説明

衛生管理を簡易化した植物栽培機およびその清掃方法

【課題】コーキング材の成分が水耕液中に溶け出して植物に悪影響を及ぼすことがなく、樹脂シートの交換を含む清掃作業が簡単に行える植物栽培機を提供する。
【解決手段】植物を水耕液に浸して栽培するための栽培槽2に隣接して、栽培槽2から排出すべき水耕液を受けるための樋状の排液槽4が取り外しが可能な状態で配設されている。栽培槽2の上面および排液槽4の上面には各槽の内面に添わせて合成樹脂製のシート6が一連に被せられている。栽培槽2の排液槽4と隣接する壁には水耕液を排液槽4へ溢れ出させる溢水部、栽培槽2の底面の端部位置には清掃時に前記シート下へ導出させた水耕液を排出するための排出口24がそれぞれ形成されるとともに、排液槽4の底面には排液管43が接続された排液口42が形成されている。排液管43は、水耕液中の養分を調整して栽培槽2へ循環させるための水耕液タンク8に連通させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、植物工場の栽培室内で植物を栽培するのに用いられる植物栽培機に関し、特にこの発明は、植物を水耕液に浸して栽培するための栽培槽を衛生に保つのに適した構造の衛生管理を簡易化した植物栽培機と、栽培槽を衛生に保つための衛生管理を簡易化した植物栽培機の清掃方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、典型的な植物栽培機として、野菜などの植物を水耕液に浸して栽培するための栽培槽が多段に設けられたものがあり、各段の栽培槽の上方位置に植物に向けて光を照射する照明装置が設置されている。この種の植物栽培機では、各栽培槽での水耕液漏れを防止するために、各栽培槽の上面に槽の内面に添わせて合成樹脂製のシート(以下「樹脂シート」という。)を被せることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58−158114号公報
【0004】
従来のこの種の植物栽培機では、栽培槽の底面に水耕液の抜取口が設けられ、この抜取口より抜き取った水耕液を外部タンクへ導入して、養分を調整した後、その水耕液を栽培槽へ送り出して循環させている。栽培槽上に被せられた樹脂シートには、栽培槽の抜取口に対応する位置に貫通孔が形成されており、その貫通孔より流出した水耕液が樹脂シートと栽培槽の底面との間の隙間へ入り込むのを防止するため、貫通孔の周囲の前記隙間の入口部分にコーキングが施されている。
【0005】
水耕液中には、窒素、燐酸、カリウムなど、植物の生育に不可欠な養分が含まれており、しかも、照明装置からの光が直接当たるので、樹脂シートに藻(あおさ)や菌類が発生し易く、不衛生になりがちである。また、長期の使用により樹脂シートが劣化して液漏れを引き起こすおそれがある。このため、樹脂シートを定期的に新たなものと交換する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した構成の植物栽培機では、コーキング材の成分が水耕液中に溶け出し、植物に悪影響を及ぼすだけでなく、古い樹脂シートを取り外す際はコーキング材を除去する作業が、また、新たな樹脂シートを装着する際はコーキングを施す作業が、それぞれ必要であり、樹脂シートの交換に手数がかかるという問題がある。
【0007】
この発明は、上記の問題に着目してなされたもので、栽培槽に樹脂シートを装着する際にコーキングの処理を不要化し得る構造となすことにより、コーキング材の成分が水耕液中に溶け出して植物に悪影響を及ぼすことがなく、樹脂シートの交換を含む清掃作業が簡単に行える衛生管理を簡易化した植物栽培機およびその清掃方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による衛生管理を簡易化した植物栽培機は、植物を水耕液に浸して栽培するための栽培槽に隣接して、前記栽培槽から排出すべき水耕液を受けるための樋状の排液槽が取り外しが可能な状態で配設され、栽培槽の上面および排液槽の上面には各槽の内面に添わせて合成樹脂製のシートが一連に被せられている。栽培槽の排液槽と隣接する壁には水耕液を排液槽へ溢れ出させる溢水部、栽培槽の底面の端部位置には清掃時に前記シート下へ導出させた水耕液を排出するための排出口がそれぞれ形成されるとともに、排液槽の底面には排液管が接続された排液口が形成されている。前記排液管は、水耕液中の養分を調整して前記栽培槽へ循環させるための水耕液タンクに連通させている。
【0009】
栽培槽へ水耕液を供給するに伴い栽培槽の溢水部より排液槽へ水耕液が溢れ出る。排液槽に受け入れられた水耕液は排液口へ導かれ、排液口より排液管へ排出される。排液管は水耕液タンクに連通するので、排液口より排出された水耕液は水耕液タンクへ導かれる。水耕液タンクでは養分が調整された後、栽培槽へ送り出されて循環する。
上記の衛生管理を簡易化した植物栽培槽では、栽培槽に隣接する排液槽へ水耕液を溢れ出させて循環させるので、樹脂シートに栽培槽の抜取口と連通する貫通孔を設けてコーキングを施す必要がなく、コーキング材の成分が水耕液中に溶け出すことはない。また、樹脂シートの交換に際してコーキング材の除去や施工を行う必要がなく、しかも、排液槽は取り外して清掃するので、樹脂シートの交換を含む清掃作業が簡単に行える。
【0010】
この発明の好ましい実施態様においては、前記栽培槽は平面形状が長方形状であり、そのような形状の栽培槽に対して、望ましくは、排液槽を一方の短辺側に隣接して配設するか、または両方の短辺側にそれぞれ隣接して配設する。前者の場合は、一方の長辺上であって他方の短辺寄りの位置に、水耕液タンクより送られてくる水耕液を栽培槽へ供給するための水耕液供給部を配置するのが望ましい。また、後者の場合は、一方の長辺上の中央位置に水耕液供給部を配置するのが望ましい。
上記の実施態様によると、水耕液供給部より供給された水耕液が栽培槽内の特定の領域に停留したり、栽培槽内に広く行き渡る前に排出されたりするのが防止され、水耕液中の養分が栽培槽内の全ての植物へ有効かつ確実に植物へ与えられる。
【0011】
また、この発明の好ましい実施態様においては、前記溢水部は、栽培槽の排液槽と隣接する壁の両端部のうち、水耕液タンクより送られてくる水耕液を栽培槽へ供給するための水耕液供給部が設けられた位置との間の距離が遠い側の端部に片寄った位置に形成されている。
この実施態様によると、水耕液供給部より供給された水耕液は栽培槽内に行き渡る前に溢水部より溢れ出るのが防止される。
【0012】
この発明による衛生管理を簡易化した植物栽培機の清掃方法は、前記樹脂シートの栽培槽の排出口に対応する位置に貫通孔を形成することにより栽培槽内の水耕液を排出口より抜き取る工程と、前記樹脂シートを貫通孔の位置と反対の位置より巻き取って取り除く工程と、排液槽を取り外して清掃した後、清掃後の排液槽を栽培槽に隣接して配設する工程と、栽培槽の上面および排液槽の上面に各槽の内面に添わせて新しい樹脂シートを一連に被せる工程とを順次実施して植物栽培機を清掃することを特徴とするものである。
【0013】
この発明によると、栽培槽を必要以上に濡らしたり汚したりすることがなく、樹脂シートを効率的に除去し、新たな樹脂シートと取り換えることができ、速やかに植物栽培を再開できる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、栽培槽に樹脂シートを装着する際にコーキングの処理が不要であり、コーキング材の成分が水耕液中に溶け出して植物に悪影響を及ぼすことがない。また、樹脂シートの交換を含む清掃作業を効率よくかつ簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の一実施例である衛生管理を簡易化した植物栽培機の全体の構成を示す正面図である。
【図2】図1の植物栽培機の一側端部を拡大して示す正面図である。
【図3】図1の植物栽培機の高さ中央部を拡大して示す側面図である。
【図4】栽培槽の長手方向に沿う断面図である。
【図5】図4と直交する方向に沿う栽培槽の断面図である。
【図6】水耕液の循環経路を示す説明図である。
【図7】排液槽および水耕液供給部の他の配置例を示す平面図である。
【図8】溢水部を拡大して示す栽培槽の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、この発明の一実施例である衛生管理を簡易化した植物栽培機の全体の構成を示すもので、図2および図3には、さらに、この植物栽培機の一方の端部の構成が拡大して示してある。
図示例の衛生管理を簡易化した植物栽培機は、植物を水耕液に浸して栽培するための栽培槽2を水平に支持する固定台1が複数段にわたって設けられたものである。各段の栽培槽2の上方には固定台1と平行に複数台の昇降台3が横並びにそれぞれ配設されている。
【0017】
各段の固定台1は、前面の側と後面の側とにそれぞれ複数本ずつ縦設された支柱10に一体に取付け固定されたもので、前後の枠材11A,11B(図5に示す)と左右の枠材11C,11D(図4に示す)とで囲まれた平面形状が長方形状の枠体11と、前枠材11Aと後枠材11Bとの間に一定間隔毎に設けられた複数本の中間枠材12とで構成されている。
【0018】
各段の固定台1上には、平面形状が長方形状の栽培槽2がそれぞれ水平に支持されている。各栽培槽2の上面および後述する排液槽4の上面には、図4および図5に示すように、樹脂シート6が各槽の内面に添わせるようにして一連に被せられている。樹脂シート6は栽培槽2の上面の全体を覆っており、栽培槽2の内部の樹脂シート6上に水耕液が満たされる。この水耕液は、窒素、燐酸、カリウムなど、植物の生育に不可欠な養分を含み、水耕液供給部7から供給される。
【0019】
栽培槽2は、底板部20と、底板部20の周縁に沿う前壁部2a、後壁部2b,および端壁部22,22とで構成されている。栽培槽2の上面は開口し、前壁部2aおよび後壁部2bは上端縁が外方へ折り曲げられて所定幅のフランジ21a,21bが形成されている。底板部20には、一方の端壁部22の側の端部位置に、清掃時に水耕液を抜き取るための排出口24が設けられている。なお、排出口24は平時は樹脂シート6で覆われ、栓で塞がれている。後部側のフランジ21b上の長さ中央部には前記水耕液供給部7を構成する貯液箱71が設置されている。
【0020】
この貯液箱71は水耕液を一旦貯えて図示しない下部位置の放出口より栽培槽2内へ放出するためのもので、この貯液箱71に、図6に示すように、給液管70より水耕液が供給される。図6に示した水耕液タンク8では窒素、燐酸、カリウムなどの養分が調整され、その水耕液がポンプ81によって水耕液タンク8から吸い上げられて各給液管70へ送られる。一方、水耕液タンク8には、後述する各段の排液槽4より排出された水耕液が集められて送られてくるので、水耕液は水耕液タンク8で養分補給されつつ上記の経路を循環する。なお、図中44は最下段の排液槽4に連通する水耕液の回収管である。
【0021】
図4と図5に戻って、栽培槽2の内部には、複数個の合成樹脂製の栽培パネル25が水耕液上に浮いた状態で縦横整列させて配備されている。各栽培パネル25は平面形状が矩形状であり、上面には複数の植込部26が縦横整列した状態で設けられている。植物fはウレタンなどの支持体27に支持された状態で各植込部26に植設され、根の部分が水耕液中に浸った状態で生育する。
【0022】
栽培槽2の両方の端壁部22,22には、図3に示すように、栽培槽2内の水耕液が端壁部22を乗り越えて溢れ出る溢水部23がそれぞれ形成されている。この実施例の溢水部23は、図8に示すように、栽培槽2の端壁部22の上端縁が中央部に向けて次第に低く傾斜するように形成されたものである。栽培槽2の後部のフランジ21b上に設置されている水耕液供給部7の貯液箱71に対して、溢水部23を貯液箱71からできるだけ離れて位置させるために、傾斜の最下部を栽培槽2の前壁部2aの側に片寄らせている。なお、溢水部23は栽培槽2の端壁部22の上端を部分的に切り欠いて形成してもよい。
【0023】
栽培槽2の各溢水部23より溢れ出た水耕液は、栽培槽2の両方の端壁部22,22にそれぞれ隣接して配設された排液槽4,4に受け入れられる。各排液槽4は栽培槽2の両方の端壁部22,22に外向きに突設された複数の支持金具41上に取外し可能に取り付けられている。
【0024】
排液槽4は、栽培槽2の前後幅より大きな長さの樋状体であり、前後の端面は塞がれている。排液槽4の底面は前側(栽培槽2の前壁部2aの側)より後側(栽培槽2の後壁部2bの側)へ低く傾斜しており、後側の端部には水耕液を排出する排液口42が形成されている。排液槽4内の水耕液は排液口42に接続された排液管43へ導出される。最下段を除く各段の排液管43はその直下の排液槽4の内部へ延び、その下端は排液口42の真上で開口している。最下段の排液管43は水耕液タンク8に連通する回収管44に接続されている。
【0025】
なお、この実施例では、栽培槽2は平面形状が長方形状であって、両方の短辺側、すなわち、端壁部22,22に隣接して排液槽4,4をそれぞれ配設するとともに、一方の長辺上の中央位置に、すなわち、後部のフランジ21b上の中央部に水耕液供給部7を配置しているが、図7に示すように、栽培槽2の一方の短辺側、すなわち、端壁部22に隣接して排液槽4を配設し、一方の長辺上であって他方の短辺寄りの位置P1,P2や他方の短辺上の位置P3に水耕液供給部7を配置してもよい。
【0026】
いずれの実施態様によっても、水耕液供給部7より供給された水耕液が栽培槽2内の特定の領域に停留したり、栽培槽2内に広く行き渡る前に排液槽4に排出されたりするのが防止され、水耕液中の養分が有効かつ確実に植物fへ与えられる。
【0027】
前記昇降台3は複数の枠材により形成され、各段毎に3台の昇降台3が横並びに配置されている。各段の各昇降台3は固定台1の上方位置に固定台1と平行に個別の昇降機構5により昇降可能に支持されている。各昇降機構5は、昇降台3の重心位置を挟む前後対称位置に取り付けられており、図示しない操作ハンドルを取り付けて手操作することにより昇降台3が昇降動作する。
【0028】
支柱10の各縦設位置には位置決め板51が縦設されるとともに、各位置決め板51の同じ高さ位置にストッパー52がそれぞれ取付け固定されている。前後、左右の4箇所の各位置決め板51にストッパー52を位置決め固定した後、昇降台3を上昇または下降させる。全てのストッパー52に昇降台3の上面または下面が当たったとき、昇降台3は水平を保った状態で定位する。
【0029】
各昇降台3には、栽培槽2内の各栽培パネル25に植設された植物fに向けて光を照射するための照明装置9と、各栽培パネル25に植設された植物fに向けて二酸化炭素などの各種気体を送出するための送気機構91とが配設されている。この実施例の照明装置9は、光が栽培槽2内の全ての栽培パネル25に照射されるように、各昇降台3の下面の同一平面上に複数の蛍光灯90やLEDなどの光源を等間隔に全長にわたって取り付けて構成されている。各昇降台3の送気機構91は二酸化炭素などの各種気体の供給源(図示せず)に連通している。
【0030】
上記した構成の衛生管理を簡易化した植物栽培機において、水耕液供給部7より栽培槽2の内部の樹脂シート6上へ水耕液が供給されると、供給された水耕液中の養分が植物fに摂取される。水耕液供給部7からの供給に伴って栽培槽2の内部の水耕液が栽培槽2の両端の溢水部23より溢れ出て、両端位置の排液槽4,4に受け入れられる。各排液槽4に受け入れられた水耕液は排液槽4の内部を流れて排液口42へ導かれ、排液口42より排液管43へ排出される。最下段を除く各段の排液管43はその直下の排液槽4内に連通し、最下段の排液管43は水耕液タンク8に連通する回収管44に接続されているので、各段の排液管43を流下する水耕液が集められて回収管44により水耕液タンク8へ導かれる。水耕液タンク8では養分が調整された後、水耕液タンク8内の水耕液はポンプ81により吸い上げられ、給液管70より各段の栽培槽2の貯液箱71へ供給される。
【0031】
植物栽培機を清掃するには、まず、各段の栽培槽2に被せられた樹脂シート6の栽培槽2の排出口24に対応する位置に貫通孔を形成した後、栽培槽2内の水耕液を排出口24より抜き取る。次に、各段について、樹脂シート6を貫通孔の位置と反対側より巻き取って除去した後、両端の排液槽4,4を取り外して清掃する。清掃後の各排液槽4を栽培槽2に隣接して配設した後、各段について、栽培槽2の上面および排液槽4の上面に各槽の内面に添わせて新しい樹脂シート6を一連に被せて清掃を完了する。
【0032】
上記の衛生管理を簡易化した植物栽培槽では、栽培槽2に隣接する排液槽4へ水耕液を溢れさせて循環させるので、従来のもののように、樹脂シートに栽培槽の抜取口と連通する貫通孔を設けてコーキングを施す必要がなく、コーキング材の成分が水耕液中に溶け出すことがない。また、樹脂シートの交換に際してコーキング材の除去や施工を行う必要がなく、しかも、排液管4は取り外して清掃するので、樹脂シート6の交換を含む清掃作業が簡単に行える。
【符号の説明】
【0033】
2 栽培槽
4 排液槽
6 樹脂シート
7 水耕液供給部
8 水耕液タンク
23 溢水部
24 排出口
42 排液口
43 排液管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を水耕液に浸して栽培するための栽培槽に隣接して、前記栽培槽から排出すべき水耕液を受けるための樋状の排液槽が取り外しが可能な状態で配設され、栽培槽の上面および排液槽の上面には各槽の内面に添わせて合成樹脂製のシートが一連に被せられ、栽培槽の排液槽と隣接する壁には水耕液を排液槽へ溢れ出させる溢水部、栽培槽の底面の端部位置には清掃時に前記シート下へ導出させた水耕液を排出するための排出口がそれぞれ形成されるとともに、排液槽の底面には排液管が接続された排液口が形成されており、前記排液管は、水耕液中の養分を調整して前記栽培槽へ循環させるための水耕液タンクに連通させて成る衛生管理を簡易化した植物栽培機。
【請求項2】
前記栽培槽は、平面形状が長方形状であって、一方の短辺側に排液槽が隣接して配設され、一方の長辺上であって他方の短辺寄りの位置に、水耕液タンクより送られてくる水耕液を栽培槽へ供給するための水耕液供給部が配置されている請求項1に記載された衛生管理を簡易化した植物栽培機。
【請求項3】
前記栽培槽は、平面形状が長方形状であって、両方の短辺側に排液槽がそれぞれ隣接して配設され、一方の長辺上の中央位置に、水耕液タンクより送られてくる水耕液を栽培槽へ供給するための水耕液供給部が配置されている請求項1に記載された衛生管理を簡易化した植物栽培機。
【請求項4】
前記溢水部は、栽培槽の排液槽と隣接する壁の両端部のうち、水耕液タンクより送られてくる水耕液を栽培槽へ供給するための水耕液供給部が設けられた位置との間の距離が遠い側の端部に片寄った位置に形成されている請求項1に記載された衛生管理を簡易化した植物栽培機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載された衛生管理を簡易化した植物栽培機を清掃する方法であって、前記合成樹脂製のシートの栽培槽の排出口に対応する位置に貫通孔を形成して栽培槽内の水耕液を排出口より抜き取る工程と、前記シートを貫通孔の位置と反対側より巻き取って除去する工程と、排液槽を取り外して清掃した後、清掃後の排液槽を栽培槽に隣接して配設する工程と、栽培槽の上面および排液槽の上面に各槽の内面に添わせて新しい樹脂シートを一連に被せる工程とを順次実施して植物栽培機を清掃することを特徴とする衛生管理を簡易化した植物栽培機の清掃方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−16334(P2012−16334A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157298(P2010−157298)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000178826)日本山村硝子株式会社 (140)
【Fターム(参考)】