説明

蛍光体及びその製造方法、蛍光体含有組成物、発光装置、並びに画像表示装置及び照明装置

【課題】緑色の蛍光を発する蛍光体であって、青色光又は近紫外光に対する変換効率及び色純度に優れた、高性能な蛍光体を提供する。
【解決手段】下記(i)〜(v)を満たす蛍光体。
(i)ピーク波長400nm又は455nmの光で励起した場合の発光ピーク波長が、510nm以上542nm以下である。
(ii)ピーク波長400nm又は455nmの光で励起した場合の発光ピーク半値幅が、75nm以下である。
(iii)ピーク波長400nm又は455nmの光で励起した場合の外部量子効率が、0.42以上である。
(外部量子効率)=(内部量子効率)×(吸収効率)
(iv)蛍光体の表面の少なくとも一部が、酸素を含有する物質からなる。
(v)2価及び3価の原子価を取り得る金属元素(MII元素)を含有すると共に、蛍光体中に含有される2価の元素の合計モル数に対するMII元素のモル数の比率が、1%よりも大きく、15%未満である。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(i)〜(vii)を満たし、かつ、
蛍光体前駆体を焼成し、該焼成の後で強還元性雰囲気下において、フラックスとして蛍光体中のケイ素(Si)に対するモル比で0.05モル以上のSrClを単独、もしくは、さらに0.1モル以上のCsClの存在下で焼成する工程を経て得られた
ことを特徴とする、蛍光体。
(i)ピーク波長400nm又は455nmの光で励起した場合の発光ピーク波長が、510nm以上542nm以下である。
(ii)ピーク波長400nm又は455nmの光で励起した場合の発光ピーク半値幅が、75nm以下である。
(iii)ピーク波長400nm又は455nmの光で励起した場合の、下記式で規定される外部量子効率が、0.59以上である。
(外部量子効率)=(内部量子効率)×(吸収効率)
(iv)下記式[1]で表わされる化学組成を有する。
【化1】

(前記式[1]中、
Iは、少なくともBa及びSrを含有する、Ba、Ca、及びSrからなる群より選ばれる2種以上の元素を表わし、MIとしてCaを含有する場合にはCaによる置換量がモル比率の値で10%以下であり、
IIは、Euを表わし、
x、α及びβは、各々、
0.04≦x<0.3、
α=2、及び、
3.5≦β≦4.5を満たす数を表わす。)
(v)前記式[1]において、前記MIとして少なくともBa及びSrを含有するとともに、MI全体に対するBa及びSrのモル比をそれぞれ[Ba]及び[Sr]とした場合に、[Ba]及び[Sr]が、
0.5<{[Ba]/([Ba]+[Sr])}≦0.8
を満たす。
(vi)ピーク波長400nm又は455nmの光で励起した場合の発光色のCIE色度座標のx値及びy値が、それぞれ
0.210≦x≦0.330、及び、
0.480≦y≦0.670
を満たす。
(vii)蛍光体中に含有される、前記式[1]におけるM元素と、Euとの合計モル数に対する、Euのモル数の比率が、15%未満である。
【請求項2】
前記強還元性雰囲気下における焼成が、固体カーボン共存下である
ことを特徴とする、請求項1に記載の蛍光体。
【請求項3】
前記式[1]に記載された元素以外に、更に、アルカリ金属元素、及びハロゲン元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有し、これらの元素の含有量の合計が1ppm以上である
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の蛍光体。
【請求項4】
結晶成長促進作用を有するフラックスと結晶成長抑制作用を有するフラックスとを組み合わせて用いて焼成することにより得られた
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の蛍光体。
【請求項5】
前記式[1]に記載された元素以外に、前記蛍光体が、更にTb、Ag、La、Sm、及びPrからなる群から選ばれる1種以上の元素を含有し、これらの元素の含有量の合計が蛍光体1モルに対し0.0001モル%以上である
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の蛍光体。
【請求項6】
物体色をL表色系で表した場合にL、a、及びbが、それぞれ
≧95、
≦−30、
≧45
を満たす
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の蛍光体。
【請求項7】
該蛍光体の重量メジアン径が10μm以上、30μm以下である
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の蛍光体。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の蛍光体と、液体媒体とを含有する
ことを特徴とする、蛍光体含有組成物。
【請求項9】
第1の発光体と、該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを備え、
該第2の発光体が、請求項1〜7の何れか一項に記載の蛍光体を少なくとも1種以上、第1の蛍光体として含有する
ことを特徴とする、発光装置。
【請求項10】
前記第2の発光体が、前記第1の蛍光体とは発光ピーク波長の異なる少なくとも1種以上の蛍光体を、第2の蛍光体として含有する
ことを特徴とする、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第1の発光体が、420nm以上500nm以下の範囲に発光ピークを有し、
前記第2の発光体が、前記第2の蛍光体として、570nm以上780nm以下の範囲に発光ピークを有する少なくとも一種の蛍光体を含有する
ことを特徴とする、請求項10に記載の発光装置。
【請求項12】
前記第1の発光体が、300nm以上420nm以下の範囲に発光ピークを有し、
前記第2の発光体が、前記第2の蛍光体として、420nm以上470nm以下の範囲に発光ピークを有する少なくとも一種の蛍光体と、570nm以上780nm以下の範囲に発光ピークを有する少なくとも一種の蛍光体とを含有する
ことを特徴とする、請求項10に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第1の発光体が、420nm以上500nm以下の範囲に発光ピークを有し、
前記第2の発光体が、前記第2の蛍光体として、580nm以上620nm以下の範囲に発光ピークを有する少なくとも1種の蛍光体を含有する
ことを特徴とする、請求項10に記載の発光装置。
【請求項14】
前記第2の蛍光体として、(Sr,Ca,Ba)AlSi(N,O):Eu、又はCeで付活したCaAlSiN構造を有する窒化物系蛍光体を含有する
ことを特徴とする、請求項10〜13の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項15】
請求項9〜14の何れか一項に記載の発光装置を光源として備える
ことを特徴とする、画像表示装置。
【請求項16】
請求項9〜14の何れか一項に記載の発光装置を光源として備える
ことを特徴とする、照明装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2009−108327(P2009−108327A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334914(P2008−334914)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【分割の表示】特願2007−30442(P2007−30442)の分割
【原出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】