血管治療用器具
血管治療用器具が、(1)モータ、トリガ、及び雄型連結具を有するハンドルと、(2)ハンドルと係合可能で、雌型連結具、ワイヤ、及びシースを有し、シースを固定しているカートリッジとを備え得る。雌型連結具が雄型連結具と係合していないときは、シースがワイヤの遠位端を被覆し得るため、器具を患者の血管系に安全に前進させることができ、雌型連結具が雄型連結具により係合されると、ワイヤの遠位端がシースから露出して使用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2006年9月13日出願の米国仮特許出願第60/825,529号明細書、及び2007年5月4日出願の米国仮特許出願第60/916,110号明細書の利益を主張するものであり、双方の文献とも本明細書によって参照により本明細書に援用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
血管治療用器具は、(1)モータ、トリガ、及び雄型連結具を有するハンドルと、(2)ハンドルと係合可能で、雌型連結具、ワイヤ、及びシースを有し、シースを固定しているカートリッジとを備え得る。雌型連結具が雄型連結具と係合していないときは、シースがワイヤの遠位端を被覆し得るため、器具を患者の血管系に安全に前進させることができ、雌型連結具が雄型連結具により係合されると、ワイヤの遠位端がシースから露出して使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】血管治療用器具のアセンブリの実施形態を示す。
【図2】図1に示される実施形態の長手方向断面図を示す。
【図3】ハンドルの長手方向断面図を示す。
【図4】カートリッジの長手方向断面図を示す。
【図5】シリンジ及びストップコックが取り付けられた図4に示されるカートリッジを示す。
【図6】単一のシリンジ支持体を有する血管治療用器具の実施形態の斜視図を示す。
【図7】図5に図示される実施形態のハンドルの例示的アセンブリを示す。
【図8】図7に示されるハンドルの一部分の上部平面図を図示する。
【図9】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図10】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図11】周囲にスプリングが巻回されたワイヤ遠位先端の様々な実施形態の横断面図を示す。
【図12】周囲にスプリングが巻回されたワイヤ遠位先端の様々な実施形態の横断面図を示す。
【図13】周囲にスプリングが巻回されたワイヤ遠位先端の様々な実施形態の横断面図を示す。
【図14】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図14A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図15】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図15A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図16】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図16A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図17】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図17A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図18】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図18A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図19】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図19A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図20】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図20A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図21】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図21A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図22】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図22A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図23】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図24】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
血管治療用器具は、数ある用途の中でも特に、血管、例えば静脈瘤の切除、及び凝血塊を浸軟して血栓溶解薬を注入することによる血栓症の治療に用いられ得る。血管治療用器具は回転可能なワイヤを備え、このワイヤは血管の切除に適したサイズ及び形状であり、ハンドルと係合可能なカートリッジに連結される。従ってワイヤはハンドルのモータと間接的に係合され得るものであり、モータの電源が入るとワイヤが回転する。器具が静脈瘤の治療に用いられるときは、この回転するワイヤが血管に動揺を与えて血管が攣縮する状態の血管痙攣を生じさせ、血管壁を損傷させて硬化を促進し得る。血栓除去術においては、ワイヤは血管壁を損傷させることなく凝血塊を浸軟し得る。
【0005】
図1は、ハンドル12とカートリッジ14とを有する血管治療用器具10のアセンブリの実施形態を示す。カートリッジ14は、図示されるとおり、ハンドル12と互いの構成部品を嵌め合うことにより係合するようなサイズ及び形状とされ得る。ハンドル12の実施形態は、図3にさらに詳細に示される。ハンドルは収容部29を画成でき、その中には雄型連結具30が、カートリッジ14とハンドル12との係合時にカートリッジ14の雌型連結具40を受け止めるよう位置決めされる。ハンドル12は、モータ22、トリガ26、及び雄型連結具30を備え得る。雄型連結具30はモータ22に接続され、モータが作動すると雄型連結具が回転駆動するようにされ得る。ポテンショメータ24がモータ22と電気的に連結され、モータの速度を制御し得る。トリガ26はハンドルに装着され、モータを電源と電気的に連結しない第1の状態と、モータを電源と連結する第2の状態との間を切り換え可能であり得る。
【0006】
ハンドル12はまた、ワイヤ32によりモータ22と接続された電源20及びマイクロスイッチ28も備え得る。マイクロスイッチ28はトリガ26とモータ22とを接続する電気回路に間置され得る。マイクロスイッチが付勢されて開放位置になると、トリガとモータとの間の回路が開放され得る。カートリッジ14がハンドル12に係合されると、カートリッジがマイクロスイッチを押すためマイクロスイッチが閉鎖状態に切り換わり、それによりトリガ26とモータ22とを接続する電気回路が閉じられる。例えば、マイクロスイッチは2つの接点を備えてもよく、一方の接点には導体が取り付けられ、これはマイクロスイッチが開放状態のときは第2の接点から切り離されている。一実施形態において、導体としては金属ストリップを挙げることができ、これはハンドルとの係合に際しカートリッジを摺動させるチャネル内に吊り下げられる。カートリッジがハンドルに係合されると、カートリッジが金属ストリップをチャネルから押し出してマイクロスイッチの第2の接点と接続させる。かかる構成から得られる利点の1つは、器具の使用準備が整わないうちに、すなわち、カートリッジ14がハンドル12と完全に係合される前に、使用者が不注意にトリガを押して器具を作動させる可能性がないことであり得る。
【0007】
ハンドル12はまた、図3に示されるとおりスイッチ16も備え得る。スイッチ16によりカートリッジ14をハンドル12に入れて固定することができる。スイッチはグリップ15を備えてもよく、それにより使用者は指でスイッチを操作できる。スイッチはまたゲート17も備え、これはゲートの位置に応じてカートリッジの遮断又は係止を交互に行う。例えば、使用者は親指をグリップ15に置き、スイッチ16をハンドルグリップ25から離れる方に押すことにより、ゲート17がチャネルに配置されているためカートリッジ12とハンドル14との係合が妨げられている第1の位置から、ゲート17がチャネルから取り払われるためカートリッジとハンドルとの係合が可能となる第2の位置へと、スイッチ16を切り換え得る。付勢されたスイッチ16が解除されると、ゲート17はカートリッジの相補的な戻り止めに嵌合し、それによりカートリッジのハンドルとの係合の維持を補助し得る。
【0008】
ゲート17は、ハンドルに接触しているスプリング23により第1の位置に付勢されていてもよい。使用者がスイッチ16をハンドルグリップ25から離れる方に押すと、スイッチ16がスプリングを押圧し、従って使用者がスイッチを解除すれば、復元力が生じてスイッチはその元の位置に押し戻される。
【0009】
上述のとおり、ゲート17はさらに、カートリッジ14がハンドル12から外れないようにする第3の位置に切り換え可能であり得る。例えば、付勢されたスイッチ16が第2の位置からその元の位置に戻るとき、ゲート17がカートリッジ14により画成される戻り止め35(図4に図示)の中に送り込まれ、カートリッジがハンドルに係止され得る。
【0010】
ハンドル12の1つ又は複数の部分が、中にトリガが少なくとも部分的に配置されるトリガリング18を画成してもよく、ハンドルは、ハンドルのトリガリングを画成する1つ又は複数の部分のみから支持されると、トリガリング18を中心にして平衡が保たれるよう構成される。このようにすると、使用者は、単にハンドルのトリガリング18を画成する部分を人差し指などの1本の指で支えるだけで、ハンドルの平衡を保ち得る。モータ22はハンドルのなかで最も重い構成要素であり得るため、モータ22は図3に示されるとおりトリガ26の下に位置決めすることで、トリガリングによってハンドルを支える指に対しモータ22から加えられる屈曲モーメントが低減され、従って使用者の被る疲労を低減し得る。
【0011】
ハンドル12は2つの外側ケーシング部品を一緒に接合することにより形成され得る。
【0012】
図1に図示されるカートリッジ14の実施形態が、図4にさらに詳細に示される。カートリッジ14は、雌型連結具40、ワイヤ33(破線で図示される)、及びシース32を備えてもよく、シース32はカートリッジ14に固定され、そこから延在する。ワイヤは雌型連結具40に固定されてもよく、例えば、ワイヤの近位先端は約90度屈曲させることでそのワイヤの屈曲端を収容するサイズ及び形状のチャネルの中に嵌め込み得る。止めねじが雌型連結具40に差し込まれてもよく、及び/又は然るべき接着剤を用いてワイヤを固定し、ワイヤが雌型連結具に対し回転しないようにしてもよい。
【0013】
シース32はワイヤ33が通るルーメンを画成し得る。シース32の内径及び外径は様々であり得る。ある実施形態において、シースの内径は0.022インチ〜0.048インチの範囲であり得る。ある実施形態において、シース32の外径は0.025インチ〜0.051インチの範囲であり得る。シースの外径はまた、対応する内径の標準的な針と整合する範囲であってもよい。例えばシースは、0.0035インチ〜0.1060インチ、又は0.0160インチ〜0.0420インチ、又は0.0420インチ〜0.0630インチ、又は0.0115インチ〜0.0630インチの範囲の内径の標準的な針又は血管シースに挿入可能なサイズ及び形状とされ得る。シースの最大外径は0.035インチ未満として0.0039インチ未満の内径の静脈注射針又はカテーテル内にシースを挿入できるようにすることで、様々な医師が手技を行うことが可能となる。0.079インチ(6フレンチ、Fr)又は0.092インチ(7Fr)より大きい外径の針、カテーテル又は血管シースの挿入は、典型的には血管外科医又はインターベンショナル・ラジオロジストが行う必要がある。
【0014】
シース32はまた、等間隔の外部標示を備えてもよく、それらの案内により使用者は器具10の挿入又は抜去速度をモニタし得る。
【0015】
カートリッジに接続可能な容器を図示する一例示的実施形態は、図5に示されるとおり、シリンジ44、ストップコック46、及びプランジャ48を備え得る。シリンジ44はシース32の穴と流体連通しており、ワイヤ遠位端に物質、例えば、硬化剤(その例としては、ポリドカノール、テトラデシル硫酸ナトリウム、及び高張食塩水が挙げられる)、又は血栓溶解薬(その例としては、アルテプラーゼ(アクチバーゼ(Activase))、アニストレプラーゼ(エミナーゼ(Eminase))、ストレプトキナーゼ(ストレプターゼ(Streptase)、カビキナーゼ(Kabikinase))、ウロキナーゼ(アボキナーゼ(Abbokinase))、及び組織プラスミノーゲンアクチベータ(TPA)が挙げられる)などを放出し得る。このように、ワイヤによる物理的な動揺を薬物治療と相乗的に組み合わせることで、器具の有効性が高まり得る。
【0016】
ハンドル12は、シリンジ44を支えるよう位置決めされた支持体19(図3に図示)を備え得る。支持体19は標準的なシリンジに適合するサイズ及び形状であってもよく、特に、注入される材料の容量及び/又は粘度が大きく、使用者が親指でシリンジに大きい圧力をかける必要がある場合に、注射中のシリンジの脱落を防ぎ得る。シリンジ44の取り付けられたカートリッジ14がハンドルに係合されるとき、シリンジ44は支持体19にスナップ嵌めされ得る。図1に示されるとおり、支持体はシリンジを包み込むように受ける2つのブラケットで形成され得る。図6及び7に図示される代替的実施形態は、シリンジの周りに部分的に巻き付く単一のフックで形成された支持体を備える。これらの実施形態により、器具は、使用者の随意に、及び/又は診療台上の患者の位置に応じて、右手でも左手でも使用可能となる。
【0017】
ハンドル12及びシリンジ44は、使用者がトリガ26を手の人差し指で作動させると同時に、プランジャ48を同じ手の親指でシリンジの中に押し込むことのできるサイズ、形状、及び位置とされてもよく、それにより治療薬をシリンジからシースを通じて拡散させながらワイヤ33を回転させることができる。例えば、使用者はハンドルグリップ25を手掌の中心に位置決めし、中指、薬指、及び小指をハンドルグリップの周りに巻き付け、人差し指をトリガリング18の中に通すことによってハンドルを保持でき、必要に応じて親指を置いてプランジャを押し下げ、治療薬をシリンジの中に放出する。ハンドルは、右利き及び左利きの双方の使用者が操作できるように設計され得る。
【0018】
図5に図示されるストップコック46により、流体の補充、さらには組成物の流体濃度の変更並びに硬化剤液とガスとの混合も可能となる。例えば、空気を混合することによって泡を生じさせることに加え、流体とガスとが分離し始めるまでの泡の持続期間が限られている(典型的には1分以下)ことから、既にある硬化剤/ガス混合物を撹拌し、再度泡を生じさせることもできる。ストップコック46により、シリンジをカートリッジから取り外したり、又は手技を中断したりすることなく、流体組成物の混合物を撹拌できる。
【0019】
図4に示されるとおりの標準的なY型止血コネクタ34、又は他のY型止血コネクタを使用してシリンジ44とシース32により画成されるルーメンとの間の流体連通を補助し得る。Y型止血コネクタ34は雌型ルアーハブ31及び管ナット36に接続され、モータ22との接触を有する領域に流体が漏出するのを防ぎ得る。Oリングを使用することで、ワイヤ軸の周囲への漏出を防ぎ得る。ワイヤ管42はワイヤ33を収容するサイズ及び形状とされ、雌型連結具40に取り付けられ得る。上述の構成要素が組み合わされることにより、増加したトルクが然るべき動作範囲を越えることなく、モータはワイヤを回転させることが可能となる。モータは、静脈瘤の破壊及び血栓除去術には500から3000rpm〜4000rpmの範囲で回転し得る。ハンドルはまた、使用者が速度を読み取るための組込み型RPMディスプレイを備えてもよく、又は速度を外部モニタにより計測し得るように電気ポートを備えてもよい。
【0020】
ハンドル12の雄型連結具30は拡張状態に付勢されており、拡張状態から収縮状態へと移行可能であり得る。雌型連結具40は、ハンドル12とカートリッジ14との係合中に雄型連結具30を拡張状態から収縮状態に移行させるサイズ及び形状とされ得る。雄型連結具30と雌型連結具40とが互いに完全に係合すると、雄型連結具が雌型連結具の戻り止めを動かして雌型連結具をカートリッジ内で摺動させる。
【0021】
従って雌型連結具40を雄型連結具30に取り付けることにより、シース32がワイヤに対し摺動して後退する。これはシースがカートリッジに固定されており、ワイヤが雌型連結具に固定されているために起こる。カートリッジがハンドルに完全に着座すると、雌型連結具はカートリッジ内で前方に押される。つまり、雌型連結具40が雄型連結具30により係合されていないときは、シース32がワイヤ33の遠位端を被覆し得るためワイヤ33を患者の血管系内で安全に前進させることができ、雌型連結具40が雄型連結具30により係合されると、シースはワイヤの遠位端を露出させ得る。結果的に、雌型連結具と雄型連結具とが係合すると、ワイヤの遠位先端が外に現れ、及び(2)ワイヤが雌型連結具及び雄型連結具を介してモータ22と動作可能に連結されるため、モータはワイヤ33を回転させることができる。上述のとおり、カートリッジはまた、マイクロスイッチ28に連結されたレバーアームを作動させてトリガ26とモータ22との間の回路を閉じ得る。雄型連結具30は、先述のとおりカートリッジ14とハンドル12とが完全に係合されると拡張状態に戻るようなサイズ及び形状とされ得る。
【0022】
使用部位からワイヤが取り出されるとき、又は治療が中断される場合は、雌型連結具を雄型連結具から外すことによりワイヤの遠位先端が再び被覆され得る。雌型連結具を雄型連結具から外すと、ワイヤ33がシース32(ハンドルに固定されたカートリッジに取り付けられている)に対し摺動する。結果としてワイヤの先端はもはや露出しないため、ワイヤは安全に取り出すことができる。この機構は、使用前にはワイヤ33の先端を保護し、さらに、器具を取り出したり、又は再び留置したりする間には血管及び他の体組織を保護し得る。
【0023】
雄型連結具30は拡張状態から収縮状態に移行し易いよう、スリット状の部分により隔てられた少なくとも2つの尖端部を有し得る。雄型連結具は拡張状態と収縮状態との間の移行を可能にするポリカーボネート、プラスチック、又は他の材料で作製され得る。
【0024】
ある実施形態において、血管治療用器具10は、ハンドル及びカートリッジを有する一部品構成であり得る。カートリッジは製造中にハンドルと組み立てられ、雄型連結具と雌型連結具とが係合されていない第1の位置と、雄型連結具と雌型連結具とが係合されている第2の位置との間をハンドル内で移動可能であり得る。かかる器具の実施形態では、カートリッジは、第1の位置及び第2の位置など、ハンドルにより画成される溝の中を所定の範囲内で前後に摺動できるが、カートリッジそれ自体がハンドルから外れることはない。シースはカートリッジに固定されてそこから延在し、ワイヤが通るルーメンを画成し得る。カートリッジはまた、ハンドルに装着された支持体により支えられるシリンジも備え得る。
【0025】
この実施形態において、ハンドルは、モータ、モータ連結具、トリガ、及び電源を備え得る。主軸部、遠位端、及び近位端を有し、近位端がモータ連結具に固定されているワイヤが、モータ連結具に取り付けられる。モータ連結具はモータにより回転駆動され得る。トリガはハンドルに装着され、モータを電源と電気的に連結しない第1の状態と、モータを電源と連結する第2の状態との間を切り換え可能であり得る。ハンドルはまたマイクロスイッチも備え、トリガとモータとを互いに電気的に連結可能にし得る。
【0026】
第1の位置において、カートリッジはワイヤの遠位先端を被覆し得る。第2の位置において、カートリッジは、(1)ワイヤの遠位先端をシースから露出させ、及び(2)マイクロスイッチに連結されたレバーアームを作動させることによりトリガとモータとの間の回路を閉じる。従って、この一部品構成の血管治療用器具によっても使用者は、先に説明された図1に示される器具と同様の機能性を得ることができる。
【0027】
図6は血管治療用器具10の別の実施形態を示す。ハンドルは、上記のようなフックの形態のシリンジ46用支持体19を有し得る。この実施形態は、図7に示されるとおり、2つのケーシングを嵌め合わせることにより組み立てられ得る。シリンジは支持体にスナップ嵌めされ、器具の使用中は所定位置に保たれ得る。支持体19(及び/又はハンドル12)は、SLA樹脂か、又は支持体がシリンジによって加えられる嵌合力に耐えることのできる他の材料から作製され得る。
【0028】
図8は、カートリッジ14(図示せず)をハンドル12に保持するためのノッチ80を有するハンドル12の代替的実施形態の端部の上面図を示す。先述の実施形態では、ハンドルはゲートと連結され得るスイッチを有し、ゲートがカートリッジをハンドルに保持していた。この構成では、ノッチ80がカートリッジのハンドルからの脱離を防止し得る。使用に際し、使用者はカートリッジをハンドルの中に摺動させ、次にカートリッジをノッチ80の中に「ひねる(cock)」ことで、カートリッジが摺動してハンドルから抜け落ちることがなくなり得る。
【0029】
様々な遠位ワイヤ先端が用いられ得る。図9〜11、14〜14A、15〜15A、16〜16A、17〜17A、18〜18A、19〜19A、20〜20A、21〜21A、22〜22A、23、及び24は、いくつかの例を示す。
【0030】
図9は、近位端50、遠位端52、並びに近位から遠位の順に、第1のセグメント54、第2のセグメント56、及び第3のセグメント58を有するワイヤ33の実施形態を示す。第1のセグメント54は主軸部51と第2のセグメント56との間に延在し得るもので、主軸部51と第1のセグメント54との間に画定される180度未満の第1の夾角αに付勢され得る。第2のセグメント56は第1のセグメント54と第3のセグメント58との間に延在し得るもので、第1のセグメント54と第2のセグメント56との間に画定される180度未満の第2の夾角βに付勢され得る。第3のセグメント58は第2のセグメント56から自由端まで延在し得るもので、第2のセグメント56と第3のセグメント58との間に画定される180度未満の第3の夾角γに付勢され得る。
【0031】
第2の夾角は第1の夾角より大きくてもよい。第1の夾角と第3の夾角との合計から第2の夾角を引いた差は、約70度〜約110度の範囲であり得る。第1の夾角と第3の夾角との合計から第2の夾角を引いた差は、約80度〜約100度の範囲であり得る。第1の夾角と第3の夾角との合計から第2の夾角を引いた差は、約90度であり得る。
【0032】
ワイヤ33の第3のセグメント58の長さは、シース32の内径より小さくてもよい。例えば、第3のセグメント58の長さは0.028インチ未満であってもよく、又はシース32の内径の3分の2以下の長さであってもよい。
【0033】
主軸部51の重心軸から自由端までの垂直方向の距離は0.3インチ未満であってもよい。第1のセグメント54及び第2のセグメント56の各々の長さは、約0.2インチ〜約0.3インチの範囲、又は約0.24インチ〜約0.26インチの範囲であってもよい。第1のセグメント54の長さは約0.248インチ〜約0.25インチの範囲であってもよく、第2のセグメントの長さは約0.25インチ〜約0.252インチの範囲であってもよい。一実施形態において、第1のセグメント54の長さは0.249インチであってもよく、及び第2のセグメントの長さは0.2504インチであってもよい。
【0034】
ワイヤ33の遠位端52は、互いに零角ではない角度で向き合う少なくとも2つの直線状のセグメントを備え得る。少なくとも2つの直線状のセグメントを有することにより、ワイヤの遠位先端をシースの壁に接触させることなくシースの中に差し込むことができ、さらに、ワイヤの先端(例えば、第3のセグメント)で血管壁を押し掻きながらワイヤの主軸部を血管壁に沿って送り込むことも可能であり得る。
【0035】
遠位端52に位置するワイヤの先端は、使用目的に応じて様々な形状を有し得る。ワイヤの形は「非侵襲性」であってもよく、これはワイヤが、挿入によって血管に攣縮又は損傷を引き起こすことがほとんど又は全くないような形であり得ることを意味する。例えば、図10は、終端が半球形の自由端となっている遠位端52を示す。半球形の端部には、テクスチャを付与するか、又は機械的若しくは化学的に変質させることによって粗面化された表面を作り出し得る。他の非侵襲性の先端としては、全半径、又はJ型湾曲形状、若しくは単純に湾曲形状を有する端部を挙げることができる。
【0036】
図10は、半球形からワイヤ33に沿ってワイヤの近位端に向かって延在するスリーブを有する非侵襲性の先端を示す。スリーブ70は遠位先端に強度を加えることができ、従って擦過力が増加して接触表面積が増加するため、半球形の先端72が離れなくなる。
【0037】
他の実施形態において、遠位先端52は「攻撃的」で、遠位先端52が血管壁を擦過するように屈曲又は湾曲していてもよい。図9は、周縁が鋭い平坦な自由端を有する遠位端52を示す。攻撃的な遠位先端52はまた、縁部に斜角を付けて尖端を作ることによっても作り出され得る。サメのヒレのような切除ブレードを有する遠位先端もまた、攻撃的であり得る。遠位先端52を粗面化することで、遠位先端の切除部をより攻撃的にし、及び/又は血管壁に攣縮を生じさせるようにし得る。
【0038】
粗面化表面は、最初は滑らかなスチールを、研磨、機械加工、吹き付け、化学エッチング、例えば酸腐食(例えば、硝酸、フッ化水素酸、塩酸、及び/又は硫酸)に供することによって形成され得る。粗面化された外表面はまた、スリーブ70を形成するシートなどのシート状金属を不規則な形状のガイド上に圧延して不規則な表面を作ることによっても作り出され得る。
【0039】
また、第1、第2、及び/又は第3のセグメントの外表面は研磨剤で塗膜することによって表面が粗面化されてもよい。他の表面処理としては、中荒目やすり又はダイヤモンドグリットを挙げることができる。例えば、30グリットダイヤモンドでは攻撃的な表面が生じ、200グリットダイヤモンドでは非攻撃的な表面が生じ得る。
【0040】
使用中、特に先端が粗面化されているとき、ワイヤを一定期間ごとにシースに再び封入することで、ワイヤの先端からのデブリの除去、及び器具の正常な動作の維持が促進され得る。
【0041】
攻撃的な表面はまた、ワイヤ33の第1のセグメント54及び/又は第2のセグメント56に対し、四角形、又は菱形、又は台形、又は平行四辺形、又は楕円形、又は三角形、又は五角形などの様々な形状のスクリューフライトに従うワイヤ33の長さに沿った第2のワイヤによるねじ状外形を導入することにより形成してもよい。
【0042】
図10は、スリーブ70が先述した様々な方法の1つを用いて粗面化された外表面を有する第1のセグメント56を有する実施形態を示す。粗面化された表面処理を示すことに加え、図10はさらに、遠位先端に加重物が付けられたワイヤを例示し、この場合、加重は粗面化された外表面のスリーブにより加えられる。加重物はワイヤの重心に位置決めされるか、又は偏心して位置決めされ得る。偏心した加重物は、ワイヤを回転中に激しく揺動させ得る。激しい揺動は、加重物が重心に付けられたワイヤと比較して、血管に対しより攻撃的に動揺を与え得る。
【0043】
ワイヤ33の遠位端52はまた、湾曲したセグメントも備え得る。湾曲したセグメントの曲率は一定であってもよく、又は他の曲線、例えば楕円形又は長円形の一部分などに従ってもよい。ワイヤ33の遠位端52はまた、湾曲したセグメントの遠位に直線状のセグメントも有し得る。一定の曲率の実施形態と同様に、直線状のセグメントを伴う湾曲部分の曲率は一定であってもよく、又は先述の形に従ってもよい。
【0044】
スプリング90がワイヤ33の遠位端52から第1のセグメント54及び/又は第2のセグメント56に沿って取り付けられ、それにより攻撃的な切除面が作り出されてもよい。スプリングの端部は複数の箇所がろう付けされ得る。スプリング90は、先述された様々な外形に従い得る。図11〜13は、それぞれ、四角形、台形、及び五角形のスクリューフライトに従うスプリングの断面図を示す。
【0045】
様々な外形(例えば、四角形、三角形、平行四辺形、五角形)の尖った角部が血管壁を押し掻き、血管壁を切除し得る。ワイヤ33は、使用目的に応じて半球形か、又は平坦な自由端を有し得る。半球形の端部又は平坦な自由端はまた、テクスチャが付与されるか、又は粗面化されてもよい。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2006年9月13日出願の米国仮特許出願第60/825,529号明細書、及び2007年5月4日出願の米国仮特許出願第60/916,110号明細書の利益を主張するものであり、双方の文献とも本明細書によって参照により本明細書に援用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
血管治療用器具は、(1)モータ、トリガ、及び雄型連結具を有するハンドルと、(2)ハンドルと係合可能で、雌型連結具、ワイヤ、及びシースを有し、シースを固定しているカートリッジとを備え得る。雌型連結具が雄型連結具と係合していないときは、シースがワイヤの遠位端を被覆し得るため、器具を患者の血管系に安全に前進させることができ、雌型連結具が雄型連結具により係合されると、ワイヤの遠位端がシースから露出して使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】血管治療用器具のアセンブリの実施形態を示す。
【図2】図1に示される実施形態の長手方向断面図を示す。
【図3】ハンドルの長手方向断面図を示す。
【図4】カートリッジの長手方向断面図を示す。
【図5】シリンジ及びストップコックが取り付けられた図4に示されるカートリッジを示す。
【図6】単一のシリンジ支持体を有する血管治療用器具の実施形態の斜視図を示す。
【図7】図5に図示される実施形態のハンドルの例示的アセンブリを示す。
【図8】図7に示されるハンドルの一部分の上部平面図を図示する。
【図9】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図10】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図11】周囲にスプリングが巻回されたワイヤ遠位先端の様々な実施形態の横断面図を示す。
【図12】周囲にスプリングが巻回されたワイヤ遠位先端の様々な実施形態の横断面図を示す。
【図13】周囲にスプリングが巻回されたワイヤ遠位先端の様々な実施形態の横断面図を示す。
【図14】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図14A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図15】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図15A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図16】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図16A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図17】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図17A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図18】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図18A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図19】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図19A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図20】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図20A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図21】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図21A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図22】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図22A】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図23】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【図24】ワイヤ遠位端の様々な実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
血管治療用器具は、数ある用途の中でも特に、血管、例えば静脈瘤の切除、及び凝血塊を浸軟して血栓溶解薬を注入することによる血栓症の治療に用いられ得る。血管治療用器具は回転可能なワイヤを備え、このワイヤは血管の切除に適したサイズ及び形状であり、ハンドルと係合可能なカートリッジに連結される。従ってワイヤはハンドルのモータと間接的に係合され得るものであり、モータの電源が入るとワイヤが回転する。器具が静脈瘤の治療に用いられるときは、この回転するワイヤが血管に動揺を与えて血管が攣縮する状態の血管痙攣を生じさせ、血管壁を損傷させて硬化を促進し得る。血栓除去術においては、ワイヤは血管壁を損傷させることなく凝血塊を浸軟し得る。
【0005】
図1は、ハンドル12とカートリッジ14とを有する血管治療用器具10のアセンブリの実施形態を示す。カートリッジ14は、図示されるとおり、ハンドル12と互いの構成部品を嵌め合うことにより係合するようなサイズ及び形状とされ得る。ハンドル12の実施形態は、図3にさらに詳細に示される。ハンドルは収容部29を画成でき、その中には雄型連結具30が、カートリッジ14とハンドル12との係合時にカートリッジ14の雌型連結具40を受け止めるよう位置決めされる。ハンドル12は、モータ22、トリガ26、及び雄型連結具30を備え得る。雄型連結具30はモータ22に接続され、モータが作動すると雄型連結具が回転駆動するようにされ得る。ポテンショメータ24がモータ22と電気的に連結され、モータの速度を制御し得る。トリガ26はハンドルに装着され、モータを電源と電気的に連結しない第1の状態と、モータを電源と連結する第2の状態との間を切り換え可能であり得る。
【0006】
ハンドル12はまた、ワイヤ32によりモータ22と接続された電源20及びマイクロスイッチ28も備え得る。マイクロスイッチ28はトリガ26とモータ22とを接続する電気回路に間置され得る。マイクロスイッチが付勢されて開放位置になると、トリガとモータとの間の回路が開放され得る。カートリッジ14がハンドル12に係合されると、カートリッジがマイクロスイッチを押すためマイクロスイッチが閉鎖状態に切り換わり、それによりトリガ26とモータ22とを接続する電気回路が閉じられる。例えば、マイクロスイッチは2つの接点を備えてもよく、一方の接点には導体が取り付けられ、これはマイクロスイッチが開放状態のときは第2の接点から切り離されている。一実施形態において、導体としては金属ストリップを挙げることができ、これはハンドルとの係合に際しカートリッジを摺動させるチャネル内に吊り下げられる。カートリッジがハンドルに係合されると、カートリッジが金属ストリップをチャネルから押し出してマイクロスイッチの第2の接点と接続させる。かかる構成から得られる利点の1つは、器具の使用準備が整わないうちに、すなわち、カートリッジ14がハンドル12と完全に係合される前に、使用者が不注意にトリガを押して器具を作動させる可能性がないことであり得る。
【0007】
ハンドル12はまた、図3に示されるとおりスイッチ16も備え得る。スイッチ16によりカートリッジ14をハンドル12に入れて固定することができる。スイッチはグリップ15を備えてもよく、それにより使用者は指でスイッチを操作できる。スイッチはまたゲート17も備え、これはゲートの位置に応じてカートリッジの遮断又は係止を交互に行う。例えば、使用者は親指をグリップ15に置き、スイッチ16をハンドルグリップ25から離れる方に押すことにより、ゲート17がチャネルに配置されているためカートリッジ12とハンドル14との係合が妨げられている第1の位置から、ゲート17がチャネルから取り払われるためカートリッジとハンドルとの係合が可能となる第2の位置へと、スイッチ16を切り換え得る。付勢されたスイッチ16が解除されると、ゲート17はカートリッジの相補的な戻り止めに嵌合し、それによりカートリッジのハンドルとの係合の維持を補助し得る。
【0008】
ゲート17は、ハンドルに接触しているスプリング23により第1の位置に付勢されていてもよい。使用者がスイッチ16をハンドルグリップ25から離れる方に押すと、スイッチ16がスプリングを押圧し、従って使用者がスイッチを解除すれば、復元力が生じてスイッチはその元の位置に押し戻される。
【0009】
上述のとおり、ゲート17はさらに、カートリッジ14がハンドル12から外れないようにする第3の位置に切り換え可能であり得る。例えば、付勢されたスイッチ16が第2の位置からその元の位置に戻るとき、ゲート17がカートリッジ14により画成される戻り止め35(図4に図示)の中に送り込まれ、カートリッジがハンドルに係止され得る。
【0010】
ハンドル12の1つ又は複数の部分が、中にトリガが少なくとも部分的に配置されるトリガリング18を画成してもよく、ハンドルは、ハンドルのトリガリングを画成する1つ又は複数の部分のみから支持されると、トリガリング18を中心にして平衡が保たれるよう構成される。このようにすると、使用者は、単にハンドルのトリガリング18を画成する部分を人差し指などの1本の指で支えるだけで、ハンドルの平衡を保ち得る。モータ22はハンドルのなかで最も重い構成要素であり得るため、モータ22は図3に示されるとおりトリガ26の下に位置決めすることで、トリガリングによってハンドルを支える指に対しモータ22から加えられる屈曲モーメントが低減され、従って使用者の被る疲労を低減し得る。
【0011】
ハンドル12は2つの外側ケーシング部品を一緒に接合することにより形成され得る。
【0012】
図1に図示されるカートリッジ14の実施形態が、図4にさらに詳細に示される。カートリッジ14は、雌型連結具40、ワイヤ33(破線で図示される)、及びシース32を備えてもよく、シース32はカートリッジ14に固定され、そこから延在する。ワイヤは雌型連結具40に固定されてもよく、例えば、ワイヤの近位先端は約90度屈曲させることでそのワイヤの屈曲端を収容するサイズ及び形状のチャネルの中に嵌め込み得る。止めねじが雌型連結具40に差し込まれてもよく、及び/又は然るべき接着剤を用いてワイヤを固定し、ワイヤが雌型連結具に対し回転しないようにしてもよい。
【0013】
シース32はワイヤ33が通るルーメンを画成し得る。シース32の内径及び外径は様々であり得る。ある実施形態において、シースの内径は0.022インチ〜0.048インチの範囲であり得る。ある実施形態において、シース32の外径は0.025インチ〜0.051インチの範囲であり得る。シースの外径はまた、対応する内径の標準的な針と整合する範囲であってもよい。例えばシースは、0.0035インチ〜0.1060インチ、又は0.0160インチ〜0.0420インチ、又は0.0420インチ〜0.0630インチ、又は0.0115インチ〜0.0630インチの範囲の内径の標準的な針又は血管シースに挿入可能なサイズ及び形状とされ得る。シースの最大外径は0.035インチ未満として0.0039インチ未満の内径の静脈注射針又はカテーテル内にシースを挿入できるようにすることで、様々な医師が手技を行うことが可能となる。0.079インチ(6フレンチ、Fr)又は0.092インチ(7Fr)より大きい外径の針、カテーテル又は血管シースの挿入は、典型的には血管外科医又はインターベンショナル・ラジオロジストが行う必要がある。
【0014】
シース32はまた、等間隔の外部標示を備えてもよく、それらの案内により使用者は器具10の挿入又は抜去速度をモニタし得る。
【0015】
カートリッジに接続可能な容器を図示する一例示的実施形態は、図5に示されるとおり、シリンジ44、ストップコック46、及びプランジャ48を備え得る。シリンジ44はシース32の穴と流体連通しており、ワイヤ遠位端に物質、例えば、硬化剤(その例としては、ポリドカノール、テトラデシル硫酸ナトリウム、及び高張食塩水が挙げられる)、又は血栓溶解薬(その例としては、アルテプラーゼ(アクチバーゼ(Activase))、アニストレプラーゼ(エミナーゼ(Eminase))、ストレプトキナーゼ(ストレプターゼ(Streptase)、カビキナーゼ(Kabikinase))、ウロキナーゼ(アボキナーゼ(Abbokinase))、及び組織プラスミノーゲンアクチベータ(TPA)が挙げられる)などを放出し得る。このように、ワイヤによる物理的な動揺を薬物治療と相乗的に組み合わせることで、器具の有効性が高まり得る。
【0016】
ハンドル12は、シリンジ44を支えるよう位置決めされた支持体19(図3に図示)を備え得る。支持体19は標準的なシリンジに適合するサイズ及び形状であってもよく、特に、注入される材料の容量及び/又は粘度が大きく、使用者が親指でシリンジに大きい圧力をかける必要がある場合に、注射中のシリンジの脱落を防ぎ得る。シリンジ44の取り付けられたカートリッジ14がハンドルに係合されるとき、シリンジ44は支持体19にスナップ嵌めされ得る。図1に示されるとおり、支持体はシリンジを包み込むように受ける2つのブラケットで形成され得る。図6及び7に図示される代替的実施形態は、シリンジの周りに部分的に巻き付く単一のフックで形成された支持体を備える。これらの実施形態により、器具は、使用者の随意に、及び/又は診療台上の患者の位置に応じて、右手でも左手でも使用可能となる。
【0017】
ハンドル12及びシリンジ44は、使用者がトリガ26を手の人差し指で作動させると同時に、プランジャ48を同じ手の親指でシリンジの中に押し込むことのできるサイズ、形状、及び位置とされてもよく、それにより治療薬をシリンジからシースを通じて拡散させながらワイヤ33を回転させることができる。例えば、使用者はハンドルグリップ25を手掌の中心に位置決めし、中指、薬指、及び小指をハンドルグリップの周りに巻き付け、人差し指をトリガリング18の中に通すことによってハンドルを保持でき、必要に応じて親指を置いてプランジャを押し下げ、治療薬をシリンジの中に放出する。ハンドルは、右利き及び左利きの双方の使用者が操作できるように設計され得る。
【0018】
図5に図示されるストップコック46により、流体の補充、さらには組成物の流体濃度の変更並びに硬化剤液とガスとの混合も可能となる。例えば、空気を混合することによって泡を生じさせることに加え、流体とガスとが分離し始めるまでの泡の持続期間が限られている(典型的には1分以下)ことから、既にある硬化剤/ガス混合物を撹拌し、再度泡を生じさせることもできる。ストップコック46により、シリンジをカートリッジから取り外したり、又は手技を中断したりすることなく、流体組成物の混合物を撹拌できる。
【0019】
図4に示されるとおりの標準的なY型止血コネクタ34、又は他のY型止血コネクタを使用してシリンジ44とシース32により画成されるルーメンとの間の流体連通を補助し得る。Y型止血コネクタ34は雌型ルアーハブ31及び管ナット36に接続され、モータ22との接触を有する領域に流体が漏出するのを防ぎ得る。Oリングを使用することで、ワイヤ軸の周囲への漏出を防ぎ得る。ワイヤ管42はワイヤ33を収容するサイズ及び形状とされ、雌型連結具40に取り付けられ得る。上述の構成要素が組み合わされることにより、増加したトルクが然るべき動作範囲を越えることなく、モータはワイヤを回転させることが可能となる。モータは、静脈瘤の破壊及び血栓除去術には500から3000rpm〜4000rpmの範囲で回転し得る。ハンドルはまた、使用者が速度を読み取るための組込み型RPMディスプレイを備えてもよく、又は速度を外部モニタにより計測し得るように電気ポートを備えてもよい。
【0020】
ハンドル12の雄型連結具30は拡張状態に付勢されており、拡張状態から収縮状態へと移行可能であり得る。雌型連結具40は、ハンドル12とカートリッジ14との係合中に雄型連結具30を拡張状態から収縮状態に移行させるサイズ及び形状とされ得る。雄型連結具30と雌型連結具40とが互いに完全に係合すると、雄型連結具が雌型連結具の戻り止めを動かして雌型連結具をカートリッジ内で摺動させる。
【0021】
従って雌型連結具40を雄型連結具30に取り付けることにより、シース32がワイヤに対し摺動して後退する。これはシースがカートリッジに固定されており、ワイヤが雌型連結具に固定されているために起こる。カートリッジがハンドルに完全に着座すると、雌型連結具はカートリッジ内で前方に押される。つまり、雌型連結具40が雄型連結具30により係合されていないときは、シース32がワイヤ33の遠位端を被覆し得るためワイヤ33を患者の血管系内で安全に前進させることができ、雌型連結具40が雄型連結具30により係合されると、シースはワイヤの遠位端を露出させ得る。結果的に、雌型連結具と雄型連結具とが係合すると、ワイヤの遠位先端が外に現れ、及び(2)ワイヤが雌型連結具及び雄型連結具を介してモータ22と動作可能に連結されるため、モータはワイヤ33を回転させることができる。上述のとおり、カートリッジはまた、マイクロスイッチ28に連結されたレバーアームを作動させてトリガ26とモータ22との間の回路を閉じ得る。雄型連結具30は、先述のとおりカートリッジ14とハンドル12とが完全に係合されると拡張状態に戻るようなサイズ及び形状とされ得る。
【0022】
使用部位からワイヤが取り出されるとき、又は治療が中断される場合は、雌型連結具を雄型連結具から外すことによりワイヤの遠位先端が再び被覆され得る。雌型連結具を雄型連結具から外すと、ワイヤ33がシース32(ハンドルに固定されたカートリッジに取り付けられている)に対し摺動する。結果としてワイヤの先端はもはや露出しないため、ワイヤは安全に取り出すことができる。この機構は、使用前にはワイヤ33の先端を保護し、さらに、器具を取り出したり、又は再び留置したりする間には血管及び他の体組織を保護し得る。
【0023】
雄型連結具30は拡張状態から収縮状態に移行し易いよう、スリット状の部分により隔てられた少なくとも2つの尖端部を有し得る。雄型連結具は拡張状態と収縮状態との間の移行を可能にするポリカーボネート、プラスチック、又は他の材料で作製され得る。
【0024】
ある実施形態において、血管治療用器具10は、ハンドル及びカートリッジを有する一部品構成であり得る。カートリッジは製造中にハンドルと組み立てられ、雄型連結具と雌型連結具とが係合されていない第1の位置と、雄型連結具と雌型連結具とが係合されている第2の位置との間をハンドル内で移動可能であり得る。かかる器具の実施形態では、カートリッジは、第1の位置及び第2の位置など、ハンドルにより画成される溝の中を所定の範囲内で前後に摺動できるが、カートリッジそれ自体がハンドルから外れることはない。シースはカートリッジに固定されてそこから延在し、ワイヤが通るルーメンを画成し得る。カートリッジはまた、ハンドルに装着された支持体により支えられるシリンジも備え得る。
【0025】
この実施形態において、ハンドルは、モータ、モータ連結具、トリガ、及び電源を備え得る。主軸部、遠位端、及び近位端を有し、近位端がモータ連結具に固定されているワイヤが、モータ連結具に取り付けられる。モータ連結具はモータにより回転駆動され得る。トリガはハンドルに装着され、モータを電源と電気的に連結しない第1の状態と、モータを電源と連結する第2の状態との間を切り換え可能であり得る。ハンドルはまたマイクロスイッチも備え、トリガとモータとを互いに電気的に連結可能にし得る。
【0026】
第1の位置において、カートリッジはワイヤの遠位先端を被覆し得る。第2の位置において、カートリッジは、(1)ワイヤの遠位先端をシースから露出させ、及び(2)マイクロスイッチに連結されたレバーアームを作動させることによりトリガとモータとの間の回路を閉じる。従って、この一部品構成の血管治療用器具によっても使用者は、先に説明された図1に示される器具と同様の機能性を得ることができる。
【0027】
図6は血管治療用器具10の別の実施形態を示す。ハンドルは、上記のようなフックの形態のシリンジ46用支持体19を有し得る。この実施形態は、図7に示されるとおり、2つのケーシングを嵌め合わせることにより組み立てられ得る。シリンジは支持体にスナップ嵌めされ、器具の使用中は所定位置に保たれ得る。支持体19(及び/又はハンドル12)は、SLA樹脂か、又は支持体がシリンジによって加えられる嵌合力に耐えることのできる他の材料から作製され得る。
【0028】
図8は、カートリッジ14(図示せず)をハンドル12に保持するためのノッチ80を有するハンドル12の代替的実施形態の端部の上面図を示す。先述の実施形態では、ハンドルはゲートと連結され得るスイッチを有し、ゲートがカートリッジをハンドルに保持していた。この構成では、ノッチ80がカートリッジのハンドルからの脱離を防止し得る。使用に際し、使用者はカートリッジをハンドルの中に摺動させ、次にカートリッジをノッチ80の中に「ひねる(cock)」ことで、カートリッジが摺動してハンドルから抜け落ちることがなくなり得る。
【0029】
様々な遠位ワイヤ先端が用いられ得る。図9〜11、14〜14A、15〜15A、16〜16A、17〜17A、18〜18A、19〜19A、20〜20A、21〜21A、22〜22A、23、及び24は、いくつかの例を示す。
【0030】
図9は、近位端50、遠位端52、並びに近位から遠位の順に、第1のセグメント54、第2のセグメント56、及び第3のセグメント58を有するワイヤ33の実施形態を示す。第1のセグメント54は主軸部51と第2のセグメント56との間に延在し得るもので、主軸部51と第1のセグメント54との間に画定される180度未満の第1の夾角αに付勢され得る。第2のセグメント56は第1のセグメント54と第3のセグメント58との間に延在し得るもので、第1のセグメント54と第2のセグメント56との間に画定される180度未満の第2の夾角βに付勢され得る。第3のセグメント58は第2のセグメント56から自由端まで延在し得るもので、第2のセグメント56と第3のセグメント58との間に画定される180度未満の第3の夾角γに付勢され得る。
【0031】
第2の夾角は第1の夾角より大きくてもよい。第1の夾角と第3の夾角との合計から第2の夾角を引いた差は、約70度〜約110度の範囲であり得る。第1の夾角と第3の夾角との合計から第2の夾角を引いた差は、約80度〜約100度の範囲であり得る。第1の夾角と第3の夾角との合計から第2の夾角を引いた差は、約90度であり得る。
【0032】
ワイヤ33の第3のセグメント58の長さは、シース32の内径より小さくてもよい。例えば、第3のセグメント58の長さは0.028インチ未満であってもよく、又はシース32の内径の3分の2以下の長さであってもよい。
【0033】
主軸部51の重心軸から自由端までの垂直方向の距離は0.3インチ未満であってもよい。第1のセグメント54及び第2のセグメント56の各々の長さは、約0.2インチ〜約0.3インチの範囲、又は約0.24インチ〜約0.26インチの範囲であってもよい。第1のセグメント54の長さは約0.248インチ〜約0.25インチの範囲であってもよく、第2のセグメントの長さは約0.25インチ〜約0.252インチの範囲であってもよい。一実施形態において、第1のセグメント54の長さは0.249インチであってもよく、及び第2のセグメントの長さは0.2504インチであってもよい。
【0034】
ワイヤ33の遠位端52は、互いに零角ではない角度で向き合う少なくとも2つの直線状のセグメントを備え得る。少なくとも2つの直線状のセグメントを有することにより、ワイヤの遠位先端をシースの壁に接触させることなくシースの中に差し込むことができ、さらに、ワイヤの先端(例えば、第3のセグメント)で血管壁を押し掻きながらワイヤの主軸部を血管壁に沿って送り込むことも可能であり得る。
【0035】
遠位端52に位置するワイヤの先端は、使用目的に応じて様々な形状を有し得る。ワイヤの形は「非侵襲性」であってもよく、これはワイヤが、挿入によって血管に攣縮又は損傷を引き起こすことがほとんど又は全くないような形であり得ることを意味する。例えば、図10は、終端が半球形の自由端となっている遠位端52を示す。半球形の端部には、テクスチャを付与するか、又は機械的若しくは化学的に変質させることによって粗面化された表面を作り出し得る。他の非侵襲性の先端としては、全半径、又はJ型湾曲形状、若しくは単純に湾曲形状を有する端部を挙げることができる。
【0036】
図10は、半球形からワイヤ33に沿ってワイヤの近位端に向かって延在するスリーブを有する非侵襲性の先端を示す。スリーブ70は遠位先端に強度を加えることができ、従って擦過力が増加して接触表面積が増加するため、半球形の先端72が離れなくなる。
【0037】
他の実施形態において、遠位先端52は「攻撃的」で、遠位先端52が血管壁を擦過するように屈曲又は湾曲していてもよい。図9は、周縁が鋭い平坦な自由端を有する遠位端52を示す。攻撃的な遠位先端52はまた、縁部に斜角を付けて尖端を作ることによっても作り出され得る。サメのヒレのような切除ブレードを有する遠位先端もまた、攻撃的であり得る。遠位先端52を粗面化することで、遠位先端の切除部をより攻撃的にし、及び/又は血管壁に攣縮を生じさせるようにし得る。
【0038】
粗面化表面は、最初は滑らかなスチールを、研磨、機械加工、吹き付け、化学エッチング、例えば酸腐食(例えば、硝酸、フッ化水素酸、塩酸、及び/又は硫酸)に供することによって形成され得る。粗面化された外表面はまた、スリーブ70を形成するシートなどのシート状金属を不規則な形状のガイド上に圧延して不規則な表面を作ることによっても作り出され得る。
【0039】
また、第1、第2、及び/又は第3のセグメントの外表面は研磨剤で塗膜することによって表面が粗面化されてもよい。他の表面処理としては、中荒目やすり又はダイヤモンドグリットを挙げることができる。例えば、30グリットダイヤモンドでは攻撃的な表面が生じ、200グリットダイヤモンドでは非攻撃的な表面が生じ得る。
【0040】
使用中、特に先端が粗面化されているとき、ワイヤを一定期間ごとにシースに再び封入することで、ワイヤの先端からのデブリの除去、及び器具の正常な動作の維持が促進され得る。
【0041】
攻撃的な表面はまた、ワイヤ33の第1のセグメント54及び/又は第2のセグメント56に対し、四角形、又は菱形、又は台形、又は平行四辺形、又は楕円形、又は三角形、又は五角形などの様々な形状のスクリューフライトに従うワイヤ33の長さに沿った第2のワイヤによるねじ状外形を導入することにより形成してもよい。
【0042】
図10は、スリーブ70が先述した様々な方法の1つを用いて粗面化された外表面を有する第1のセグメント56を有する実施形態を示す。粗面化された表面処理を示すことに加え、図10はさらに、遠位先端に加重物が付けられたワイヤを例示し、この場合、加重は粗面化された外表面のスリーブにより加えられる。加重物はワイヤの重心に位置決めされるか、又は偏心して位置決めされ得る。偏心した加重物は、ワイヤを回転中に激しく揺動させ得る。激しい揺動は、加重物が重心に付けられたワイヤと比較して、血管に対しより攻撃的に動揺を与え得る。
【0043】
ワイヤ33の遠位端52はまた、湾曲したセグメントも備え得る。湾曲したセグメントの曲率は一定であってもよく、又は他の曲線、例えば楕円形又は長円形の一部分などに従ってもよい。ワイヤ33の遠位端52はまた、湾曲したセグメントの遠位に直線状のセグメントも有し得る。一定の曲率の実施形態と同様に、直線状のセグメントを伴う湾曲部分の曲率は一定であってもよく、又は先述の形に従ってもよい。
【0044】
スプリング90がワイヤ33の遠位端52から第1のセグメント54及び/又は第2のセグメント56に沿って取り付けられ、それにより攻撃的な切除面が作り出されてもよい。スプリングの端部は複数の箇所がろう付けされ得る。スプリング90は、先述された様々な外形に従い得る。図11〜13は、それぞれ、四角形、台形、及び五角形のスクリューフライトに従うスプリングの断面図を示す。
【0045】
様々な外形(例えば、四角形、三角形、平行四辺形、五角形)の尖った角部が血管壁を押し掻き、血管壁を切除し得る。ワイヤ33は、使用目的に応じて半球形か、又は平坦な自由端を有し得る。半球形の端部又は平坦な自由端はまた、テクスチャが付与されるか、又は粗面化されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管治療用器具であって、
ハンドルであって、
モータと、
前記ハンドルに装着され、前記モータを電源と電気的に連結しない第1の状態と、前記モータを前記電源と連結する第2の状態との間を切り換え可能なトリガと、
前記モータにより回転駆動される雄型連結具と、
を有するハンドルと、
前記ハンドルと係合可能なカートリッジであって、
前記雄型連結具により係合可能なサイズ及び形状であり、且つ係合されると、前記雄型連結具によって回転する雌型連結具と、
前記雌型連結具に固定された近位端と、前記近位端から延在してその終端が遠位端である主軸部とを有するワイヤと、
前記カートリッジに固定され、そこから延在するシースであって、前記ワイヤが通るルーメンを画成するシースと、
を有するカートリッジと、
を備え、前記雌型連結具が前記雄型連結具により係合されていないとき、前記シースが前記ワイヤの前記遠位端を被覆し、及び前記雌型連結具が前記雄型連結具により係合されているとき、前記シースが前記ワイヤの前記遠位端を被覆しない、
血管治療用器具。
【請求項2】
前記トリガと前記モータとを接続する電気回路に間置され、前記カートリッジと前記ハンドルとの係合によって開放状態から閉鎖状態に切り換え可能なことにより前記トリガと前記モータとを互いに電気的に連結できるマイクロスイッチをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カートリッジと前記ハンドルとの係合を防止する第1の位置に付勢されており、前記カートリッジと前記ハンドルとの係合を可能にする第2の位置に切り換え可能なゲートを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ゲートがさらに、前記カートリッジと前記ハンドルとの係合の解除を防止する第3の位置に切り換え可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第3の位置が、前記第1の位置と前記第2の位置との中間にある、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ゲートが前記第3の位置にあるとき、前記カートリッジに画成される戻り止めに収容される、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記ゲートが、前記ハンドルと接触するスプリングによって前記第1の位置に付勢されている、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記ゲートが前記ハンドルのスイッチと物理的に連結され、それによりスイッチを動かすと前記ゲートが前記第1の位置と前記第2の位置との間を切り換わる、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記ハンドルが、前記モータと電気的に連結されるポテンショメータを備えて前記モータの速度を制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記雄型連結具が拡張状態に付勢されており、前記拡張状態から収縮状態に移行可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記雌型連結具が、前記ハンドルと前記カートリッジとを係合する間、前記雄型連結具を前記拡張状態から前記収縮状態に移行させるサイズ及び形状とされる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記雄型連結具が、前記カートリッジと前記ハンドルとが完全に係合されると、前記拡張状態に戻るようなサイズ及び形状とされる、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記雄型連結具が前記拡張状態に戻ると、前記雌型連結具が前記雄型連結具との係合を解除可能となる、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記雄型連結具が前記拡張状態に戻ると、前記雌型連結具が前記雄型連結具との係合を解除できない、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記雄型連結具が、スリット状部分により隔てられた少なくとも2つの尖端部を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記シースの内径が0.022インチ〜0.048インチである、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記シースの外径が、静脈への挿入を促進するよう0.020インチ〜0.050インチである、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記ハンドルの1つ又は複数の部分が、中に前記トリガが少なくとも部分的に配置されるトリガリングを画成し、前記ハンドルが、前記ハンドルの前記トリガリングを画成する1つ又は複数の部分のみから支持されるとき平衡が保たれるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記シースが等間隔の外部標示を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記遠位端が、近位から遠位の順に、第1のセグメント、第2のセグメント、及び第3のセグメントを備え、
前記第1のセグメントが前記主軸部と前記第2のセグメントとの間に延在し、付勢されると第1の夾角で静止して、前記第1の夾角が、
前記主軸部と前記第1のセグメントとの間に画定され、且つ
180度未満であり、
前記第2のセグメントが前記第1のセグメントと前記第3のセグメントとの間に延在し、付勢されると第2の夾角で静止して、前記第2の夾角が、
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間に画定され、且つ
180度未満であり、及び
前記第3のセグメントが前記第2のセグメントから自由端まで延在し、付勢されると第3の夾角で静止して、前記第3の夾角が、
前記第2のセグメントと第3のセグメントとの間に画定され、且つ
180度未満である、
請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記第2の夾角が前記第1の夾角より大きい、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の夾角と前記第3の夾角との合計から前記第2の夾角を引いた差が約70度〜約110度の範囲である、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記第1の夾角と前記第3の夾角との合計から前記第2の夾角を引いた差が約80度〜約100度の範囲である、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の夾角と前記第3の夾角との合計から第2の夾角を引いた差が約90度である、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記第3のセグメントの長さが前記シースの内径より小さい、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記第3のセグメントの長さが0.028インチ未満である、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第3のセグメントの長さが前記シースの内径の3分の2以下である、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記主軸部により定義される軸から前記自由端までを計測した垂直方向の長さが0.3インチ未満である、請求項20に記載の装置。
【請求項29】
前記第1のセグメント及び第2のセグメントの各々の長さが約0.2インチ〜約0.3インチの範囲である、請求項20に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のセグメント及び第2のセグメントの各々の長さが約0.24インチ〜約0.26インチの範囲である、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第1のセグメントの長さが約0.248インチ〜約0.25インチの範囲であり、前記第2のセグメントの長さが約0.25インチ〜約0.252インチの範囲である、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記第1のセグメントの長さが0.249インチであり、前記第2のセグメントの長さが0.2504インチである、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記遠位端が互いに零角ではない角度で向き合う少なくとも2つの直線状のセグメントを有する、請求項20に記載の装置。
【請求項34】
前記ワイヤの前記遠位端の終端が半球形の自由端である、請求項1に記載の装置。
【請求項35】
前記ワイヤの前記遠位端の終端が尖った自由端である、請求項1に記載の装置。
【請求項36】
前記ワイヤの前記遠位端の終端がテクスチャの付与された半球形の自由端である、請求項1に記載の装置。
【請求項37】
前記ワイヤの前記遠位端の終端が平坦な自由端である、請求項1に記載の装置。
【請求項38】
前記ワイヤ遠位端に加重物が付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項39】
前記遠位端に、前記主軸部に対し偏心した加重が付与されている、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記遠位端が粗面化された表面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項41】
前記ワイヤが前記遠位端に沿って取り付けられたスプリングをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項42】
前記ワイヤ遠位端が湾曲したセグメントを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項43】
前記ワイヤ遠位端が前記湾曲したセグメントの遠位に直線状のセグメントを備える、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記シースルーメンと流体連通しているシリンジをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項45】
前記シリンジが前記カートリッジに取り付けられる、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記シリンジが、ストップコック付きで、又はストップコック無しで前記カートリッジに取り付けられる、請求項44に記載の装置。
【請求項47】
前記ハンドルが、前記シリンジを支えるよう位置決めされた支持体をさらに備える、請求項44に記載の装置。
【請求項48】
前記ハンドル及び前記シリンジが、使用者が前記トリガを手の人差し指で作動させると同時に、プランジャを同じ手の親指で前記シリンジに押し込むことができるようなサイズ、形状、及び位置とされる、請求項44に記載の装置。
【請求項49】
前記ハンドルが、
2つの部品から形成されるケーシングを備え、
前記モータ及び前記雄型連結具を内蔵し、及び、
中に前記雄型連結具が位置決めされ、前記カートリッジと前記ハンドルとが係合されるときに前記カートリッジの前記雌型連結具を収容する収容部を画成する、
請求項1に記載の装置。
【請求項50】
ハンドルであって、
モータと、
前記ハンドルに装着され、前記モータを電源と電気的に連結しない第1の状態と、前記モータを前記電源と連結する第2の状態との間を切り換え可能なトリガと、
前記モータにより回転駆動される雄型連結具と、
を備え、前記ハンドルの1つ又は複数の部分が、中に前記トリガが少なくとも部分的に配置されるトリガリングを画成し、前記ハンドルが、前記ハンドルの前記トリガリングを画成する1つ又は複数の部分のみから支持されるとき平衡が保たれるように構成される、ハンドル。
【請求項51】
血管治療用器具で使用するためのワイヤであって、
近位端と、
遠位端と、
前記近位端と前記遠位端との間に延在する主軸部と、
を備え、
前記遠位端が、近位から遠位の順に、第1のセグメント、第2のセグメント、及び第3のセグメントを備え、
前記第1のセグメントが前記主軸部と前記第2のセグメントとの間に延在し、付勢されると第1の夾角となり、前記第1の夾角が、
前記主軸部と前記第1のセグメントとの間に画定され、且つ
180度未満であり、
前記第2のセグメントが前記第1のセグメントと前記第3のセグメントとの間に延在し、付勢されると第2の夾角となり、前記第2の夾角が、
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間に画定され、且つ
180度未満であり、
前記第3のセグメントが前記第2のセグメントから自由端まで延在し、付勢されると第3の夾角となり、前記第3の夾角が、
前記第2のセグメントと前記第3のセグメントとの間に画定され、且つ
180度未満である、
ワイヤ。
【請求項52】
血管治療用器具であって、
ハンドルであって、
モータと、
前記モータにより回転駆動されるモータ連結具と、
前記ハンドルに装着され、前記モータを電源と電気的に連結しない第1の状態と、前記モータを前記電源と連結する第2の状態との間を切り換え可能なトリガと、
前記モータ連結具に固定される近位端と、そこから延在し、且つ終端が遠位端である主軸部とを有するワイヤと、
を有するハンドルと、
前記ハンドル内で第1の位置と第2の位置との間を移動可能なカートリッジと、
前記カートリッジに固定され、そこから延在するシースであって、前記ワイヤが通るルーメンを画成するシースと、
を備え、前記第1の位置において前記ワイヤの前記遠位端は露出されず、及び前記第2の位置において前記ワイヤの前記遠位端は露出される、血管治療用器具。
【請求項1】
血管治療用器具であって、
ハンドルであって、
モータと、
前記ハンドルに装着され、前記モータを電源と電気的に連結しない第1の状態と、前記モータを前記電源と連結する第2の状態との間を切り換え可能なトリガと、
前記モータにより回転駆動される雄型連結具と、
を有するハンドルと、
前記ハンドルと係合可能なカートリッジであって、
前記雄型連結具により係合可能なサイズ及び形状であり、且つ係合されると、前記雄型連結具によって回転する雌型連結具と、
前記雌型連結具に固定された近位端と、前記近位端から延在してその終端が遠位端である主軸部とを有するワイヤと、
前記カートリッジに固定され、そこから延在するシースであって、前記ワイヤが通るルーメンを画成するシースと、
を有するカートリッジと、
を備え、前記雌型連結具が前記雄型連結具により係合されていないとき、前記シースが前記ワイヤの前記遠位端を被覆し、及び前記雌型連結具が前記雄型連結具により係合されているとき、前記シースが前記ワイヤの前記遠位端を被覆しない、
血管治療用器具。
【請求項2】
前記トリガと前記モータとを接続する電気回路に間置され、前記カートリッジと前記ハンドルとの係合によって開放状態から閉鎖状態に切り換え可能なことにより前記トリガと前記モータとを互いに電気的に連結できるマイクロスイッチをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カートリッジと前記ハンドルとの係合を防止する第1の位置に付勢されており、前記カートリッジと前記ハンドルとの係合を可能にする第2の位置に切り換え可能なゲートを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ゲートがさらに、前記カートリッジと前記ハンドルとの係合の解除を防止する第3の位置に切り換え可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第3の位置が、前記第1の位置と前記第2の位置との中間にある、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ゲートが前記第3の位置にあるとき、前記カートリッジに画成される戻り止めに収容される、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記ゲートが、前記ハンドルと接触するスプリングによって前記第1の位置に付勢されている、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記ゲートが前記ハンドルのスイッチと物理的に連結され、それによりスイッチを動かすと前記ゲートが前記第1の位置と前記第2の位置との間を切り換わる、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記ハンドルが、前記モータと電気的に連結されるポテンショメータを備えて前記モータの速度を制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記雄型連結具が拡張状態に付勢されており、前記拡張状態から収縮状態に移行可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記雌型連結具が、前記ハンドルと前記カートリッジとを係合する間、前記雄型連結具を前記拡張状態から前記収縮状態に移行させるサイズ及び形状とされる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記雄型連結具が、前記カートリッジと前記ハンドルとが完全に係合されると、前記拡張状態に戻るようなサイズ及び形状とされる、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記雄型連結具が前記拡張状態に戻ると、前記雌型連結具が前記雄型連結具との係合を解除可能となる、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記雄型連結具が前記拡張状態に戻ると、前記雌型連結具が前記雄型連結具との係合を解除できない、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記雄型連結具が、スリット状部分により隔てられた少なくとも2つの尖端部を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記シースの内径が0.022インチ〜0.048インチである、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記シースの外径が、静脈への挿入を促進するよう0.020インチ〜0.050インチである、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記ハンドルの1つ又は複数の部分が、中に前記トリガが少なくとも部分的に配置されるトリガリングを画成し、前記ハンドルが、前記ハンドルの前記トリガリングを画成する1つ又は複数の部分のみから支持されるとき平衡が保たれるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記シースが等間隔の外部標示を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記遠位端が、近位から遠位の順に、第1のセグメント、第2のセグメント、及び第3のセグメントを備え、
前記第1のセグメントが前記主軸部と前記第2のセグメントとの間に延在し、付勢されると第1の夾角で静止して、前記第1の夾角が、
前記主軸部と前記第1のセグメントとの間に画定され、且つ
180度未満であり、
前記第2のセグメントが前記第1のセグメントと前記第3のセグメントとの間に延在し、付勢されると第2の夾角で静止して、前記第2の夾角が、
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間に画定され、且つ
180度未満であり、及び
前記第3のセグメントが前記第2のセグメントから自由端まで延在し、付勢されると第3の夾角で静止して、前記第3の夾角が、
前記第2のセグメントと第3のセグメントとの間に画定され、且つ
180度未満である、
請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記第2の夾角が前記第1の夾角より大きい、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の夾角と前記第3の夾角との合計から前記第2の夾角を引いた差が約70度〜約110度の範囲である、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記第1の夾角と前記第3の夾角との合計から前記第2の夾角を引いた差が約80度〜約100度の範囲である、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の夾角と前記第3の夾角との合計から第2の夾角を引いた差が約90度である、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記第3のセグメントの長さが前記シースの内径より小さい、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記第3のセグメントの長さが0.028インチ未満である、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第3のセグメントの長さが前記シースの内径の3分の2以下である、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記主軸部により定義される軸から前記自由端までを計測した垂直方向の長さが0.3インチ未満である、請求項20に記載の装置。
【請求項29】
前記第1のセグメント及び第2のセグメントの各々の長さが約0.2インチ〜約0.3インチの範囲である、請求項20に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のセグメント及び第2のセグメントの各々の長さが約0.24インチ〜約0.26インチの範囲である、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第1のセグメントの長さが約0.248インチ〜約0.25インチの範囲であり、前記第2のセグメントの長さが約0.25インチ〜約0.252インチの範囲である、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記第1のセグメントの長さが0.249インチであり、前記第2のセグメントの長さが0.2504インチである、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記遠位端が互いに零角ではない角度で向き合う少なくとも2つの直線状のセグメントを有する、請求項20に記載の装置。
【請求項34】
前記ワイヤの前記遠位端の終端が半球形の自由端である、請求項1に記載の装置。
【請求項35】
前記ワイヤの前記遠位端の終端が尖った自由端である、請求項1に記載の装置。
【請求項36】
前記ワイヤの前記遠位端の終端がテクスチャの付与された半球形の自由端である、請求項1に記載の装置。
【請求項37】
前記ワイヤの前記遠位端の終端が平坦な自由端である、請求項1に記載の装置。
【請求項38】
前記ワイヤ遠位端に加重物が付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項39】
前記遠位端に、前記主軸部に対し偏心した加重が付与されている、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記遠位端が粗面化された表面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項41】
前記ワイヤが前記遠位端に沿って取り付けられたスプリングをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項42】
前記ワイヤ遠位端が湾曲したセグメントを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項43】
前記ワイヤ遠位端が前記湾曲したセグメントの遠位に直線状のセグメントを備える、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記シースルーメンと流体連通しているシリンジをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項45】
前記シリンジが前記カートリッジに取り付けられる、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記シリンジが、ストップコック付きで、又はストップコック無しで前記カートリッジに取り付けられる、請求項44に記載の装置。
【請求項47】
前記ハンドルが、前記シリンジを支えるよう位置決めされた支持体をさらに備える、請求項44に記載の装置。
【請求項48】
前記ハンドル及び前記シリンジが、使用者が前記トリガを手の人差し指で作動させると同時に、プランジャを同じ手の親指で前記シリンジに押し込むことができるようなサイズ、形状、及び位置とされる、請求項44に記載の装置。
【請求項49】
前記ハンドルが、
2つの部品から形成されるケーシングを備え、
前記モータ及び前記雄型連結具を内蔵し、及び、
中に前記雄型連結具が位置決めされ、前記カートリッジと前記ハンドルとが係合されるときに前記カートリッジの前記雌型連結具を収容する収容部を画成する、
請求項1に記載の装置。
【請求項50】
ハンドルであって、
モータと、
前記ハンドルに装着され、前記モータを電源と電気的に連結しない第1の状態と、前記モータを前記電源と連結する第2の状態との間を切り換え可能なトリガと、
前記モータにより回転駆動される雄型連結具と、
を備え、前記ハンドルの1つ又は複数の部分が、中に前記トリガが少なくとも部分的に配置されるトリガリングを画成し、前記ハンドルが、前記ハンドルの前記トリガリングを画成する1つ又は複数の部分のみから支持されるとき平衡が保たれるように構成される、ハンドル。
【請求項51】
血管治療用器具で使用するためのワイヤであって、
近位端と、
遠位端と、
前記近位端と前記遠位端との間に延在する主軸部と、
を備え、
前記遠位端が、近位から遠位の順に、第1のセグメント、第2のセグメント、及び第3のセグメントを備え、
前記第1のセグメントが前記主軸部と前記第2のセグメントとの間に延在し、付勢されると第1の夾角となり、前記第1の夾角が、
前記主軸部と前記第1のセグメントとの間に画定され、且つ
180度未満であり、
前記第2のセグメントが前記第1のセグメントと前記第3のセグメントとの間に延在し、付勢されると第2の夾角となり、前記第2の夾角が、
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間に画定され、且つ
180度未満であり、
前記第3のセグメントが前記第2のセグメントから自由端まで延在し、付勢されると第3の夾角となり、前記第3の夾角が、
前記第2のセグメントと前記第3のセグメントとの間に画定され、且つ
180度未満である、
ワイヤ。
【請求項52】
血管治療用器具であって、
ハンドルであって、
モータと、
前記モータにより回転駆動されるモータ連結具と、
前記ハンドルに装着され、前記モータを電源と電気的に連結しない第1の状態と、前記モータを前記電源と連結する第2の状態との間を切り換え可能なトリガと、
前記モータ連結具に固定される近位端と、そこから延在し、且つ終端が遠位端である主軸部とを有するワイヤと、
を有するハンドルと、
前記ハンドル内で第1の位置と第2の位置との間を移動可能なカートリッジと、
前記カートリッジに固定され、そこから延在するシースであって、前記ワイヤが通るルーメンを画成するシースと、
を備え、前記第1の位置において前記ワイヤの前記遠位端は露出されず、及び前記第2の位置において前記ワイヤの前記遠位端は露出される、血管治療用器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図14A】
【図15】
【図15A】
【図16】
【図16A】
【図17】
【図17A】
【図18】
【図18A】
【図19】
【図19A】
【図20】
【図20A】
【図21】
【図21A】
【図22】
【図22A】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図14A】
【図15】
【図15A】
【図16】
【図16A】
【図17】
【図17A】
【図18】
【図18A】
【図19】
【図19A】
【図20】
【図20A】
【図21】
【図21A】
【図22】
【図22A】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2010−503479(P2010−503479A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528466(P2009−528466)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/078367
【国際公開番号】WO2008/033983
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(509072250)ヴァスキュラー インサイツ エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/078367
【国際公開番号】WO2008/033983
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(509072250)ヴァスキュラー インサイツ エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
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