説明

蛍光表示管用駆動装置、駆動方法

【課題】装置の大型化を招くことなく、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる蛍光表示管用駆動装置及び駆動方法を得る。
【解決手段】グリッドドライバ32によって、蛍光表示管に各々複数設けられたグリッド電極14に駆動用の電圧が印加され、グリッドドライバ制限部26によって、グリッドドライバ32により電圧が同時に印加されるグリッド電極14の数を予め設定された第1の閾値未満とする制限が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光表示管用駆動装置及び駆動方法に関し、特に、グリッド電極及びアノード電極を各々複数有する蛍光表示管用の駆動装置及び駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を表示するための表示素子として、フィラメントから電子を放出させ、グリッド及びアノードに選択的に電圧を印加することにより、放出させた電子を加速させ、電子をアノードに設けられている蛍光体に照射させることによって発光する蛍光表示管(Vacuum Fluorescent Display)が、用いられている。
【0003】
従来、この種の蛍光表示管において、コストの低減ができ、デザインの自由度を大きくすることを目的として、特許文献1には、少なくとも外部から入力された表示データを格納する表示RAM(Random Access Memory)と、蛍光表示管をスキャンするためのグリッドドライバと、所定の表示セグメント電極を駆動するアノードドライバと、上記グリッドドライバ及び上記アノードドライバに駆動信号を供給する制御部を備えている蛍光表示管用コントロールドライバにおいて、上記制御部は、上記表示管を単純にスキャンする単純グリッド制御部と、複数グリッドを同時に選択可能とするユニバーサルグリッド制御部とを備え、上記蛍光表示管の表示パターンに対応して、グリッドを単純にスキャンする単純スキャンモードと複数電極を選択してスキャンするユニバーサルスキャンモードを繰り返すことができるようにしたことを特徴とする蛍光表示管用コントローラドライバが開示されている。
【0004】
また、表示内容の多様化を容易に図ることができるようにすることを目的として、特許文献2には、ホストコンピュータとデータの送受信を行うためのインターフエースと、上記インターフエースから入力されたコマンドデータ及び表示データをデコードするデコーダと、上記デコーダによって分離された表示データを格納する表示RAMと、上記表示RAMに記憶された表示データに基づいて表示部を駆動するためのグリッドドライバ、及びアノードドライバと、上記コマンドデータに基づいて上記表示部の駆動方式を設定すると共に、その駆動方式に対応した表示データを上記表示RAMから読み出す制御部と、上記インターフエース、デコーダ、表示RAM、グリッドドライバ、アノードドライバ、及び制御部に対して動作タイミングを設定するタイミング信号を供給するタイミング発生器を備え、上記表示RAMには上記表示部の駆動方式に対応するスキャン信号を形成するためのグリッドデータと、表示情報に対応するアノードデータを格納すると共に、これらの各データが所定のタイミングアドレスに基づいて読み出され、ラッチ回路を介して上記アノードドライバ、及びグリッドドライバに供給されるように構成されていることを特徴とする表示用コントローラドライバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−40991号公報
【特許文献2】特許4106771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、複数のグリッドに跨ってデザインされたセグメントを点灯させる場合には、各々当該複数のグリッドに接続された複数のグリッド電極に対して同時に駆動用の電力を供給する必要があるため、同時に電力を供給するグリッド電極の数が多くなるほど、グリッドドライバの駆動に用いる電源配線に過大な電流が流れる結果、当該電源配線が劣化したり、溶断したりしてしまう、という問題点があった。ここで、上記電源配線を太くすれば、この問題点は解決できるものの、この場合には、当該電源配線を太くした分だけ装置が大型化してしまう、という新たな問題点が生じる。
【0007】
なお、以上の問題点は、グリッドドライバに関してのみならず、アノードドライバに関しても生じる問題点である。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、装置の大型化を招くことなく、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる蛍光表示管用駆動装置及び駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の蛍光表示管用駆動装置は、複数のグリッド及び複数のアノードを有する蛍光表示管に設けられた各々対応する前記グリッドに接続されている複数のグリッド電極、及び各々対応する前記アノードに接続されている複数のアノード電極に駆動用の電圧を印加する印加手段と、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数を予め設定された第1の閾値未満とする制限、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記アノード電極の数を予め設定された第2の閾値未満とする制限、及び前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数と前記アノード電極の数との和を予め設定された第3の閾値未満とする制限の少なくとも一つの制限を行う制限手段と、を備えている。
【0010】
請求項1に記載の蛍光表示管用駆動装置によれば、制限手段によって、印加手段により電圧が同時に印加されるグリッド電極の数を予め設定された第1の閾値未満とする制限、印加手段により電圧が同時に印加されるアノード電極の数を予め設定された第2の閾値未満とする制限、及び印加手段により電圧が同時に印加されるグリッド電極の数とアノード電極の数との和を予め設定された第3の閾値未満とする制限の少なくとも一つの制限が行われる。
【0011】
このように、請求項1に記載の蛍光表示管用駆動装置によれば、電圧が同時に印加されるグリッド電極の数を予め設定された第1の閾値未満とする制限、電圧が同時に印加されるアノード電極の数を予め設定された第2の閾値未満とする制限、及び電圧が同時に印加されるグリッド電極の数とアノード電極の数との和を予め設定された第3の閾値未満とする制限の少なくとも一つの制限が行われるので、装置の大型化を招くことなく、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる。
【0012】
なお、本発明は、請求項2に記載の発明のように、前記蛍光表示管による表示内容に応じて前記グリッド電極及び前記アノード電極への電圧の印加の要否を示す要否情報が予め記憶された記憶手段を更に備え、前記制限手段が、前記記憶手段に記憶された前記要否情報に基づいて前記少なくとも一つの制限を行ってもよい。これにより、より簡易に、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる。
【0013】
また、本発明は、請求項3に記載の発明のように、前記制限手段が、前記要否情報に基づいて、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数が前記第1の閾値以上の場合に、当該電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数を零とする制限、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記アノード電極の数が前記第2の閾値以上の場合に、当該電圧が同時に印加される前記アノード電極の数を零とする制限、及び前記和が前記第3の閾値以上の場合に、当該電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数及び前記アノード電極の数を零とする制限の少なくとも一つの制限を行ってもよい。これにより、より確実に、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる。
【0014】
また、本発明は、請求項4に記載の発明のように、前記制限手段が、前記記憶手段に記憶された前記要否情報から、当該制限手段により制限対象とする前記グリッド電極及び前記アノード電極の少なくとも一方に対応する要否情報を一つずつ選択するセレクタ部と、直列に接続された当該制限手段により用いられる前記閾値と同数のラッチ回路を備え、前記セレクタ部により選択された要否情報が電圧を印加することを示す情報である度に最上流の前記ラッチ回路から順に予め定められた値がラッチされていくラッチ部と、前記ラッチ部の最下流の前記ラッチ回路に前記予め定められた値がラッチされている場合に当該制限手段により制限対象とする前記グリッド電極及び前記アノード電極の少なくとも一方への前記印加手段による前記電圧の印加を遮断するゲート部と、を有してもよい。これにより、より簡易な構成で、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる。
【0015】
また、本発明は、請求項5に記載の発明のように、前記第1の閾値、前記第2の閾値、及び前記第3の閾値を、前記印加手段の駆動に用いる電源配線の電流許容値に応じて予め定められた数としてもよい。これにより、より確実に、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる。
【0016】
また、本発明は、請求項6に記載の発明のように、前記第1の閾値を、前記グリッド電極に電圧を印加することによって前記電源配線に流れる電流の大きさに基づいて予め定められた数とし、前記第2の閾値を、前記アノード電極に電圧を印加することによって前記電源配線に流れる電流の大きさに基づいて予め定められた数とし、前記第3の閾値を、前記グリッド電極及び前記アノード電極に電圧を印加することによって前記電源配線に流れる電流の大きさに基づいて予め定められた数としてもよい。これにより、より確実に、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる。
【0017】
また、本発明は、請求項7に記載の発明のように、前記制限手段が、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数が前記第1の閾値以下、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記アノード電極の数が前記第2の閾値以下、及び前記和が前記第3の閾値以下の場合は、前記制限を行わないとしてもよい。これにより、電圧が同時に印加されるグリッド電極及びアノード電極が上記閾値以下の場合に、グリッド電極及びアノード電極に駆動用の電圧を印加することができる。
【0018】
また、本発明は、請求項8に記載の発明のように、前記蛍光表示管が、複数の前記グリッドに跨って画像を表示するように構成されてもよい。これにより、表示される画像の構成にかかわらず、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる。
【0019】
一方、上記目的を達成するために、請求項9に記載の発明は、複数のグリッド及び複数のアノードを有する蛍光表示管に設けられた各々対応する前記グリッドに接続されている複数のグリッド電極、及び各々対応する前記アノードに接続されている複数のアノード電極に駆動用の電圧を印加する印加回路を備えた蛍光表示管の駆動方法であって、前記印加回路により前記電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数を予め設定された第1の閾値未満とする制限、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記アノード電極の数を予め設定された第2の閾値未満とする制限、及び前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数と前記アノード電極の数との和を予め設定された第3の閾値未満とする制限の少なくとも一つの制限を行う、駆動方法である。
【0020】
このように、請求項9に記載の駆動方法によれば、電圧が同時に印加されるグリッド電極の数を予め設定された第1の閾値未満とする制限、電圧が同時に印加されるアノード電極の数を予め設定された第2の閾値未満とする制限、及び電圧が同時に印加されるグリッド電極の数とアノード電極の数との和を予め設定された第3の閾値未満とする制限の少なくとも一つの制限が行われるので、装置の大型化を招くことなく、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる。
【0021】
なお、請求項8に記載の発明は、請求項10に記載の発明のように、前記第1の閾値、前記第2の閾値、及び前記第3の閾値を、前記印加回路の駆動に用いる電源配線の電流許容値に応じて予め定められた数としてもよい。これにより、より確実に、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明した如く、本発明によれば、装置の大型化を招くことなく、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施の形態に係る蛍光表示管表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係る蛍光表示部の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係るグリッドドライバ制限部の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係るグリッドドライバ制限部の構成を示す回路図である。
【図5】第1の実施の形態に係るグリッドドライバ制限部の動作に関するタイミングチャートの一例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係るグリッドドライバ制限部の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る蛍光表示管表示装置(以下、「表示装置」という。)10の構成を示している。
【0026】
同図に示すように、本実施の形態に係る表示装置10は、蛍光表示部12及びコントローラドライバ20を含んで構成されている。
【0027】
本実施の形態に係る蛍光表示部12は、各々対応するグリッドに接続されているグリッド電極14−1〜14−m(mは、グリッド電極の数)、及び各々対応するアノードに接続されているアノード電極16−1〜16−n(nは、アノード電極の数)を備えている。以下の説明において、各グリッド電極14−1〜14−mを区別する場合は、上記のようにグリッド電極を示す符号の末尾に1〜mの何れかを付して説明し、各グリッド電極14−1〜14−mを区別しない場合は、グリッド電極14として説明する。また、各アノード電極16−1〜16−nを区別する場合は、上記のようにアノードを示す符号の末尾に1〜nの何れかを付して説明し、アノード電極16−1〜16−nを区別しない場合は、アノード電極16として説明する。なお、グリッド電極14の数mとアノード電極16の数nとは、同一でも異なっていてもよい。
【0028】
一方、本実施の形態に係るコントローラドライバ20は、コントローラドライバ20全体の動作を司る制御部22、及び蛍光表示部12による表示内容に応じてグリッド電極14への電圧の印加の要否を示すグリッドデータと共に、アノード電極16への電圧の印加の要否を示すアノードデータが予め記憶されたRAM24を備えている。
【0029】
また、本実施の形態に係るコントローラドライバ20は、後述するグリッドドライバ32により電圧が同時に印加されるグリッド電極14の数を予め設定された閾値未満とする制限を行うグリッドドライバ制限部26、RAM24から出力されたグリッドデータが入力され、入力されたグリッドデータを一旦ラッチ(保持)し、ラッチしたグリッドデータをグリッドドライバ32に送信するグリッドデータラッチ部28、及びグリッドデータラッチ部28から出力されるグリッドデータに基づいて、蛍光表示部12に設けられたグリッド電極14に駆動用の電圧を印加するグリッドドライバ32を備えている。
【0030】
さらに、本実施の形態に係るコントローラドライバ20は、RAM24から出力されたアノードデータが入力され、入力されたアノードデータを一旦ラッチするアノードデータラッチ部30、及びアノードデータラッチ部30から出力されるアノードデータに基づいて、蛍光表示部12に設けられたアノード電極16に駆動用の電圧を印加するアノードドライバ34、を備えている。
【0031】
なお、本実施の形態に係る制御部22は、一例として、0(零)から255までの値を繰り返しカウントするデューティカウンタ36を備えており、グリッドドライバ制限部26、グリッドデータラッチ部28、及びアノードデータラッチ部30は、デューティカウンタ36から出力されるカウント値に基づいて制御される。また、グリッドドライバ32、及びアノードドライバ34は、デューティカウンタ36から出力されるカウント値に基づいてその駆動時間、すなわち、グリッド電極14及びアノード電極16への電圧の印加時間が制御され、蛍光表示部12の輝度調整が行われる。
【0032】
また、本実施の形態に係るコントローラドライバ20では、上記グリッドデータとして、表示内容毎で、かつグリッド電極14毎に、対応するグリッド電極14に電圧を印加する場合は‘1’を、印加しない場合は‘0’を、各々RAM24に記憶している。同様に、本実施の形態に係るコントローラドライバ20では、上記アノードデータとして、表示内容毎で、かつアノード電極16毎に、対応するアノード電極16に電圧を印加する場合は‘1’を、印加しない場合は‘0’を、各々RAM24に記憶している。
【0033】
なお、本実施の形態に係るグリッドドライバ制限部26は、図4に示されるようにデジタル回路として構成されており、上記‘1’は、当該デジタル回路におけるハイ・レベル(High Level)に対応し、上記‘0’は、当該デジタル回路におけるロー・レベル(Low Level)に対応している。
【0034】
また、本実施の形態に係るグリッドドライバ制限部26は、グリッドドライバ32により電圧が同時に印加されるグリッド電極14の数が予め設定された閾値以上となった場合に、当該電圧が同時に印加されるグリッド電極14の数を上記予め設定された閾値未満の数(本実施の形態では、零)に制限する。
【0035】
なお、本実施の形態に係る上記閾値は、グリッドドライバ32の駆動に用いる電源配線の電流許容値に応じて予め定められた数であり、グリッド電極14に電圧を印加することによって上記電源配線に流れる電流の大きさに基づいて定められる。
【0036】
なお、本実施の形態では、上記閾値を、グリッド電極14に電圧を印加することによって上記電源配線に流れる電流が、上記電源配線の電流許容値以下となるように定めている。
【0037】
図2は、本実施の形態に係る蛍光表示部12を示している。
【0038】
同図に示すように、本実施の形態に係る蛍光表示部12は、蛍光表示管によって数字又はアルファベットを表示するセグメント40A、“START”を表示する図形40B、“STOP”を表示する図形40Cが構成されている。なお、これに限らず、蛍光表示管によってドット、記号、又は他の図形等の画像が構成されてもよい。また、本実施の形態に係る蛍光表示部12は、各セグメント40に対応してグリッド1G〜mGが設けられている。
【0039】
さらに、グリッド1G〜mGの符号及びグリッド電極14−1〜14−mの符号は、各々グリッドとグリッド電極との接続関係に対応している。例えば、グリッド1Gは、グリッド電極14−1に接続され、グリッド2Gは、グリッド電極14−2に接続され、グリッドmGは、グリッド電極14−mに接続されている。
【0040】
また、図形40Bは、グリッド1G〜3Gに跨っており、図形40Cは、グリッドm−1G,mGに跨っている。すなわち、図形40Bを表示させる場合には、グリッドドライバ32によって3つのグリッド1G〜3Gに同時に電圧が印加され、図形40Cを表示させる場合には、グリッドドライバ32によって2つのグリッドm−1G,mGに同時に電圧が印加される。なお、蛍光表示管によって構成される複数のグリッドに跨った図形は、2つ又は3つのグリッドに跨った図形に限らず、4つ以上のグリッドに跨った図形とされてもよい。
【0041】
次に、図3を参照して、グリッドドライバ制限部26の構成を説明する。
【0042】
同図に示すように、本実施の形態に係るグリッドドライバ制限部26は、RAM24のグリッドデータを出力する出力端子に接続配線(以下、「グリッドデータ線」という。)56−1〜56−mを介して接続されたセレクタ部50およびゲート部54、及びセレクタ部50とゲート部54との間に介在されたラッチ部52を備えている。
【0043】
上記セレクタ部50は、RAM24からグリッドデータ線56−1〜56−mを介し、各グリッド電極14に対応して出力された複数のグリッドデータを一つずつ選択してラッチ部52に順次出力する。なお、グリッドデータ線56−1〜56−mの符号の末尾の値と、グリッド電極14−1〜14−mの符号の値とは対応している。例えば、グリッドデータ線56−1で送信されるグリッドデータは、グリッド電極14−1に対応し、グリッドデータ線56−2で送信されるグリッドデータは、グリッド電極14−2に対応し、グリッドデータ線56−mで送信されるグリッドデータは、グリッド電極14−mに対応している。
【0044】
一方、上記ラッチ部52は、複数のラッチ回路52−1〜52−sが直列に接続されて構成されており、セレクタ部50からの出力される信号(以下、「セレクタ信号」という。)がハイ・レベルに相当する‘1’である度に最上流のラッチ回路52−1から順にハイ・レベルがラッチされていく。
【0045】
そして、上記ゲート部54は、最下流のラッチ回路52−sにハイ・レベルがラッチされている場合に、RAM24から入力されているグリッドデータのグリッドデータラッチ部28への出力を遮断し、ラッチ回路52−sにロー・レベルがラッチされている場合に限り、上記グリッドデータをグリッドデータラッチ部28へ出力する。
【0046】
このように、ラッチ部52に設けられたラッチ回路の数sは、グリッドデータのグリッドデータラッチ部28への出力および出力停止を切り換える閾値とされており、駆動用の電圧を同時に印加してもよいグリッド電極14の数の上限数より一つ多い数とする必要がある。
【0047】
次に、図4を参照して、本実施の形態に係るグリッドドライバ制限部26の具体的な回路構成を説明する。
【0048】
同図に示すように、本実施の形態に係るセレクタ部50は、デコーダ60、及びセレクタ回路61を備えている。
【0049】
本実施の形態に係るデコーダ60は、デューティカウンタ36から出力されたカウント値をデコードし、カウント値に対応したデコード信号を出力する。
【0050】
なお、本実施の形態に係るデコーダ60は、各々符号の末尾の値と同じ値のカウント値に対応したデコード信号を出力する出力端子66−0〜66−mが設けられており、出力端子66−0は、各ラッチ回路52−1〜52−s及びグリッドデータラッチ部28に接続され、出力端子66−1〜66mは、セレクタ回路61に接続されている。
【0051】
また、本実施の形態に係るデューティカウンタ36は、予め定められた周期のクロック信号が入力されるクロック信号入力端子、及びリセット信号が入力されるリセット信号入力端子を備えており、入力されるクロック信号に同期して、カウント値を出力端子からデコーダ60の入力端子へ出力する。
【0052】
一方、セレクタ回路61は、グリッド電極14の数mと同数の2入力とされたAND回路62−1〜62−m、及びm入力とされたOR回路64を備えている。
【0053】
AND回路62−1〜62−mの一方の入力端子は、符号の末尾の値が同じであるグリッドデータ線56−1〜56−mに接続され、他方の入力端子は、符号の末尾の値が同じであるデコーダ60の出力端子66−1〜66−mに接続されている。
【0054】
そして、AND回路62−1〜62−mの出力端子は、各々OR回路64の入力端子に個別に接続されており、AND回路62−1〜62−mの出力端子の少なくとも一つからハイ・レベルの信号が出力されると、OR回路64から出力される信号、すなわち、セレクタ信号は、ハイ・レベルとなる。一方、AND回路62−1〜62−mの全ての出力端子がロー・レベルとされていると、セレクタ信号は、ロー・レベルとなる。
【0055】
そして、OR回路64の出力端子は、ラッチ部52において最上流に位置されたラッチ回路52−1の入力端子に接続されており、セレクタ信号は、ラッチ回路52−1に入力される。
【0056】
次に、ラッチ回路52−1〜52−sの構成を説明する。
【0057】
ラッチ回路52−1は、一方の入力端子が負論理端子とされた2入力のAND回路70A,70B、2入力1出力のセレクタ回路72、及びD型フリップフロップ回路74を備えている。
【0058】
ラッチ回路52−1のAND回路70A,70Bの負論理端子には、デコーダ60の出力端子66−0が接続されている。そして、AND回路70Bの他方の入力端子には、OR回路64の出力端子が接続されている。さらに、AND回路70Aの出力端子は、セレクタ回路72の一方の入力端子に接続され、AND回路70Bの出力端子は、セレクタ回路72の他方の入力端子に接続されると共に、セレクタ回路72のセレクタ端子Sに接続されている。
【0059】
そして、セレクタ回路72の出力端子は、D型フリップフロップ回路74のD入力端子に接続されている。
【0060】
一方、D型フリップフロップ回路74の出力端子は、ラッチ回路52−2の入力端子に接続されると共に、AND回路70Aの負論理端子ではない入力端子に接続されている。なお、D型フリップフロップ回路74のクロック端子CKには、クロック信号が入力され、D型フリップフロップ回路74のリセット端子Rには、リセット信号が入力される。
【0061】
これにより、ラッチ回路52−1は、クロック信号が入力されると共に、セレクタ信号がハイ・レベルとなると、次のクロック信号が入力されたタイミングで、ハイ・レベルの信号をラッチ回路52−2へ出力する。なお、本実施の形態に係るラッチ回路52−1は、出力端子66−0からハイ・レベルの信号が入力された場合、又はリセット信号が入力された場合に、ラッチしている信号をクリアする。
【0062】
また、ラッチ回路52−2は、ラッチ回路52−1と同様に、AND回路70A、AND回路70C、セレクタ回路72、及びD型フリップフロップ回路74を備えている。
【0063】
ラッチ回路52−2のAND回路70Aの負論理端子には、デコーダ60の出力端子66−0が接続されている。AND回路70Cの一方の入力端子には、ラッチ回路52−1の出力端子が接続され、他方の入力端子には、クロック信号が入力される。AND回路70Aの出力端子は、セレクタ回路72の一方の入力端子に接続され、AND回路70Cの出力端子は、セレクタ回路72の他方の入力端子に接続されている。また、ラッチ回路52−2のセレクタ回路72のセレクタ端子Sには、ラッチ回路52−1のAND回路70Bの出力端子が接続されている。
【0064】
なお、ラッチ回路52−2のD型フリップフロップ回路74とセレクタ回路72等との接続関係は、ラッチ回路52−1のD型フリップフロップ回路74と同様であるので説明を省略する。
【0065】
また、ラッチ回路52−3〜52−sは、ラッチ回路52−2と同様の構成であり、最下流のラッチ回路52−sの出力端子、すなわち、ラッチ回路52−sが備えるD型フリップフロップ回路74の出力端子は、ゲート部54の入力端子に接続されている。
【0066】
次に、ゲート部54の構成を説明する。
【0067】
本実施の形態に係るゲート部54は、インバータ回路80、及びゲート回路82を備えている。
【0068】
本実施の形態に係るインバータ回路80の入力端子は、ラッチ回路52−sの出力端子と接続されており、ラッチ回路52−sから入力された信号を反転させた信号を、ゲート回路82へ出力する。
【0069】
本実施の形態に係るゲート回路82は、グリッド電極14の数mと同数の2入力とされたAND回路84−1〜84−mを備え、AND回路84−1〜84−mの一方の入力端子は、符号の末尾の値が同じであるグリッドデータ線56−1〜56−mに接続され、他方の入力端子は、インバータ回路80の出力端子に接続される。また、AND回路84−1〜84−mの出力端子は、グリッドデータラッチ部28に接続される。
【0070】
次に、図5を参照して、本実施の形態に係る表示装置10の作用として、本発明に特に関係する、蛍光表示部12により表示を行う際のグリッド電極14への駆動用の電圧の印加に関する部分の作用を説明する。なお、錯綜を回避するために、ここでは、ラッチ部52が4つのラッチ回路52−1〜52−4を有している場合について説明する。
【0071】
まず、制御部22は、クロック信号に同期してリセット信号をリセット時の状態(本実施の形態では、ロー・レベル)とする。これに応じて、デューティカウンタ36はクロック信号に同期して零からの計数(カウント)を開始する。
【0072】
次に、制御部22は、デューティカウンタ36による計数に同期させた状態で、RAM24からの蛍光表示部12による表示内容に応じたグリッドデータ(以下、「表示対象グリッドデータ」という。)の読み出し動作を開始させる。
【0073】
一方、セレクタ部50のデコーダ60は、デューティカウンタ36から入力されているカウント値に応じたデコード信号を出力する。これに応じて、各AND回路62−1〜62−mより、各々各グリッド電極14に個別に対応するグリッドデータ(以下、「個別グリッドデータ」という。)が、クロック信号に同期して1つずつ順次出力される。この結果、OR回路64からは、各グリッド電極14に対応する個別グリッドデータが、上記セレクタ信号としてクロック信号に同期した状態でシリアルに出力される。
【0074】
これに応じて、ラッチ部52では、セレクタ信号がハイ・レベルに相当する‘1’である度に最上流のラッチ回路52−1から順にハイ・レベルが各D型フリップフロップ回路74によりラッチされていき、最下流のラッチ回路52−4には、グリッドデータにおける、ハイ・レベルに相当する‘1’の数がラッチ回路の数と同数となった時点で、ハイ・レベルがラッチされることになる。
【0075】
一方、ゲート部54では、AND回路84−1〜84−mの一方の入力端子に対して対応する個別グリッドデータがRAM32から入力され、他方の入力端子にはラッチ部52における最下流のラッチ回路52−4から出力される信号がインバータ回路80を介して入力される。このため、ラッチ回路52−4から出力される信号がハイ・レベルとされている場合、すなわち、グリッド電極14に同時に印加される電圧の数がラッチ回路の数以上とされている場合に、グリッド電極14へのグリッドドライバ32による電圧の印加を遮断する。一方、ラッチ回路52−4から出力される信号がロー・レベルとされている場合、すなわち、グリッド電極14に同時に印加される電圧の数がラッチ回路の数未満とされている場合に、グリッド電極14へのグリッドドライバ32による電圧の印加が行われる。
【0076】
また、デューティカウンタ36が、オーバーフローした場合には、グリッドデータラッチ部28は、ゲート回路82を介して入力された表示対象グリッドデータをラッチし、D型フリップフロップ回路74−1〜74−4は、ラッチしている信号をリセットし、制御部22によって、RAM24から出力される表示対象グリッドデータが、次の表示対象グリッドデータに切り替えられる。
【0077】
例えば、RAM32に記憶されているグリッドデータが図5に示されるように‘10・・・001011’ (‘・・・’は、全て‘0’であり、最上位はmビット目。)である場合、グリッド電極14−1,14−2,14−5,14−mに対応する個別グリッドデータが、‘1’であるため、デューティカウンタ36が、‘1’,‘2’,‘5’,‘m’をカウントする度に、セレクタ信号がハイ・レベルとなる。そして、セレクタ信号がハイ・レベルとなる度に、最上流のラッチ回路52−1から順にラッチ回路52−4まで、ハイ・レベルの信号がラッチされる。
【0078】
そして、ラッチ回路52−4からハイ・レベルの信号が出力されると、インバータ回路80からは、ロー・レベルの信号が出力され、ゲート回路82に備えられているAND回路84−1〜84−mから出力される信号は全てロー・レベル(‘00・・・000000’)となる。
【0079】
そして、デューティカウンタ36がオーバーフローすると、グリッドデータラッチ部28は、ゲート回路82によって‘00・・・000000’とされた表示対象グリッドデータをラッチし、D型フリップフロップ回路74−1〜74−4は、ラッチしている信号をリセットし、制御部22によって、RAM24から出力される表示対象グリッドデータが、次の表示対象グリッドデータ‘00・・・000010’に切り替えられる。
【0080】
これにより、電圧が同時に印加されるグリッド電極14の数が4以上の場合に、当該電圧が同時に印加されるグリッド電極14の数を零とするので、表示装置10の大型化を招くことなく、駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる。
【0081】
(第2の実施の形態)
本第2の実施の形態では、同時に印加されるグリッド電極14の数とアノード電極16の数との和を予め設定された閾値未満とする形態について説明する。
【0082】
図6は、本第2の実施の形態に係るグリッドドライバ制限部26及びアノードドライバ制限部26’の回路構成を示す図である。なお、第1の実施の形態に係るグリッドドライバ制限部26と同様の構成には、同じ符号を付して説明を省略する。また、一例として、グリッド電極14の数が10で、アノード電極16の数が16の場合について説明する。
【0083】
本第2の実施の形態に係るアノードドライバ制限部26’は、RAM24のアノードデータを出力する出力端子に接続配線(以下、「アノードデータ線」という。)90−1〜90−16を介して接続されたセレクタ回路61’、及びラッチ部52’を備えている。
【0084】
なお、本第2の実施の形態に係るセレクタ回路61’は、2入力のAND回路92−1〜92−16、及びOR回路94が備えられ、AND回路92−1〜92−16の一方の入力端子は、符号の末尾の値が同じであるアノードデータ線90−1〜90−16に接続され、他方の入力端子は、デコーダ60の出力端子66−1〜66−16に接続されている。
【0085】
なお、本第2の実施の形態に係るラッチ部52’は、一例として、複数(本第2の実施の形態では、12)のラッチ回路52’−1〜52’−12が備えられ、ラッチ回路52’−6の出力端子は、ラッチ回路52’−7の入力端子に接続されると共に、グリッドドライバ制限部26に備えられたセレクタ部50のセレクタ回路61に接続されている。そして、ラッチ回路52’−12の出力端子は、セレクタ回路61に接続されている。
【0086】
一方、本第2の実施の形態に係るグリッドドライバ制限部26のセレクタ回路61は、AND回路62−1〜62−12が備えられ、AND回路62−1〜62−10の一方の入力端子は、符号の末尾の値が同じであるグリッドデータ線56−1〜56−10に接続され、他方の入力端子はデコーダ60の出力端子66−1〜66−10に接続されている。また、AND回路62−11の一方の入力端子は、ラッチ回路52’−6の出力端子に接続され、他方の入力端子はデコーダ60の出力端子66−17に接続されている。さらに、AND回路62−12の一方の入力端子は、ラッチ回路52’−12の出力端子に接続され、他方の入力端子はデコーダ60の出力端子66−18に接続されている。
【0087】
なお、本第2の実施の形態では、一例として、一つのグリッド電極14に電圧を印加することでコントローラドライバ20の電源配線に流れる電流を30mAとし、一つのアノード電極16に電圧を印加することでコントローラドライバ20の電源配線に流れる電流を5mAとし、コントローラドライバ20の駆動に用いる電源配線の電流許容値を150mA未満としている。このため、電圧を同時に印加できるグリッド電極14の最大数を4つとするために、グリッドドライバ制限部26のラッチ回路の数を5としている。
【0088】
以上の説明した構成により、アノードデータに‘1’が6以上あるとラッチ回路52’−6から出力される信号がハイ・レベルとなり、アノードデータに‘1’が12以上あるとラッチ回路52’−12から出力される信号がハイ・レベルとなる。これらの出力はデューティカウンタ36がカウント値‘17’,‘18’をカウントするタイミングでグリッドドライバ制限部26のセレクタ回路61で選択されるため、グリッドデータの‘1’の数と同様に扱われる。すなわち、電圧が同時に印加されるグリッド電極14とアノード電極16の和が、予め設定された閾値未満に制限される。
【0089】
そして、6つのアノード電極16に電圧を同時に印加すると共に、4つのグリッド電極14に電圧を同時に印加する場合は、ゲート回路92から出力される信号が全てロー・レベルとなり、グリッドドライバ32による、グリッド電極14への電圧の印加が制限される。また、12のアノード電極16に電圧を同時に印加すると共に、3つのグリッド電極14に電圧を同時に印加する場合にも、ゲート回路92から出力される信号が全てロー・レベルとなり、グリッドドライバ32による、グリッド電極14への電圧の印加が制限される。
【0090】
以上、本発明を上記各実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施の形態に記載の範囲には限定されない。
【0091】
例えば、上記各実施の形態では、同時に電圧を印加するグリッド電極14やアノード電極16の数の制限のみを実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該制限に加えて、当該制限を実行したことを報知する形態としてもよい。この場合は、より利便性を向上させることができる。
【0092】
また、上記各実施の形態では、上記制限として、同時に電圧を印加するグリッド電極14やアノード電極16の数を零とする制限を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、同時に電圧を印加するグリッド電極14やアノード電極16の数を1以上で、かつ予め設定された閾値未満の数とする形態としてもよい。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0093】
また、上記第1の実施の形態では、上記制限の対象をグリッド電極14のみとし、上記第2の実施の形態では、上記制限の対象をグリッド電極14およびアノード電極16の双方とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、上記制限の対象をアノード電極16のみとする形態としてもよい。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0094】
また、上記第2の実施の形態では、同時に電圧が印加されるグリッド電極14の数とアノード電極16の数の和が予め設定された閾値以上である場合にグリッド電極14に印加される電圧のみを遮断する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、この場合にグリッド電極14及びアノード電極16の双方に印加される電圧を遮断する形態としてもよい。この場合、より確実に駆動に用いる電源配線に対する過大な負荷の発生を防止することができる。
【0095】
また、上記各実施の形態では、グリッドドライバ制限部26およびアノードドライバ制限部26’を、セレクタ部、ラッチ部、およびゲート部により構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、同時に電圧が印加されるグリッド電極14およびアノード電極16の少なくとも一方の数が制限できる構成であれば、如何なる構成を適用してもよいことは言うまでもない。
【0096】
また、上記各実施の形態では、本発明をハードウェアにより実現した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明はソフトウェアにより実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアの双方の組み合わせにより実現する形態としてもよい。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0097】
14 グリッド電極
16 アノード電極
20 コントローラドライバ(蛍光表示管用駆動装置)
26 グリッドドライバ制限部(制限手段)
26’ アノードドライバ制限部(制限手段)
32 グリッドドライバ(印加手段)
34 アノードドライバ(印加手段)
52−1〜52−s ラッチ回路
54 ゲート部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のグリッド及び複数のアノードを有する蛍光表示管に設けられた各々対応する前記グリッドに接続されている複数のグリッド電極、及び各々対応する前記アノードに接続されている複数のアノード電極に駆動用の電圧を印加する印加手段と、
前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数を予め設定された第1の閾値未満とする制限、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記アノード電極の数を予め設定された第2の閾値未満とする制限、及び前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数と前記アノード電極の数との和を予め設定された第3の閾値未満とする制限の少なくとも一つの制限を行う制限手段と、
を備えた蛍光表示管用駆動装置。
【請求項2】
前記蛍光表示管による表示内容に応じて前記グリッド電極及び前記アノード電極への電圧の印加の要否を示す要否情報が予め記憶された記憶手段を更に備え、
前記制限手段は、前記記憶手段に記憶された前記要否情報に基づいて前記少なくとも一つの制限を行う
請求項1記載の蛍光表示管用駆動装置。
【請求項3】
前記制限手段は、前記要否情報に基づいて、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数が前記第1の閾値以上の場合に、当該電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数を零とする制限、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記アノード電極の数が前記第2の閾値以上の場合に、当該電圧が同時に印加される前記アノード電極の数を零とする制限、及び前記和が前記第3の閾値以上の場合に、当該電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数及び前記アノード電極の数を零とする制限の少なくとも一つの制限を行う
請求項2記載の蛍光表示管用駆動装置。
【請求項4】
前記制限手段は、
前記記憶手段に記憶された前記要否情報から、当該制限手段により制限対象とする前記グリッド電極及び前記アノード電極の少なくとも一方に対応する要否情報を一つずつ選択するセレクタ部と、
直列に接続された当該制限手段により用いられる前記閾値と同数のラッチ回路を備え、前記セレクタ部により選択された要否情報が電圧を印加することを示す情報である度に最上流の前記ラッチ回路から順に予め定められた値がラッチされていくラッチ部と、
前記ラッチ部の最下流の前記ラッチ回路に前記予め定められた値がラッチされている場合に当該制限手段により制限対象とする前記グリッド電極及び前記アノード電極の少なくとも一方への前記印加手段による前記電圧の印加を遮断するゲート部と、
を有する請求項3記載の蛍光表示管用駆動装置。
【請求項5】
前記第1の閾値、前記第2の閾値、及び前記第3の閾値は、前記印加手段の駆動に用いる電源配線の電流許容値に応じて予め定められた数である
請求項1〜請求項4の何れか1項記載の蛍光表示管用駆動装置。
【請求項6】
前記第1の閾値は、前記グリッド電極に電圧を印加することによって前記電源配線に流れる電流の大きさに基づいて予め定められた数であり、
前記第2の閾値は、前記アノード電極に電圧を印加することによって前記電源配線に流れる電流の大きさに基づいて予め定められた数であり、
前記第3の閾値は、前記グリッド電極及び前記アノード電極に電圧を印加することによって前記電源配線に流れる電流の大きさに基づいて予め定められた数である
請求項5記載の蛍光表示管用駆動装置。
【請求項7】
前記制限手段は、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数が前記第1の閾値以下、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記アノード電極の数が前記第2の閾値以下、及び前記和が前記第3の閾値以下の場合は、前記制限を行わない
請求項1〜請求項6の何れか1項記載の蛍光表示管用駆動装置。
【請求項8】
前記蛍光表示管は、複数の前記グリッドに跨って画像を表示するように構成されている請求項1〜請求項7の何れか1項記載の蛍光表示管用駆動装置。
【請求項9】
複数のグリッド及び複数のアノードを有する蛍光表示管に設けられた各々対応する前記グリッドに接続されている複数のグリッド電極、及び各々対応する前記アノードに接続されている複数のアノード電極に駆動用の電圧を印加する印加回路を備えた蛍光表示管の駆動方法であって、
前記印加回路により前記電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数を予め設定された第1の閾値未満とする制限、前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記アノード電極の数を予め設定された第2の閾値未満とする制限、及び前記印加手段により前記電圧が同時に印加される前記グリッド電極の数と前記アノード電極の数との和を予め設定された第3の閾値未満とする制限の少なくとも一つの制限を行う、
駆動方法。
【請求項10】
前記第1の閾値、前記第2の閾値、及び前記第3の閾値は、前記印加回路の駆動に用いる電源配線の電流許容値に応じて予め定められた数である請求項9記載の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−107338(P2011−107338A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261136(P2009−261136)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(308033711)OKIセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】