説明

蛍光センサ

【課題】高い検出感度を有する蛍光センサ10を提供する。
【解決手段】蛍光センサ10は、第1の主面21に第1の主面21と平行な底面22のある凹部23があり、凹部23の側面24に、蛍光Fを受光し検出信号を出力するPD素子13が形成されている検出基板部20と、検出基板部20の凹部23の底面22に配設された、励起光Eを発生するLED素子12と、LED素子12の上の凹部23の内部に配設された励起光Eとアナライト量とに応じた蛍光Fを発生するインジケータ層16と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナライトの濃度を計測する蛍光センサに関し、特に半導体製造技術およびMEMS技術を用いて作製される微小蛍光分光光度計である蛍光センサに関する。
【背景技術】
【0002】
液体中のアナライトすなわち被計測物質の存在確認、または、濃度を測定するための様々な分析装置が開発されている。例えば、一定容量の透明容器に、アナライトの存在によって性質が変化し蛍光を発生する蛍光色素と、アナライトを含む被計測溶液とを注入し、励起光Eを照射し蛍光色素からの蛍光強度を計測することによりアナライト濃度を計測する蛍光分光光度計が知られている。
【0003】
小型の蛍光分光光度計は、光検出器と蛍光色素を含有したインジケータ層とを有している。そして、被計測溶液中のアナライトが進入可能なインジケータ層に光源からの励起光Eを照射することで、インジケータ層内の蛍光色素が被計測溶液中のアナライト濃度に応じた光量の蛍光を発生し、その蛍光を光検出器が受光する。光検出器は光電変換素子であり、受光した光量に応じた電気信号を出力する。この電気信号から被計測溶液中のアナライト濃度が測定される。
【0004】
近年、微量試料中のアナライトを計測するために、半導体製造技術およびMEMS技術を用いて作製される微小蛍光分光光度計が提案されている。以下、微小蛍光光度計のことを。「蛍光センサ」と呼ぶ。
【0005】
例えば、図1および図2に示す蛍光センサ110が米国特許第5039490号明細書に開示されている。蛍光センサ110は、励起光Eが透過可能な透明支持基板101と、蛍光を電気信号に変換する光電変換素子部103と、励起光Eを集光する集光機能部105Aとを有する光学板状部105と、アナライト9と相互作用することによって励起光Eの入射により蛍光を発生するインジケータ層106と、カバー層109と、から構成されている。
【0006】
光電変換素子部103は、例えばシリコンからなる基板103A上に光電変換素子が形成されている。基板103Aは励起光Eを透過しない。このため、蛍光センサ110では、光電変換素子部103の周囲に励起光Eが透過可能な空隙領域120を有している。
【0007】
すなわち、空隙領域120を透過し光学板状部105に入射した励起光Eだけが、光学板状部105の作用により、インジケータ層106中の、光電変換素子部103の上部付近に集光される。集光された励起光E2と、インジケータ層106の内部に進入したアナライト9の相互作用により、蛍光Fが発生する。発生した蛍光Fの一部は光電変換素子部103に入射し、光電変換素子部103において蛍光強度、つまりアナライト9の濃度に比例した電流または電圧などの信号が発生する。なお励起光Eは、光電変換素子部103上に形成されたフィルタ(不図示)の作用により、光電変換素子部103には入射しない。
【0008】
以上の説明のように、蛍光センサ110は、透明支持基板101上に、光電変換素子部103であるフォトダイオードを励起光Eの通路である空隙領域120を確保した基板103A上に形成し、その上に、光学板状部105およびインジケータ層106が積層されている。
【0009】
しかし、上記の公知の蛍光センサ110は、励起光Eの通路である空隙領域120と光電変換素子部103の領域とを、同一平面上に有する。このため、より多くの励起光Eをインジケータ層106に導光するために通路である空隙領域120の面積を広くすると、光電変換素子部103の面積が狭くなるため、蛍光センサの感度を高めることにはならない。反対に光電変換素子部103の検出感度を高くするために光電変換素子部103の面積を広くすると、励起光Eの通路である空隙領域120の面積が狭くなりインジケータ層106に導光する励起光Eが減少してしまうために、やはり蛍光センサの感度を高めることにはならない。すなわち、蛍光センサ110では、高い検出感度を得ることは容易ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5039490号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は検出感度の高い蛍光センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様の蛍光センサは、第1の主面に前記第1の主面と平行な底面のある凹部があり、前記凹部の側面の少なくとも一部に、蛍光を受光し検出信号を出力する光電変換素子が、形成されている検出基板部と、前記検出基板部の前記凹部の前記底面に配設された、励起光を発生する発光素子と、前記発光素子の上の前記凹部の内部に配設された、前記励起光とアナライト量とに応じた前記蛍光を発生するインジケータ層と、を具備する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検出感度の高い蛍光センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】公知の蛍光センサの断面構造を示した説明図である。
【図2】公知の蛍光センサの構造を説明するための分解図である。
【図3】第1実施形態の蛍光センサを有するセンサシステムを説明するための説明図である。
【図4】第1実施形態の蛍光センサの構造を説明するための分解図である。
【図5】第1実施形態の蛍光センサの断面構造を示す模式図である。
【図6】第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するための断面構造を示す模式図である。
【図7】第1実施形態および第1実施形態の変形例の蛍光センサの断面構造を示す模式図である。
【図8】第2実施形態の蛍光センサの断面構造を示す模式図である。
【図9】第2実施形態の変形例の蛍光センサの断面構造を示す模式図である。
【図10】第3実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するための断面構造を示す模式図である。
【図11】第4実施形態の蛍光センサの断面構造を示す模式図である。
【図12】第5実施形態の蛍光センサの長波長カットフィルタの特性を示す図である。
【図13】第5実施形態の蛍光センサの断面構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態の蛍光センサ10について説明する。
図3に示すように、蛍光センサ10を有する針型蛍光センサ4は、本体部2およびレシーバー3と、ともにセンサシステム1を構成する。
【0016】
すなわち、センサシステム1は、針型蛍光センサ4と、本体部2と、本体部2からの信号を受信し記憶するレシーバー3と、を有する。本体部2とレシーバー3との間の信号の送受信は無線または有線で行われる。
【0017】
針型蛍光センサ4は、主要機能部である蛍光センサ10を有する針先端部5と細長い針本体部6とを有する針部7と、針本体部6の後端部と一体化したコネクタ部8と、を具備する。針先端部5、針本体部6、コネクタ部8は同一材料により一体形成されていてもよい。
【0018】
コネクタ部8は、本体部2の嵌合部2Aと着脱自在に嵌合する。針型蛍光センサ4の蛍光センサ10から延設された複数の配線60は、コネクタ部8が本体部2の嵌合部2Aと機械的に嵌合することにより、本体部2と電気的に接続される。なお、以下、複数の配線60のそれぞれを配線61(〜68)で示す。
【0019】
図示しないが、本体部2は、蛍光センサ10からの検知信号を処理する演算部と、レシーバー3との間で無線信号を送受信するための無線アンテナと、電池等と、を有する。なお、レシーバー3との間を有線送受信する場合には、本体部2は無線アンテナに代えて信号線を有する。
【0020】
蛍光センサ10は感染防止等のために使用後は処分される使い捨て(ディスポ)部であるが、本体部2およびレシーバー3は繰り返し再使用されるリユース部である。なお、本体部2が必要な容量のメモリ部を有する場合にはレシーバー3は不要である。
【0021】
針型蛍光センサ4は本体部2と嵌合した状態で、被検者自身が体表面から穿刺して針先端部5が体内に留置される。そして、例えば体液中のグルコース濃度を連続して測定し、レシーバー3のメモリに記憶する。すなわち、本実施の形態の蛍光センサ10は連続使用期間が一週間程度の短期皮下留置型のセンサである。
【0022】
そして、図4、図5に示すように、針型蛍光センサ4の主要機能部である蛍光センサ10は、検出基板部20と、励起光Eを発生する発光素子である発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下「LED」ともいう)素子12と、透明樹脂層15と、励起光Eとアナライト量とに応じた蛍光Fを発生するインジケータ層16と、遮光層19と、を有する。
【0023】
検出基板部20は、配線基板30と、貫通孔46が形成された枠状基板40と、を接合することにより作製されている。このため、検出基板部20には、第1の主面21に、第1の主面21と平行な底面22のある凹部23がある。すなわち、配線基板30の表面が、凹部23の底面22であり、枠状基板40の貫通孔46の壁面45が、凹部23の側面24である。なお、例えばN型半導体からなる検出基板部20、すなわち配線基板30および枠状基板40の表面等には適宜、絶縁層が形成されているが、図示はしない。
【0024】
LED素子12は、凹部23の底面22に配設されており、インジケータ層16は、凹部23の内部のLED素子12上に配設されている。なお、LED素子12の底面および側面には、例えば、高反射率の金属からなる反射層12Aが形成されており、インジケータ層16に向けてのみ励起光Eを発生する。底面に反射層12Aを有するLED素子12は、反射層のないLED素子の約2倍の光量の励起光Eをインジケータ層16に向けて照射する。また側面の反射層12Aにより、励起光Eに起因するノイズ光のインジケータ層16への照射を防止できる。なお、反射層12Aに替えて、LED素子12の側面と対向する凹部23の側面24の領域にPD素子13を形成しない場合にも同様の効果を得ることができる。
【0025】
発光素子としては、LED素子12に限られるものではなく、有機EL素子、無機EL素子、またはレーザダイオード素子など多様な種類の発光素子の中から選択される。そして、蛍光透過率、光発生効率、励起光Eの波長選択性の広さ、および励起光Eとなる紫外線以外の波長の光を僅かしか発生しないことなどの観点からは、LED素子12が好ましい。
【0026】
透明樹脂層15は第2の保護層である。第2の保護層としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、または透明な非晶性フッ素樹脂などが使用可能である。第2の保護層は、電気的絶縁性を有すること、水分遮断性を有すること、励起光Eおよび蛍光Fに対して良好な透過率を有すること、などの特性を有する材料から選択される。
【0027】
第2の保護層の特性として、励起光Eが照射されても層中での蛍光Fの発生が小さいことが重要である。なお、この蛍光Fが小さいという特性は、インジケータ層16を除いた蛍光センサ10の全ての透明材料の重要特性であることは言うまでもない。
【0028】
インジケータ層16は、進入してきたアナライト9との相互作用および励起光Eによりアナライト9の濃度に応じた光量の蛍光Fを発生する。インジケータ層16の層厚は数十μm〜200μm程度に設定されている。インジケータ層16は、アナライト9の量、すなわち試料中のアナライト濃度に応じた強度の蛍光Fを発生する蛍光色素が含まれたベース材料から構成されている。
【0029】
蛍光色素は、アナライト9の種類に応じて選択され、アナライト9の量に応じて発生する蛍光Fの光量が可逆的に変化する蛍光色素ならば、どのようなものにも使用できる。例えば生体内の水素イオン濃度または二酸化炭素を測定する場合には、ヒドロキシピレントリスルホン酸誘導体、糖類を測定する場合には蛍光残基を有するフェニルボロン酸誘導体、カリウムイオンを測定する場合には蛍光残基を有するクラウンエーテル誘導体などを用いることができる。そして、グルコースのような糖類を測定する場合には、蛍光色素として、ルテニウム有機錯体、蛍光フェニルボロン酸誘導体、または蛋白と結合したフルオレセイン等のグルコースと可逆結合する物質を用いることができる。
【0030】
以上の説明のように、本発明の蛍光センサ10は、蛍光色素の選択によって、酸素センサ、グルコースセンサ、pHセンサ、免疫センサ、または微生物センサなど、多様な用途に対応している。
【0031】
インジケータ層16は、例えば、含水し易いハイドロゲルをベース材料として、ハイドロゲル内に上記蛍光色素を含有するまたは結合されている。ハイドロゲルの成分としてはメチルセルロースもしくはデキストランなどの多糖類、(メタ)アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、もしくはヒドルキシエチルアクリレート等のモノマーを重合して作製するウレタン系ハイドロゲル、またはポリエチレングリコールとジイソシアネートから作製するウレタン系ハイドロゲルなどを用いることができる。
【0032】
インジケータ層16は、透明樹脂層15上に、図示していないシランカップリング剤などよりなる接着層を介して接合されている。なお、透明樹脂層15を形成しないで、インジケータ層16がLED素子12の表面に、直接、接合された構造であってもよい。
【0033】
遮光層19は、インジケータ層16の上部表面側に形成された、厚さが数十μm以下の層である。遮光層19は、励起光Eおよび蛍光Fが蛍光センサ10の外部へ漏光するのを防止すると同時に、外光が凹部23に進入するのを防止する。
【0034】
一方、枠状基板40の貫通孔46の壁面45、すなわち検出基板部20の凹部23の側面24には、蛍光Fを受光し検出信号を出力する光電変換素子であるフォトダイオード(Photo Diode:以下「PD」ともいう)素子13が形成されている。すなわち、PD素子13は、インジケータ層16を囲むように設けられ、受光面がインジケータ層16に向くように形成されている。
【0035】
PD素子13は、側面24の全体に形成されていてもよいが、蛍光Fのみを効率的に受光するために、インジケータ層16との対向領域にのみに形成してもよい。またインジケータ層16は、4面ある側面24の全てに形成されていてもよいし、一部の面のみに形成されていてもよい。
すなわち、PD素子13は、凹部23の側面24の少なくとも一部に、形成されていればよい。
【0036】
光電変換素子としては、フォトコンダクタ(光導電体)、またはフォトトランジスタ(Photo Transistor、PT)などでもよい。
【0037】
側面24に形成されたPD素子13上には、PD素子13を保護する第1の保護層である酸化シリコン層42と、フィルタ41と、が配設されている。フィルタ41はPD素子13の受光面側に、PD素子13を覆うように形成されている。
【0038】
フィルタ41は、例えば、励起光Eは通さず、それよりも長波長の蛍光Fは通す吸収型フィルタである。このようなフィルタの材料としては、シリコン層または炭化シリコン層が好適である。なお、フィルタ41として蛍光Fのみを通すバンドパスフィルタであってもよい。
【0039】
枠状基板40は、PD素子13の電極43、44から出力される検出信号を本体部2に伝達するための2本の配線61、62、およびLED素子の電極12Bに駆動信号を伝達するための2本の配線63、64を有する。電極44はN型半導体である枠状基板40の表面に部分的にN型不純物、例えばリンまたはヒ素等を導入して、より導電率の高い低抵抗領域40Hを形成し、その上に形成されている。
【0040】
枠状基板40の材料は、PD素子13を枠状基板40に形成するためには単結晶シリコンが好ましいが、ガラスまたはセラミック等でもよい。
【0041】
インジケータ層16が発生する蛍光Fが外部に漏光することを防ぎ、外光が凹部23に進入するのを防ぐために遮光することが好ましい。すなわち、枠状基板40の外壁および配線基板30の底面、すなわち、検出基板部20の外壁および第2の主面25を、遮光層19と同じ材料またはカーボンブラックを配合した樹脂でコーティングしたり、金属層を蒸着したりすることが好ましい。
【0042】
LED素子12が発生した励起光Eは、インジケータ層16中の蛍光色素に照射される。そして、蛍光色素がアナライト9との相互作用により発生した蛍光Fの一部は、フィルタ41を通過してPD素子13に到達し、検出信号に変換される。
【0043】
蛍光センサ10は、インジケータ層16を取り囲む側面24に形成されたPD素子13により蛍光Fを検出するために、検出感度が高い。
【0044】
次に、蛍光センサ10の製造方法について簡単に説明する。なお、図6(A)〜図6(E)では1個の蛍光センサ10の領域の部分断面図であるが、実際の工程では、ウエハプロセスとして一括して多数の素子を形成する。
【0045】
最初に、図6(A)に示すように、枠状基板40の作製では、導電性(N型)の第1のシリコンウエハ40Wに対して、マスク層47を介してエッチングが行われ、多数の枠状パターン、すなわち凹部23となる貫通孔46が形成される。エッチングには公知の各種の方法を用いることができる。
【0046】
なお、貫通孔46の開口の大きさは仕様に応じて設計されるが、配設箇所が針先端部5であるために、例えば、縦150μm、横500μmのように細長い形状であることが好ましい。
【0047】
また、蛍光センサ10では、凹部23の側面24は第1の主面21に垂直であるが、後述するように、側面は所定の角度、すなわちテーパーのある形状であってもよい。テーパー形状の凹部は例えばウエットエッチングにより作製することができる。
【0048】
次に、図6(B)に示すように、貫通孔46の壁面45(凹部23の側面24)にPD素子13が形成される。すなわち、マスク層47Aが形成された第1のシリコンウエハ40Wを5度〜30度に傾けた状態で、4方向からイオン注入処理が行われる。例えば、ほう素(B)を注入する場合の条件は、加速電圧:10〜100keV、注入量:1×1015cm−2程度である。このとき第1のシリコンウエハ40Wに、50〜100nmの薄い酸化物層があってもよい。
【0049】
そして、第1のシリコンウエハ40Wの貫通孔46の壁面45のPD素子13上に、酸化シリコン層42と、フィルタ41と、が順にCVD法により、形成され、さらに電極43、44が形成される。
別途、配線基板30となる導電性(N型)の第2のシリコンウエハ30Wが準備される。第2のシリコンウエハ30Wには、PD素子13からの検出信号を送信するための配線61、62およびLED素子12に駆動信号を供給するための配線63、64がスパッタ法または蒸着法等により形成される。
【0050】
図6(C)に示すように、第1のシリコンウエハ40Wが上下反転されて、第2のシリコンウエハ30Wと接合される。
すると図6(D)に示すように、2枚のウエハが接合された接合ウエハ20Wでは、枠状基板40の貫通孔46は、底面22のある凹部23となる。
【0051】
そして、図6(E)に示すように、接合ウエハ20Wの複数の凹部23のそれぞれの内部に、LED素子12および透明樹脂層15が配設され、さらに透明樹脂層15の上に第2の保護層としてシランカップリング剤などの接着層を必要に応じて介して、インジケータ層16が配設される。
【0052】
LED素子12の配設には、光学的に透明なアクリル樹脂もしくはシリコーン樹脂などを使用した接着法、または、フリップチップボンディング法などの各種接合法などの方法が使用可能である。
【0053】
最後に遮光層19がインジケータ層16上に形成された後、接合ウエハ20Wが個片化されて、蛍光センサ10が完成する。すなわち、蛍光センサ10を針先端部5に有する針型蛍光センサ4が完成する。
【0054】
蛍光センサの製造方法としては、これに限られるものではなく、個片化された配線基板30と、個片化された枠状基板40とを接合した後に、凹部23にLED素子12等を配設する等の方法を用いてもよい。
【0055】
また、配線基板30の延設部が針部7の針本体部6を構成するように第1のシリコンウエハを加工してもよいし、別途作製した針本体部6と、蛍光センサ10を有する針先端部5とを接合して針部7を構成してもよい。
【0056】
以上の説明のように、本実施の形態の蛍光センサ10は、ウエハプロセスにより一括大量生産が可能である。このため、蛍光センサ10は、安価に安定した品質を提供できる。
【0057】
次に、図5を参照して、蛍光センサ10の動作を説明する。
LED素子12は、例えば30秒に1回の間隔で中心波長が375nm前後の励起光Eをパルス発光する。例えば、LED素子12へのパルス電流は1mA〜100mAであり、発光のパルス幅は10ms〜100msである。
【0058】
LED素子12が発生した励起光Eは透明樹脂層15を通過して、インジケータ層16に入射する。インジケータ層16は、アナライト9の量に対応した強度の蛍光Fを発する。なお、アナライト9は遮光層19を通過して、インジケータ層16に進入する。インジケータ層16の蛍光色素は波長375nmの励起光Eに対して、より長波長の例えば波長460nmの蛍光Fを発生する。
【0059】
インジケータ層16が発生した蛍光Fの一部は、フィルタ41と酸化シリコン層42と介して、PD素子13に入射する。そして蛍光Fは、PD素子13において光電変換され光発生電荷を生じることで、検出信号として出力される。なお、LED素子12が発生する励起光Eも一部は、凹部23の側面24に入射するが、フィルタ41の作用によりPD素子13へは殆ど入射しない。
【0060】
蛍光センサ10では、本体部2の演算部(不図示)が検出信号、すなわち、PD素子13からの光発生電荷に起因する電流または蓄積した光発生電荷に起因する電圧をもとに演算処理を行い、アナライト量を算出する。なお、針型蛍光センサ4が演算部または検出信号処理回路等を有していてもよい。
【0061】
蛍光センサ10は、検出基板部の凹部23の底面22にLED素子12を有し、側面24にPD素子13を有するため、超小型であるにも関わらず、検出感度が高い。
【0062】
<第1実施形態の変形例>
次に、本発明の第1実施形態の変形例の蛍光センサ10Aを有する針型蛍光センサ4Aについて説明する。本変形例の蛍光センサ10Aは第1実施形態の蛍光センサ10と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0063】
図7(A)に示すように、第1実施形態の蛍光センサ10のLED素子12は、60〜100μm程度の厚さのサファイア基板12S上に形成された厚み10μm程度の窒化ガリウム系化合物からなる半導体12Nからなる。
このため、例えば、LED素子12の厚さが100μm、凹部の深さが150μmの場合、蛍光センサ10のインジケータ層16の厚さは50μm以下である。
【0064】
これに対して、図7(B)に示すように、蛍光センサ10AのLED素子12Tは、LED素子12から大部分のサファイア基板12Sが除去され、窒化ガリウム系化合物からなる半導体12Nを主体とする。すなわち、LED素子12Tの厚さは、10μm程度である。なお、反射層12AAはLED素子12Tの側面にも形成されているが、LED素子12Tの厚さが薄いため底面のみに形成してもよい。
【0065】
蛍光センサ10Aでは、例えば、凹部の深さが150μmの場合、インジケータ層16Aの厚さを140μmと、蛍光センサ10のインジケータ層16よりも厚くすることができる。
【0066】
蛍光センサ10Aは、蛍光センサ10が有する効果を有し、さらにインジケータ層16Aが厚いために、より多くの蛍光Fを発生することができる。このために、蛍光センサ10Aは、より検出感度が高い。
【0067】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態の蛍光センサ10Bを有する針型蛍光センサ4Bについて説明する。本実施形態の蛍光センサ10Bは第1実施形態の蛍光センサ10と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0068】
図8に示すように、蛍光センサ10Bは、検出基板部20Bの凹部23の側面24(枠状基板40の貫通孔46の壁面45)に形成された第1の光電変換素子であるPD素子13Aに加えて、凹部23の底面22(配線基板30Bの上面)にも第2の光電変換素子であるPD素子13Bが形成されている。
【0069】
底面22に形成されたPD素子13B上には、PD素子13Bを保護する第3の保護層である酸化シリコン層42Bと、フィルタ41Bと、が配設されている。酸化シリコン層42Bは酸化シリコン層42、42Aと同じ機能を有し、フィルタ41Bはフィルタ41、41Aと同じ機能を有する。なお、LED素子12の反射層12A1は側面のみで底面には形成されていない。また、LED素子12は、蛍光Fを透過する発光素子である。
【0070】
そして、PD素子13Bと、LED素子12と、インジケータ層16のそれぞれの中央部が配線基板30B上の同一領域内に形成されている。
【0071】
蛍光センサ10Bの製造工程では、配線基板30Bとなる第2のシリコンウエハの表面には、多数のPD素子13Bと、それぞれの配線60(61〜66)が形成される。そしてPD素子13Bの表面に第1の保護層となる数十〜数百nmの厚さを有する酸化シリコン層42Bが形成される。さらに酸化シリコン層42Bの表面に、多結晶シリコン等からなるフィルタ41Bが形成される。
【0072】
以降の工程はすでに説明した蛍光センサ10の製造工程と同様である。なお、PD素子13Bの検出信号は配線65、66を介して本体部2に伝達される。
【0073】
蛍光センサ10Bでは、インジケータ層16が発生した蛍光Fの一部は、LED素子12を通ってPD素子13Bに到達するために、PD素子13Bは検出信号Bを発生する。すなわち、底面に反射層を有していないLED素子12は蛍光Fを透過する。
【0074】
蛍光センサ10Bは、PD素子13Aが出力する検出信号Aだけでなく、PD素子13Bが出力する検出信号Bも、本体部2に出力する。
【0075】
このため、蛍光センサ10Bは、蛍光センサ10が有する効果を有し、さらに、より検出感度が高い。
【0076】
なお、LED素子12の大きさが、PD素子13Bよりも小さい場合には、LED素子12の底面にも反射層を形成してもよい。この場合には、蛍光Fの一部は、反射層12Aにより反射されてしまうためにPD素子13Bには入射しない。しかし、LED素子12からの励起光Eに起因するPD素子13Bの検出信号のノイズ光成分を、より減ずることができる。
【0077】
また、ノイズ光成分を減ずるために、LED素子12の底面と対向する領域にはPD素子13Bを形成しなくともよい。すなわち、PD素子13Bは、凹部23の底面22の少なくとも一部に、形成されていればよい。
【0078】
また、第2実施形態の蛍光センサ10Bにおいても、第1実施形態の変形例のLED素子12Tと同様の薄層化LED素子を用いてもよい。
【0079】
<第2実施形態の変形例>
次に、本発明の第2実施形態の変形例の蛍光センサ10Cを有する針型蛍光センサ4Cについて説明する。本変形例の蛍光センサ10Cは第2実施形態の蛍光センサ10Bと類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0080】
第2実施形態の蛍光センサ10Bは、PD素子13Aが出力する検出信号Aと、PD素子13Bが出力する検出信号Bとを、それぞれ別の配線61、62、65、66を介して本体部2に出力した。
【0081】
これに対して、蛍光センサ10Cは、PD素子13Aが出力する検出信号Aと、PD素子13Bが出力する検出信号Bとの合算検出信号を2本の配線67、68を用いて本体部2に出力する。
【0082】
すなわち、図9に示すように、配線基板30Cに形成されたPD素子13Bは、その一部分が枠状基板40の直下まで延設され、PD素子13Aの配線68と直下で接続されている。また、低抵抗領域40Hと同様の方法で形成された配線基板30Cの低抵抗領域30Hは、枠状基板40の低抵抗領域40Hの直下で共通の配線67と接続されている。
【0083】
電気的接続箇所には、例えばフリップチップ実装技術または半田接続技術を用いて行われる。
【0084】
蛍光センサ10Cは、蛍光センサ10B等が有する効果を有し、さらに検出信号を出力するための配線60の数が2本と少ないため、より小型である。
【0085】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態の変形例の蛍光センサ10Dを有する針型蛍光センサ4Dについて説明する。本変形例の蛍光センサ10Dは第1実施形態の蛍光センサ10等と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0086】
蛍光センサ10Dの検出基板部20Dは、半導体基板であるシリコンウエハ20DWにより一体的に作製されている。すなわち、検出基板部20Dの凹部23Dは、例えばエッチング法によりシリコンウエハ20DWの第1の主面21に形成された凹部である。
【0087】
次に、図10(A)〜図10(E)を用いて、蛍光センサ10Dの製造方法について説明する。なお、図10(A)〜図10(E)では1個の蛍光センサ10Dの領域の部分断面図であるが、実際の工程では、ウエハプロセスとして一括して多数の素子を形成する。
図10(A)に示すように、シリコンウエハ20DWの第1の主面21にマスク層27が作製される。そして、図10(B)に示すように、エッチング法により、第1の主面21と平行な底面22Dのある凹部23Dが形成される。
【0088】
エッチング法としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液、水酸化カリウム(KOH)水溶液などを用いるウエットエッチング法が望ましいが、反応性イオンエッチング(RIE)、ケミカルドライエッチング(CDE)などのドライエッチング法も用いることができる
【0089】
例えば、シリコンウエハ20DWとしてシリコン(100)面を用いた場合には、(111)面のエッチング速度が(100)面に比べて遅い異方性エッチングとなるため、凹部23Dの側面24Dは(111)面となり、(100)面との角度θ1は54.74度となる。すなわち、側面24Dはテーパー形状である。
【0090】
次に、図10(C)に示すように、凹部23Dの側面24DにPD素子13Dが形成される。側面24Dがテーパーのある凹部23Dは、側面24が垂直な凹部23に比べてPD素子を形成する面積が広いだけでなく、凹部23Dの側面24DへのPD素子13Dの形成が容易である。
【0091】
さらに、LED素子12Dの駆動信号用の配線63、64、PD素子13Dの検出信号用の配線61D、62D等が形成される。なお、LED素子12DおよびPD素子13Dのための貫通配線60S1、60S2、60S3はPD素子13D形成前に作製しておいてもよい。また低抵抗領域20Hは低抵抗領域40Hと同様の方法で形成される。
【0092】
次に、図10(D)に示すように、側面24DのPD素子13D上に酸化シリコン層42Dおよびフィルタ41Dが配設される。酸化シリコン層42Dは酸化シリコン層42と同様の構成および機能を有し、フィルタ41Dはフィルタ41と同様の構成および機能を有する。
【0093】
次に、図10(E)に示すように、凹部23Dの底面22Dに、反射層12ADを有するLED素子12Dが配設され、さらに透明樹脂層15Dを介して、インジケータ層16Dが配設される。さらに、遮光層19Dが形成されたシリコンウエハ20DWを個片化することにより蛍光センサ10Dが完成する。
【0094】
なお、蛍光センサの仕様によっては、蛍光センサ10のように、凹部の側面は第1の主面21に垂直であってもよい。
【0095】
なお、第3実施形態の蛍光センサ10DのLED素子12Dは、第1実施形態の変形例のLED素子12Tと同様の薄層化LED素子である。
【0096】
蛍光センサ10Dは蛍光センサ10等が有する効果を有し、さらに、製造が容易で、より高感度である。
【0097】
<第3実施形態の変形例>
次に、本発明の第3実施形態の変形例の蛍光センサ10Eを有する針型蛍光センサ4Eについて説明する。本変形例の蛍光センサ10Eは第3実施形態の蛍光センサ10D等と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0098】
図11に示すように、蛍光センサ10Eは、検出基板部20Dの凹部23Dの側面24Dおよび凹部23Dの底面22Dに、光電変換素子であるPD素子13Eが形成されている。
【0099】
蛍光センサ10Eの製造工程では、第1の主面21と平行な底面22Dのある凹部23Dが形成されたシリコンウエハ20EWの凹部23Dの側面24Dおよび底面22Dに、PD素子13Eが形成される。
【0100】
さらに、PD素子13Eの第1の保護層となる酸化シリコン層42Eが形成される。そして酸化シリコン層42Eの表面に、多結晶シリコン等からなるフィルタ41Eが形成される。
【0101】
以降の工程は、第3の実施形態の蛍光センサ10Dの製造方法と同様であるが、LED素子12Eは底面には反射層を有していない。
【0102】
本実施形態の蛍光センサ10Eは、蛍光センサ10Bと同様に、LED素子12Eを透過した蛍光FもPD素子13Eが検出するために、検出感度が高い。
さらに、側面24Dおよび底面22Dに一体形成されたPD素子13Eは形成が容易であるだけでなく、検出信号のための配線が61E、62Eの2本でよい。また酸化シリコン層42Eおよびフィルタ41Eも側面24Dおよび底面22Dに一体形成できる。
【0103】
なお、PD素子13Dを、複数の領域に分割して、それぞれの領域の検出信号を別々の配線により本体部2に伝達してもよい。
【0104】
蛍光センサ10Eは、蛍光センサ10Dが有する効果を有し、さらに高感度かつ製造が容易である。
【0105】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態の蛍光センサ10F(10F1、10F2)を有する針型蛍光センサ4F(4F1、4F2)について説明する。本実施の形態の蛍光センサ10Fは第1実施形態の蛍光センサ10等と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0106】
蛍光センサ10Fは、LED素子12が発生する光のうち、蛍光Fの波長領域では透過率が高く、蛍光Fよりも長波長の光をカットする長波長カットフィルタ51を有する。
【0107】
すでに説明したように、LED素子12は、例えば中心波長が375nm前後の励起光Eを発生するが、蛍光Fよりも、さらに長波長の光も僅かに含むことがある。すなわちLED素子12を構成する結晶に内在する結晶欠陥の影響を受け、LED素子12からは長波長側に広い波長域で微小な発光が現れる場合がある。さらに、PD素子13の受光感度は長波長側で高く、また、フィルタの透過率も長波長側で高い。
【0108】
このため、LED素子12の蛍光Fよりも長波長成分光は、インジケータ層16の蛍光発生に寄与しないだけでなく、微弱であっても、検出信号のノイズ成分の大きな原因となる。
【0109】
図12に、ピーク波長が475nm、短波長端が425nm、長波長端が650nmの蛍光Fの検出に適した長波長カットフィルタ51の透過率特性の一例を示す。長波長カットフィルタ51は蛍光Fの波長領域では透明である。
【0110】
長波長カットフィルタ51は、例えば、LaF、Al、Pr、Ta、TiOまたはNb等の誘電体を多層積層して作製される誘電体多層膜である。
【0111】
図13(A)に示すように、LED素子12F1が上方にのみ励起光Eを出射する蛍光センサ10F1では、長波長カットフィルタ51Aは、反射層12F1Aを有するLED素子12F1の上方に配設される。また、図13(B)に示すように、反射層12F2Aを有するLED素子12F2が上方および下方に励起光Eを出射する蛍光センサ10F2では、長波長カットフィルタ51B1、51B2は、LED素子12の上方および下方に配設される。
【0112】
長波長カットフィルタは、誘電体多層膜等の固体状のフィルタを挿入する方法に限られるものではなく、流体状の樹脂を塗布/固化する方法、または、LED素子12の両面に蒸着等する方法で形成してもよい。
【0113】
本実施の形態の蛍光センサ10Fは、LED素子12が発生する長波長光が長波長カットフィルタ51でカットされるので、オフセット出力になるノイズ光が除去されるので、検知信号のS/Nが向上する。このため、蛍光センサ10Fは、蛍光センサ10等が有する効果を有し、さらに、より高感度である。
【0114】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等ができる。例えば、各実施の形態および変形例の構成要素を組み合わせることもできる。
【符号の説明】
【0115】
1…センサシステム、2…本体部、3…レシーバー、4、4A〜4F…針型蛍光センサ、5…針先端部、6…針本体部、7…針部、8…コネクタ部、10、10A〜10F…蛍光センサ、12…LED素子、13…PD素子、15…透明樹脂層、16…インジケータ層、19…遮光層、20…検出基板部、21…第1の主面、22…底面、23…凹部、24…側面、25…第2の主面、27…マスク層、30…配線基板、40…枠状基板、41…フィルタ、42…酸化シリコン層、45…壁面、46…貫通孔、47、47A…マスク層、51…長波長カットフィルタ、60…配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面に前記第1の主面と平行な底面のある凹部があり、前記凹部の側面の少なくとも一部に蛍光を受光し検出信号を出力する光電変換素子が形成されている検出基板部と、
前記検出基板部の前記凹部の前記底面に配設された、励起光Eを発生する発光素子と、
前記発光素子の上の前記凹部の内部に配設された、前記励起光とアナライト量とに応じた前記蛍光を発生するインジケータ層と、
を具備することを特徴とする蛍光センサ。
【請求項2】
前記検出基板部が、配線基板と、貫通孔が形成され前記配線基板と接合された枠状基板と、からなり、
前記配線基板の表面が前記凹部の前記底面であり、前記枠状基板の前記貫通孔の壁面が前記凹部の前記側面であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光センサ。
【請求項3】
前記凹部が、半導体基板に形成された凹部であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光センサ。
【請求項4】
前記凹部の前記底面の少なくとも一部に、前記蛍光を受光し第2の検出信号を出力する第2の光電変換素子が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の蛍光センサ。
【請求項5】
前記第2の光電変換素子と、前記発光素子と、前記インジケータ層のそれぞれの中央部が前記凹部内の同一領域内に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の蛍光センサ。
【請求項6】
前記光電変換素子の検出信号と、前記第2の光電変換素子の第2の検出信号と、の合算検出信号を出力する配線を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の蛍光センサ。
【請求項7】
前記光電変換素子が、前記凹部の前記側面および前記底面に、一体的に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の蛍光センサ。
【請求項8】
前記凹部の前記側面および前記底面の前記光電変換素子上に、前記励起光をカットするフィルタが一体的に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の蛍光センサ。
【請求項9】
前記発光素子が発生する前記励起光の長波長成分をカットする長波長カットフィルタを有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の蛍光センサ。
【請求項10】
体外に配置される本体部の嵌合部と嵌合するコネクタ部を有し、体内のアナライトを計測する針型センサであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の蛍光センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−93128(P2012−93128A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238802(P2010−238802)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】