説明

血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステム

【課題】血液中のウイルス及びサイトカインを同時に、かつ効率的に除去可能なシステムを提供する。
【解決手段】第1導管202、第1導管202に接続された血漿分離器203、及び血漿分離器203に接続された第2導管204を含む血液流路と、日本脳炎ウイルスの対数減少率が1以上である膜型のウイルス除去器206、及び血漿分離器203の濾液出口に一端が接続され、他端がウイルス除去器206の血漿入口に接続された第3導管207を含む第1の血漿流路と、サイトカイン吸着器208、及びウイルス除去器206の濾液出口に一端を接続され、他端がサイトカイン吸着器208の血漿入口に接続された第4導管209を含む第2の血漿流路と、サイトカイン吸着器208の血漿出口に一端が接続され、他端が第2導管204に接続された第5導管210を含む第3の血漿流路と、を備えるシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウイルスに感染した動物の血流中にウイルスが侵入し、全身へ移動する状態をウイルス血症と呼ぶ。この状態になるとウイルスは、そのウイルスと親和性のある臓器の宿主細胞で益々増殖することになる。感染した動物の体内では、ウイルスに対抗するため免疫担当細胞が働き、種々のサイトカインを出したり、そのウイルスに対する抗体を産生する準備を始めたりする。しかしながらウイルスの増殖速度が速く、抗体の効果がまだ出ないうちにウイルスが増えた場合、本来局所で働くべきサイトカインが血液中に過剰に増えて臓器に障害を与え、多臓器不全を起こすことがある。サイトカインは、本来は免疫作用として生体を守るべき役割を持った物質であるが、免疫系が活発に働き、サイトカインが過剰に増えた場合は、逆に動物の血管壁や様々な臓器に障害を与え、気道閉塞、脳症、多臓器不全という重篤な症状を起こしてしまう。
【0003】
血液からウイルスを除去する方法には、ウイルスを吸着する性質を持った吸着材に血液を接触させて、ウイルスを吸着除去する方法(例えば、特許文献1参照。)がある。また、C型肝炎患者の血液から血漿分離膜を用いて血漿を採取した後、C型肝炎ウイルスを透過しない孔径の膜で血漿を更に濾過し、濾過後の血漿を血球に富む血液と混合して患者に返血する、いわゆる二重濾過血漿交換を用いる方法もある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
また、血液からではないが、血漿分画製剤や抗体医薬からウイルスを除去する方法として、濾過膜でウイルスを濾別する方法も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
更にウイルスを不活化する方法としては、薬剤を用いたり、pHを極端な酸性にしたりする方法もあるが、薬剤残留、血液変性などの問題を解決しなくてはならない。
【0006】
血液からサイトカインを除去する方法には、サイトカインを吸着する材料に血液を接触させてサイトカインを吸着除去する方法(例えば、特許文献4、及び特許文献5参照。)がある。また、血漿分離器により患者の血漿を分離して捨て、新鮮凍結血漿、アルブミン等の補充液を患者に輸注する、いわゆる単純血漿交換による方法、細菌感染によって引き起こされる敗血症患者の高サイトカイン血漿に対し、サイトカインの除去を目的に持続的血液透析濾過(CHDF)を行なう方法(例えば、非特許文献1参照。)もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−190276号公報
【特許文献2】特開2005−230165号公報
【特許文献3】特開平04−371221号公報
【特許文献4】国際公開2003/055545号パンフレット
【特許文献5】特開2007−202634号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】日本アフェレシス学会雑誌23巻1号:7−14頁、2004年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
患者の血液から、ウイルスとサイトカインとの両方を同時に除去しようという新たな課題を設定して従来の技術を組み合わせる場合、種々の方法が考えられる。
【0010】
本出願人は、先に、図1に示すような、膜型の血漿分離器3、膜型のウイルス除去器6、及び膜型のサイトカイン除去器8を用いた血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステムを出願した(特願2008−314265)。このシステムは、血液から血漿分離器3により血漿を分離し、この血漿をウイルス除去器6で全濾過し、ウイルスを除去した後の血漿からサイトカインをサイトカイン除去器8を用いて濾液として除去し、水分は補液で補うようにしたシステムである。このシステムは、持続的に血液からウイルス及びサイトカインを除去するのに向いているが、このシステムの使用時にはポンプを3台用いる必要がありうるので、各ポンプのコントロールを慎重に行なう必要がある。また、補液を必要としうる点、及びサイトカインの除去スピードに限界がありうる点に改善の余地がある。
【0011】
サイトカインの除去を膜型のフィルターに替えて吸着型のフィルターとした場合、図2に示すような特許文献5の吸着型のサイトカイン除去器101が、全血が流れる流路に組み込まれる。この場合、吸着型のサイトカイン除去器101は、血漿分離器102の上流側に設置しても、下流側に設置しても良いが、図2では上流側に設置した例を示している。そして、サイトカイン除去器101で血液中の白血球とサイトカインが除去され、血漿分離器102により全血から分離された血漿がウイルス除去器103で濾過され、ここでウイルスを除去された血漿が、再度血液に合流される。このシステムは、全血を流す流路にサイトカイン除去器101が設置されるため、血液凝固による流れ抵抗の上昇、及び血小板等血球の付着によるサイトカイン吸着性能の低下等が懸念される。さらに、血球を流せるだけの大きな孔径が必要なため、吸着表面積が小さい(吸着容量が少ない)等の欠点も懸念される。
【0012】
特許文献4のサイトカイン吸着材は、どのようなシステム、装置を用いて使用されるのかが明細書に記載されていないので、サイトカイン吸着器が全血の流れる流路に設置されるのか不明であるし、全血の流れる流路に設置されるとしても、血漿分離器の上流側に設置されるのか下流側に設置されるのかが不明である。あるいは、サイトカイン吸着器が血漿が流れる流路に設置されるとしても、ウイルス除去フィルターが使用される場合、サイトカイン吸着器がウイルス除去フィルターの上流側に設置されるのか下流側に設置されるのかが不明である。いずれにしても、特許文献4には、ウイルスとサイトカインとを同時に除去しようとする技術思想がないので、そのシステムについては、記載も示唆もない。
【0013】
上記した問題点に鑑み、本発明の課題は、血液中のウイルス及びサイトカインを同時に、かつ高率に除去でき、使用方法が簡便かつ安全な、血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、患者からの血液を先ず膜型の血漿分離器に導入して濾液として血漿を得、この血漿を膜型のウイルス除去器で濾過してウイルスを除去し、ウイルスが除かれた血漿をサイトカイン吸着器に導入して、ここでサイトカインを吸着除去し、ウイルスとサイトカインとが除去された血漿を、血漿分離器から血漿とは別途導出された血球が濃縮された血液に合流させて患者に返血するシステムを発明するに到った。
【0015】
当該システムによれば、ウイルスとサイトカインとを同時に除去することが可能となる。また、サイトカイン吸着器が血漿流路側にあるので血液凝固の心配が少ない。さらに、サイトカイン吸着器が膜型ウイルス除去器の下流側にあるため、高分子量蛋白等の混入が少ない血漿がサイトカイン吸着器に導入され、サイトカイン吸着器のサイトカイン吸着が阻害されない。さらにまた、サイトカイン吸着器が膜型のウイルス除去器の下流側にあるため、ウイルス除去器が目詰まりを起こした場合も、サイトカイン吸着器の圧力が上昇しにくく安全である。
【0016】
また特許文献5のように血球を流すための隙間を作る必要がないので吸着表面積を大きくすることができる。さらに、ウイルス除去器で高分子量の血液凝固因子をある程度除かれた血漿を精製可能であるので、血漿が導入されるサイトカイン吸着材に導入できる官能基のバリエーションも増える。さらにまた、膜型のサイトカイン除去器ではなくサイトカイン吸着器を使用したので、サイトカインの除去速度が速く、補液が不要で、サイトカイン濾過用のポンプが不要となる。したがって、必要なポンプは2台となり、ポンプのコントロールが容易で安全な構成となる。
【0017】
即ち本発明の態様は、血液導入口、第1導管、血球と血漿とを分離する膜型の血漿分離器、第2導管、及び血液導出口がこの順に接続された血液流路と、日本脳炎ウイルスの対数減少率(LRV:Log Reduction Value)が1以上である膜型のウイルス除去器、及び血漿分離器の濾液出口に一端が接続され、他端がウイルス除去器の血漿入口に接続された第3導管を有する第1の血漿流路と、サイトカイン吸着器、及びウイルス除去器の濾液出口に一端を接続され、他端がサイトカイン吸着器の血漿入口に接続された第4導管を備える第2の血漿流路と、サイトカイン吸着器の血漿出口に一端が接続され、他端が第2導管に接続された第5導管と、を備える、血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステムであることを要旨とする。
【0018】
なお、ウイルス除去器の血漿入口とは反対側の端に血漿出口を有していてもよい。また、第4導管の途中に気体除去機構を有していてもよい。さらに、サイトカイン吸着器に内蔵されるサイトカイン吸着材が水に不溶な担体にポリアミンを固定化したサイトカイン吸着材であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステムを用いることにより、血液中のウイルス及びサイトカインを同時に、かつ高率に除去でき、使用方法が簡便かつ安全となる。本発明に係る血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステムを利用することにより、ウイルス感染に起因するウイルス血漿、それに付随するサイトカインストーム(高サイトカイン血症)により発病した患者の血液からウイルスとサイトカインの両方を同時に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】血液から血漿分離器により血漿を分離し、この血漿をウイルス除去器で全濾過し、ウイルスを除去した後の血漿からサイトカインを濾液として除去し、水分は補液で補うようにしたシステムを示す模式図である。
【図2】サイトカイン除去器で血液中の白血球とサイトカインが除去され、血漿分離器により全血から分離された血漿がウイルス除去器で濾過され、ここでウイルスを除去された血漿が、再度血液に合流されるシステムを示す模式図である。
【図3】本実施の形態に係る、血液から血漿分離器により血漿を分離し、この血漿をウイルス除去器で全濾過し、ウイルスを除去した後の血漿からサイトカインを吸着器により除去するシステムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態(以下において、「本実施の形態」という。)を説明する。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0022】
本実施の形態に係る、血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステムは、図3に示すように、血液導入口201が設けられた第1導管202、第1導管202に接続され、血球と血漿とを分離する膜型の血漿分離器203、及び血漿分離器203に接続され、血液導出口205が設けられた第2導管204を含む血液流路と、日本脳炎ウイルスの対数減少率(LRV:Log Reduction Value)が1以上である膜型のウイルス除去器206、及び血漿分離器203の濾液出口に一端が接続され、他端がウイルス除去器206の血漿入口に接続された第3導管207を含む第1の血漿流路と、サイトカイン吸着器208、及びウイルス除去器206の濾液出口に一端を接続され、他端がサイトカイン吸着器208の血漿入口に接続された第4導管209を含む第2の血漿流路と、サイトカイン吸着器208の血漿出口に一端が接続され、他端が第2導管204に接続された第5導管210を含む第3の血漿流路と、を備える。
【0023】
本実施の形態で対象とするウイルスは、哺乳動物に感染し、ウイルス血漿及び高サイトカイン血症を引き起こし得るウイルスであり、狂犬病ウイルス、スペイン風邪ウイルス、インフルエンザウイルス等の比較的粒子径の大きいウイルスが例示できるが、この限りではない。ウイルスは変異を起こし易いので、既知のウイルスに限らず、例えば強毒性鳥インフルエンザウイルスの変異型のような変異したウイルスも本実施の形態が対象とするウイルスに含まれる。また、黄色ブドウ球菌のような細菌感染でも高サイトカイン血症になり得るが、本実施の形態においては、ウイルスを除去対象とする。
【0024】
本実施の形態でいうサイトカインとは、免疫応答、炎症反応、造血系などの生態防御に重要な役割を果たしており、更には内分泌系や神経系などにも作用する生理活性物質であり、生体の高次構造を維持するための重要な因子である。例えば、インターロイキン類(IL−1〜7、IL−9〜13)、ケモカイン(IL−8、GRO−α〜γ、MCP−1〜4等)、造血因子(エリスロポエチン等)、コロニー刺激因子(GM−CSF、G−CSF等)、腫瘍壊死因子(TNF)、インターフェロン(IFN)等が例示できる。
【0025】
本実施の形態でいう図3に示す血液導入口201とは、患者の静脈または動脈に穿刺されるカテーテルに接続される部分のことをいい、オス型のコネクタ、ルアーコネクタ等が例示できる。
【0026】
本実施の形態でいう第1乃至第5導管202,204,207,209,210とは、液体を送液できるチューブのことをいい、ローラーポンプ、ペリスタポンプ、しごきポンプ等に装着できるポンプへの装着部分を有することができる。塩化ビニルチューブ、シリコンチューブ等が使用できる。
【0027】
本実施の形態でいう血漿分離器203とは、全血を濾過することにより、全血を血球に富む成分と血漿とに分離できる血漿分離膜を容器に充填し、血漿分離膜を隔壁として、容器を二室に隔てたものである。血漿分離膜としては、分離能の観点から、孔径が0.1〜0.8μm程度、より好ましくは0.1〜0.4μm程度、最も好ましくは0.2〜0.3μm程度の親水化ポリエチレン多孔質膜、セルロースアセテート多孔質膜、ポリスルホン多孔質膜、及びポリエーテルスルホン多孔質膜等が用いられる。疎水性の素材を用いている多孔質膜については親水性を付与するため、親水性ポリマーをブレンドしたり、親水性ポリマーをコーティングしたりして、血小板の付着や蛋白質の吸着を少なくする工夫がなされる。血漿分離膜の孔径が小さすぎるとウイルスの透過性が悪くなり、大きすぎると溶血を起こしやすくなる傾向にある。血漿分離膜は血液の濃縮斑が起り難い点、容器の大きさに比べて膜面積を大きくできる点等から、平膜よりも中空糸膜が好ましい。筒状容器の長手方向に沿って中空糸膜束を充填し、中空糸膜束の両端部に於いて中空糸膜の外側と筒状容器内側との間を接着し、中空糸膜の内側の空間を血液室、中空糸膜の外側と筒状容器の内壁との間にできる空間を濾液室とし、中空糸膜束の一端側に血液入口を設け、他端側に血液出口を設け、濾液室に通じる位置に濾液出口を設けておくのが好ましい。血漿分離器は、数社から市販されているので、これらを利用することもできる。
【0028】
本実施の形態でいう血液導出口205とは、患者の静脈に穿刺された返血用のカテーテルまたは注射針に接続される部分のことをいい、オス型のコネクタ、ルアーコネクタ等が例示できる。
【0029】
本実施の形態でいうウイルス除去器206とは、血漿分離器203で濾過された血漿を濾過することにより血漿中のウイルスを除去し、濾過されウイルスを除去された血漿を濾液として得られるウイルス除去膜を容器に充填し、ウイルス除去膜を隔壁として、容器を二室に隔てたものである。ウイルス除去膜としては、ウイルス除去能の観点から、平均孔径が45〜60nm程度のエチレンビニルアルコール、セルロースアセテート、親水化剤を含むポリスルホン、親水化剤を含むポリエーテルスルホン、親水化したポリフッ化ビニリデン等の多孔質膜が用いられる。ウイルス除去膜は、容器の大きさに比べて膜面積を大きくできることから、平膜よりも中空糸膜が好ましい。筒状容器の長手方向に沿って中空糸膜束を充填し、中空糸膜束の両端部に於いて中空糸膜の外側と筒状容器内側との間を接着し、中空糸膜の内側の空間を血漿入口室、中空糸膜の外側と筒状容器の内壁との間にできる空間を濾液室とし、中空糸膜束の一端側に血漿入口を設け、濾液室に通じる位置に濾液出口を設けておくのが好ましい。また、本実施の形態でいうウイルス除去器206としては、血漿成分分画フィルターとして市販されているフィルターを用いることもできる。さらに、ウイルス除去器206の血漿入口とは反対側の端に血漿出口を設け、空気抜きや、血漿のフラッシュ口として用いると操作性が良くなる。ウイルス除去器206の日本脳炎ウイルス(大きさ45〜60nm)のLRVは、1以上あることが必要である。LRVの値は大きいほどウイルスの除去性能が高いことを意味し、好ましいが、あまりウイルス除去膜の孔径を小さくしてしまうとタンパク質の透過性が悪くなる傾向にある。ウイルスの除去能と、タンパク質の透過性の観点から、好ましいLRVの範囲は、1〜4の範囲、より好ましくは1〜3の範囲、更に好ましくは1〜2の範囲である。
【0030】
ここでウイルス除去膜の平均孔径およびLRVの測定方法について述べておく。
【0031】
平均孔径は、以下の方法で算出する。10本の中空糸膜を束ね、1本毎の有効長さが16cmになるようにモジュールを作成する。このモジュールの一端を閉じ、反対の他端から200mmHgの圧力をかけ、温度37℃の水を通す。このとき、この中空糸膜モジュールを通して出てくる水の量を透水量として測定する。そうして、式(1)より平均孔径2rを算出する。
【数1】

2r ;平均孔径 (nm)
Kw ;定数(2.0)
V ;透水量 (mL/min)
d ;中空糸膜の膜厚 (μm)
μ ;水の粘度 (cp)
p ;圧力差 (mmHg)
A ;膜面積 (cm
Pr ;空孔率 ( % )
【0032】
空孔率Pr は、以下の方法で算出する。中空糸膜の内径、膜厚、長さ、絶乾重量より、見掛け密度ρを求め、式(2)より空孔率を求める。
ρ=W/V
【0033】
=4W/π・l(D−D
=(1−ρ/ρ)×100 ・・・・(2)
;空孔率 ( % )
;中空糸膜の絶乾重量 ( g )
;中空糸膜の体積 (cm
l ;中空糸膜の長さ (cm )
;中空糸膜の外径 (cm )
;中空糸膜の内径 (cm )
ρ;膜材料の密度 (g/cm
【0034】
LRVは、以下のように測定する。日本脳炎ウイルスは、Perkin株から調整し、ろ過前とろ過後のその力価は、BHK−21細胞を用いてTCID50で測定した。元液の力価は、1010.5TCID50(mL−1)であった。ここで、TCID50(50%感染終末点)法とは、ウイルスの感染量の測定法である。まず、測定するウイルス液を10倍段階希釈し、各希釈液を一定数以上の細胞に接種し、一定期間培養し、ウイルスによる細胞変性効果(CPE)が認められる細胞を陽性とし、認められないものを陰性とする。各希釈液における陽性細胞の出現率を、対数プロットし、50%陽性を示す希釈率をTCID50とする。この計算には、Reed−Muenchの方法を用いた。LRVは、以下の式(3)で計算する。日本脳炎ウイルスをウイルス除去性能の指標として用いた理由は、ウイルスとして平均的な大きさを有しており、大量の血漿を全濾過する場合に、ウイルスが小さくなるほどウイルス除去膜も孔径を小さくしなければならないので目詰まりを起こし易くなるが、目詰まりが避けられる程度の大きさのウイルスであるからである。
【0035】
LRV=1og10(N/N) ・・・・(3)
;ろ過前の元液中のウイルスの力価
;ろ過後の濾液中のウイルスの力価
【0036】
本実施の形態でいう図3に示すサイトカイン吸着器208とは、サイトカインを選択的に吸着するサイトカイン吸着材を血漿入口と血漿出口を有する容器に充填した吸着器のことをいい、アルブミン、免疫グロブリン等の有用蛋白質を吸着し難くサイトカインを吸着し易いサイトカイン吸着材に血漿が流れるようになっており、サイトカイン吸着材が流出しないように容器内に保持されているものである。
【0037】
サイトカイン吸着材としては、水に不溶な担体に親水性アミン残基やlogP(Pはオクタノール−水系での分配係数)が2.5以上の化合物を固定した吸着材が例示でき、公知のサイトカイン吸着材を使用することができる。ポリ−L−リジン、ポリエチレンポリアミンなどのポリアミンを固定化したサイトカイン吸着材が特に好ましい。水に不溶な担体としては、繊維状、中空糸状、ビーズ状、不織布、織布、多孔質体、等の種々の形態をとり得るが、吸着表面積を大きくでき、血漿の流れ抵抗を小さくできる形態を選ぶことが好ましい。水に不溶な担体の材質は、無機、有機を問わず用いることができるが、担体の形状を自由に選択することができる材質が好ましい。例示すると、セルロース、架橋セルロース、架橋ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等が例示できる。血漿との濡れ性を良くする為に、疎水性ポリマーの場合は、親水性ポリマーをブレンドしたり、成型後に親水化処理したりすることもできる。担体自体がサイトカインの吸着選択性を持っていても良い。また多孔質体を用いる場合は、排除限界分子量を吸着しようとするサイトカインの分子量よりも大きくしておき、吸着しようとするサイトカインが吸着できる細孔径の孔容量を最大限にしておくと良い。排除限界分子量を、サイトカインは細孔内に入れるが、免疫グロブリン、アルブミン等は細孔内に入り難い分子量に設定することもサイトカインの吸着選択性を向上させるためには好ましい。水に不溶な担体にサイトカイン吸着性の残基や化合物を固定する方法には、コーティング、グラフト、物理化学的結合などがあるが、共有結合させる方法が最も好ましい。サイトカイン吸着材は、サイトカインを選択的に吸着し、サイトカイン以外の有用物質、特にアルブミンや免疫グロブリンを吸着し難いことが好ましい。
【0038】
次に、本実施の形態に係る図3に示す血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステムの使用方法について述べる。
【0039】
患者からの血液は、血液導入口201から第1導管202上に取り付けられた血液ポンプ(図示せず)により血漿分離器203に送られ、ここで血球に富む血液成分と血漿とに分離される。血漿分離器203で分離された血漿は、第3導管207上に取り付けられた血漿ポンプ(図示せず)により、第3導管207を通してウイルス除去器206に送られる。血漿はウイルス除去器206のウイルス除去膜で全濾過されてウイルスを除去される。ウイルスを除去された血漿は、ウイルス除去器206の血漿出口から第4導管209を通してサイトカイン吸着器208の血漿入口からサイトカイン吸着器208に送られる。血漿は、サイトカイン吸着器208でサイトカインを吸着除去され、サイトカインを除去された血漿はサイトカイン吸着器208の血漿出口、第5導管210を通して第2導管204に送られ、血漿分離器203から導出された血球に富む血液成分と混合され、第2導管4、血液導出口5を通して患者に返血される。
【0040】
本実施の形態で使用される血液ポンプ、血漿ポンプは、夫々の導管が外付けで装着できるタイプ、例えばローラーポンプ、フィンガーポンプ等が使用でき、ローラーポンプが好ましい。
【0041】
本実施の形態に係る血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステムを使用して血液の体外循環治療を行なう際には、血液の凝固を防止するため、血液の抗凝固剤を使用する。実際には、第1導管202に抗凝固剤を注入する分岐回路を設け、定量ポンプにより抗凝固剤を注入する。用いられる抗凝固剤としては、ヘパリン、低分子ヘパリン、メシル酸ナファモスタット、メシル酸ガベキセート、クエン酸、等が使用できる。
【0042】
また、ウイルス除去器206の血漿入口とは反対側の端に血漿出口211を設けておくと、システム全体をプライミングするときの空気抜きや、ウイルス除去膜が目詰まりを起こしてきた時に高分子タンパク質の濃縮層を洗い流して取り除いてやる、いわゆるフラッシュ作業をするのに便利である。
【0043】
さらにサイトカイン吸着器208の血漿入口側の第4導管209にドリップチャンバー、分岐管等の気体除去機構212を取り付けておくとプライミング時や、気泡混入の場合に気体を取り除く作業をするのに便利である。
【0044】
上述したように、本実施の形態では、患者からの血液を先ず膜型の血漿分離器203に導入して濾液として血漿を得、この血漿を膜型のウイルス除去器206で濾過してウイルスを除去し、ウイルスが除かれた血漿をサイトカイン吸着器208に導入して、ここでサイトカインを吸着除去し、ウイルスとサイトカインとが除去された血漿を血漿分離器203から導出される血球が濃縮された血液に合流させて患者に返血するシステムにすることにより、ウイルスとサイトカインとを同時に除去できる。そしてサイトカイン吸着器208が血漿流路側にあるので、白血球とサイトカインとを除去する吸着器を血液流路側に設置するシステムで生じうる、サイトカイン吸着器に血小板が付着して血液が凝固し、圧力上昇や溶血が起きるという現象が生じにくい。また、本実施の形態では、サイトカイン吸着器208が膜型ウイルス除去器206の下流側にあるため、サイトカイン吸着器208には高分子量蛋白等の混入が少ない血漿が導入される。したがって、サイトカイン除去器がウイルス除去器の上流側にあるシステムで生じうる、サイトカイン吸着器のサイトカイン吸着が阻害されるとういう現象が生じにくい。また、本実施の形態では、サイトカイン吸着器208が膜型のウイルス除去器206の下流側にあるので、ウイルス除去器206が目詰まりを起こしたとしても、サイトカイン吸着器208の圧力が上昇しにくく安全である。サイトカイン吸着器がウイルス除去器の上流側にある場合、ウイルス除去器が目詰まりを起こすと、サイトカイン吸着器まで圧力が上がってしまい、安全とはいえない。
【0045】
また本実施の形態では、サイトカイン吸着器208に血漿を流すので、特許文献5のようにサイトカイン吸着器のサイトカイン吸着材に血球を流すための隙間を作る必要がない。そのため、同じ体積でもサイトカイン吸着材の吸着表面積を大きくすることができる。即ち、本実施の形態では、特許文献5のシステムと比較してサイトカイン吸着器208の吸着容量を大きくできる。さらにウイルス除去器206で高分子量の血液凝固因子等をある程度除かれた血漿がサイトカイン吸着器208に導入されるので、蛋白凝集が抑制でき、サイトカイン吸着材に導入できる官能基のバリエーションも増える。例えばより強い電荷を持つ官能基を導入することも可能となるので、サイトカインをより選択的に大量に吸着することが可能となる。また膜型のサイトカイン除去器ではなくサイトカイン吸着器208を使用したのでサイトカインの除去速度が速く、補液が不要である。さらにはサイトカイン濾過用のポンプが不要になるので必要なポンプは2台となりポンプのコントロールが容易で安全な構成となる。
【0046】
以下、実施例により本実施の形態をより詳細に説明する。以下の実施例、比較例は、臨床の10分の1スケールを想定して実施した。
【実施例1】
【0047】
(血漿分離器)
血漿分離膜として内径330μm、膜厚50μm、平均孔径0.3μmのエチレンビニルアルコールで親水化したポリエチレン中空糸を用いた。筒状容器の長手方向に沿って中空糸膜束を充填し、中空糸膜束の両端部に於いて中空糸膜の外側と筒状容器内側との間をウレタンで接着し、図3に示すような血漿分離器203を得た。中空糸膜の内側の空間を血液室、中空糸膜の外側と筒状容器の内壁との間にできる空間を濾液室とし、中空糸膜束の一端側に血液入口を設け、他端側に血液出口を設け、濾液室に通じる位置に濾液出口を設けた。有効膜面積は、0.05mとした。
【0048】
(ウイルス除去器)
ウイルス除去膜として、内径330μm、膜厚35μm、平均孔径50nmのセルロース中空糸膜を用いた。筒状容器の長手方向に沿って中空糸膜束を充填し、中空糸膜束の両端部に於いて中空糸膜の外側と筒状容器内側との間を接着し、図3に示すようなウイルス除去器206を得た。中空糸膜の内側の空間を血漿室、中空糸膜の外側と筒状容器の内壁との間にできる空間を濾液室とし、中空糸膜束の一端側に血漿入口を設け、濾液室に通じる位置に濾液出口を設けた。膜面積は、0.2mとした。ここで用いた中空糸膜の日本脳炎ウイルスのLRVは、前記した方法で測定したところ、2.1(除去率として99.2%)であった。
【0049】
(サイトカイン吸着器)
サイトカイン吸着材としては、以下の手順で製造されたポリ−L−リジン固定化ポリビニルアルコールゲルを用いた。
【0050】
担体として架橋ポリビニルアルコールゲル(架橋度0.35、平均粒子径130μm、単位重量あたりのビニルアルコール単位(qOH)9.8meq/g、比表面積82m/g、デキストランによる排除限界分子量8万)10g(乾燥重量)をジメチルスルホキシド120mL中に懸濁し、これにエピクロルヒドリン78.3mL、30%水酸化ナトリウム10mLを加え、30℃で5時間乾燥しながら活性化反応を行ない、反応後ジメチルスルホキシドで洗浄し、水洗し、吸引脱水し、活性化担体を得た。次に得られた活性化担体をポリ−L−リジン(数平均分子量2400)2.5gを含む0.1M炭酸バッファー(pH9.8)160mL中に懸濁し、50℃で14時間、攪拌しながら固定化反応を行ない、その後60.6mg/mLのトリス(ヒドロキシエチル)アミノメタン溶液33mLを加え、さらに50℃で5時間、ブロッキング反応(残存活性基をブロックする)を行ない、この後充分水洗して、ポリ−L−リジン固定化ポリビニルアルコールゲルを得た。
【0051】
このサイトカイン吸着材を内径20mm、長さ80mmの容器(25mL)に充填し、図3に示すようなサイトカイン吸着器208を得た。
【0052】
このサイトカイン吸着器208のサイトカイン除去性能を測定した。牛血清315mLにインターロイキン−6(IL−6、分子量22〜28kD)を添加したものを母液とし、サイトカイン吸着器208に3mL/分の流量で流し、サイトカイン吸着器を通過した血清は母液に戻した。83分間上記条件で血清の灌流と濾過を行ない、灌流前の母液中のIL−6濃度と灌流後の母液中のIL−6濃度を酵素免疫分析法(ELISA法)により測定した。その結果、実施例1のサイトカイン吸着器208では、IL−6濃度が34%に下がっていた。
【0053】
また、同様の灌流を行ないながら、5分毎にサイトカイン吸着器208出口の血清をサンプリングし、そのIL−6の濃度を同様の方法にて測定したところ、灌流開始から50分後まではサイトカイン吸着器208のIL−6濃度が灌流前の母液濃度の10%以下であったが、灌流55分を過ぎると次第に増加して行った。即ち灌流初期にはIL−6の殆どを吸着するが、次第に吸着サイトが飽和して、IL−6が漏れ出てくる傾向があった。
【0054】
(血液灌流)
血液の抗凝固剤としてヘパリンを10単位/mLの割合で加えた牛全血500mLを37℃に保温し、これを母液として血液の灌流を行なった。血液のヘマトクリットは37%、総蛋白質は6.5g/dLであった。システムとしては、図3に示したものを用い、各第1乃至第5導管202,204,207,209,210にはシリコンチューブを用い、各ポンプには、チューブをローラーでしごくペリスタポンプを使用した。血液流量は6mL/分、血漿分離器203における濾過流量を3mL/分(即ちウイルス除去器206における濾過流量も、サイトカイン吸着器208における流量も3mL/分)とした。そして、500mLの血液が一巡するまで血液灌流を行なった。
【0055】
その結果、血漿分離器203、ウイルス除去器206、サイトカイン吸着器208の目詰まりによる濾過圧異常は見られず、ウイルス除去器206の血漿濾過量は250mL、サイトカイン除去器208における血漿処理量も250mL処理できた。本実施の形態で濾過圧異常とは、膜間圧力差(TMP)、またはサイトカイン吸着器の入口圧力が200mmHg以上になることをいう。
【0056】
日本脳炎ウイルスのLRVが2.1のウイルス除去膜を用いたウイルス除去器で全血漿量315mL(500mL×(1−0.37))の79%を濾過でき、またサイトカイン吸着器でも全血漿量の79%を処理できた。所要時間は、83分であった。
【0057】
(参考例)
実施例1と同様のサイトカイン吸着器を用い、サイトカイン除去性能の測定時に血清ではなく、血漿を用いたこと以外は、実施例1と同様にIL−6の除去性能を測定した。その結果、灌流後の母液のIL−6濃度は、46%であった。即ちサイトカイン吸着器をウイルス除去器の上流に設置するとサイトカインの除去性能が低下する懸念がある。
【実施例2】
【0058】
ウイルス除去膜として、内径230μm、膜厚45μm、平均孔径60nmのポリビニルピロリドンを含むポリスルホン中空糸膜を用いたこと以外は実施例1と同様の条件で血液濾過をおこなった。ここで用いたウイルス除去膜の日本脳炎ウイルスのLRVは、前記した方法で測定したところ、1.1(除去率として92.1%)であった。
【0059】
その結果、図3に示す血漿分離器203、ウイルス除去器206、サイトカイン吸着器208の目詰まりによる濾過圧異常は見られず、ウイルス除去器206の血漿濾過量は250mL、サイトカイン吸着器208における処理量も250mL処理できた。
【0060】
即ち、日本脳炎ウイルスのLRVが1.1のウイルス除去膜を用いたウイルス除去器206で全血漿量315mLの79%を濾過でき、サイトカイン吸着器208でも全血漿量の79%を処理できた。所要時間は、83分であった。
【実施例3】
【0061】
ウイルス除去膜として、内径175μm、膜厚40μm、平均孔径45nmのエチレンビニルアルコール中空糸膜を用いたこと以外は実施例1と同様の条件で血液濾過をおこなった。ここで用いたウイルス除去膜の日本脳炎ウイルスのLRVは、前記した方法で測定したところ、2.7(除去率として99.8%)であった。
【0062】
その結果、図3に示す血漿分離器203、ウイルス除去器206、サイトカイン除去器208の目詰まりによる濾過圧異常は見られず、ウイルス除去器206の血漿濾過量は250mL、サイトカイン吸着器208における処理量も250mL処理できた。
【0063】
即ち、日本脳炎ウイルスのLRVが2.7のウイルス除去膜を用いたウイルス除去器206で全血漿量315mLの79%を濾過でき、サイトカイン吸着器208でも全血漿量の79%を処理できた。所要時間は、83分であった。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係る血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステムを利用することにより、ウイルス感染に起因するウイルス血漿、それに付随するサイトカインストーム(高サイトカイン血症)により発病した患者の血液からウイルスとサイトカインの両方を同時に除去でき、ウイルス及びサイトカインの除去性能も良く、操作性も良いので、医療現場に於いて上記患者の治療に有用に用いられることが期待される。
【符号の説明】
【0065】
1 血液入口
2 第1導管
3 血漿分離器
4 第2導管
5 血液導出口
6 ウイルス除去器
7 第3導管
8 サイトカイン除去器
9 第4導管
10 第5導管
11 第6導管
12 第7導管
13 第8導管
14 血漿出口
101 サイトカイン除去器
102 血漿分離器
103 ウイルス除去器
201 血液導入口
202 第1導管
203 血漿分離器
204 第2導管
205 血液導出口
206 ウイルス除去器
207 第3導管
208 サイトカイン吸着器
209 第4導管
210 第5導管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液導入口が設けられた第1導管、前記第1導管に接続され、血球と血漿とを分離する膜型の血漿分離器、及び前記血漿分離器に接続され、血液導出口が設けられた第2導管を含む血液流路と、
日本脳炎ウイルスの対数減少率が1以上である膜型のウイルス除去器、及び前記血漿分離器の濾液出口に一端が接続され、他端が前記ウイルス除去器の血漿入口に接続された第3導管を含む第1の血漿流路と、
サイトカイン吸着器、及び前記ウイルス除去器の濾液出口に一端を接続され、他端が前記サイトカイン吸着器の血漿入口に接続された第4導管を含む第2の血漿流路と、
前記サイトカイン吸着器の血漿出口に一端が接続され、他端が前記第2導管に接続された第5導管を含む第3の血漿流路と、
を備える血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステム。
【請求項2】
前記ウイルス除去器が、前記血漿入口とは反対側の端に血漿出口を有する、請求項1に記載の血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステム。
【請求項3】
前記第4導管の途中に気体除去機構を更に備える、請求項1又は2に記載の血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステム。
【請求項4】
前記サイトカイン吸着器が、水に不溶な担体にポリアミンを固定化したサイトカイン吸着材を含む、請求項1乃至3の何れか1項に記載の血液からウイルス及びサイトカインを除去するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−24811(P2011−24811A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174218(P2009−174218)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000116806)旭化成クラレメディカル株式会社 (133)
【Fターム(参考)】