説明

蛍光放電管

【課題】気密容器の表面に配置する蛍光物質の量を増大させることができる蛍光放電管の実現。
【解決手段】蛍光体30を励起させる紫外線や可視光等の光を透過させる透光性材料より成る気密容器18の内部に、一対の放電電極20,20及び放電ガスを封入すると共に、上記気密容器18の直管部12,12の外表面に、単位体積当たりの繊維28の表面積が極めて大きい不織布26を構成する繊維28の表面に蛍光体30を被着・担持させて成る蛍光シート32を被覆して構成した蛍光放電管10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放電管を構成する気密容器の表面に、蛍光体、蛍光ガラス等の蛍光物質を配置して成る蛍光放電管に係り、特に、気密容器表面に配置する蛍光物質の量を増大させることができる蛍光放電管に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光体や蛍光ガラス等の蛍光物質は、紫外線等の光の照射を受けると、この光を所定波長の可視光等の光に波長変換して放射する性質を備えていることから、この蛍光物質を放電管の気密容器の表面に配置し、光源等の用途に使用することが行われている。
図11は、斯かる従来の蛍光放電管の一例を示すものであり、該蛍光放電管70は、紫外線透過ガラス管の両端を封止して形成した気密容器72内に、一対の放電電極74を対向配置すると共に紫外線放射ガスを封入し、さらに、気密容器72の外表面に蛍光体76を層状に被覆して構成されている。
この蛍光放電管70にあっては、一対の放電電極74,74間で放電が生成されると、電子が紫外線放射ガスに衝突して様々な波長の紫外線が生成され、この紫外線が気密容器72を透過して蛍光体76に照射されることにより、所定波長の可視光等の光に波長変換されて放射される仕組みとなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記蛍光体76から放射される光の輝度は、蛍光体76の量に略比例することから、蛍光放電管70の輝度を向上させるためには、気密容器72の表面に配置させる蛍光体76の量をできるだけ多くするのが望ましい。
しかしながら、上記従来の蛍光放電管70にあっては、蛍光体76が気密容器72の表面に層状に配置されていることから、気密容器72の表面に配置できる蛍光体76の量には限界があった。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、気密容器の表面に配置する蛍光物質の量を増大させることができる蛍光放電管の実現にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明に係る蛍光放電管にあっては、透光性材料より成る気密容器の内部に、複数の放電電極及び放電ガスを封入すると共に、上記気密容器の表面に、不織布を構成する繊維に蛍光体、蛍光ガラス等の蛍光物質を担持させた蛍光シートを被覆したことを特徴とする。
【0006】
多数の繊維の集合体より成る紐を略格子状に織り込むと共に、上記紐に蛍光物質を担持させて形成した織布を、上記蛍光シートの外面に接合しても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明の蛍光放電管にあっては、気密容器の表面に、単位体積当たりの繊維の表面積が極めて大きい不織布を構成する繊維に蛍光物質を担持せしめて成る蛍光シートを被覆したことから、気密容器の表面に配置する蛍光物質の量を飛躍的に増大させることができる。
【0008】
多数の繊維の集合体より成る紐を略格子状に織り込むと共に、上記紐に蛍光物質を担持させて形成した織布を、上記蛍光シートの外面に接合した場合には、不織布を構成する繊維に蛍光物質を担持せしめて成る上記蛍光シートの強度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に基づき、本発明に係る蛍光放電管の実施形態を説明する。
図1及び図2は、本発明に係る第1の蛍光放電管10を示すものであり、該第1の蛍光放電管10は、後述する蛍光体を励起させる紫外線や可視光等の光を透過させる透光性材料より成る略円筒状の一対の直管部12,12と、両直管部12,12を連通接続する曲管部14と、上記直管部12,12の開口を溶融封止して成る封止部16とから構成される気密容器18と、該気密容器18内の両端封止部16近傍にそれぞれ配置された一対の放電電極20,20と、各放電電極20に接続されたリード線22とを備えて成る。
上記気密容器18内には、蛍光体を励起させる紫外線や可視光等の光を放射する所定の放電ガスが充填されている。尚、紫外線を放射する放電ガスとしては、アルゴンと水銀とを混合してなる紫外線放射ガス、或いは、キセノンを主体とした紫外線放射ガス等が該当する。
上記放電電極20は、モリブデン、タングステン等より成り、先端部は直管部12内に露出すると共に、基端部は気密容器18の封止部16内に埋設されている。封止部16内に埋設された放電電極20の基端部には、リード線22の一端が接続され、該リード線22の他端は、気密容器18の外部に導出されている。
【0010】
上記気密容器18を構成する直管部12,12の外表面には、図3乃至図6に示すように、不織布26を構成する繊維28の表面に、蛍光物質としての蛍光体30を被着・担持させた蛍光シート32が被覆されている。
尚、蛍光体30は、図6に示したように、繊維28の表面に緻密な層状態で被着・担持される場合の他、繊維28表面の蛍光体30の粒子間に微小な隙間が存在する状態で粗く被着・担持される場合もある(図示省略)。
【0011】
不織布26は、多数の繊維28が立体的に絡み合って形成されるものであり、繊維28間に多数の空隙34(図5参照)が形成されており、また、多数の繊維28が立体的に絡み合っているため、単位体積当たりの繊維28の表面積が極めて大きいものである。
尚、不織布26を構成する繊維28の繊維密度や、不織布の厚さ、目付等を適宜調整することにより、不織布26を構成する繊維28の総表面積を任意に増減可能である。
【0012】
上記繊維28は、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂繊維、
レーヨン等のセルロース系の化学繊維、ガラス繊維、金属繊維等の短繊維から成り、その直径は5〜20μm、長さは0.5〜20mm程度である。
尚、長さが50〜100mm程度の長繊維から成る繊維28を用いることも勿論可能である。
【0013】
上記蛍光体30は、紫外線等の光の照射を受けると、この光を所定波長の可視光等の光に波長変換するものであり、例えば以下の組成のものを用いることができる。
紫外線等の光を赤色可視光に変換する赤色発光用の蛍光体30として、MS:Eu(Mは、La、Gd、Yの何れか1種)、0.5MgF・3.5MgO・GeO:Mn、2MgO・2LiO・Sb:Mn、Y(P,V)O4:Eu、YVO4:Eu、(SrMg)3(PO4):Sn、Y:Eu、CaSiO:Pb,Mn等がある。
また、紫外線等の光を緑色可視光に変換する緑色発光用の蛍光体30として、BaMgAl1627:Eu,Mn、ZnSiO4:Mn、(Ce,Tb,Mn)MgAl1119、LaPO4:Ce,Tb、(Ce,Tb)MgAl1119、YSiO:Ce,Tb、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、(Zn,Cd)S:Cu,Al、SrAl:Eu、SrAl:Eu,Dy、SrAl1425:Eu,Dy、YAl12:Tb、Y(Al,Ga)12:Tb、YAl12:Ce、Y(Al,Ga)12:Ce等がある。
更に、紫外線等の光を青色可視光に変換する青色発光用の蛍光体30として、(SrCaBa)(PO)Cl:Eu、BaMgAl1627:Eu、(SrMg)7:Eu、Sr7:Eu、Sr:Sn、Sr(PO4Cl:Eu、BaMgAl1627:Eu、CaWO4、CaWO4:Pb青色蛍光体、ZnS:Ag,Cl、ZnS:Ag,Al、(Sr,Ca,Mg)10(PO)Cl:Eu等がある。
上記赤色発光用の蛍光体30、緑色発光用の蛍光体30、青色発光用の蛍光体30を適宜選択・混合して用いることで、種々の色の発色が可能である。
尚、蛍光体30は、有機、無機の蛍光染料や、有機、無機の蛍光顔料を含むものである。
【0014】
以下において、気密容器18の直管部12,12外表面に上記蛍光シート32を被覆して、上記第1の蛍光放電管10を製造する方法について説明する。
先ず、ポリプロピレン等の高融点材料より成る繊維28を、ポリエチレン等の低融点材料より成る繊維36で被覆した所定長さの複合繊維38(図7参照)を多数準備し、カード法やエアレイ法等を用いて、これら多数の複合繊維38より成るシート状の集積体(ウェブ)を形成する。
【0015】
次に、上記シート状の集積体を、気密容器18の直管部12,12外表面に被覆し、この状態で、上記複合繊維38を構成する低融点材料より成る繊維36の融点より高く、且つ、高融点材料より成る繊維28の融点より低い温度で、複合繊維38より成る上記シート状の集積体を加熱して低融点材料より成る繊維36のみを溶融させると共に、粒子状の蛍光体30を上記集積体に吹き付ける。
【0016】
この結果、高融点材料より成る繊維28の交差部分が、溶融した低融点材料より成る繊維36を介して接着することにより、不織布26が形成されると共に、粒子状の蛍光体30が、溶融した低融点材料より成る繊維36を介して、不織布26を構成する繊維28の表面に接着・担持されて上記蛍光シート32が形成され、更に、蛍光シート32が、溶融した低融点材料より成る繊維36を介して、気密容器18の直管部12,12外表面に接着して上記第1の蛍光放電管10が完成する。
【0017】
上記製造方法にあっては、高融点材料より成る繊維28を低融点材料より成る繊維36で被覆した複合繊維38を用い、低融点材料より成る繊維36のみを溶融させて接着剤として機能させることにより、不織布26の形成、不織布26を構成する繊維28の表面へ蛍光体30を担持させた蛍光シート32の形成、蛍光シート32と気密容器18の直管部12,12外表面との接着を略同時に行うことができるので、極めて製造容易である。
【0018】
尚、上記製造方法以外にも、例えば、蛍光体の分散液中に不織布26を浸漬した後乾燥させることにより、不織布26を構成する繊維28の表面に蛍光体30を被着・担持させて蛍光シート32を形成した後、該蛍光シート32を、接着剤を介して、気密容器18の直管部12,12外表面に被覆しても良い。
【0019】
上記第1の蛍光放電管10にあっては、一対の放電電極20,20間で放電が生成されると、電子が放電ガスに衝突して、上記蛍光体30を励起させる紫外線や可視光等の光が生成される。生成された光は、気密容器18を透過して、蛍光シート32の不織布26を構成する繊維28表面の蛍光体30に照射され、所定波長の可視光等の光に波長変換されて放射されるのである。
【0020】
而して、上記第1の蛍光放電管10にあっては、気密容器18を構成する直管部12,12の外表面に、単位体積当たりの繊維28の表面積が極めて大きい不織布26を構成する繊維28の表面に蛍光体30を担持せしめて成る蛍光シート32を被覆したことから、従来の
蛍光放電管70の如く蛍光体76を気密容器72の表面に層状に配置した場合に比べ、気密容器18の表面に配置する蛍光体30の量を飛躍的に増大させることができる。
【0021】
尚、不織布26を構成する繊維28の表面に蛍光体30を担持せしめて成る上記蛍光シート32の強度を向上させるため、図8に示すように、表面に蛍光体30を担持させたシート状の織布40を、蛍光シート32の外面に接合した上で、斯かる織布40の接合された蛍光シート32を、気密容器18の直管部12,12外表面に被覆するようにしても良い。
この織布40は、樹脂繊維、ガラス繊維、金属繊維等の多数の繊維(図示せず)を縒る等して形成した繊維の集合体より成る紐42を、略格子状に織り込むと共に、該織布40を構成する紐42の表面に蛍光体30を担持させることにより形成されている(図9)。この織布40は、紐42間に多数の空隙44が形成されている。
図8においては、蛍光シート32の底面に上記織布40を接合した場合が示されているが、蛍光シート32の上面に上記織布40を接合したり、或いは、蛍光シート32の外面を上記織布40で被覆した状態で接合しても良い。
【0022】
上記織布40と蛍光シート32の外面との接合は、例えば、接着剤(図示せず)を介して行うことができる。
また、上記した複合繊維38を用いて第1の蛍光放電管10を製造する場合においては、溶融した低融点材料より成る繊維36を介して、高融点材料より成る繊維28の交差部分を接着することにより不織布26を形成すると共に、粒子状の蛍光体30を溶融した低融点材料より成る繊維36を介して、不織布26を構成する繊維28の表面に接着・担持させ、更に、蛍光シート32の底面を、溶融した低融点材料より成る繊維36を介して、気密容器18の直管部12,12外表面に接着すると共に、上記織布40を、溶融した低融点材料より成る繊維36を介して、蛍光シート32の上面に接合すれば良い。
【0023】
図10は、本発明に係る第2の蛍光放電管を示すものである。この第2の蛍光放電管46は、一面に複数本の第1の帯状放電電極48を並設した透光性材料より成る背面基板50と、一面に複数本の第2の帯状放電電極52を並設した透光性材料より成る前面基板54とを、第1の帯状放電電極48と第2の帯状放電電極52とが所定の間隙を隔てて交差するように配置し、両基板周縁を低融点ガラス等の封着材56を介して気密に封止して気密容器57を形成し、該気密容器57内に、蛍光体30を励起させる紫外線や可視光等の光を放射する所定の放電ガスを充填して成る。
また、隣接する第1の帯状放電電極48同士の間には、低融点ガラス等より成るバリアリブ58が配設されている。
【0024】
また、上記気密容器57を構成する前面基板54及び背面基板50の外表面には、不織布26を構成する繊維28の表面に蛍光体30を被着・担持させた上記蛍光シート32が被覆されている。
【0025】
上記第2の蛍光放電管46にあっては、第1の帯状放電電極48と第2の帯状放電電極52間で放電が生成されると、電子が放電ガスに衝突して、上記蛍光体30を励起させる紫外線や可視光等の光が生成される。生成された光は、気密容器57を透過して、蛍光シート32の不織布26を構成する繊維28表面の蛍光体30に照射され、所定波長の可視光等の光に波長変換されて放射されるのである。
【0026】
而して、この第2の蛍光放電管46にあっても、上記第1の蛍光放電管10と同じく、気密容器57を構成する前面基板54及び背面基板50の外表面に、単位体積当たりの繊維28の表面積が極めて大きい不織布26を構成する繊維28の表面に蛍光体30を担持せしめて成る蛍光シート32を被覆したことから、気密容器57の表面に配置する蛍光体30の量を飛躍的に増大させることができる。
【0027】
尚、この第2の蛍光放電管46にあっても、第1の蛍光放電管10の場合と同様に、表面に蛍光体30を担持させたシート状の織布40を蛍光シート32の外面に接合した上で、斯かる織布40の接合された蛍光シート32を、気密容器57を構成する前面基板54及び背面基板50の外表面に被覆するようにしても良い。
【0028】
上記においては、第1の蛍光放電管10の気密容器28を構成する直管部12,12の外表面に、蛍光シート32を被覆した場合を例に挙げて説明したが、直管部12,12の内表面に蛍光シート32を被覆しても良い。
同様に、第2の蛍光放電管46にあっても、気密容器57を構成する前面基板54及び背面基板50の内表面に、上記蛍光シート32を被覆しても良い。
【0029】
また、上記においては、不織布26を構成する繊維28の「表面」に蛍光体30を担持せしめた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、透明樹脂等より成る透光性の繊維28に粒子状の蛍光体30を練り混むことにより、不織布26を構成する繊維28に蛍光体30を担持させても良い。
この場合、例えば、未硬化状態の透明樹脂中に、粒子状の蛍光体を所定量混合した後、透明樹脂を延伸、硬化させ、その後、所定の長さに切断することにより、蛍光体30が練り混まれた多数の繊維を形成し、斯かる蛍光体30が練り混まれた多数の繊維を用いて不織布26を形成すれば良い。
【0030】
蛍光物質としては、上記した蛍光体30だけでなく、蛍光ガラスや蛍光樹脂等、紫外線等の光の照射を受けた場合に、この光を所定波長の可視光等の光に波長変換する全ての物質を含むものである。
蛍光ガラスは、ガラス材料に蛍光材料を添加して形成される透明体であり、また、蛍光樹脂は、エポキシ樹脂等の樹脂材料に蛍光材料を添加して形成される透明体である。これら蛍光ガラスや蛍光樹脂を粒子状と成し、不織布26を構成する繊維28の表面に被着・担持させることにより、上記蛍光シート32を形成することができる。
【0031】
また、蛍光ガラスや蛍光樹脂等より成る蛍光繊維(図示せず)を用いて不織布26を形成することにより、蛍光シート32と成すこともできる。
以下において、ゾルゲル法によって、蛍光ガラスより成る蛍光繊維の形成方法を説明する。蛍光ガラスは、上記の通り、ガラス材料に蛍光材料を添加して形成される透明体である。ガラス材料としては、例えば、酸化物ガラス、珪酸系ガラス、フツ燐酸塩系ガラス等を用いることができる。また蛍光材料としては、例えば、希土類元素の2価及び3価のEu、Tb、Sm等、或いは、Mn、Zn等を単体或いは複数組み合わせて用いることができる。蛍光材料を構成するこれら元素の原子は、通常陽イオン状態となっており、紫外光等の光の照射を受けて励起され、イオン固有の色の可視光を発光するものである。
【0032】
ゾルゲル法は、SiO、ZnO、Y等の金属アルコキシドを出発物質として、その加水分解、重合反応を利用してガラスを合成するものであり、溶液状態から出発するため、希土類イオン等の蛍光材料を均一に添加することができるものである。
先ず、SiO、ZnO、Y等の金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート等の金属有機化合物と、該金属有機化合物の加水分解のための水と、メタノール、DMF(ヂメチルフォルムアミド)等の溶媒と、アンモニア等、上記金属有機化合物の加水分解・重合反応の調整剤と、希土類元素の2価及び3価のEu、Tb、Sm等の蛍光材料(発光中心)とを調合し、均質で透明な溶液状態の蛍光ガラス材料を作製する。
【0033】
次に、上記溶液状態の蛍光ガラス材料を、例えば200℃程度の比較的低温で加熱等することにより、溶媒を蒸発させると共に、上記金属有機化合物の加水分解・重合反応を一部進行させて、溶液状態の蛍光ガラス材料を粘性ゾル状と成す。
次に、粘性ゾル状の蛍光ガラス材料を延伸した後、800℃〜1000℃の温度で加熱・焼成して、蛍光ガラス材料の重合を完全に進行させることにより、ゲル状の細長い蛍光繊維を形成し、この蛍光繊維を、所定の長さに切断すれば、蛍光ガラスより成る多数の蛍光繊維を形成することができる。
斯かる蛍光ガラスより成る多数の蛍光繊維を用いて不織布26を形成すれば、蛍光シート32が完成する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る第1の蛍光放電管を模式的に示す正面図である。
【図2】第1の蛍光放電管における気密容器の直管部を模式的に示す部分拡大断面図である。
【図3】蛍光シートを模式的に示すに斜視図である。
【図4】蛍光シートを模式的に示す部分拡大図である。
【図5】蛍光シートを構成する繊維を模式的に示す拡大図である。
【図6】蛍光シートを構成する繊維を模式的に示す断面図である。
【図7】複合繊維を示す概略断面図である。
【図8】表面に蛍光体を担持させた織布を、蛍光シートの外面に接合した状態を模式的に示す正面図である。
【図9】表面に蛍光体を担持させた織布を模式的に示す平面図である。
【図10】本発明に係る第2の蛍光放電管を模式的に示す断面図である。
【図11】従来の蛍光放電管を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 第1の蛍光放電管
12 直管部
18 気密容器
20 放電電極
26 不織布
28 繊維
30 蛍光体
32 蛍光シート
38 複合繊維
40 織布
46 第2の蛍光放電管
48 第1の帯状放電電極
50 背面基板
52 第2の帯状放電電極
54 前面基板
57 気密容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性材料より成る気密容器の内部に、複数の放電電極及び放電ガスを封入すると共に、上記気密容器の表面に、不織布を構成する繊維に蛍光体、蛍光ガラス等の蛍光物質を担持させた蛍光シートを被覆したことを特徴とする蛍光放電管。
【請求項2】
多数の繊維の集合体より成る紐を略格子状に織り込むと共に、上記紐に蛍光物質を担持させて形成した織布を、上記蛍光シートの外面に接合したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光放電管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−258178(P2008−258178A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−190513(P2008−190513)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【分割の表示】特願2003−336828(P2003−336828)の分割
【原出願日】平成15年9月29日(2003.9.29)
【出願人】(000122690)岡谷電機産業株式会社 (135)
【Fターム(参考)】