説明

虫落とし洗剤

【課題】液性が弱酸性の液状洗剤で、塗装などを変色させず、虫体残骸を短時間で軟化又は溶解することが可能とする。
【解決手段】ラウリル硫酸ナトリウム、メタノール、クエン酸の混合水溶解液に過酸化水素水を加えた洗剤で、虫体残骸物にかけると、虫体細胞内のペルオキシダ−ゼやカタラーゼ若しくは微量金属が過酸化水素水を分解する。この時発生する酸素によって発泡し、虫体残骸物内に空洞や空間を作る。小さい残骸はこれだける付着体から剥離する。大きいものは空洞や空間にラウリル硫酸ナトリウムが入り込み、虫体残骸物を軟化又は溶解する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車などに付着し、乾燥した虫体残骸を軟化又は溶解し、洗浄または清拭を容易にする洗剤である。
【背景技術】
【0002】
虫体残骸の汚れ落としは、従来、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウムなど含有のアルカリ水溶液と界面活性剤の組み合わせによる洗剤が主流である。(特許取得なし)
【0003】
しかしながら、アルカリ洗剤による虫体残骸の軟化には速攻性なく、多くは乾燥しているため、洗剤がなかなか浸透しにくい。
【0004】
また、アルカリ強いため、塗装の変色が生じ、十分時間を置かないで擦ると、塗装の剥離が生じる。
【0005】
汚れを浮かせる目的に、発泡作用のある洗剤は存在するが、用途は流しの排水管、風呂釜用で、粉末状態で使用するため、水溶液にして噴霧することは不可能である。
【特許文献1】特開2005−298246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
虫体残骸に洗剤を噴霧すると、短時間(30秒〜1分程度)で軟化又は溶解し、濡れ雑巾や高圧洗浄で容易に洗浄可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は乾燥した虫体残骸物を表面から軟化することは困難であるため、洗剤に含有させた過酸化水素水で発泡させて空洞空間を作成する、
【0008】
ここに洗剤中に配合した浸透助剤であるメタノールの作用で、ラウリル硫酸ナトリウム水溶液が前項の空洞空間に入り込み、虫体残骸物を軟化又は溶解する。
【発明の効果】
【0009】
過酸化水素水は一般に細胞内に含まれているペルオキシダーゼやカタラーゼ又は鉄やマグネシウムなどの金属によって分解し、水と酸素になる。この時発生する酸素によって発泡する。生きた虫に本洗剤をかけても何の変化はないが、潰れた虫は上述の酵素や金属が露出するため、発泡する。
【0010】
過酸化水素水の発泡で生じた空洞や空間にラウリル硫酸ナトリウムが入り込み、30秒〜1分程度で、虫体残骸物が軟化又は溶解し、濡れ雑巾等で簡単に拭き取ることが可能になった。
【0011】
過酸化水素水はpH6以上では不安定で、自然分解して発泡してしまう。そこで、本洗剤はクエン酸及び尿酸を用いてpHを3〜5に調整している。このため過酸化水素水は安定し、弱酸性のため、車体塗料の変色は生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明洗剤の薬剤構成は過酸化水素水、ラウリル硫酸ナトリウム、メタノール、クエン酸であるが、過酸化水素水は0.8〜1.2重量%、ラウリル硫酸ナトリウムは0.8〜1.2重量%、メタノールは15〜25重量%、クエン酸は0.020〜0.025重量%である。
【産業上の利用可能性】
【0013】
容器はトリガータイプのボトルであるため、一般の噴霧タイプの洗剤の製造と同じであるため簡単に充填、閉栓が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は過酸化水素水、ラウリル硫酸ナトリウムを含有する液状の発泡洗剤。
【請求項2】
浸透助剤としてメタノール、エタノール、プロパノールから一種選択し、更に、安定剤としてクエン酸、尿酸、シュウ酸より一種以上選択し、含有した弱酸性の請求項1の発泡洗剤。

【公開番号】特開2009−191190(P2009−191190A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34279(P2008−34279)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(308003828)株式会社エグレットトラスト (1)
【Fターム(参考)】