説明

血管表示装置

【課題】生体組織の表面に、鮮明でかつ実際の血管に対して位置ずれが発生していない血
管画像を表示することのできる血管表示装置を提供すること。
【解決手段】血管表示装置100は、検知用レーザー光を腕600に走査し、腕600の
検知用レーザー光が照射された照射部位610からの反射光を検知する検知手段と、検知
手段の検知結果に基づいて、照射部位610の表面形状とともに照射部位610の表層に
ある血管620の配置を検知し、照射部位610に表示する、血管を可視化するための画
像900の画像データを生成する画像データ生成部と、画像データ生成部900で生成さ
れた画像データに基づいて、表示用レーザー光を照射部位610に走査することにより、
照射部位610に血管620を可視化するための画像900を表示する表示手段とを有し
ている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、医療現場において、医師等が患者の腕等に注射を打つ際に、表層にある血管め
がけて注射針を皮膚組織に穿刺する。この際、医師が血管を目視で確認することができれ
ば、高い確率で血管確保を行うことができる。しかしながら、子供や皮下脂肪の厚い人等
、患者の中には、血管を目視で確認し難い者も存在し、このような場合には、血管確保の
確立が著しく低下する。
【0003】
そこで、近年では、生体組織の表層にある血管を可視化する技術として、公知の静脈認
証技術によって取得した血管画像データを、DLPプロジェクター等を用いて生体組織(
例えば手の甲)表面にリアルタイムに表示することによって、血管を可視化する装置(L
uminetx社製「VEINVIEWER」)が開発されている(例えば、非特許文献
1参照)。
【0004】
しかしながら、このような装置では、血管画像データの取得と血管画像データの表示と
を、別々の装置で行う必要があるため、血管画像によって可視化された血管と、実際の血
管の位置に誤差が生じる。また、生体組織の表面は、平坦でなく複雑に湾曲しているため
、DLPプロジェクター等を用いて生体組織表面に画像を表示させると、ピントずれが生
じ画像がぼやけるといった問題も発生する。すなわち、従来のような装置では、生体組織
の表面に、鮮明でかつ実際の血管に対して位置ずれが発生していない血管画像を表示する
ことができないという問題がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ルミネックス(Luminetx) ベインビューワー(VEINVIEWER) [online] 2006年 [平成22年3月5日検索]、インターネット<URL:http://www.luminetx.com/Portals/0/pdf/VVGS%20General%20%20Broch%20(D00144F).pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、生体組織の表面に、鮮明でかつ実際の血管に対して位置ずれが発生し
ていない血管画像を表示することのできる血管表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の血管表示装置は、検知用レーザー光を生体組織に走査し、前記生体組織の前記
検知用レーザー光が照射された照射部位からの反射光を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づいて、前記照射部位の表面形状とともに前記照射部位の
表層にある血管の配置を検知し、前記照射部位に表示する前記血管を可視化するための画
像の画像データを生成する画像データ生成部と、
前記画像データ生成部で生成された前記画像データに基づいて、表示用レーザー光を前
記照射部位に走査することにより、前記照射部位に前記血管を可視化するための画像を表
示する表示手段とを有していることを特徴とする。
これにより、生体組織の表面に、鮮明でかつ実際の血管に対して位置ずれが発生してい
ない血管画像(血管を可視化する画像)を表示することができる。また、表示光としてレ
ーザー光を用いているため、生体組織の表面が複雑に湾曲等していても、鮮明でぼやけ等
のない血管画像を表示することができる。
【0008】
本発明の血管表示装置では、前記検知手段の駆動を制御するとともに、前記画像データ
生成部で生成された前記画像データに基づいて前記表示手段の駆動を制御する制御部を有
していることが好ましい。
これにより、より確実に、生体組織の表面に血管画像を表示することができる。
本発明の血管表示装置では、前記検知手段は、前記検知用レーザー光を出射する検知用
レーザー光源と、該検知用レーザー光源から出射した前記検知用レーザー光を前記生体組
織に走査する検知用レーザー光走査部と、前記反射光を受光する受光素子とを有し、
前記表示手段は、前記表示用レーザー光を出射する表示用レーザー光源と、該表示用レ
ーザー光源から出射した前記表示用レーザー光を前記照射部位に走査する表示用レーザー
光走査部とを有していることが好ましい。
これにより、血管表示装置の装置構成が簡単となる。
【0009】
本発明の血管表示装置では、前記検知用レーザー光走査部および前記表示用レーザー光
走査部は、それぞれ、光反射性を有する光反射部を備えた可動板が少なくとも一方向へ回
動可能に設けられ、当該回動によって前記光反射部で反射したレーザー光を前記照射部位
に走査するアクチュエータを有していることが好ましい。
これにより、光走査部の装置構成が簡単となるとともに、優れたレーザー光の走査特性
を有することができる。
【0010】
本発明の血管表示装置では、前記検知用レーザー光走査部は、前記表示用レーザー光走
査部を兼ねていることが好ましい。
これにより、血管表示装置の装置構成が簡単となる。さらに、表示用レーザー光と検知
用レーザー光とを、同じ光走査部によって走査するため、検知用レーザー光を走査した照
射部位に対して、ズレなく正確に位置した血管画像を描画することができる。
【0011】
本発明の血管表示装置では、前記検知用レーザー光は、近赤外レーザー光であることが
好ましい。
近赤外レーザー光は、血管中を流れる血液に含まれるヘモグロビンにより吸収される性
質を有しており、このような性質を用いることにより、照射部位の表層にある血管の存在
をより確実に検知することができる。
【0012】
本発明の血管表示装置では、前記血管を可視化する画像は、緑色の前記表示用レーザー
光によって表示されることが好ましい。
これにより、より血管が可視化された画像を照射部位に表示することができる。
本発明のでは、前記表示手段は、前記血管を可視化するとともに、前記血管の目的部位
を示す画像を表示する請求項1ないし7のいずれかに記載の血管表示装置。
これにより、目的部位を容易に確認することができ、各種医療行為がより行い易くなる

【0013】
本発明の血管表示装置では、前記所望部位は、穿刺針を穿刺する部位であることが好ま
しい。
これにより、注射を打つ際(穿刺針を皮膚に穿刺する際)に、さらに血管を確保し易く
なる。
本発明の血管表示装置では、画像データ生成部は、所定の時間間隔ごとに、前記画像デ
ータを生成することが好ましい。
これにより、仮に、血管表示装置に対して生体組織が変位したとしても、その変位に追
従するように、新たな血管画像を描画することが可能となる。したがって、実際の血管に
対して位置ずれが発生していない血管画像を表示し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の血管表示装置により表示された画像を示す図である。
【図2】本発明の血管表示装置の概略図である。
【図3】図2に示す血管表示装置が備える光スキャナーの部分断面斜視図である。
【図4】図3に示す光スキャナーの駆動を説明する断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る血管表示装置の概略図である。
【図6】図5に示す表示手段により表示される画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の血管表示装置の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明す
る。
<第1実施形態>
まず、本発明の血管表示装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の血管表示装置により表示された画像を示す図、図2は、本発明の血管
表示装置の概略図、図3は、図2に示す血管表示装置が備える光スキャナーの部分断面斜
視図、図4は、図3に示す光スキャナーの駆動を説明する断面図である。なお、以下では
、説明の便宜上、図3、図4中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「
右」と言う。
【0016】
血管表示装置100は、生体組織の表層に存在する血管(特に静脈)を可視化する装置
である。このような血管表示装置100は、例えば、図1に示すように、医師等が患者に
注射を打つ際に、患者の腕600の表層に存在する血管620を可視化し、確実に血管を
確保するために用いられる。
ここで、患者の中には、子供や、皮下脂肪の厚い人等、目視では血管を確認し難い患者
もいるが、このような患者であっても、血管表示装置100によれば、目視では確認でき
ない血管を可視化することができるため、確実に血管を確保することができる。そのため
、医師は、如何なる患者に対しても、迅速、確実かつ安全に前記医療行為を行うことがで
きる。また、穿刺針の誤穿刺が防止されるため、患者の負担も軽減される。
【0017】
以下、血管表示装置100について詳細に説明する。
図2に示すように、血管表示装置100は、検知手段200と、画像データ生成部30
0と、表示手段400と、制御部500とで構成されている。以下、これら各構成要素に
ついて順次説明する。なお、以下では、説明の便宜上、図1に示すように、患者の腕60
0の表層に存在する血管620を可視化する場合について代表して説明する。
【0018】
(検知手段200)
検知手段200は、患者の腕600に検知用レーザー光LL’を走査し、検知用レーザ
ー光LL’が照射された照射部位610からの反射レーザー光LL”を検出する機能を有
している。
図2に示すように、検知手段200は、検知用レーザー光LL’を出射する検知用レー
ザー光出射装置210と、検知用レーザー光出射装置210から出射した検知用レーザー
光LL’を腕600に走査する検知用レーザー光走査部700と、腕600(照射部位6
10)からの反射レーザー光LL”を受光する受光部220とを有している。このような
構成とすることにより、検知手段200の構成が簡単となる。
【0019】
検知用レーザー光出射装置210は、レーザー光源211と、レーザー光源211に対
応して設けられたコリメータレンズ212およびダイクロイックミラー213とを備えて
いる。レーザー光源211は、制御部500から送信される駆動信号に対応して検知用レ
ーザー光LL’を出射する。出射された検知用レーザー光LL’は、コリメータレンズ2
12によって平行化されて細いビームとされる。コリメータレンズ212によって平行化
された検知用レーザー光LL’は、ダイクロイックミラー213によって反射され、検知
用レーザー光走査部700に至る。
【0020】
レーザー光源211から出射される検知用レーザー光LL’としては、特に限定されな
いが、近赤外レーザー光、具体的には600nm〜900nm程度の波長を持つレーザー
光であるのが好ましい。このような波長のレーザー光は、血管内を流れる血液中に含まれ
るヘモグロビン(赤血球)によって吸収されることが分かっている。したがって、近赤外
の検知用レーザー光LL’を用いることによって、後述するように、照射部位610の表
層に存在する血管620をより確実かつ正確に検知することができる。
検知用レーザー光走査部700は、検知用レーザー光出射装置から出射した検知用レー
ザー光LL’を腕600の表面に対して2次元的に走査する。
【0021】
図2に示すように、検知用レーザー光走査部700は、検知用レーザー光出射装置21
0から出射した検知用レーザー光LL’を腕600に対して第1の方向に走査する第1の
光スキャナー710と、第1の光スキャナー710が有する後述する可動板711aの挙
動を検出する挙動検出手段720と、検知用レーザー光LL’を腕600に対して前記第
1の方向に直交する第2の方向に走査する第2の光スキャナー730と、第2の光スキャ
ナー730が有する後述する可動板731aの挙動を検出する挙動検出手段740とを有
している。検知用レーザー光走査部700をこのような構成とすることにより、検知用レ
ーザー光走査部700の装置構成が簡単となるとともに、優れたレーザー光(検知用レー
ザー光LL’および表示用レーザー光LL)の走査特性を発揮することができる。
【0022】
以下、第1の光スキャナー710および第2の光スキャナー730の構成について具体
的に説明するが、第1の光スキャナー710および第2の光スキャナー730は、互いに
同様の構成であるため、以下では、説明の便宜上、第1の光スキャナー710について代
表して説明し、第2の光スキャナー730については、その説明を省略する。
図3に示すように、第1の光スキャナー710は、いわゆる1自由度振動系であり、基
体711と、基体711の下面に対向するよう設けられた対向基板713と、基体711
と対向基板713との間に設けられたスペーサー712とを有している。
【0023】
基体711は、可動板711aと、可動板711aを回動可能に支持する支持部711
bと、可動板711aと支持部711bとを連結する1対の連結部711c、711dと
を有している。
可動板711aは、その平面視にて、略長方形をなしている。このような可動板711
aの上面には、光反射性を有する光反射部(ミラー)711eが設けられている。光反射
部711eは、例えば、Al、Ni等の金属膜で構成されている。また、可動板711a
の下面には、永久磁石714が設けられている。
【0024】
支持部711bは、可動板711aの平面視にて、可動板711aの外周を囲むように
設けられている。すなわち、支持部711bは、枠状をなしていて、その内側に可動板7
11aが位置している。
連結部711cは、可動板711aの一方側にて、可動板711aと支持部711bと
を連結し、連結部711dは、可動板711aの他方側にて、可動板711aと支持部7
11bとを連結している。連結部711c、711dは、それぞれ、長手形状をなしてお
り、弾性変形可能である。このような1対の連結部711c、711dが、互いに同軸的
に設けられており、この軸(以下「回動中心軸J1」と言う)を中心として、可動板71
1aが支持部711bに対して回動する。
このような基体711は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、可動板7
11aと支持部711bと連結部711c、711dとが一体的に形成されている。
【0025】
スペーサー712は、枠状をなしていて、その上面が基体711の下面と接合している
。また、スペーサー712は、可動板711aの平面視にて、支持部711bの形状とほ
ぼ等しくなっている。このようなスペーサー712は、例えば、各種ガラス、各種セラミ
ックス、シリコン、SiOなどで構成されている。
なお、スペーサー712と基体711との接合方法としては、特に限定されず、例えば
、接着剤等の別部材を介して接合してもよいし、スペーサー712の構成材料によっては
陽極接合などを用いてもよい。
【0026】
対向基板713は、スペーサー712と同様に、例えば、各種ガラス、シリコン、Si
などで構成されている。このような対向基板713の上面であって、可動板711a
と対向する部位には、コイル715が設けられている。
永久磁石714は、板棒状をなしていて、可動板711aの下面に沿って設けられてい
る。このような永久磁石714は、可動板711aの平面視にて、回動中心軸J1に対し
て直交する方向に磁化(着磁)されている。すなわち、永久磁石714は、両極(S極、
N極)を結んだ線分が、回動中心軸J1に対して直交するよう設けられている。
このような永久磁石714としては、特に限定されず、例えば、ネオジウム磁石、フェ
ライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石などを用いることができる。
【0027】
コイル715は、可動板711aの平面視にて、永久磁石714の外周を囲むように設
けられている。
また、図4に示すように、第1の光スキャナー710は、コイル715に電圧を印加す
る電圧印加手段716を有している。電圧印加手段716は、印加する電圧の電圧値や周
波数等の各条件を調整(変更)し得るように構成されている。電圧印加手段716、コイ
ル715および永久磁石714により、可動板711aを回動させる駆動手段717が構
成される。
【0028】
コイル715には、制御部500の制御により、電圧印加手段716から所定の電圧が
印加され、所定の電流が流れる。
例えば、制御部500の制御により、電圧印加手段716からコイル715に交番電圧
を印加すると、それに応じて電流が流れ、可動板711aの厚さ方向の磁界が発生し、か
つ、その磁界の向きが周期的に切り換わる。すなわち、コイル715の上側付近がS極、
下側付近がN極となる状態と、コイル715の上側付近がN極、下側付近がS極となる状
態とが交互に切り換わることとなり、これにより、連結部711c、711dを捩り変形
させながら、可動板711aが回動中心軸J1まわりに回動する(図4(A)、(B)の
状態を交互に繰り返す)。
【0029】
また、制御部500の制御によって、電圧印加手段716からコイル715に印加する
電圧を調整することにより、流れる電流を調整することができ、これにより、可動板71
1aの回動中心軸J1を中心とする振れ角(振幅)を調整することができる。
なお、このような第1の光スキャナー710の構成としては、可動板711aを回動さ
せることができれば、特に限定されず、例えば、駆動方式については、コイル715と永
久磁石714とを用いた電磁駆動に代えて、例えば、圧電素子を用いた圧電駆動や静電引
力を用いた静電駆動としてもよい。
【0030】
図2に示すように、上述のような構成の第1の光スキャナー710と、第1の光スキャ
ナー710と同様の構成の第2の光スキャナー730は、互いの回動中心軸J1、J2が
直交するように設けられている。第1、第2の光スキャナー710、730をこのように
設けることにより、腕600の表面に対し、検知用レーザー光出射装置210から出射し
た検知用レーザー光LL’を2次元的に(互いに直交する2方向に)走査することができ
る。
【0031】
ここで、第1の光スキャナー710および第2の光スキャナー730の回動速度として
は、特に限定されないが、一方の光スキャナーの回動速度の方が、他方の光スキャナーの
回動速度よりも速いことが好ましい。これにより、レーザー光(検知用レーザー光LL’
および表示用レーザー光LL)の腕600への走査特性が向上する。例えば、第1の光ス
キャナー710の回動速度を、第2の光スキャナー730の回動速度よりも速く設定する
場合には、第1の光スキャナー710を共振駆動とし、第2の光スキャナー730を非共
振駆動とするのが好ましい。これにより、上記効果がより顕著となる。
【0032】
次に、第1の光スキャナー710の可動板711aの挙動(角度)を検出する挙動検出
手段720について説明する。なお、第2の光スキャナー730の可動板731aの挙動
(角度)を検出する挙動検出手段740については、挙動検出手段720と同様の構成で
あるため、その説明を省略する。
図3に示すように、挙動検出手段720は、第1の光スキャナー710の連結部711
c上に設けられた圧電素子721と、圧電素子721から発生する起電力を検出する起電
力検出部722と、起電力検出部722の検出結果に基づいて可動板711aの角度(振
れ角)を検知する角度検知部723とを有している。
【0033】
圧電素子721は、可動板711aの回動に伴う連結部711cの捩り変形に伴って変
形する。圧電素子721は、外力が付与されていない自然状態から変形すると、その変形
量に応じた大きさの起電力を発生する性質を有している。そのため、角度検知部723で
は、起電力検出部722で検出された起電力の大きさに基づいて、連結部711cの捩れ
の程度を求め、その捩れの程度から可動板711aの角度を求める。これにより、可動板
711aの挙動が検出される。検出された可動板711aの挙動は、角度検知部723か
ら制御部500に送信される。
【0034】
なお、可動板711aの挙動の検出は、リアルタイムで(連続的に)行ってもよく、ま
た、所定時間ごとに間欠的に行ってもよい。また、挙動検出手段720としては、可動板
711aの挙動を検出することができれば、本実施形態のような圧電素子を用いた構成に
限定されない。例えば、フォトダイオード等の受光素子と、この受光素子に向けてレーザ
ー光を出射する装置とを、可動板711aが所定の姿勢となったときに受光素子によるレ
ーザー光の受光が遮られるように設け、レーザー光が遮られるタイミングを検知すること
により、可動板711aの挙動を検出してもよい。
【0035】
このような構成の検知用レーザー光走査部700によって腕600の表面に走査された
検知用レーザー光LL’(所定時刻に出射された検知用レーザー光LL’)は、腕600
の表面(表層)で反射され、反射レーザー光LL”となって再び検知用レーザー光走査部
700に至る。この際、反射レーザー光LL”は、腕600の表面に走査されるのに辿っ
た光路と同じ光路を辿って、検知用レーザー光出射装置210に戻ろうとする。受光部2
20は、検知用レーザー光出射装置210に戻ろうとする反射レーザー光LL”を途中で
分岐して受光する。
【0036】
なお、反射レーザー光LL”以外にも、検知用レーザー光LL’が照射された部位以外
の部位からの反射光等が検知用レーザー光走査部700に侵入する可能性がある。しかし
ながら、前記反射光の第2の光スキャナー730の光反射部731eに対する入射角は、
反射レーザー光LL”の入射角とは異なるため、前記反射光が反射レーザー光LL”のよ
うにフォトダイオード222で受光されることはない。このような点から、フォトダイオ
ード222は、反射レーザー光LL”のみを確実に受光することができる。
【0037】
図2に示すように、受光部220は、検知用レーザー光出射装置210から出射され検
知用レーザー光走査部700に至るまでの検知用レーザー光LL’の光路に重なるように
設けられ、反射レーザー光LL”を分岐するビームスプリッタ221と、ビームスプリッ
タ221で分岐された反射レーザー光LL”を受光するフォトダイオード(受光素子)2
22とを有している。
【0038】
(画像データ生成部300)
画像データ生成部300は、検知手段200の検知結果、すなわちフォトダイオード2
22が受光した反射レーザー光LL”に基づいて、照射部位610の表面形状とともに照
射部位610の表層にある血管620の配置を検知し、さらに、照射部位610に表示す
る、血管を可視化するための画像900の画像データ900Dを生成する機能を有してい
る。
【0039】
このような画像データ生成部300は、例えば、次のようにして画像データ900Dを
生成する。なお、画像データDの生成方法は、次の方法に限定されない。例えば、以下に
説明する方法は、TOF(Time Of Flight)法を用いる方法であるが、これ
に変えて、位相差検出法や三角法を用いる方法であってもよい。
まず、制御部500によって、第1、第2の光スキャナー710、730の駆動が開始
される。次いで、制御部500によって、検知用レーザー光出射装置210からパルス状
の検知用レーザー光LL’(以下、「検知用レーザー光LL1’」と言う)を所定タイミ
ングで出射する。この際、制御部500は、クロック信号および挙動検出手段720、7
40から送信される第1、第2の光スキャナー710、730の挙動信号等に基づいて、
検知用レーザー光LL1’の出射時刻と走査方向(言い換えれば、各可動板711a、7
31aの姿勢)とを対応付けて記憶する。そして、制御部500は、検知用レーザー光L
L1’の出射時刻と走査方向とを対応付けた情報を画像データ生成部300に送信する。
【0040】
腕600へ向けて走査された検知用レーザー光LL1’は、腕600の表面(表層)に
よって反射されて反射レーザー光LL1”となり、この反射レーザー光LL1”をフォト
ダイオード222が受光する。画像データ生成部300は、フォトダイオード222が反
射レーザー光LL1”を受光した時刻を検知し、検知用レーザー光LL1’が検知用レー
ザー光出射装置210から出射された時刻(前記出射時刻)と、フォトダイオード222
が反射レーザー光LL1”を受光した時刻の時間差を求める。そして、画像データ生成部
300は、この時間差に基づいて、検知用レーザー光LL1’の走査方向における血管表
示装置100と腕600の離間距離を求める。
【0041】
さらに画像データ生成部300は、前述の離間距離の算出とともに、フォトダイオード
222が受光した反射レーザー光LL1”の光量を検知する。前述したように、検知用レ
ーザー光LL1’は、近赤外レーザー光であり、血管620中を流れる血液に含まれるヘ
モグロビン(赤血球)により吸収される性質を有している。したがって、仮に、腕600
の検知用レーザー光LL1’が照射された部位の表層に血管620が存在する場合、フォ
トダイオード222が受光する反射レーザー光LL1”の光量が少なくなる。反対に、腕
600の検知用レーザー光LL1’が照射された部位の表層に血管620が存在しない場
合には、フォトダイオード222が受光する反射レーザー光LL1”の光量が、血管が存
在する場合と比較して多くなる。このような光量の差を利用して、画像データ生成部30
0は、腕600の検知用レーザー光LL”が照射された部位の表層に血管620が存在し
ているか否かを検知する。
【0042】
なお、画像データ生成部300は、検知用レーザー光LL1’が照射された部位に血管
620が存在するか否かを判断するために、フォトダイオード222で受光する反射レー
ザー光LL1”の光量に閾値を設定してもよい。これにより、光量が閾値以下の場合には
、血管620が存在すると判断し、閾値より多い場合には、血管620が存在しないと判
断することができるため、血管620の有無の判断が容易となる。前記閾値は、予め実験
等により求めることができる。
【0043】
制御部500は、前述のような検知用レーザー光LL1’を出射した後、所定時間間隔
ごとに、検知用レーザー光出射装置210からパルス状の検知用レーザー光LL’(検知
用レーザー光LL2’、LL3’、LL4’……)を連続的に出射させる。そして、画像
データ生成部300は、各検知用レーザー光LL’について、前述の検知用レーザー光L
L1’と同様に、検知用レーザー光LL’の走査方向における血管表示装置100と腕6
00の離間距離および検知用レーザー光LL’が照射された部位の血管620の有無を検
知する。
【0044】
以上のようにして、画像データ生成部300は、腕600の検知用レーザー光LL’が
照射された照射部位610の表面形状および照射部位610の表層に存在する血管620
の配置を検知する。
次いで、画像データ生成部300は、検知した照射部位610の表面形状および血管6
20の配置に基づいて、照射領域に表示する画像900の画像データ900Dを生成する
。画像900は、血管620を可視化する(より視認し易くする)画像である。画像90
0としては、血管620を可視化することができれば特に限定されず、例えば、図1に示
すような照射部位610の血管620が存在する箇所以外に表示用レーザー光LLを照射
した画像や、反対に、照射部位610の血管620が存在する箇所のみに表示用レーザー
光LLを照射した画像が挙げられる。なお、以下では、説明の便宜上、図1に示すような
、照射部位610の血管620が存在する箇所以外に表示用レーザー光LLを照射した画
像900について代表して説明する。
【0045】
画像データ生成部300は、検知用レーザー光LL’が照射された各部位ごとに、表示
用レーザー光LLを照射するか否かを対応付けることにより画像データ900Dを得るこ
とができる。すなわち、例えば、検知用レーザー光LL1’が照射された部位に血管62
0が存在していた場合には、当該部位に表示用レーザー光LLを照射しないよう対応付け
、検知用レーザー光LL2’が照射された部位に血管620が存在していない場合には、
当該部位に表示用レーザー光LLを照射するよう対応付ければよい。これにより、簡単に
画像データ900Dが得られる。
以上のようにして、画像データ生成部300で生成された画像データ900Dは、制御
部500に送信される。そして、制御部500は、受信した画像データ900Dに基づい
て表示手段400の駆動を制御する。
【0046】
(表示手段400)
表示手段400は、画像データ生成部300で生成された前記画像データ900Dに基
づいて、表示用レーザー光LLを照射部位610に走査することにより、照射部位610
に血管620を可視化する画像900を表示する機能を有している。
図2に示すように、表示手段400は、表示用レーザー光LLを出射する表示用レーザ
ー光出射装置410と、表示用レーザー光出射装置410から出射した表示用レーザー光
LLを腕600の照射部位610に走査する表示用レーザー光走査部700’とを有して
いる。このような構成とすることにより、表示手段400の構成が簡単となる。
【0047】
表示用レーザー光出射装置410は、各色のレーザー光源411r、411g、411
bと、各レーザー光源411r、411g、411bに対応して設けられたコリメータレ
ンズ412r、412g、412bおよびダイクロイックミラー413r、413g、4
13bとを備えている。
各色のレーザー光源411r、411g、411bは、それぞれ赤色、緑色および青色
のレーザー光RR、GG、BBを出射する。レーザー光RR、GG、BBは、それぞれ、
制御部500から送信される駆動信号(画像データ900D)に対応して変調された状態
で出射され、コリメータレンズ412r、412g、412bによって平行化されて細い
ビームとされる。
【0048】
ダイクロイックミラー413r、413g、413bは、それぞれ、赤色レーザー光R
R、緑色レーザー光GG、青色レーザー光BBを反射する特性を有し、各色のレーザー光
RR、GG、BBを結合して1つの表示用レーザー光LLとして出射する。表示用レーザ
ー光出射装置410から出射された表示用レーザー光LLは、表示用レーザー光走査部7
00’に至る。
【0049】
本実施形態では、表示用レーザー光出射装置410が各色のレーザー光源411r、4
11g、411bを有しているため、表示用レーザー光LLの色を如何なる色とすること
ができる。そのため、例えば、医師の好みや患者の皮膚の色に応じて表示用レーザー光L
Lの色を変えることができ、血管表示装置200の利便性が向上する。
表示用レーザー光走査部700’は、表示用レーザー光出射装置410から出射した表
示用レーザー光LLを腕600の照射部位610に対して2次元的に走査し、照射部位6
10に画像900を描画する。図2に示すように、本実施形態の表示用レーザー光走査部
700’は、検知用レーザー光走査部700が兼ねている。これにより、血管表示装置1
00の構成が簡単となる。また、表示用レーザー光LLと検知用レーザー光LL’とを、
同じ光走査部によって走査するため、検知用レーザー光LL’を走査した照射部位610
に対して、ズレなく正確に位置した画像900を描画することができる。そのため、医師
は、より確実に血管620を確保することができる。
【0050】
(制御部500)
制御部500は、前述したような検知手段200の駆動の制御とともに、画像データ生
成部300によって生成された画像データ900Dに基づいて表示手段400の駆動を制
御する。このような制御部500を有することにより、より確実に、腕600の表面に画
像900を表示することができる。
【0051】
制御部500による表示手段400の駆動の制御について説明すると、まず、制御部5
00は、第1、第2の光スキャナー710、730を駆動させる。次いで、挙動検出手段
720、740から得られる挙動情報と画像データ生成部300で生成された画像データ
900Dとに基づいて、所定のタイミングで表示用レーザー光LLを出射するよう表示用
レーザー光出射装置410の作動を制御する。
【0052】
例えば、制御部500は、画像データ900Dに検知用レーザー光LL1’が照射され
た部位に表示用レーザー光LLを照射しないよう記録されている場合には、第1、第2の
光スキャナー710、730(可動板711a、731a)の姿勢が検知用レーザー光L
L1’を出射したときの姿勢と一致している時に表示用レーザー光出射装置410から表
示用レーザー光LLを出射させず、検知用レーザー光LL2’が照射された部位に表示用
レーザー光LLを照射するよう記録されている場合には、第1、第2の光スキャナー71
0、730(可動板711a、731a)の姿勢が検知用レーザー光LL2’を出射した
ときの姿勢と一致している時に表示用レーザー光出射装置410から表示用レーザー光L
Lを出射させる。制御部500が、このような制御を照射部位610の全域に対して行う
ことにより、表示手段400によって照射部位610に画像900が描画される。
【0053】
ここで、画像900の描画に用いる表示用レーザー光LLとしては、緑色のレーザー光
であるのが好ましい。緑色は、人間が視認し易い色であるため、血管をより確実に可視化
することができ、医師は、より確実に血管を確保することができる。なお、表示用レーザ
ー光LLとして緑色のレーザー光を用いる場合には、表示用レーザー光出射装置410か
ら、レーザー光源411r、411b、コリメータレンズ412r、412bおよびダイ
クロイックミラー413r、413bを省略してもよい。
【0054】
以上、血管表示装置100について詳細に説明した。このような血管表示装置100に
よれば、腕600の表面に、鮮明でかつ実際の血管に対する位置ずれのない画像(血管6
20を可視化する画像)900を表示することができる。また、表示光としてレーザー光
を用いているため、腕600(照射部位610)の表面が複雑に湾曲等していても、鮮明
でぼやけ等のない画像900を表示することができる。そのため、医師等は、確実に血管
を確保することができる。
【0055】
ここで、制御部500は、所定時間間隔ごとに、検知手段200を駆動させるとともに
、画像データ生成部300によって新たな画像データ900Dを生成させるのが好ましい
。これにより、血管表示装置100に対して腕600の位置が変位した場合でも、その変
位に画像900が追従するため、実際の血管620に対して位置ずれが発生していない画
像900を照射部位610に表示し続けることができる。そのため、より確実かつ安全な
医療行為を行うことができるようになる。なお、前記所定時間間隔としては、特に限定さ
れないが、例えば、0.5秒以上1秒以下程度であるのが好ましい。
【0056】
<第2実施形態>
次に、本発明の血管表示装置の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る血管表示装置の概略図、図6は、図5に示す表示
手段により表示される画像の例を示す図である。
以下、第2実施形態の血管表示装置100Aについて、前述した第1実施形態の血管表
示装置100との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0057】
第2実施形態の血管表示装置100Aは、ポイント決定部800を有し、照射部位61
0に表示される画像が異なる以外は、前述した第1実施形態の血管表示装置とほぼ同様で
ある。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図5に示すように、本実施形態の血管表示装置100Aは、ポイント決定部800を有
している。ポイント決定部800は、画像データ生成部300で生成された画像データ9
00Dに基づいて、例えば穿刺針(注射針)を穿刺する部位(目的部位P)を決定する。
目的部位Pの決定方法としては、特に限定されないが、例えば、血管620の太さが比較
的太い部位としてもよいし、血管620が比較的まっすぐに延びている部位としてもよい
。また、目的部位Pの決定は、ポイント決定部800が自動的に決定してもよいし、医者
等の操作者がポイント決定部800に指令を送ることによって決定してもよい。
【0058】
このようにしてポイント決定部800で決定された目的部位Pの情報は、画像データ生
成部300に送信される。画像データ生成部300は、ポイント決定部800から送信さ
れた情報に基づいて、照射部位610に目的部位Pを表示するための画像910(例えば
、目的部位Pに丸い印を表示した画像)に対応する画像データ910Dを生成する。
なお、この際、画像910を表示するために照射部位610に照射する表示用レーザー
光LLの色は、画像900を表示するために照射部位610に照射する表示用レーザー光
LLの色と異なる色であるのが好ましい。これにより、医師等が、目的部位Pを視認し易
くなる。
【0059】
画像データ生成部300は、このようにして生成した画像データ900D、910Dを
制御部500に送信する。画像データ900D、910Dを受信した制御部500は、例
えば、画像データ900Dに基づく表示手段400の制御と、画像データ910Dに基づ
く表示手段400の制御とを交互に行う。すなわち、制御部500は、図6(a)に示す
ような照射部位610に画像900が表示された状態と、図6(b)に示すような照射部
位610に画像910が表示された状態とが交互に繰り返されるように、表示手段400
の駆動を制御する。これにより、人間の目には、図6(c)に示すような画像900と画
像910とが重畳された画像920が照射部位610に表示されているように見える。こ
のように、目的部位Pを表示することにより、注射を打つ際(穿刺針を皮膚に穿刺する際
)に、さらに血管620を確保し易くなる。なお、目的部位Pを示す印に、点滅させたり
、経時的に大きさを変化させたりする演出を施してもよい。
【0060】
また、本実施形態のように、画像900と画像910とを交互に表示することにより、
例えば、目的部位Pの位置を変更する場合等に有効である。すなわち、目的部位Pを変更
する場合には、画像910の画像データ910Dのみを新たに生成すれば足り(すなわち
、画像データ900Dを新たに生成する必要がないため)、目的部位Pの変更を簡単に行
うことができる。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができ
る。
【0061】
以上、本発明の血管表示装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換
することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、
本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたもので
あってもよい。
【0062】
また、前述した実施形態では、表示用レーザー光出射装置が3色の光源を備えている形
態について説明したが、これに限定されず、例えば1色の光源のみを備えている形態であ
ってもよい。
また、前述した実施形態では、検知用レーザー光走査部が表示用レーザー光走査部を兼
ねている形態について説明したが、これに限定されず、検知用レーザー光走査部と表示用
レーザー光走査部が別々に設けられた形態であってもよい。
【0063】
また、前述した実施形態では、検知用レーザー光走査部が2つの光スキャナーを有する
形態について説明したが、これに限定されず、例えば、2つの光スキャナーのうちの少な
くとも1つをガルバノミラーに変えてもよい。また、2つの光スキャナーに変えて、互い
に直交する2軸のそれぞれに回動可能な可動板を有する光スキャナーを1つ用いた構成で
あってもよい。
また、前述した第2実施形態では、目的部位が注射針を穿刺する部位である場合につい
て説明したが、目的部位としては、これに限定されず、例えば、ガイドワイヤ、カテーテ
ール等の目的部位であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
100、100A‥‥血管表示装置 200‥‥検知手段 210‥‥検知用レーザー
光出射装置 211‥‥レーザー光源 212‥‥コリメータレンズ 213‥‥ダイク
ロイックミラー 220‥‥受光部 221‥‥ビームスプリッタ 222‥‥フォトダ
イオード 300‥‥画像データ生成部 400‥‥表示手段 410‥‥表示用レーザ
ー光出射装置 411r、411g、411b‥‥レーザー光源 412r、412g、
412b‥‥コリメータレンズ 413r、413g、413b‥‥ダイクロイックミラ
ー 500‥‥制御部 600‥‥腕 610‥‥照射部位 620‥‥血管 700‥
‥検知用レーザー光走査部 700’‥‥表示用レーザー光走査部 710‥‥第1の光
スキャナー 711‥‥基体 711a‥‥可動板 711b‥‥支持部 711c、7
11d‥‥連結部 711e‥‥光反射部 712‥‥スペーサー 713‥‥対向基板
714‥‥永久磁石 720‥‥挙動検出手段 730‥‥第2の光スキャナー 73
1a‥‥可動板 740‥‥挙動検出手段 715‥‥コイル 716‥‥電圧印加手段
717‥‥駆動手段 721‥‥圧電素子 722‥‥起電力検出部 723‥‥角度
検知部 800‥‥ポイント決定部 900、910、920‥‥画像 900D、91
0D‥‥画像データ J1、J2‥‥回動中心軸 LL‥‥表示用レーザー光 LL’‥
‥検知用レーザー光 LL”‥‥反射レーザー光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知用レーザー光を生体組織に走査し、前記生体組織の前記検知用レーザー光が照射さ
れた照射部位からの反射光を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づいて、前記照射部位の表面形状とともに前記照射部位の
表層にある血管の配置を検知し、前記照射部位に表示する前記血管を可視化するための画
像の画像データを生成する画像データ生成部と、
前記画像データ生成部で生成された前記画像データに基づいて、表示用レーザー光を前
記照射部位に走査することにより、前記照射部位に前記血管を可視化するための画像を表
示する表示手段とを有していることを特徴とする血管表示装置。
【請求項2】
前記検知手段の駆動を制御するとともに、前記画像データ生成部で生成された前記画像
データに基づいて前記表示手段の駆動を制御する制御部を有している請求項1に記載の血
管表示装置。
【請求項3】
前記検知手段は、前記検知用レーザー光を出射する検知用レーザー光源と、該検知用レ
ーザー光源から出射した前記検知用レーザー光を前記生体組織に走査する検知用レーザー
光走査部と、前記反射光を受光する受光素子とを有し、
前記表示手段は、前記表示用レーザー光を出射する表示用レーザー光源と、該表示用レ
ーザー光源から出射した前記表示用レーザー光を前記照射部位に走査する表示用レーザー
光走査部とを有している請求項1または2に記載の血管表示装置。
【請求項4】
前記検知用レーザー光走査部および前記表示用レーザー光走査部は、それぞれ、光反射
性を有する光反射部を備えた可動板が少なくとも一方向へ回動可能に設けられ、当該回動
によって前記光反射部で反射したレーザー光を前記照射部位に走査するアクチュエータを
有している請求項3に記載の血管表示装置。
【請求項5】
前記検知用レーザー光走査部は、前記表示用レーザー光走査部を兼ねている請求項3ま
たは4に記載の血管表示装置。
【請求項6】
前記検知用レーザー光は、近赤外レーザー光である請求項1ないし5のいずれかに記載
の血管表示装置。
【請求項7】
前記血管を可視化する画像は、緑色の前記表示用レーザー光によって表示される請求項
1ないし6のいずれかに記載の血管表示装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記血管を可視化するとともに、前記血管の目的部位を示す画像を表
示する請求項1ないし7のいずれかに記載の血管表示装置。
【請求項9】
前記所望部位は、穿刺針を穿刺する部位である請求項8に記載の血管表示装置。
【請求項10】
画像データ生成部は、所定の時間間隔ごとに、前記画像データを生成する請求項1ない
し9のいずれかに記載の血管表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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