説明

蛍光放電管装置

【課題】蛍光放電管装置を構成するガラス管の管壁温度の上昇を抑制して、高輝度化と長寿命化とを達成する。
【解決手段】
蛍光放電管(1)と、蛍光放電管(1)を保持するブラケット(15)と、蛍光放電管(1)及びブラケット(15)を収容するホルダ(21)とを蛍光放電管装置に設ける。ブラケット(15)は、熱伝導性材料により形成され且つバルブ(2)の中間部(2b)を支持する切欠部(16)を有し、バルブ(2)の中間部(2b)は、ブラケット(15)の切欠部(16)の内壁(16a)に熱伝達可能に接触し、ブラケット(15)は、熱伝導性材料により形成されたホルダ(21)に熱伝達可能に接触するので、蛍光放電管(1)は、ブラケット(15)を介してホルダ(21)に熱的に結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光放電管が発生する熱を良好に放出させて、管電流の高密度化により発光輝度を向上し且つ高寿命化を達成する冷陰極蛍光放電管装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、平板状の導光体の側端部に配置した冷陰極蛍光放電管から放出される光を導光体の下面に形成した反射シートによって反射させて導光体の上面から放出させるバックライトは、下記特許文献1に開示されるように、公知である。このバックライトは、放電管を包囲する反射カバーを備え、放電管から放出される光を反射カバーによって良好に反射させて、放電管から放出される光を効率よく導光体内に透過させる。
【0003】
また、ガラス管(バルブ)の断面形状を楕円等の非円形環状とする蛍光放電灯は公知である。例えば、下記の特許文献2に開示される蛍光放電灯は、水銀を含む放電用ガスが封入され且つ楕円、長円及び半円等の略扁平形状の断面を有するガラス管と、ガラス管の内壁に塗布された蛍光体と、ガラス管の両端に導入された電極とを備えている。この蛍光放電灯では、ガラス管の管断面積を減少させて、電極から放出された熱電子の密度を増加し、蛍光ランプの発光輝度を向上できる。
【0004】
【特許文献1】特開平6−67025号公報
【特許文献2】実開昭58−134856号公報(第1頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示される放電管は、熱電子密度が増加するため、比較的良好に高輝度化を達成できると考えられた。例えば、テレビモニター用等に使用される冷陰極蛍光放電管では、高輝度化の要求が高く、放電管を高輝度化するには、管電流、即ちランプ電流を増加させることが考えられる。しかしながら、ガラス管の管壁温度がある温度を超えると、輝度が低下する特性が冷陰極蛍光放電管に生ずるため、管電流を増加させても、ガラス管の管壁温度が増加するため、期待されるほどの高輝度が得られない。従って、ガラス管の管壁温度の上昇を抑制して、冷陰極蛍光放電管の輝度を向上する必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、ガラス管の管壁温度の上昇を抑制して、高輝度化と長寿命化とを達成できる冷陰極蛍光放電管装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による蛍光放電管装置は、蛍光放電管(1)と、蛍光放電管(1)を保持するブラケット(15)と、蛍光放電管(1)及びブラケット(15)を収容するホルダ(21)とを有する。蛍光放電管(1)は、放電性ガスを封入した閉鎖空間(3)を形成し且つ少なくとも一部に非円形環状断面の中間部(2b)を有するバルブ(2)と、閉鎖空間(3)内に突出してバルブ(2)の両端に固定された一対の電極(4)とを有し、一対の電極(4)間に電圧を印加して発光させる。ブラケット(15)は、熱伝導性材料により形成され且つバルブ(2)の中間部(2b)を支持する切欠部(16)を有し、バルブ(2)の中間部(2b)は、ブラケット(15)の切欠部(16)の内壁(16a)に熱伝達可能に接触し、ブラケット(15)は、熱伝導性材料により形成されたホルダ(21)に熱伝達可能に接触するので、蛍光放電管(1)は、ブラケット(15)を介してホルダ(21)に熱的に結合される。
【0008】
従って、バルブ(2)から発生する熱は、バルブ(2)の中間部(2b)及びブラケット(15)を通じてホルダ(21)に伝達されて、外部に放出される。このため、バルブ(2)の管壁温度の上昇を防止し且つ放電管(1)を最適な温度に保持することができる。また、バルブ(2)の中間部(2b)が円形断面より断面積が小さい非円形断面を有するので、バルブ(2)内の電流密度を増加することができ、蛍光放電管(1)の管電流を増大しても、蛍光放電管(1)を効率よく発光させて、高輝度化を達成できる。
【発明の効果】
【0009】
バルブを最適温度に保持して、蛍光放電管装置の長寿命化と高輝度化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、バックライトシステムに適用した本発明による冷陰極蛍光放電管装置の実施の形態を図1〜図9について説明する。
【0011】
図1に示すように、本発明による冷陰極蛍光放電管装置は、ホルダ(21)と、ホルダ(21)の両端に設けられたコネクタケース(27)と、ガラス管、即ちバルブ(2)を有する蛍光放電管(1)と、バルブ(2)に装着され且つホルダ(21)に熱伝導可能に接触したブラケット(15)を備えている。蛍光放電管(1)の両端部は、コネクタケース(27)に支持され、中央側が複数のブラケット(15)により支持される。
【0012】
本実施の形態の放電管(1)は、図4〜図8に示すように、放電用ガスを収容する閉鎖空間(3)を形成するガラス製のバルブ(2)と、バルブ(2)の両端に気密に融着され且つ閉鎖空間内に配置された一対の電極(4)と、バルブ(2)の内壁面に被着された蛍光膜(5)とを備える。バルブ(2)は、電極(4)が取り付けられ且つ円形環状断面を有する両端部(2a)と、楕円形環状断面で両端部(2a)間に形成され且つ径方向の断面積が両端部(2a)より小さい中間部(2b)と、両端部(2a)と中間部(2b)とを接続する接続部(2c)とを備える。バルブ(2)の中間部(2b)の周の長さは実質的に両端部(2a)の周の長さに等しい。接続部(2c)は、両端部(2a)から中間部(2b)に向けて徐々に縮径する縮径部(2d)と、縮径部(2d)から周方向に離間し且つ縮径部(2d)に接続されて両端部(2a)から中間部(2b)に向けて徐々に拡径する拡径部(2e)とを有する。また、バルブ(2)の中間部(2b)の長さ(LB)は両端部(2a)の長さの総和(LA1+LA2)よりも長い。
【0013】
バルブ(2)の閉鎖空間内には、放電用ガスとして例えば従来のアルゴンガス等の希ガスと水銀蒸気等のガスが充填される。電極(4)は、例えばニッケルにより形成される導出部(6)と、例えばタングステンにより形成される埋設部(7)と、円筒の一端を閉塞したカップ形状に形成されるカップ部(11)とを備えている。別法として、カップ部(11)の代わりに円筒状(スリーブ形状)の電極(4)を設けても良い。図8に示すように、カップ部の内径(W1)はバルブ(2)の中間部(2b)の最短径(W2)よりも大きい。導出部(6)は、抵抗溶接等によって埋設部(7)の一端に融着され、その融着部分には膨出部(8)が形成される。導出部(6)及び埋設部(7)は端子部材を構成する。図6〜図8に示すように、導出部(6)は、バルブ(2)の両端部(2a)から外部に導出され、コネクタケース(27)内で導線(22)に半田付けされて、導線(22)を介して放電管点灯用インバータ回路(図示せず)に接続される。従って、導出部(6)は、ニッケル等の半田付け性の良好な金属によって形成することが望ましい。埋設部(7)には、バルブ(2)の両端部(2a)が融着され、埋設部(7)の一方の端部側がバルブ(2)の内部に導入される。従って、埋設部(7)は、バルブ(2)を構成する材料と良好に密着する金属によって形成することが望ましい。例えば、紫外線遮断効果を有するガラス材と良好に密着するタングステンは、埋設部(7)を形成する材料として望ましい。カップ部(11)は、打抜加工又は絞り加工等によりカップ形状に形成され、抵抗溶接等によって埋設部(7)の他端に融着される。蛍光膜(5)は、一対の電極(4)間の放電により発生する紫外線の照射を受けて可視光線を放出する。
【0014】
上壁(21a)、側壁(21b)及び底壁(21c)からなるホルダ(21)の内壁面は、冷陰極放電管(1)から放出された光の一部を反射する光反射面を構成する。ホルダ(21)は、高熱伝導性で良好な放熱性を有する金属材料、例えば、332kcal/m・h・℃の熱伝導率を有する銅(Cu)、196kcal/m・h・℃の熱伝導率を有するアルミニウム(Al)、147kcal/m・h・℃の熱伝導率を有するマグネシウム(Mg)、96kcal/m・h・℃の熱伝導率を有する亜鉛(Zn)又はこれらの金属材料の合金によって形成される。
図1に示すように、冷陰極蛍光放電管(1)はホルダ(21)内に配置された6個のブラケット(15)により保持される。熱伝導性に優れ且つ良好な光透過性を有することが望ましいブラケット(15)は、例えば厚さ約5mmのシリコン樹脂、アクリル樹脂、フェニル型又はビフェニル型等のエポキシ樹脂製の矩形板材により形成される。熱伝導性を向上するため、樹脂内にシリコン粉末等の無機フィラを配合してもよい。
各ブラケット(15)は、図2に示すように、一対の放電管(1)を装着する貫通孔(17)と、貫通孔(17)を外部に連絡するスリット(18)とを含む切欠部(16)が設けられる。貫通孔(17)は、冷陰極放電管(1)を構成するバルブ(2)の中間部(2b)の外形にほぼ等しい楕円形状の断面を有する。冷陰極放電管(1)を構成するバルブ(2)の中間部(2b)は、中間部(2b)より僅かに小さい幅を有するスリット(18)を強制的に拡張して、スリット(18)を通じて貫通孔(17)内に嵌合される。スリット(18)の拡張は、弾力性を有する材料により形成されたブラケット(15)に外力を加えて変形し、スリット(18)を通じて貫通孔(17)内にバルブ(2)を装着した後に、外力を除去すると、スリット(18)は、ブラケット(15)の弾力によって自動的に初期の形状に復帰する。貫通孔(17)内に装着されたバルブ(2)は、ブラケット(15)により保持される。また、このとき、発光領域であるバルブ(2)の中間部(2b)は、貫通孔(17)の内壁(16a)に熱伝達可能に接触し、ホルダ(21)に装着したブラケット(15)は、ホルダ(21)に熱伝達可能に密着する。これにより、楕円断面のバルブ(2)をホルダ(21)内で確実に保持すると共に、バルブ(2)からの発熱をブラケット(15)及びホルダ(21)に伝達することができる。貫通孔(17)に所望の楕円形状を付与すれば、バルブ(2)の楕円断面の長軸又は短軸の角度をホルダ(21)に対して所望の角度でバルブ(2)をブラケット(15)に装着すると共に、バルブ(2)の所望の位置をブラケット(15)により支持することができる。本実施の形態では、図1に示すようにホルダ(21)内にその一端と他端の間にほぼ等間隔に6個のブラケット(15)を装着し、冷陰極蛍光放電管(1)の中間部(2b)をほぼ全長にわたり支持することができる。ブラケット(15)の頂面、内側側面及び底面は、それぞれホルダ(21)の上壁(21a)、側壁(21b)及び底壁(21c)に接触して、ブラケット(15)はホルダ(21)に密着する。このため、バルブ(2)の発熱をブラケット(15)を通じてホルダ(21)に伝達することができる。ブラケット(15)の外側面は、ホルダ(21)の開口面に露出する。
【0015】
液晶ディスプレイ等の光源として使用されるバックライトは、図3に示すように、光透過性の樹脂材等から構成される板状の導光体(30)と、導光体(30)の両端に配置された前記蛍光放電管装置とを備えている。一対の蛍光放電管装置は、導光体(30)の一方の端部(30a)と他方の端部(30b)にそれぞれ配置され、各蛍光放電管装置のホルダ(21)は、導光体(30)の一方の端面(30c)と他方の端面(30d)に沿って延伸し、コネクタケース(27)及び6つのブラケット(15)の外側面は、導光体(30)の一方の端面(30c)と他方の端面(30d)にそれぞれ当接する。従って、蛍光放電管装置は、導光体(30)の端面とホルダ(21)とにより包囲される。導光体(30)は、光透過性及び耐熱性に優れる種々の樹脂材料、例えばアクリル樹脂で形成することが好ましい。
【0016】
導光体(30)の他方の主面には、反射シート(30e)が貼着される。また、図3に示すように、導光体(30)の他方の主面側に配置される外部放熱板(12)の両端は、ホルダ(21)の底面(21c)に接続されるので、蛍光放電管(1)は、複数のブラケット(15)を介してホルダ(21)、外部放熱板(30)に熱伝達可能に接触する。外部放熱板(30)は、例えば、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の熱伝導性の良好な金属材料によって形成され、ブラケット(15)及びホルダ(21)から伝達された蛍光放電管(1)の熱を外部に放熱する機能を有する。
【0017】
白色塗料を塗布するか又はクロムメッキを施したホルダ(21)の内壁は、冷陰極蛍光放電管(1)から放射される光を反射する。しかし、ホルダ(21)自体を光反射率の高い材料から形成すれば、内壁に反射性塗膜、クロムメッキ等の反射性金属めっき処理を必ずしも施す必要はない。内壁に光反射面を形成したホルダ(21)は、導光体(30)内に光を導くリフレクタとなる。このため、冷陰極放電管(1)から放射状に放出された光のうち導光体(30)内に放出された光は、導光体(30)内に端面から直接入射し、冷陰極放電管(1)から放射状に放出された光のうちホルダ(21)側に放出された光は、ホルダ(21)の内壁で反射した後に、端面から導光板(20)に入射する。導光板(20)に入射した光は、導光板(20)の内部で反射を繰り返しながら伝送され、導光体(30)の一方の主面(30f)から面状に発光する。
【0018】
本実施の形態による冷陰極蛍光放電管装置では、下記の作用効果が得られる。
[1] バルブ(2)から発生する熱が熱伝導性を有するブラケット(15)及びブラケット(15)に熱的に接続されたホルダ(21)を通じて外部に放出されるため、蛍光放電管(1)の管壁温度の上昇が抑制され、放電管(1)の管壁温度を最適な温度に保持することができる。従って、蛍光放電管(1)の管電流を増大しても、蛍光放電管(1)を効率よく発光させて、高輝度化を達成できると共に、蛍光放電管装置の長寿命化が図られる。
[2] 非円形環状断面を有するバルブ(2)の断面積は、円形断面を有する従来の放電管(1)の断面積又は両端部(2a)の断面積よりも小さいため、一対の電極(4)間でバルブ(2)に流れる管電流の電流密度を従来の放電管よりも増加させて、放電管(1)の発光輝度を向上することができる。
[3] ブラケット(15)がバルブ(2)の外周形状に合致する切欠部(16)を有し、ブラケット(15)の切欠部(16)に蛍光放電管(1)のバルブ(2)を保持しホルダ(21)に位置決めするため、楕円断面のバルブ(2)の長軸又は短軸に対して蛍光放電管(1)をホルダ(21)内に所望の角度で傾斜させて固定することができる。
[4] 冷陰極蛍光放電管(1)の複数箇所に等間隔で接触するブラケット(15)を通じて、冷陰極放電管(1)を長さ方向の全体にわたりほぼ均一に放熱できる。バルブ(2)が放熱により冷却部分が局部的に発生する状態でランプを長時間通電すると、水銀が冷却部分に集中し、他の部分では水銀が枯渇して輝度が低下しやすいが、本実施の形態のように冷陰極蛍光放電管(1)を構成するバルブ(2)の複数箇所にブラケット(15)を接触させると、バルブ(2)の少なくとも発光領域の長さ方向全体が均一に放熱されて、部分的に輝度が低下しない。
[5] 冷陰極蛍光放電管(1)を構成するバルブ(2)の複数箇所を等間隔にブラケット(15)で保持するので、冷陰極蛍光放電管(1)をホルダ(21)内に確実に保持できる。
[6] 光透過性を有するブラケット(15)を設けるので、影等の暗部がブラケット(15)の周辺部に形成されない。
[7] バルブ(2)の複数箇所に接触するブラケット(15)の数を増減させて、管電流等に応じてバルブ(2)の放熱量を容易に調整することができる。
[8] ホルダ(21)に外力又は熱が加わったときに、ホルダ(21)内に配置した複数のブラケット(15)によりバルブ(2)及びホルダ(21)の変形を良好に防止することができる。
[9] 円形環状断面に形成されるバルブの両端部(2a)内に従来の一般的な円形断面の電極(4)を配置できる。また、バルブの中間部(2b)の周の長さが実質的に両端部(2a)の周の長さに等しいので、例えば円形環状断面のバルブの中間部(2b)を加熱して加圧変形させる程度の簡単な加工で図4に示す形状のバルブを容易に形成でき、高輝度の放電管(1)を安価に提供できる。
[10] 円形環状断面の両端部(2a)に円形断面の電極(4)を設けるため、電極(4)を大型化しても電極(4)の全周にわたってカップ部とバルブの内壁面との距離が十分に確保でき、電極(4)のスパッタリングにより生成される水銀アマルガムの沈着による放電管(1)の黒化現象が抑制される。このため、放電管(1)の高輝度化と長寿命化を図ることができる。特に、接続部(2c)がテーパ形状に形成されるため、電極(4)のカップ部とバルブの中間部(2b)との距離を十分に確保でき、黒化現象抑制効果をより良好に達成できる。
[11] 電極(4)のカップ部の径(W1)がバルブの中間部(2b)の最短径(W2)よりも大きいため、電子がバルブ及びカップ部の中央付近を流れる。このため、カップ部の側面からの電子の放出を抑制することができ、黒化現象抑制効果がより高水準に得られると共に、高輝度化が良好に達成される。
【0019】
本発明の実施の形態は種々の変更が可能である。例えば、図9に示すように、ブラケット(15)の頂面と底面に連結部(19)をブラケット(15)と一体に形成し、ホルダ(21)の内側上面及び内側底面に形成した凹部に連結部(19)を嵌合して、ブラケット(15)をホルダ(21)に着脱自在に取り付けても良い。連結部(19)をホルダ(21)の凹部に着脱するとき、ホルダ(21)の上壁(21a)、側壁(21b)及び底壁(21c)自身の弾性変形を利用することができる。逆に、ホルダ(21)の上壁(21a)、側壁(21b)及び底壁(21c)に形成した突起部をブラケット(15)に形成した凹部に着脱自在に嵌合してもよい。
【0020】
図9に示すように、各ブラケット(15)の間に配置される連結部(19)をブラケット(15)と一体に形成して、複数のブラケット(15)を一体に取り扱うことができ、連結部(19)により各ブラケット(15)をホルダ(21)内で所定の位置に保持することができる。
【0021】
別法として、導光板(30)を有しない直下型のバックライトシステムにも本発明による放電管装置を適用することができる。また、蛍光放電管装置を構成するバルブ(2)の両端部(2a)の断面形状も中央部と同様に楕円形状等の非円形断面形状にすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、例えば、液晶ディスプレイに使用されるバックライト等の光源に良好に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による蛍光放電管装置の斜視図
【図2】本発明の蛍光放電管装置に使用するブラケットの斜視図
【図3】本発明による蛍光放電管装置を装着したバックライトの斜視図
【図4】本発明の蛍光放電管装置に使用する放電管の斜視図
【図5】図4に示す放電管の短軸に沿う断面図
【図6】図4に示す放電管の長軸に沿う断面図
【図7】図4に示す放電管の側面図
【図8】放電管の端部を示す部分拡大図
【図9】ブラケットの他の実施の形態を示す斜視図
【符号の説明】
【0024】
(1)・・蛍光放電管、 (2)・・バルブ、 (2a)・・両端部、 (2b)・・中間部、 (2c)・・接続部、 (2d)・・縮径部、 (2e)・・拡径部、 (3)・・閉鎖空間、 (4)・・電極、 (15)・・ブラケット、 (16)・・切欠部、 (16a)・・内壁、 (21)・・ホルダ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光放電管と、該蛍光放電管を保持するブラケットと、前記蛍光放電管及びブラケットを収容するホルダとを有し、
前記蛍光放電管は、放電性ガスを封入した閉鎖空間を形成し且つ少なくとも一部に非円形環状断面の中間部を有するバルブと、前記閉鎖空間内に突出して前記バルブの両端に固定された一対の電極とを有し、一対の前記電極間に電圧を印加して発光させる蛍光放電管装置において、
前記ブラケットは、熱伝導性材料により形成され且つ前記バルブの中間部を支持する切欠部を有し、
前記バルブの中間部は、前記ブラケットの切欠部の内壁に熱伝達可能に接触し、
前記ブラケットは、熱伝導性材料により形成された前記ホルダに熱伝達可能に接触することを特徴とする蛍光放電管装置。
【請求項2】
前記バルブは、前記電極が配置され且つ円形環状断面を有する両端部と、前記両端部と中間部とを接続する接続部とを備え、
前記中間部は、前記両端部間に形成され且つ径方向の断面積が前記両端部よりも小さく、
前記中間部の周の長さは前記両端部の周の長さに等しい請求項1に記載の蛍光放電管装置。
【請求項3】
前記接続部は、前記両端部から前記中間部に向けて徐々に縮径する縮径部と、該縮径部から周方向に離間し且つ前記縮径部に接続されて前記両端部から前記中間部に向けて徐々に拡径する拡径部とを有する請求項2に記載の蛍光放電管装置。
【請求項4】
前記バルブの前記中間部の長さは、前記両端部の長さの総和よりも長い請求項1〜3の何れか1項に記載の蛍光放電管装置。
【請求項5】
前記バルブの中間部の断面形状を楕円形とし、前記バルブの中間部と相補的形状を有する楕円形に前記ブラケットの切欠部を形成し、前記ホルダの内面は、バルブから放出された光を反射するリフレクタを構成する請求項1〜4の何れか1項に記載の蛍光放電管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−100065(P2006−100065A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−283443(P2004−283443)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】