説明

蛍光ランプ、それを備えた蛍光ランプユニット及び表示装置

【課題】所定の初期発光輝度を維持しながら発光輝度の劣化および色バランスの低下を抑制し、長寿命化を実現し得る蛍光ランプ、それを備えた蛍光ランプユニット及び表示装置を提供する。
【解決手段】水銀が封入されてなるガラスバルブ30の内側に、前記水銀による経時劣化の度合いが異なる複数種類の蛍光体粒子が塗布された蛍光ランプ20であって、前記経時劣化を抑制する希土類酸化物が、前記経時劣化の度合いが最も小さい種類の第一蛍光体粒子には第一所定量だけ被着され、前記第一蛍光体粒子及び前記経時劣化の度合いが最も大きい種類の第二蛍光体粒子を除く種類の蛍光体粒子には、前記第一所定量以上で、かつ前記第一所定量よりも大きい第二所定量以下の範囲で被着され、前記第二蛍光体粒子には、前記第二所定量だけ被着されている構成とする。また、上記蛍光ランプが備えられた蛍光ランプユニット、当該蛍光ランプユニットが備えられた表示装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水銀蒸気の放電を用いる蛍光ランプ、それを備えた蛍光ランプユニット及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ装置などの表示装置には、駆動回路に接続されてなる蛍光ランプユニットが備えられている。その中の蛍光ランプは、ランプ容器内面に蛍光体層が形成され、当該容器内方に水銀が封入されている。この水銀が励起されて紫外線が生じて蛍光体層から可視光が発光されることで、上記ユニットは上記表示装置の発光源として機能する。
しかし、蛍光体層は、蛍光ランプの使用とともに劣化し、その要因として上記水銀の吸着が挙げられている。この吸着によって、蛍光体粒子は発光機能を良好に発揮することが次第に困難になり、蛍光ランプの輝度が劣化し、さらに蛍光ランプの寿命に至ってしまう。
【0003】
そこで、水銀吸着から蛍光体粒子を保護するために蛍光体層に保護層を設け、輝度の劣化および長寿命化が図られている。その方法の一つとして、水銀吸着を抑制して所定の発光輝度を維持するために、図8の蛍光体粒子模式図に示すように、蛍光体層を構成する各蛍光体粒子の間隙を架橋構造で連続して被覆し、金属酸化物からなる保護層の形成が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−164018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る保護層を用いる場合であっても、蛍光体粒子に対する水銀吸着を抑制することができるが、水銀吸着を完全に防止するには至っておらず、未だ改善の余地が残されている。そこで、保護層の厚膜化等の方法を用いれば、水銀の吸着を抑えて蛍光体粒子劣化の抑制効果は向上するが、一方で厚膜化によって、蛍光体層からの発光が遮断されてしまい、発光輝度が低下する問題が発生してしまうため好ましくない。
【0005】
また、蛍光体粒子材料によっては、水銀の吸着性が異なるため、水銀が吸着し易い蛍光体粒子においては、他の蛍光体粒子よりも経時的な劣化の度合いが大きくなり、発光輝度だけではなく色バランスも大きく低下してしまう。
本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであって、所定の初期発光輝度を維持しながら発光輝度の劣化および色バランスの低下を抑制し、長寿命化を実現し得る蛍光ランプ、それを備えた蛍光ランプユニット及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る蛍光ランプ、それを備えた蛍光ランプユニット及び表示装置は以下のような構成を採る。
水銀が封入されてなるガラスバルブの内側に、上記水銀による経時劣化の度合いが異なる複数種類の蛍光体粒子が塗布された蛍光ランプであって、上記経時劣化を抑制する希土類酸化物が、上記経時劣化の度合いが最も小さい種類の第一蛍光体粒子には第一所定量だけ被着され、上記第一蛍光体粒子及び上記経時劣化の度合いが最も大きい種類の第二蛍光体粒子を除く種類の蛍光体粒子には、上記第一所定量以上で、かつ上記第一所定量よりも大きい第二所定量以下の範囲で被着され、上記第二蛍光体粒子には、上記第二所定量だけ被着されている構成とする。
【0007】
また上記構成において、上記第一蛍光体粒子を少なくとも除く種類の蛍光体粒子に、上記希土類酸化物による個別被膜が形成され、且つ、上記複数の種類からなる全ての種類の蛍光体粒子に、上記希土類酸化物による全体被膜が一様に形成されているようにする。
さらに、上記複数種類の蛍光体粒子によって蛍光体層が形成されており、上記全体被膜は、上記蛍光体層全体を被覆するとともに、上記複数種類の蛍光体粒子の間を充填するようにネットワーク状の構成もしくは網目状の構成を有し、上記個別被膜は、上記第一蛍光体粒子を少なくとも除く種類の蛍光体粒子を個々に外套する構成を有している構成とすることが好ましい。なお、各蛍光体粒子間における空隙は、全体被膜によって満充填状態になされておらず、各蛍光体粒子の一部分が露出した状態となっていても構わない。
【0008】
例えば、上記個別被膜は、上記第二蛍光体粒子のみに形成されている構成としても構わないし、上記第一蛍光体粒子を除く種類の蛍光体粒子に形成されている構成としても構わない。
また、上記複数種類の蛍光体粒子には、それぞれ赤色、緑色および青色に発光する三種類の赤色蛍光体粒子、緑色蛍光体粒子および青色蛍光体粒子が含まれているような場合には、上記赤色蛍光体粒子が上記第一蛍光体粒子に相当し、上記青色蛍光体粒子が上記第二蛍光体粒子に相当する。その中で、上記第一所定量は、上記第一蛍光体粒子に対する上記希土類酸化物の重量組成比率が、0.01wt%以上0.90wt%以下の範囲に設定され、さらに、上記第二所定量は、上記第二蛍光体粒子に対する上記希土類酸化物の重量組成比率が、上記第一所定量よりも0.01wt%以上0.60wt%以下の範囲だけ大きくなるように設定されている構成とすることが好ましい。
【0009】
また、上記希土類酸化物には、酸化ランタンおよび酸化イットリウムのうち少なくとも一種類が含まれていることが好ましい。
そして、上記の蛍光ランプを備えることを特徴とする蛍光ランプユニット、さらには当該蛍光ランプユニットを備える表示装置を構成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のように、水銀の吸着が主な要因となる蛍光体粒子の経時劣化を抑制する希土類酸化物が、全ての種類の蛍光体粒子に対して少なくとも第一所定量だけ被着されていることで、上記経時劣化が抑制され、さらに、上記経時劣化の最も大きな第二蛍光体粒子に対しては、第一所定量よりも大きな第二所定量が被着された構成とすることで、蛍光体層に水銀が侵入した場合であっても、第二蛍光体粒子が他の種類の蛍光体粒子と比較して、水銀吸着による経時劣化が著しく大きくなることを抑制できる。これにより、蛍光ランプにおける輝度の経時的な劣化を抑制するとともに、その色バランスの低下も抑制することができ、蛍光ランプの長寿命化に繋げることができる。
【0011】
また、上記希土類酸化物が、全ての種類の蛍光体粒子に対して上記経時劣化の度合いに応じた被着がなされているので、上記経時劣化の小さい蛍光体粒子に対する希土類酸化物の被着量を小さく抑えることができ、初期発光輝度を大きく低減させることもない。
さらに、上記希土類酸化物によって、少なくとも第一蛍光体粒子を除く種類の蛍光体粒子に個別被膜が形成されるとともに、複数種類の全ての種類の蛍光体粒子に全体被膜が一様に形成されていることで、それぞれの蛍光体粒子における経時劣化の度合いに著しい差が生じることがないため、色バランス維持の観点から好ましい。
【0012】
特に、上記個別被膜は蛍光体粒子を外套する構成を有することで、水銀吸着の抑制効果が向上し、さらに上記全体被膜は蛍光体層を被覆するとともに、各蛍光体粒子間を充填するようにしてネットワーク状の構成または網目状の構成を有することで、水銀の蛍光体層への吸着及び蛍光体層内方への侵入もさらに抑制することができる。
複数の種類の蛍光体粒子に青色、緑色、赤色の蛍光体粒子が含まれ、赤色の蛍光体粒子が水銀吸着による経時劣化の影響を受けにくく、緑色蛍光体粒子がLAP等の水銀吸着による経時劣化を受けにくい材料によって形成されている場合において、上記個別被膜は水銀吸着による経時劣化の影響を受けやすい青色蛍光体粒子にのみ形成されていれば、上記色バランスの低下を抑制できることができる。
【0013】
一方で、緑色蛍光体粒子が、上記LAP以外の材料、例えば、BAMMn、CATMn、ZnSiO:Mnなどで形成されていても構わない。この場合には、蛍光ランプの色再現性が向上する効果が生まれるため好ましいが、水銀吸着による経時劣化の影響を受けやすくなるため、上記個別被膜を青色蛍光体粒子だけでなく緑色蛍光体粒子にも形成しているので、上記色再現性の向上効果を備えつつ色バランスの低下を抑制することができる。
【0014】
さらに、それぞれの蛍光体粒子に係る被着された希土類酸化物の量を、上述の請求項7に記載したような重量組成比率の範囲内に設定することで、上記効果を顕著に得ることができるため望ましい。
希土類酸化物の材料には、酸化ランタン、酸化イットリウムのうち少なくとも一種類が含まれていることが、上述した効果を得ることができるため望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
1−1.全体構成
図1は、本実施の形態に係る表示装置101、例えば液晶テレビの概要を示している。
当図に示す表示装置101は、例えば、32インチの液晶テレビであり、液晶画面ユニット103と蛍光ランプユニット1とを備える。
【0016】
液晶画面ユニット103は、例えば、カラーフィルタ基板、液晶、TFT基板、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
液晶画面ユニット103の下端部には、高周波電子安定器107が配されており、この高周波電子安定器107によって、蛍光ランプユニット1に備えられた複数本の冷陰極蛍光ランプ20の全ての点灯が行われる。
1−2.蛍光ランプユニット1の構成
図2は、本実施の形態に係る直下方式の蛍光ランプユニット1の構成を示す概略斜視図である。当図は、内部構造が分かるように前面パネル16の一部が切り欠かれた状態で示されている。
【0017】
蛍光ランプユニット1は、複数の冷陰極蛍光ランプ20と、一方の主面が開口した箱型形状の筐体10と、この筐体10を覆う前面パネル16とを備えている。
冷陰極蛍光ランプ20は、直管形状を有し、その軸芯が水平に延伸する状態で、筐体10の短手方向に複数本並設されている。なお、これらの冷陰極蛍光ランプ20は、駆動回路(不図示)に接続されており、この駆動回路によって点灯される。当ランプ20の構成に関しては後述する。
【0018】
筐体10は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面11に銀などの金属が蒸着されて反射面が形成されている。筐体10の開口部は、透光性の前面パネルで覆われており、内部に埃などの異物が入らないように密閉されている。なお、筐体10は樹脂以外の材料、例えばアルミニウム等の金属材料で構成されていても構わない。
【0019】
前面パネル16は、拡散板13、拡散シート14及びレンズシート15が積層されてなる。
拡散板13及び拡散シート14は、冷陰極蛍光ランプ20から発せられた光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート15は、当該シート15の法線方向へ光を揃えるものである。これらによって、冷陰極蛍光ランプ20から発せられた光が、前面パネル16の全体に均一に前方方向に照射される。
【0020】
拡散板13の材料は、ポリカーボネート(PC)樹脂製である。PC樹脂は、耐湿性、機械強度、耐熱性および光透過性に優れており、PC樹脂製の板は吸湿によって反りを生じることがほとんど無いため、画面サイズが大型(例えば、17インチ以上)な液晶テレビ用の拡散板などの利用にも有益である。
1−3.冷陰極蛍光ランプ20の構成
次に、図3を参照しながら本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ20の構成について説明する。図3は、冷陰極蛍光ランプ20の概略構成を示す一部切り欠き斜視図である。
【0021】
冷陰極蛍光ランプ20は、内面側に蛍光体層32が配設されたガラスバルブ30と、ビードガラス23を介したリード線21と、リード線21先端部に固着された電極22とを含む構成である。なお、ガラスバルブ30内方には、水銀および希ガスが封入されている。
ガラスバルブ30は、略円形断面であり、例えばホウケイ酸ガラスからなる。当該ガラスバルブ30のサイズは、長さ720mm、外径3mm、内径2mmである。
【0022】
リード線21は、ガラスバルブ30の端部において、ビードガラス23を介して固着されている。このリード線21は、例えばタングステンからなる内部リード線と、ニッケルからなる外部リード線とからなる継線である。なお、ビードガラス23とガラスバルブ30は融着されるとともに、ビードガラス23とリード線21とはフリットガラスによって固着されることで、ガラスバルブ30の内部の気密性を確保している。また、電極22とリード線21とは、例えばレーザ溶接等を利用して固着されている。
【0023】
電極22は、有底筒状の所謂、ホロー型電極である。当該電極を用いることで、ランプ点灯時の放電によって生じる電極22におけるスパッタリングの抑制に有効となる。
ガラスバルブ30の内部に封入された水銀は、ガラスバルブ30の容積に対して所定の比率、例えば、0.6(MG/CC)で封入されている。また、同じく封入されている希ガスには、アルゴンネオンの混合ガス(アルゴンが5%、ネオンが95%)が用いられ、所定の封入圧、例えば60(Torr)で封入されている。
1−4.蛍光体層32の構成
上記蛍光体層32は、図3における拡大図に示すように、青色蛍光体粒子32B、緑色蛍光体粒子32G、赤色蛍光体粒子32Rが組合わされてなる(図中には各々B、G、Rと記載)。これらは、水銀から放射された紫外線をそれぞれ青色、緑色、赤色に変換する。
【0024】
本実施形態に係る青色蛍光体粒子32Bとして、BaMgAl1627:Eu2+(BAM、ユーロピウム付活アルミン酸バリウムマグネシウム)、緑色蛍光体粒子32Gとして、LaPO:Tb3+(LAP、テリビウム付活リン酸ランタン)、赤色蛍光体粒子32Rとして、Y:Eu3+(YOX、ユーロピウム付活酸化イットリウム)が用いられている。
【0025】
図3拡大図のように、蛍光体層32には、表面を覆うとともに蛍光体粒子間を連結してなる全体被膜(以下、「第一保護膜」と記す。)320と、青色蛍光体粒子32Bを外套する個別被膜(以下、「第二保護膜」と記す。)321Bとが設けられている。
第一保護膜320は、ガラス化して化学的に安定した希土類酸化物の酸化イットリウムYからなり、蛍光体層32の表面を被覆するとともに、蛍光体粒子32B、32G、32Rの間隙を充填するようにネットワーク状もしくは網目状の構成を有している。また、当該構成により、蛍光体層32がガラスバルブ30内方とガラスバルブ30とが隔離されるように設けられ、水銀が蛍光体層30内部さらにはガラスバルブ30にまで達しないようになされている。第一保護膜320は上述のような構成を有しており、さらに具体的には、図示のとおり各蛍光体粒子32B、32G、32Rの間に空隙330が形成された構成、及び第一保護膜320が各蛍光体粒子32B、32G、32R(ただし、青色蛍光体粒子32Bに関しては、後述する第二保護膜321Bが外套された状態)に対して、一部分を覆う構成を有している。なお、第一保護膜320は、蛍光体粒子32B、32G、32Rに対する重量組成比率が一様となるよう、それぞれ0.3wt%となるように設定されている。
【0026】
第二保護膜321Bは、希土類酸化物である酸化ランタンLa(以下、「La」と記す。)からなり、青色蛍光体粒子32Bを包み込むようにして外套する構成を有している。この第二保護膜321Bは、青色蛍光体粒子32Bの表面を覆い、青色蛍光体粒子32Bに対する第二保護膜321Bの重量組成比率は0.6wt%となるように設定されている。なお、上記第一保護膜320はこの第二保護膜321B上を被覆するように形成されている。このようにして、青色蛍光体粒子32Bは、他の蛍光体粒子32G、32Rと比較して、第二保護膜321Bが形成されている分だけ厚く重点的に被膜が備えられた状態となっている。
【0027】
本発明者らは、これらの第一保護膜320および第二保護膜321Bについて、SEM(走査型電子顕微鏡)およびXMA(X線マイクロアナライザー)等の分析装置によりその存在を確認した。
1−5.蛍光体層32の形成方法
次に、蛍光体層32の形成方法について説明する。本方法では、(A)蛍光体粒子材料の調合工程、(B)蛍光体粒子塗布工程、(C)金属アルコキシド処理工程、(D)加熱処理工程を順に行う。
【0028】
先ず、蛍光体粒子材料の調合工程において、蛍光体粒子材料、例えば三波長域発光型の発光体材料を調合する。このとき、青色蛍光体粒子32Bに上記第二保護膜321Bが形成された状態とする。当該第二保護膜321Bの形成方法としては、例えば、青色蛍光体粒子32Bを分散媒中に分散させ、分散液に酸化ランタン等の第二保護膜321B材料を適量添加する。その後、分散媒を除去、乾燥、焼成する処理を行うことで第二保護膜321Bを形成することができる。なお、ここでは酸化ランタンを例として取り上げたが、ランタンの化合物を青色蛍光体粒子32Bの表面に形成した後で焼成時に酸化することによっても実施できる。また、他の金属材料を用いても同様に実施できることは言うまでもない。
【0029】
次に、塗布工程において、調合された蛍光体粒子材料をガラスバルブ30の内面に塗布し、乾燥して、蛍光体層を形成する。その後、金属アルコキシド処理工程において、形成された蛍光体層の上に金属アルコキシド、例えばイットリウムイソプロキシドを酢酸ブチルに溶解して、塗布し、約100℃で約15分間乾燥するとともに、金属アルコキシドを加水分解させる。さらに、金属アルコキシドの重合反応が進むにつれてアルコールが発生するため、このアルコールを気化除去する。その後、加熱処理工程において、蛍光体層32をシンター炉で適時加熱処理(約500℃、2分間)を行い、第一保護膜320を形成する。なお、当該加熱処理工程等を施すことにより、各蛍光体粒子間及び蛍光体層32から気体が除去されるために、第一保護膜320または第二保護膜321Bには若干の孔が形成された状態となることも考えられるが、第一保護膜320及び第二保護膜321Bによって、各蛍光体粒子はガラスバルブ30内方とはほぼ隔離された状態となっている。なお、本実施形態において上記金属アルコキシドを用いているが、例えば、金属カルボン酸塩を用いても構わない。
1−6.検証実験
上述のようにして形成された蛍光体層32を備える冷陰極蛍光蛍光ランプ20の輝度及び色バランス特性に関して、以下に示す各種の蛍光ランプを用いて検証実験を行った。比較例1〜3と実施例1とは、蛍光体層の構成だけが異なり、他の部分は同一である(表1参照)。
(比較例1)蛍光体層に第一保護膜320及び第二保護膜321Bが設けられていない冷陰極蛍光ランプ201
(比較例2)蛍光体層には第一保護膜320は設けられておらず、青色蛍光体粒子32Bにのみ第二保護膜321Bが設けられている冷陰極蛍光ランプ202
(比較例3)蛍光体層には第一保護膜320が設けられているが、第二保護膜321Bは設けられていない冷陰極蛍光ランプ203
(実施例1)本実施形態に第一保護膜320及び第二保護膜321Bが設けられた冷陰極蛍光ランプ20
【0030】
【表1】

1−6−1.初期輝度の検証
先ず、第一保護膜320の水銀吸着の抑制効果を考慮した上で、蛍光体層32からの所定の発光輝度を確保し得る第一保護膜320の被膜量について検証を行った。当検証実験では、上記被膜量に対する蛍光ランプの初期発光輝度を測定している。なお、本検証では、上記比較例3のように第一保護膜320のみを被覆させており、第二保護膜321Bは設けていない。その結果を図4に示す。当図は、蛍光体粒子に対する保護膜含有量に対する単位面積当たりの輝度をプロットし、そのプロット点に基く回帰直線を示している。
【0031】
図4には、蛍光体粒子に対する第一保護膜320の重量組成比率が0wt%、0.05wt%、0.1wt%、0.15wt%、0.3wt%、0.6wt%、0.9wt%、1.2wt%、1.8wt%のときの蛍光ランプの発光輝度がそれぞれ点P1〜点P9の順で示されている。初期発光輝度に関しては、比較例1のような保護膜が備えられていない場合(点P1)と比較して、発光輝度の劣化が3%程度であれば初期発光輝度と同レベルの発光輝度が維持されていると判断している。これは、一般に、冷陰極蛍光ランプ20の発光輝度のバラツキは最小で±7%程度とされており、さらに測定に用いる発光輝度計の誤差も一般的に3〜5%であると言われている。これらの点を考慮して、発光輝度が3%程度までの低下であれば実使用における発光輝度の許容範囲内と判断できるからである。
【0032】
これらの内容に基いて、図4から重量組成比率が約1.5wt%程度までであれば、発光輝度が3%低下した状態に該当し、初期発光輝度が同レベルで維持された状態であると判断できる。その中でも図4から分かるように、重量組成比率が0.6wt%(点P6)に至るまでは、全く第一保護膜320が設けられていない点P1よりも発光輝度が大きな状態を維持しており、重量組成比率を0.6wt%までに設定することは、初期発光輝度の観点から特に望ましいと言える。
【0033】
上述のとおり、点P2〜点P6のような重量組成比率のときには、蛍光体層32が第一保護層320によって被覆されているにも関わらず、点P1(比較例1)よりも初期発光輝度が上昇しているが、これは点P1(比較例1)の場合には、冷陰極蛍光ランプ20の作製途中で既に封入される水銀が蛍光体粒子32B、32G、32Rに吸着し、それにより蛍光体粒子32B、32G、32Rが若干であるが劣化しているためと考えられる。従って、第一保護膜320の含有量が微小であっても、初期発光輝度の向上に寄与することが明らかであり、本発明者らは蛍光体粒子に対する重量組成比率が0.01wt%であっても、初期発光輝度が約32000(cd/m)程度となる結果を得ており、同様の効果があると思われる。
【0034】
従って、各蛍光体粒子32B、32G、32Rに対する第一保護膜320の重量組成比率は、0.01wt%以上1.5wt%以下、特に0.05wt%以上0.6wt%以下であることが望ましい。
1−6−2.色バランスの検証
ところで、冷陰極蛍光ランプ20の長寿命化を実現する要件となる色バランスの維持に関しては、蛍光体層32の劣化抑制に加えて、各蛍光体粒子32B、32G、32Rにおける水銀吸着性の格差縮小が必要となる。特に、本実施形態に係る材料を用いる場合、青色蛍光体粒子32Bは他の色の蛍光体粒子32G、32Rよりもその水銀が吸着し易く、劣化し易いと考えられている。
【0035】
そこで、上記検証実験(初期発光輝度の検証)で得られた結果に基いて、上記実施例1のように、第一保護膜320が形成されている状態に加えて、青色蛍光体粒子32Bに第二保護膜321Bが外套された構成とし、当該第二保護膜321Bの青色蛍光体粒子に対する重量組成比率を変化させて、発光輝度維持率の変化及び色バランスの変化に関する検証実験を行った。その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】

表2では、青色蛍光体粒子32Bに第二保護膜321Bが全く外套されていない状態(0%)での初期発光輝度を基準値として、第二保護膜321Bの各重量組成比率の場合における相対初期発光輝度率を順に示し、上記基準値に対して3%以上低下していなければ同レベルの初期発光輝度を維持しているものとして「○」、3%以上低下していれば上記「○」が示されている場合と比較して、初期発光輝度に劣化が見受けられるものとして「×」の判定を行っている。また、点灯開始時に対する2000時間後の発光輝度維持率を示すとともに、色バランスの低下が大きな場合は色シフトの発生可能性の有るものとして「×」、劣化が大きくない場合は色シフトの発生が大きく抑制されているものとして「○」の判定を行っている。なお、当該判定に関しては、色バランス低下の指標として色シフト値を用いており、比較例1のように各蛍光体粒子32B、32G、32Rに第一保護膜320及び第二保護膜321Bが設けられていない状態での色シフト値は、2000時間経過後で約0.02程度であるため、表2に示す第二保護膜321Bの各値に対する点灯開始から2000時間経過時点での色シフト値が0.02より大きければ「×」とし、0.02以下であれば「○」としている。
【0037】
そこで表2から明らかなように、青色蛍光体粒子32Bに、第二保護膜321Bが外套されているように、重点的に希土類酸化物で被膜された状態とすることが、色バランス及び発光輝度維持率の点において有効となる。また、初期発光輝度率の観点から青色蛍光体粒子32Bに対する第二保護膜321Bの重量組成比率は、0.6wt%以下であることが好ましい。
【0038】
そこで、当該検証結果に、上記(1−6−1)での検証結果を含めると以下の内容が導かれる。
先ず第一に、初期発光輝度の観点から、最大でも蛍光体粒子32B、32G、32Rに対する第一保護膜320及び第二保護膜321Bの重量組成比率は1.5wt%を超えないように設定する。
【0039】
第二に、色バランスの観点から青色蛍光体粒子32Bは他の色の蛍光体粒子32G、32Rよりも重点的に水銀吸着による抑制を図るため、青色蛍光体粒子32Bには第二保護膜321Bが約0.01wt%〜0.60wt%の範囲の重量組成比率となるように形成する。
これらを同時に満たすようにするには、青色蛍光体粒子32Bのみに第二保護膜321Bが上記範囲の重量組成比率で形成されることを考慮して、第一保護膜320の各蛍光体粒子32B、32G、32Rに対する重量組成比率が0.01wt%〜0.90wt%の範囲となるように設定し、更に青色蛍光体粒子のみに対しては、第二保護膜321Bが約0.01wt%〜0.60wt%の範囲で形成されているようにすることが好ましい。
【0040】
このようにして、第一保護膜320及び第二保護膜321Bが蛍光体層に設けられることで、各蛍光体粒子32B、32G、32Rへの水銀吸着の抑制効果を得ることができ、それと同時に発光色の色バランスの低下も抑制することができる。特に、第一保護膜320の蛍光体粒子32B、32G、32Rに対する重量組成比率を0.05〜0.6%の範囲に限定すれば、上記(1−6−1)で述べたように、初期発光輝度の上昇効果を備えることになり望ましい。
1−6−3.輝度率変化の検証
上記(1−6−1)、(1−6−2)に基いて、蛍光体層32に上記範囲内の重量組成比率を有する第一保護膜320及び第二保護膜321Bが設けられた冷陰極蛍光ランプ20(実施例1)と、それ以外の冷陰極蛍光ランプ201、202、203(比較例1〜3)とを比較し、発光輝度維持率について検証実験を行った。その結果を図5に示す。
【0041】
図5は、発光輝度率維持率を示すグラフであり、実施例1及び比較例1〜3のぞれぞれにおける初期発光輝度を100として、500時間、1000時間経過後の発光輝度に基いて作成されている。当図から明らかなように、実施例1のみが1000時間経過しても発光輝度維持率は95%以上を維持している。冷陰極蛍光ランプに関しては、一般的にその寿命が50000〜60000時間と言われており、その発光輝度維持率は時間が経過するに従って急激に低下することは既に公知である。つまり、点灯から1000時間の時点で図5のような発光輝度維持率の変化の差が現れると、発光開始から50000〜60000時間後にはその差は著しく大きくなることは容易に判断できる。従って、実施例1と比較例1〜3とでは、その冷陰極蛍光ランプの寿命に大きな差が生じる。その結果、実施例1のような、上述した設定範囲内の第一保護膜320及び第二保護膜321Bが設けられた状態とすることで、冷陰極蛍光ランプ20の長寿命化が実現され得ることになる。
【0042】
なお、本実施形態では、青色蛍光体粒子32Bのみに第二保護膜321Bが外套されているが、図6の蛍光体粒子模式図に示すように、緑色蛍光体粒子32Gや赤色蛍光体粒子32Rにも第二保護膜321G、321Rが外套されていても構わない。ただし、例えば、青色蛍光体粒子32Bの第二保護膜321Bの膜厚d1が他の第二保護膜321G、321Rの膜厚d2、d3よりも大きくなるようにして、各々の蛍光体粒子の中で、青色蛍光体粒子32Bに対する重量組成比率が相対的に大きく設定されていることが必要となる。つまり、青色蛍光体粒子32Bに対する第二保護膜321Bの重量組成比率が、他の色の蛍光体粒子32G、32Rに対する第二保護膜321G、321Rの重量組成比率よりも0.01wt%〜0.6wt%だけ大きいことが望ましい。
【0043】
また、図3及び図6のように蛍光体層32は、各蛍光体粒子32B、32G、32Rが積み上げられた構成となっているとき、水銀吸着抑制の観点から確実に蛍光体層32の最上層及び各蛍光体粒子32B、32G、32Rの間隙を隔離するように第一保護膜320が確実に被膜化されていることが好ましいが、当該間隙において、第一保護膜320が有孔状態で形成されていても、水銀吸着を抑制効果を備えた上記第一保護膜320が各蛍光体粒子32B、32G、32Rの一部分を包み込むように形成されていれば同様の効果を得ることができるため適用可能である。特に、水銀吸着の効果を備え、且つ発光輝度の低下を抑制する観点に基くと、孔部によって発光輝度の劣化を抑制できる点で大きな有効性を兼ね備えているとも考えられる。
【0044】
また、全ての種類の蛍光体粒子32B、32G、32Rに第二保護膜321B、321G、321Rが外套され、且つ青色蛍光体粒子32Bに対して同様に重点的に被膜(第二保護膜321B)形成されていれば、第一保護膜320が形成されていなくても同様の効果を得ることができるため構わない。
(実施の形態2)
次に、実施形態1とは異なる冷陰極蛍光ランプについて説明する。ただし、本実施形態において上記実施形態1と異なるのは蛍光体層42の構成のみであり、他の部分に関する説明は省略する。
2−1.蛍光体層42の構成
本実施形態に係る蛍光体層42には、図7の概略模式図に示すように、第一保護膜420と、青色蛍光体粒子42B、緑色蛍光体粒子42Gのみを外套する第二保護膜421B、421Gとが設けられている。
【0045】
第一保護膜420は酸化イットリウムからなり、第二保護膜421B、421Gもともに酸化イットリウムからなる。
蛍光体粒子材料は、青色蛍光体粒子42Bには、Sr(POCl:Eu2+(SCA)、緑色蛍光体粒子42Gには、BaMgAl1627:Eu2+、Mn2+(BAMMn)、赤色蛍光体粒子42Rには、YVO:Eu2+(YVO)が用いられている。
【0046】
当該材料が用いられた蛍光体粒子32B、32G、32Rのうち、青色蛍光体粒子42B及び緑色蛍光体粒子42Gは赤色蛍光体粒子42Rと比較して水銀が吸着し易い。そこで、図7のように、第二保護膜421B、421Gが重点的に形成されていることで水銀吸着による経時劣化が抑制され、赤色蛍光体粒子42Rと比較しても、青色蛍光体粒子42Bと緑色蛍光体粒子42Gの劣化の度合いに大きな差異が生じることない。従って、本実施形態においても初期発光輝度や発光輝度維持率の劣化抑制だけでなく、色バランスの経時低下を抑制することが可能となる。
【0047】
なお、本実施形態に係る蛍光体粒子材料を用いる場合には、上記実施形態1と比較してその色再現性を向上することができるという有効性も備えている。なお、蛍光体粒子42B、42G、42Rの材料は上記のものに限定されず、他のものでも適用可能である。例えば、青色蛍光体粒子42Bは、BAMなど、緑色蛍光体粒子42Gは、実施形態1で用いたLAP以外の材料、例えばCATMn、ZnSiO:Mnなど、赤色蛍光体粒子42RはYOX、MFGなどでも構わない。
【0048】
また、実施形態1と同様、第一保護膜420及び第二保護膜421B、421Gの各蛍光体粒子に対する重量組成比率が上記範囲に設定されていることが好ましい。当該範囲の設定を満たしていれば、本実施形態においても、赤色蛍光体粒子42Rにも第二保護膜が外套されていても構わない。さらに、全ての種類の蛍光体粒子42B、42G、42Rに第二保護膜が形成され、上記のとおり青色蛍光体粒子42B、緑色蛍光体粒子42Gが重点的に例えば上記重量組成比率の規定を満たすように形成されていれば、第一保護膜420が形成されていなくても構わない。
(その他の事項)
第一保護膜と第二保護膜に関して、実施形態1では異材料を用い、実施形態2では同材料を用いているが、これに限定せず、実施形態1で同材料で構成し、実施形態2で異材料で構成しても構わない。
【0049】
また、上記実施形態では、直下方式の蛍光ランプユニット1を用いているが、エッジ方式などでも適用可能である。また、冷陰極蛍光ランプを用いているが、本発明は蛍光体層の構成に係るものであり、他の蛍光ランプ、例えば熱陰極蛍光ランプや外部電極蛍光ランプなどに用いても同様の効果を得ることができるため適用可能である。
また、ガラスバルブ材料にホウケイ酸ガラスを用いているが、当ガラスより融点が低く形状加工し易いソーダ石灰ガラスも適用可能である。この場合、蛍光ランプ作製時及び使用時にナトリウム等が発生して輝度劣化要因となるため、蛍光体層とガラスバルブの間に、ガラスバルブから蛍光体層内方への例えば、酸化ナトリウムまたはナトリウム発生の抑制膜を配することが望ましい。
【0050】
製造方法に関しては、蛍光体層を形成した後、金属化合物を塗布するが、これに限定されず、例えば、金属化合物と蛍光体粒子材料を予め混合し、ガラスバルブ内面に形成しても構わない。ただし、この場合、上述した製造方法における金属アルコキシド処理工程および加熱処理工程は不要となり、蛍光体粒子材料の調合工程における乾燥時間および温度設定の変更が必要となる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の蛍光ランプは、小型化や大型化といったものに限定されず、且つ様々な形式の蛍光ランプにも有用である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施の形態に係る表示装置の切り欠き斜視図である。
【図2】実施の形態に係る蛍光ランプユニットの切り欠き斜視図である。
【図3】実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプの切り欠き斜視図である。
【図4】蛍光体粒子に係る保護膜含有量と、蛍光ランプの初期発光輝度の関係を示すグラフである。
【図5】本実施形態1に係る蛍光ランプの発光輝度維持率を示すグラフである。
【図6】本実施形態1に係る蛍光体粒子の概略模式図である。
【図7】本実施形態2に係る蛍光体層の概略模式図である。
【図8】従来の蛍光ランプに係る蛍光ランプにおける蛍光体層の概略模式図である。
【符号の説明】
【0053】
1 蛍光ランプユニット
10 筐体
13 拡散板
14 拡散シート
15 レンズシート
16 前面パネル
20 冷陰極蛍光ランプ
21 リード線
22 電極
23 ビードガラス
30 ガラスバルブ
32 蛍光体層
101 液晶テレビ
103 液晶画面ユニット
320 第一保護膜
321B 第二保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水銀が封入されてなるガラスバルブの内側に、前記水銀による経時劣化の度合いが異なる複数種類の蛍光体粒子が塗布された蛍光ランプであって、
前記経時劣化を抑制する希土類酸化物が、
前記経時劣化の度合いが最も小さい種類の第一蛍光体粒子には第一所定量だけ被着され、
前記第一蛍光体粒子及び前記経時劣化の度合いが最も大きい種類の第二蛍光体粒子を除く種類の蛍光体粒子には、前記第一所定量以上で、かつ前記第一所定量よりも大きい第二所定量以下の範囲で被着され、
前記第二蛍光体粒子には、前記第二所定量だけ被着されている
ことを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項2】
前記第一蛍光体粒子を少なくとも除く種類の蛍光体粒子に、前記希土類酸化物による個別被膜が形成され、
且つ、前記複数の種類からなる全ての種類の蛍光体粒子に、前記希土類酸化物による全体被膜が一様に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
【請求項3】
前記複数種類の蛍光体粒子によって蛍光体層が形成されており、
前記全体被膜は、前記蛍光体層全体を被覆するとともに、前記複数種類の蛍光体粒子の間を充填するようにネットワーク状の構成もしくは網目状の構成を有し、
前記個別被膜は、前記第一蛍光体粒子を少なくとも除く種類の蛍光体粒子を個々に外套する構成を有している
ことを特徴とする請求項2に記載の蛍光ランプ。
【請求項4】
前記個別被膜は、前記第二蛍光体粒子のみに形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の蛍光ランプ。
【請求項5】
前記個別被膜は、前記第一蛍光体粒子を除く種類の蛍光体粒子に形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の蛍光ランプ。
【請求項6】
前記複数種類の蛍光体粒子には、それぞれ赤色、緑色および青色に発光する三種類の赤色蛍光体粒子、緑色蛍光体粒子および青色蛍光体粒子が含まれており、
前記赤色蛍光体粒子が前記第一蛍光体粒子に相当し、
前記青色蛍光体粒子が前記第二蛍光体粒子に相当する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の蛍光ランプ。
【請求項7】
前記第一所定量は、前記第一蛍光体粒子に対する前記希土類酸化物の重量組成比率が、0.01wt%以上0.90wt%以下の範囲に設定され、
さらに、前記第二所定量は、前記第二蛍光体粒子に対する前記希土類酸化物の重量組成比率が、前記第一所定量よりも0.01wt%以上0.60wt%以下の範囲だけ大きくなるように設定されている
ことを特徴とする請求項6に記載の蛍光ランプ。
【請求項8】
前記希土類酸化物には、酸化ランタンおよび酸化イットリウムのうち少なくとも一種類が含まれている
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の蛍光ランプ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の蛍光ランプを備える
ことを特徴とする蛍光ランプユニット。
【請求項10】
請求項9に記載の蛍光ランプユニットを備える
ことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−134219(P2007−134219A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−327480(P2005−327480)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】