説明

蛍光に基づく装置を用いた微生物の検出

サンプル物質由来の微生物の成育を蛍光によって検出するための装置及び方法を開示する。例えば、少なくとも1つの蛍光化合物を400ナノメートルより短い波長を包含する発光ダイオードから放たれた紫外線エネルギーで励起し、そして400ナノメートルの波長に等しい又はそれより長い波長を包含する電磁エネルギーを感知する少なくとも1つの光検出器で前記の少なくとも1つの励起された蛍光化合物によって生成した可視領域蛍光シグナルを検出することを包含する、紫外線エネルギーによって励起された少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域蛍光シグナルの検出のための方法である。また例えば、400ナノメートルより短い波長を包含する電磁的な照射を生成し及び少なくとも1つの蛍光化合物を励起することができる少なくとも1つの紫外線発光ダイオード、及び少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域蛍光シグナルの検出のために400ナノメートルに等しい又はそれより長い波長を包含する電磁エネルギーを感知する少なくとも1つの光検出器を包含する、紫外線エネルギーによって励起された少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域蛍光シグナルを検出するための装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、本願に引用して援用する、2004年7月29日に出願されたアメリカ合衆国仮出願番号60/592,166、及び2005年2月11日に出願された国際出願番号PCT/US05/04331の利益を主張する。
【0002】
本発明は、テストサンプル由来の微生物の生育を検出するための、蛍光に基づいた装置に関する。
【背景技術】
【0003】
微生物の汚染について、食品、医薬、化粧品、及び水などの様々な工業上の物質をテストすることは必要である。食品、乳製品、医薬、化粧品、及び関連するタイプの生産物の生物学的なテストの1つの分野は、細菌、酵母、及びカビの全体の数の推測と同様に、素材中の生物の特異的な群の濃度に関連する。1つの広く使われている方法は、「一般細菌数」として知られ、及び寒天生育培地における生産物の希釈されたサンプルを培養することに関連する。サンプル及び生育培地を含むプレートは、検定に依存して24時間から5日の間インキュベート(例えば、32℃から40℃)される。インキュベーションの後、寒天中に成育した微生物のコロニーを計数する。
【0004】
光学的な方法が、臨床のサンプル中の微生物を分類するのに首尾よく使われている(例えば、Difco、ミシガン州デトロイトによるPASCO)。工業上のサンプルにおける微生物の成育を検出するために、比色的な方法、又はいずれかの他の光学的な方法を用いることも望ましいであろうが、水性培地中に入れられたテストサンプルの固体の物質は、通常検出システムに対する光学的な妨害をもたらす。より正確に言えば、固体の物質が微生物を成育させる培地中に入れられた場合、比色的な検出システムは、固体の物質を含んでいる培地に対して、どうしても光を透過するか、又は光を反射してしまう。ほとんどの場合において、固体の物質は、培地のスペクトル特性を妨害し、それは検出システムの乏しいシグナル対ノイズ比をもたらす。
【0005】
標本中の生物学的活性を連続的にモニターするための装置は、アメリカ合衆国特許番号5,366,873にEdenによって記載される。その特許は、サンプル物質から微生物の成育を検出するための装置及び方法を記載している。その装置は、少なくとも部分的に透過性である容器、及び培養する微生物のための容器の中に入れる流動体を含む。指標物質は、微生物の成育の存在下で変質を受けるように流動層に入れられる。半流動性物質、指標物質、及び生育培地などの他の物質からなる第二の層が、容器中に入れられる。半流動層中の物質は、流動層中の物質と平衡化され、そして微生物の成育の結果としての指標物質の変化が検出されうる領域を提供する間に、流動層へと誘導された固体物質に対するバリアを提供する。実際には、指標物質は流動層中のpH変化によって影響を受ける色素である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、測定の感度及び検出された微生物の群を拡張するために蛍光指標物質を採用することによって、上記の特許の範囲を広げる。本発明のある実施例において、サンプル物質から微生物の成育を検出するための装置及び方法が提供される。その装置は、可視及び/又は紫外線の波長範囲において電磁放射線に対して少なくとも部分的に透過性である少なくとも1つの容器、及びその中で培養する微生物のための少なくとも1つの容器に入れられた流動体を包含する。少なくとも1つの蛍光指標物質が、微生物の成育の存在中で変性を受けるための流動層に入れられる。少なくとも1つの半流動性物質からなる第二の層、指標、及び生育培地などの他の物質が、容器に入れられる。半流動性の相内の物質は、流動層中の物質と平衡化し、そして検出できる微生物の成育の結果として指標物質の蛍光が変化する領域を提供する間に、流動層へと導かれた固体物質に対するバリアを提供することができる。
【0007】
この発明の1つの実施例は、
400ナノメートルより短い波長からなる発光ダイオードから放射された紫外線エネルギーで少なくとも1つの蛍光化合物を励起し、そして
400ナノメートルに等しい又はより長い波長からなる電磁エネルギーを感知する少なくとも1つの光検出器で少なくとも1つの励起された蛍光化合物によって生成した可視領域の蛍光シグナルを検出する
ことを包含する、紫外線エネルギーによって励起された少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域の蛍光シグナルの検出のための方法に関連する。
【0008】
本発明の別の実施例は、
紫外線エネルギーで少なくとも1つの蛍光化合物を励起し、そして
400ナノメートルに等しい又はそれより長い波長からなる電磁エネルギーを感知する光検出器で少なくとも1つの励起された蛍光化合物によって生成した可視領域の蛍光シグナルを検出する
ことを包含する、紫外線エネルギーによって励起された少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域の蛍光シグナルの検出のための方法に関連する。
【0009】
本発明のさらに別の実施例は、
400ナノメートルより短い波長からなる電磁気的な放射を生成し及び少なくとも1つの蛍光化合物を励起することができる少なくとも1つの紫外線発光ダイオード、及び
少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域の蛍光シグナルの検出のための400ナノメートルに等しい又はより長い波長からなる電磁エネルギーを感知する少なくとも1つの光検出器
を包含する、紫外線エネルギーによって励起された少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域の蛍光シグナルを検出するための装置に関連する。
【0010】
この発明のさらなる実施例は、
少なくとも1つの蛍光化合物を励起しそれによって可視領域の蛍光シグナルを生成することができる400ナノメートルより短い波長を包含する電磁気的な放射を生成する少なくとも1つの紫外線発光ダイオード、
少なくとも1つの可視色素化合物と相互作用しそれによって可視領域の蛍光シグナルを生成することができる400ナノメートルと等しい又はそれより長い波長からなる電磁気的な放射を生成する少なくとも1つの可視領域発光ダイオード、及び
可視領域蛍光シグナル及び可視領域の二次的なシグナルを検出するための400ナノメートルに等しい又はより長い波長を包含する電磁エネルギーを感知する少なくとも1つの光検出器
を包含する、紫外線及び可視領域のエネルギーによって励起された少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域の蛍光シグナル及び可視領域の二次的なシグナルを検出するための装置に関連する。
【0011】
本発明の長所は、本発明の1つの実施例を示す図1及び本発明の別の実施例を示す図2の添付図と共に考慮した場合に、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解され、同一のものとしてすぐに認識されるだろう。
【0012】
一般に、本発明は、装置が可視及び/又は紫外(UV)照射を少なくとも部分的に透過させる少なくとも1つの容器を含む、サンプル物質由来の微生物の成育を検出するための装置を提供する。流動層は、その中で微生物を培養するための容器に入れられる。蛍光指標物質は、微生物の成育の存在下で変性を受けるために流動層に入れられる。バリア層は、微生物が培養される流動層と同じ組成の流動体部分である、半流動性物質である容器に入れられる。従って、半流動層の流動体は、流動層と平衡化される。この半流動性物質は、微生物の成育の結果として蛍光を発する少なくとも1つの指標物質の変化が検出されうる領域を提供する間に、流動層へと導かれた固体物質に対するバリアを提供する。
【0013】
より詳しく言えば、このバリア層は、寒天などのゲル化剤からなる可能性がある。本発明を実行する際に、Merck Indexに定義されるような、いずれかのタイプのゲル化剤又は寒天が使われうる。ゼラチン、カラゲナン、及びペクチンを含む適切ないくつかの市販のゲル化剤製品が存在する。
【0014】
本発明において使われるそのようなゲル化剤の重要な特性は、細菌及びより大きな残骸粒子の侵入を阻止する間に、H+などのイオン及び小さな分子を動かす能力である。もし小さな粒子の濃度が微生物の成育の結果として変化したならば(例えば、pH又は酸化還元反応)、バリア層中の同一の粒子の濃度は同様にそれらの変化に追随するだろう。バリア層の拡散係数は、液体層における変化がバリア層における同一の変化によって追随される速度を決定する。
【0015】
図1は、この発明に基づいて使われうるシステムの様々な部品の典型的な配置を図解する。バイアル10は、UV透過性の素材(例えば、ガラス、UV透過性プラスチック)でできている。バリア層16は、いずれかの入手可能な寒天(例えば、Difco、ミシガン州デトロイトによるMuller Hinton Agar)からなり、そして非毒性蛍光色素14は、Umbelliferonからなるかもしれない。この層は、熱で滅菌した混合物をバイアル10の底にまで施し、そして室温で凝固させることによって作ることができる。液体培地12及び色素14の滅菌した混合物は、バリア層の上部に室温で注がれる。
【0016】
テストサンプル28は、流動層に置かれる。バイアル10はその後、生物の成育を促進させるために適切な温度でインキュベーション装置に置かれる。インキュベーション装置は、エアインキュベーター、加熱及び冷却ブロック、又は熱交換器である可能性がある。
【0017】
UV光源18は、伝わったUV光がバイアル10及びバリア層16のUV透過性の壁を通して向かうように、バイアル10の底の部分に位置づけられる。光源は、様々なUV源からのいくらかの長い又は短い波長の紫外線を含みうる。例えば、光源からの波長の50%超が、400ナノメートルより短い可能性がある。ある実施例において、光源からの少なくとも75%の波長が400ナノメートルより短い可能性があり、例えば、光源からの波長の少なくとも85%が400ナノメートルより短い、及び光源からの波長の少なくとも95%が400ナノメートルより短い可能性がある。
【0018】
発光ダイオード(LED)は、紫外線光を提供するために使われうる。本発明の実施例において、発光ダイオードによって生成した光の50%超は、400ナノメートルより短い波長である可能性があり、例えば、75%超、85%超、及び95%超が400ナノメートルより短い可能性がある。この発明の実施例において、長い波長の紫外線の発光ダイオード(例えば、350から400ナノメートル)が使われうる。
【0019】
本発明の別の実施例において、発光ダイオードの重複が、空間的に均一かつ安定である電気エネルギーを提供するコントローラー20によって制御されうる。
【0020】
少なくとも1つの蛍光化合物として使われうる適切な素材は、例えば、ウンベリフェロン及びクマリンなどの、紫外線照射への露出時に可視光を放射する素材を含む。蛍光検定を扱う際には、蛍光化合物から発せられた放射の波長が、光源の波長より長いということを思い出すべきである。例えば、380ナノメートル(不可視)のUV光源でのウンベリフェロンの照射は、青緑色の可視光の放射を生成する。従って、光センサーがUV光源によって生成した拡散光によって影響されないだろう事に注意を払うべきである。もしUV源18が図1に示されたように光センサー22に直接対面して置かれるならば、付加的な帯域通過光フィルタ23がセンサーにおけるUV照射の影響を防止するために必要とされる。別の方法として、UV光源18及びセンサー22が、図2に示されたように特定の角度でバイアルのUV透過性部分に互いに隣り合って対面するように置くこともでき、その結果蛍光照射は光センサーに返るように反射する。蛍光照射は全ての方向に均一に放射されるので、特定の角度はUV反射光を最小化するように設定でき、それによって光センサーに蛍光エネルギーのみを測定させることができる。
【0021】
微生物の活性の指標である蛍光の動的な変化は、光センサー22を用いて電気エネルギーに変換される。多種多様のセンサーが使われるかもしれない(例えば、光電圧性、光ダイオード、光トランジスタ、光電子増倍管、電荷結合素子(CCD)、及び多チャンネル装置)が、低コストの半導体センサーが、センサーに到達する光の高いエネルギーのために採用されうる。それゆえ、それぞれのバイアルは、光源及びセンサーの固有のペアを有することができ、従って、光学式読み取り装置に用いられる複雑な機械的な指標付け装置を除外し、それによって機器の信頼性及び作動寿命が向上する。発光ダイオードは、静止した(定常の)又はパルス化されたエネルギーのどちらかを提供しうる。もし可視光領域において動作する付加的な発光ダイオードが採用されるならば、発光ダイオードの1つは定常のレベルのエネルギーで動作できる一方で他のものはパルス化される可能性があり、単一の光センサーに両方のシグナルを検出させられる。別の実施例において、UV発光ダイオード及び可視光領域の発光ダイオードの両方を、独立して活性化されうる二重の波長領域のUV及び可視光を形成する単一のパッケージに組み合わせることができる。
【0022】
この発明の1つの実施例において、読み取りが6分ごとに行われ、そしてアナログデータが変換器24によってデジタル型へと変換されうる。その処理データを、表示させ、保存し、及びリアルタイム検出を解析することができる、処理装置26へと転送することができる。
【0023】
ゲル化剤又は寒天は、使われる時にシステムのこの相における変化の測定を容易にするために容器の透過性領域にあるように、容器の中に位置づけられる。もし容器がバイアル又はチューブであるならば、典型的に寒天は、図1に図解されたようにその容器の底に置かれ、そしておよそ2から3mmの厚さであるだろう。寒天はまた、容器のいずれかの壁に接触した円盤の形で、又は本発明の目的である測定を達成するのに都合が良いかもしれないような他の配置でありえる。
【0024】
半流動層(例えば、寒天又はゲル相)は、寒天内の液体物質が容器中に残った液体と平衡であるような容器内の液相中に置かれうる。本発明の実行において、容器内の液相は、微生物の成育を培養するために適切な液体培地でありうる。微生物をかくまうかもしれない物質のサンプルは、容器中の液相中に置かれ、そして微生物の成育を促進させるためにインキュベートされうる。微生物が存在する場合、それらの成育は、半流動性又は寒天の相中の液体が容器中の液体の残りと平衡である可能性がある限りにおいては、容器の全体にわたって液相の組成に変化をもたらすだろう。液体生育培地の成分は、以下により詳細に述べるように、検出され及び測定されうる液体組成物の多種多様な変化をもたらすように選択されうる。液体生育培地の組成の変化は、テストされうるサンプルがなくかつ微生物がいない可能性がある半流動相において検出及び測定されうる。テストされるサンプルは、通常微生物と同様に、あまりにも分子量的に大きいので寒天相を通過できない。従って、半流動相は、微生物の成育によって引き起こされた液相における変化がテストサンプル由来のいずれの妨害もなくすぐに測定及び検出されうる領域を提供する。
【0025】
本発明の液相は、微生物の成育の促進及び微生物の生存度の維持のために適切な培地でありうる。そのような成育培地は、技術的によく知られている。
【0026】
テストサンプルが容器の液相に置かれた後、容器は、適切な温度(例えば、約15℃から65℃)で約24から48時間インキュベートされ、又は少なくとも1つの蛍光物質に変化が観測される可能性がある他の適切な時間インキュベートされうる。少なくとも1つの蛍光物質の変化は、微生物の成育に関連した蛍光の変化を分析することによって半流動相において検出され及び測定される。指標物質の変化は、この相の液体が容器中に残った液体と平衡になる可能性があるので、半流動相において検出され及び測定されうる。従って、蛍光物質に起こるいくらかの変化は、容器の全体にわたって存在するだろう。大きな分子(例えば、テストされるサンプル)及び微生物がない半流動相における検出及び測定は、高いシグナル対ノイズ比で微生物の成育を検出する正確かつ矛盾のない方法を提供する。
【0027】
本発明において使われる容器は、ガラス又はポリスチレンのような長波長のUV透過性プラスチックでありうる。全体の容器が透過性である必要はないが、半流動相の周辺の容器の部分は、微生物の成育に応答して指標物質のいくらかの変化の測定を可能にするように透過性でなければならない。また、容器は、いずれの形や大きさでありうるが、典型的に一旦寒天相及び液相がそのなかに組み込まれたら密閉できるバイアル又はチューブであるだろう。一旦2つの相が容器に入れられたら、それらはテストサンプルの分析を行うために必要な場所に移されうる。容器のための特別な温度及び保存条件は存在しない。
【0028】
本発明のある実施例において、蛍光化合物の重複は、可視光を発するための蛍光化合物をもたらすために発光ダイオードの重複によって励起されうる。蛍光化合物は、発光ダイオードでの励起より前に同じ容器内に存在しうる、又は蛍光化合物は、励起の前に異なる容器に存在しうる。ある実施例において、単一の光検出器又は重複した光検出器を使うことができる。ある実施例において、重複した容器が、固有の発光ダイオード及び固有の光検出器を有するそれぞれの容器として使われうる。
【0029】
少なくとも1つの紫外線発光ダイオード及び少なくとも1つの可視領域発光ダイオードを包含する発明のある実施例において、発光ダイオードの1つが定常のエネルギーを生成し、そして他の発光ダイオードがパルス化される可能性があり、それによって光検出器に向かって定常のエネルギー及びパルス化されたエネルギーの組み合わせを生成し、そして個々の蛍光シグナル及び二次的なシグナルに対応することができる。紫外線発光ダイオード及び可視領域発光ダイオードは、単一の入れ物に詰めることができ、それによって二重の波長領域の発光ダイオードを形成することができる。
【0030】
少なくとも1つの紫外線発光ダイオード及び少なくとも1つの可視領域発光ダイオードを包含する発明の1つの実施例において、発光ダイオードの1つは、他の発光ダイオードがスイッチを切られる間に特定の時間活性化される可能性があり、その後にスイッチを切られていた発光ダイオードを活性化し、そして活性化されていた発光ダイオードのスイッチを切ることによって、連続的な時間中に蛍光シグナル及び二次的なシグナルを交互に生成させることができる。
【0031】
少なくとも1つの紫外線発光ダイオード及び少なくとも1つの可視領域発光ダイオードを包含する発明のさらなる実施例において、少なくとも1つの可視色素化合物と可視領域発光ダイオードの相互作用は、少なくとも1つの可視色素化合物の光透過率を定義する。
【0032】
適切な可視色素化合物は、例えば、ブロムクレゾールパープル、フェノールレッド、ブロムクレゾールグリーン、ブロムフェノールブルー、ブロモチオールブルーなどのpH指示薬、及びレサズリン、メチレンブルー、テトラゾリウム及びチオニンなどの酸化還元指示薬を含む。
【0033】
この発明は図解の様式で記載され、そして使われる専門用語は、限定よりもむしろ解説の言葉の性質を持つことを意図すると理解されるべきである。
【0034】
明らかに、本発明の多くの改良及び変化は、上記の教示を踏まえて可能である。従って、添付された特許請求の範囲の範囲内で、発明は、具体的に記載された内容より別の方法で実行される可能性があると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の1つの形態を示す。
【図2】本発明の別の形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの蛍光化合物を400ナノメートルより短い波長を包含する発光ダイオードから放たれた紫外線エネルギーで励起し、及び;
400ナノメートルに等しい又はそれより長い波長を包含する電磁エネルギーを感知する少なくとも1つの光検出器で、少なくとも1つの励起された蛍光化合物によって生成した可視領域蛍光シグナルを検出する:
ことを包含する、紫外線エネルギーによって励起された少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域蛍光シグナルを検出するための方法。
【請求項2】
前記の光検出器が400ナノメートルより短い波長での減少した感度を持つ光トランジスタである、請求項1の方法。
【請求項3】
前記の少なくとも1つの発光ダイオードが定常のレベルのエネルギーを生成する、請求項1の方法。
【請求項4】
前記の少なくとも1つの発光ダイオードがパルス化されたエネルギーを生成する、請求項1の方法。
【請求項5】
前記の少なくとも1つの前記蛍光化合物がウンベリフェロン及びクマリンから選択される、請求項1の方法。
【請求項6】
前記の少なくとも1つの蛍光化合物が液体に溶解される、請求項1の方法。
【請求項7】
前記の少なくとも1つの蛍光化合物が寒天に溶解される、請求項1の方法。
【請求項8】
前記の少なくとも1つの蛍光化合物がマトリクスに染み込んでいる、請求項1の方法。
【請求項9】
生物学的な細胞が前記の液体中で生育される、請求項6の方法。
【請求項10】
前記の生物学的な細胞が微生物である、請求項9の方法。
【請求項11】
前記の微生物が、前記の少なくとも1つの可視色素化合物が可視光に露出された場合に可視領域の二次的なシグナルを放たせる、請求項10の方法。
【請求項12】
前記の少なくとも1つの発光ダイオード及び前記の少なくとも1つの光検出器が互いに向かい合う、請求項1の方法。
【請求項13】
前記の少なくとも1つの発光ダイオード及び前記の少なくとも1つの光検出器がある角度で配置される、請求項1の方法。
【請求項14】
前記の少なくとも1つの光検出器が前記の少なくとも1つの発光ダイオードによって生成した直接的な光を検出しない、請求項13の方法。
【請求項15】
帯域フィルタを採用しない、請求項1の方法。
【請求項16】
蛍光化合物の重複が発光ダイオードの重複によって励起される、請求項1の方法。
【請求項17】
容器の重複が採用される、請求項16の方法。
【請求項18】
前記の少なくとも1つの蛍光化合物を紫外線エネルギーで励起し、及び;
前記の少なくとも1つの励起された蛍光化合物によって生成した可視領域蛍光シグナルを400ナノメートルに等しい又はそれより長い波長を包含する電磁エネルギーを感知する光検出器で検出する:
ことを包含する、紫外線エネルギーによって励起された少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域蛍光シグナルの検出のための方法。
【請求項19】
400ナノメートルより短い波長を包含する電磁的な照射を生成し及び前記の少なくとも1つの蛍光化合物を励起する能力がある少なくとも1つの紫外線発光ダイオード、及び;
前記の少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域蛍光シグナルの検出のための400ナノメートルに等しい又はそれより長い波長を包含する電磁エネルギーを感知する少なくとも1つの光検出器:
を包含する、紫外線エネルギーによって励起された少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域蛍光シグナルを検出するための装置。
【請求項20】
前記の光検出器が400ナノメートルより短い波長での減少した感度を持つ光トランジスタである、請求項19の装置。
【請求項21】
前記の発光ダイオードが定常レベルのエネルギーを生成する、請求項19の装置。
【請求項22】
前記の発光ダイオードがパルス化されたエネルギーを生成する、請求項19の装置。
【請求項23】
前記の少なくとも1つの蛍光化合物がウンベリフェロン及びクマリンから選択される、請求項19の装置。
【請求項24】
前記の蛍光化合物が液体に溶解される、請求項19の装置。
【請求項25】
前記の蛍光化合物が寒天に溶解される、請求項19の装置。
【請求項26】
前記の蛍光化合物がマトリクスに染み込んでいる、請求項19の装置。
【請求項27】
生物学的な細胞が前記の液体中で生育されることが可能である、請求項24の装置。
【請求項28】
前記の生物学的な細胞が微生物である、請求項27の装置。
【請求項29】
前記の微生物が少なくとも1つの可視色素化合物が可視光に露出された場合に可視領域の二次的なシグナルを放たせる、請求項28の装置。
【請求項30】
前記の少なくとも1つの発光ダイオード及び前記の少なくとも1つの光検出器が互いに向かい合う、請求項19の装置。
【請求項31】
前記の少なくとも1つの発光ダイオード及び前記の少なくとも1つの光検出器がある角度で配置される、請求項19の装置。
【請求項32】
前記の少なくとも1つの光検出器が前記の少なくとも1つの発光ダイオードによって生成した直接的な光を検出しない、請求項31の装置。
【請求項33】
蛍光化合物の重複が発光ダイオードの重複によって励起される、請求項19の装置。
【請求項34】
容器の重複が採用される、請求項33の装置。
【請求項35】
帯域フィルタが採用されない、請求項19の装置。
【請求項36】
前記の少なくとも1つの光検出器の光感知領域の前面に前記の電磁的な照射の軌道に設置された少なくとも1つの帯域フィルタをさらに包含する、請求項19の装置。
【請求項37】
請求項19に記載の装置を包含するそれぞれの複合ユニットを包含する蛍光化合物の重複の同時測定のための機器。
【請求項38】
前記の少なくとも1つの蛍光化合物を励起し、それによって前記の可視領域蛍光シグナルを生成することが可能な、400ナノメートルより短い波長を包含する電磁的な照射を生成する少なくとも1つの紫外線発光ダイオード;
少なくとも1つの可視色素化合物と相互作用し、それによって前記の可視領域の二次的なシグナルを生成することが可能な、400ナノメートルと等しい又はそれより長い波長を包含する電磁的な照射を生成する少なくとも1つの可視領域発光ダイオード、及び;
前記の可視領域蛍光シグナル及び前記の可視領域の二次的なシグナルを検出するための、400ナノメートルに等しい又はそれより長い波長を包含する電磁エネルギーを感知する少なくとも1つの光検出器:
を包含する、紫外線及び可視領域のエネルギーによって励起された少なくとも1つの蛍光化合物によって生成した可視領域蛍光シグナル及び可視領域の二次的なシグナルを検出するための装置。
【請求項39】
前記の発光ダイオードの1つが定常エネルギーを生成し、そして別の発光ダイオードがパルス化される、請求項38の装置。
【請求項40】
1つの発光ダイオードが活性化される間に別の発光ダイオードがスイッチを切られ、それに続いて前記のスイッチを切られていた発光ダイオードを活性化し及び活性化されていた発光ダイオードのスイッチを切ることによって、前記の蛍光シグナル及び前記の二次的なシグナルを交互に生成する、請求項38の装置。
【請求項41】
前記の少なくとも1つの紫外線発光ダイオード及び前記の少なくとも1つの可視領域発光ダイオードが単一の入れ物に詰められる、請求項38の装置。
【請求項42】
前記の可視領域発光ダイオードと前記の少なくとも1つの可視色素化合物との相互作用が前記の少なくとも1つの可視色素化合物の光透過率を定義する、請求項38の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−508526(P2008−508526A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523800(P2007−523800)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/026751
【国際公開番号】WO2006/015101
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(598126313)イーストマン ケミカル カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】EASTMAN CHEMICAL COMPANY
【住所又は居所原語表記】P.O.BOX 511,KINGSPORT,TENNESSEE 37662−5072,U.S.A.
【出願人】(507029786)セントラス インターナショナル インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】