説明

衛生洗浄装置

【課題】 主に衛生洗浄装置に用いられる流量調節兼流路切替手段内の流路構成、およびその下流側に連通する流路との配置について、曲管やエルボといった流路構成による抵抗要素を極力少なくした流路構成とすることにより、流量調節および流路切替された後の洗浄水の流動抵抗を最小限に抑え、更なる小型化を図ることが出来る衛生洗浄装置の設計を可能とする。
【解決手段】 衛生洗浄装置において、給水源から洗浄水を取り入れる給水手段と、給水手段から供給された洗浄水を取り込む入水口、入水口に連通する通水部を備えた可動部、複数の穴部を備えそのうち少なくとも1つ以上の穴部に複数の凹部を備えた固定部およびその固定部の穴部に略同軸上に配置され連通する出水口と、を備えた流量調節兼流路切替手段と、それぞれ一端が前記出水口に連通された複数の流路およびその流路の他端に連通した少なくとも1つ以上の吐水穴を備えた洗浄ノズルと、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は様々な洗浄感を提供することのできる衛生洗浄装置に関し、特に洗浄手段に供給する洗浄水の流量調節と流路の切替構造に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来の人体局部洗浄装置に使用する洗浄ノズルの構造として、図8に示すようなものがある(特許文献1参照)。
これは、図8に示すように、人体を洗浄するための主流路51および副流路52と主流路51に連通する主吐水穴461および副流路52に連通する副吐水穴462を設けた洗浄ノズル46と主流路51と副流路52を開閉制御する切替弁74を備えた衛生洗浄装置であり、切替弁74を制御し、洗浄水が主流路51のみを流れて主吐水穴461のみから洗浄水が吐出し、集中的で強い体感が得られる洗浄パターンと、洗浄水が主流路51および副流路52の両方を流れて、主吐水穴461と副吐水穴462の両方から洗浄水が吐出し、分散的でやさしい体感が得られる洗浄パターンが実現できるものである。このように複数の洗浄パターンを実現することで使用者の好みに合わせた多彩な洗浄感を提供することができた。
【特許文献1】特開平11−336164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した吐水を実現する切替弁74は、図9(a)、(b)に示すような固定ディスク73と可動ディスク72の組み合わせで構成されており、主流路51と副流路52に流れる洗浄水の切替および流量の調節を行っている。図9に示すとおり、固定ディスク73に設けられた凹部711,714はそれぞれ異なった流量調節特性を有しており、それぞれに穴部711a,714aを備えている。穴部711a,714aをそれぞれ流れる洗浄水は、固定ディスク73と可動ディスク72の接合面の裏側で合流し(合流部74a’)、出水口74aを経て主流路51へと連通している。このような構成をとった場合、固定ディスク73には、主流路51に連通する穴部を複数設けなければならず(穴部711a,714a)、また穴部711a,714aのどちらか一方は出水口74a’に達するまでに流路が屈曲した構成を取らざるを得ず、その屈曲部が洗浄水の流動抵抗となってしまっていた。そのため、ある一定以上の洗浄流量を確保しようとした場合、充分な流路断面を確保しなければならず、ディスクの小型化には限界があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
かかる課題を解決するために、第1の発明における衛生洗浄装置では、給水源から洗浄水を取り入れる給水手段と、該給水手段から供給された洗浄水を取り込む入水口と出水口を有して、且つ固定部及び該固定部に面接触する可動部とを互いに回転自在となるように配置して、前記固定部及び可動部のうちの一方には前記入水口に連通する通水部を設け、他方には前記出水口と略同軸上に複数の穴部を有しそのうち少なくとも1つ以上の穴部から延伸する複数の凹部を前記面接触する面に形成した流量調節兼流路切替手段と、それぞれ一端が前記出水口に連通された複数の流路および該流路の他端に連通した少なくとも一つ以上の吐水穴を備えた洗浄ノズルと、を備えたことを特徴とする。これにより、異なった流量特性を有する凹部を複数備えながらも、それぞれの凹部と流路を連通する穴部は1つにて構成されているうえに、出水口と略同軸上に配置され、凹部から出水口までに屈曲部を持たないため、流れる洗浄水の流動抵抗は最小限に抑えられたうえに、更なる小型化を図ることができる。
【0005】
また、第2の発明における衛生洗浄装置では、前記可動部と固定部はディスク形状であることを特徴とした。これにより、固定部と可動部の平面どうしの接触にて流量調節や流路の切替を行うことができるため、回転ドラム方式の流量調節兼流路切替手段などと比較して、流量調節精度や流路間のシール性を確保しやすい。また、本発明における構成においては、固定部のディスク両面に流路を備える必要がなく、加工性も向上できる。
【0006】
第3の発明における衛生洗浄装置では、前記固定部及び可動部のうちの一方には複数の通水部を備え、また他方に形成した前記複数の凹部を異なる半径上に形成したことを特徴とした。異なる流路に連通している穴部および凹部を配置させる場合、流路間のシール性を確保するためにその穴部および凹部の間には一定のシール距離を確保しなければならない。そのため、同一半径上に複数の凹部を配置した際の、流量調節および流路切替に使用することのできる可動部の制御角度範囲は、移動可能な全角度範囲から異なる流路間のシール性を確保するのに必要な角度を差し引いた分しか取ることができない。しかし、異なる半径上に凹部を配置させ、それぞれの半径上の凹部に対応する可動部の通水部を設けることにより、流路間のシールに必要な角度の無駄をなくすことが可能となる。これにより、流量調節および流路切替に使用することのできる制御角度範囲を最大限確保することができる。
【0007】
第4の発明における衛生洗浄装置では、洗浄水に脈動を与える脈動付加手段を備えたことを特徴とした。洗浄水に脈動を付加することで、より少ない洗浄流量で充分な洗浄感や洗浄力を確保することができるため、更なる流量調節兼流路切替手段の小型化を図ることができる。また、流量調節兼流路切替手段の上流側に脈動付加手段を備える場合には、流量調節兼流路切替手段での洗浄水の流動抵抗を最小限に抑えることができるため、脈動付加手段によって洗浄水に与えられた脈動を減衰させることなく、吐水口から吐出することが可能となる。そのため、脈動付加手段の出力やサイズも最小限にとどめることができる。
【0008】
また、第5の発明における衛生洗浄装置では、脈動付加手段に加え、洗浄水を必要時にのみ連続して昇温可能な瞬間式熱交換器を備えたことを特徴とした。洗浄水に脈動をあたえることで、少ない洗浄流量で充分な洗浄感や洗浄力を確保することができるため、商用電源の使用下で瞬間式熱交換器を用いた場合でも、充分な昇温能力を確保することができる。それ故、必要時にのみ洗浄水を加熱するため、従来の衛生洗浄装置の大半に備えられていた貯湯タンクが不要となって装置全体の小型化を図ることができ、併せて省エネを図ることも可能となる。
【0009】
第6の発明における衛生洗浄装置では、前記流量調節兼流路切替手段は前記洗浄ノズルと一体にて構成され、収納位置と使用位置の間を自在に移動可能なことを特徴とした。流量調節兼流路切替手段を洗浄ノズルと別体に構成した場合は、流量調節兼流路切替手段と洗浄ノズルを接続するチューブなどの流路を複数本必要となり、ノズルを収納位置と使用位置の間で移動させる場合は、複数のチューブがノズルの移動に合わせて移動するスペースを確保しなければならず、また複数のチューブの屈曲力に抗してノズルを移動させないといけないため、出力を充分確保したノズル駆動手段が必要となる。これに対し、流量調節兼流路切替手段と洗浄ノズルを一体にて構成した場合は、ノズルの移動に合わせて移動するチューブは1本だけになるので、チューブの移動スペースやノズル駆動手段の出力を最小限に抑えることができ、装置の小型化を図ることが可能となる。
【0010】
第7の発明における衛生洗浄装置では、人体洗浄時において前記複数の流路に同時に洗浄水を通水し、その流量比率が可変であることを特徴とした。複数の流路に通水する洗浄水の比率を変化させることで、吐水穴から吐出される洗浄水の性状を変化させることができ、それにより同じ吐水穴において、多彩な洗浄感を実現することが可能となる。
【0011】
第8の発明における衛生洗浄装置では、前記複数の流路は前記1つの吐水穴に連通していることを特徴とした。1つの吐水穴から吐出される洗浄水の性状を変化させることで、洗浄位置を変化させることなく、吐水性状を変化させることができる。
【0012】
第9の発明における衛生洗浄装置では、給水された洗浄水に前記吐水穴への軸心回りの旋回力を付与して、洗浄水を前記吐水穴へ導き、旋回力を持った状態で洗浄水を前記吐水穴から吐出させる旋回付与室を備え、前記流路のうち1つは前記旋回付与室に偏心して連通し、前記旋回付与室に洗浄水を流入させて洗浄水に旋回成分を付与する偏心流路であり、もう1つは前記旋回付与室に偏心せずに連通し、前記旋回付与室に洗浄水を流入させて洗浄水に直進成分を付与する直進流路であることを特徴とした。偏心流路から供給された洗浄水は、旋回室にて旋回力が付与され、吐水穴からは吐水穴軸心回りの旋回力を持ったまま吐出されるので、吐水は拡散し、広範囲でソフトな洗浄感を実現することができる。また軸心指向流路から供給された洗浄水は、旋回室において旋回力が付与されることなく吐水穴から吐出されるため、集中的で力強い洗浄感を実現することができる。この偏心流路と軸心指向流路に通水する洗浄水の比率を変化させることで、洗浄感と洗浄範囲を自在に調節することが可能となり、使用者の好みに合わせた多彩な洗浄感を実現することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、流量調節兼流路切替手段の固定部に備えた穴部と、出水口とを同軸上に配置する構成としたことによって、流量調節兼流路切替手段を流れる洗浄水の流動抵抗を最小限に抑えたうえで、流量調節兼流路切替手段の小型化を図ることを可能にしつつ、使用者の好みに合わせた多彩な洗浄感を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面に基づき説明する。
【0015】
本発明における実施の形態による衛生洗浄装置を図1に示す。ここで図1は、洗浄水の供給系を示す概略構成図である。
図1において、洗浄水を供給する給水配管11には、上流側から順に、圧力調整弁12、電磁弁13、熱交換器14が接続されている。熱交換器14の出口部には、バキュームブレーカ15が接続されている。バキュームブレーカ15の下流は二方に分岐し、一方は余剰の水を便器内に直接排出するための捨水配管16へ、他方は三方弁(切替弁)18に連通する流路へと接続されている。三方弁(切替弁)18の下流は二方に分岐し、一方はバイパス路19へ、他方は脈動発生装置17を介して、流量調節兼流路切替弁71を内蔵した、洗浄水を人体へ噴出する洗浄ノズル308に連通する主流路35へと接続されている。
【0016】
ここで熱交換器14は、洗浄時等の必要なときに流水状態に水を瞬時に加熱するいわゆる瞬間式熱交換器であり、熱交換器14内には、給水された洗浄水の温度を検知する冷水サーミスタ23、洗浄水を加熱する温水ヒータ22、加熱された洗浄水の温度を検知する温水サーミスタ24が設けられている。
【0017】
また、洗浄ノズル308を備えたノズル装置21には、ノズル駆動モータ37が備えられており、洗浄ノズル308を収納位置と使用位置の間で駆動させている。
【0018】
また本実施形態では、脈動発生装置17の上流にアキュームレータ29を、熱交換器14内にはフロートスイッチ30を設けている。アキュームレータ29は、脈動発生装置17で発生した脈動が上流へ伝播するのを防ぐためのものであり、フロートスイッチ30は、所定の水位を検知していないときには、温水ヒータ22への通電を行わないようにすることで空焚きを防ぐためのものである。
【0019】
上記の構成により、電磁弁13の開動作により給水配管11から供給された洗浄水は、圧力調整弁12によって所定の圧力まで低減されたうえで熱交換器14へと流れ込む。熱交換器14内に備えられた冷水サーミスタ23および温水サーミスタ24の検知温度に基づき、制御部28によって決定された温水ヒータ22への出力値により適温の湯に加熱され、バキュームブレーカ15を押し上げ、三方弁(切替弁)18へと至る。ここで洗浄水は、バイパス路19または主流路35へと切り替えられる。バイパス路19に連通した際はノズルの伸出および収納時に洗浄ノズル308の胴体部を洗浄することができるノズル洗浄室(図示せず)へ、主流路35へと連通した際は、脈動発生装置17によって洗浄水に脈動を付加されたうえで洗浄ノズル308へと流れ込み、流量調節兼流路切替弁71によって、所定の流量で第1の流路323、第2の流路322およびビデ流路324に洗浄水を流すように連通され、おしり洗浄用吐水穴31やビデ洗浄用吐水穴33から洗浄水が吐出される。
【0020】
ここで、図6に洗浄ノズル308の外観斜視図を示す。脈動発生装置17によって脈動を付加された洗浄水は、洗浄水供給口308dから洗浄ノズル308に供給される。洗浄ノズル308の基端部には、流量調節兼流路切替モータ350を有する流量調節兼切替弁71を設けており、洗浄ノズル308が衛生洗浄装置本体内の収納位置から使用位置に移動するのに合わせて流量調節兼切替弁71も自在に移動するようになっている。
【0021】
さて、洗浄ノズル308に供給された洗浄水は、流量調節兼流路切替弁71によって前述のとおり、所定の流量で洗浄ノズル308内の第1の流路323、第2の流路322およびビデ流路324に洗浄水を流すように連通され、おしり洗浄用吐水穴31やビデ洗浄用吐水穴33から洗浄水が吐出される。
【0022】
次に、おしり洗浄用吐水穴31に連通する洗浄ノズル308先端に備えるノズルヘッド200内の流路構造を透視して概略的に表した概略斜視図を図2に示す。なお本図ではビデ洗浄流路構造については省略している。
【0023】
図示するように、洗浄ノズル308の先端に位置するノズルヘッド200は外気巻き込み室204、おしり洗浄オリフィス207、スロート67、スロートの終端にあり、おしり洗浄オリフィス207よりも大きい径にて構成されているおしり洗浄用吐水穴31ならびに外気導入通路64を有し、おしり洗浄オリフィス207の下方に洗浄水渦室206を有する。そして、洗浄水の給水流路として、洗浄水渦室206にその軸心を指向して偏心せずに接続されて洗浄水に主に直進方向の成分を付与する直進流路223、当該渦室に偏心して接続されて洗浄水に主に旋回方向の成分を付与する偏心流路222とを有し、それぞれ所定の流量Q2、Q1をもって洗浄水渦室206へと流入する。
【0024】
ここからは、上述したノズルヘッド200から洗浄水を吐出した際の吐水の様子について説明する。
【0025】
先ず、直進流路223のみに洗浄水を給水した場合、洗浄水は洗浄水渦室206にその軸心を指向して流入する。このようにして流入した場合には、洗浄水は渦室内で殆ど旋回することなくおしり洗浄オリフィス207を通過し、スロート67とは殆ど干渉することなくおしり洗浄用吐水穴から吐出される。そしてこの場合には、渦室内での洗浄水に旋回が発生しないことから、次のような吐水状態となる。
(1)外気巻き込み室204での空気巻き込み量は殆どない吐水となる。
(2)吐水状態は、ほぼ円柱状UWのままのものとなる。
このため、図2に示すように狭い洗浄面積SMaを、空気混入量が殆どない円柱状をした洗浄水で集中的に力強く洗浄することができる。上述した吐水状態は、直進流路223を流れる流量Q2と偏心流路222を流れる流量Q1との関係がQ2>>Q1の場合でも実現される。
【0026】
その一方、Q1とQ2を、Q1>>Q2の関係で調整した場合は、偏心流路222から給水された洗浄水が渦室206内の挙動を支配するので、両流路から渦室206内に流入した洗浄水は、図中矢印SYで示すように渦室206内で旋回する。よって、
(1)この吐水により、外気巻き込み室204での空気巻き込み量は多くなり、充分なやわらか感を持った吐水とすることができる。
(2)吐水状態はコーン状RWとなるので、図2に示すように広い洗浄面積SMcを空気混入量が多いために充分な水量感を与えつつ洗浄することができる。
【0027】
そして、流量Q1とQ2を、ほぼ同じ比率となるよう給水した場合は、渦室206内挙動に及ぼす偏心流路222からの洗浄水の影響が小さくなってくる。よって、このように流量比率を調整した場合は、両流路から渦室206内に流入した洗浄水は、図中SYで示すように旋回するものの、旋回の程度が小さくなり次のような吐水となる。
(1)旋回の程度が小さくなる分、外気巻き込み室204での空気巻き込み量は減少するので、やわらか感は少しずつ薄れる吐水となる。
(2)吐水状態はコーン状RWであるものの、旋回の程度に応じて、図2に示すように洗浄面積は狭く、SMb程度となり、流量比率Q2>>Q1での吐水と、Q1>>Q2での吐水との中間的な洗浄面積と洗浄感となる。
【0028】
従って、このノズルヘッド200によてば、上記の両流路から同時に給水させ、その比率を調整することで、空気巻き込み量、洗浄面積、吐水強さならびにやわらか感を適宜調節した吐水を実現することができる。
【0029】
上述のような、洗浄水渦室206での流れの状態について、次のとおりに定義する。偏心経路222からの洗浄水が渦室206の内周壁面に沿って流入することにより渦室206内で旋回状態とされた洗浄水の流れを旋回流、第1経路223から渦室206の軸心に向かって流れ込む略水平方向への洗浄水の流れを軸心指向流、この軸心指向流の略水平方向への流れは渦室206においておしり洗浄用吐水穴31の位置する上方向に変換されるが、こうした進行方向の変換後における上方向への洗浄水の流れを、直進流と呼ぶことにする。
【0030】
なお、本実施例におけるビデ洗浄の流路構成は、図2には示していないが、おしり洗浄の流路構成における直進流路223をなくし、偏心流路222のみにて構成されたものとしている。
【0031】
上述のような吐水状態は、流量調整兼流路切替弁71によって所定流量の洗浄水を各流路に流すことによって実現するのであるが、次に、流量調節兼流路切替弁71からノズルヘッド200へと連通させる流路構成と、流量調節兼流路切替弁71の詳細構造について説明する。
【0032】
図3は、洗浄ノズル308において、流量調節兼流路切替弁71とノズルヘッド200内の直進流路223、偏心流路222および図示しないビデ流路とを連通させる流路構造を透視して概略的に表した概略斜視図である。洗浄ノズル308の胴体内には、第1の流路323、第2の流路322とビデ流路324を有し、第一の流路323はノズルヘッド200内の直進流路223へ、第2の流路322は偏心流路222へ、ビデ流路324は図2には示していないノズルヘッド200内のビデ流路へと接続部323a,322a,324aを介して接続している。
【0033】
図4(A)は、流量調節兼流路切替弁71の内部構造断面図である。また、図4(B)は流量調節および流路切替を行なう可動ディスク477の6B−6B断面における矢視図を、図4(C)は流量調節および流路切替を行なう固定ディスク476の6C−6C断面における矢視図を表したものである。
【0034】
固定ディスク476には、3つの穴部422a,423a,424aが設けられており(図中ハッチング部)、それぞれ固定ディスク476を貫通する流路を構成している。
【0035】
穴部422aには3つの凹部422b,c,dが連通している。凹部422bは所定の幅をもって穴部422aと同一円周上に円弧状に形成されており、穴部422aに向かって徐々に深さを増大させ、穴部422aへと連通している。凹部422cは、所定の幅をもって穴部422aよりも小さい円周上に円弧状に形成されており、後述する穴部424aと略同一半径上を一端として穴部422aに向かって徐々に深さを増大させ、穴部422aと同一半径上まで到達すると、穴部422aと略同一の幅をもって、最大深さを保ちながら穴部422aへと連通している。一方、凹部422dは、所定の幅をもって穴部422aと同一円周上に一定の深さをもって円弧状に形成され、穴部422aへと連通している。
【0036】
また、穴部423aには2つの凹部423b,cが連通している。凹部423bは所定の幅をもって穴部423aと同一円周上に円弧状に形成されており、穴部423aに向かって徐々に深さを増大させ、穴部423aへと連通している。凹部423cは、穴部423aから内周方向に、所定の幅と長さをもって、同一深さにて構成されている。
【0037】
また、穴部424aにも2つの凹部424b,cが連通している。凹部424bは所定の幅をもって穴部424aと同一円周上に円弧状に形成されており、穴部424aに向かって徐々に深さを増大させ、穴部424aへと連通している。凹部424cは、所定の幅をもって穴部424aと同一円周上に一定の深さをもって円弧状に形成され、穴部424aへと連通している。
【0038】
可動ディスク477には、2つの穴部477a,bが、それぞれ異なる円周、半径上に異なる断面積をもって設けられており、それぞれ可動ディスク477を貫通する流路を構成している。
【0039】
流量調節兼流路切替弁71に備えられた部品は、図4(A)において1点鎖線で示されたハウジング472内に収納された状態で、洗浄ノズル後端部308c側から挿入され、ハウジング472の端部に2箇所設けられた係止爪472y(図4では1つのみ記載)によって洗浄ノズル308に固定され、外部との水密性はOリング473(1点鎖線にて図示)によって保たれている。本図では、固定ディスク476と可動ディスク477は当接していないが、実際に流量調節兼流路切替弁71が洗浄ノズル308内に組み込まれた状態では、固定ディスク476と可動ディスクは当接面DPAにおいて当接している。
【0040】
また、複数の穴部422a,423a,424aを備えた固定ディスク476は、当接面DPBにおいて洗浄ノズルと当接しており、洗浄ノズル380の流路322,323,324へと接続している。
【0041】
ここで、固定ディスク476の穴部422a,423a,424aと、流路322,323,324の接続状態は、図4(A)に示すように、略同一軸上に直線的に接続されている。そのため洗浄水の流れは、屈曲されたりすることがないので、流動抵抗を受け、流動圧力を殆ど損失することなく流路322,323,324へと流入させることができる。また、穴部422a,423a,424aと、流路322,323,324の中心軸が略同一上に配置されていない場合でも、穴部422a,423a,424aの流路断面が、流路322,323,324の流路断面内に含まれている場合、もしくはその逆の場合でも、流路の急拡大や急縮小による多少の圧力損失は生じるが、ほぼ同様の効果を得ることができる。なお、固定ディスク476はハウジング472によって当接面DPBに密接固定されており、各流路間の水密性は、シール部材(図示せず)によって保たれている。
【0042】
可動ディスク477は、流量調節兼流路切替モータ350の回転駆動力を伝達するカップリング回転軸478aと同軸上で嵌合されており、カップリングの凹部478bには、流量調節兼流路切替モータ350の回転軸(図示せず)が嵌合され、流量調節兼流路切替モータ350の回転駆動力は、凹部478bを介して、カップリング478に嵌合された可動ディスク477に伝達される。
【0043】
また、カップリング回転軸478aの端部は、固定ディスク476の中心に備えられた円形状の凹部478dに嵌合されることで、固定ディスク476と可動軸477が同軸上に位置決めされて当接される。
【0044】
以上のような構成により、可動ディスク477は、流量調節兼流路切替モータ350の駆動によって、固定ディスク476の中心と同一軸上で回転し、流量調節機能と流路切替機能を果たす。
流量調節兼流路切替弁71において、流量調節兼流路切替モータ350を駆動し、可動ディスク477を固定ディスク476に対して相対的に回転させることで、可動ディスク477に設けられた穴部477a,bと、固定ディスク476に設けられた穴部422a,423b,424aおよび凹部422b〜d,423b〜c,424b〜cとの連通状態を変化させることが可能となる。そうすることで、洗浄水供給口308dから供給され、ハウジング472に設けられた切欠部472aを介して流量調節兼流路切替弁71内に流れ込んだ洗浄水を、所定の流量をもって、流路322,323,324へと切り替え、流出させることができるのである。またこのとき、洗浄水の流量は、可動ディスク477と、固定ディスク476の穴部および凹部の相対位置関係によって決まる最小流路断面積によってほぼ決定づけられる。
【0045】
次に、本実施例における流量調節兼流路切替弁71の、固定ディスク476と可動ディスク477の相対角度に対する流量調節および流路切替特性について説明する。図7は、可動ディスク477を原点位置から半時計回り方向(両ディスクを図4(A)の6B−6B矢視方向から覗いた図5におけるL方向)に回転させたときの、流量調節および流路切替特性を示す図である。また、図5は可動ディスク477の所定の角度における、可動ディスク477の穴部と、固定ディスク476の穴部および凹部との連通状態を示す図であり、図中の黒塗り部分が連通している箇所を示している。
【0046】
図7において、実線はビデ流路324、破線は偏心流路222、一点鎖線は直進流路223をそれぞれ流れる洗浄水の流量特性を示している。また、太い点線は、洗浄ノズル308から吐出される洗浄水の総流量特性を示している。
【0047】
本実施例では、おしりをしっかり洗浄するおしり洗浄モードと、おしりをソフトに洗浄するやわらか洗浄モード、また女性局部を洗浄するビデ洗浄モードの3つの洗浄モードを備えており、それぞれ図7中の領域III,II,Iの角度範囲において、使用者の好みに合わせた流量に調節することができる。また、領域IVは、洗浄ノズル308内の全流路および全吐水穴から洗浄水を吐出することができる。
【0048】
図5は、固定ディスク476と可動ディスク477を重ね合わせた状態を、図4(A)の6B−6C断面の矢視方向から見た図である。
図5(A)は、可動ディスク477が原点位置にあるときの、可動ディスク477と固定ディスク476の相対位置関係を表す図である。図に示すとおり、可動ディスク477の穴部477aが固定ディスク476の凹部424bと連通し、穴部477bはどの穴部および凹部にも連通しておらず、ビデ流路324にのみ洗浄水を供給する。また、固定ディスク477を図上L方向に回転させる(実際には、可動ディスク477が反対方向に回転している)と、凹部424bが次第に底深になっているために約60°の位置(図5(B)の状態)までビデ流路324に供給される洗浄水の流量は増加していく。
【0049】
図5(C)は、可動ディスク477が原点から105°の位置にある状態を示し、可動ディスク477の穴部477aは、固定ディスク476の凹部424c,422dと、また穴部477bは凹部423cとそれぞれ連通しており、全てのノズル内流路に洗浄水を供給する。
【0050】
図5(D)は、可動ディスク477が原点から155°の位置にある状態を示し、可動ディスク477の穴部477aは、固定ディスク476の穴部422aと直接的に連通し、穴部47bはどの穴部および凹部にも連通しておらず、偏心流路222にのみ洗浄水を供給する。また、固定ディスク477を図中L方向に回転させると、穴部477aは、穴部422aとの連通から凹部422bとの連通に移行し、偏心流路222に供給される洗浄水の流量は、凹部422bが次第に底浅となるため210°付近に至るまで徐々に減少していく。
【0051】
図5(E)は、固定ディスク477が原点から295°の位置にある状態を示し、可動ディスク477の穴部477aは固定ディスク476の穴部423aと、穴部477bは凹部422cとそれぞれ連通し、直進流路223と偏心流路222の両方に洗浄水を供給する。また、固定ディスク477を図中Lと反対方向に回転させると、おしり洗浄用吐水穴31から吐出される洗浄水の流量は、凹部423bが次第に底浅となるため235°付近に至るまで徐々に減少していく。
【0052】
なお、この流量調節兼流路切替弁71においては、穴部と凹部を設けた固定ディスク476を固定させて、可動ディスク477を回転させる構成としたが、穴部と凹部を回転側のディスクに設ける構成としてもよい。
【0053】
ここからは、本発明の実施例における衛生洗浄装置の実使用時の動作について、おしり洗浄モードの場合を例にとり、順次説明する。
【0054】
使用者が、図示しないおしり洗浄スイッチを押すと、電磁弁13が開き、圧力調整弁12にて所定の圧力まで減圧された後、熱交換器14へと洗浄水が流れ込む。三方弁18は主流路35側に切り替えられており、加熱された洗浄水は、脈動発生装置17を通過して洗浄ノズル308へと供給される。このとき、流量調節兼流路切替弁71の可動ディスク477の角度は、105°の位置に設定されており、洗浄ノズル308内に供給された洗浄水は、ノズル内の全ての流路を通って、おしり洗浄用吐水穴31とビデ洗浄吐水穴33の両方から吐出される。この動作により、流路内に残留していた冷水は排出され、熱交換器14と、熱交換器14以降の流路が予熱される。(前洗浄)
【0055】
熱交換器14の制御については、予め設定されている洗浄流量の値と、温水ヒータ22の上流側に設けられた冷水サーミスタ23によって検知された給水温度と、下流側に設けられた温水サーミスタ24の検知温度とに基づいて、ヒータ22への加熱量が決定されている。
【0056】
熱交換器14とそれ以降の流路が充分に予熱されたら、三方弁18によってバイパス路19側へと流路が切り替えられ、洗浄ノズル308からは洗浄水が吐出されない状態にて、ノズル駆動モータ37によって洗浄ノズル308が所定の位置まで伸出する。その際、バイパス路19の出口は、洗浄ノズル筒状部308bに向けられて設置されており、洗浄ノズル308は伸出しながら筒状部308bを洗浄することができる。このように、ノズル筒状部308bを予め濡らしておくことで、おしり洗浄時に飛散った汚物の付着を防止することが可能となる。このとき、流量調節兼流路切替弁71の可動ディスク477は、おしり洗浄における最小流量設定の位置(図7における235°の位置)まで移動する。(ノズル伸出)
【0057】
洗浄ノズルが所定の位置まで伸出すると、三方弁18によってバイパス路19側から主流路35側へと切り替えられ、おしり洗浄用吐水穴31から洗浄水の吐出が開始される。その際、吐出される洗浄水の流量は、最小流量設定値から使用者が設定した値まで徐々に増加していく。また、脈動発生装置17は、使用者が設定した水勢に相当するよりも低い出力値にて駆動を開始する。(ソフトスタート)
【0058】
そして、ソフトスタート開始から所定の時間経過後に(約1秒間)、設定水勢に相当する出力値にて駆動する。このときの洗浄水の流量は既に設定水勢に相当する流量まで達している。(本洗浄)
【0059】
このとき、脈動発生装置17によって吐水に脈動が与えられることで、少ない洗浄流量でも充分な洗浄力や洗浄感が実現できるため、瞬間式熱交換器を採用することが可能となり、貯湯タンクが不要な分、装置の小型化を実現している。本実施例の構成では、温水ヒータ22の出力は1200W、各洗浄モードでの最大水勢における洗浄流量は450cc/minであり、洗浄水の昇温能力は38℃程度を実現している。
【0060】
おしり洗浄モードにおいては、図7に示す領域IIIの間で流量調節兼流路切替弁71を制御している。図7の領域IIIに示すとおり、偏心流路222と直進流路223の両方に洗浄水を通水させており、水勢変化時には、おしり洗浄用吐水穴31からの吐出流量を変化させているだけでなく、各水勢毎に最適な2流路の流量比率を実現している。それによって、各水勢ごとに最適な旋回の程度、即ち洗浄面積の吐水状態にての洗浄を実現している。以上のとおり、おしり洗浄モードにおいては、おしり洗浄用吐水穴31からの吐出流量と、吐水に脈動を付加するための脈動発生装置17の出力値と、各水勢ごとに最適な洗浄面積を実現するための、偏心流路222と直進流路223に通水させる流量比率の3つのパラメータを制御することによって、各水勢毎に最適な水勢感と洗浄感、洗浄面積を実現している。
【0061】
最後に、図示しない止スイッチを押すことによって、脈動発生装置17の駆動が停止されると同時に、三方弁18によって主流路35から、バイパス路19へと流路が切り替えられ、ノズル駆動モータ37によってノズルが収納される。その際、ノズル伸出時と同様に、バイパス路19からの洗浄水によってノズル筒状部308bが洗浄される。またこのとき、流量調節兼流路切替弁71の可動ディスク477は、105°の位置まで移動させる。(ノズル収納)
【0062】
ノズル収納が完了すると、再び三方弁18によって、主流路35へと流路が切り替えられ、洗浄ノズル308内の全ての流路に洗浄水が通水され、おしり洗浄用吐水穴31とビデ洗浄用吐水穴33の両方から吐出される。この動作によって、吐水穴周辺に付着した汚物を洗い落とし、ノズルを清潔に保つことが可能となる。(後洗浄)
【0063】
やわらか洗浄や、ビデ洗浄モードについては洗浄動作の詳細は省略するが、一連の洗浄動作シーケンスにおいては、基本的にはおしり洗浄モードと同じ動作をする。やわらか洗浄モード時は偏心流路222のみ、ビデ洗浄モード時はビデ流路324のみへの通水である。また、水勢設定変更時の流量調節兼流路切替弁71の動作は、やわらか洗浄モード時は図7における領域IIの間で制御し、偏心流路222のみの通水および流量調節であり、ビデ洗浄モード時は領域Iの間で制御し、ビデ流路324のみの通水および流量調節を行う。また、脈動発生装置17の駆動についても、各洗浄モードとその設定水勢に最適な出力値で行われている。
【0064】
以上、本実施例における衛生洗浄装置の構成では、流量調節兼流路切替弁における洗浄水の流路抵抗を最小限に抑えることで、流量調節兼流路切替弁の小型化を図ることができるだけでなく、脈動発生装置によって吐水に与えた脈動の減衰も最小限に抑えているため、脈動発生装置のサイズや出力も最小限に留めることができる。また、吐水に脈動を与えることで、充分な洗浄力や洗浄感を確保したうえで、洗浄流量を低減することができるため、瞬間熱交換器の採用も可能となり、衛生洗浄装置全体の小型化を実現することもできる。
【0065】
また、本発明における流量調節兼流路切替手段の構成は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、衛生洗浄装置以外の各種吐水装置にも適用可能であり、同様な流量調節や複数の流路の切替、また2流路通水時の各流路を流れる流量比制御の効果が得られることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施例における衛生洗浄装置の水路構成を表す概略構成図
【図2】ノズルヘッド200内の流路構造を透視して概略的に表した概略斜視図
【図3】洗浄ノズル308の筒状部308bにおける流路構成を透視して概略的に表した概略斜視図
【図4】(A)は流量調節兼流路切替弁71の内部構造断面、(B)は可動ディスク477の穴部および凹部の配置とその形状図、(C)は固定ディスク476の穴部および凹部の配置とその形状図
【図5】各吐水モードにおける、可動ディスク477と固定ディスク476の回転位置を示す図
【図6】洗浄ノズル308の外観斜視図
【図7】可動ディスク477の回転角度に対する流量調節、流路切替特性図
【図8】従来技術における流量調節兼流路切替弁以降の水路構成図
【図9】従来技術における流量調節兼流路切替弁の構造図
【符号の説明】
【0067】
11 給水配管
12 圧力調整弁
13 電磁弁
14 熱交換器
15 バキュームブレーカー
16 捨水配管
17 脈動発生装置
18 三方弁(切替弁)
19 バイパス路
21 ノズル装置
22 温水ヒータ
23 冷水サーミスタ
24 温水サーミスタ
28 制御器
29 アキュームレータ
30 フロートスイッチ
31 おしり洗浄用吐水穴
33 ビデ洗浄用吐水穴
35 主流路
37 ノズル駆動モータ
46 洗浄ノズル(従来技術)
51 主流路(従来技術)
52 副流路(従来技術)
64 外気導入通路
67 スロート
71 流量調節兼流路切替弁
72 可動ディスク(従来技術)
73 固定ディスク(従来技術)
74 切替弁(従来技術)
74a 出水口(従来技術)
74a’ 合流部(従来技術)
200 ノズルヘッド
204 外気巻き込み室
206 洗浄水渦室
207 おしり洗浄オリフィス
222 偏心流路
223 直進流路
308 洗浄ノズル
308b 筒状部
308c 洗浄ノズル後端部
308d 洗浄水供給口
322 第2の流路
323 第1の流路
324 ビデ流路
322a,323a,324a 接続部
322b,323b,324b 流入口
322c,323c,324c 出水口
350 流量調節兼流路切替モータ
422a 固定ディスク穴部
422b,c,d 固定ディスク凹部
423a 固定ディスク穴部
423b,c 固定ディスク凹部
424a 固定ディスク穴部
424b,c 固定ディスク凹部
461 主吐水穴(従来技術)
462 副吐水穴(従来技術)
472 ハウジング
472a 切欠部
472y 係止爪
473 Oリング
476 固定ディスク
477 可動ディスク
477a,b 可動ディスク穴部
478 カップリング
478a カップリング回転軸
478b カップリング凹部
711,714 固定ディスク凹部(従来技術)
711a,714a 固定ディスク穴部(従来技術)
RW 旋回洗浄水
UW 直進洗浄水
SMa 直進洗浄水の洗浄面積
SMc 旋回洗浄水の旋回の程度を最大としたときの洗浄面積
DPA 固定ディスクと可動ディスクの当接面
DPB 固定ディスクと洗浄ノズルの当接面



【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水源から洗浄水を取り入れる給水手段と、
該給水手段から供給された洗浄水を取り込む入水口と出水口を有して、且つ固定部及び該固定部に面接触する可動部とを互いに回転自在となるように配置して、前記固定部及び可動部のうちの一方には前記入水口に連通する通水部を設け、他方には前記出水口と略同軸上に複数の穴部を有しそのうち少なくとも1つ以上の穴部から延伸する複数の凹部を前記面接触する面に形成した流量調節兼流路切替手段と、
それぞれ一端が前記出水口に連通された複数の流路および該流路の他端に連通した少なくとも一つ以上の吐水穴を備えた洗浄ノズルと、
を備えたことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の衛生洗浄装置であって、前記可動部と固定部はディスク形状であることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項3】
請求項2に記載の衛生洗浄装置であって、前記固定部及び可動部のうちの一方には複数の通水部を備え、また他方に形成した前記複数の凹部を異なる半径上に形成したことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の衛生洗浄装置であって、洗浄水に脈動を与える脈動付加手段を備えたことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか記載の衛生洗浄装置であって、洗浄水を必要時にのみ連続して昇温可能な瞬間式熱交換器を備えたことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の衛生洗浄装置であって、前記流量調節兼流路切替手段は前記洗浄ノズルと一体にて構成され、収納位置と使用位置の間を自在に移動可能なことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の衛生洗浄装置であって、人体洗浄時において前記複数の流路に同時に洗浄水を通水し、その流量比率が可変であることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項8】
請求項7に記載の衛生洗浄装置であって、前記複数の流路は前記1つの吐水穴に連通していることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項9】
請求項8に記載の衛生洗浄装置であって、給水された洗浄水に前記吐水穴への軸心回りの旋回力を付与して、洗浄水を前記吐水穴へ導き、旋回力を持った状態で洗浄水を前記吐水穴から吐出させる旋回付与室を備え、前記流路のうち1つは前記旋回付与室に偏心して連通し、前記旋回付与室に洗浄水を流入させて洗浄水に旋回成分を付与する偏心流路であり、もう1つは前記旋回付与室に偏心せずに連通し、前記旋回付与室に洗浄水を流入させて洗浄水に直進成分を付与する直進流路であることを特徴とする衛生洗浄装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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