説明

薬剤服用器具及び薬剤包装具

【課題】 粉、顆粒、錠剤、カプセル及び液体の薬剤を、例えば乳児、幼児、高齢者や、薬剤の服用が困難な身体障害者でも比較的容易に服用できるようにするための薬剤服用器具を提供すること。
【解決手段】 ゼリー状体、粘性を有する流動体又は液体等の流動状体9と共に薬剤10を口で吸い込むための薬剤服用器具7であって、ラッパ状に形成されその大径開口部11cから流動状体9及びその表面に配置した薬剤10を吸い込むことができる第1吸込み部11と、この第1吸込み部11の小径開口部と連通するように接続する吸込み管12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば乳児、幼児、高齢者や、薬剤の服用が困難な身体障害者が薬剤を服用し易くするための薬剤服用器具及び薬剤包装具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、例えば図16に示すような粉薬服用器具1がある(例えば、特許文献1参照。)。この粉薬服用器具1は、同図に示す容器2内に粉薬(図示せず)を入れて蓋3をする。そして、コップ(図示せず)に注いだ水の中に吸込み管4の先端を浸けて、吸口管5の先端を口で吸う。すると、コップ内の水が吸込み管4を通って容器2内に流入して、この容器2内で粉薬と水とが混ざり合う。そして、水が水平管6の高さまで容器2内に流入すると、容器2内の粉薬と水との混合水が水平管6及び吸口管5を通って口の中に流入する。
【0003】
この粉薬服用器具1によると、容器2内で作られる粉薬と水との混合水を口で吸い込むことによって粉薬を服用できるので、粉薬が口の中に残ることが少なく簡単に服用することができる。
【特許文献1】特開2002−28223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、図16に示す従来の粉薬服用器具1では、薬の錠剤やカプセルを服用するときに使用することができないことがある。なぜなら、錠剤やカプセルは、容器2内の水に浮いてしまうことがあり、そのような錠剤やカプセルを、吸口管5や水平管6内に吸い込んで口の中に入れることは困難なことだからである。
【0005】
そして、図16に示す従来の粉薬服用器具1では、嵩が大きく、複雑な形状であるので、乳幼児は、違和感を生じて薬の服用を拒否することがある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、粉、顆粒、錠剤、カプセル及び液体の薬剤を、例えば乳児、幼児、高齢者や、薬剤の服用が困難な身体障害者でも比較的容易に服用できるようにするための薬剤服用器具及び薬剤包装具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る薬剤服用器具は、ゼリー状体、粘性を有する流動体又は液体等の流動状体と共に薬剤を口で吸い込むための薬剤服用器具であって、ラッパ状に形成されその大径開口部から前記流動状体と共に前記薬剤を吸い込むことができる吸込み部と、この吸込み部の小径開口部と連通するように接続する吸込み管とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1に係る薬剤服用器具を使用して、例えば粉、顆粒、錠剤、又はカプセルの薬剤を服用するときは、まず、例えばこの薬剤をゼリー状体、又は粘性を有する流動体の表面に配置して、薬剤と共にゼリー状体等をこの薬剤服用器具の吸込み部から吸い込めばよい。薬剤及びゼリー状体等は、吸込み部及び吸込み管を通る間に互いに混ざり合あった状態となって口の中に入る。そして、使用者は、口に入った薬剤をゼリー状体等と共に違和感なく飲み込むことができる。
【0009】
また、薬剤を例えばオブラートに包んで液体に浮かせて、その薬剤が包まれたオブラートと共に液体を、この薬剤服用器具を使用して口に吸い込んで飲み込むことができる。
【0010】
請求項2に係る薬剤服用器具は、請求項1に記載の薬剤服用器具において、前記吸込み部の大径開口部に対して薬剤保持部が着脱自在に設けられ、前記薬剤保持部は、内部に前記薬剤を保持することができ、前記流動状体を通すための流入部が形成されているものである。このようにすると、例えば規定量の薬剤を薬剤保持部に保持させることによって、規定量の薬剤を、流動状体と一緒に飲み込んで確実に服用することができる。そして、薬剤保持部が吸込み部と着脱自在に設けられているので、例えば薬剤の性状や使用者の好みに応じて、薬剤保持部を吸込み部から外した状態でも使用することができる。
【0011】
請求項3に係る薬剤服用器具は、ゼリー状体、粘性を有する流動体又は液体等の流動状体と共に薬剤を口で吸い込むための薬剤服用器具であって、内部に前記薬剤を保持することができ、前記流動状体を通すための流入部が形成されている薬剤保持部と、この薬剤保持部と連通するように着脱自在に、又は一体に接続する吸込み管とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に係る薬剤服用器具によると、例えば規定量の薬剤を薬剤保持部に保持させることによって、その規定量の薬剤を、流動状体と一緒に確実に服用することができる。
【0013】
請求項4に係る薬剤服用器具は、請求項2又は3に記載の薬剤服用器具において、前記流入部が前記薬剤保持部の側壁に形成されていることを特徴とするものである。このようにすると、薬剤の性状によって、薬剤が流入部から外に出る可能性が高い場合でも、薬剤保持部に保持された薬剤が流入部から出にくくすることができる。
【0014】
請求項5に係る薬剤服用器具は、ゼリー状体、粘性を有する流動体又は液体等の流動状体と共に薬剤を口で吸い込むための薬剤服用器具であって、ラッパ状に形成されその大径開口部から前記流動状体と共に前記薬剤を吸い込むことができる吸込み部と、前記流動状体を保持するためのものであって、前記吸込み部の小径開口部と連通する薬剤通路を有し、前記薬剤通路が弁機構で開閉される流動状体保持部と、この流動状体保持部と連通するように接続する吸込み管とを備えることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に係る薬剤服用器具を使用して薬剤を服用するときは、まず、流動状体保持部に流動状体を入れておく。そして、薬剤を例えば容器に入れられた流動状体の表面に配置する。このようにして、薬剤と共に流動状体を吸込み部から吸い込めばよい。するとまず、流動状体保持部に保持されている流動状体が口の中に入り、次に、容器内の流動状体及び薬剤が吸込み部、薬剤保持部及び吸込み管を通る間に互いに混ざり合あった状態となって口の中に入る。このように、まず、流動体保持部に保持されている流動状体が口の中に入った後に、容器内の薬剤及び流動状体の混合物が口に入るので、薬剤を流動状体と共に違和感なく飲み込むことができる。
【0016】
請求項6に係る薬剤服用器具は、請求項5に係る薬剤服用器具において、前記吸込み部の大径開口部に対して薬剤保持部が設けられ、前記薬剤保持部は、前記薬剤を保持することができ、前記流動状体を通すための流入部が形成されていることを特徴とするものである。このようにすると、例えば規定量の薬剤を薬剤保持部に保持させることによって、その規定量の薬剤を、流動状体と一緒に確実に服用することができる。
【0017】
請求項7に係る薬剤服用器具は、請求項2、3、4又は6のいずれかに記載の薬剤服用器具において、前記流入部は、網状体、小孔又は逆止弁で構成されていることを特徴とするものである。例えば、流動状体の粘度が比較的大きいために、流動状体が流入部を逆流し難い性状である場合は、流入部を網状体や小孔で構成することができるし、逆流し易い性状である場合は、逆止弁で構成するとよい。流入部における流動状体の逆流を防止するのは、薬剤が流入部から流出しないようにするためである。
【0018】
請求項8に係る薬剤服用器具は、請求項2、3、4、6又は7のいずれかに記載の薬剤服用器具において、前記流入部にキャップが連結され、前記キャップは、前記流動状体が収容されている容器の開口部に着脱自在に取り付けることができ、かつ前記流入部と前記開口部とを連通させる連通孔が形成されていることを特徴とするものである。このようにすると、この薬剤服用器具のキャップを、流動状体が収容された容器の開口部に着脱自在に取り付けることができ、この取り付けた状態で、吸込み管の端部から口で吸い込むことによって、容器内の流動状体と共に薬剤を服用することができる。
【0019】
請求項9に係る薬剤服用器具は、請求項1乃至7のいずれかに記載の薬剤服用器具と、この薬剤服用器具に対して間隔を隔てて覆うよう設けた外管とを備え、前記薬剤服用器具の前記流動状体を吸込む側の一端と前記外管の一端との隙間を前記流動状体の吸込み口として形成し、前記薬剤服用器具の他端と前記外管の他端との隙間を前記流動状体の出口として形成したことを特徴とするものである。
【0020】
請求項9に係る薬剤服用器具によると、外管の流動状体が流出する出口を口で吸うことによって、この外管の一端と、請求項1乃至7のいずれかに記載の薬剤服用器具(以下、「内側器具」と言う。)の吸込み管の一端との間に形成されている出口から流動状体が流出して口の中に入る。このとき、内側器具の吸込み管の上端から口の中に流入する流動状体及び薬剤と、外管の出口から口の中に流入する流動状体とが互いに混ざり合うので、薬剤の違和感を少なくして服用することができる。
【0021】
請求項10に係る薬剤包装具は、所定量の薬剤をオブラートで包むときに使用する薬剤包装具であって、漏斗状に形成されたオブラート保持部と、前記オブラート保持部の小径開口縁が、ゼリー状体、粘性を有する流動体又は液体等の流動状体が収容される容器内に向かうように前記オブラート保持部を前記容器に取り付けるための支持部とを備えることを特徴とするものである。
【0022】
請求項10に係る薬剤包装具を使用して所定量の薬剤をオブラートに包むときは、例えばまず、流動状体を容器に入れる。そして、この容器に薬剤包装具の支持部を取り付ける。次に、オブラートをオブラート保持部に装着して、このオブラート内に薬剤を入れる。次に、この薬剤を収容するオブラートをこの保持部の小径開口部から押し出して排出して、容器に収容されている流動状体上に落とす。このとき、薬剤を覆っているオブラートどうしが、流動状体によって濡れて密着し、薬剤を包んだ状態となって流動状体に浮かせることができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明に係る薬剤服用器具によると、ゼリー状体や粘性を有する流動体と共に薬剤を口で吸い込むことができる構成としたので、薬剤が水に溶けないようなものであっても、そのような薬剤を、ゼリー状体や流動体と一緒に服用することができる。従って、例えば乳児、幼児、高齢者や、薬剤の服用が困難な身体障害者でも、比較的容易に薬剤を服用することができる。
【0024】
そして、この発明に係る薬剤包装具によると、漏斗状に形成されたオブラート保持部を使用して、薬剤を簡単にオブラートで包むことができ、このオブラートに包まれた薬剤を容器内の液体に浮かせることができる構成となっているので、例えば請求項1に係る薬剤服用器具を使用して、液体と共にオブラートで包まれた薬剤を口で吸い込むことによって容易に服用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る薬剤用服用器具の第1実施形態を図1及び図13(b)を参照して説明する。この薬剤服用器具7は、図1(c)に示すように、例えば容器8にゼリー等を適当な大きさに潰した流動状体9を入れて、その流動状体9の表面に粉、顆粒、錠剤、又はカプセル等の薬剤10を配置して、その流動状体9を口で吸い込みながら薬剤10を服用できるようにするものである。この薬剤服用器具7は、第1吸込み部11と、吸込み管12とを備えている。
【0026】
第1吸込み部11は、図1(a)に示すように、ラッパ状に形成された先端部11aを有し、このラッパ状先端部11aの小径開口部に接続筒11bが結合している。そして、この接続筒11bに短円筒形の吸込み管12の端部が外嵌合して接続している。この第1吸込み部11の大径開口部11cは、容器8内の流動状体9の表面に配置されている薬剤10及び流動状体9を、効率よく吸い込むことができる大きさに形成されている。そして、吸込み管12の上端部12aは、口で吸い易い大きさであり、内孔12bは薬剤10及び流動状体9が通り易い大きさに形成されている。
【0027】
第1実施形態に係る薬剤服用器具7を使用して、例えば粉、顆粒、錠剤、又はカプセルの薬剤10を服用するときは、まず、図1(b)に示すように、コップ、皿等の容器8にゼリー等の流動状体9を入れる。容器8内の流動状体(ゼリー)9は、吸い込み易いように適当な大きさにしてある。そして、この流動状体9の表面に1回に服用する分量の薬剤10を配置する。そして、図1(c)に示すように、薬剤服用器具7の第1吸込み部11の先端部11aを、薬剤10が配置された流動状体9の表面にあてがって口で吸い込めばよい。
【0028】
薬剤10及び流動状体9は、第1吸込み部11及び吸込み管12を通る間に互いに混ざり合あった状態となって口の中に入る。そして、使用者は、口に入った流動状体9(例えばゼリー)と共に、薬剤10を違和感なく飲み込むことができる。
【0029】
このように、この薬剤服用器具7によると、流動状体9と共に薬剤10を口で吸い込むことができる構成としたので、薬剤10が水に浮かんで吸い込みにくいようなものであっても、そのような薬剤10を、ゼリー等の流動状体9と一緒に飲み込んで服用することができる。従って、例えば乳児、幼児、高齢者や、薬剤10の服用が困難な身体障害者でも、比較的容易に薬剤10を服用することができる。
【0030】
ただし、流動状体9として、ゼリー(ゼリー状体)を使用したが、これに代えて、ヨーグルト等の粘性を有する流動体や、ジュース等の液体を使用してもよい。なお、流動状体9として液体を使用する場合は、後述する図13(b)に示すように、薬剤10を例えばオブラート15に包んで液体14に浮かせて、その薬剤10が包まれたオブラート15と共に液体14を、この薬剤服用器具7を使用して口に吸い込んで飲み込むことができる。このようにしても、薬剤10を容易に服用することができる。
【0031】
次に、本発明に係る薬剤服用器具の第2実施形態を図2(a)、(b)、(c)を参照して説明する。図2(a)に示す第2実施形態の薬剤服用器具17は、図1(a)に示す第1実施形態の薬剤服用器具7において、その第1吸込み部11の大径開口縁に対して薬剤保持部18を着脱自在に設けたものである。それ以外は、第1実施形態と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
【0032】
薬剤保持部18は、図2(a)、(b)、(c)に示すように、内部に顆粒、錠剤及びカプセル等の液体以外の薬剤10を保持できるようにカップ状に形成されており、上側開口縁に雌ねじ部19が形成されている。この雌ねじ部19は、第1吸込み部11の大径開口縁に形成された雄ねじ部20に螺合させることによって、この薬剤保持部18を第1吸込み部11に着脱自在に取り付けることができるように形成されている。
【0033】
薬剤保持部18の底部には、網状体で形成された流入部21が設けられている。このように、底部を網状体で形成することによって、液体以外の薬剤10を保持することができるし、容器8内のゼリー等の流動状体9を吸い込んで、この薬剤保持部18内に流入させることができる。
【0034】
第2実施形態に係る薬剤服用器具17を使用して、例えば顆粒、錠剤、又はカプセルの薬剤10を服用するときは、まず、図2(b)に示すように、薬剤保持部18を第1吸込み部11から取り外して、この薬剤保持部18に例えば1回に服用する分量の薬剤10を配置する。そして、容器8にゼリー等の流動状体9を入れる。そして、図2(c)に示すように、薬剤服用器具17の流入部21を容器8内の流動状体9の例えば表面にあてがって口で吸い込むことができる。
【0035】
この薬剤服用器具17によると、例えば規定量の薬剤10を薬剤保持部18に保持させることによって、規定量の薬剤10を、流動状体9と一緒に飲み込んで確実に服用することができる。そして、薬剤保持部18が第1吸込み部11と着脱自在に設けられているので、例えば薬剤10の性状や使用者の好みに応じて、薬剤保持部18を第1吸込み部11から外した状態(第1実施形態の薬剤服用器具7の状態)でも使用することができる。これ以外は、第1実施形態と同様に作用するのでそれらの説明を省略する。
【0036】
次に、本発明に係る薬剤服用器具の第3実施形態を図3(a)、(b)、(c)を参照して説明する。第3実施形態と第2実施形態とが相違するところは、図2(a)に示す第2実施形態の薬剤服用器具17では、薬剤保持部18に設けられている流動状体9の流入部21を網状体で形成したのに対して、図3(a)に示す第3実施形態の薬剤服用器具23では、流入部24を複数の小孔で形成したところである。これ以外は、第2実施形態と同等の構成であり、同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
【0037】
この流入部24は、図3(a)に示すように、薬剤保持部18の底部18aに形成された複数の小孔であり、このように流入部24を複数の小孔とすることによって、例えば流動状体9に果物等の小片が含まれている場合に、その果物等の小片を小孔から吸い込んで、この薬剤保持部18内に流入させることができ、これら果物等の小片を残さずに飲み込むことができる。図3(b)は、薬剤保持部18を第1吸込み部11から取り外した状態を示している。図3(c)は、この薬剤服用器具23を使用して容器8内の流動状体9を吸い込みながら薬剤10を服用する状態を示している。
【0038】
次に、本発明に係る薬剤服用器具の第4実施形態を図4(a)、(b)、(c)を参照して説明する。第4実施形態と第2実施形態とが相違するところは、図2(a)に示す第2実施形態の薬剤服用器具17では、薬剤保持部18に設けられている流動状体9の流入部21を網状体で形成したのに対して、図4(a)に示す第4実施形態の薬剤服用器具26では、流入部27を逆止弁で形成したところである。これ以外は、第2実施形態と同等の構成であり、同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
【0039】
この流入部(逆止弁)27は、図4(a)に示すように、薬剤保持部18の底部18aに形成され弁孔27aと、この弁孔27aを開閉するためのプラスチックフィルム製の弁体27bとを備えるものである。この弁体27bは、その一端が薬剤保持部18の底部上面に結合し、他端側が上下方向に揺動可能に設けられている。このように流入部27を逆止弁とすることによって、例えば薬剤保持部18に液体の薬剤10を保持することができる。この実施形態では、流動状体9としてジュース等の液体を使用しており、この流動状体(ジュース)9が容器8内に入れられている。薬剤保持部18に保持されている液体としての薬剤10は、流入部(逆止弁)27の働きによって、弁孔27aを通って容器8内に流出することがない。
【0040】
従って、この薬剤服用器具26によると、例えば規定量の液体の薬剤10を薬剤保持部18に保持させることによって、規定量の薬剤10を、ジュースである流動状体9を飲みながらそれと一緒に確実に服用することができる。勿論、流動状体9としてジュースを使用したが、これに代えて、ゼリー状体や、ヨーグルト等の粘性を有する流動体を使用することができる。図4(b)は、薬剤保持部18を第1吸込み部11から取り外した状態を示している。図4(c)は、この薬剤服用器具26を使用して容器8内の流動状体(ジュース)9を吸い込みながら液体の薬剤10を服用する状態を示している。
【0041】
また、図2〜図4に示すように、流入部21、24、27を、網状体、小孔又は逆止弁で構成することができるので、例えば、流動状体9の粘度が比較的大きいために、流動状体9が流入部を逆流し難い性状である場合は、流入部を網状体や小孔で構成することができるし、逆流し易い性状である場合は、逆止弁で構成するとよい。流入部における流動状体9の逆流を防止するのは、薬剤10が流入部から流出しないようにするためである。
【0042】
次に、本発明に係る薬剤服用器具の第5実施形態を図5(a)、(b)、(c)を参照して説明する。図5(a)に示す第5実施形態の薬剤服用器具29は、図4(a)に示す第4実施形態の薬剤服用器具26において、その薬剤保持部18の下端部に対して第2吸込み部30を着脱自在に設けたものである。そして、第5実施形態では、第4実施形態の薬剤保持部18を流動状体保持部31として使用している。それ以外は、第4実施形態と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
【0043】
第2吸込み部30は、図5(a)、(b)、(c)に示すように、互いに結合する内周壁30aと外周壁30bとを備えている。内周壁30aは、下方に向かって広がるラッパ状に形成されており、その小径開口部が流動状体保持部31の弁孔27aに連通している。外周壁30bは、短円筒状体であり、上側開口縁に雌ねじ部32が形成されている。この雌ねじ部32は、流動状体保持部31の下端部周縁に形成された雄ねじ部33に螺合させることによって、この第2吸込み部30を流動状体保持部31に着脱自在に取り付けることができるように形成されている。
【0044】
図5(a)に示す薬剤服用器具29を使用して薬剤10を服用するときは、まず、図5(b)に示すように、流動状体保持部31に流動状体9を入れておく。この流動状体9として、例えばジュース等の液体、ゼリー状体、又はヨーグルト等の流動体等を使用することができる。そして、薬剤10を例えば容器8に入れられたゼリー等の流動状体9の表面に配置する。このようにして、薬剤10と共に流動状体9を第2吸込み部30の大径開口部から吸い込めばよい。するとまず、流動状体保持部31に保持されている流動状体9が口の中に入る。次に、容器8内の流動状体9及び薬剤10が第2吸込み部30、流動状体保持部31、第1吸込み部11及び吸込み管12を通る間に互いに混ざり合あった状態となって口の中に入る。このように、まず、流動状体保持部31に保持されている流動状体9が口の中に入った後に、容器8内の薬剤10及び流動状体9の混合物が口に入るので、薬剤10を流動状体9と共に違和感なく飲み込むことができる。
【0045】
次に、本発明に係る薬剤服用器具の第6、第7及び第8実施形態を図6、図7及び図8を参照して説明する。これら第6〜第8実施形態の薬剤服用器具35、36、37は、図5(a)に示す第5実施形態の薬剤服用器具29に取り付けられている第2吸込み部30の大径開口部に対して、薬剤保持部38、39、40を設けたものである。これらの薬剤保持部38、39、40は、薬剤10を保持することができ、流動状体9を通すための流入部21、24、27が形成されている。これ以外は、第5実施形態と同等の構成であり、同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
【0046】
この流入部21、24、27は、図6(a)、(b)、(c)に示す第6実施形態の薬剤服用器具では、網状体で構成され、図7(a)、(b)、(c)に示す第7実施形態の薬剤服用器具では、複数の小孔で構成され、図8(a)、(b)、(c)に示す第8実施形態の薬剤服用器具では、逆止弁で構成されている。これら図6(a)、図7(a)及び図8(a)に示すそれぞれの流入部21、24、27を備える薬剤保持部38、39、40は、図2(a)、図3(a)及び図4(a)に示すそれぞれの流入部21、24、27を備える薬剤保持部18、・・・と同等の構成であり、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの詳細な説明を省略する。
【0047】
つまり、これら第6〜第8実施形態の薬剤服用器具35、36、37によると、例えば規定量の薬剤10を薬剤保持部38、39、40に保持させることによって、その規定量の薬剤10を、流動状体9と一緒に飲み込んで確実に服用することができる。
【0048】
次に、本発明に係る薬剤服用器具の第9実施形態を図9(a)を参照して説明する。この図9(a)に示す第9実施形態と、図3(a)に示す第3実施形態とが相違するところは、図3(a)に示す第3実施形態の薬剤服用器具23では、複数の小孔で構成された流入部24が、薬剤保持部18の底部18aに形成されているのに対して、図9(a)に示す第9実施形態の薬剤服用器具42では、複数の小孔で構成された流入部24が、薬剤保持部18の側壁18bに形成されているところである。これ以外は、第3実施形態と同等の構成であり、同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの説明を省略する。
【0049】
このように、流入部24を薬剤保持部18の側壁18bに設けると、薬剤10の性状によって、薬剤10が流入部24から外に出る可能性が高い場合でも、薬剤保持部18に保持された薬剤10が流入部24から出にくくすることができる。
【0050】
また、図9(a)に示す第9実施形態の薬剤服用器具42では、薬剤保持部18の側壁18bに設けた流入部24を複数の小孔で構成したが、これに代えて、図9(b)に示す第10実施形態の薬剤服用器具44のように、薬剤保持部18の側壁18bに設けた流入部27を逆止弁で構成してもよい。この逆止弁(流入部27)を構成する弁孔27aは側壁18bに形成され、弁体27bは側壁18bの内面に設けられている。
【0051】
次に、本発明に係る薬剤服用器具の第11実施形態を図10を参照して説明する。この図10に示す第11実施形態の薬剤服用器具46は、図4(a)に示す第4実施形態の薬剤服用器具26において、その薬剤保持部18の底部18aを略半円球状に形成し、その弁孔27aに連結管47の上端部を螺合接合したものである。そして、この連結管47の下端部には、円板状の鍔状部47aが設けられ、この連結管47にキャップ48が回動自在に装着されている。つまり、キャップ48には、挿通孔48aが形成されており、この挿通孔48aに連結管47が挿通している。また、キャップ48の内周面には、雌ねじ部49が形成されている。
【0052】
このキャップ48は、図10に示すように、ゼリー状体等の流動状体9が収容されている容器50の開口部(雄ねじ部51)50aに着脱自在に螺合させて取り付けることができる。そしてこのように、キャップ48を開口部50aに取り付けた状態で、容器50の開口部50aと弁孔(流入部27)27aとが、連通管47の連通孔47bを介して連通した状態となる。図10に示す52は、容器50内の流動状体9を吸上げるための吸上げ管である。容器50は、柔軟な袋である。
【0053】
この薬剤服用器具46によると、キャップ48を流動状体9が収容された容器50の開口部50aに着脱自在に取り付けることができ、このようにキャップ48を取り付けた状態で、吸込み管12の上端部12aから口で吸い込むことによって、容器50内の流動状体9を飲みながら薬剤10を服用することができる。
【0054】
次に、本発明に係る薬剤服用器具の第12実施形態を図11を参照して説明する。この図11に示す第12実施形態の薬剤服用器具54は、図1に示す第1実施形態の薬剤服用器具(内側器具)7と、この薬剤服用器具7に対して隙間56を隔てて覆うよう設けた外管55とを備え、内側器具7の流動状体9を吸込む側の下端と外管55の下端との隙間を、容器8内の流動状体9を吸い込むための吸込み口57として形成してある。そして、内側器具7の上端と外管55の上端との隙間を流動状体9の出口58として形成したものであり、この出口58に口を付けて、薬剤10等を吸い込むことができる。
【0055】
なお、外管55の内面と内側器具7の外面との隙間56は、図11に示すように、薬剤服用器具54の全体に亘って略同じ寸法となるようにそれぞれが形成されている。また、外管55は、外管上部55aと外管下部55bとから成っている。
【0056】
図11に示す薬剤服用器具54によると、外管55の出口58を口で吸うことによって、この出口58から流動状体9が流出して口の中に入る。このとき、内側器具7の吸込み管12の上端からも流動状体9及び薬剤10が流入し、これらが互いに混ざり合うので、薬剤10の違和感を少なくして服用することができる。
【0057】
ただし、図11に示す薬剤服用器具54では、外管55の内側に図1(a)に示す薬剤服用器具7を設けた構成としたが、この図1(a)に示す薬剤服用器具7に代えて、図2(a)等に示す上記他の実施形態の薬剤服用器具を内側に設けた構成としてもよい。
【0058】
次に、本発明に係る薬剤包装具の第13実施形態を、図12及び図13を参照して説明する。この薬剤包装具60は、例えば合成樹脂製であり、図12(a)、(b)に示すように、所定量の薬剤10をオブラート15で包むときに使用するものであって、漏斗状に形成されたオブラート保持部61を備えている。そして、このオブラート保持部61の周壁に支持部62が設けられている。支持部62は、板状体を屈曲形成したものであり、その上端部がオブラート保持部61の周壁と結合している。支持部62の下部は、2つに分岐する脚部62a、62aで形成されており、この脚部62a、62aに所定の深さの溝62bが形成されている。この脚部62a、62aは、図12(b)に示すように、溝62bをコップ等の容器8の周壁の上縁部に嵌合させることによって、容器8に固定して取り付けることができるように形成されている。
【0059】
そして、図12(b)に示すように、薬剤包装具60を容器8に取り付けた状態で、オブラート保持部61の小径開口縁61aが、ジュース等の液体(流動状体)14が収容される容器8内に向かうように形成されている。
【0060】
図12(a)に示す薬剤包装具60を使用して所定量の薬剤10をオブラート15に包むときは、まず、図12(b)に示すように、ジュース等の流動状体14を容器8に入れる。そして、この容器8に薬剤包装具60の支持部62を取り付ける。次に、オブラート15をオブラート保持部61内に装着して、このオブラート15内に薬剤10を入れる。このオブラート15は、シート状のものをほぼ円錐形に折り曲げてオブラート保持部61に装着してもよいし、袋状に形成されたものを装着してもよい。
【0061】
次に、図12(c)に示すように、例えばスプーンの柄63などを使用して、この薬剤10を収容するオブラート15を保持部61の小径開口部61bから押し出して排出して、容器8に収容されている流動状体14上に落とす(図13(a)参照)。このとき、薬剤10を覆っているオブラート15どうしが、流動状体14によって密着して薬剤10を包んだ状態となり、流動状体14上に浮かせることができる。
【0062】
次に、図13(b)に示すように、例えば図1(a)に示す薬剤服用器具7を使用して、液体の流動状体14と共にオブラート15で包まれた薬剤10を口で吸い込むことによって、薬剤10を容易に服用することができる。
【0063】
この第13実施形態では、容器8にジュース等の流動状体14を入れて、このジュース等の液体によってオブラート15どうしを密着させて薬剤10を包むようにしたが、液体に代えて、比較的流動性の高いゼリー状体(例えばゼリー)、又は粘性を有する流動体(例えばヨーグルト)等の流動状体を使用することができる。
【0064】
次に、図14(a)〜(c)を参照して、薬剤10を含ませた流動状体66の成形方法、及びそれに使用する薬剤成形具65を説明する。この薬剤10を含ませた流動状体66は、例えば図1に示す薬剤服用器具7を使用して第1吸込み部11から吸い込んで、この流動状体66を飲み込むことができ、これによって薬剤10を服用できるようにするものである。勿論、薬剤服用器具7を使用せずに、流動状体66をそのまま口に入れて飲み込むこともできる。
【0065】
図14(a)は、薬剤成形具65を構成する成形型67を示す平面図である。この成形型67は、矩形の板状体であり、その上面に8つの略半球形状の凹部68、・・・が形成されている。成形型67の外周縁には、矩形枠状の溝69が形成されており、この溝69に蓋70の外周縁が嵌合するようになっている(図14(b)参照)。
【0066】
この薬剤成形具65を使用して薬剤10を含ませた流動状体66を成形するときは、まず、例えばゼリー又は寒天等の流動状体9を加熱して液状にする。そして、この液状のゼリー等の流動状体9を、図14(a)に示す成形型67に形成されているそれぞれの凹部68、・・・に流し込む。次に、各凹部68に流し込まれた流動状体9に薬剤10を入れる。ここで、この合計8つの凹部68に流し込まれた流動状体9に入れる薬剤10は、1回に服用する分量とする。そして、薬剤10が例えば錠剤であれば、小さく潰して各流動状体9に入れるとよい。
【0067】
そして、図14(b)に示すように、成形型67に蓋70をして、流動状体9及び薬剤10が流し込まれたこの薬剤成形具65を例えば冷蔵庫で冷却する。冷却によって各凹部68に流し込まれた薬剤10を含む流動状体66が固まった後に、この成形型67の各凹部68から流動状体66を取り出す。これによって、薬剤10を含ませた略半球形状の流動状体66を成形することができる(図14(c)参照)。この薬剤10を含ませた流動状体66は、例えば図1に示す薬剤服用器具7を使用して第1吸込み部11から吸い込んで、流動状体66を飲み込むことによって薬剤10を服用することができる。また、この薬剤10を含む流動状体66を、薬剤服用器具7を使用せずにそのまま飲み込むことによって薬剤10を服用することもできる。
【0068】
次に、図15(a)〜(c)を参照して、薬剤10を含ませた他の流動状体71の成形方法、及びそれに使用する他の薬剤成形具72を説明する。この薬剤10を含ませた流動状体71は、図15(c)に示すように、まず、適当な大きさに切断しておいて、上記と同様に、例えば図1に示す薬剤服用器具7を使用して第1吸込み部11から吸い込んで、この切断された流動状体71を飲み込むことによって薬剤10を服用することができる。また、この切断された流動状体71を、薬剤服用器具7を使用せずにそのまま飲み込むことによって薬剤10を服用することもできる。
【0069】
図14(a)、(b)に示す薬剤成形具65と、図15(a)、(b)に示す薬剤成形具72とが相違するところは、それぞれの成形型67、73に形成されている凹部68、74の大きさが相違するところである。
【0070】
つまり、図15(a)、(b)に示す成形型73を使用して成形された薬剤10を含む流動状体71は、図15(c)に示すように、例えば包丁で切断することによって、薬剤服用器具7を使用して吸い込むことができる寸法に形成する必要がある。図15(a)、(b)に示す成形型73の上面に形成されている凹部74、74は、断面が半円形の長溝である。これ以外は、図14(a)、(b)に示す薬剤成形具65と同等であり、同様にして薬剤10を含む流動状体71を成形することができる。
【0071】
ただし、図2(a)に示す薬剤服用器具17において、例えば吸込み管12と第1吸込み部11とを一体に形成して吸込み管とし、この吸込み管の先端に薬剤保持部18を着脱自在に設けた構成としてもよい。
【0072】
そして、図2〜図4に示す第2〜第4の各実施形態において、ラッパ状の第1吸込み部11と薬剤保持部18とを互いに着脱自在に設けたが、これに代えて、第1吸込み部11を略短円筒形に形成し、この略短円筒形の第1吸込み部11と薬剤保持部18とを互いに一体に設けた構成としてもよい。このように、第1吸込み部11を略短円筒形に形成することによって、例えば薬剤10を服用する乳幼児が、この薬剤服用機具の形状に対して違和感を生じることなく薬剤10を服用することができる。なお、薬剤保持部18への薬剤10の供給は、吸込み管12の上端部12aから行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上のように、本発明に係る薬剤服用器具及び薬剤包装具は、粉、顆粒、錠剤、カプセル及び液体等の薬剤を、例えば乳児、幼児、高齢者や、薬剤の服用が困難な身体障害者でも比較的容易に服用できるようにする優れた効果を有し、このような薬剤服用器具及び薬剤包装具等に適用するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】この発明の第1実施形態に係る薬剤服用器具を示し、(a)は薬剤服用器具の縦断面図、(b)は薬剤服用器具によって吸い込んで飲み込むための流動状体の入れられた容器の縦断面図、(c)は薬剤服用器具によって薬剤及び流動状体を吸い込んで飲み込む状態を示す縦断面図である。
【図2】同発明の第2実施形態に係る薬剤服用器具を示し、(a)は薬剤服用器具の縦断面図、(b)は薬剤服用器具の薬剤保持部を取り外した状態を示す縦断面図、(c)は薬剤服用器具によって薬剤及び流動状体を吸い込んで飲み込む状態を示す縦断面図である。
【図3】同発明の第3実施形態に係る薬剤服用器具を示し、(a)は薬剤服用器具の縦断面図、(b)は薬剤服用器具の薬剤保持部を取り外した状態を示す縦断面図、(c)は薬剤服用器具によって薬剤及び流動状体を吸い込んで飲み込む状態を示す縦断面図である。
【図4】同発明の第4実施形態に係る薬剤服用器具を示し、(a)は薬剤服用器具の縦断面図、(b)は薬剤服用器具の薬剤保持部を取り外した状態を示す縦断面図、(c)は薬剤服用器具によって薬剤及び流動状体を吸い込んで飲む状態を示す縦断面図である。
【図5】同発明の第5実施形態に係る薬剤服用器具を示し、(a)は薬剤服用器具の縦断面図、(b)は薬剤服用器具の流動状体保持部及び第2吸込み部を取り外した状態を示す縦断面図、(c)は薬剤服用器具によって薬剤及び流動状体を吸い込んで飲み込む状態を示す縦断面図である。
【図6】同発明の第6実施形態に係る薬剤服用器具を示し、(a)は薬剤服用器具の縦断面図、(b)は薬剤服用器具の流動状体保持部及び第2吸込み部を取り外した状態を示す縦断面図、(c)は薬剤服用器具によって薬剤及び流動状体を吸い込んで飲み込む状態を示す縦断面図である。
【図7】同発明の第7実施形態に係る薬剤服用器具を示し、(a)は薬剤服用器具の縦断面図、(b)は薬剤服用器具の流動状体保持部及び第2吸込み部を取り外した状態を示す縦断面図、(c)は薬剤服用器具によって薬剤及び流動状体を吸い込んで飲み込む状態を示す縦断面図である。
【図8】同発明の第8実施形態に係る薬剤服用器具を示し、(a)は薬剤服用器具の縦断面図、(b)は薬剤服用器具の流動状体保持部及び第2吸込み部を取り外した状態を示す縦断面図、(c)は薬剤服用器具によって薬剤及び流動状体を吸い込んで飲む状態を示す縦断面図である。
【図9】(a)は同発明の第9実施形態に係る薬剤服用器具を示す縦断面図、(b)は同発明の第10実施形態に係る薬剤服用器具を示す縦断面図である。
【図10】同発明の第11実施形態に係る薬剤服用器具を示す縦断面図である。
【図11】同発明の第12実施形態に係る薬剤服用器具を示す縦断面図である。
【図12】同発明の第13実施形態に係る薬剤包装具を示し、(a)は薬剤包装具の斜視図、(b)は薬剤包装具を容器に取り付けた状態の縦断面図、(c)はオブラート保持部から薬剤を取り出す状態を示す縦断面図である。
【図13】同第13実施形態に係る薬剤包装具を示し、(a)はオブラート保持部から薬剤を取り出した状態を示す縦断面図、(b)は薬剤服用器具によって薬剤及び流動状体を吸い込んで飲む状態を示す縦断面図である。
【図14】(a)は同発明の第1実施形態に係る薬剤服用器具を使用して飲み込むことができる薬剤を含む流動状体を成形するための成形型を示す平面図、(b)は図14(a)に示す成形型に蓋がされた薬剤成形具のA−A断面図、(c)は図14(b)に示す薬剤成形具で成形された薬剤を含む流動状体の正面図である。
【図15】(a)は同発明の第1実施形態に係る薬剤服用器具を使用して飲み込むことができる薬剤を含む流動状体を成形するための他の成形型を示す平面図、(b)は図15(a)に示す成形型に蓋がされた薬剤成形具のB−B断面図、(c)は図15(b)に示す薬剤成形具で成形された薬剤を含む流動状体の正面図である。
【図16】従来の粉薬服用器具を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0075】
7、17、23、26、29、35、36、37 薬剤服用器具
42、44、46、54 薬剤服用器具
8 容器
9、14 流動状体
10 薬剤
11 第1吸込み部
11a 先端部
11b 接続筒
11c 大径開口部
12 吸込み管
12a 上端部
12b 内孔
15 オブラート
18、38、39、40 薬剤保持部
18a 底部
18b 側壁
19、32、49 雌ねじ部
20、33、51 雄ねじ部
21、24、27 流入部
27a 弁孔
27b 弁体
30 第2吸込み部
30a 内周壁
30b 外周壁
31 流動状体保持部
47 連結管
47a 鍔状部
47b 連通孔
48 キャップ
48a 挿通孔
50 容器
50a 開口部
52 吸上げ管
55 外管
55a 外管上部
55b 外管下部
56 隙間
57 吸込み口
58 出口
60 薬剤包装具
61 オブラート保持部
61a 小径開口縁
61b 小径開口部
62 支持部
62a 脚部
62b、69 溝
63 柄
65、72 薬剤成形具
66、71 薬剤を含む流動状体
67、73 成形型
68、74 凹部
70 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼリー状体、粘性を有する流動体又は液体等の流動状体と共に薬剤を口で吸い込むための薬剤服用器具であって、
ラッパ状に形成されその大径開口部から前記流動状体と共に前記薬剤を吸い込むことができる吸込み部と、この吸込み部の小径開口部と連通するように接続する吸込み管とを備えることを特徴とする薬剤服用器具。
【請求項2】
前記吸込み部の大径開口部に対して薬剤保持部が着脱自在に設けられ、前記薬剤保持部は、内部に前記薬剤を保持することができ、前記流動状体を通すための流入部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の薬剤服用器具。
【請求項3】
ゼリー状体、粘性を有する流動体又は液体等の流動状体と共に薬剤を口で吸い込むための薬剤服用器具であって、
内部に前記薬剤を保持することができ、前記流動状体を通すための流入部が形成されている薬剤保持部と、この薬剤保持部と連通するように着脱自在に、又は一体に接続する吸込み管とを備えることを特徴とする薬剤服用器具。
【請求項4】
前記流入部が前記薬剤保持部の側壁に形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の薬剤服用器具。
【請求項5】
ゼリー状体、粘性を有する流動体又は液体等の流動状体と共に薬剤を口で吸い込むための薬剤服用器具であって、
ラッパ状に形成されその大径開口部から前記流動状体と共に前記薬剤を吸い込むことができる吸込み部と、前記流動状体を保持するためのものであって、前記吸込み部の小径開口部と連通する薬剤通路を有し、前記薬剤通路が弁機構で開閉される流動状体保持部と、この流動状体保持部と連通するように接続する吸込み管とを備えることを特徴とする薬剤服用器具。
【請求項6】
前記吸込み部の大径開口部に対して薬剤保持部が設けられ、前記薬剤保持部は、前記薬剤を保持することができ、前記流動状体を通すための流入部が形成されていることを特徴とする請求項5記載の薬剤服用器具。
【請求項7】
前記流入部は、網状体、小孔又は逆止弁で構成されていることを特徴とする請求項2、3、4又は6のいずれかに記載の薬剤服用器具。
【請求項8】
前記流入部にキャップが連結され、前記キャップは、前記流動状体が収容されている容器の開口部に着脱自在に取り付けることができ、かつ前記流入部と前記開口部とを連通させる連通孔が形成されていることを特徴とする請求項2、3、4、6又は7記載の薬剤服用器具。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれかに記載の薬剤服用器具と、この薬剤服用器具に対して間隔を隔てて覆うよう設けた外管とを備え、前記薬剤服用器具の前記流動状体を吸込む側の一端と前記外管の一端との隙間を前記流動状体の吸込み口として形成し、前記薬剤服用器具の他端と前記外管の他端との隙間を前記流動状体の出口として形成したことを特徴とする薬剤服用器具。
【請求項10】
所定量の薬剤をオブラートで包むときに使用する薬剤包装具であって、
漏斗状に形成されたオブラート保持部と、前記オブラート保持部の小径開口縁が、ゼリー状体、粘性を有する流動体又は液体等の流動状体が収容される容器内に向かうように前記オブラート保持部を前記容器に取り付けるための支持部とを備えることを特徴とする薬剤包装具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−275350(P2007−275350A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−106483(P2006−106483)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(599120244)
【Fターム(参考)】