱さ故に、患者の皮膚に接触すると破損し易く、特に横方向に動くことによるせん断力がかかる時には、そうである。別の問題点は、高度に弾性力のある皮膚のバリアは、マイクロ・ニードルの周囲で変形して、マイクロ・ニードルが患者の皮膚を穿孔できない点である。さらなる問題点は、マイクロ・ニードルの挿入先端の周囲における薬剤の漏洩と/または薬剤注入中に発生する背圧により、ニードルが押し返されることである。多くのデザインでは、中空マイクロ・ニードルのボア(貫通孔)が破損する傾向があるが、これは、皮膚を通して挿入する間、組織のプラグの押し返し(punching-out)が原因である。
【0009】
上記の問題に対する解決法は、注入装置とシリンジ(注射器)のようなアプリケーションの中で提案されてきている。特に頑強なマイクロ・ニードル構造は特許文献3に開示しており、様々なマイクロ・ニードル挿入技術は特許文献4、5、6に開示されている。これらの特許文献は、本発明を理解する上で参照されたい。しかし、これらの解決方法は、ペン型インジェクタの特定の要件を解決するためには適していない。さらにペン型ニードルの独自の設計と特有の利用形態を考慮に入れると、このような応用は、直ちに当業者には明らかではない。
【0010】
従って、薬剤投与器を使用することにより、薬剤を皮内に注入するようなアダプタのニーズがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記のような薬剤投与装置の使用により、薬剤を皮下に投与するアダプタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の貫通可能な隔壁を有する容器を有する薬剤投与器の使用により薬剤の皮内注入を行うアダプタは、(a)コネクタと、前記コネクタは、薬剤投与器に取り付けられる取付部品と、隔壁を貫通するニードルとを有し、(b)前記コネクタに機械的にリンクされる薬剤投与インターフェースと、前記薬剤投与インターフェースは、直線状の皮膚接触エッジと、前記皮膚接触エッジに隣接し平行に配置されるマイクロ・ニードルの線形のアレイとを有し、前記マイクロ・ニードルは、前記皮膚接触エッジから突出し、(c)前記ニードルと前記マイクロ・ニードルのアレイとを相互接続する流路パス構造体とを有する。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記皮膚接触エッジと前記各マイクロ・ニードルとの間の距離は、前記マイクロ・ニードルの高さを超えない。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記皮膚接触エッジは、ブロック材料のエッジとして形成され、前記ブロック材料は、前記取付部品と一体に形成される。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記コネクタのニードルの延長方向が、第1流路軸を規定し、前記各マイクロ・ニードルは、薬剤の注入方向を規定する流路チャネルを有し、前記注入方向は、前記第1流路軸に対し、少なくとも20度傾斜している。
【0016】
本発明の一実施例によれば、前記注入方向は、前記第1流路軸に対し、30度と150度の間の角度で、傾斜している。
【0017】
本発明の一実施例によれば、前記注入方向は、前記第1流路軸に対し、90度傾斜している。
【0018】
本発明の一実施例によれば、前記マイクロ・ニードルは、基板と一体に形成される。
【0019】
本発明の一実施例によれば、前記基板は、平面状の表面を有する。前記各マイクロ・ニードルは、前記基板の平面状表面から垂直方向に立ち上がった壁と、前記壁と交差する傾斜面により形成される。
【0020】
本発明の一実施例によれば、前記各マイクロ・ニードルは、流路チャネルを有し、前記流路チャネルは、前記基板を貫通し、前記傾斜表面と交差する。
【0021】
本発明の一実施例によれば、前記マイクロ・ニードルは、シリコン製である。
【0022】
本発明の一実施例によれば、アダプタと薬剤投与器との組み合わせ構造体において、前記薬剤投与器は、貫通可能な隔壁を有する液体容器を有し、前記アダプタは、前記薬剤投与器と接続されると前記アダプタのニードルが前記隔壁を貫通する。これにより、前記マイクロ・ニードルは、前記容器の内容物と連通する。
【0023】
本発明の一実施例によれば、前記容器は、インスリン、排卵ホルモン、成長ホルモン、ワクチンを入れる。
【0024】
本発明の一実施例の薬剤投与器の使用により薬剤の皮内注入を行うアダプタは、前記薬剤投与器は、貫通可能な隔壁を有する容器を有し、(a)コネクタと、前記コネクタは、薬剤投与器に取り付けられる取付部品と、隔壁を貫通するニードルとを有し、(b)前記コネクタに機械的にリンクされる薬剤投与インターフェースと、前記薬剤投与インターフェースは、ほぼ直線状の皮膚接触エッジと、前記皮膚接触エッジに隣接して配置される少なくとも1つのマイクロ・ニードルとを有し、前記少なくとも1つのマイクロ・ニードルは、前記皮膚接触エッジから突出し、(c)前記ニードルと前記マイクロ・ニードルのアレイとを相互に接続する流路パス構造体とを有する。
【実施例】
【0025】
本発明は、薬剤の皮内投与を行うために、薬剤投与器と共に用いられるアダプタである。
【0026】
本発明のアダプタの構成と動作について以下説明する。
【0027】
本発明は、特許文献6に記載したマイクロ・ニードルの薬剤投与のインターフェースとその適用に関する。これは、ペン型インジェクタ用の廃棄可能な薬剤投与のインターフェースとして使用される。本発明のアダプタは、特許文献3に記載のシリコンのような単一結晶ブロック材料からMEMS技術により形成されたマイクロ・ニードルを用いる。別の構成として、様々な形状のマイクロ・ニードルと/または他の材料を用いることができ、これは特許文献7に教示されている。これらの文献は、本発明の背景を理解するために、本発明の明細書の一部として採用する。
【0028】
図1に、本発明のアダプタに使用されるマイクロ・ニードル列10が示される。特にこのマイクロ・ニードル列10は、複数本のマイクロ・ニードルを有する。その本数は、1個から10個、より好ましくは3個から6個、ここに示した実施例では4個である。各マイクロ・ニードルは、穿孔点1と、流路チャネル2と、切断用エッジ3とを有する。マイクロ・ニードルは平面を有する基板5と一体に形成される。ここに示した実施例においては、マイクロ・ニードルは1つあるいは複数の側壁6と傾斜面7で形成される。この側壁6は、基板5の平らな表面から垂直上方に伸びている。傾斜面7は側壁6と交差する。流路チャネル2は、基板5を貫通するボアとして形成され、傾斜面7と交差する。マイクロ・ニードル列10は、好ましくはシリコンのような単一結晶材料からドライ・エッチング・プロセスとウェット・エッチング・プロセスの組み合わせで、形成される。その詳細は、特許文献3に開示されている。本発明のマイクロ・ニードルの好ましい寸法は、全高が250μm−650μmの範囲で、最も好ましくは450±30μmである。流路チャネル2は、円形あるいは他の形状の断面を有し、円形の場合には、その最小内径は45±10μmで、他の形状を採った時はそれと同等の最小断面積を有する。
【0029】
図2A−2Cには、本発明の第1実施例であるアダプタ50が示される。このアダプタ50は、薬剤投与器と共に使用され、薬剤の皮内注入を達成する。アダプタ50は、薬剤投与器に取り付けられる取付部品22と中空ニードル25とを有する。このニードル25は、薬剤投与器の薬剤容器(例、着脱可能な栓を有するガラス瓶(shell vial)のようなカートリッジ)の隔壁を貫通する。アダプタ50は、コネクタに機械的にリンクされた薬剤投与インターフェース24を有する。薬剤投与インターフェース24は、ほぼストレートな皮膚接触エッジ26とマイクロ・ニードル列10とを有する。このマイクロ・ニードル列10は、皮膚接触エッジ26に隣接し平行に配置される。このマイクロ・ニードルは、皮膚接触エッジ26から突出する。流路パス28は、ニードル25とマイクロ・ニードル列10のマイクロ・ニードルの流路チャネルを接続する。
【0030】
図2A、2Bに示すように、使用前には、アダプタ50はフロント・カバー30により保護されている。このフロント・カバー30は、マイクロ・ニードルが偶発的に機械的損傷を受けるのを防止する。フロント・カバー30は、剥ぎ取られるバック・シート35に当たって、中身をシールする。このバック・シート35は、ニードル25との偶発的な接触を防止し、殺菌性を保持して、アダプタ50用の予めシールされた殺菌済みパッケージを形成する。この装置は、通常の方法(ガンマ照射または酸化エチレンへの露出)で殺菌される。
【0031】
図4A、4B、6A、6Bを参照してアダプタ50の使用方法を説明する。最初にアダプタ50を取り除いた後、取付部品22をペン型ニードルの代わりに、従来のペン型インジェクタ100に取り付ける(図4A、図4B)。アダプタ50がペン型インジェクタ100に取り付けられると、ニードル25はペン型インジェクタ内の水薬ビンあるいはカートリッジの隔壁を貫通し、マイクロ・ニードルの流路接続を確立する。その後、図6Aに示すように、組み立てられた装置が使用者の皮膚に接触し、皮膚の最初の表面に平行な成分を有する動作ベクトルでもってゆっくりと(右側に)押し当てられ、皮膚の最初の表面に平行に、主に側面に突出するマイクロ・ニードルで、穿孔を達成する。この挿入方法は、従来の垂直(皮膚に対し法線)方向の挿入方法(これに関しては前掲の特許文献6に開示されている)よりも利点がある。その後、ペン型インジェクタを、溶液(薬剤)の所望のドーズ量の注入を達成するように、動かす(図6B)。
【0032】
この段階において、本発明のアダプタは、従来のそれに比較して大きな利点を有する。特に、従来公知のペン型インジェクタは、皮膚へニードルを直角方向に挿入する従来アプローチを採用し、これにより、従来のニードルにとって、1mmを超える穿孔深さの制限を受けるか、あるいはマイクロ・ニードルの背圧による不完全な穿孔および注入の問題がある。これに対して、本発明のマイクロ・ニードルのアレイは、皮膚の接触端に隣接している独自の構成を採ることにより、マイクロ・ニードルの挿入が容易となり、マイクロ・ニードルの流路チャネルが側面方向を向く、即ち皮膚の最初の面から±30°の範囲の角度で、装置により押しつぶされず、組織に入るようになる。その結果、本発明のアダプタにより、ペン型インジェクタは、従来の装置を使用したのよりも、より浅い皮内薬剤の投与を達成でき、従来の装置よりも流路抵抗が低くなり、皮内投与が良好となる。本発明のこれらの利点および他の利点を以下さらに説明する。
【0033】
本発明のさらなる特徴を詳述する。皮膚接触エッジ26は、マイクロ・ニードル列10を支持するブロック材料のエッジとして形成される。好ましくは、このブロックは、取付部品の少なくとも一部と一体に形成される。かくして図2A−2Cの実施例においては、アダプタ50は、3個の要素のみから形成される、即ち、マイクロ・ニードル列10とニードル25とボディ20のみの組み合わせから形成される。このボディ20は、取付構造とマイクロ・ニードル列10の支持構造の両方を提供するモールドされたポリマー材料から形成される。好ましくは、ボディ20はモールドされたポリカーボネートから形成される。この3つの要素で本発明のアダプタを構成することにより、製造コストを下げ、ペン型ニードルの基板として使用される廃棄可能なアダプタが形成できる。
【0034】
ボディ20は、流路パス28を規定する。この流路パス28は、ニードル25とマイクロ・ニードルの流路チャネルとを相互接続する。ここに示した実施例においては、マイクロ・ニードル列10の取り付けポイントの下に形成される横方向に開いたチャネルを有する。その結果、基板が接着剤、溶接あるいは他の公知の方法を用いて接着されると、チャネルの基板の底部表面と共に閉じられたチャネルを形成して、ニードル25からの薬剤をマイクロ・ニードルの全てに投与できる。このチャネルの配置は、アダプタ50の中央軸に交差するよう選択され、この中央軸に沿ってニードル25が整合する。その結果、ボディ20の製造がより簡単になる。これは、プラスチック注入モールド技術業界では公知のことである。
【0035】
ボディ20の形状は、マイクロ・ニードルを正しい方向から皮膚と接触するのを容易にするよう選択される。ここに示した実施例においては、ボディ20は、ほぼ四角形の断面の前方向に突出した部分を有する。この四角形の断面は、マイクロ・ニードル列10の延長方向に平行な長い側面部分とそれに直交する短い側面部分とを有する。マイクロ・ニードルは、流路チャネル2を有する傾斜面が、下方向に向いた、すなわち組織の深さ方向に内側にむいて配置される。
【0036】
側面からの挿入を最適化するために、マイクロ・ニードルは、皮膚接触エッジ26に近い。好ましくは、皮膚接触エッジ26とマイクロ・ニードルの端部との間の距離は、皮膚接触エッジ26とマイクロ・ニードルのベースの最も近い部分との間での距離で定義されるが、基板の面に直交する方向のマイクロ・ニードルの高さを超えることはない。最も好ましくは、マイクロ・ニードルは並べて配置され、そのベースは皮膚接触エッジ26から始まる。ちなみに、皮膚接触エッジ26そのものは、マイクロ・ニードル列10の基板のエッジ、またはマイクロ・ニードル列10に隣接するボディ20のエッジのいずれかに具備される。
【0037】
アダプタ50により、薬剤投与器の軸方向(ニードル25の方向に対応する)と、マイクロ・ニードルの流路チャネルにより規定される注入方向との間で、薬剤の流れる方向が大きく傾く。この傾きは、少なくとも20度で好ましくは30度と150度の間である。ここに示した実施例においては、この傾きはほぼ40度である。患者の皮膚の初期面にほぼ平行な注入方向を達成するために、この実施例では、図4A、4B、6A、6Bに示す傾斜角でペン型インジェクタを留置する必要がある。
【0038】
ここに示した装置は、マイクロ・ニードルの線形の配列を用いたが、1本のマイクロ・ニードルを皮膚接触エッジ26の近傍で使用するような実施例も、本発明の範囲内に入る。
【0039】
図3、5A、5B、7A、7Bには、アダプタ55の他の実施例を示す。この実施例は、流体の流れる方向が大きく即ち約90度に傾いている。この傾きにより、アダプタ55を初期の皮膚表面に直交に保持しながら側面注入を行える。この直交保持は、従来のペン型ニードルと共に使用されるペン型インジェクタの方向付けと類似する方法である。マイクロ・ニードルを皮膚表面に最初に挿入することは、図5A、5Bに示すよう、僅かな角度でもって行い、通常若干回転動作を必要とするが、図7Aに示すような反時計方向への回転を加える。
【0040】
他の点に関しては、アダプタ55の構造的特徴と機能とは、上記のアダプタ50の対応する特徴と機能と類似し、同一の要素は同一の番号を付す。
【0041】
本発明は、多くの薬剤投与器のアプリケーションで用いることができる。このアプリケーションには、ペン型インジェクタが従来通り使用されるアプリケーションと、本発明により達成されるより浅い皮内の薬剤分布の新たなアプリケーションにも適用される。このアプリケーションの一例は、これに限定されるわけではないが、インシュリン、排卵ホルモン、成長ホルモン、ワクチンの投与である。他のアプリケーションは、これに限定されるわけではないが、皮下および特許文献8に開示されたものを含む。
【0042】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のアダプタで使用されるマイクロ・ニードル列の斜視図。
【図2A】薬剤の皮内注入を行うために、薬剤投与器と共に使用される本発明の第1実施例のアダプタの展開斜視図。
【図2B】組み立てられた使用前の図2Aのアダプタの部分切りかき断面図。
【図2C】保護カバーを取り除いた後の図2Bのアダプタの断面図。
【図3】薬剤の皮内注入を行うために、薬剤投与器と共に使用される本発明の第1実施例のアダプタの図2Cに類似した断面図。
【図4A】使用直前のペン型インジェクタに組み込まれた図2Bのアダプタの側面図。
【図4B】図4Aのアダプタを有する領域の拡大図。
【図5A】使用直前のペン型インジェクタに組み込まれた図3のアダプタの側面図。
【図5B】図5Aのアダプタを有する領域の拡大図。
【図6A】アダプタとユーザの皮膚との接触後の図4Bに類似する図。
【図6B】薬剤を注入した後の図6Aに類似する図。
【図7A】アダプタとユーザの皮膚との接触後の図5Bに類似する図。
【図7B】薬剤を注入した後の図7Aに類似する図。
【符号の説明】
【0044】
1 穿孔点
2 流路チャネル
3 切断用エッジ
5 基板
6 側壁
7 傾斜面
10 マイクロ・ニードル列
20 ボディ
22 取付部品
24 薬剤投与インターフェース
25 ニードル
26 皮膚接触エッジ
28 流路パス
30 フロント・カバー
35 バック・シート
50 アダプタ
55 アダプタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤投与器の使用により薬剤の皮内注入を行うアダプタにおいて、
前記薬剤投与器は、貫通可能な隔壁を有する容器を有し、
(a) コネクタと、
前記コネクタは、薬剤投与器に取り付けられる取付部品と、前記薬剤投与器の隔壁を貫通するニードルとを有し、
(b) 前記コネクタに機械的にリンクされる薬剤投与インターフェースと、
前記薬剤投与インターフェースは、直線状の皮膚接触エッジと、前記皮膚接触エッジに隣接し平行に配置されるマイクロ・ニードルの線形のアレイとを有し、
前記マイクロ・ニードルは、前記皮膚接触エッジから突出し、
(c) 前記ニードルと前記マイクロ・ニードルのアレイとを相互接続する流路パス構造体と
を有する
ことを特徴とするアダプタ。
【請求項2】
前記皮膚接触エッジと前記各マイクロ・ニードルとの間の距離は、前記マイクロ・ニードルの高さを超えない
ことを特徴とする請求項1記載のアダプタ。
【請求項3】
前記皮膚接触エッジは、ブロック材料のエッジとして形成され、
前記ブロック材料は、前記取付部品と一体に形成される
ことを特徴とする請求項1記載のアダプタ。
【請求項4】
前記コネクタのニードルの延長方向が、第1流路軸を規定し、
前記各マイクロ・ニードルは、薬剤の注入方向を規定する流路チャネルを有し、
前記注入方向は、前記第1流路軸に対し、少なくとも20度傾斜している
ことを特徴とする請求項1記載のアダプタ。
【請求項5】
前記注入方向は、前記第1流路軸に対し、30度と150度の間の角度で、傾斜している
ことを特徴とする請求項4記載のアダプタ。
【請求項6】
前記注入方向は、前記第1流路軸に対し、90度傾斜している
ことを特徴とする請求項4記載のアダプタ。
【請求項7】
前記マイクロ・ニードルは、基板と一体に形成される
ことを特徴とする請求項1記載のアダプタ。
【請求項8】
前記基板は、平面状の表面を有し、
前記各マイクロ・ニードルは、前記基板の平面状表面から垂直方向に立ち上がった壁と、前記壁と交差する傾斜面により形成される
ことを特徴とする請求項7記載のアダプタ。
【請求項9】
前記各マイクロ・ニードルは、流路チャネルを有し、
前記流路チャネルは、前記基板を貫通し、前記傾斜表面と交差する
ことを特徴とする請求項8記載のアダプタ。
【請求項10】
前記マイクロ・ニードルは、シリコン製である
ことを特徴とする請求項7記載のアダプタ。
【請求項11】
請求項1記載のアダプタと薬剤投与器との組み合わせ構造体において、
前記薬剤投与器は、貫通可能な隔壁を有する液体容器を有し、
前記アダプタは、前記薬剤投与器と接続されると前記アダプタのニードルが前記隔壁を貫通し、これにより、前記マイクロ・ニードルは、前記容器の内容物と連通する
ことを特徴とする薬剤投与器とアダプタの組み立て体。
【請求項12】
前記容器は、インスリンを入れる
ことを特徴とする請求項11記載の組み立て体。
【請求項13】
前記容器は、排卵ホルモンを入れる
ことを特徴とする請求項11記載の組み立て体。
【請求項14】
前記容器は、成長ホルモンを入れる
ことを特徴とする請求項11記載の組み立て体。
【請求項15】
前記容器は、ワクチンを入れる
ことを特徴とする請求項11記載の組み立て体。
【請求項16】
薬剤投与器の使用により薬剤の皮内注入を行うアダプタにおいて、
前記薬剤投与器は、貫通可能な隔壁を有する容器を有し、
(a) コネクタと、
前記コネクタは、薬剤投与器に取り付けられる取付部品と、隔壁を貫通するニードルとを有し、
(b) 前記コネクタに機械的にリンクされる薬剤投与インターフェースと、
前記薬剤投与インターフェースは、ほぼ直線状の皮膚接触エッジと、前記皮膚接触エッジに隣接して配置される少なくとも1つのマイクロ・ニードルとを有し、
前記少なくとも1つのマイクロ・ニードルは、前記皮膚接触エッジから突出し、
(c) 前記ニードルと前記マイクロ・ニードルのアレイとを相互に接続する流路パス構造体と
を有する
ことを特徴とするアダプタ。
【請求項17】
前記少なくとも1つのマイクロ・ニードルは、前記皮膚接触エッジに直線状に平行に配列された複数のマイクロ・ニードルである
ことを特徴とする請求項16記載のアダプタ。
【請求項1】
薬剤投与器の使用により薬剤の皮内注入を行うアダプタにおいて、
前記薬剤投与器は、貫通可能な隔壁を有する容器を有し、
(a) コネクタと、
前記コネクタは、薬剤投与器に取り付けられる取付部品と、前記薬剤投与器の隔壁を貫通するニードルとを有し、
(b) 前記コネクタに機械的にリンクされる薬剤投与インターフェースと、
前記薬剤投与インターフェースは、直線状の皮膚接触エッジと、前記皮膚接触エッジに隣接し平行に配置されるマイクロ・ニードルの線形のアレイとを有し、
前記マイクロ・ニードルは、前記皮膚接触エッジから突出し、
(c) 前記ニードルと前記マイクロ・ニードルのアレイとを相互接続する流路パス構造体と
を有する
ことを特徴とするアダプタ。
【請求項2】
前記皮膚接触エッジと前記各マイクロ・ニードルとの間の距離は、前記マイクロ・ニードルの高さを超えない
ことを特徴とする請求項1記載のアダプタ。
【請求項3】
前記皮膚接触エッジは、ブロック材料のエッジとして形成され、
前記ブロック材料は、前記取付部品と一体に形成される
ことを特徴とする請求項1記載のアダプタ。
【請求項4】
前記コネクタのニードルの延長方向が、第1流路軸を規定し、
前記各マイクロ・ニードルは、薬剤の注入方向を規定する流路チャネルを有し、
前記注入方向は、前記第1流路軸に対し、少なくとも20度傾斜している
ことを特徴とする請求項1記載のアダプタ。
【請求項5】
前記注入方向は、前記第1流路軸に対し、30度と150度の間の角度で、傾斜している
ことを特徴とする請求項4記載のアダプタ。
【請求項6】
前記注入方向は、前記第1流路軸に対し、90度傾斜している
ことを特徴とする請求項4記載のアダプタ。
【請求項7】
前記マイクロ・ニードルは、基板と一体に形成される
ことを特徴とする請求項1記載のアダプタ。
【請求項8】
前記基板は、平面状の表面を有し、
前記各マイクロ・ニードルは、前記基板の平面状表面から垂直方向に立ち上がった壁と、前記壁と交差する傾斜面により形成される
ことを特徴とする請求項7記載のアダプタ。
【請求項9】
前記各マイクロ・ニードルは、流路チャネルを有し、
前記流路チャネルは、前記基板を貫通し、前記傾斜表面と交差する
ことを特徴とする請求項8記載のアダプタ。
【請求項10】
前記マイクロ・ニードルは、シリコン製である
ことを特徴とする請求項7記載のアダプタ。
【請求項11】
請求項1記載のアダプタと薬剤投与器との組み合わせ構造体において、
前記薬剤投与器は、貫通可能な隔壁を有する液体容器を有し、
前記アダプタは、前記薬剤投与器と接続されると前記アダプタのニードルが前記隔壁を貫通し、これにより、前記マイクロ・ニードルは、前記容器の内容物と連通する
ことを特徴とする薬剤投与器とアダプタの組み立て体。
【請求項12】
前記容器は、インスリンを入れる
ことを特徴とする請求項11記載の組み立て体。
【請求項13】
前記容器は、排卵ホルモンを入れる
ことを特徴とする請求項11記載の組み立て体。
【請求項14】
前記容器は、成長ホルモンを入れる
ことを特徴とする請求項11記載の組み立て体。
【請求項15】
前記容器は、ワクチンを入れる
ことを特徴とする請求項11記載の組み立て体。
【請求項16】
薬剤投与器の使用により薬剤の皮内注入を行うアダプタにおいて、
前記薬剤投与器は、貫通可能な隔壁を有する容器を有し、
(a) コネクタと、
前記コネクタは、薬剤投与器に取り付けられる取付部品と、隔壁を貫通するニードルとを有し、
(b) 前記コネクタに機械的にリンクされる薬剤投与インターフェースと、
前記薬剤投与インターフェースは、ほぼ直線状の皮膚接触エッジと、前記皮膚接触エッジに隣接して配置される少なくとも1つのマイクロ・ニードルとを有し、
前記少なくとも1つのマイクロ・ニードルは、前記皮膚接触エッジから突出し、
(c) 前記ニードルと前記マイクロ・ニードルのアレイとを相互に接続する流路パス構造体と
を有する
ことを特徴とするアダプタ。
【請求項17】
前記少なくとも1つのマイクロ・ニードルは、前記皮膚接触エッジに直線状に平行に配列された複数のマイクロ・ニードルである
ことを特徴とする請求項16記載のアダプタ。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【公表番号】特表2010−512170(P2010−512170A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544005(P2008−544005)
【出願日】平成18年12月10日(2006.12.10)
【国際出願番号】PCT/IL2006/001414
【国際公開番号】WO2007/066341
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(508166305)ナノパス テクノロジーズ エルティディ. (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月10日(2006.12.10)
【国際出願番号】PCT/IL2006/001414
【国際公開番号】WO2007/066341
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(508166305)ナノパス テクノロジーズ エルティディ. (2)
【Fターム(参考)】
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