説明

衛生用紙

【課題】一種以上の茶殻抽出液、茶殻残留廃液及び茶殻を活用できる、安価な使い捨て衛生シーツに使用することができる衛生用紙を提供する。
【解決手段】一種以上の茶殻抽出液の乾燥物又は一種以上の茶殻抽出液の乾燥物及び茶殻についての抽出を終えた一種以上の茶殻の乾燥物を含むことを特徴とする衛生用紙にあり、この衛生用紙を衛生シーツに使用することにより、従来の衛生シーツに比して、排泄した尿により濡れがなく、尿や体臭による汚臭を抑制することができ、例えば、愛玩用の動物用として、休養時、就寝時又は排泄時に使用して、周囲を良好な衛生状態に保っことができる衛生シーツを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生用紙に関する。例えば、紙おむつ廃材、生理用ナプキン廃材等の有機物廃材を利用した衛生シーツの紙層部に使用される衛生用紙に関し、特に、寝具用シーツ、おむつ、紙おむつ及び動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド及び動物用シーツに使用できる衛生シーツの紙層部に使用される衛生用紙に関する。
また、本発明は、長時間使用して衛生状態を保持することができる使い捨ての衛生シーツに関し、特に、寝具用シーツ、おむつ、紙おむつ、動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド及び動物用シーツに使用できる使い捨ての衛生シーツの紙層部に使用される衛生用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、衛生用シーツは、寝具用シーツ、紙おむつ、生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド、おむつ及びペット用シーツなどに使用されている。例えば、寝具用シーツは、ベッドや敷布団の上に敷いて、ベッドや布団の耐久性を保ち、ベッドや布団を清潔に維持するために用いられている。
就寝中にも、人間の皮膚からは、汗以外に水分が絶えず外に排泄されており、これらの水分は、寝床や寝衣に吸い取られるので、例えば、寝具用シーツには、保温性及び適度の吸湿性を備えることが要求される。
【0003】
また、寝具用シーツや寝具は、吸湿性や吸水性の高い繊維で形成されるので、皮膚表面から脱落した角化した角質層や皮膚に付着した塵に皮膚の皮脂や汗などによる垢などが付着して、汚染され易く、病原菌が増殖することとなり、特に、蓐瘡等の場合に問題である。
そこで、寝具用シーツや寝具については、常に清潔さを保つために、常に清浄さが保てるように、頻繁に取り替えて、繰り返し使用できるように、洗濯に強い木綿等が素材として使用されている。
【特許文献1】特開平8−224270
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、木綿製等の寝具用シーツの場合、取り替える度毎に、洗濯されるが、比較的嵩ばるのと、汚れの程度が相違し、また洗濯により清浄にできる程度も相違するので、自動洗濯機等によるとしても、希望するように清潔にすることは難しく、またそのようにするには多くの手間を要して問題である。
そこで、パルプ粉砕物に粉状の高吸水性樹脂を含有保持させた吸水層を設けた使い捨ての寝具用シーツが使用されている。しかし、パルプ粉砕物が、従前に比して入手困難であり、比較的高価であるために、使い捨ての寝具用シーツは、パルプ粉砕物の使用量を減らし、このパルプ粉砕物の減った分の吸水能を高吸水性樹脂で補って形成されている。そのために、寝具用シーツは、比較的薄く形成されることとなり、弾力性に乏しく、比較的堅いものとなり、問題とされている。また、パルプ粉砕物を補うために加えられた高吸水性樹脂の発熱量は、減らしたパルプ粉砕物の発熱量に比してかなり低いために、使用後で濡れたシーツなどの場合には、燃料を加えないと燃焼が維持できなくなり、外部から熱を与えなければ焼却できなくなり問題である。
【0005】
一方、缶入りのお茶及びパック入りのお茶の製造業から排出される、お茶の浸出滓の茶殻、及び該茶殻に残留して茶殻から滲出する茶殻残留廃液は膨大な量に上っている。しかし、茶殻はかなりの量の茶殻残留液を含むために、堆肥等に有効利用するにも、その処理が難しく、問題とされている。しかも、茶殻残留廃液には、タンニン類が含まれているために、その侭廃棄できず、廃棄するには、活性汚泥法等により無害化処理をしなければならず、またその沈殿物は専ら焼却処理しなければならず問題とされている。
本発明は、従来の寝具用シーツ等の再使用の際に多くの手間を要する問題点を解決すると共に、缶入りのお茶及びパック入りのお茶の製造工程で発生する茶殻及び茶殻残留廃液の処理を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、ウーロン茶を抽出した茶殻について水又は湯により浸出した茶殻抽出液が、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌及び連鎖球菌の増殖を24時間以上に亙って阻害することを発見し、また緑茶を抽出した茶殻について水又は湯により浸出した茶殻抽出液が、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌及び連鎖球菌の増殖を24時間に亙って阻害することを発見し、さらに紅茶を抽出した茶殻について水または湯により浸出した茶殻抽出液が、黄色ブドウ球菌及び連鎖球菌の増殖を24時間に亙って阻害することを発見して本発明に至った。
本発明は、一種以上の茶殻抽出液、即ち一種以上の茶殻残留廃液を含む茶殻の浸出液、又は前記一種以上の茶殻を常温水又は常温より高い温度の加熱水により浸出した茶殻抽出液、この再浸出された茶殻の混合物を、吸水性の紙層部、吸水性材料粉と吸水性樹脂の混合層部、或いは吸水性の紙層部と前記混合層に含浸保持させて乾燥して得られる衛生的に優れた衛生シーツに使用することができる衛生用紙を提供するものであり、また、一種以上の茶殻抽出液、茶殻残留廃液及び茶殻を活用できる、安価な使い捨て衛生シーツに使用することができる衛生用紙を提供することを目的としている。
【0007】
即ち、本発明は、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物及び茶殻についての抽出を終えた一種以上の茶殻の乾燥物を含むことを特徴とする衛生用紙にある。本発明において、衛生用紙は、ティシュペーパー、ちり紙、トイレットペーパー、生理用紙又はタオル用紙とすることができる。本発明において、衛生用紙は、衛生シーツの紙層部に使用することができる。
本発明において、衛生シーツは、上面を形成する透水性の多孔層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記多孔層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、該第一紙層部の下面に接して位置する、吸水性材料粉及び吸水性樹脂が配合された配合物を含む吸水性混合層部と、該吸水性混合層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部とを備えており、前記不透水性膜部が、前記第二紙層部の下方に位置して配置されている衛生シーツにおいて、前記吸水性材料粉及び吸水性樹脂の配合物が、木材パルプ粉砕物と、高吸水性樹脂又は紙おむつ廃材粉砕物、動物の紙おむつの廃材粉砕物、動物用シーツ廃材粉砕物、乳パッド廃材粉砕物、失禁パッド廃材粉砕物、汗パッド廃材粉砕物若しくは生理用ナプキン廃材粉砕物又はこれらの二以上の廃材粉砕物との混合物であり、前記第一紙層部、前記吸水性混合層部及び第二紙層部の中の少なくとも何れか一つの層部に、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物が含まれていることを特徴とする衛生シーツであり、また、本発明において、衛生シーツは、上面を形成する透水性の多孔層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記多孔層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、該第一紙層部の下面に接して位置する、吸水性材料粉及び吸水性樹脂が配合された配合物を含む吸水性混合層部と、該吸水性混合層部の下面に接して位置する吸水性材料粉層部と、該吸水性材料粉層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部とを備えており、前記不透水性膜部が、前記第二紙層部の下方に位置して配置されている衛生シーツにおいて、前記吸水性材料粉及び吸水性樹脂の配合物が、木材パルプ粉砕物と、高吸水性樹脂又は紙おむつ廃材粉砕物、動物の紙おむつの廃材粉砕物、動物用シーツ廃材粉砕物、乳パッド廃材粉砕物、失禁パッド廃材粉砕物、汗パッド廃材粉砕物若しくは生理用ナプキン廃材粉砕物又はこれらの二以上の廃材粉砕物との混合物であり、前記第一紙層部、前記吸水性混合層部、吸水性材料粉層部及び第二紙層部の中の少なくとも何れか一つの層部に、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物、及び茶殻についての抽出を終えた一種以上の茶殻の乾燥物を含むことを特徴とする衛生シーツである。
【0008】
そして、本発明において、衛生シーツは、上面を形成する透水性の多孔層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記多孔層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、該第一紙層部の下面に接して位置する、吸水性材料粉及び吸水性樹脂が配合された配合物を含む吸水性混合層部と、該吸水性混合層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部とを備えており、前記不透水性膜部が、前記第二紙層部の下方に位置して配置されている衛生シーツにおいて、前記吸水性材料粉及び吸水性樹脂の配合物が、木材パルプ粉砕物と、高吸水性樹脂又は紙おむつ廃材粉砕物、動物の紙おむつの廃材粉砕物、動物用シーツ廃材粉砕物、乳パッド廃材粉砕物、失禁パッド廃材粉砕物、汗パッド廃材粉砕物若しくは生理用ナプキン廃材粉砕物又はこれらの二以上の廃材粉砕物との混合物であり、前記第一紙層部、前記吸水性混合層部及び第二紙層部の中の少なくとも何れか一つの層部に、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物、及び茶殻についての抽出を終えた一種以上の茶殻の乾燥物を含むことを特徴とする衛生シーツである。
【0009】
また本発明は、上面を形成する透水性の多孔層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記多孔層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、前記第一紙層部の下面に接して位置する、吸水性材料粉及び吸水性樹脂が配合された配合物を含む吸水性混合層部と、該吸水性混合層部の下面に接して位置する吸水性材料粉層部と、該吸水性材料粉層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部とを備えており、前記不透水性膜部は、該第二紙層部の下方に位置して配置されている衛生シーツにおいて、前記吸水性材料粉及び吸水性樹脂の配合物が、木材パルプ粉砕物と、高吸水性樹脂又は紙おむつ廃材粉砕物、動物の紙おむつの廃材粉砕物、動物用シーツ廃材粉砕物、乳パッド廃材粉砕物、失禁パッド廃材粉砕物、汗パッド廃材粉砕物若しくは生理用ナプキン廃材粉砕物又はこれらの二以上の廃材粉砕物との混合物であり、前記第一紙層部、前記吸水性混合層部及び第二紙層部の中の少なくとも何れか一つの層部に、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物、及び茶殻についての抽出を終えた一種以上の茶殻の乾燥物を含むことを特徴とする衛生シーツにある。
【0010】
そして本発明は、第二の紙層部の上に、木材パルプ粉砕物及び吸水性樹脂を載せ、その上に一種以上の茶殻抽出液の乾燥物、又は一種以上の茶殻抽出液の乾燥物及び茶殻についての抽出を終えた一種以上の茶殻の乾燥物を含む第二の紙層部を配置して、積層物を形成し、この積層物を加圧して一体に形成し、この一体に形成された積層物をプラスチック製の不透水性膜部材の上に載せ、第一の紙層部の上に、透水性の多孔層部材を載せ、この積層物を加圧して一体に形成することを特徴とする衛生シーツの製造方法にあり、また、本発明は、第二の紙層部の上に、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物、又は一種以上の茶殻抽出液の乾燥物及び茶殻についての抽出を終えた一種以上の茶殻の乾燥物を含む木材パルプ粉砕物及び吸水性樹脂若しくは吸水性樹脂の混合物を載せ、その上に一種以上の茶殻抽出液の乾燥物、又は一種以上の茶殻抽出液の乾燥物及び茶殻についての抽出を終えた一種以上の茶殻の乾燥物を含む第二の紙層部を配置して、積層物を形成し、この積層物を加圧して一体に形成し、この一体に形成された積層物をプラスチック製の不透水性膜部材の上に載せ、第一の紙層部の上に、透水性の多孔層部材を載せ、この積層物を加圧して一体に形成することを特徴とする衛生シーツの製造方法にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の衛生シーツは、寝具用シーツ、紙おむつ、動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド及び動物用シーツに使用でき、長時間に亙って良好な衛生状態を保持することができるものである。
本発明において、衛生シーツは、有機物廃材を原料として、安価に製造することができ、使い捨て用素材に適している。
さらにまた、本発明の衛生シーツは、透水性の多孔層部と、プラスチック製の不透水性膜部の間に配置できるように形成して、寝具用シーツ、使い捨て用のおむつ、紙おむつ、動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド及び動物用シーツとすることができる。本発明において、動物用シーツは、従来の動物用シーツと同様に、排泄用として使用されるものであるが、その他に、休養及び就寝用として使用されるものである。
【0012】
本発明において、寝具用シーツ、紙おむつ、動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド及び動物用シーツとする場合には、その上面は、多孔層部、例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、ビニロン樹脂等のプラスチック繊維製又はレーヨン繊維製の不織布層部又はポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂等のプラスチック製の多孔膜で形成することができ、下面の不透水性膜部は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のプラスチック製の不透水性膜で形成することができる。本発明において、前記多孔層部の下には、その下面に接して第一の吸水性の紙層部を設けることができる。
【0013】
本発明において、吸水性の紙層部は、ティシュペーパ、ちり紙、トイレットペーパ、紙おむつ又は生理用ナプキンに使用される生理用紙、タオル用紙などの衛生用紙で形成され、クレープを付して形成されるのが、良好な吸水性を確保できるので好ましい。
本発明においては、前記吸水性の紙層部の下面に接して高吸水性樹脂及び吸水性材料粉を混合物として又は混合物としないで含有する吸水性混合層部を設けることができる。この吸水性混合層部には、綿状パルプ層の間に高吸水性樹脂が挟持され、その表裏両面に吸水紙が設けられている所謂ポリマーシートを使用することができる。
【0014】
本発明において、吸水性混合層部には、吸水性材料粉砕物及び吸水性樹脂が配合された配合物を含んでいる。例えば、乳パッド廃材、失禁パッド廃材、紙おむつ廃材や生理用ナプキン廃材等の衛生シーツ廃材などの有機物廃材は、紙粉及び吸水性樹脂の他に、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン及び合成ゴム材を含有しているので、例えば、乳パッド廃材、失禁パッド廃材、紙おむつ廃材や生理用ナプキン廃材を、例えば5mm以下の粒度、好ましくは、3mm以下の粒度に粉砕して、このような配合物として、その侭使用することができ、また、このように粉砕した紙おむつ廃材や生理用ナプキン廃材の粉砕物を、分級機により、プラスチック類を含む紙粉及び高吸水性樹脂に分級し、これらの分級産物を適宜の割合に配合したものを、前記配合物として使用することができる。このようなプラスチック類を含む材料の、5mm以下の、好ましくは3mm以下の粒度の粉砕物を、衛生シートの素材とすることにより、衛生シートの保水性を高めると共に、衛生シートの燃焼熱を高めることができる。
【0015】
本発明において、吸水性樹脂は、不良品の吸水性樹脂、高吸水性樹脂廃材、比較的吸水性能の小さい吸水性樹脂及び吸水性能の高い高吸水性樹脂を意味する。しかし、吸水性の高いものを使用すると、使用量を少なくできるので好ましい。
また、本発明において、吸水性材料は、比較的高い吸水性を有する、機械パルプ、セミケミカルパルプ、綿状パルプ等の木材パルプの粉砕物、古紙パルプの粉砕物、木粉、紙粉、チタン紙及びパンチ屑などの屑紙の粉砕物、紙おむつ廃材の粉砕物、生理用ナプキン廃材の粉砕物、乳パッド廃材の粉砕物、並びに失禁パッド廃材の粉砕物などを使用することができる。紙おむつ廃材の粉砕物、生理用ナプキン廃材の粉砕物、乳パッド廃材の粉砕物、並びに失禁パッド廃材の粉砕物は、その侭、前記吸水性混合層部の配合物として使用できるが、吸水性材料粉砕物としても使用することができる。この場合は、さらに高吸水性樹脂又は吸水性繊維を配合して配合物とすることになる。
【0016】
本発明において、紙粉は、粉状の紙又は吸水性樹脂を含む粉状の紙であり、例えば、製本時に発生する紙粉、不織布製造時に発生する紙粉、製紙工程において発生する紙粉、及び集塵ロスの紙粉、並びに紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、乳パッド又は汗パッド等のパッド類及び衛生材料製造時に発生する高吸水性樹脂を含む紙粉を意味する。木材パルプに、木粉及びパンチ屑の粉砕物を加える場合には、木粉及びパンチ屑の粉砕物の量は、木材パルプの3〜20重量%以下、好ましくは、3〜10重量%以下である。
また、本発明においては、前記混合層部の下面に接して吸水性材料層部を設けることができ、さらに該木材パルプ層部の下面に接して第二の吸水性の紙層部を設けることができる。
【0017】
本発明において、茶殻抽出液は、茶殻を抽出した抽出液、又は浸出後の茶殻に含有される茶殻残留廃液、或いはこれらの混合物を意味する。
一種以上の茶殻抽出液は、パック入り又は缶入りのウーロン茶、緑茶及び紅茶製造時に抽出滓として排出される茶殻を常温水で又は常温より高い温度の加熱水で浸出して製造することができる。パック入り又は缶入りのウーロン茶、緑茶及び紅茶製造時に抽出滓として排出される茶殻は、一般に、茶殻残留廃液を含んで排出されるが、本発明において、茶殻は、茶殻残留廃液を含んでいてもよく、脱水又は乾燥されていても良い。茶殻についての抽出を終えた茶殻は、茶殻についての浸出後の茶がらであり、残留廃液を含んでいてもよく、脱水又は乾燥されていても良い。
本発明において、一種以上の茶殻抽出液は、緑茶、ウーロン茶又は紅茶の抽出残渣を常温で又は常温より高い温度の加熱水で浸出して製造することができる。
【0018】
本発明において、衛生シーツは、一種以上の茶殻抽出液を、噴霧法、塗布法又は浸漬法等により含浸させた吸水性の紙層等の紙層部を、乾燥することにより製造することができる。乾燥する過程で、吸水性の紙層部に、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物を含有させることができる。
本発明において、衛生シーツは、一種以上の茶殻抽出液、或いは該茶殻抽出液に異種の一種以上の茶殻の茶殻抽出液又は同種又は異種の茶殻の茶殻残留廃液を混ぜた一種以上の茶殻抽出液と一種以上の茶殻残留廃液の混合液、或いは茶殻抽出液に、該抽出液と同種又は異種の茶殻を混ぜた一種以上の茶殻抽出液と一種以上の茶殻との懸濁状混合物を、噴霧法、塗布法又は浸漬法等により含浸させた吸水性の紙層等の紙層部を、乾燥することにより製造でき、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物、或いは、一種以上の茶殻抽出液と一種以上の茶殻残留廃液の混合液の乾燥物、或いは一種以上の茶殻抽出液の乾燥物と茶殻乾燥物の混合物を含有する、吸水性の紙層等の紙層部を有するものである。
【0019】
本発明において、茶殻を混合し又は混合しない一種以上の茶殻抽出液、又は一種以上の茶殻残留廃液或いは茶殻を混合し又は混合しない、一種以上の茶殻抽出液及び一種以上の茶殻残留廃液を、印刷インキ組成物と配合して印刷インキに形成することができ、又はこの印刷インキに適当な着色材を配合して、印刷用カラーインキに形成することができる。印刷用カラーインキの場合には、吸水性の紙層部面に全般に亙って所望の模様及び文字を印刷でき、例えば、装飾模様、並びに商業宣伝用の模様及び文字を吸水性の紙層部に印刷することができる。
吸水性の紙層部に含浸させる、一種以上の茶殻抽出液における茶殻抽出液の濃度、茶殻抽出液と茶殻残留廃液の混合液における茶殻抽出液の濃度、或いは一種以上の茶殻抽出液と茶殻の混合物における茶殻抽出液の濃度は、抽出時において使用される茶殻の単位重量に対する抽出に使用する浸出液の水の容量を変えて調整することができる。一種以上の茶殻抽出液における茶殻抽出液の濃度、茶殻抽出液と茶殻残留廃液の混合液における混合割合、或いは一種以上の茶殻抽出液と茶殻の混合物における混合割合は、細菌の増殖の抑制効果が発揮できるように、適宜変えることができる。
茶殻は、抽出され易いので、比較的短時間で抽出することができる。しかし、抽出時間は、2時間以内、特に1時間以内とすると、抽出時間を少なくできるので好ましい。
【0020】
本発明において、衛生シーツの吸水性混合層部には、紙おむつ、生理用ナプキンや動物用シーツなどの衛生シーツに、吸水性を保持させるために、高吸水性樹脂が使用され、又は高吸水性樹脂が配合された紙粉や綿状パルプが使用される。この場合の高吸水性樹脂の使用量は、生理用ナプキン及び動物用シーツの場合で、全量に対し、5乃至15重量%、好ましくは、7乃至10重量%であり、紙おむつの場合で、全量に対し、20〜40重量部%、好ましくは25乃至35重量%である。
【0021】
本発明において使用される高吸水性樹脂は、人工尿で自重の30倍から100倍程度の水を吸収しても、形を保持できる樹脂であるのが好ましい。このような高吸水性樹脂としては、例えば、ビニルエステルとエチレン系不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体鹸化物、澱粉とアクリル酸のグラフト重合体、ポリアクリル酸の架橋物、ビニルアルコールとアクリル酸の共重合体、ポリアクリロニトリルの部分加水分解物、カルボキシメチルセルロースの架橋物、ポリエチレングリコールの架橋物、キトサンの塩又はプルランのゲルなどがある。これらは、吸水性材料粉に単独で又はこれら2種以上を混合して使用される。
【0022】
本発明において、高吸水性樹脂は、例えば、不良品としての紙おむつ又は生理用ナプキン、或いは紙おむつ又は生理用ナプキン裁断屑、或いは紙おむつ廃材から回収された高吸水性樹脂含有物を使用することができる。このような回収された高吸水性樹脂は、人工尿に対して、吸水倍率が10〜30g/gとその吸水性能は乏しいが、動物用シーツでは、この程度の吸水効果で十分使用できることがわかった。使用する高吸水性樹脂の粒度は、50乃至500μmであるのが好ましい。
【0023】
また、本発明においては、検査不良の紙おむつ及び紙おむつ裁断屑等の紙おむつ廃材を、吸水性混合層部に使用される。紙おむつ廃材は、綿状パルプ即ち紙粉及び高吸水性樹脂分を、例えば70重量%含有するが、不透水性膜等にプラスチック材料及びゴム材料が5〜15重量%ほど使用されているが、プラスチック材料やゴム材料の、5mm以下の粒度、好ましくは3mm以下の粒度に粉砕された粉砕物は、水の保水性を有するので、吸水性混合層部に使用できることが分かった。しかも、プラスチック材料やゴム材料の吸水性混合層部への配合は、プラスチック材料及びゴム材料の発熱量が大きいので、紙おむつ廃材の粉砕物を、吸水性混合層部に配合したシーツは、使用後においてもシーツを燃焼できる発熱量を有することができるので好ましい。
【0024】
本発明において、衛生シーツは、茶殻抽出液の乾燥物が含まれている吸水性の紙層部を備えているので、緑茶、ウーロン茶や紅茶等のお茶の茶殻抽出液の乾燥物の作用により、汗等により湿っても、吸水性に優れ、且つ細菌の増殖が抑えられ、長時間に亙って、衛生的な状態を保つことができる。
本発明は、このように、缶入り又はパック入りのウーロン茶、紅茶及び/又は緑茶等のお茶製造産業において多量に発生するウーロン茶、紅茶及び緑茶の茶殻及びそれら茶殻の茶殻残留廃液を衛生シーツの原料として活用して、衛生シーツの衛生状態を、汗等により湿っても、細菌の増殖を抑えて、長時間に亙って良好な状態に保つことができる。
【0025】
また、本発明においては、上面を形成する透水性の多孔層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記多孔層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、該第一紙層部の下面に接して位置する吸水性材料粉及び吸水性樹脂が配合された配合物を含む吸水性混合層部と、該吸水性混合層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部とを備えており、前記不透水性膜部は、前記第二紙層部の下方に位置して配置されており、前記第一紙層部、前記吸水性混合層部及び第二紙層部の中の少なくとも何れか一つの層部に、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物、及び茶殻についての抽出を終えた一種以上の茶殻の乾燥物を含むので、紙おむつ、動物用シーツに使用して、排泄した尿の吸収が良く、また保水性が良く、さらに、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物及び一種以上の茶殻抽出液の乾燥物を含有させることもできるので、使用時のシーツの衛生状態を顕著に良好なものとすることができる。
【0026】
本発明において、吸水性樹脂は、不良品の吸水性樹脂、高吸水性樹脂廃材、比較的吸水性能の小さい吸水性樹脂及び吸水性能の高い高吸水性樹脂を意味する。しかし、吸水性の高いものを使用すると、使用量を少なくできるので好ましい。
また、本発明において、吸水性材料は、比較的高い吸水性を有する、機械パルプ、化学パルプ、セミケミカルパルプ、綿状パルプ等の木材パルプの粉砕物、古紙パルプの粉砕物、木粉、紙粉、チタン紙及びパンチ屑などの屑紙の粉砕物、紙おむつ廃材の粉砕物、生理用ナプキン廃材の粉砕物、乳パッド廃材の粉砕物、並びに失禁パッド廃材の粉砕物などを使用することができる。紙おむつ廃材の粉砕物、生理用ナプキン廃材の粉砕物、乳パッド廃材の粉砕物、並びに失禁パッド廃材の粉砕物は、その侭、前記吸水性混合層部の配合物として使用できるが、吸水性材料粉砕物としても使用することができる。この場合は、さらに高吸水性樹脂又は吸水性繊維を配合して配合物とすることになる。
【0027】
本発明において、紙粉は、粉状の紙又は吸水性樹脂を含む粉状の紙であり、例えば、製本時に発生する紙粉、不織布製造時に発生する紙粉、製紙工程において発生する紙粉、及び集塵ロスの紙粉、並びに紙おむつ、生理用ナプキン、ショルダーパッド、バストパッド、ヒップパッド、失禁パッド、乳パッド又は汗パッド等のパッド類及び衛生材料製造時に発生する高吸水性樹脂を含む紙粉を意味する。
木材パルプに、木粉及びパンチ屑の粉砕物を加える場合には、木粉及びパンチ屑の粉砕物の量は、木材パルプの3〜20重量%以下、好ましくは3〜10重量%以下である。また、本発明においては、前記混合層部の下面に接して吸水性材料層部を設けることができ、さらに該木材パルプ層部の下面に接して第二の吸水性の紙層部を設けることができる。
【0028】
本発明において、茶殻抽出液は、茶殻を抽出した抽出液、又は浸出後の茶殻に含有される茶殻残留廃液、或いはこれらの混合物を意味する。
一種以上の茶殻抽出液は、パック入り又は缶入りのウーロン茶、緑茶及び紅茶製造時に抽出滓として排出される茶殻を常温水で又は常温より高い温度の加熱水で浸出して製造することができる。パック入り又は缶入りのウーロン茶、緑茶及び紅茶製造時に抽出滓として排出される茶殻は、一般に、茶殻残留廃液を含んで排出されるが、本発明において、茶殻は、茶殻残留廃液を含んでいてもよく、脱水又は乾燥されていても良い。茶殻についての抽出を終えた茶殻は、茶殻についての浸出後の茶がらであり、残留廃液を含んでいてもよく、脱水又は乾燥されていても良い。
本発明において、一種以上の茶殻抽出液は、緑茶、ウーロン茶又は紅茶の抽出残渣を常温で又は常温より高い温度の加熱水で浸出して製造することができる。
【0029】
本発明において、衛生シーツは、一種以上の茶殻抽出液を、噴霧法、塗布法又は浸漬法等により含浸させた吸水性の紙層等の紙層部を、乾燥することにより製造することができる。乾燥する過程で、吸水性の紙層部に、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物を含有させることができる。
本発明において、衛生シーツは、一種以上の茶殻抽出液、或いは該茶殻抽出液に異種の一種以上の茶殻の茶殻抽出液又は同種又は異種の茶殻の茶殻残留廃液を混ぜた一種以上の茶殻抽出液と一種以上の茶殻残留廃液の混合液、或いは茶殻抽出液に、該抽出液と同種又は異種の茶殻を混ぜた一種以上の茶殻抽出液と一種以上の茶殻との懸濁状混合物を、噴霧法、塗布法又は浸漬法等により含浸させた吸水性の紙層等の紙層部を、乾燥することにより製造でき、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物、或いは、一種以上の茶殻抽出液と一種以上の茶殻残留廃液の混合液の乾燥物、或いは一種以上の茶殻抽出液の乾燥物と茶殻乾燥物の混合物を含有する、吸水性の紙層等の紙層部を有するものである。
【0030】
本発明において、茶殻を混合し又は混合しない一種以上の茶殻抽出液、又は一種以上の茶殻残留廃液或いは茶殻を混合し又は混合しない、一種以上の茶殻抽出液及び一種以上の茶殻残留廃液を、印刷インキ組成物と配合して印刷インキに形成することができ、又はこの印刷インキに適当な着色材を配合して、印刷用カラーインキに形成することができる。印刷用カラーインキの場合には、吸水性の紙層部面に全般に亙って所望の模様及び文字を印刷でき、例えば、装飾模様、並びに商業宣伝用の模様及び文字を吸水性の紙層部に印刷することができる。
吸水性の紙層部に含浸させる、一種以上の茶殻抽出液における茶殻抽出液の濃度、茶殻抽出液と茶殻残留廃液の混合液における茶殻抽出液の濃度、或いは一種以上の茶殻抽出液と茶殻の混合物における茶殻抽出液の濃度は、抽出時において使用される茶殻の単位重量に対する抽出に使用する浸出液の水の容量を変えて調整することができる。一種以上の茶殻抽出液における茶殻抽出液の濃度、茶殻抽出液と茶殻残留廃液の混合液における混合割合、或いは一種以上の茶殻抽出液と茶殻の混合物における混合割合は、細菌の増殖の抑制効果が発揮できるように、適宜変えることができる。
茶殻は、抽出され易いので、比較的短時間で抽出することができる。しかし、抽出時間は、2時間以内、特に1時間以内とすると、抽出時間を少なくできるので好ましい。
【0031】
本発明において、衛生シーツの吸水性混合層部には、紙おむつ、生理用ナプキンや動物用シーツなどの衛生シーツに、吸水性を保持させるために、高吸水性樹脂が使用され、又は高吸水性樹脂が配合された紙粉や綿状パルプが使用される。この場合の高吸水性樹脂の使用量は、生理用ナプキン及び動物用シーツの場合で、全量に対し、5乃至15重量%、好ましくは、7乃至10重量%であり、紙おむつの場合で、全量に対し、20〜40重量部%、好ましくは25乃至35重量%である。
【0032】
本発明において使用される高吸水性樹脂は、人工尿で自重の30倍から100倍程度の水を吸収しても、形を保持できる樹脂であるのが好ましい。このような高吸水性樹脂としては、例えば、ビニルエステルとエチレン系不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体鹸化物、澱粉とアクリル酸のグラフト重合体、ポリアクリル酸の架橋物、ビニルアルコールとアクリル酸の共重合体、ポリアクリロニトリルの部分加水分解物、カルボキシメチルセルロースの架橋物、ポリエチレングリコールの架橋物、キトサンの塩又はプルランのゲルなどがある。これらは、吸水性材料粉に単独で又はこれら2種以上を混合して使用される。
【0033】
本発明において、高吸水性樹脂は、例えば、不良品としての紙おむつ又は生理用ナプキン、或いは紙おむつ又は生理用ナプキン裁断屑、或いは紙おむつ廃材から回収された高吸水性樹脂含有物を使用することができる。このような回収された高吸水性樹脂は、人工尿に対して、吸水倍率が10〜30g/gとその吸水性能は乏しいが、動物用シーツでは、この程度の吸水効果で十分使用できることがわかった。使用する高吸水性樹脂の粒度は、50乃至500μmであるのが好ましい。
【0034】
また、本発明においては、検査不良の紙おむつ及び紙おむつ裁断屑等の紙おむつ廃材を、吸水性混合層部に使用される。紙おむつ廃材は、綿状パルプ即ち紙粉及び高吸水性樹脂分を、例えば70重量%含有するが、不透水性膜等にプラスチック材料及びゴム材料が5〜15重量%ほど使用されているが、プラスチック材料やゴム材料の、5mm以下の粒度、好ましくは3mm以下の粒度に粉砕された粉砕物は、水の保水性を有するので、吸水性混合層部に使用できることが分かった。しかも、プラスチック材料やゴム材料の吸水性混合層部への配合は、プラスチック材料及びゴム材料の発熱量が大きいので、紙おむつ廃材の粉砕物を、吸水性混合層部に配合したシーツは、使用後においてもシーツを燃焼できる発熱量を有することができるので好ましい。
【0035】
本発明において、衛生シーツは、茶殻抽出液の乾燥物が含まれている吸水性の紙層部を備えているので、緑茶、ウーロン茶や紅茶等のお茶の茶殻抽出液の乾燥物の作用により、汗等により湿っても、吸水性に優れ、且つ細菌の増殖が抑えられ、長時間に亙って、衛生的な状態を保つことができる。
本発明は、このように、缶入り又はパック入りのウーロン茶、紅茶及び/又は緑茶等のお茶製造産業において多量に発生するウーロン茶、紅茶及び緑茶の茶殻及びそれら茶殻の茶殻残留廃液を衛生シーツの原料として活用して、衛生シーツの衛生状態を、汗等により湿っても、細菌の増殖を抑えて、長時間に亙って良好な状態に保つことができる。
【0036】
また、本発明においては、上面を形成する透水性の多孔層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記多孔層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、該第一紙層部の下面に接して位置する吸水性材料粉及び吸水性樹脂が配合された配合物を含む吸水性混合層部と、該吸水性混合層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部とを備えており、前記不透水性膜部は、前記第二紙層部の下方に位置して配置されており、前記第一紙層部、前記吸水性混合層部及び第二紙層部の中の少なくとも何れか一つの層部に、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物、及び茶殻についての抽出を終えた一種以上の茶殻の乾燥物を含むので、紙おむつ、動物用シーツに使用して、排泄した尿の吸収が良く、また保水性が良く、さらに、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物及び一種以上の茶殻抽出液の乾燥物を含有させることもできるので、使用時のシーツの衛生状態を顕著に良好なものとすることができる。
【実施例】
【0037】
以下、本発明の実施の態様の例を説明するが、本発明は、以下の説明及び例示によって何等制限されるものではない。
図1は、本発明の一実施例の動物用シーツの説明図である。図2は、本発明の動物用シーツを製造する工程を示す概略の工程図である。図1及び2において対応する箇所には同一の符号が付されている。
【0038】
例1
本例において、動物用シーツは、ポリエチレンフィルム(3重量部)の上に高吸水性ポリマーシート(17.6重量部)が配置され、その上にウーロン茶製造時に発生する茶殻を水で抽出した茶殻抽出液の乾燥物を含有する吸水紙(4.7重量部)が配置され、その上を、ポリプロピレン不織布(2.2重量部)で覆い、該ポリプロピレン不織布の端部は、最下層の前記ポレエチレンフィルムの端部とホットメルト接着剤を介してホットメルト接着されている。
【0039】
例2
図1において、動物用シーツ1は、ポリエチレンフィルム2(3重量部)の上に吸水紙4(2.1重量部)が配置され、その上に綿状パルプ5(16.9重量部)が配置され、その上に、高吸水性樹脂6(3重量部)が配置され、その上にウーロン茶製造時に発生する茶殻を水で抽出した茶殻抽出液の乾燥物及び紅茶茶製造時に発生する茶殻を水で抽出した茶殻抽出液の乾燥物を含む印刷インキが印刷されている吸水紙4(4.7重量部)が配置され、その上を、ポリプロピレン不織布7(2.2重量部)で覆い、ポリプロピレン不織布7の端部は、最下層のポレエチレンフィルム2の端部とホットメルト接着剤を介してホットメルト接着されている。
【0040】
図1に示す実施例においては、一種又は二種以上の茶殻抽出液の乾燥物を含有させた吸水紙を使用する事例を示したが、一種又は二種の茶殻抽出液の乾燥物に同種又は他種類の茶殻の乾燥物をも含有する吸水紙を使用することもできる。この場合は、一種以上の茶殻抽出液の抽出液と一種以上の茶殻の混合物を、吸水紙に噴霧等により含浸させて、乾燥させて製造することができる。
図1に示す実施例においては、緑茶の茶殻抽出液としては、含水率60乃至65%の緑茶の茶殻200gに水500mlを加えて10分間抽出して得られた緑茶茶殻抽出液を使用し、ウーロン茶の茶殻抽出液としては、含水率60乃至65%のウーロン茶の茶殻140gに水350mlを加えて10分間抽出して得られたウーロン茶殻抽出液を使用し、紅茶の茶殻抽出液としては、含水率60乃至65%の紅茶の茶殻210gに水525mlを加えて10分間抽して得られた紅茶茶殻抽出液を使用した。
【0041】
これらの茶殻抽出液は、セルロース系素材で接着剤及び油剤が使用されていない不織布に噴霧された。各茶殻抽出液の噴霧の量は、前記不織布について、一辺の長さが100cmの正方形に切り出して測定された。測定結果を次の表1に示す。
表1
茶殻の 不織布の重量 茶殻抽出液が噴霧され 乾燥後の不織
種類 重量(g) た不織布の重量(g) 布の重量(g)
緑茶 40.2 140 41.8
烏龍茶 38.6 142 39.5
紅茶 39.2 148 40.1
【0042】
図2において、吸水紙4のロール8は、吸水紙送り出しローラ9により引き出されて、綿状パルプ5の供給ローラ10に送られて、粉砕機11で粉砕された綿状パルプ5が供給される。綿状パルプ5が供給された吸水紙4は、吸水紙4上の綿状パルプ5の量が一定となるように調整されている。一種以上の茶殻抽出液(茶殻の再浸出液)は、噴霧箇所12に送られて、一種以上の茶殻抽出液を噴霧器13から噴霧される。
本例においては、このようにして、一種以上の茶殻抽出液の再抽出液が、吸水紙4上の一定量の綿状パルプ5に噴霧される。一種以上の茶殻抽出液の再抽出液が噴霧された吸水紙4は、高吸水性樹脂6の散布箇所14に送られる。高吸水性樹脂6の散布箇所14に送られた一種以上の茶殻抽出液が噴霧された吸水紙4には、高吸水性樹脂6が高吸水性樹脂散布機15から散布される。
高吸水性樹脂6が散布された吸水紙4は、上側吸水紙4の供給箇所16に送られて、吸水紙4のロール8から上方に吸水紙4が載せられる。上下に吸水紙4が配置された積層帯状物17は、エンボス機18に送られてエンボスが形成される。エンボスが形成された積層帯状物は17は、マットカッター19に送られて、長さ450mmの積層物に切断される。切断された積層物の下方には、下方からポリエチレンフィルム2がポリエチレンフィルム2のロール20から供給され、積層物はポリエチレンフィルム2の上に載せられて、ポリプロピレン不織布7を被せる箇所21に送られる。
【0043】
ポリプロピレン不織布7は、ポリプロピレン不織布7のロール22から送られ、途中ホットメルト接着剤が噴霧器23から噴霧される。ホットメルト接着剤が噴霧されたポリプロピレン不織布5は、積層物上に載せられる。ポリプロピレン不織布が載せられた積層物は、サイドシール機24に送られて、両側部は、圧着されて、ホットメルト接着剤により接着される。両側部が接着された積層物は、エンドシール機25に送られて長手方向両端部が接着され、製品カッター26に送られ、所定の寸法に切断され製品として送られる。製品カッター26で切断された製品は、折り機によって折られ包装機により包装されて出荷される。
【0044】
本例においては、動物用シーツを例に説明したが、他の衛生シーツの場合は、紙漉機等により、紙層部が形成されて乾燥工程に移行する段階で、茶殻抽出液、例えばウーロン茶の茶殻抽出液が噴霧されて含浸される。茶殻抽出液が含浸された紙層部は、乾燥機内で高温で乾燥され、消毒されて衛生シーツとして提供される。この場合、茶殻抽出液に、複数種の茶殻抽出液を混合した混合抽出液を含浸させて乾燥することができる。このように各種の抽出液を混合することにより、より強力な微生物の増殖の抑制作用を発揮させることができる。
【0045】
本発明において、衛生シーツは、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物を含む吸水性の紙層部を備えているので、従来のシーツに比して、缶入り及びパック入りのウーロン茶、緑茶、紅茶の製造時に発生する、例えば茶殻残留廃液を含む茶殻についての抽出液の乾燥物の作用により、汗等の臭いが抑制され、発汗による湿り、及び細菌の増殖を抑えることができ、長時間に亙って、衛生的な状態を保つことができる。缶入り及びパック入りのウーロン茶、緑茶、紅茶の製造時に発生する、例えば茶殻残留廃液を含む茶殻を有効に活用することができる。
【0046】
また、本発明においては、上面を形成する透水性の多孔層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記多孔層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、該第一紙層部の下面に接して位置する吸水性材料粉及び吸水性樹脂が配合された配合物を含む混合層部と、該混合層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部とを備えており、前記不透水性膜部は、前記第二紙層部の下方に位置して配置されており、前記第一紙層部、前記混合層部及び第二紙層部の中の少なくとも何れか一つの層部に、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物、又は一種以上の茶殻抽出液の乾燥物及び一種以上の茶殻の乾燥物の混合物を含むので、従来の紙おむつ、動物用シーツと比して、排泄した尿により濡れがなく、尿や体臭による汚臭を抑制することができ、例えば、愛玩用の動物用として、休養時、就寝時又は排泄時に使用して、周囲を良好な衛生状態に保っことができる。
本発明においては、一種以上の茶殻抽出液の乾燥物、又は一種以上の茶殻抽出液の乾燥物及び茶殻についての抽出を終えた一種以上の茶殻の乾燥物を使用して、衛生シーツの使用時の細菌の増殖を抑制するので、大量の一種以上の茶殻抽出液又は一種以上の茶殻から滲出する茶殻残留排液を使用することとなり、従来、活性汚泥処理等により処理されていた廃液を有効に利用でき、缶入り又はパック入りのお茶製造時の廃液及び廃物処理工程を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】発明の別の一実施例の動物用シーツの説明図である。
【図2】本発明の動物用シーツを製造する工程を示す概略の工程図である。
【符号の説明】
【0048】
1 動物用シーツ
2 ポリエチレンフィルム
3 高吸水性ポリマーシート
4 吸水紙
5 綿状パルプ
6 高吸水性樹脂
7 ポリプロピレン不織布
8 吸水紙4のロール
9 吸水紙送り出しローラ
10 綿状パルプの供給ローラ
11 粉砕機
12 一種以上の茶殻抽出液の再抽出液の噴霧箇所
13 一種以上の茶殻抽出液の再抽出液の噴霧器
14 高吸水性樹脂6の散布箇所
15 高吸水性樹脂6の散布機
16 上側吸水紙4の供給箇所
17 積層帯状物16
18 エンボス機
19 マットカッター
20 ポリエチレンフィルム2のロール
21 ポリプロピレン不織布5を被せる箇所
22 ポリプロピレン不織布のロール
23 ホットメルト接着剤噴霧器
24 サイドシール器
25 エンドシール機
26 製品カッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種以上の茶殻抽出液の乾燥物又は一種以上の茶殻抽出液の乾燥物及び茶殻についての抽出を終えた一種以上の茶殻の乾燥物を含むことを特徴とする衛生用紙。
【請求項2】
衛生用紙が、ティシュペーパー、ちり紙、トイレットペーパー、生理用紙又はタオル用紙であることを特徴とする請求項1に記載の衛生用紙。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−98152(P2007−98152A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333891(P2006−333891)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【分割の表示】特願2001−282444(P2001−282444)の分割
【原出願日】平成10年4月9日(1998.4.9)
【出願人】(000148977)株式会社大貴 (43)
【Fターム(参考)】