説明

蛍光体

【課題】近紫外線〜青紫光、さらには近紫外線〜青色光により励起することができ、高い輝度を示す蛍光体を提供する。
【解決手段】式M1a2bc(ただし、M1は、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M2は、Al、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、c=(2a/3)+bであり、0<aかつ0<bである。)で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属、ZnおよびMnからなる群より選ばれる1種以上が含有されてなることを特徴とする蛍光体(ただし、M1がZnを含むときは、付活剤としてZnを含まない。)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蛍光体に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光体は、青色光を発するLEDと蛍光体とを組合せてなる白色LEDなどの可視光励起発光素子、近紫外線〜青紫色光を発するLEDと蛍光体とを組み合わせてなる近紫外線〜青紫色光励起発光素子、液晶用バックライトおよび蛍光灯などの紫外線励起発光素子、プラズマディスプレイパネルおよび希ガスランプなどの真空紫外線励起発光素子、ブラウン管やFED(Field Emission Display)などの電子線励起発光素子、X線撮像装置などのX線励起発光素子、無機ELディスプレイなどの電界励起発光素子等のさまざまな発光素子に用いられている。
【0003】
例えば、近紫外線〜青紫色光を発するLEDと蛍光体とを組み合わせてなる近紫外線〜青紫色光励起発光素子としては、近紫外線〜青紫色光を発する発光素子の発光面に、該発光素子の発する光により励起され波長変換を行える蛍光体を配置されてなり、各種の色の発光を示す発光素子(例えば、特許文献1参照。)、あるいは目視により白色である発光を示す発光素子(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
【0004】
この発光素子に用いられる蛍光体としては、赤色蛍光体としてY23:Euが、緑色蛍光体としてZn0.6Cd0.4S:Agが、青色蛍光体として(Sr、Ca)10(PO46Cl2:Euが、黄色蛍光体としてY3Al512:Ceが(例えば、特許文献1参照。)、黄色蛍光体としてEu付活αサイアロンであるEu0.5Si9.75Al2.2515.250.75が提案されているが、いずれも輝度は十分ではなく、近紫外線〜青紫光、さらには近紫外線〜青色光により励起することができ、高い輝度を示す蛍光体が求められていた。
【0005】
【特許文献1】特開平9−153645号公報
【特許文献2】特開2002−363554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、近紫外線〜青紫光、さらには近紫外線〜青色光により励起することができ、高い輝度を示す蛍光体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、2族元素と3族元素の窒化物からなる化合物、2族元素と4族元素の窒化物からなる化合物、または2族元素と3族元素と4族元素の窒化物からなる化合物を母結晶とし、それらに付活剤が含有されてなる蛍光体が、近紫外線〜青紫光、さらには近紫外線〜青色光により励起され高い輝度を示す蛍光体となることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
すなわち本発明は、式M1a2bc(ただし、M1は、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M2は、Al、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、c=(2a/3)+bであり、0<aかつ0<bである。)で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属、ZnおよびMnからなる群より選ばれる1種以上が含有されてなることを特徴とする蛍光体(ただし、M1がZnを含むときは、付活剤としてZnを含まない。)を提供する。
【0009】
また、本発明は、式M3d4ef(ただし、M3は、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M4は、Ge、SnおよびPbからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、f=(2d/3)+(4e/3)であり、0<dかつ0<eである。)で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属、ZnおよびMnからなる群より選ばれる1種以上が含有されてなることを特徴とする蛍光体(ただし、M1がZnを含むときは、付活剤としてZnを含まない。)を提供する。
【0010】
また、本発明は、式M5g6h7jk(ただし、M5は、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M6はAl、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M7は、Ge、SnおよびPbからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、k=(2g/3)+h+(4j/3)であり、0<gかつ0<hかつ0<jである。)で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属、ZnおよびMnからなる群より選ばれる1種以上が含有されてなることを特徴とする蛍光体(ただし、M1がZnを含むときは、付活剤としてZnを含まない。)を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の蛍光体は、3−5族化合物半導体発光素子が発する近紫外線〜青紫光、さらには近紫外線〜青色光の波長範囲の光により効率良く励起され、近紫外線〜青紫光、さらには近紫外線〜青色光の発光素子と組み合わせることにより、高い輝度を有する発光素子となり、また、従来より純粋な白色の光を発する白色LEDとなるので、本発明は工業的に極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第1の蛍光体は、式(1)
1a2bc (1)
で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属元素、ZnおよびMnからなる群から選ばれる1種以上が含有されてなることを特徴とし、この蛍光体が近紫外線〜青紫光、さらには近紫外線〜青色光の波長範囲の光により励起され、高い輝度を示す蛍光体となるのである。
【0013】
1は2族の金属元素であり、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる1種以上である。そして、M2は3族の金属元素であり、Al、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはGaおよびInからなる群より選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはGaである。
【0014】
前記式(1)のa、b、cには、c=(2a/3)+bの関係があり、0<aかつ0<bである。そして、M1とM2のモル比a/bは0.001以上20以下が好ましく、0.05以上20以下がより好ましく、0.2以上5以下が特に好ましく、1.5の場合が最も好ましい。
【0015】
また、本発明の第1の蛍光体の付括剤は、希土類金属元素、ZnおよびMnからなる群より選ばれる1種以上であり、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびMnからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、Ce、Sm、Eu、Tb、YbおよびMnからなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。なお、本発明において希土類金属元素にはScは含まれない。ただし、M1がZnを含むときは、付活剤としてZnを含まない。
【0016】
本発明の第1の蛍光体中の付活剤の含有量は、式(1)におけるM1とM2の合計のモル量a+bに対して0.00001以上0.3以下の範囲が好ましく、0.0001以上0.1以下の範囲がより好ましく、0.001以上0.1以下がさらに好ましく、0.01以上0.1以下の範囲が特に好ましい。
【0017】
前記好ましい態様のうち、M1がCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる1種以上であるM21であり、M2がGaおよびInからなる群より選ばれる1種以上のM22であり、付活剤L21が、Ce、Sm、Eu、Tb、YbおよびMnからなる群より選ばれる1種以上であり、0<aかつ0<bであり、a/bが0.2以上5以下の範囲であり、さらに付活剤の含有量xが0.0001×(a+b)以上0.1×(a+b)以下の範囲である場合に、下記(2)式により示される化合物からなる蛍光体が好ましい。ただし、pはL21のうち2価のもののモル数をuとすると、L21のうち3価のものは1−uモルなので、p=(2u/3)+(1−u)である。
21a22bc・xL21p (2)
【0018】
さらに、前記式(2)で示される化合物からなり、M21がCaおよびSrからなる群より選ばれる1種以上であり、M22がGaであり、付活剤Lが、Ce、Sm、Eu、YbおよびMnからなる群より選ばれる1種以上であり、0<aかつ0<bであり、a/bが0.2以上5以下の範囲であり、さらにxが0.0005×(a+b)以上0.01×(a+b)以下の範囲である場合(ただし、pはL21のうち2価のもののモル数をuとすると、L21のうち3価のものは1−uモルなので、p=(2u/3)+(1−u)である。)がさらに好ましい。
【0019】
本発明の第2の蛍光体は、式(3)
3d4ef (3)
で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属元素、ZnおよびMnからなる群から選ばれる1種以上が含有されてなることを特徴とし、この蛍光体が近紫外線〜青紫光、さらには近紫外線〜青色光の波長範囲の光により励起され、高い輝度を示す蛍光体となるのである。
【0020】
3は2族の金属元素であり、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはCa、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上である。そして、M4は4族の金属元素であり、Ge、SnおよびPbからなる群から選ばれる1種以上の元素が挙げられ、好ましくはGeおよびSnからなる群より選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはGeである。
【0021】
前記式(3)のd、e、fにはf=(2d/3)+(4e/3)の関係があり、0<dかつ0<eである。そして、M3とM4のモル比d/eは0.05以上20以下が好ましく、0.2以上5以下がより好ましく、1の場合が最も好ましい。
【0022】
この本発明の第2の蛍光体の付括剤は、前記第1の蛍光体と同様であり、本発明の第2の蛍光体中の付活剤の含有量は、式(3)におけるM3とM4の合計のモル量d+eに対して0.00001以上0.3以下の範囲が好ましく、0.0001以上0.1以下の範囲がより好ましく、0.0005以上0.01以下の範囲がさらに好ましい。ただし、M1がZnを含むときは、付活剤としてZnを含まない。
【0023】
前記の本発明の第2の蛍光体の好ましい態様のうち、M3がCa、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上であるM23であり、M4がGeおよびSnからなる群より選ばれる1種以上のM24であり、付活剤L22が、Ce、Sm、Eu、Tb、YbおよびMnからなる群より選ばれる1種以上であり、0<dかつ0<eであり、d/eが0.2以上5以下の範囲であり、さらに付活剤の含有量yが0.0001×(d+e)以上0.1×(d+e)以下の範囲である場合に、下記(4)式により示される化合物からなる蛍光体が好ましい。ただし、qはL22のうち2価のもののモル数をvとすると、L22のうち3価のものは1−vモルなので、q=(2v/3)+(1−v)である。
23d24ef・yL22q (4)
【0024】
さらに、前記式(4)で示される化合物からなり、M23がCa、SrおよびZnからなる群より選ばれる1種以上であり、M24がGeであり、付活剤L22が、Ce、Sm、Eu、YbおよびMnからなる群より選ばれる1種以上であり、0<dかつ0<eであり、d/eが0.2以上5以下の範囲であり、さらにyが0.0005×(d+e)以上0.01×(d+e)以下の範囲である場合(ただし、qはL22のうち2価のもののモル数をvとすると、L22のうち3価のものは1−vモルなので、q=(2v/3)+(1−v)である。)がさらに好ましい。
【0025】
本発明の第3の蛍光体は、式(5)
式M5g6h7jk (5)
で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属元素、ZnおよびMnからなる群から選ばれる1種以上が含有されてなることを特徴とし、この蛍光体が近紫外線〜青紫光、さらには近紫外線〜青色光の波長範囲の光により励起され、高い輝度を示す蛍光体となる。
【0026】
5は2族の金属元素であり、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはCa、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上である。M6は3族の金属元素であり、Al、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上があげられ、好ましくはGaおよびInからなる群より選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはGaである。そして、M7は4族の金属元素であり、Ge、SnおよびPbからなる群から選ばれる1種以上の元素が挙げられ、好ましくはGeおよびSnからなる群より選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはGeである。
【0027】
前記式(5)のg、h、j、kにはk=(2g/3)+h+(4j/3)の関係があり、0<gかつ0<hかつ0<jである。そして、M5とM7のモル比g/jは0.05以上20以下が好ましく、0.2以上5以下がより好ましく、M6とM7のモル比h/jは0.05以上20以下が好ましく、0.2以上5以下がより好ましい。
【0028】
この本発明の第3の蛍光体の付括剤は、前記第1の蛍光体と同様であり、本発明の第3の蛍光体中の付活剤の含有量は、式(5)におけるM5とM6とM7の合計のモル量g+h+jに対して0.00001以上0.3以下の範囲が好ましく、0.0001以上0.1以下の範囲がより好ましく、0.0005以上0.01以下の範囲がさらに好ましい。ただし、M1がZnを含むときは、付活剤としてZnを含まない。
【0029】
前記の本発明の第3の蛍光体の好ましい態様のうち、M5がCa、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上であるM25であり、M6がGaおよびInからなる群より選ばれる1種以上のM26であり、M7がGeおよびSnからなる群より選ばれる1種以上のM27であり、付活剤L23が、Ce、Sm、Eu、Tb、YbおよびMnからなる群より選ばれる1種以上であり、0<gかつ0<hかつ0<jであり、g/jが0.2以上5以下の範囲であり、h/jが0.2以上5以下の範囲であり、さらに付活剤の含有量zが0.0001×(g+h+j)以上0.1×(g+h+j)以下の範囲である場合に、下記(6)式により示される化合物からなる蛍光体が好ましい。ただし、rはL23のうち2価のもののモル数をwとすると、L23のうち3価のものは1−wモルなので、r=(2w/3)+(1−w)である。
25g26h27jk・zL23r (6)
【0030】
さらに、前記式(6)で示される化合物からなり、M25がCa、SrおよびZnからなる群より選ばれる1種以上であり、M26がGaであり、M27がGeであり、付活剤L23が、Ce、Sm、Eu、YbおよびMnからなる群より選ばれる1種以上であり、0<gかつ0<hかつ0<jであり、g/jが0.2以上5以下の範囲であり、h/jが0.2以上5以下の範囲であり、さらにzが0.0005×(g+h+j)以上0.01×(g+h+j)以下の範囲である場合(ただし、rはL23のうち2価のもののモル数をwとすると、L23のうち3価のものは1−wモルなので、r=(2w/3)+(1−w)である。)がさらに好ましい。
【0031】
なお、本発明の第1〜3の蛍光体は実質的に窒化物であれば、不純物程度である2重量%程度の酸素を含有していてもよい。
【0032】
このような本発明の第1〜3の蛍光体のうち、390nm〜420nmの間に、さらには390nm〜480nmの間に励起スペクトルのピークを持つ蛍光体は、近紫外〜青紫光、さらには近紫外〜青色光の波長範囲の光により効率よく励起され、高い輝度を示すので好ましく、特に近紫外〜青紫光、さらには近紫外〜青色光の波長範囲の光を発する窒化物半導体からなるLEDと組合せれば、高い輝度を示す発光装置となる。
【0033】
次に、本発明の蛍光体の製造方法について説明する。
本発明に係わる窒化物蛍光体の製造方法としては、2属と3属の金属、2属と4属の金属、あるいは2属と3属と4属の金属と、気体または液体であってアンモニアなどの窒素原子を含む化合物からなるものとの反応による方法、2属と3属の窒化物、2属と4属の窒化物、あるいは2属と3属と4属の窒化物を窒素雰囲気下、高圧高温で焼成する方法、有機金属気相成長(以下、「MOVPE」と記すことがある。)法、分子線エピタキシー(以下、「MBE」と記すことがある。)法、ハイドライド気相成長(以下、「HVPE」と記すことがある。)法などが挙げられる。これらの中では、MOVPE法とMBE法が好ましい。
【0034】
そのうち、本発明の蛍光体の好ましい製造方法の一つであるMOVPE法について具体例に説明する。
MOVPE法においては、LEDの製造方法と同様にして(例えば、特開平7−249795号公報、特開平9−116130号公報参照。)、有機金属のガスを反応させて成長基板の上に蛍光体の結晶を成長させる。
【0035】
成長基板としては、サファイア、SiC、Siなどからなる成長基板が挙げられる。前記成長基板を加熱し、窒素原料ガス、Ga、Al、In、Ge、Sn、Pb、Mg、Ca、Sr、Ba、Znおよび付活剤となる元素の各原料ガスを流して反応させ、蛍光体の結晶を成長させる。
【0036】
ガリウム原料ガス、アルミニウム原料ガス、インジウム原料ガスとしては、各金属原子に炭素数が1から3のアルキル基もしくは水素が結合した、トリアルキル化物もしくは三水素化物が、通常用いられる。例えばGaの原料としてはトリメチルガリウム((CH33Ga)、トリエチルガリウム((C253Ga)などを用いることができる。
【0037】
付活剤は、上記出発原料のガスに、希土類金属元素、ZnおよびMnからなる群より選ばれた1種以上の元素の化合物であって気体のものを混合して用いることにより、母結晶に添加する。付活剤としては、希土類金属元素、ZnおよびMnからなる群より選ばれる1種以上であり、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびMnからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、Ce、Sm、Eu、Tb、YbおよびMnからなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。有機金属気相成長法の場合の用いる原料は、希土類金属の有機金属化合物が用いられる。有機金属基としては、トリメチル基、トリエチル基、ビスシクロペンタジエニル基、ビスメチルシクロペンタジエニル基、ビスエチルシクロペンタジエニル基などが例示される。
【0038】
窒素原料としてはアンモニアを通常使用するが、ヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン、t−ブチルアミン、エチレンジアミンなどが挙げられる。これらは単独でまたは任意の組み合わせで混合して用いることができる。これらの原料のうち、アンモニアとヒドラジンは、分子中に炭素原子を含まないため、半導体中への炭素の汚染が少なく好適である。
【0039】
成長時雰囲気ガス及び有機金属原料のキャリアガスとしては、窒素、水素、アルゴン、ヘリウムなどの気体を単独あるいは混合して用いることができる。水素ガス、ヘリウムガス雰囲気中では、原料の前分解が抑制されるため、より好ましい。
【0040】
MOVPE法により製造するのに使用される気相成長半導体製造装置の一例の概略を図1に示す。気相成長半導体製造装置は、図示していない原料供給装置から原料ガスが原料供給ライン1を通じて供給される反応炉2を備えている。反応炉2内には基板3を加熱するためのサセプタ4が設けられている。サセプタ4は多角柱体であり、その表面には基板3が複数枚取り付けられている。サセプタ4は回転装置5によって回転できる構造となっている。サセプタ4の内部には、サセプタ4を加熱するための赤外線ランプ6が備えられている。赤外線ランプ6に加熱用電源7から加熱用の電流を流すことにより、基板3を所望の成長温度に加熱することができる。この加熱により、原料供給ライン1を通じて反応炉2に供給される原料ガスが基板2上で熱分解し、基板3上に所望の化合物を気相成長させることができるようになっている。反応炉2に供給された原料ガスのうち未反応の原料ガスは、排気ポート8より反応器の外部に排出され、排ガス処理装置へ送られる。
【0041】
こうして基板上に成長させた蛍光体結晶は、蛍光体結晶の膜を基板から削り取って粉末として使用することもできるが、窒化物半導体からなるLED(以下、単に「発光素子」ということがある。)の発光面に設置する場合には、基板から蛍光体の膜を剥がして、得られた平板状の膜を発光素子の発光面に貼り付けることも可能である。また、LEDをMOVPE法またはMBE法により製造するにあたり、必要な化合物半導体層を積層した後、続けて本発明の蛍光体の層を成長させることもできる。さらに、本発明の蛍光体の粉体を、レーザアブレーション、マグネトロンスパッタ、プラズマCVDなどの手法で発光素子上への積層してもよい。
【0042】
本発明の蛍光体は単独でも用いることができるが、本発明の蛍光体のうち、複数の発光色のものを組合せて用い、発光素子の発光面に設置して発光装置とすることができる。蛍光体の発光色を、例えば青色と黄色、赤色と緑色、赤色と緑色と青色を組合せて色を調整することができ、特に、混合した発光色の光が目視で白色となるように蛍光体の量を調整し、前記のようにして発光素子の発光面に設置することにより、窒化物半導体を用いてなる白色発光装置であって、近紫外線〜青紫光、さらには近紫外線〜青色光の波長の光を発し、窒化物半導体からなるLEDと、本発明の蛍光体とを用いて、白色発光装置とすることができ、本発明の蛍光体を用いてなる白色発光装置は、輝度の高い白色発光装置となる。
【0043】
本発明の白色発光装置は、本発明の蛍光体の粉末を用いて公知の方法(例えば、特開平5−152609号公報および特開平7−99345号公報参照。)によって製造することができる。すなわち、本発明の蛍光体をエポキシ樹脂、ポリカーボネート、シリコンゴムなどの透光性樹脂中に分散させ、蛍光体を分散させた樹脂を、ステム上の発光素子(窒化物半導体)を取り囲むように成形することにより、白色発光装置を製造することができる。
【0044】
次に、蛍光体を励起するための近紫外線〜青紫光、さらには近紫外線〜青色光を発光する発光素子の具体例について説明する。基本的には発光素子は、基板上にn型の該化合物半導体結晶層、該化合物半導体結晶からなる発光層、p型の該化合物半導体結晶層を積層した構造を有する。n型層とp型層の間に発光層を配置することで、駆動電圧の低い高効率の発光素子とすることができる。n型層と発光層の間、発光層とp型層の間には、必要に応じて組成、伝導性、ドーピング濃度の異なるいくつかの層を挿入してもよい。例えば、一般式InXGaYAlZN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=1)で表わされる互いに組成の異なる層を少なくとも2層積層した層を導入してもよい。該層にはn型及び/またはp型不純物をドーピングしてもよい。
【0045】
次に発光層について説明する。バンド端発光による発光素子を実現するためには、発光層に含まれる不純物の量を低く抑えなければならない。具体的には、Si、Geと2族元素の各元素について、いずれもその濃度が1017cm-3以下である場合が好ましく、1016cm-3以下である場合がさらに好ましい。バンド端発光の場合、発光色は発光層の3族元素の組成で決まる。発光層は単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造としてもよい。発光層の膜厚は5Å以上300Å以下が好ましい。さらに好ましくは、10Å以上90Å以下である。膜厚が5Åより小さいかまたは300Åより大きいと該化合物半導体を用いて発光素子とした場合、発光効率が充分でないので好ましくない。
【0046】
発光層に注入された電荷を効率的に再結合させるためには、発光層をこれよりバンドギャップの大きな層で挟んだいわゆるダブルヘテロ構造を好適に用いることができる。以下、発光層に接する発光層よりもバンドギャップの大きな層を電荷注入層と記すことがある。電荷注入層と発光層とのバンドギャップの差は0.1eV以上であることが好ましい。電荷注入層と発光層のバンドギャップの差が0.1eVより小さい場合、発光層へのキャリアの閉じ込めが充分でなく、発光効率が低下する。より好ましくは0.3eV以上である。ただし、電荷注入層のバンドギャップが5eVを越えると電荷注入に必要な電圧が高くなるため、電荷注入層のバンドギャップは5eV以下が好ましい。電荷注入層の厚さは、5Å以上、5000Å以下が好ましい。電荷注入層の厚さが5Åより小さくても、5000Åより大きくても、発光効率が低下するため好ましくない。更に好ましくは10Å以上2000Å以下である。
【実施例】
【0047】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0048】
実施例1
基板としてサファイアのC面を鏡面研磨したものを用いた。気相成長には常圧MOVPE法を用いる。成長方法については、低温成長バッファ層としてGaNを用いる2段階成長法を用いる。1気圧で、サセプタの温度を485℃、キャリアガスを水素とし、キャリアガス、窒素原料としてアンモニア、Ga原料としてトリメチルガリウム、(以下TMGと略記することがある)をそれぞれ60slm、40slm、9.6sccm供給して、成長時間5分で厚みが約500ÅのGaNバッファ層を成長する。次に、サセプタの温度を1040℃にしたのち、キャリアガス、アンモニア及びTMGをそれぞれ60slm、40slm、40sccm供給して、成長時間90分で厚さが約3μmのGaNを成長する。このようにして作製したGaN層上に以下のようにしてCaa1Gab1c1:Eu蛍光体薄膜を成長する。キャリアガスとして水素、窒素原料としてアンモニア、Ga原料としてTMG、Ca原料としてビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)カルシウム((CH3552Ca)、付活剤であるEuの原料としてトリス(ジピバロイルメタナート)ユーロピウム((C111923Eu)を供給して、成長時間30分で厚さが約1μmのEuを付活した、Ca3Ga24を形成する。その後キャリアガスを水素のままで反応炉温度を室温まで冷却して反応炉から取り出す。ただし、slm及びsccmとは気体の流量の単位で1slmは1分当たり、標準状態で1リットルの体積を占める重量の気体が流れていることを示し、1000sccmは1slmに相当する。
【0049】
取出した基板の評価は次のようにして行う。所望の発光ピーク波長の3−5族化合物半導体素子を用意し、この発光波長の光を基板上に形成した蛍光体に照射する。発光素子から発せられるピーク波長400nmの光を照射すると、得られた蛍光体は明瞭な赤色の発光を示す。
【0050】
実施例2
実施例1と同様にして、サファイア基板上に約3μmのGaNを成長する。この上にCaa2Gab2c2:Ce蛍光体薄膜を以下のようにして成長する。キャリアガス、アンモニア、TMG、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)カルシウム((CH3552Ca)、テトラキス(ジピバロイルメタナート)セリウム((C111924Ce)を供給して、成長時間30分で厚さが約1μmのCeを付活した、Ca3Ga24を形成する。その後キャリアガスを水素のままで反応炉温度を室温まで冷却して反応炉から取出す。
【0051】
取出した基板の評価を実施例1と同様にして行うと、得られた蛍光体は明瞭な緑色の発光を示す。
【0052】
実施例3
実施例1と同様にして、サファイア基板上に約3μmのGaNを成長する。この上にZnd3Gee3f3:Mn蛍光体薄膜を成長する。キャリアガス、アンモニア、ジエチル亜鉛((C252Zn)、テトラメチルゲルマニウム((CH34Ge)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)マンガン((C54252Mn)を供給して、成長時間30分で厚さが約1μmのMnを付活した、ZnGeN2を形成する。その後キャリアガスを水素のままで反応炉温度を室温まで冷却して反応炉から取り出す。
【0053】
取出した基板の評価を実施例1と同様にして行うと、得られた蛍光体は明瞭な黄色の発光を示す。
【0054】
実施例4
基板としてサファイアのC面を鏡面研磨したものを用いた。気相成長にはMOVPE法とMBE法を用いた。MBE法については、GaNなどの窒化物製造に用いられている公知の装置を用いた。はじめに、MOVPE法により、低温成長バッファ層としてGaNを用いる2段階成長法を用いてGaNテンプレートを作製した。1気圧で、サセプタの温度を1100℃まで上げ、水素気流中で基板表面のサーマルクリーニングを行った。続いて、サセプタの温度を485℃、キャリアガスを水素とし、窒素原料としてアンモニア、Ga原料としてトリメチルガリウム(以下TMGと略記することがある)をそれぞれ60slm、40slm、9.6sccm供給して、成長時間5分で厚みが約500ÅのGaNバッファ層を成長した。次に、サセプタの温度を1040℃にしたのち、キャリアガス、アンモニア及びTMGをそれぞれ60slm、40slm、40sccm供給して、成長時間90分で厚さが約3μmのGaNを成長した。ただし、slm及びsccmとは気体の流量の単位で1slmは1分当たり、標準状態で1リットルの体積を占める重量の気体が流れていることを示し、1000sccmは1slmに相当する。
次に、MBE法により蛍光体膜を成長した。MOVPE法により作製したGaNテンプレートをMBE装置に導入し、温度を700℃として、Ca、Ga、Euを供給してEuを含有するCaaGabc薄膜400nmを成膜した。なお原料セルの温度は、Caが400℃、Gaが950℃、Euが500℃で、アンモニア分圧は2.6×10-3Paとした。
【0055】
こうして得られた薄膜の発光特性を、蛍光分光光度計を用い400nmの光を励起源として測定したところ、図2に示されるようにEu3+に起因すると思われるf−f遷移の赤色発光が得られた。
【0056】
比較例1
実施例4と同様にしてMOVPE法で作製したGaNテンプレート上にCaを含有しない以外は同様な蛍光体膜を成長した。
【0057】
発光特性を同様にして測定したところ、図3に示されるようにCaを含有する実施例1の蛍光体膜と比較して、発光輝度が低かった。
【0058】
実施例5
基板としてサファイアのC面を鏡面研磨したものを用いた。気相成長にはMBE法を用いた。成長方法については、低温成長バッファ層としてGaNを用いる2段階成長法を用いた。まず、サファイア基板の温度を約900℃として基板のサーマルクリーニングを行った。次に基板温度を約500℃に下げ、アンモニアを照射してサファイア基板表面を窒化した後、同温度で低温GaNバッファ層を約20nm積層した。その後、基板温度を700℃に上げ、GaとEuを供給してEuを含有するGaN薄膜800nmを成膜した。なお原料セルの温度は、Gaが950℃、Euが500℃で、アンモニア分圧は2.6×10-3Paとした。こうして得られた薄膜の発光特性を400nmのInGaNレーザーを励起源として測定したところ、図4に示されるようにEu3+に起因すると思われるf−f遷移の赤色発光が得られた。この薄膜にイオン注入法によりCaを注入した。加速エネルギー200keVで、ドーズ量約2×1015Ca/cm2で、体積換算すると約1.2×1020cm-3となった。イオン注入後、アンモニアガスを流しながら、1200℃で1時間活性化アニールを行った。
【0059】
得られた薄膜の発光特性を同様に測定したところ、図5に示すように、CaのサイトをEu2+が置換したことが示唆されるような、ピーク波長530nmの緑色のブロードなd−f遷移発光が見られた。
【0060】
実施例6
基板としてサファイアのC面を鏡面研磨したものを用いた。気相成長には常圧MOVPE法を用いた。まず、1気圧で、サセプタの温度を1100℃まで上げ、水素気流中で基板表面のサーマルクリーニングを行った。次に温度を650℃まで下げ、キャリアガスとして窒素、窒素原料としてアンモニア、Zn原料としてジエチル亜鉛((C252Zn)、Ge原料としてテトラメチルゲルマニウム((CH34Ge)、Mn原料としてビス(エチルシクロペンタジエニル)マンガン((C54252Mn)をそれぞれ40slm、7.5slm、10sccm、714sccm、1000sccm供給して、成長時間30分で厚みが約3000ÅのMnを付活したZnGeN2を形成した。その後キャリアガスを窒素のままで反応炉温度を室温まで冷却して反応炉から取り出した。
【0061】
取り出した基板の評価を、電子励起のカソードルミネセンスで行った。カーボンコートしたサンプルに加速電圧15keVの電子線を照射して得たスペクトルを図6に示す。450nmの青色発光と、690nmの赤色発光が確認できた。
【0062】
実施例7
アルゴンガスを満たしたグローブボックス内で窒化硼素(BN)製ルツボに、Caを0.22g、Gaを0.38g、Geを0.40g、Euを0.008g、さらにBi粉末を0.07g加えた。このルツボを石英製の反応器に入れ、アンモニアガスを流しながら約925℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、グローボックス内でメノウ乳鉢により得られた塊を粉砕し、プレス成型機をもちいて円筒状のペレットにした。このペレットを同様にアンモニア気流中925℃で3時間加熱した。
【0063】
このようにして得られたペレットに発光特性を400nmのInGaNレーザーを励起源として測定したところ図7に示すような赤色の発光が見られた。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】有機金属気相成長半導体製造装置
【図2】分子線エピタキシー法により製造したCaaGabc系蛍光体膜の発光特性
【図3】分子線エピタキシー法により製造したGaN系蛍光体膜とCaaGabc系蛍光体膜の発光特性の比較
【図4】分子線エピタキシー法により製造したGaN系蛍光体膜の発光特性
【図5】分子線エピタキシー法により製造したGaN系蛍光体膜にイオン注入法によりCaを注入しアンモニア中でアニールして製造した蛍光体膜の発光特性
【図6】有機金属気相成長法により製造したZnGeN2系蛍光体膜の発光特性
【図7】アンモニア雰囲気で高温焼成法により製造したCaaGabc系蛍光体粉末の発光特性
【符号の説明】
【0065】
1 原料供給ライン
2 反応炉
3 成長基板
4 サセプタ
5 回転装置
6 赤外線ランプ
7 加熱用電源
8 排気ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式M1a2bc(ただし、M1は、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M2は、Al、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、c=(2a/3)+bであり、0<aかつ0<bである。)で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属、ZnおよびMnからなる群より選ばれる1種以上が含有されてなることを特徴とする蛍光体(ただし、M1がZnを含むときは、付活剤としてZnを含まない。)。
【請求項2】
式M3d4ef(ただし、M3は、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M4は、Ge、SnおよびPbからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、f=(2d/3)+(4e/3)であり、0<dかつ0<eである。)で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属、ZnおよびMnからなる群より選ばれる1種以上が含有されてなることを特徴とする蛍光体(ただし、M1がZnを含むときは、付活剤としてZnを含まない。)。
【請求項3】
式M5g6h7jk(ただし、M5は、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M6はAl、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M7は、Ge、SnおよびPbからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、k=(2g/3)+h+(4j/3)であり、0<gかつ0<hかつ0<jである。)で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属、ZnおよびMnからなる群より選ばれる1種以上が含有されてなることを特徴とする蛍光体(ただし、M1がZnを含むときは、付活剤としてZnを含まない。)。
【請求項4】
390nm〜420nmの間に励起スペクトルのピークを持つ蛍光体である請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光体。
【請求項5】
390nm〜480nmの間に励起スペクトルのピークを持つ蛍光体である請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光体。
【請求項6】
有機金属気相成長法により製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蛍光体の製造方法。
【請求項7】
窒化物半導体を用いてなる白色発光装置であって、近紫外線〜青紫光の波長の光を発し、窒化物半導体からなるLEDと、請求項4に記載の蛍光体とを用いてなることを特徴とする白色発光装置。
【請求項8】
窒化物半導体を用いてなる白色発光装置であって、近紫外線〜青色光の波長の光を発し、窒化物半導体からなるLEDと、請求項5に記載の蛍光体とを用いてなることを特徴とする白色発光装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−206871(P2006−206871A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−247170(P2005−247170)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】