説明

蛍光温度センサ

【課題】励起光源の発光強度を高めることなく、蛍光を効率よく検出することができる蛍光温度センサを提供する。
【解決手段】照射された光の強度に応じた蛍光を発する蛍光体4と、励起光を蛍光体4に投光する投光部9と、蛍光体が発する蛍光を受光する受光部10と、投光部9が発する励起光を導光する励起光送信用光ファイバ5aと、蛍光体4が発する蛍光を導光する蛍光送信用光ファイバ5bとを備えた蛍光温度センサ1において、励起光送信用光ファイバ5aと蛍光送信用光ファイバ5bは異なる特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、温度により蛍光特性が変化する蛍光体を用いて温度を測定する蛍光温度センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
温度センサとして、蛍光体を用いた蛍光温度センサが広く利用されている(例えば、特許文献1参照)。この蛍光温度センサは、温度により蛍光特性が変化する蛍光体を用いることにより温度を測定する。具体的には、光源からの励起光を蛍光体に照射して、蛍光体で発生した蛍光を検出する。そして、検出された蛍光の蛍光寿命などの蛍光特性の変化によって、温度を測定する。この蛍光温度センサでは、励起光を導光する光ファイバと、蛍光を導光する光ファイバとは同一種類の光ファイバを用いて構成されている。
【0003】
また、蛍光温度センサに用いられる光ファイバを狭い領域に敷設する場合、柔らかい光ファイバを用いて曲げやすくすることが望ましい。その解決方法として、細い光ファイバの利用が挙げられる。しかしながら、蛍光温度センサでは、励起光の光エネルギ以上の蛍光は発生しないため、蛍光体からの蛍光を受光部に伝送するためには、太い光ファイバを使用することが望ましい。しかしながら、特許文献1に開示される蛍光温度センサでは、1本の光ファイバにより構成されているため、曲げやすさと高い蛍光強度を実現することは難しく、伝送光量の増大と、曲げやすさを目的に、バンドル光ファイバを用いる方法がある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平11−508352号公報
【特許文献2】特開2002−131173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、蛍光温度センサの蛍光体の発する蛍光の波長は励起光の波長よりも長く、特許文献1に開示される蛍光温度センサでは、励起光を導光する光ファイバ及び蛍光を導光する光ファイバを同一種類の光ファイバを用いて構成するため、励起光または蛍光のどちらか一方の伝送効率が悪くなり、光量確保のために、光源での励起光の光量を上げる必要があり、光源に負担がかかるという課題があった。
【0006】
また、特許文献2に開示される蛍光温度センサでは、バンドル光ファイバを用いて、異種の光ファイバとの接続を行うため、光ファイバのコア面積のミスマッチや光軸ずれが生じ、バンドル光ファイバの接続口で光が漏洩するため、励起光または蛍光の伝達効率が低下する。そのため、光源での励起光の光量を上げる必要があり、光源に負担がかかるという課題があった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、投光部での励起光の発光強度を高めることなく、蛍光を効率よく検出することができる蛍光温度センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る蛍光温度センサは、照射された光の強度に応じた蛍光を発する蛍光体と、励起光を蛍光体に投光する投光部と、蛍光体が発する蛍光を受光する受光部と、投光部が発する励起光を導光する励起光送信用光ファイバと、蛍光体が発する蛍光を導光する蛍光送信用光ファイバとを備えた蛍光温度センサにおいて、励起光送信用光ファイバと蛍光送信用光ファイバは異なる特性を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、上記のように構成したので、光ファイバ全体の伝送効率を高めることより、投光部での励起光の発光強度を高めることなく、蛍光を効率よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係る蛍光温度センサの構造を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1における励起光送信用光ファイバ及び蛍光送信用光ファイバの光の減衰量を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係る蛍光温度センサの構造を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態3に係る蛍光温度センサの構造を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態3における励起光送信用光ファイバ、蛍光送信用光ファイバ及びバンドル光ファイバの各バンドル直径条件に対する蛍光強度の比を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1に示すように、蛍光温度センサ1は、被測定面に接触させ、温度に応じた蛍光を発光するためのセンサプローブ2と、センサプローブ2に励起光を投光し、センサプローブ2からの蛍光を受光し、その受光量から被測定面の温度測定を行うためのセンサモジュール3とにより構成される。
【0012】
センサプローブ2は、図1に示すように、センサモジュール3より投光される励起光により蛍光を発光する蛍光体4と、センサモジュール3により投光される励起光を蛍光体4に導光し、蛍光体4が発する蛍光をセンサモジュール3に導光するための光ファイバ5と、センサプローブ2の先端に設けられ、蛍光体4を覆うカバー6と、光ファイバ5に傷が付かないように保護する保護管7とにより構成される。
【0013】
ここで、センサプローブ2とセンサモジュール3に設けられる蛍光体4とを接続する光ファイバ5は、励起光送信用光ファイバ5aと蛍光送信用光ファイバ5bとにより構成される。
【0014】
励起光送信用光ファイバ5aはセンサモジュール3に設けられる投光部9から投光される励起光を蛍光体4に導光するためのものである。この励起光送信用光ファイバ5aはプラスチック光ファイバにより構成される。
【0015】
蛍光送信用光ファイバ5bは蛍光体4が発する蛍光をセンサモジュール3に設けられる受光部10に導光するためのものである。この蛍光送信用光ファイバ5bは多成分ガラス光ファイバにより構成される。
【0016】
センサモジュール3は、図1に示すように、駆動部8により、センサプローブ2に設けられる蛍光体4に励起光を投光するための投光部9と、センサプローブ2に設けられる蛍光体4が発する蛍光を受光するための受光部10と、受光部10が受光した受光量に基づいて、被測定面の温度を算出するための処理部11とにより構成される。
【0017】
次に、上記のように構成される蛍光温度センサ1の動作について説明する。
まず、蛍光温度センサ1のセンサプローブ2先端に設けられる蛍光体4が収納されるカバー6表面を被測定面に接触させる。次いで、投光部9から励起光が蛍光体4に投光される。この投光部9から投光された励起光により蛍光体4は蛍光を発光する。受光部10はこの蛍光体4が発光する蛍光を受光している。このときの受光部10が受光する受光量は、処理部11により逐一計測されている。次いで、投光部9は、蛍光体4への励起光の投光を停止する。これにより、蛍光体4は消光する。この蛍光体4の消光速度は温度が高くなるほど速くなる。この蛍光体4の消光速度を処理部11が計測することにより、被測定面の温度を計測する。
【0018】
次に、励起光送信用光ファイバ5aと蛍光送信用光ファイバ5bに用いられる光ファイバの材質設定方法について説明する。
図2はこの発明の実施の形態1における励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光送信用光ファイバ5bの光の減衰量を示す図である。
この図2では、蛍光体4としてルビーを使用し、励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光送信用光ファイバ5bとしてプラスチック光ファイバ(PMMA)及び多成分ガラス光ファイバを用いた場合での励起光及び蛍光の減衰量を示している。
【0019】
図2に示すように、投光部9が投光する励起光の波長(560nm〜590nm)に対して、蛍光体4の発光する蛍光の波長(690nm〜700nm)は長くなる。そのため、励起光を導光する励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光を導光する蛍光送信用光ファイバ5bを同一の光ファイバで構成すると、励起光または蛍光のどちらか一方の伝送効率が悪くなる。そこで、励起光の波長及び蛍光の波長に基づいて、最適な伝送効率を有する材質の光ファイバを用いて励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光送信用光導波路5bを構成することにより、励起光及び蛍光ともに良好な伝送を行うことができる。
【0020】
図2に示すように、プラスチック光ファイバにより励起光を導光したときの減衰量は0.08dB/mであり、多成分ガラス光ファイバにより励起光を導光したときの減衰量は0.18dB/mである。したがって、励起光を導光する励起光送信用光ファイバ5aに対してはプラスチック光ファイバを用いることで伝送効率を良好にすることができる。
【0021】
一方、プラスチック光ファイバにより蛍光を導光したときの減衰量は0.35dB/mであり、多成分ガラス光ファイバにより蛍光を導光したときの減衰量は0.2dB/mである。したがって、蛍光を導光する蛍光送信用光ファイバ5bに対しては多成分ガラス光ファイバを用いることで伝送効率を良好にすることができる。
【0022】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、励起光と蛍光を導光する光ファイバを励起光の波長及び蛍光の波長に応じてそれぞれ設定することにより、励起光及び蛍光に対する伝送効率を高めることができるので、投光部9から投光する励起光の光量を過度に上げる必要はなく、投光部9の光源の負担を抑えることができる。
【0023】
なお、この発明の実施の形態1では、蛍光体4としてルビーを使用し、励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光送信用光ファイバ5bを構成する光ファイバとしてプラスチック光ファイバ及び多成分ガラス光ファイバを用いて説明したが、これに限るものではなく、励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光送信用光ファイバ5bを構成する光ファイバは、励起光の波長及び蛍光の波長に応じて適宜変更されるものである。
【0024】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2に係る蛍光温度センサ1の構造を示す図である。
上記実施の形態1に係る蛍光温度センサ1では、励起光送信用光ファイバ5aと蛍光送信用光ファイバ5bを構成する光ファイバとして、それぞれ導光する光の波長に適した材質の光ファイバを用いて構成したが、この発明の実施の形態2に係る蛍光温度センサ1は、励起光送信用光ファイバ5aと蛍光送信用光ファイバ5bに用いられる光ファイバの材質は同一のものを使用し、図3に示すように、励起光送信用光ファイバ5aのコア面積に対して蛍光送信用光ファイバ5bのコア面積が大きくなるように構成したものである。
以下、図1に示した、この発明の実施の形態1に係る蛍光温度センサ1と同一または同様の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0025】
励起光送信用光ファイバ5aは、例えば、プラスチック光ファイバにより形成され、そのバンドル直径は1mmに構成される。
【0026】
蛍光送信用光ファイバ5bは、励起光送信用光ファイバ5aと同一材質のプラスチック光ファイバにより形成され、図3に示すように、そのバンドル直径は励起光送信用光ファイバ5aのバンドル直径よりも太い1.5mmに構成される。
【0027】
蛍光温度センサ1では、投光部9から投光される励起光の光エネルギ以上の蛍光は発生しないため、受光部10で受光する蛍光の蛍光強度を高めるため、励起光送信用光ファイバ5aのバンドル直径に対して、蛍光送信用光ファイバ5bのバンドル直径を大きくすることで、伝送効率を高めることできる。
【0028】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、励起光よりも弱い蛍光光量を効率的に伝送するために、蛍光送信用光ファイバ5bのコア面積を、励起光送信用光ファイバ5aのコア面積よりも大きくなるように構成することで、蛍光の伝送効率を高めることができるので、投光部9から投光する励起光の光量を過度に上げる必要はなく、投光部9の光源の負担を抑えることができる。
【0029】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3における蛍光温度センサ1の構造を示す図である。
上記実施の形態1,2に係る蛍光温度センサ1では、センサプローブ2とセンサモジュール3とを励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光送信用光ファイバ5bにより接続して構成したが、この発明の実施の形態3に係る蛍光温度センサ1では、例えば、狭い領域に光ファイバ5を敷設するような場合に、バンドル光ファイバ5cを用いてコア面積の異なる励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光送信用光ファイバ5bと接続するように構成したものである。
以下、図1,3に示した、この発明の実施の形態1に係る蛍光温度センサ1と同一または同様の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0030】
励起光送信用光ファイバ5aは、例えば、プラスチック光ファイバにより構成され、図4に示すように、励起光送信用光ファイバ5aの蛍光体4側先端はバンドル光ファイバ5cの励起光送信用光ファイバ5a側と光軸を合わせてFCコネクタ等により接続されている。また、この励起光送信用光ファイバ5aのコア形状は円形である。
【0031】
蛍光送信用光ファイバ5bは、例えば、プラスチック光ファイバにより構成され、図4に示すように、蛍光送信用光ファイバ5bの蛍光体4側先端はバンドル光ファイバ5cの蛍光送信用光ファイバ5b側と光軸を合わせてFCコネクタ等により接続されている。また、この励起光送信用光ファイバ5aのコア形状は円形である。
【0032】
バンドル光ファイバ5cは、励起光送信用光ファイバ5aにより導光される励起光を蛍光体4に導光し、蛍光体4が発する蛍光を蛍光送信用光ファイバ5bに導光するためのものである。また、バンドル光ファイバ5cの励起光送信用光ファイバ5a側のコア形状及び蛍光送信用光ファイバ5b側のコア形状は円形である。
【0033】
ここで、励起光送信用光ファイバ5aのコア面積SIF、蛍光送信用光ファイバ5bのコア面積SOF、バンドル光ファイバ5cの励起光送信用光ファイバ5a側のコア面積SSFI及び蛍光送信用光ファイバ5b側のコア面積SSFOは、SIF<SSFI≦SSFO<SOFを満たすように構成され接続される。
【0034】
図5はこの発明の実施の形態3における励起光送信用光ファイバ5a、蛍光送信用光ファイバ5b及びバンドル光ファイバ5cの各バンドル直径条件(a)〜(d)に対する蛍光強度の比を、(a)の各バンドル直径条件のときの蛍光強度を基準にして示した図である。ここで、励起光送信用光ファイバ5a、蛍光送信用光ファイバ5b及びバンドル光ファイバ5cのコア形状は円形であり、バンドル光ファイバ5cの励起光送信用光ファイバ5a側のバンドル直径及び蛍光送信用光ファイバ5b側のバンドル直径は共に1.2mmである。また、励起光を投光する投光部9としてLEDを用い、受光部10としてフォトダイオードを用いている。
【0035】
図5(a)に示すように、励起光送信用光ファイバ5aのバンドル直径が1mmかつ蛍光送信用光ファイバ5bのバンドル直径が1mmの場合では、蛍光送信用光ファイバ5b側のバンドル光ファイバ5cのバンドル直径に対して、蛍光送信用光ファイバ5bのバンドル直径が小さいため、蛍光送信用光ファイバ5bとバンドル光ファイバ5cとの接続口で蛍光が漏洩してしまい、蛍光強度が低下する。
【0036】
また、図5(c)に示すように、励起光送信用光ファイバ5aのバンドル直径が1.5mmかつ蛍光送信用光ファイバ5bのバンドル直径が1mmの場合では、励起光送信用光ファイバ5a側のバンドル光ファイバ5cのバンドル直径に対して、励起光送信用光ファイバ5aのバンドル直径が大きいため、励起光送信用光ファイバ5aとバンドル光ファイバ5cとの接続口で励起光が漏洩してしまい、励起光強度が低下する。さらに、蛍光送信用光ファイバ5b側のバンドル光ファイバ5cのバンドル直径に対して、蛍光送信用光ファイバ5bのバンドル直径が小さいため、蛍光送信用光ファイバ5bとバンドル光ファイバ5cとの接続口で蛍光が漏洩してしまい、蛍光強度が低下する。
【0037】
また、図5(d)に示すように、励起光送信用光ファイバ5aのバンドル直径が1.5mmかつ蛍光送信用光ファイバ5bのバンドル直径が1.5mmの場合では、励起光送信用光ファイバ5a側のバンドル光ファイバ5cのバンドル直径に対して、励起光送信用光ファイバ5aのバンドル直径が大きいため、励起光送信用光ファイバ5aとバンドル光ファイバ5cとの接続口で励起光が漏洩してしまい、励起光強度が低下する。
【0038】
一方、図5(b)に示すように、励起光送信用光ファイバ5aのバンドル直径を1mmとして、蛍光送信用光ファイバ5bのバンドル直径を1.5mmとした場合、すなわち、励起光送信用光ファイバ5aのバンドル直径、バンドル光ファイバ5cのバンドル直径、蛍光送信用光ファイバ5bのバンドル直径の順にバンドル直径を大きくした場合には、各接続間での励起光及び蛍光の損失がなく最も効率よく蛍光を受光部10に導光することができる。
【0039】
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光送信用光ファイバ5bと、バンドル光ファイバ5cとの接続において、励起光送信用光ファイバ5aのコア面積、バンドル光ファイバ5cの励起光送信用光ファイバ5a側のコア面積、バンドル光ファイバ5cの蛍光送信用光ファイバ5b側のコア面積、蛍光送信用光ファイバ5bのコア面積の順にコア面積を大きくし、励起光及び蛍光の送信側の光ファイバのコアを受信側の光ファイバのコアで覆うように接続することで、励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光送信用光ファイバ5bとバンドル光ファイバ5cとの接続間での励起光及び蛍光の漏れを防ぐことができ、励起光及び蛍光の伝送効率を高めることができるため、投光部9から投光する励起光の光量を過度に上げる必要はなく、投光部9の光源の負担を抑えることができる。
【0040】
なお、この発明の実施の形態3に係る蛍光温度センサ1では、励起光送信用光ファイバ5a、蛍光送信用光ファイバ5b及びバンドル光ファイバ5cのコア形状は円形状として説明したが、これに限るものではなく、矩形のコアを有する光ファイバを用いて構成してもよい。
【0041】
また、この発明の実施の形態3に係る蛍光温度センサ1では、励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光送信用光ファイバ5bとを同一の材質の光ファイバを用いて説明したが、これに限るものではなく、励起光送信用光ファイバ5aと蛍光送信用光同波路5bとを別の材質の光ファイバにより構成してもよい。
【0042】
また、上述の実施の形態では励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光送信用光ファイバ5bをバンドルの光ファイバにより構成して説明したが、これに限るものではなく、励起光送信用光ファイバ5a及び蛍光送信用光ファイバ5bを単芯の光ファイバにより構成しても構わず、また、例えば励起光送信用光ファイバ5aを単芯の光ファイバにより構成し、蛍光送信用光ファイバ5bをバンドルの光ファイバにより構成するなど、組み合わせて構成しても構わない。
【符号の説明】
【0043】
1 蛍光温度センサ
2 センサプローブ
3 センサモジュール
4 蛍光体
5 光ファイバ
5a 励起光送信用光ファイバ
5b 蛍光送信用光ファイバ
5c バンドル光ファイバ
6 カバー
7 保護管
8 駆動部
9 投光部
10 受光部
11 処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射された光の強度に応じた蛍光を発する蛍光体と、
励起光を前記蛍光体に投光する投光部と、
前記蛍光体が発する蛍光を受光する受光部と、
前記投光部が発する励起光を導光する励起光送信用光ファイバと、
前記蛍光体が発する蛍光を導光する蛍光送信用光ファイバと
を備えた蛍光温度センサにおいて、
前記励起光送信用光ファイバと前記蛍光送信用光ファイバは異なる特性を有することを特徴とする蛍光温度センサ。
【請求項2】
前記励起光送信用光ファイバは前記投光部が発する励起光の波長に基づいて当該光ファイバの材質を決定し、
前記蛍光送信用光ファイバは前記蛍光体が発する蛍光の波長に基づいて当該光ファイバの材質を決定することを特徴とする請求項1記載の蛍光温度センサ。
【請求項3】
前記蛍光送信用光ファイバのコア面積は、前記励起光送信用光ファイバのコア面積よりも大きく構成されることを特徴とする請求項1記載の蛍光温度センサ。
【請求項4】
前記励起光送信用光ファイバ及び前記蛍光送信用光ファイバと接続し、前記励起光送信用光ファイバからの励起光を前記蛍光体に導光し、前記蛍光体の発する蛍光を前記蛍光送信用光ファイバに導光するためのバンドル光ファイバとを備え、
前記励起光送信用光ファイバのコア面積、前記バンドル光ファイバの前記蛍光送信用光ファイバ側のコア面積、前記バンドル光ファイバの前記蛍光送信用光ファイバ側のコア面積、前記蛍光送信用光ファイバのコア面積の順にコア面積を大きくなるように構成したことを特徴とする請求項1記載の蛍光温度センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−210404(P2010−210404A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56679(P2009−56679)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】