説明

蚊取器

【課題】 本発明は、薬液を収容した容器が装着され、その容器内の薬液を蒸散させる蚊取器に関し、容器が確実に装着されるとともに、装着された容器を容易に取り外すことのできる蚊取器を提供する。
【解決手段】 側面に突出したリブを有し薬液を収容した容器の装着を受けてそのリブを係止することで容器を保持し、保持した容器内の薬液を蒸散させる蚊取器において、押ボタンと、上記リブに係止することで容器を保持し、上記押ボタンが押されたときのその押ボタンの動きに伴って相対的に離間することでその係止を解除する複数の係止爪とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液を収容した容器が装着され、その容器内の薬液を蒸散させる蚊取器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より上記のタイプの蚊取器が広く知られている。
【0003】
図1は、従来の蚊取器の外観斜視図である。
【0004】
この蚊取器10Cは下方が円筒形、上方が半球形の形状を有し、その上端には、蒸散させた薬液を空中に拡散させるための穴11が形成されている。また、この蚊取器10Cの側面下部には、電源スイッチ12が設けられている。さらに、電源スイッチ12の上方、穴11の横には、電源確認窓13が設けられている。この蚊取器10Cには先端に電源プラグ18を備えた電源コード17が接続されており、この電源プラグ18を商用電源のコンセント(図示せず)に差し込み電源スイッチ12をオンにすると、電源確認窓13が光り、電源が投入されたことが視認される。
【0005】
さらに、この蚊取器10Cの側面下方には、図2を参照して説明する容器20中の薬液の残量を視認するための液量確認窓14が設けられている。この液量確認窓14は、互いに向き合う位置に2つ設けられている。
【0006】
図2は、薬液を収容した容器20の外観斜視図である。ここでは、この容器20は、キャップを取り外した状態が示されている。
【0007】
この容器20内には蚊取用の薬液が収容されており、その容器20内の薬液を毛細管現象により吸い上げる吸上げ芯21が、上端部が容器20から上方に突出した状態に突き刺さっている。この容器20は、吸上げ芯21を除き、透明なプラスチック材料で形成されており、その内部の薬液の液量を液量確認窓14(図1参照)から確認することができる。またこの容器20は、太い円筒形状の胴部201と、細い円筒形状の首部202を有する。また、この容器20は、胴部201と首部202との繋ぎの部分に、側方から見たときに台形状の斜面からなる肩部203が形成されている。また、首部202の外周には、キャップ(図示せず)を着脱するための螺旋形のリブ(螺旋リブ22)と、その螺旋リブ22の下方に、この容器20を蚊取器10C(図1)に装着するための円環状のリブ(円環リブ23)が形成されている。
【0008】
図3は、図1に示す蚊取器10Cを底面側から見て示した斜視図である。
【0009】
この蚊取器10Cはその底面に大きな開口101を有する。この開口101の側面には、図1を参照して説明した2つの液量確認窓と同じ位置に、横窓108が設けられている。図2に示す容器20の液量は、この横窓を透し、さらに図1に示す液量確認窓14を透して視認される。また、この開口101の奥(図1に示す姿勢では開口101の上端)には、丸穴102が形成されている。図2に示す容器20は、吸上げ芯21の突出した部分がその丸穴102に差し込まれた姿勢でこの開口101内に装着される。
【0010】
この開口101の内部には、その中央に向かって突出した4枚のリブ103を有する。これら4枚のリブ103は、この図3に示す向きに見たときに階段状に形成されており、その段部103aは、容器20の肩部203(図2参照)に当てがわれる。またその段部103aに続く立ち上がり部103bは、容器20の胴部201に当てがわれる。
【0011】
さらに、この開口101の奥には、丸穴102の周囲に、容器20の首部202が入り込む窪み部104が形成されている。この窪み部104には、中央に向かって突出した複数の突部104aが形成されており、これらの突部104aは容器20の首部202に当てがわれる。
【0012】
さらに、この開口101の奥には、窪み部104を挟んで対向する2つの係止爪105が設けられている。この開口101内に容器20が装着されると、その容器20の首部202の外周に設けられた円環リブ23が、係止爪105を押し開きながら開口101の奥側(図1に示す姿勢における上側)に通過し、通過直後に係止爪105が元の姿勢に戻って円環リブ23を係止し、容器20が落下しないように保持される。
【0013】
図4は、図1に示す蚊取器の、カバーを取り外して内部の構造を示した斜視図である。
【0014】
ここには、中央に開口を有するヒータ15が示されている。図2に示す容器20が上述のようにして蚊取器10Cに装着されると、その容器20の吸上げ芯21の突出した先端部分がこのヒータ15の中央の開口に、ヒータ15に接触しないように入り込む。電源スイッチ12をオンにすると、そのヒータ15に電流が流れて吸上げ芯21の先端部分にまで吸い上げられた薬液が温められ空気中に蒸散する。この蒸散した薬液は図1に示す穴11から室内に拡散される。
【0015】
またこの図4には、ランプ16が示されている。このランプ16は、電源スイッチ12をオンにすると点灯する。このランプ16と図1に示す電源確認窓13との間にはプラスチックのライトガイド棒(図示せず)が配置され、ランプ16の光がそのライトガイド棒を伝って電源確認窓13を光らせる構造となっている。
【0016】
ここで、特許文献1には、蒸散成分を広範囲に拡散するための外気取入口を設けた構造が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平5−244853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
図1〜図4を参照して説明した従来構造の蚊取器10Cの場合、容器20の装着にあたっては、容器の底に指などを当てがって少し強めに押すことにより容易に装着することが可能である。しかしながら、装着された容器内の薬液を使い切って容器の交換のために容器を取り外そうとすると、蚊取器10Cの底の開口101の、容器の胴部201とその開口101の壁面との間の、狭い隙間に指先を差し込んで容器20をつかんで引き抜く必要があり、女性や子供では困難な程度に強く把持して強く引き抜く必要がある。このように、従来構造の蚊取器は、容器を取り外す際の操作性が悪いという問題がある。
【0019】
本発明は、容器が確実に装着されるとともに、装着された容器を容易に取り外すことのできる蚊取器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成する本発明の蚊取器は、側面に突出したリブを有し薬液を収容した容器の装着を受けてそのリブを係止することで容器を保持し、保持した容器内の薬液を蒸散させる蚊取器において、
押ボタンと、
上記リブに係止することで容器を保持し、上記押ボタンが押されたときのその押ボタンの動きに伴って相対的に離間することでその係止を解除する複数の係止爪とを有することを特徴とする。
【0021】
ここで、本発明の蚊取器において、上記複数の係止爪は、それぞれの一端がこの蚊取器本体に軸支されて他端側が互いに接離する方向に回動する係止爪であって、
係止爪の他端どうしが互いに近づく方向に係止爪を付勢するバネと、
係止爪どうしの間に容器を挟むだけの間隔を空けて係止爪が互いに対向する位置に係止爪を停止させるストッパとを有し、
押ボタンとストッパが、押ボタンが押されることによりスライドし係止爪の他端どうしの間に入り込んで係止爪の他端どうしの間隔を広げるとともに、押ボタンの押圧の解除によりスライドし互いに近づいてきた係止爪を停止させる、一体の部材で形成されたものであることが好ましい。
【0022】
あるいは、本発明の蚊取器は、上記複数の係止爪が、この蚊取器本体に設けられた第1の係止爪と、その第1の係止爪との間に間隔を空けてその第1の係止爪に対向する第2の係止爪とを含み、
上記押ボタンと第2の係止爪が、その押ボタンを押すことによって第2の係止爪が第1の係止爪から離れる方向にこの蚊取器本体に対しスライドする、一体の部材で形成されたものであり、さらに
第2の係止爪が第1の係止爪に近づく方向に上記部材を付勢するバネと、
そのバネにより付勢された部材を、第2の係止爪が第1の係止爪に対し、第1の係止爪と第2の係止爪との間に容器を挟むだけの間隔を空けて対向する位置に停止させるストッパとを有するものであることも好ましい態様である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の蚊取器は、押ボタンが押されたときの押ボタンの動きに伴って相対的に離間する複数の係止爪で容器のリブを係止する構造であり、容器が確実に装着され、かつ装着された容器を容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来の蚊取器の外観斜視図である。
【図2】薬液を収容した容器の外観斜視図である。
【図3】図1に示す蚊取器を底面側から見て示した斜視図である。
【図4】図1に示す蚊取器の、カバーを取り外して内部の構造を示した斜視図である。
【図5】第1実施形態の蚊取器の分解斜視図である。
【図6】第1実施形態の蚊取器の正面図である。
【図7】第1実施形態の蚊取器の、押ボタンが押されていない状態における、図6に示す一点鎖線A−Aに沿う断面図である。
【図8】第1実施形態の蚊取器の、押ボタンが押されていない状態における、図6に示す一点鎖線S−Sに沿う断面図である。
【図9】第1実施形態の蚊取器の、押ボタンが押されていない状態における、図6に示す一点鎖線T−Tに沿う断面図である。
【図10】第1実施形態の、押ボタンが押された状態における、図6に示す一点鎖線A−Aに沿う断面図である。
【図11】第1実施形態の、押ボタンが押された状態における、図6に示す一点鎖線S−Sに沿う断面図である。
【図12】第1実施形態の、押ボタンが押された状態における、図6に示す一点鎖線T−Tに沿う各断面図である。
【図13】第2実施形態の蚊取器の分解斜視図である。
【図14】第2実施形態の蚊取器の正面図である。
【図15】第2実施形態の蚊取器の、押ボタンが押されていない状態における、図14に示す一点鎖線A−Aに沿う断面図である。
【図16】第2実施形態の蚊取器の、押ボタンが押されていない状態における、図14に示す一点鎖線T−Tに沿う断面図である。
【図17】第2実施形態の、押ボタンが押された状態における、図14に示す一点鎖線A−Aに沿う断面図である。
【図18】第2実施形態の、押ボタンが押された状態における、図14に示す一点鎖線T−Tに沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0026】
図5は、第1実施形態の蚊取器の分解斜視図である。
【0027】
この図5において、前述の従来例の蚊取器10Cの構成要素と同一の構成要素には、前述の従来例の蚊取器10Cの図面に付した符号と同一の符号を付して示す。
【0028】
この図5に示す第1実施形態の蚊取器10Aの、前述の従来例の蚊取器10Cと比べたときの主な相違点は、この第1実施形態の蚊取器10Aに、ロックアーム130、押ボタン140、およびスプリング150が備えられていることである。これらを備えていることに伴い、前述の従来例の蚊取器10Cと比べ、例えばベース部材110やカバー部材200にも若干の変更が加えられている。この図5に示す第1実施形態の蚊取器10Aに装着される容器20は、前述の従来例の蚊取器10Cに装着される容器20(図2参照)と同一のものである。
【0029】
ロックアーム130は2本のアーム部材131,132で構成されている。これら2本のアーム部材131,132それぞれの一端はベース110に回動自在に軸支され、もう一方の端部131a,132aが互いに接離する方向に回動する。これらのアーム部材131,132は、本発明にいう係止爪の一例である。
【0030】
スプリング150は、ロックアーム130に取り付けられ、2本のアーム部材131,132が互いに近づく方向にそれらのアーム部材131,132を付勢する。
【0031】
また、押ボタン140は、それら2本のアーム部材131,132の端部131a,132aどうしの間に入り込んで2本のアーム部材131,132の間隔を規制するストッパとしての役割りと、その押ボタン140が押されたときに2本のアーム部材131,132の間隔を広げる役割りを担っている。
【0032】
ヒータベース170にはヒータ15がネジ190でネジ止めされ、また、このヒータベース170にはランプ16などの回路部品が組み込まれる。ベース110上には、スプリング150が取り付けられたロックアーム130や押ボタン140が配置され、ヒータ15やランプ16が取り付けられたヒータベース170がその上に置かれて、そのヒータベース170が4本のネジ180でベース110にネジ止めされる。さらに、ベース110には、電源スイッチ12を支持するスイッチ部材120や液量確認窓14(図1参照)を覆う透明プラスチック製の2枚の窓部材160が配置され、一方、トップカバー200にはボタンカバー210が取り付けられ、そのボタンカバー210が取り付けられたトップカバー200がヒータベース170やベース110に被せられて、ベース110の下方からネジ210でネジ止めされる。トップカバー200を被せるにあたっては、押ボタン140を押し込みぎみにし、その押ボタン140とボタンカバー210の向きが一致するようにしてトップカバー200を被せる。そのトップカバー200を被せ終えるとその押ボタン140の頭がボタンカバー210に設けられた穴211から覗く状態となる。
【0033】
図6は、図5に分解斜視図を示す第1実施形態の蚊取器の正面図である。
【0034】
また図7,図8,図9は、その第1実施形態の蚊取器の、押ボタンが押されていない状態における、図6に示す一点鎖線A−A,S−S,T−Tに沿う各断面図である。
【0035】
また、図10,図11,図12は、その第1実施形態の、押ボタンが押された状態における、図6に示す一点鎖線A−A,S−S,T−Tに沿う各断面図である。
【0036】
これらの各図には、容器20が装着された状態が示されている。
【0037】
図6に示すように、この蚊取器10Aのトップカバー200にはボタンカバー210が取り付けられており、そのボタンカバー210の穴211から押しボタン140の頭が覗いた状態にある。
【0038】
この押ボタン140は、その中央に穴141(図9,図12参照)を有し、その穴141にはベース110に設けられたピン111が入り込んでいてこの押ボタン140の可動範囲を規制している。
【0039】
容器20は、底の開口101から装着され、その容器20の円環リブ23がロックアーム130を構成する2本のアーム部材131,132により挟まれることにより、吸上げ芯21の先端部分がヒータ15に取り囲まれた状態に支持されている。
【0040】
2本のアーム部材131,132がスプリング150により互いに近づく方向に付勢されているため、押ボタン140は、それらの2本のアーム部材131,132の端部131a,131bに押されて、その頭部が、図9に示すボタンカバー210の穴211に入り込んだ位置まで突出している。容器20はこの状態で蚊取器10Aに安定的に保持されている。
【0041】
この押ボタン140を図10に示すように蚊取器10A内に押し込むように操作すると、その押ボタン140が、図12に示すように、2本のアーム部材131,132の端部131a,132aを互いに押し広げるように作用し、図11に示すように2本のアーム部材131,132が容器20の円環リブ23から離れる。これにより容器20は、蚊取器10Aから落下し、その容器20が蚊取器10Aから容易に取り外される。
【0042】
容器20を蚊取器10Aに装着するときは、押ボタン140を押すことなく、容器20を蚊取器10Aに押し込むだけで、2本のアーム部材131,132が円環リブ23に押されて互いに少し開き、円環リブ23が入り込むとその円環リブ23が2本のアーム部材131,132で挟持される。
【0043】
図13は、第2実施形態の蚊取器の分解斜視図である。
【0044】
この図13において、前述の第1実施形態の蚊取器10Aの構成要素に対応する構成要素には、多少の形状等の相違があっても、第1実施形態の蚊取器10Aの図面に付した符号と同一の符号を付して示す。
【0045】
この図13に示す第2実施形態の蚊取器10Bには、前述の第1実施形態の蚊取器10Aに備えられているロックアーム130、押ボタン140、およびスプリング150(図5参照)に代わり、そのロックアーム130とは異なる形状のロックアーム230およびコイルスプリング240が備えられている。このロックアーム230には、押ボタン231と、ロック爪232(図15〜図18参照)が一体的に形成されている。このロック爪232は、本発明にいう第2の係止爪の一例である。ヒータベース170には、このロック爪232に対向するもう一方のロック爪171(図15〜図18参照)が形成されている。ヒータベース170に形成されたロック爪171は、本発明にいう第1の係止爪の一例である。容器20(図15,図17参照)は、その円環リブ23がヒータベース170のロック爪171とロックアーム230のロック爪232とに挟まれた状態に蚊取器10Bに支持される。コイルスプリング240は、ロックアーム230の押ボタン231がボタンカバー210から外方に突出する方向に、ロックアーム230を付勢する。
【0046】
ヒータベース170にはヒータ15やランプ16などの回路部品が組み込まれる。ベース110上には、ロックアーム230およびスプリング240が配置され、その上にヒータベース170が置かれて、そのヒータベース170が3本のネジ180でベース110にネジ止めされる。さらに、ベース110には、電源スイッチ12を支持するスイッチ部材120や液量確認窓14(図1参照)を覆う透明プラスチック製の2枚の窓部材160が配置され、一方トップカバー200にはボタンカバー210が取り付けられ、そのボタンカバー210が取り付けられたトップカバー200がヒータベース170やベース110に被せられて、ベース110の下方からネジ210でネジ止めされる。トップカバー200を被せるにあたっては、押ボタン231を押し込みぎみにし、その押ボタン231とボタンカバー210の向きが一致するようにしてトップカバー200を被せる。トップカバー200を被せ終えると押ボタン231の頭がボタンカバー210に設けられた穴211から覗く状態となる。
【0047】
図14は、図13に分解斜視図を示す第2実施形態の蚊取器の正面図である。
【0048】
また図15,図16は、その第2実施形態の蚊取器の、押ボタンが押されていない状態における、図14に示す一点鎖線A−A,T−Tに沿う各断面図である。
【0049】
また、図17,図18は、その第2実施形態の、押ボタンが押された状態における、図14に示す一点鎖線A−A,T−Tに沿う各断面図である。
【0050】
これらの図面には、容器20が装着された状態が示されている。
【0051】
図14に示すように、この蚊取器20Bのトップカバー200にはボタンカバー210が取り付けられており、そのボタンカバー210の穴211から押しボタン231の頭が覗いた状態にある。
【0052】
この押ボタン231が形成されたロックアーム230には、図16,図18に示すように穴233が形成されていて、それらの穴233にはベース110に設けられたピン112が入り込んでこのロックアーム230の可動範囲を規制している。
【0053】
容器20は、底の開口101から装着され、その容器20の円環リブ23がヒータベース170に設けられたロック爪171とロックアーム230に設けらえたロック爪232とに挟まれることにより、吸上げ芯21の先端部分がヒータ15に取り囲まれた状態に支持されている。図13に示すコイルスプリング240は、このロックアーム230を、押ボタン231がボタンカバー210から突出する方向に付勢している。このため、ロックアーム230のロック爪232はヒータベース170のロック爪171に近づく方向に付着され、容器20の円環リブ23がそれらのロック爪171,232に挟まれた状態に係止され、容器20は、この状態で、蚊取器20Bに安定的に保持されている。
【0054】
ここで、押ボタン231を、図18に示すように蚊取器10B内に押し込むように操作すると、その押ボタン231が形成されたロックアーム230がその方向に移動し、そのロックアーム230に形成されたロック爪232が、ヒータベース170(図13参照)に形成されたもう一方のロック爪171から離れる方向に移動し、それら2つのロック爪171,232どうしの間隔が広がる。また、本実施形態のロックアーム230にはさらに、下方に突出したリブ234(図15,図17参照)が形成されている。このリブ234は、押ボタン231に押されたときのロックアーム230が移動する際に容器20の肩部203を押してこの容器20の円環リブ23をヒータベース170のロック爪171から外す。これにより容器20の円環リブ23は、双方のロック爪171,232から外れ、容器20は、蚊取器10Bから落下し、その容器20が蚊取器10Bから容易に取り外される。
【0055】
容器20を蚊取器10Bに装着するときは、押ボタン231を押すことなく容器20を蚊取器10Bに押し込むだけで、ヒータベース170のロック爪171の弾性変形およびコイルスプリング240(図13参照)による付勢力に抗してのロックアーム230の動きによるロック爪232の動きにより、それらのロック爪171,232の間隔が少し開く。円環リブ23がそれらのロック爪171,232の間に入り込むと、それらのロック爪171,232で円環リブ23が図15,図16に示す状態に係止される。
【0056】
尚、上述の第1実施形態および第2実施形態のいずれにおいても、容器20の円環リブ23を係止する構造を示したが、本発明は、容器20の螺旋リブ22を係止する構造にも適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
10A,10B,10C 蚊取器
11,141,211,233 穴
12 電源スイッチ
13 電源確認窓
14 液量確認窓
15 ヒータ
16 ランプ
17 電源コード
18 電源プラグ
20 容器
21 吸上げ芯
22 螺旋リブ
23 円環リブ
101 開口
102 丸穴
103 リブ
103a 段部
103b 立ち上がり部
104 窪み部
104a 突部
105 係止爪
110 ベース
111 ピン
120 スイッチ部材
130,230 ロックアーム
131,132 アーム部材
131a,132a 端部
140,231 押ボタン
150 スプリング
160 窓部材
170 ヒータベース
171,232 ロック爪
180,190 ネジ
200 トップカバー
201 胴部
202 首部
203 肩部
210 ボタンカバー
234 リブ
240 コイルスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面に突出したリブを有し薬液を収容した容器の装着を受けて該リブを係止することで該容器を保持し、保持した容器内の薬液を蒸散させる蚊取器において、
押ボタンと、
前記リブに係止することで該容器を保持し、前記押ボタンが押されたときの該押ボタンの動きに伴って相対的に離間することで該係止を解除する複数の係止爪とを有することを特徴とする蚊取器。
【請求項2】
前記複数の係止爪は、それぞれの一端が当該蚊取器本体に軸支されて他端側が互いに接離する方向に回動する係止爪であって、
前記係止爪の他端どうしが互いに近づく方向に該係止爪を付勢するバネと、
前記係止爪どうしの間に前記容器を挟むだけの間隔を空けて該係止爪が互いに対向する位置に該係止爪を停止させるストッパとを有し、
前記押ボタンと前記ストッパが、該押ボタンが押されることによりスライドし前記係止爪の他端どうしの間に入り込んで該係止爪の他端どうしの間隔を広げるとともに、該押ボタンの押圧の解除によりスライドし互いに近づいてきた前記係止爪を停止させる、一体の部材で形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の蚊取器。
【請求項3】
前記複数の係止爪が、当該蚊取器本体に設けられた第1の係止爪と、該第1の係止爪との間に間隔を空けて該第1の係止爪に対向する第2の係止爪とを含み、
前記押ボタンと前記第2の係止爪が、該押ボタンを押すことによって該第2の係止爪が前記第1の係止爪から離れる方向に当該蚊取器本体に対しスライドする、一体の部材で形成されたものであり、さらに
前記第2の係止爪が前記第1の係止爪に近づく方向に前記部材を付勢するバネと、
前記バネにより付勢された前記部材を、前記第2の係止爪が前記第1の係止爪に対し、該第1の係止爪と該第2の係止爪との間に前記容器を挟むだけの間隔を空けて対向する位置に停止させるストッパとを有することを特徴とする請求項1記載の蚊取器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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