表示システム及び表示方法
【課題】複数の項目のうちでフォーカスがある項目を明確に把握できる技術を提供する。
【解決手段】表示システムでは、指定候補となる複数の項目がディスプレイに表示され、それら複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作をメインコントローラがユーザから受け付ける。そして、揺動制御部が、複数の項目のうちフォーカスのあるフォーカス項目Fをディスプレイの画面上において揺動させる。このため、ユーザはフォーカス項目Fを明確に把握することができる。
【解決手段】表示システムでは、指定候補となる複数の項目がディスプレイに表示され、それら複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作をメインコントローラがユーザから受け付ける。そして、揺動制御部が、複数の項目のうちフォーカスのあるフォーカス項目Fをディスプレイの画面上において揺動させる。このため、ユーザはフォーカス項目Fを明確に把握することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに情報を表示する表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の表示システムにおいては、ユーザインタフェースとしてGUI(グラフィカルユーザインタフェース)が一般に採用される。このようなGUIを採用する表示システムにおいては、指定候補となる複数の項目が表示される。これら複数の項目にはそれぞれ、表示システムに対する指示(命令)が割り当てられている。ユーザは、操作部材を利用して、フォーカスを移動させて所望の項目を選択した後、フォーカスがある項目を指定する項目として確定する。これにより、ユーザが指定した項目に割り当てられた指示が表示システムにおいて実行されることになる。
【0003】
なお、本明細書で説明する技術に関連する技術を開示した文献として特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−40107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、フォーカスのある項目にはカーソルが表示され、指定候補となる複数の項目のうちいずれの項目にフォーカスがあるかが、ユーザに示されるようになっている。
【0006】
しかしながら、近年の表示システムでは、表示すべき情報量が多いことなどに起因して、いずれの項目にフォーカスがあるかをユーザが把握しにくくなっている。このため、複数の項目のうちでフォーカスがある項目を明確に把握できる技術が要望されている。
【0007】
特に、自動車などの車両に搭載される表示システムにおいては、信号待ちの停車中などの比較的短い期間に、ユーザは、車両の周辺の状況や車両の他の計器類にも注意を払いつつ表示システムに指示を与える必要がある。このため、短時間に目的とする指示ができるように、フォーカスがある項目を明確かつ迅速に把握できることが望ましい。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の項目のうちでフォーカスがある項目を明確に把握できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ユーザに情報を表示する表示システムであって、指定候補となる複数の項目を表示する表示手段と、前記複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作を前記ユーザから受け付ける操作手段と、前記複数の項目のうち前記フォーカスのあるフォーカス項目を前記表示手段の画面上において揺動させる揺動制御手段と、を備えている。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更可能である。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の表示システムにおいて、前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目の種類に応じて、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更する。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項2に記載の表示システムにおいて、前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目を揺動させる方向に応じて、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更する。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の表示システムにおいて、前記操作手段は、方向を示す方向操作を受け付け可能であり、前記表示手段は、前記方向操作に応じて複数の階層を切り替え、各階層ごとに前記複数の項目を表示するものであり、前記揺動制御手段は、前記表示手段に表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられている方向と、他の方向とで、前記フォーカス項目の揺動の態様を異ならせる。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項2に記載の表示システムにおいて、前記操作手段は、前記フォーカス項目を確定する確定操作を受け付け可能であり、前記フォーカス項目に前記フォーカスを移動させてから、前記確定操作を受け付けるまでの時間を制限する時間制限手段、をさらに備え、前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目に前記フォーカスを移動させてからの経過時間に応じて、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更する。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記操作手段は、方向を示す方向操作を受け付け可能であり、前記揺動制御手段は、前記方向操作で示すことが可能な複数の方向のうち、現時点で有効な指示が割り当てられている方向に、前記フォーカス項目を揺動させる。
【0016】
また、請求項8の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記操作手段は、方向を示す方向操作を受け付け可能であり、前記揺動制御手段は、前記方向操作で示された方向に前記フォーカス項目を揺動させる。
【0017】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の表示システムにおいて、前記揺動制御手段は、前記方向操作で示された方向が現時点で有効な指示が割り当てられていない方向の場合にも、前記方向操作で示された方向に前記フォーカス項目を揺動させる。
【0018】
また、請求項10の発明は、請求項8または9に記載の表示システムにおいて、前記操作手段は、押圧操作を受け付け可能であり、前記揺動制御手段は、前記押圧操作がされた場合は、前記押圧操作がされる前よりも前記フォーカス項目のサイズを小さくする。
【0019】
また、請求項11の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記表示手段は、前記フォーカスを移動させる操作がされた場合は、前記複数の項目をスクロールすることで前記複数の項目に対して相対的に前記フォーカスを移動させるものであり、前記揺動制御手段は、前記フォーカスを移動させる操作がされた場合に、前記複数の項目をスクロールアップするときには前記フォーカス項目を下方向に揺動させ、前記複数の項目をスクロールダウンするときには前記フォーカス項目を上方向に揺動させる。
【0020】
また、請求項12の発明は、請求項11に記載の表示システムにおいて、前記揺動制御手段は、前記フォーカスを移動させる操作が時間的に連続してなされた場合は、前記フォーカス項目を揺動させる際の移動先の位置に前記フォーカス項目を維持する。
【0021】
また、請求項13の発明は、ユーザに情報を表示する表示方法であって、複数の項目を表示手段に表示する工程と、前記複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作を前記ユーザから受け付ける工程と、前記複数の項目のうち前記フォーカスのあるフォーカス項目を前記表示手段の画面上において揺動させる工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0022】
請求項1ないし13の発明によれば、複数の項目のうちでフォーカスがあるフォーカス項目が画面上において揺動されるため、フォーカス項目を明確に把握することができる。
【0023】
また、特に請求項2の発明によれば、フォーカス項目を揺動させる際の態様を変更することで、フォーカス項目の揺動の態様によってユーザに情報を提示できる。
【0024】
また、特に請求項3の発明によれば、フォーカス項目の種類に応じて揺動の態様を変更するため、フォーカス項目の種類をユーザが容易に把握することができる。
【0025】
また、特に請求項4の発明によれば、フォーカス項目を揺動させる方向に応じて揺動の態様を変更するため、方向に応じた情報をユーザに提示することができる。
【0026】
また、特に請求項5の発明によれば、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられた方向の操作を、ユーザが容易に把握することができる。
【0027】
また、特に請求項6の発明によれば、フォーカス項目にフォーカスを移動させてから確定操作を受け付けるまでの時間を制限する場合に、制限時間をユーザに意識させることができる。
【0028】
また、特に請求項7の発明によれば、有効な指示が割り当てられている方向を、ユーザが容易に把握することができる。
【0029】
また、特に請求項8の発明によれば、方向操作で示された方向にフォーカス項目を揺動させるため、意図した方向に操作したかをユーザが確認することができる。
【0030】
また、特に請求項9の発明によれば、方向操作で示された方向が現時点で有効な指示が割り当てられていない方向の場合にも、方向操作で示された方向にフォーカス項目を揺動させる。このため、方向操作自体は受け付けられた一方で、その方向操作で示した方向に有効な指示が割り当てられていないことをユーザが把握することができる。
【0031】
また、特に請求項10の発明によれば、押圧操作が受け付けられたことをユーザが確認することができる。
【0032】
また、特に請求項11の発明によれば、複数の項目に対して相対的にフォーカスが移動する方向を、ユーザが直感的に把握することができる。
【0033】
また、特に請求項12の発明によれば、フォーカス項目の動きが煩雑に感じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、表示システムの構成の概要を示すブロック図である。
【図2】図2は、表示システムの構成の車室内における配置の一例を示す図である。
【図3】図3は、メインコントローラの外観を示す斜視図である。
【図4】図4は、メインコントローラの断面図である。
【図5】図5は、階層構造の概要を示す図である。
【図6】図6は、大属性層の項目を指定する場合における画面の例を示す図である。
【図7】図7は、大属性層の項目を指定する場合における画面の例を示す図である。
【図8】図8は、小属性層の項目を指定する場合における画面の例を示す図である。
【図9】図9は、曲名層の項目を指定する場合における画面の例を示す図である。
【図10】図10は、第1の実施の形態のフォーカス項目の揺動の一例を示す図である。
【図11】図11は、第1の実施の形態のフォーカス項目の揺動の他の一例を示す図である。
【図12】図12は、第2の実施の形態のフォーカス項目の揺動の一例を示す図である。
【図13】図13は、第2の実施の形態のフォーカス項目の揺動の他の一例を示す図である。
【図14】図14は、ユーザの指示を受け付ける流れを示す図である。
【図15】図15は、第3の実施の形態のフォーカス項目の揺動の一例を示す図である。
【図16】図16は、第4の実施の形態のフォーカス項目の揺動の一例を示す図である。
【図17】図17は、フォーカス項目のサイズを変更する様子を示す図である。
【図18】図18は、第4の実施の形態のフォーカス項目の揺動の他の一例を示す図である。
【図19】図19は、第5の実施の形態のフォーカス項目の揺動の一例を示す図である。
【図20】図20は、第5の実施の形態のフォーカス項目の揺動の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0036】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、本実施の形態の表示システム100の構成の概要を示すブロック図である。この表示システム100は、自動車などの車両に搭載される表示システムであり、ドライバなどのユーザに対して各種の情報を表示する。表示システム100は、主な機能としてオーディオ機能とナビゲーション機能とを有しており、オーディオ機能で再生する曲名などの情報や、ナビゲーション用の地図画像などを表示可能となっている。
【0037】
図1に示すように、表示システム100は、各種処理を行う本体部10と、各種情報を表示するディスプレイ3と、各種音声を出力するスピーカ4と、ユーザが操作を行う操作部5とを備えている。
【0038】
本体部10は、表示システム100の全体を統括する装置であり、車両の所定の位置に配置される。本体部10は、装置全体を制御する制御部1と、放送信号を受信する放送受信部21と、ディスクを再生するディスク再生部22と、デジタル形式の音声データを再生するデータ再生部23と、ナビゲーション機能を提供するナビゲーション部24とを備えている。なお、本明細書において「音声データ」とは、音楽データを含む概念である。
【0039】
放送受信部21は、AM、FM等のラジオ放送や地上デジタルテレビ放送などの放送信号を受信するアンテナを備えており、受信した放送信号に基づく音声信号や映像信号を取得する。放送受信部21で取得された音声信号はスピーカ4から出力され、映像信号はディスプレイ3に表示される。
【0040】
ディスク再生部22は、CD、DVD及びBD(Blu-ray Disc)などのディスクメディアの記録内容を読み取って、音声信号や映像信号を取得する。ディスク再生部22で取得された音声信号はスピーカ4から出力され、映像信号はディスプレイ3に表示される。
【0041】
データ再生部23は、ハードディスクを備えており、ハードディスクに予め記憶されたMP3などのデジタル形式の音声データを読み取ってデコードし、再生可能な音声信号を取得する。ディスク再生部22で取得された音声信号はスピーカ4から出力される。
【0042】
ナビゲーション部24は、車両の現在位置に応じた地図画像をディスプレイ3に表示させるとともに、目的地が設定された場合は目的地までのルート案内を行う。ナビゲーション部24はGPSを備えており、GPSで車両の現在位置を取得する。ルートを含む地図画像はディスプレイ3に表示され、ルート案内用の音声はスピーカ4から出力される。
【0043】
また、制御部1は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータとして構成され、予めROMなどに記憶されたファームウェアとしてのプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで各種の制御機能が実現される。図中に示す、指示受付部11a、指示実行部11b及び揺動制御部12は、このようにして実現される制御部1の機能のうちの一部を示している。
【0044】
指示受付部11aは、操作部5への操作に基づいてユーザの指示(命令)を受け付ける。また、指示実行部11bは、そのユーザの指示(命令)を実行する。
【0045】
表示システム100では、ユーザインタフェースとしてGUI(グラフィカルユーザインタフェース)が採用されている。表示システム100がユーザから指示を受け付ける場合には、指定候補(選択候補)となる複数の項目を含む画面が指示受付部11aの制御によりディスプレイ3に表示される。これらの複数の項目にはそれぞれ、表示システム100に対する指示が割り当てられている。
【0046】
ユーザは、この画面を確認しながら、操作部5を操作して、フォーカスを移動させて所望の項目を選択し、フォーカスのある項目を指定する項目として確定する。これにより、複数の項目のうちでフォーカスのある一の項目がユーザに指定される。なお、本明細書では、複数の項目のうちの一の項目にフォーカスを移動させ、そのフォーカスのある項目を確定することを、「項目を指定する」と表現する。また、「フォーカス」は、複数の項目のうち、割り当てられた指示を実行するように現時点で選択されている項目を示す概念であるともいえる。指示受付部11aは、このようにしてユーザに指定された項目に基づいて、ユーザの指示を判断する。
【0047】
また、揺動制御部12は、ディスプレイ3の画面に表示された複数の項目のうち、フォーカスのある項目を揺動させる表示制御を行う。なお、本明細書において「揺動」とは、ある位置から微小に移動して元の位置に戻る動作を示し、複数回の動作のみならず、一回のみの動作も含む概念である。揺動制御部12は、背景となるレイヤーを固定しつつ、当該レイヤーに対してフォーカスのある項目(以下、「フォーカス項目」という。)となる部品の位置を相対的に変更することで、フォーカス項目を揺動する。また、揺動制御部12は、フォーカス項目の部品の位置を変更するタイミングを調整することで、フォーカス項目の揺動の態様を変更することができる。
【0048】
ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5は、このような本体部10と電気的に接続される。これにより、ディスプレイ3及びスピーカ4は制御部1の制御下で動作するとともに、操作部5へのユーザの操作内容は信号として制御部1に入力される。
【0049】
操作部5は、メインコントローラ50と、モード切替ボタン59とを含んでいる。メインコントローラ50は、表示システム100に各種の指示を行う際に、ユーザが主に操作するものである。一方、モード切替ボタン59は、表示システム100の動作モードを切り替えるためのボタンである。表示システム100の動作モードには、オーディオ機能を有効化するオーディオモードと、ナビゲーション機能を有効化するナビゲーションモードとが含まれている。
【0050】
ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5は、本体部10とは独立して、車室内におけるそれぞれに適した位置に配置される。図2は、ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5の車室内における配置の一例を示す図である。
【0051】
図に示すように、ディスプレイ3は、視認するドライバの視線の移動量が少なくなるように、車両のインストルメントパネル91の左右中央に配置される。スピーカ4は、このディスプレイ3に近接して配置される。
【0052】
また、操作部5は、ユーザが操作しやすいようにディスプレイ3やスピーカ4から離間して配置される。具体的には、操作部5は、車両のセンターコンソール93においてシフトレバー94に近接して配置される。メインコントローラ50はシフトレバー94よりも後方に配置され、このメインコントローラ50の周辺にモード切替ボタン59が設けられる。本実施の形態の車両は右ハンドル車であるため、ドライバは運転中に、ステアリングホイール92を操作しながら、必要に応じてシフトレバー94を左手で操作することになる。操作部5は、このシフトレバー94に近接して配置されるため、ドライバはドライビングポジションのまま左手(片手)で操作部5を操作することが可能である。
【0053】
操作部5のメインコントローラ50は、回転操作、押圧操作(プッシュ操作)及び方向操作(スライド操作)のすべてをユーザから受け付け可能な一つの操作部材を備えている。ユーザは、回転操作、押圧操作及び方向操作のすべてをメインコントローラ50に対して片手のみで行うことが可能である。
【0054】
図3は、メインコントローラ50の外観を示す斜視図である。図に示すように、メインコントローラ50は、略円柱形状をしており、ユーザがその全体を片手で覆って把持できる程度の大きさとされている。
【0055】
メインコントローラ50は、図中の矢印AR1で示す方向に回転する回転操作を受け付け可能である。この回転操作がなされると、その回転方向(左回転、及び、右回転)を示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力するデバイスとしてロータリーエンコーダを採用することができる。
【0056】
また、メインコントローラ50は、図中の矢印AR2で示す方向にプッシュする押圧操作を受け付けることが可能である。この押圧操作がなされると、押圧操作がなされたことを示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力する機能は、例えば押圧操作によって移動したメインコントローラ50の一部で押圧される押圧スイッチを採用することにより実現できる。
【0057】
さらに、メインコントローラ50は、図中の矢印AR3で示す4方向にスライドする方向操作を受け付けることが可能である。この方向操作がなされると、方向操作によって示された方向(スライドされた方向)を示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力する機能は、例えばスライド操作によって移動したメインコントローラ50の一部で押圧される複数の押圧スイッチ(各スイッチは対応する方向のスライド操作により押圧される)等を採用することで実現できる。
【0058】
図4は、図3のIV-IV位置におけるメインコントローラ50の断面図である。図に示すように、メインコントローラ50は、センターコンソール93に埋め込まれるベース部51と、ユーザが把持して操作する把持部52と、ベース部51及び把持部52を物理的に接続する接続軸53とを備えている。ユーザにより扱われる把持部52の物理的な動き(回転、プッシュ、スライド)は、接続軸53を介してベース部51に伝達される。ベース部51は、この伝達された物理的な動きを電気信号に変換して制御部1に出力する。
【0059】
また、把持部52の内側には、把持部52の外周に沿ってタッチセンサ54が配置されている。タッチセンサ54は、メインコントローラ50(より具体的には、把持部52)へのユーザの接触を検出するものである。このタッチセンサ54としては、ユーザの手が近接することで僅かに変化する静電容量に基づいてユーザの接触を検出する静電センサなどを採用することができる。
【0060】
<1−2.再生対象の指定>
次に、表示システム100のオーディオモードにおいて再生対象を指定する手法について説明する。
【0061】
表示システム100は、ハードディスク(HDD)、ディスクメディア(DISC)、及び、放送(AM,FM,TV)の各種ソースの音声信号や映像信号を再生することが可能である。このため、ユーザは、再生対象とするソースを指定し、さらに、再生する楽曲や放送チャンネル等を指定する必要がある。
【0062】
ハードディスクには多数の楽曲の音声データを記録可能であるため、特にハードディスクに記録された音声データを再生する場合には、多数の楽曲の音声データのうちから再生対象を指定する必要がある。
【0063】
表示システム100においては、これらの再生対象の候補である多数の楽曲の音声データが、各音声データの属性に基づいて階層構造に整理されている。これにより、多数の楽曲の音声データのうちから、所望の楽曲の音声データを容易に指定できるようになっている。
【0064】
図5は、ハードディスクに記憶された音声データが整理される階層構造の概要を示す図である。図に示すように音声データは、大属性層、小属性層、曲名層と3つの階層によって整理されている。
【0065】
大属性層は、「アーティスト」、「アルバム」、「ジャンル」、「マイベスト」等の比較的大きな属性の項目を含む階層である。そして、小属性層は、その大属性層の下位の階層であり、大属性層に属する比較的小さな属性の項目を含む階層となる。例えば、大属性層が「アーティスト」であれば、その下位の小属性層は「アーティストA」、「アーティストB」などのアーティスト名が項目となる。また、例えば、大属性層が「アルバム」であれば、その下位の小属性層は「アルバムZ」、「アルバムY」などのアルバム名が項目となり、大属性層が「ジャンル」であれば、その下位の小属性層は「ロック」、「クラシック」などの音楽ジャンル名が項目となる。
【0066】
曲名層は、小属性層のさらに下位の階層であり、それぞれが音声データに対応する曲名の項目を含む階層である。例えば、小属性層が「アーティストA」であれば、その下位の曲名層はそのアーティストAの曲名が項目となる。また、例えば、小属性層が「アルバムZ」であれば、その下位の曲名層はそのアルバムZに含まれる曲名が項目となる。
【0067】
ユーザは、メインコントローラ50を操作して、このような階層構造の各階層に含まれる複数の項目のうちから一の項目を指定していくことで、所望の音楽データを再生対象に指定することが可能となる。
【0068】
<1−3.項目指定操作>
以下、このような所望の音楽データを再生対象に指定する場合の操作を具体的に説明する。
【0069】
図6は、大属性層の項目を指定する場合におけるディスプレイ3の画面の表示例を示す図である。図に示すように、ディスプレイ3の画面は、左右方向に左側領域A1、中央領域A2及び右側領域A3の3つの領域に分割され、領域同士は円弧状の仕切線によって区切られている。
【0070】
左側領域A1には、指定されたソースが表示される。この場合は、ソースとしてハードディスクが指定されているため、ハードディスクを示す「HDD」が表示されている。
【0071】
また、中央領域A2には、指定候補となる複数の項目が表示される。この場合は、大属性層の項目を指定する場面であるため、「アーティスト」、「アルバム」、「ジャンル」等の大属性の項目が表示される。これら複数の項目にはそれぞれ、当該項目の下位の小属性層の項目を表示する指示が割り当てられている。
【0072】
表示された複数の項目のうち、フォーカス項目FについてはカーソルCが表示される。すなわち、このカーソルCによって、フォーカス項目Fがいずれであるかがユーザに示される。カーソルCは、略矩形の形状を有し、フォーカス項目Fの領域の外枠に沿って配置される。
【0073】
ユーザはメインコントローラ50で回転操作を行うことで、フォーカスを他の項目に移動させることができる。すなわち、メインコントローラ50の回転操作は、フォーカスを移動させて所望の項目を選択する選択操作であるともいえる。
【0074】
ディスプレイ3の画面には、表示サイズの制約から指定候補となる複数の項目のうちの一部(本実施の形態では最大で5つ)の項目が表示される。メインコントローラ50で回転操作を行った場合、フォーカスは中央領域A2の上下中央に維持される一方で、指定候補となる複数の項目がスクロールする。これにより、指定候補となる複数の項目に対してフォーカスを相対的に移動させることができる。
【0075】
具体的には、メインコントローラ50で右回転を行うことで、各項目がスクロールアップ(上側へスクロール)するため、フォーカスを一つ下の項目に移動させることができる。例えば、図6に示す状態で右回転を行えば、図7に示すように、図6で表示されていた「アーティスト」、「アルバム」及び「ジャンル」の項目が上側に移動し、さらに、「マイベスト」の項目が新たに表示される状態となる。そして、図6に示す状態では「アーティスト」の項目にフォーカスがあるが、図7に示す状態では「アーティスト」の項目の一つ下の「アルバム」の項目にフォーカスがある。また、逆に、メインコントローラ50で左回転を行うことで、各項目がスクロールダウン(下側へスクロール)するため、フォーカスを一つ上の項目に移動させることができる。
【0076】
また、ユーザはメインコントローラ50で押圧操作を行うことで、フォーカス項目Fを指定する項目として確定することができる。すなわち、メインコントローラ50の押圧操作は、フォーカス項目Fを指定する項目として確定する確定操作であるともいえる。この押圧操作がなされると、指定された項目(確定操作があった時点のフォーカス項目F)に割り当てられた指示が実行され、指定された項目の下位の小属性層の項目を含む画面がディスプレイ3に表示される。この画面では、小属性層の項目を指定することができる。
【0077】
図8は、小属性層の項目を指定する場合におけるディスプレイ3の画面の表示例を示す図である。図8は、大属性層において「アーティスト」が指定された場合(図6の状態で押圧操作がなされた場合)を例としている。
【0078】
小属性層の項目を指定する場合においても、中央領域A2には、指定候補となる複数の項目が表示され、フォーカス項目FについてはカーソルCが表示される。図の例の場合は、「アーティスト」が指定された場合の小属性層の項目を指定する場面であるため、「アーティストA」、「アーティストB」などの複数のアーティスト名が項目として表示されている。これら複数の項目にはそれぞれ、当該項目の下位の曲名層の項目を表示する指示が割り当てられている。また、左側領域A1には、一つ上位の階層である大属性層において指定された項目が表示される。図の例の場合は、大属性層において指定された「アーティスト」が表示される。
【0079】
小属性層の項目を指定する場合においても、大属性層の項目を指定する場合と同様の操作で、項目を指定することができる。すなわち、ユーザはメインコントローラ50で回転操作を行うことで、指定候補となる複数の項目のうちの所望の項目にフォーカスを移動させることができる。そして、ユーザはメインコントローラ50で押圧操作を行うことで、フォーカス項目Fを指定する項目として確定できる。この押圧操作がなされると、指定された項目(確定操作があった時点のフォーカス項目F)に割り当てられた指示が実行され、指定された項目の下位の曲名層の項目を含む画面がディスプレイ3に表示される。この画面では、曲名層の項目を指定することができる。
【0080】
図9は、曲名層の項目を指定する場合におけるディスプレイ3の画面の表示例を示す図である。図9は、小属性層において「アーティストA」が指定された場合(図8の状態で押圧操作がなされた場合)を例としている。
【0081】
曲名層の項目を指定する場合においても、中央領域A2には、指定候補となる複数の項目が表示され、フォーカス項目FについてはカーソルCが表示される。
【0082】
図の例の場合は、「アーティストA」が指定された場合の曲名層の項目を指定する場面であるため、アーティストAの複数の曲名が項目として表示される。図の例では、中央領域A2に、「AAAの歌」、「AABの歌」などの曲名が項目として表示されている。これら複数の項目にはそれぞれ、当該項目の曲名に対応する音楽データを再生する指示が割り当てられている。
【0083】
また、左側領域A1には、一つ上位の階層である小属性層において指定された項目が表示される。図の例の場合は、小属性層において指定された「アーティストA」が表示される。さらに、右側領域A3には、フォーカス項目Fの曲名に対応するジャケット写真Jが表示される。
【0084】
曲名層の項目を指定する場合においても、大属性層や小属性層の項目を指定する場合と同様の操作で、項目を指定することができる。すなわち、ユーザはメインコントローラ50で回転操作を行うことで、指定候補となる複数の項目のうちの所望の項目にフォーカスを移動させることができる。そして、ユーザはメインコントローラ50で押圧操作を行うことで、フォーカス項目Fを指定する項目として確定できる。
【0085】
この押圧操作がなされると、指定された項目(確定操作があった時点のフォーカス項目F)に割り当てられた指示が実行され、指定された項目の曲名の音楽データが再生される。すなわち、ハードディスクから指定された項目に対応する音楽データが読み出されてデコードされ、それによって得られた音声信号がスピーカ4から出力されることになる。
【0086】
ユーザは、以上のような操作を行うことで、膨大な楽曲の音声データから所望の一つの音声データを再生対象として指定し、指定した音声データを再生させる指示を表示システム100に行うことができる。
【0087】
<1−4.フォーカス項目の揺動>
上記のような項目を指定する操作を迅速かつ正確に行うためには、フォーカス項目Fがいずれであるかをユーザが明確に把握する必要がある。このため、本実施の形態の表示システム100では、揺動制御部12が、フォーカス項目Fをディスプレイ3の画面上において周期的に揺動させるようになっている。
【0088】
図10は、フォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。図10は、小属性層の項目を指定する画面(図8参照。)においてフォーカス項目Fの揺動をさせる様子を示している。
【0089】
揺動制御部12は、図に示すように、中央領域A2の上下中央の基準位置を中心として上下方向に周期的にフォーカス項目Fを揺動させる。より具体的には、フォーカス項目Fは、まず、基準位置(状態ST10)から上方向に微小に移動し(状態ST11)、その後、元の基準位置に戻る(状態ST10)。次に、フォーカス項目Fは、基準位置(状態ST10)から下方向に微小に移動し(状態ST12)、その後、元の基準位置に戻る(状態ST10)。このような上方向への揺動及び下方向への揺動をあわせた一連の動作が、一定の周期(例えば、2秒)で繰り返される。
【0090】
このようなフォーカス項目Fの揺動を行う際には、フォーカス項目Fの領域の外枠に沿って配置されるカーソルCも同時に揺動される。なお、揺動を行う場合においては、フォーカス項目Fを瞬時に移動させずに、アニメーションによって段階的に移動させ、フォーカス項目Fの移動の様子をスムーズにみせることが望ましい。
【0091】
このようにフォーカス項目Fを揺動させることで、ユーザはディスプレイ3の画面を見た場合に、画面中においてフォーカス項目Fがいずれであるかを明確かつ迅速に把握することができる。
【0092】
また、揺動制御部12は、フォーカス項目Fを揺動させる際における移動量を、そのフォーカス項目Fの種類に応じて変更するようになっている。
【0093】
図11は、フォーカス項目Fの揺動の他の一例を示す図である。図11は、曲名層の項目を指定する画面(図9参照。)においてフォーカス項目Fの揺動をさせる様子を示している。
【0094】
図11の場合(曲名層の項目を指定する場合)においても、揺動制御部12は、中央領域A2の上下中央の基準位置を中心として上下方向に周期的にフォーカス項目Fを揺動させる。ただし、大属性層の項目や小属性層の項目を指定する場合(図10参照。)と比較して、揺動における移動量が大きくなっている。
【0095】
前述のように、大属性層の項目や小属性層の項目には、下位の階層の項目を表示する指示が割り当てられている。これに対し、曲名層の項目には、音楽データを再生する指示が割り当てられている。すなわち、曲名層の項目に割り当てられた指示は、表示システム100に音楽データを再生させるまで(実質的な動作を実行させるまで)にユーザが行うべき一連の操作における最終的な指示となる。このように、フォーカス項目Fの種類が最終的な指示が割り当てられたものである場合は、フォーカス項目Fの種類が最終的な指示以外の指示が割り当てられたものである場合と比較して、揺動における移動量が大きくされる。これにより、ユーザは、当該フォーカス項目Fの種類が、最終的な指示が割り当てられたものであるか否かを容易に把握することが可能となる。
【0096】
なお、この例の場合は、フォーカス項目Fの種類に応じて、揺動における移動量を変更しているが、揺動におけるその他の態様を変更するようにしてもよい。例えば、揺動における移動速度、及び、周期(単位時間での揺動数の逆数)などを変更するようにしてもよい。また、揺動における移動量、移動速度、及び、周期を任意に組み合わせて変更してもよい。すなわち、揺動における移動量、移動速度、及び、周期の少なくとも1つを変更すればよい。
【0097】
以上のように、本実施の形態の表示システム100では、指定候補となる複数の項目がディスプレイ3に表示され、それら複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作をメインコントローラ50がユーザから受け付ける。そして、揺動制御部12が、複数の項目のうちフォーカスのあるフォーカス項目Fをディスプレイ3の画面上において揺動させるようになっている。このため、ユーザはフォーカス項目Fを明確に把握することができる。
【0098】
また、フォーカス項目Fの種類に応じて揺動の態様を変更するため、フォーカス項目の種類をユーザが容易に把握することができる。特に、表示システム100に対する最終的な指示が割り当てられた項目と、それ以外の項目とで揺動の態様を変更するため、フォーカス項目Fが最終的な指示が割り当てられた項目か否かを容易に判断することができる。
【0099】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態ではフォーカス項目Fを揺動させる方向に特に意味はなかったが、第2の実施の形態ではフォーカス項目Fを揺動させる方向に意味を持たせるようにしている。第2の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作は第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0100】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同一の操作によって所望の音楽データを再生対象に指定することが可能である。さらに、第2の実施の形態においては、所望の音楽データを再生対象に指定する際に、方向を示す方向操作によって複数の階層を切り替えることが可能となっている。
【0101】
右方向を示す方向操作には、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられている。したがって、大属性層または小属性層の項目を指定する場合に、右方向を示す方向操作がなされると、現時点のフォーカス項目Fの下位の階層の項目がディスプレイ3に表示される。
【0102】
例えば、図6に示す画面が表示された状態(大属性層の項目を指定する状態)で、右方向を示す方向操作がなされると、図8に示す画面が表示された状態(小属性層の項目を指定する状態)となる。さらに、図8に示す画面が表示された状態で、右方向を示す方向操作がなされると、図9に示す画面が表示された状態(曲名層の項目を指定する状態)となる。このように大属性層または小属性層の項目を指定する場合においては、右方向を示す方向操作には、押圧操作(確定操作)と実質的に同じ指示が割り当てられる。
【0103】
ただし、曲名層の項目を指定する場合においては、さらに下位の階層は存在していない。このため、曲名層の項目を指定する場合においては、右方向を示す操作には有効な指示(例えば、音楽データを再生する指示など)が割り当てられていない。このため、図9に示す画面が表示された状態(曲名層の項目を指定する状態)で、右方向を示す方向操作がなされたとしても、音楽データを再生するなどの動作はなされない。
【0104】
また、左方向を示す方向操作には、表示中の階層を上位の階層に切り替える指示が割り当てられている。したがって、左方向を示す方向操作がなされると、現時点で表示している階層の一つ上位の階層の項目がディスプレイ3に表示される。
【0105】
例えば、図9に示す画面が表示された状態(曲名層の項目を指定する状態)で、左方向を示す方向操作がなされると、図8に示す画面が表示された状態(小属性層の項目を指定する状態)となる。また、図8に示す画面が表示された状態で、左方向を示す方向操作がなされると、図6に示す画面が表示された状態(大属性層の項目を指定する状態)となる。さらに、図6に示す画面が表示された状態で、左方向を示す方向操作がなされると、ソースに対応する項目を指定する状態となる。
【0106】
このように、第2の実施の形態では、右方向及び左方向の方向操作によって複数の階層を切り替えることが可能である。大属性層または小属性層の項目を指定する場合においては、右方向を示す方向操作、及び、左方向を示す方向操作にそれぞれ、有効な指示が割り当てられている。一方、曲名層の項目を指定する場合においては、右方向を示す方向操作には有効な指示が割り当てられず、左方向を示す方向操作のみに有効な指示が割り当てられている。このように、方向操作で示すことが可能な4方向のうち、有効な指示が割り当てられる方向は、表示システム100の動作状態に応じて異なることになる。本実施の形態の揺動制御部12は、現時点で有効な指示が割り当てられている方向にフォーカス項目Fを揺動させるようになっている。
【0107】
図12は、本実施の形態におけるフォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。図12は、小属性層の項目を指定する画面(図8参照。)においてフォーカス項目Fの揺動をさせる様子を示している。
【0108】
前述のように、小属性層の項目を指定する場合においては、右方向及び左方向を示す方向操作に有効な指示が割り当てられている。また、上方向及び下方向を示す方向操作には有効な指示が割り当てられていない。このため、基準位置を中心として左右方向にフォーカス項目Fが周期的に揺動される。
【0109】
より具体的には、フォーカス項目Fは、まず、基準位置(状態ST30)から左方向に微小に移動し(状態ST31)、その後、元の基準位置に戻る(状態ST30)。次に、フォーカス項目Fは、基準位置(状態ST30)から右方向に微小に移動し(状態ST32)、その後、元の基準位置に戻る(状態ST30)。このような左方向への揺動及び右方向への揺動をあわせた一連の動作が、一定の周期(例えば、2秒)で繰り返される。
【0110】
また、図13は、本実施の形態におけるフォーカス項目Fの揺動の他の一例を示す図である。図13は、曲名層の項目を指定する画面(図9参照。)においてフォーカス項目Fの揺動をさせる様子を示している。
【0111】
曲名層の項目を指定する場合においては、左方向を示す方向操作のみに有効な指示が割り当てられ、上方向、下方向及び右方向を示す方向操作には有効な指示が割り当てられていない。このため、基準位置から左方向のみにフォーカス項目Fが揺動される。具体的には、フォーカス項目Fは、まず、基準位置(状態ST40)から左方向に微小に移動し(状態ST41)、その後、元の基準位置に戻る(状態ST40)。この左方向のみへの揺動が、一定の周期(例えば、2秒)で繰り返される。
【0112】
このように、第2の実施の形態においては、現時点で有効な指示が割り当てられている方向にフォーカス項目Fを揺動させる。このため、方向操作で示すことが可能な4方向のうち、有効な指示が割り当てられる方向を、ユーザが容易に把握することができることとなる。
【0113】
また、本実施の形態の揺動制御部12は、フォーカス項目Fを揺動させる方向に応じてフォーカス項目Fの揺動における移動量を変更する。これにより、方向に応じた情報をユーザに提示できるようになっている。より具体的には、揺動制御部12は、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられている右方向と、表示中の階層を上位の階層に切り替える指示が割り当てられている左方向とで、フォーカス項目Fの揺動における移動量を変更するようにしている。
【0114】
例えば、図12に示すように、小属性層の項目を指定する画面においては、右方向への揺動(状態ST32)における移動量は、左方向への揺動(状態ST31)における移動量と比較して大きくなっている。このように、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられている方向と、他の方向とでフォーカス項目Fの揺動の移動量を異ならせることで、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられた方向の操作をユーザが容易に把握することができる。
【0115】
また、下位の階層に切り替える指示が割り当てられている右方向への揺動の移動量を、他の方向よりも大きくすることで、右方向をユーザに意識させることができる。これにより、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示を行うようにユーザに促すことができる。すなわち、表示システム100に実質的な動作を実行させるために必要な一連の指示を完了させる方向への指示を行うようにユーザに促すことができることになる。
【0116】
なお、この例の場合は、フォーカス項目Fを揺動させる方向に応じて、揺動における移動量を変更しているが、揺動におけるその他の態様を変更するようにしてもよい。例えば、揺動における移動速度、及び、周期(単位時間での揺動数の逆数)などを変更するようにしてもよい。また、揺動における移動量、移動速度、及び、周期を任意に組み合わせて変更してもよい。すなわち、揺動における移動量、移動速度、及び、周期の少なくとも1つを変更すればよい。
【0117】
また、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられている右方向をユーザに意識させるためには、右方向への揺動の移動量、移動速度、及び、単位時間での揺動数の少なくとも1つを、他の方向よりも大きくすればよい。
【0118】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作も第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0119】
第3の実施の形態においては、指示受付部11aが、ある項目にフォーカスを移動させてから、確定操作を受け付けるまでの時間を所定時間に制限するようになっている。そして、指示受付部11aは、その所定時間(制限時間)内に確定操作がなされなかった場合は、現時点のフォーカス項目Fを指定する項目として確定する。したがって、所定時間内に確定操作がなされなかった場合においては、確定操作がなされた場合と同様の動作が表示システム100においてなされるようになっている。これにより、表示システム100に実質的な動作を実行させるために必要な一連の指示を、フォーカスを移動させる操作のみで完了させることも可能となっている。
【0120】
図14は、各階層において項目を指定する場合において、表示システム100がユーザの指示を受け付ける処理の流れを示す図である。図14に示す処理は、ディスプレイ3に表示する階層を切り替えるごとに、主に指示受付部11aの制御により行われる。
【0121】
まず、制御部1が備えるタイマにおいて計時が開始される(ステップS11)。次に、メインコントローラ50に対して、押圧操作、及び、回転操作のいずれかの操作があるかが判定される(ステップS12,S13)。
【0122】
押圧操作があった場合は(ステップS12にてYes)、現時点のフォーカス項目Fが指定する項目として確定され(ステップS18)、処理は終了する。また、回転操作があった場合は(ステップS13にてYes)、フォーカスが他の項目に移動される(ステップS14)。そして、処理はステップS11に戻り、それまでの計時がリセットされ、フォーカスを移動させてからの時間の計時が新たに開始される。
【0123】
また、押圧操作及び回転操作のいずれもない場合(ステップS12及びステップS13にてNo)は、フォーカスを移動させてからの経過時間(すなわち、タイマの計時時間)が、制限時間となる所定時間(例えば、10秒)を超えた否かが判定される(ステップS15)。そして、経過時間が所定時間を超えた場合は(ステップS15にてYes)、現時点のフォーカス項目Fが指定する項目として確定され(ステップS18)、処理は終了することになる。
【0124】
一方、フォーカスを移動させてからの経過時間が所定時間未満の場合は(ステップS15にてNo)、揺動制御部12がフォーカス項目Fを周期的に揺動させる(ステップS17)。このフォーカス項目Fを揺動させる前に、揺動における移動量を揺動制御部12が設定する。この際、揺動制御部12は、フォーカスを移動させてからの経過時間に応じて設定する移動量を変更する(ステップS16)。具体的には、揺動制御部12は、経過時間が長くなるほど、フォーカス項目Fの揺動の移動量を大きくする。これにより、確定操作を受け付ける時間が制限されていることをユーザに意識させるようになっている。
【0125】
図15は、本実施の形態におけるフォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。図15は、曲名層の項目を指定する画面(図9参照。)においてフォーカス項目Fの揺動をさせる様子を示している。図中において下側に示す状態ほど、フォーカスを移動させてからの時間が経過している。
【0126】
フォーカスを移動させた直後は、フォーカス項目Fは基準位置に配置される(状態ST50)。その後、揺動制御部12が、基準位置を中心として上下方向にフォーカス項目Fを周期的に揺動させる。このフォーカス項目Fの揺動の移動量は、フォーカスを移動させてからの経過時間が長くなるほど、大きくされる(状態ST51,ST52)。
【0127】
そして、フォーカスを移動させてからの経過時間が所定時間(制限時間)を超えると、フォーカス項目Fが確定されて、フォーカス項目Fの曲名の音楽データが再生されることになる(状態ST53)。
【0128】
このように第3の実施の形態では、フォーカス項目にフォーカスを移動させてから確定操作を受け付けるまでの時間を制限する場合において、フォーカスを移動させてからの経過時間に応じてフォーカス項目Fの揺動の移動量を変更する。これにより、確定操作を受け付ける制限時間をユーザに意識させることができる。
【0129】
なお、この例の場合は、フォーカスを移動させてからの経過時間に応じて、揺動における移動量を変更しているが、揺動におけるその他の態様を変更するようにしてもよい。例えば、揺動における移動速度、及び、周期(単位時間での揺動数の逆数)などを変更するようにしてもよい。また、揺動における移動量、移動速度、及び、周期を任意に組み合わせて変更してもよい。すなわち、揺動における移動量、移動速度、及び、周期の少なくとも1つを変更すればよい。
【0130】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作も第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第4の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、所望の音楽データを再生対象に指定する際に方向操作によって複数の階層を切り替えることが可能となっている。
【0131】
上記実施の形態では、フォーカス項目Fを周期的に揺動させるようになっていた。これに対して、第4の実施の形態では、フォーカス項目Fを周期的には揺動させず、ユーザの方向操作に応答してフォーカス項目Fを揺動させるようになっている。
【0132】
図16は、本実施の形態におけるフォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。図16は、小属性層の項目を指定する画面(図8参照。)においてフォーカス項目Fの揺動をさせる様子を示している。第2の実施の形態で説明したように、小属性層の項目を指定する場合においては、右方向及び左方向を示す方向操作に有効な指示が割り当てられている。具体的には、右方向を示す方向操作には表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられ、左方向を示す方向操作には表示中の階層を上位の階層に切り替える指示が割り当てられている。
【0133】
本実施の形態においては、ユーザの操作がない状態(状態ST60)においては、フォーカス項目Fは揺動されず、フォーカス項目Fは基準位置に固定的に配置される。この状態で、有効な指示が割り当てられた右方向あるいは左方向を示す方向操作がなされると、揺動制御部12は方向操作で示された方向にフォーカス項目Fを揺動させる。具体的には、フォーカス項目Fが基準位置から微小に移動して元の位置に戻る動作が1回のみなされる。そして、この揺動が完了した時点(若干のオフセット時間の延長も可)で方向操作が維持されていれば、方向操作で示された方向に割り当てられた指示が実行される。
【0134】
例えば、右方向を示す方向操作がなされた場合は、図16に示すように、フォーカス項目Fが基準位置から微小に右方向へ移動して元の位置に戻る動作が1回のみなされる(状態ST61)。この揺動が完了した時点で方向操作が維持されていれば、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が実行され、曲名層の項目を指定する状態(状態ST62)に移行することになる。
【0135】
このように、本実施の形態では、方向操作で示された方向にフォーカス項目Fを揺動させるため、意図した方向の方向操作が受け付けられたか否かを、ユーザが画面上において確認することができる。これにより、ユーザは意図した操作を確実に行うことが可能となる。
【0136】
また、本実施の形態においては、押圧操作がなされるとフォーカス項目Fのサイズを変更するようになっている。図17は、小属性層の項目を指定する画面において、フォーカス項目Fのサイズを変更する様子を示す図である。
【0137】
前述のように、ユーザの操作がない状態(状態ST60)においては、フォーカス項目Fは揺動されず、フォーカス項目Fは基準位置に固定的に配置される。この状態で、押圧操作(確定操作)がなされると、揺動制御部12は、押圧操作がされる前よりもフォーカス項目Fのサイズを一旦小さくし(状態ST63)、再び、押圧操作がされる前のサイズに戻す。その後、指定された項目に割り当てられた下位の階層に切り替える指示が実行され、曲名層の項目を指定する状態(状態ST62)に移行することになる。
【0138】
このように、押圧操作がなされた場合にフォーカス項目Fのサイズを小さくすることで、フォーカス項目Fを押圧した感覚を視覚的にユーザに与えることができ、押圧操作が受け付けられたことをユーザが直感的に把握することができる。これにより、ユーザは意図した操作をさらに確実に行うことが可能となる。
【0139】
また、本実施の形態においては、方向操作で示された方向が現時点で有効な指示が割り当てられていない方向の場合にも、方向操作で示された方向にフォーカス項目Fを揺動させるようになっている。例えば、小属性層の項目を指定する場合においては、上方向及び下方向を示す方向操作には有効な指示が割り当てられていない。しかしながら、この場合において、上方向または下方向を示す方向操作がなされたときにも、揺動制御部12は方向操作で示された方向にフォーカス項目Fを揺動させる。
【0140】
図18は、小属性層の項目を指定する画面において、上方向を示す方向操作がなされた場合におけるフォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。ユーザの操作がない状態(状態ST60)においては、フォーカス項目Fは揺動されず、フォーカス項目Fは基準位置に固定的に配置される。この状態で、上方向を示す方向操作がなされると、揺動制御部12は、方向操作で示された上方向にフォーカス項目Fを揺動させる。すなわち、フォーカス項目Fが基準位置から微小に上方向へ移動して元の位置に戻る動作が1回のみなされる(状態ST64)。この揺動が完了すると、フォーカス項目Fが基準位置に固定的に配置される状態(状態ST60)に戻ることになる。
【0141】
このように、方向操作で示された方向が現時点で有効な指示が割り当てられていない方向の場合にも方向操作で示された方向にフォーカス項目Fを揺動させるため、方向操作自体は表示システム100に受け付けられた一方で、その方向操作で示した方向に有効な指示が割り当てられていないことをユーザが把握することができる。
【0142】
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作も第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第5の実施の形態では、フォーカス項目Fを周期的には揺動させず、ユーザの回転操作に応答してフォーカス項目Fを揺動させるようになっている。
【0143】
前述のように、ユーザがメインコントローラ50で回転操作を行うと、指定候補となる複数の項目がスクロールし、フォーカスが移動することになる。このような複数の項目のスクロールを行う場合、複数の項目がスクロールアップしたかスクロールダウンしたかを、ユーザが把握しにくいことがある。これにより、所望の項目へフォーカスを移動させるために、右回転及び左回転のいずれの回転操作を行えばよいかがユーザが把握できなくなる可能性がある。
【0144】
このため、本実施の形態では、回転操作がなされた場合において、スクロールアップするときにはフォーカス項目を下方向に揺動させ、逆にスクロールダウンするときにはフォーカス項目を上方向に揺動させる。これにより、複数の項目に対して相対的にフォーカスが移動する方向を、ユーザが直感的に把握できるようになっている。
【0145】
図19は、小属性層の項目を指定する画面において、右回転の回転操作がなされた場合におけるフォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。
【0146】
ユーザの操作がない状態(状態ST60)においては、フォーカス項目Fは揺動されず、フォーカス項目Fは基準位置に固定的に配置される。この状態で、右回転の回転操作がなされると、複数の項目はスクロールアップする。このスクロールアップと同時に、揺動制御部12は、フォーカス項目Fを下方向に揺動させる。すなわち、フォーカス項目Fが基準位置から微小に下方向へ移動して元の位置に戻る動作が1回のみなされる(状態ST65)。これにより、ユーザは、操作前の状態(状態ST60)から右回転の回転操作によって、フォーカスが下の項目に移動した状態(状態ST66)となったことを把握することができる。つまり、右回転を行えば、フォーカスを下の項目に移動させることができることをユーザが直感的に把握できることになる。
【0147】
なお、この場合、フォーカス項目Fが基準位置から微小に移動して元の位置に戻る動作を数回行なっても良い。また、基準位置から移動先へ移動する速度と、元の基準位置への戻る速度とを変えて、フォーカス項目Fが移動する方向を強調するようにしてもよい。
【0148】
このようなフォーカス項目Fの揺動は、回転操作がなされるごとに実行される。ただし、フォーカスを大きく移動させるために、回転操作が比較的短時間に連続してなされた場合において、回転操作がなされるごとに揺動を繰り返すと、フォーカス項目の動きが逆に煩雑に感じる場合がある。
【0149】
このため、回転操作が時間的に連続してなされた場合においては、揺動制御部12は、フォーカス項目Fを揺動させる際の移動先の位置にフォーカス項目Fを維持するようになっている。
【0150】
図20は、回転操作が時間的に連続してなされた場合のフォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。図20は、右回転の回転操作が時間的に3回連続してなされた場合を示している。
【0151】
ユーザの操作がない状態(状態ST60)において、右回転の回転操作がなされると、複数の項目はスクロールアップするとともに、フォーカス項目Fが基準位置から微小に下方向へ移動する(状態ST67)。そして、このフォーカス項目Fが元の位置に戻る前に、次の右回転の回転操作がなされると、複数の項目はさらにスクロールアップするとともに、フォーカス項目Fは下方向へ微小に移動した状態に維持される(状態ST68)。そして、時間的に連続する複数回の回転操作が終わるまで、フォーカス項目Fは移動先の位置に維持される(状態ST69)。時間的に連続する複数回の回転操作が終わると、フォーカス項目Fは元の基準位置に戻ることになる(状態ST70)。
【0152】
このように、フォーカスを移動させる操作が時間的に連続してなされた場合は、フォーカス項目Fを揺動させる際の移動先の位置にフォーカス項目Fを維持するため、フォーカス項目Fの動きが煩雑に感じることを防止できる。
【0153】
<6.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0154】
上記実施の形態では、右回転の回転操作がなされると複数の項目はスクロールアップし、左回転の回転操作がなされると複数の項目はスクロールダウンすると説明したが、これらは逆であってもよい。
【0155】
上記実施の形態では、再生対象となる音声データをユーザが指定する場合を例に説明を行ったが、例えば、コマンドボタンを指定するなど、指定候補となる複数の項目から所望の一の項目をユーザが指定する各種の場面において、上記で説明した技術を好適に適用可能である。
【0156】
上記実施の形態では、自動車などの車両に搭載される表示システムについて説明を行ったが、複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作を受け付ける表示システムであれば、どのような表示システムであっても、上記で説明した技術を好適に適用可能である。
【0157】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0158】
3 ディスプレイ
11a 指示受付部
12 揺動制御部
50 メインコントローラ
100 表示システム
C カーソル
F フォーカス項目
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに情報を表示する表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の表示システムにおいては、ユーザインタフェースとしてGUI(グラフィカルユーザインタフェース)が一般に採用される。このようなGUIを採用する表示システムにおいては、指定候補となる複数の項目が表示される。これら複数の項目にはそれぞれ、表示システムに対する指示(命令)が割り当てられている。ユーザは、操作部材を利用して、フォーカスを移動させて所望の項目を選択した後、フォーカスがある項目を指定する項目として確定する。これにより、ユーザが指定した項目に割り当てられた指示が表示システムにおいて実行されることになる。
【0003】
なお、本明細書で説明する技術に関連する技術を開示した文献として特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−40107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、フォーカスのある項目にはカーソルが表示され、指定候補となる複数の項目のうちいずれの項目にフォーカスがあるかが、ユーザに示されるようになっている。
【0006】
しかしながら、近年の表示システムでは、表示すべき情報量が多いことなどに起因して、いずれの項目にフォーカスがあるかをユーザが把握しにくくなっている。このため、複数の項目のうちでフォーカスがある項目を明確に把握できる技術が要望されている。
【0007】
特に、自動車などの車両に搭載される表示システムにおいては、信号待ちの停車中などの比較的短い期間に、ユーザは、車両の周辺の状況や車両の他の計器類にも注意を払いつつ表示システムに指示を与える必要がある。このため、短時間に目的とする指示ができるように、フォーカスがある項目を明確かつ迅速に把握できることが望ましい。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の項目のうちでフォーカスがある項目を明確に把握できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ユーザに情報を表示する表示システムであって、指定候補となる複数の項目を表示する表示手段と、前記複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作を前記ユーザから受け付ける操作手段と、前記複数の項目のうち前記フォーカスのあるフォーカス項目を前記表示手段の画面上において揺動させる揺動制御手段と、を備えている。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更可能である。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の表示システムにおいて、前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目の種類に応じて、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更する。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項2に記載の表示システムにおいて、前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目を揺動させる方向に応じて、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更する。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の表示システムにおいて、前記操作手段は、方向を示す方向操作を受け付け可能であり、前記表示手段は、前記方向操作に応じて複数の階層を切り替え、各階層ごとに前記複数の項目を表示するものであり、前記揺動制御手段は、前記表示手段に表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられている方向と、他の方向とで、前記フォーカス項目の揺動の態様を異ならせる。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項2に記載の表示システムにおいて、前記操作手段は、前記フォーカス項目を確定する確定操作を受け付け可能であり、前記フォーカス項目に前記フォーカスを移動させてから、前記確定操作を受け付けるまでの時間を制限する時間制限手段、をさらに備え、前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目に前記フォーカスを移動させてからの経過時間に応じて、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更する。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記操作手段は、方向を示す方向操作を受け付け可能であり、前記揺動制御手段は、前記方向操作で示すことが可能な複数の方向のうち、現時点で有効な指示が割り当てられている方向に、前記フォーカス項目を揺動させる。
【0016】
また、請求項8の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記操作手段は、方向を示す方向操作を受け付け可能であり、前記揺動制御手段は、前記方向操作で示された方向に前記フォーカス項目を揺動させる。
【0017】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の表示システムにおいて、前記揺動制御手段は、前記方向操作で示された方向が現時点で有効な指示が割り当てられていない方向の場合にも、前記方向操作で示された方向に前記フォーカス項目を揺動させる。
【0018】
また、請求項10の発明は、請求項8または9に記載の表示システムにおいて、前記操作手段は、押圧操作を受け付け可能であり、前記揺動制御手段は、前記押圧操作がされた場合は、前記押圧操作がされる前よりも前記フォーカス項目のサイズを小さくする。
【0019】
また、請求項11の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記表示手段は、前記フォーカスを移動させる操作がされた場合は、前記複数の項目をスクロールすることで前記複数の項目に対して相対的に前記フォーカスを移動させるものであり、前記揺動制御手段は、前記フォーカスを移動させる操作がされた場合に、前記複数の項目をスクロールアップするときには前記フォーカス項目を下方向に揺動させ、前記複数の項目をスクロールダウンするときには前記フォーカス項目を上方向に揺動させる。
【0020】
また、請求項12の発明は、請求項11に記載の表示システムにおいて、前記揺動制御手段は、前記フォーカスを移動させる操作が時間的に連続してなされた場合は、前記フォーカス項目を揺動させる際の移動先の位置に前記フォーカス項目を維持する。
【0021】
また、請求項13の発明は、ユーザに情報を表示する表示方法であって、複数の項目を表示手段に表示する工程と、前記複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作を前記ユーザから受け付ける工程と、前記複数の項目のうち前記フォーカスのあるフォーカス項目を前記表示手段の画面上において揺動させる工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0022】
請求項1ないし13の発明によれば、複数の項目のうちでフォーカスがあるフォーカス項目が画面上において揺動されるため、フォーカス項目を明確に把握することができる。
【0023】
また、特に請求項2の発明によれば、フォーカス項目を揺動させる際の態様を変更することで、フォーカス項目の揺動の態様によってユーザに情報を提示できる。
【0024】
また、特に請求項3の発明によれば、フォーカス項目の種類に応じて揺動の態様を変更するため、フォーカス項目の種類をユーザが容易に把握することができる。
【0025】
また、特に請求項4の発明によれば、フォーカス項目を揺動させる方向に応じて揺動の態様を変更するため、方向に応じた情報をユーザに提示することができる。
【0026】
また、特に請求項5の発明によれば、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられた方向の操作を、ユーザが容易に把握することができる。
【0027】
また、特に請求項6の発明によれば、フォーカス項目にフォーカスを移動させてから確定操作を受け付けるまでの時間を制限する場合に、制限時間をユーザに意識させることができる。
【0028】
また、特に請求項7の発明によれば、有効な指示が割り当てられている方向を、ユーザが容易に把握することができる。
【0029】
また、特に請求項8の発明によれば、方向操作で示された方向にフォーカス項目を揺動させるため、意図した方向に操作したかをユーザが確認することができる。
【0030】
また、特に請求項9の発明によれば、方向操作で示された方向が現時点で有効な指示が割り当てられていない方向の場合にも、方向操作で示された方向にフォーカス項目を揺動させる。このため、方向操作自体は受け付けられた一方で、その方向操作で示した方向に有効な指示が割り当てられていないことをユーザが把握することができる。
【0031】
また、特に請求項10の発明によれば、押圧操作が受け付けられたことをユーザが確認することができる。
【0032】
また、特に請求項11の発明によれば、複数の項目に対して相対的にフォーカスが移動する方向を、ユーザが直感的に把握することができる。
【0033】
また、特に請求項12の発明によれば、フォーカス項目の動きが煩雑に感じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、表示システムの構成の概要を示すブロック図である。
【図2】図2は、表示システムの構成の車室内における配置の一例を示す図である。
【図3】図3は、メインコントローラの外観を示す斜視図である。
【図4】図4は、メインコントローラの断面図である。
【図5】図5は、階層構造の概要を示す図である。
【図6】図6は、大属性層の項目を指定する場合における画面の例を示す図である。
【図7】図7は、大属性層の項目を指定する場合における画面の例を示す図である。
【図8】図8は、小属性層の項目を指定する場合における画面の例を示す図である。
【図9】図9は、曲名層の項目を指定する場合における画面の例を示す図である。
【図10】図10は、第1の実施の形態のフォーカス項目の揺動の一例を示す図である。
【図11】図11は、第1の実施の形態のフォーカス項目の揺動の他の一例を示す図である。
【図12】図12は、第2の実施の形態のフォーカス項目の揺動の一例を示す図である。
【図13】図13は、第2の実施の形態のフォーカス項目の揺動の他の一例を示す図である。
【図14】図14は、ユーザの指示を受け付ける流れを示す図である。
【図15】図15は、第3の実施の形態のフォーカス項目の揺動の一例を示す図である。
【図16】図16は、第4の実施の形態のフォーカス項目の揺動の一例を示す図である。
【図17】図17は、フォーカス項目のサイズを変更する様子を示す図である。
【図18】図18は、第4の実施の形態のフォーカス項目の揺動の他の一例を示す図である。
【図19】図19は、第5の実施の形態のフォーカス項目の揺動の一例を示す図である。
【図20】図20は、第5の実施の形態のフォーカス項目の揺動の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0036】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、本実施の形態の表示システム100の構成の概要を示すブロック図である。この表示システム100は、自動車などの車両に搭載される表示システムであり、ドライバなどのユーザに対して各種の情報を表示する。表示システム100は、主な機能としてオーディオ機能とナビゲーション機能とを有しており、オーディオ機能で再生する曲名などの情報や、ナビゲーション用の地図画像などを表示可能となっている。
【0037】
図1に示すように、表示システム100は、各種処理を行う本体部10と、各種情報を表示するディスプレイ3と、各種音声を出力するスピーカ4と、ユーザが操作を行う操作部5とを備えている。
【0038】
本体部10は、表示システム100の全体を統括する装置であり、車両の所定の位置に配置される。本体部10は、装置全体を制御する制御部1と、放送信号を受信する放送受信部21と、ディスクを再生するディスク再生部22と、デジタル形式の音声データを再生するデータ再生部23と、ナビゲーション機能を提供するナビゲーション部24とを備えている。なお、本明細書において「音声データ」とは、音楽データを含む概念である。
【0039】
放送受信部21は、AM、FM等のラジオ放送や地上デジタルテレビ放送などの放送信号を受信するアンテナを備えており、受信した放送信号に基づく音声信号や映像信号を取得する。放送受信部21で取得された音声信号はスピーカ4から出力され、映像信号はディスプレイ3に表示される。
【0040】
ディスク再生部22は、CD、DVD及びBD(Blu-ray Disc)などのディスクメディアの記録内容を読み取って、音声信号や映像信号を取得する。ディスク再生部22で取得された音声信号はスピーカ4から出力され、映像信号はディスプレイ3に表示される。
【0041】
データ再生部23は、ハードディスクを備えており、ハードディスクに予め記憶されたMP3などのデジタル形式の音声データを読み取ってデコードし、再生可能な音声信号を取得する。ディスク再生部22で取得された音声信号はスピーカ4から出力される。
【0042】
ナビゲーション部24は、車両の現在位置に応じた地図画像をディスプレイ3に表示させるとともに、目的地が設定された場合は目的地までのルート案内を行う。ナビゲーション部24はGPSを備えており、GPSで車両の現在位置を取得する。ルートを含む地図画像はディスプレイ3に表示され、ルート案内用の音声はスピーカ4から出力される。
【0043】
また、制御部1は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータとして構成され、予めROMなどに記憶されたファームウェアとしてのプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで各種の制御機能が実現される。図中に示す、指示受付部11a、指示実行部11b及び揺動制御部12は、このようにして実現される制御部1の機能のうちの一部を示している。
【0044】
指示受付部11aは、操作部5への操作に基づいてユーザの指示(命令)を受け付ける。また、指示実行部11bは、そのユーザの指示(命令)を実行する。
【0045】
表示システム100では、ユーザインタフェースとしてGUI(グラフィカルユーザインタフェース)が採用されている。表示システム100がユーザから指示を受け付ける場合には、指定候補(選択候補)となる複数の項目を含む画面が指示受付部11aの制御によりディスプレイ3に表示される。これらの複数の項目にはそれぞれ、表示システム100に対する指示が割り当てられている。
【0046】
ユーザは、この画面を確認しながら、操作部5を操作して、フォーカスを移動させて所望の項目を選択し、フォーカスのある項目を指定する項目として確定する。これにより、複数の項目のうちでフォーカスのある一の項目がユーザに指定される。なお、本明細書では、複数の項目のうちの一の項目にフォーカスを移動させ、そのフォーカスのある項目を確定することを、「項目を指定する」と表現する。また、「フォーカス」は、複数の項目のうち、割り当てられた指示を実行するように現時点で選択されている項目を示す概念であるともいえる。指示受付部11aは、このようにしてユーザに指定された項目に基づいて、ユーザの指示を判断する。
【0047】
また、揺動制御部12は、ディスプレイ3の画面に表示された複数の項目のうち、フォーカスのある項目を揺動させる表示制御を行う。なお、本明細書において「揺動」とは、ある位置から微小に移動して元の位置に戻る動作を示し、複数回の動作のみならず、一回のみの動作も含む概念である。揺動制御部12は、背景となるレイヤーを固定しつつ、当該レイヤーに対してフォーカスのある項目(以下、「フォーカス項目」という。)となる部品の位置を相対的に変更することで、フォーカス項目を揺動する。また、揺動制御部12は、フォーカス項目の部品の位置を変更するタイミングを調整することで、フォーカス項目の揺動の態様を変更することができる。
【0048】
ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5は、このような本体部10と電気的に接続される。これにより、ディスプレイ3及びスピーカ4は制御部1の制御下で動作するとともに、操作部5へのユーザの操作内容は信号として制御部1に入力される。
【0049】
操作部5は、メインコントローラ50と、モード切替ボタン59とを含んでいる。メインコントローラ50は、表示システム100に各種の指示を行う際に、ユーザが主に操作するものである。一方、モード切替ボタン59は、表示システム100の動作モードを切り替えるためのボタンである。表示システム100の動作モードには、オーディオ機能を有効化するオーディオモードと、ナビゲーション機能を有効化するナビゲーションモードとが含まれている。
【0050】
ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5は、本体部10とは独立して、車室内におけるそれぞれに適した位置に配置される。図2は、ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5の車室内における配置の一例を示す図である。
【0051】
図に示すように、ディスプレイ3は、視認するドライバの視線の移動量が少なくなるように、車両のインストルメントパネル91の左右中央に配置される。スピーカ4は、このディスプレイ3に近接して配置される。
【0052】
また、操作部5は、ユーザが操作しやすいようにディスプレイ3やスピーカ4から離間して配置される。具体的には、操作部5は、車両のセンターコンソール93においてシフトレバー94に近接して配置される。メインコントローラ50はシフトレバー94よりも後方に配置され、このメインコントローラ50の周辺にモード切替ボタン59が設けられる。本実施の形態の車両は右ハンドル車であるため、ドライバは運転中に、ステアリングホイール92を操作しながら、必要に応じてシフトレバー94を左手で操作することになる。操作部5は、このシフトレバー94に近接して配置されるため、ドライバはドライビングポジションのまま左手(片手)で操作部5を操作することが可能である。
【0053】
操作部5のメインコントローラ50は、回転操作、押圧操作(プッシュ操作)及び方向操作(スライド操作)のすべてをユーザから受け付け可能な一つの操作部材を備えている。ユーザは、回転操作、押圧操作及び方向操作のすべてをメインコントローラ50に対して片手のみで行うことが可能である。
【0054】
図3は、メインコントローラ50の外観を示す斜視図である。図に示すように、メインコントローラ50は、略円柱形状をしており、ユーザがその全体を片手で覆って把持できる程度の大きさとされている。
【0055】
メインコントローラ50は、図中の矢印AR1で示す方向に回転する回転操作を受け付け可能である。この回転操作がなされると、その回転方向(左回転、及び、右回転)を示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力するデバイスとしてロータリーエンコーダを採用することができる。
【0056】
また、メインコントローラ50は、図中の矢印AR2で示す方向にプッシュする押圧操作を受け付けることが可能である。この押圧操作がなされると、押圧操作がなされたことを示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力する機能は、例えば押圧操作によって移動したメインコントローラ50の一部で押圧される押圧スイッチを採用することにより実現できる。
【0057】
さらに、メインコントローラ50は、図中の矢印AR3で示す4方向にスライドする方向操作を受け付けることが可能である。この方向操作がなされると、方向操作によって示された方向(スライドされた方向)を示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力する機能は、例えばスライド操作によって移動したメインコントローラ50の一部で押圧される複数の押圧スイッチ(各スイッチは対応する方向のスライド操作により押圧される)等を採用することで実現できる。
【0058】
図4は、図3のIV-IV位置におけるメインコントローラ50の断面図である。図に示すように、メインコントローラ50は、センターコンソール93に埋め込まれるベース部51と、ユーザが把持して操作する把持部52と、ベース部51及び把持部52を物理的に接続する接続軸53とを備えている。ユーザにより扱われる把持部52の物理的な動き(回転、プッシュ、スライド)は、接続軸53を介してベース部51に伝達される。ベース部51は、この伝達された物理的な動きを電気信号に変換して制御部1に出力する。
【0059】
また、把持部52の内側には、把持部52の外周に沿ってタッチセンサ54が配置されている。タッチセンサ54は、メインコントローラ50(より具体的には、把持部52)へのユーザの接触を検出するものである。このタッチセンサ54としては、ユーザの手が近接することで僅かに変化する静電容量に基づいてユーザの接触を検出する静電センサなどを採用することができる。
【0060】
<1−2.再生対象の指定>
次に、表示システム100のオーディオモードにおいて再生対象を指定する手法について説明する。
【0061】
表示システム100は、ハードディスク(HDD)、ディスクメディア(DISC)、及び、放送(AM,FM,TV)の各種ソースの音声信号や映像信号を再生することが可能である。このため、ユーザは、再生対象とするソースを指定し、さらに、再生する楽曲や放送チャンネル等を指定する必要がある。
【0062】
ハードディスクには多数の楽曲の音声データを記録可能であるため、特にハードディスクに記録された音声データを再生する場合には、多数の楽曲の音声データのうちから再生対象を指定する必要がある。
【0063】
表示システム100においては、これらの再生対象の候補である多数の楽曲の音声データが、各音声データの属性に基づいて階層構造に整理されている。これにより、多数の楽曲の音声データのうちから、所望の楽曲の音声データを容易に指定できるようになっている。
【0064】
図5は、ハードディスクに記憶された音声データが整理される階層構造の概要を示す図である。図に示すように音声データは、大属性層、小属性層、曲名層と3つの階層によって整理されている。
【0065】
大属性層は、「アーティスト」、「アルバム」、「ジャンル」、「マイベスト」等の比較的大きな属性の項目を含む階層である。そして、小属性層は、その大属性層の下位の階層であり、大属性層に属する比較的小さな属性の項目を含む階層となる。例えば、大属性層が「アーティスト」であれば、その下位の小属性層は「アーティストA」、「アーティストB」などのアーティスト名が項目となる。また、例えば、大属性層が「アルバム」であれば、その下位の小属性層は「アルバムZ」、「アルバムY」などのアルバム名が項目となり、大属性層が「ジャンル」であれば、その下位の小属性層は「ロック」、「クラシック」などの音楽ジャンル名が項目となる。
【0066】
曲名層は、小属性層のさらに下位の階層であり、それぞれが音声データに対応する曲名の項目を含む階層である。例えば、小属性層が「アーティストA」であれば、その下位の曲名層はそのアーティストAの曲名が項目となる。また、例えば、小属性層が「アルバムZ」であれば、その下位の曲名層はそのアルバムZに含まれる曲名が項目となる。
【0067】
ユーザは、メインコントローラ50を操作して、このような階層構造の各階層に含まれる複数の項目のうちから一の項目を指定していくことで、所望の音楽データを再生対象に指定することが可能となる。
【0068】
<1−3.項目指定操作>
以下、このような所望の音楽データを再生対象に指定する場合の操作を具体的に説明する。
【0069】
図6は、大属性層の項目を指定する場合におけるディスプレイ3の画面の表示例を示す図である。図に示すように、ディスプレイ3の画面は、左右方向に左側領域A1、中央領域A2及び右側領域A3の3つの領域に分割され、領域同士は円弧状の仕切線によって区切られている。
【0070】
左側領域A1には、指定されたソースが表示される。この場合は、ソースとしてハードディスクが指定されているため、ハードディスクを示す「HDD」が表示されている。
【0071】
また、中央領域A2には、指定候補となる複数の項目が表示される。この場合は、大属性層の項目を指定する場面であるため、「アーティスト」、「アルバム」、「ジャンル」等の大属性の項目が表示される。これら複数の項目にはそれぞれ、当該項目の下位の小属性層の項目を表示する指示が割り当てられている。
【0072】
表示された複数の項目のうち、フォーカス項目FについてはカーソルCが表示される。すなわち、このカーソルCによって、フォーカス項目Fがいずれであるかがユーザに示される。カーソルCは、略矩形の形状を有し、フォーカス項目Fの領域の外枠に沿って配置される。
【0073】
ユーザはメインコントローラ50で回転操作を行うことで、フォーカスを他の項目に移動させることができる。すなわち、メインコントローラ50の回転操作は、フォーカスを移動させて所望の項目を選択する選択操作であるともいえる。
【0074】
ディスプレイ3の画面には、表示サイズの制約から指定候補となる複数の項目のうちの一部(本実施の形態では最大で5つ)の項目が表示される。メインコントローラ50で回転操作を行った場合、フォーカスは中央領域A2の上下中央に維持される一方で、指定候補となる複数の項目がスクロールする。これにより、指定候補となる複数の項目に対してフォーカスを相対的に移動させることができる。
【0075】
具体的には、メインコントローラ50で右回転を行うことで、各項目がスクロールアップ(上側へスクロール)するため、フォーカスを一つ下の項目に移動させることができる。例えば、図6に示す状態で右回転を行えば、図7に示すように、図6で表示されていた「アーティスト」、「アルバム」及び「ジャンル」の項目が上側に移動し、さらに、「マイベスト」の項目が新たに表示される状態となる。そして、図6に示す状態では「アーティスト」の項目にフォーカスがあるが、図7に示す状態では「アーティスト」の項目の一つ下の「アルバム」の項目にフォーカスがある。また、逆に、メインコントローラ50で左回転を行うことで、各項目がスクロールダウン(下側へスクロール)するため、フォーカスを一つ上の項目に移動させることができる。
【0076】
また、ユーザはメインコントローラ50で押圧操作を行うことで、フォーカス項目Fを指定する項目として確定することができる。すなわち、メインコントローラ50の押圧操作は、フォーカス項目Fを指定する項目として確定する確定操作であるともいえる。この押圧操作がなされると、指定された項目(確定操作があった時点のフォーカス項目F)に割り当てられた指示が実行され、指定された項目の下位の小属性層の項目を含む画面がディスプレイ3に表示される。この画面では、小属性層の項目を指定することができる。
【0077】
図8は、小属性層の項目を指定する場合におけるディスプレイ3の画面の表示例を示す図である。図8は、大属性層において「アーティスト」が指定された場合(図6の状態で押圧操作がなされた場合)を例としている。
【0078】
小属性層の項目を指定する場合においても、中央領域A2には、指定候補となる複数の項目が表示され、フォーカス項目FについてはカーソルCが表示される。図の例の場合は、「アーティスト」が指定された場合の小属性層の項目を指定する場面であるため、「アーティストA」、「アーティストB」などの複数のアーティスト名が項目として表示されている。これら複数の項目にはそれぞれ、当該項目の下位の曲名層の項目を表示する指示が割り当てられている。また、左側領域A1には、一つ上位の階層である大属性層において指定された項目が表示される。図の例の場合は、大属性層において指定された「アーティスト」が表示される。
【0079】
小属性層の項目を指定する場合においても、大属性層の項目を指定する場合と同様の操作で、項目を指定することができる。すなわち、ユーザはメインコントローラ50で回転操作を行うことで、指定候補となる複数の項目のうちの所望の項目にフォーカスを移動させることができる。そして、ユーザはメインコントローラ50で押圧操作を行うことで、フォーカス項目Fを指定する項目として確定できる。この押圧操作がなされると、指定された項目(確定操作があった時点のフォーカス項目F)に割り当てられた指示が実行され、指定された項目の下位の曲名層の項目を含む画面がディスプレイ3に表示される。この画面では、曲名層の項目を指定することができる。
【0080】
図9は、曲名層の項目を指定する場合におけるディスプレイ3の画面の表示例を示す図である。図9は、小属性層において「アーティストA」が指定された場合(図8の状態で押圧操作がなされた場合)を例としている。
【0081】
曲名層の項目を指定する場合においても、中央領域A2には、指定候補となる複数の項目が表示され、フォーカス項目FについてはカーソルCが表示される。
【0082】
図の例の場合は、「アーティストA」が指定された場合の曲名層の項目を指定する場面であるため、アーティストAの複数の曲名が項目として表示される。図の例では、中央領域A2に、「AAAの歌」、「AABの歌」などの曲名が項目として表示されている。これら複数の項目にはそれぞれ、当該項目の曲名に対応する音楽データを再生する指示が割り当てられている。
【0083】
また、左側領域A1には、一つ上位の階層である小属性層において指定された項目が表示される。図の例の場合は、小属性層において指定された「アーティストA」が表示される。さらに、右側領域A3には、フォーカス項目Fの曲名に対応するジャケット写真Jが表示される。
【0084】
曲名層の項目を指定する場合においても、大属性層や小属性層の項目を指定する場合と同様の操作で、項目を指定することができる。すなわち、ユーザはメインコントローラ50で回転操作を行うことで、指定候補となる複数の項目のうちの所望の項目にフォーカスを移動させることができる。そして、ユーザはメインコントローラ50で押圧操作を行うことで、フォーカス項目Fを指定する項目として確定できる。
【0085】
この押圧操作がなされると、指定された項目(確定操作があった時点のフォーカス項目F)に割り当てられた指示が実行され、指定された項目の曲名の音楽データが再生される。すなわち、ハードディスクから指定された項目に対応する音楽データが読み出されてデコードされ、それによって得られた音声信号がスピーカ4から出力されることになる。
【0086】
ユーザは、以上のような操作を行うことで、膨大な楽曲の音声データから所望の一つの音声データを再生対象として指定し、指定した音声データを再生させる指示を表示システム100に行うことができる。
【0087】
<1−4.フォーカス項目の揺動>
上記のような項目を指定する操作を迅速かつ正確に行うためには、フォーカス項目Fがいずれであるかをユーザが明確に把握する必要がある。このため、本実施の形態の表示システム100では、揺動制御部12が、フォーカス項目Fをディスプレイ3の画面上において周期的に揺動させるようになっている。
【0088】
図10は、フォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。図10は、小属性層の項目を指定する画面(図8参照。)においてフォーカス項目Fの揺動をさせる様子を示している。
【0089】
揺動制御部12は、図に示すように、中央領域A2の上下中央の基準位置を中心として上下方向に周期的にフォーカス項目Fを揺動させる。より具体的には、フォーカス項目Fは、まず、基準位置(状態ST10)から上方向に微小に移動し(状態ST11)、その後、元の基準位置に戻る(状態ST10)。次に、フォーカス項目Fは、基準位置(状態ST10)から下方向に微小に移動し(状態ST12)、その後、元の基準位置に戻る(状態ST10)。このような上方向への揺動及び下方向への揺動をあわせた一連の動作が、一定の周期(例えば、2秒)で繰り返される。
【0090】
このようなフォーカス項目Fの揺動を行う際には、フォーカス項目Fの領域の外枠に沿って配置されるカーソルCも同時に揺動される。なお、揺動を行う場合においては、フォーカス項目Fを瞬時に移動させずに、アニメーションによって段階的に移動させ、フォーカス項目Fの移動の様子をスムーズにみせることが望ましい。
【0091】
このようにフォーカス項目Fを揺動させることで、ユーザはディスプレイ3の画面を見た場合に、画面中においてフォーカス項目Fがいずれであるかを明確かつ迅速に把握することができる。
【0092】
また、揺動制御部12は、フォーカス項目Fを揺動させる際における移動量を、そのフォーカス項目Fの種類に応じて変更するようになっている。
【0093】
図11は、フォーカス項目Fの揺動の他の一例を示す図である。図11は、曲名層の項目を指定する画面(図9参照。)においてフォーカス項目Fの揺動をさせる様子を示している。
【0094】
図11の場合(曲名層の項目を指定する場合)においても、揺動制御部12は、中央領域A2の上下中央の基準位置を中心として上下方向に周期的にフォーカス項目Fを揺動させる。ただし、大属性層の項目や小属性層の項目を指定する場合(図10参照。)と比較して、揺動における移動量が大きくなっている。
【0095】
前述のように、大属性層の項目や小属性層の項目には、下位の階層の項目を表示する指示が割り当てられている。これに対し、曲名層の項目には、音楽データを再生する指示が割り当てられている。すなわち、曲名層の項目に割り当てられた指示は、表示システム100に音楽データを再生させるまで(実質的な動作を実行させるまで)にユーザが行うべき一連の操作における最終的な指示となる。このように、フォーカス項目Fの種類が最終的な指示が割り当てられたものである場合は、フォーカス項目Fの種類が最終的な指示以外の指示が割り当てられたものである場合と比較して、揺動における移動量が大きくされる。これにより、ユーザは、当該フォーカス項目Fの種類が、最終的な指示が割り当てられたものであるか否かを容易に把握することが可能となる。
【0096】
なお、この例の場合は、フォーカス項目Fの種類に応じて、揺動における移動量を変更しているが、揺動におけるその他の態様を変更するようにしてもよい。例えば、揺動における移動速度、及び、周期(単位時間での揺動数の逆数)などを変更するようにしてもよい。また、揺動における移動量、移動速度、及び、周期を任意に組み合わせて変更してもよい。すなわち、揺動における移動量、移動速度、及び、周期の少なくとも1つを変更すればよい。
【0097】
以上のように、本実施の形態の表示システム100では、指定候補となる複数の項目がディスプレイ3に表示され、それら複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作をメインコントローラ50がユーザから受け付ける。そして、揺動制御部12が、複数の項目のうちフォーカスのあるフォーカス項目Fをディスプレイ3の画面上において揺動させるようになっている。このため、ユーザはフォーカス項目Fを明確に把握することができる。
【0098】
また、フォーカス項目Fの種類に応じて揺動の態様を変更するため、フォーカス項目の種類をユーザが容易に把握することができる。特に、表示システム100に対する最終的な指示が割り当てられた項目と、それ以外の項目とで揺動の態様を変更するため、フォーカス項目Fが最終的な指示が割り当てられた項目か否かを容易に判断することができる。
【0099】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態ではフォーカス項目Fを揺動させる方向に特に意味はなかったが、第2の実施の形態ではフォーカス項目Fを揺動させる方向に意味を持たせるようにしている。第2の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作は第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0100】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同一の操作によって所望の音楽データを再生対象に指定することが可能である。さらに、第2の実施の形態においては、所望の音楽データを再生対象に指定する際に、方向を示す方向操作によって複数の階層を切り替えることが可能となっている。
【0101】
右方向を示す方向操作には、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられている。したがって、大属性層または小属性層の項目を指定する場合に、右方向を示す方向操作がなされると、現時点のフォーカス項目Fの下位の階層の項目がディスプレイ3に表示される。
【0102】
例えば、図6に示す画面が表示された状態(大属性層の項目を指定する状態)で、右方向を示す方向操作がなされると、図8に示す画面が表示された状態(小属性層の項目を指定する状態)となる。さらに、図8に示す画面が表示された状態で、右方向を示す方向操作がなされると、図9に示す画面が表示された状態(曲名層の項目を指定する状態)となる。このように大属性層または小属性層の項目を指定する場合においては、右方向を示す方向操作には、押圧操作(確定操作)と実質的に同じ指示が割り当てられる。
【0103】
ただし、曲名層の項目を指定する場合においては、さらに下位の階層は存在していない。このため、曲名層の項目を指定する場合においては、右方向を示す操作には有効な指示(例えば、音楽データを再生する指示など)が割り当てられていない。このため、図9に示す画面が表示された状態(曲名層の項目を指定する状態)で、右方向を示す方向操作がなされたとしても、音楽データを再生するなどの動作はなされない。
【0104】
また、左方向を示す方向操作には、表示中の階層を上位の階層に切り替える指示が割り当てられている。したがって、左方向を示す方向操作がなされると、現時点で表示している階層の一つ上位の階層の項目がディスプレイ3に表示される。
【0105】
例えば、図9に示す画面が表示された状態(曲名層の項目を指定する状態)で、左方向を示す方向操作がなされると、図8に示す画面が表示された状態(小属性層の項目を指定する状態)となる。また、図8に示す画面が表示された状態で、左方向を示す方向操作がなされると、図6に示す画面が表示された状態(大属性層の項目を指定する状態)となる。さらに、図6に示す画面が表示された状態で、左方向を示す方向操作がなされると、ソースに対応する項目を指定する状態となる。
【0106】
このように、第2の実施の形態では、右方向及び左方向の方向操作によって複数の階層を切り替えることが可能である。大属性層または小属性層の項目を指定する場合においては、右方向を示す方向操作、及び、左方向を示す方向操作にそれぞれ、有効な指示が割り当てられている。一方、曲名層の項目を指定する場合においては、右方向を示す方向操作には有効な指示が割り当てられず、左方向を示す方向操作のみに有効な指示が割り当てられている。このように、方向操作で示すことが可能な4方向のうち、有効な指示が割り当てられる方向は、表示システム100の動作状態に応じて異なることになる。本実施の形態の揺動制御部12は、現時点で有効な指示が割り当てられている方向にフォーカス項目Fを揺動させるようになっている。
【0107】
図12は、本実施の形態におけるフォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。図12は、小属性層の項目を指定する画面(図8参照。)においてフォーカス項目Fの揺動をさせる様子を示している。
【0108】
前述のように、小属性層の項目を指定する場合においては、右方向及び左方向を示す方向操作に有効な指示が割り当てられている。また、上方向及び下方向を示す方向操作には有効な指示が割り当てられていない。このため、基準位置を中心として左右方向にフォーカス項目Fが周期的に揺動される。
【0109】
より具体的には、フォーカス項目Fは、まず、基準位置(状態ST30)から左方向に微小に移動し(状態ST31)、その後、元の基準位置に戻る(状態ST30)。次に、フォーカス項目Fは、基準位置(状態ST30)から右方向に微小に移動し(状態ST32)、その後、元の基準位置に戻る(状態ST30)。このような左方向への揺動及び右方向への揺動をあわせた一連の動作が、一定の周期(例えば、2秒)で繰り返される。
【0110】
また、図13は、本実施の形態におけるフォーカス項目Fの揺動の他の一例を示す図である。図13は、曲名層の項目を指定する画面(図9参照。)においてフォーカス項目Fの揺動をさせる様子を示している。
【0111】
曲名層の項目を指定する場合においては、左方向を示す方向操作のみに有効な指示が割り当てられ、上方向、下方向及び右方向を示す方向操作には有効な指示が割り当てられていない。このため、基準位置から左方向のみにフォーカス項目Fが揺動される。具体的には、フォーカス項目Fは、まず、基準位置(状態ST40)から左方向に微小に移動し(状態ST41)、その後、元の基準位置に戻る(状態ST40)。この左方向のみへの揺動が、一定の周期(例えば、2秒)で繰り返される。
【0112】
このように、第2の実施の形態においては、現時点で有効な指示が割り当てられている方向にフォーカス項目Fを揺動させる。このため、方向操作で示すことが可能な4方向のうち、有効な指示が割り当てられる方向を、ユーザが容易に把握することができることとなる。
【0113】
また、本実施の形態の揺動制御部12は、フォーカス項目Fを揺動させる方向に応じてフォーカス項目Fの揺動における移動量を変更する。これにより、方向に応じた情報をユーザに提示できるようになっている。より具体的には、揺動制御部12は、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられている右方向と、表示中の階層を上位の階層に切り替える指示が割り当てられている左方向とで、フォーカス項目Fの揺動における移動量を変更するようにしている。
【0114】
例えば、図12に示すように、小属性層の項目を指定する画面においては、右方向への揺動(状態ST32)における移動量は、左方向への揺動(状態ST31)における移動量と比較して大きくなっている。このように、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられている方向と、他の方向とでフォーカス項目Fの揺動の移動量を異ならせることで、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられた方向の操作をユーザが容易に把握することができる。
【0115】
また、下位の階層に切り替える指示が割り当てられている右方向への揺動の移動量を、他の方向よりも大きくすることで、右方向をユーザに意識させることができる。これにより、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示を行うようにユーザに促すことができる。すなわち、表示システム100に実質的な動作を実行させるために必要な一連の指示を完了させる方向への指示を行うようにユーザに促すことができることになる。
【0116】
なお、この例の場合は、フォーカス項目Fを揺動させる方向に応じて、揺動における移動量を変更しているが、揺動におけるその他の態様を変更するようにしてもよい。例えば、揺動における移動速度、及び、周期(単位時間での揺動数の逆数)などを変更するようにしてもよい。また、揺動における移動量、移動速度、及び、周期を任意に組み合わせて変更してもよい。すなわち、揺動における移動量、移動速度、及び、周期の少なくとも1つを変更すればよい。
【0117】
また、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられている右方向をユーザに意識させるためには、右方向への揺動の移動量、移動速度、及び、単位時間での揺動数の少なくとも1つを、他の方向よりも大きくすればよい。
【0118】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作も第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0119】
第3の実施の形態においては、指示受付部11aが、ある項目にフォーカスを移動させてから、確定操作を受け付けるまでの時間を所定時間に制限するようになっている。そして、指示受付部11aは、その所定時間(制限時間)内に確定操作がなされなかった場合は、現時点のフォーカス項目Fを指定する項目として確定する。したがって、所定時間内に確定操作がなされなかった場合においては、確定操作がなされた場合と同様の動作が表示システム100においてなされるようになっている。これにより、表示システム100に実質的な動作を実行させるために必要な一連の指示を、フォーカスを移動させる操作のみで完了させることも可能となっている。
【0120】
図14は、各階層において項目を指定する場合において、表示システム100がユーザの指示を受け付ける処理の流れを示す図である。図14に示す処理は、ディスプレイ3に表示する階層を切り替えるごとに、主に指示受付部11aの制御により行われる。
【0121】
まず、制御部1が備えるタイマにおいて計時が開始される(ステップS11)。次に、メインコントローラ50に対して、押圧操作、及び、回転操作のいずれかの操作があるかが判定される(ステップS12,S13)。
【0122】
押圧操作があった場合は(ステップS12にてYes)、現時点のフォーカス項目Fが指定する項目として確定され(ステップS18)、処理は終了する。また、回転操作があった場合は(ステップS13にてYes)、フォーカスが他の項目に移動される(ステップS14)。そして、処理はステップS11に戻り、それまでの計時がリセットされ、フォーカスを移動させてからの時間の計時が新たに開始される。
【0123】
また、押圧操作及び回転操作のいずれもない場合(ステップS12及びステップS13にてNo)は、フォーカスを移動させてからの経過時間(すなわち、タイマの計時時間)が、制限時間となる所定時間(例えば、10秒)を超えた否かが判定される(ステップS15)。そして、経過時間が所定時間を超えた場合は(ステップS15にてYes)、現時点のフォーカス項目Fが指定する項目として確定され(ステップS18)、処理は終了することになる。
【0124】
一方、フォーカスを移動させてからの経過時間が所定時間未満の場合は(ステップS15にてNo)、揺動制御部12がフォーカス項目Fを周期的に揺動させる(ステップS17)。このフォーカス項目Fを揺動させる前に、揺動における移動量を揺動制御部12が設定する。この際、揺動制御部12は、フォーカスを移動させてからの経過時間に応じて設定する移動量を変更する(ステップS16)。具体的には、揺動制御部12は、経過時間が長くなるほど、フォーカス項目Fの揺動の移動量を大きくする。これにより、確定操作を受け付ける時間が制限されていることをユーザに意識させるようになっている。
【0125】
図15は、本実施の形態におけるフォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。図15は、曲名層の項目を指定する画面(図9参照。)においてフォーカス項目Fの揺動をさせる様子を示している。図中において下側に示す状態ほど、フォーカスを移動させてからの時間が経過している。
【0126】
フォーカスを移動させた直後は、フォーカス項目Fは基準位置に配置される(状態ST50)。その後、揺動制御部12が、基準位置を中心として上下方向にフォーカス項目Fを周期的に揺動させる。このフォーカス項目Fの揺動の移動量は、フォーカスを移動させてからの経過時間が長くなるほど、大きくされる(状態ST51,ST52)。
【0127】
そして、フォーカスを移動させてからの経過時間が所定時間(制限時間)を超えると、フォーカス項目Fが確定されて、フォーカス項目Fの曲名の音楽データが再生されることになる(状態ST53)。
【0128】
このように第3の実施の形態では、フォーカス項目にフォーカスを移動させてから確定操作を受け付けるまでの時間を制限する場合において、フォーカスを移動させてからの経過時間に応じてフォーカス項目Fの揺動の移動量を変更する。これにより、確定操作を受け付ける制限時間をユーザに意識させることができる。
【0129】
なお、この例の場合は、フォーカスを移動させてからの経過時間に応じて、揺動における移動量を変更しているが、揺動におけるその他の態様を変更するようにしてもよい。例えば、揺動における移動速度、及び、周期(単位時間での揺動数の逆数)などを変更するようにしてもよい。また、揺動における移動量、移動速度、及び、周期を任意に組み合わせて変更してもよい。すなわち、揺動における移動量、移動速度、及び、周期の少なくとも1つを変更すればよい。
【0130】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作も第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第4の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、所望の音楽データを再生対象に指定する際に方向操作によって複数の階層を切り替えることが可能となっている。
【0131】
上記実施の形態では、フォーカス項目Fを周期的に揺動させるようになっていた。これに対して、第4の実施の形態では、フォーカス項目Fを周期的には揺動させず、ユーザの方向操作に応答してフォーカス項目Fを揺動させるようになっている。
【0132】
図16は、本実施の形態におけるフォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。図16は、小属性層の項目を指定する画面(図8参照。)においてフォーカス項目Fの揺動をさせる様子を示している。第2の実施の形態で説明したように、小属性層の項目を指定する場合においては、右方向及び左方向を示す方向操作に有効な指示が割り当てられている。具体的には、右方向を示す方向操作には表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられ、左方向を示す方向操作には表示中の階層を上位の階層に切り替える指示が割り当てられている。
【0133】
本実施の形態においては、ユーザの操作がない状態(状態ST60)においては、フォーカス項目Fは揺動されず、フォーカス項目Fは基準位置に固定的に配置される。この状態で、有効な指示が割り当てられた右方向あるいは左方向を示す方向操作がなされると、揺動制御部12は方向操作で示された方向にフォーカス項目Fを揺動させる。具体的には、フォーカス項目Fが基準位置から微小に移動して元の位置に戻る動作が1回のみなされる。そして、この揺動が完了した時点(若干のオフセット時間の延長も可)で方向操作が維持されていれば、方向操作で示された方向に割り当てられた指示が実行される。
【0134】
例えば、右方向を示す方向操作がなされた場合は、図16に示すように、フォーカス項目Fが基準位置から微小に右方向へ移動して元の位置に戻る動作が1回のみなされる(状態ST61)。この揺動が完了した時点で方向操作が維持されていれば、表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が実行され、曲名層の項目を指定する状態(状態ST62)に移行することになる。
【0135】
このように、本実施の形態では、方向操作で示された方向にフォーカス項目Fを揺動させるため、意図した方向の方向操作が受け付けられたか否かを、ユーザが画面上において確認することができる。これにより、ユーザは意図した操作を確実に行うことが可能となる。
【0136】
また、本実施の形態においては、押圧操作がなされるとフォーカス項目Fのサイズを変更するようになっている。図17は、小属性層の項目を指定する画面において、フォーカス項目Fのサイズを変更する様子を示す図である。
【0137】
前述のように、ユーザの操作がない状態(状態ST60)においては、フォーカス項目Fは揺動されず、フォーカス項目Fは基準位置に固定的に配置される。この状態で、押圧操作(確定操作)がなされると、揺動制御部12は、押圧操作がされる前よりもフォーカス項目Fのサイズを一旦小さくし(状態ST63)、再び、押圧操作がされる前のサイズに戻す。その後、指定された項目に割り当てられた下位の階層に切り替える指示が実行され、曲名層の項目を指定する状態(状態ST62)に移行することになる。
【0138】
このように、押圧操作がなされた場合にフォーカス項目Fのサイズを小さくすることで、フォーカス項目Fを押圧した感覚を視覚的にユーザに与えることができ、押圧操作が受け付けられたことをユーザが直感的に把握することができる。これにより、ユーザは意図した操作をさらに確実に行うことが可能となる。
【0139】
また、本実施の形態においては、方向操作で示された方向が現時点で有効な指示が割り当てられていない方向の場合にも、方向操作で示された方向にフォーカス項目Fを揺動させるようになっている。例えば、小属性層の項目を指定する場合においては、上方向及び下方向を示す方向操作には有効な指示が割り当てられていない。しかしながら、この場合において、上方向または下方向を示す方向操作がなされたときにも、揺動制御部12は方向操作で示された方向にフォーカス項目Fを揺動させる。
【0140】
図18は、小属性層の項目を指定する画面において、上方向を示す方向操作がなされた場合におけるフォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。ユーザの操作がない状態(状態ST60)においては、フォーカス項目Fは揺動されず、フォーカス項目Fは基準位置に固定的に配置される。この状態で、上方向を示す方向操作がなされると、揺動制御部12は、方向操作で示された上方向にフォーカス項目Fを揺動させる。すなわち、フォーカス項目Fが基準位置から微小に上方向へ移動して元の位置に戻る動作が1回のみなされる(状態ST64)。この揺動が完了すると、フォーカス項目Fが基準位置に固定的に配置される状態(状態ST60)に戻ることになる。
【0141】
このように、方向操作で示された方向が現時点で有効な指示が割り当てられていない方向の場合にも方向操作で示された方向にフォーカス項目Fを揺動させるため、方向操作自体は表示システム100に受け付けられた一方で、その方向操作で示した方向に有効な指示が割り当てられていないことをユーザが把握することができる。
【0142】
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作も第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第5の実施の形態では、フォーカス項目Fを周期的には揺動させず、ユーザの回転操作に応答してフォーカス項目Fを揺動させるようになっている。
【0143】
前述のように、ユーザがメインコントローラ50で回転操作を行うと、指定候補となる複数の項目がスクロールし、フォーカスが移動することになる。このような複数の項目のスクロールを行う場合、複数の項目がスクロールアップしたかスクロールダウンしたかを、ユーザが把握しにくいことがある。これにより、所望の項目へフォーカスを移動させるために、右回転及び左回転のいずれの回転操作を行えばよいかがユーザが把握できなくなる可能性がある。
【0144】
このため、本実施の形態では、回転操作がなされた場合において、スクロールアップするときにはフォーカス項目を下方向に揺動させ、逆にスクロールダウンするときにはフォーカス項目を上方向に揺動させる。これにより、複数の項目に対して相対的にフォーカスが移動する方向を、ユーザが直感的に把握できるようになっている。
【0145】
図19は、小属性層の項目を指定する画面において、右回転の回転操作がなされた場合におけるフォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。
【0146】
ユーザの操作がない状態(状態ST60)においては、フォーカス項目Fは揺動されず、フォーカス項目Fは基準位置に固定的に配置される。この状態で、右回転の回転操作がなされると、複数の項目はスクロールアップする。このスクロールアップと同時に、揺動制御部12は、フォーカス項目Fを下方向に揺動させる。すなわち、フォーカス項目Fが基準位置から微小に下方向へ移動して元の位置に戻る動作が1回のみなされる(状態ST65)。これにより、ユーザは、操作前の状態(状態ST60)から右回転の回転操作によって、フォーカスが下の項目に移動した状態(状態ST66)となったことを把握することができる。つまり、右回転を行えば、フォーカスを下の項目に移動させることができることをユーザが直感的に把握できることになる。
【0147】
なお、この場合、フォーカス項目Fが基準位置から微小に移動して元の位置に戻る動作を数回行なっても良い。また、基準位置から移動先へ移動する速度と、元の基準位置への戻る速度とを変えて、フォーカス項目Fが移動する方向を強調するようにしてもよい。
【0148】
このようなフォーカス項目Fの揺動は、回転操作がなされるごとに実行される。ただし、フォーカスを大きく移動させるために、回転操作が比較的短時間に連続してなされた場合において、回転操作がなされるごとに揺動を繰り返すと、フォーカス項目の動きが逆に煩雑に感じる場合がある。
【0149】
このため、回転操作が時間的に連続してなされた場合においては、揺動制御部12は、フォーカス項目Fを揺動させる際の移動先の位置にフォーカス項目Fを維持するようになっている。
【0150】
図20は、回転操作が時間的に連続してなされた場合のフォーカス項目Fの揺動の一例を示す図である。図20は、右回転の回転操作が時間的に3回連続してなされた場合を示している。
【0151】
ユーザの操作がない状態(状態ST60)において、右回転の回転操作がなされると、複数の項目はスクロールアップするとともに、フォーカス項目Fが基準位置から微小に下方向へ移動する(状態ST67)。そして、このフォーカス項目Fが元の位置に戻る前に、次の右回転の回転操作がなされると、複数の項目はさらにスクロールアップするとともに、フォーカス項目Fは下方向へ微小に移動した状態に維持される(状態ST68)。そして、時間的に連続する複数回の回転操作が終わるまで、フォーカス項目Fは移動先の位置に維持される(状態ST69)。時間的に連続する複数回の回転操作が終わると、フォーカス項目Fは元の基準位置に戻ることになる(状態ST70)。
【0152】
このように、フォーカスを移動させる操作が時間的に連続してなされた場合は、フォーカス項目Fを揺動させる際の移動先の位置にフォーカス項目Fを維持するため、フォーカス項目Fの動きが煩雑に感じることを防止できる。
【0153】
<6.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0154】
上記実施の形態では、右回転の回転操作がなされると複数の項目はスクロールアップし、左回転の回転操作がなされると複数の項目はスクロールダウンすると説明したが、これらは逆であってもよい。
【0155】
上記実施の形態では、再生対象となる音声データをユーザが指定する場合を例に説明を行ったが、例えば、コマンドボタンを指定するなど、指定候補となる複数の項目から所望の一の項目をユーザが指定する各種の場面において、上記で説明した技術を好適に適用可能である。
【0156】
上記実施の形態では、自動車などの車両に搭載される表示システムについて説明を行ったが、複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作を受け付ける表示システムであれば、どのような表示システムであっても、上記で説明した技術を好適に適用可能である。
【0157】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0158】
3 ディスプレイ
11a 指示受付部
12 揺動制御部
50 メインコントローラ
100 表示システム
C カーソル
F フォーカス項目
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに情報を表示する表示システムであって、
指定候補となる複数の項目を表示する表示手段と、
前記複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作を前記ユーザから受け付ける操作手段と、
前記複数の項目のうち前記フォーカスのあるフォーカス項目を前記表示手段の画面上において揺動させる揺動制御手段と、
を備えることを特徴とする表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更可能であることを特徴とする表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の表示システムにおいて、
前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目の種類に応じて、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更することを特徴とする表示システム。
【請求項4】
請求項2に記載の表示システムにおいて、
前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目を揺動させる方向に応じて、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更することを特徴とする表示システム。
【請求項5】
請求項4に記載の表示システムにおいて、
前記操作手段は、方向を示す方向操作を受け付け可能であり、
前記表示手段は、前記方向操作に応じて複数の階層を切り替え、各階層ごとに前記複数の項目を表示するものであり、
前記揺動制御手段は、前記表示手段に表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられている方向と、他の方向とで、前記フォーカス項目の揺動の態様を異ならせることを特徴とする表示システム。
【請求項6】
請求項2に記載の表示システムにおいて、
前記操作手段は、前記フォーカス項目を確定する確定操作を受け付け可能であり、
前記フォーカス項目に前記フォーカスを移動させてから、前記確定操作を受け付けるまでの時間を制限する時間制限手段、
をさらに備え、
前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目に前記フォーカスを移動させてからの経過時間に応じて、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更することを特徴とする表示システム。
【請求項7】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記操作手段は、方向を示す方向操作を受け付け可能であり、
前記揺動制御手段は、前記方向操作で示すことが可能な複数の方向のうち、現時点で有効な指示が割り当てられている方向に、前記フォーカス項目を揺動させることを特徴とする表示システム。
【請求項8】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記操作手段は、方向を示す方向操作を受け付け可能であり、
前記揺動制御手段は、前記方向操作で示された方向に前記フォーカス項目を揺動させることを特徴とする表示システム。
【請求項9】
請求項8に記載の表示システムにおいて、
前記揺動制御手段は、前記方向操作で示された方向が現時点で有効な指示が割り当てられていない方向の場合にも、前記方向操作で示された方向に前記フォーカス項目を揺動させることを特徴とする表示システム。
【請求項10】
請求項8または9に記載の表示システムにおいて、
前記操作手段は、押圧操作を受け付け可能であり、
前記揺動制御手段は、前記押圧操作がされた場合は、前記押圧操作がされる前よりも前記フォーカス項目のサイズを小さくすることを特徴とする表示システム。
【請求項11】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記表示手段は、前記フォーカスを移動させる操作がされた場合は、前記複数の項目をスクロールすることで前記複数の項目に対して相対的に前記フォーカスを移動させるものであり、
前記揺動制御手段は、前記フォーカスを移動させる操作がされた場合に、
前記複数の項目をスクロールアップするときには前記フォーカス項目を下方向に揺動させ、
前記複数の項目をスクロールダウンするときには前記フォーカス項目を上方向に揺動させることを特徴とする表示システム。
【請求項12】
請求項11に記載の表示システムにおいて、
前記揺動制御手段は、前記フォーカスを移動させる操作が時間的に連続してなされた場合は、前記フォーカス項目を揺動させる際の移動先の位置に前記フォーカス項目を維持することを特徴とする表示システム。
【請求項13】
ユーザに情報を表示する表示方法であって、
複数の項目を表示手段に表示する工程と、
前記複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作を前記ユーザから受け付ける工程と、
前記複数の項目のうち前記フォーカスのあるフォーカス項目を前記表示手段の画面上において揺動させる工程と、
を備えることを特徴とする表示方法。
【請求項1】
ユーザに情報を表示する表示システムであって、
指定候補となる複数の項目を表示する表示手段と、
前記複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作を前記ユーザから受け付ける操作手段と、
前記複数の項目のうち前記フォーカスのあるフォーカス項目を前記表示手段の画面上において揺動させる揺動制御手段と、
を備えることを特徴とする表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更可能であることを特徴とする表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の表示システムにおいて、
前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目の種類に応じて、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更することを特徴とする表示システム。
【請求項4】
請求項2に記載の表示システムにおいて、
前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目を揺動させる方向に応じて、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更することを特徴とする表示システム。
【請求項5】
請求項4に記載の表示システムにおいて、
前記操作手段は、方向を示す方向操作を受け付け可能であり、
前記表示手段は、前記方向操作に応じて複数の階層を切り替え、各階層ごとに前記複数の項目を表示するものであり、
前記揺動制御手段は、前記表示手段に表示中の階層を下位の階層に切り替える指示が割り当てられている方向と、他の方向とで、前記フォーカス項目の揺動の態様を異ならせることを特徴とする表示システム。
【請求項6】
請求項2に記載の表示システムにおいて、
前記操作手段は、前記フォーカス項目を確定する確定操作を受け付け可能であり、
前記フォーカス項目に前記フォーカスを移動させてから、前記確定操作を受け付けるまでの時間を制限する時間制限手段、
をさらに備え、
前記揺動制御手段は、前記フォーカス項目に前記フォーカスを移動させてからの経過時間に応じて、前記フォーカス項目の揺動の態様を変更することを特徴とする表示システム。
【請求項7】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記操作手段は、方向を示す方向操作を受け付け可能であり、
前記揺動制御手段は、前記方向操作で示すことが可能な複数の方向のうち、現時点で有効な指示が割り当てられている方向に、前記フォーカス項目を揺動させることを特徴とする表示システム。
【請求項8】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記操作手段は、方向を示す方向操作を受け付け可能であり、
前記揺動制御手段は、前記方向操作で示された方向に前記フォーカス項目を揺動させることを特徴とする表示システム。
【請求項9】
請求項8に記載の表示システムにおいて、
前記揺動制御手段は、前記方向操作で示された方向が現時点で有効な指示が割り当てられていない方向の場合にも、前記方向操作で示された方向に前記フォーカス項目を揺動させることを特徴とする表示システム。
【請求項10】
請求項8または9に記載の表示システムにおいて、
前記操作手段は、押圧操作を受け付け可能であり、
前記揺動制御手段は、前記押圧操作がされた場合は、前記押圧操作がされる前よりも前記フォーカス項目のサイズを小さくすることを特徴とする表示システム。
【請求項11】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記表示手段は、前記フォーカスを移動させる操作がされた場合は、前記複数の項目をスクロールすることで前記複数の項目に対して相対的に前記フォーカスを移動させるものであり、
前記揺動制御手段は、前記フォーカスを移動させる操作がされた場合に、
前記複数の項目をスクロールアップするときには前記フォーカス項目を下方向に揺動させ、
前記複数の項目をスクロールダウンするときには前記フォーカス項目を上方向に揺動させることを特徴とする表示システム。
【請求項12】
請求項11に記載の表示システムにおいて、
前記揺動制御手段は、前記フォーカスを移動させる操作が時間的に連続してなされた場合は、前記フォーカス項目を揺動させる際の移動先の位置に前記フォーカス項目を維持することを特徴とする表示システム。
【請求項13】
ユーザに情報を表示する表示方法であって、
複数の項目を表示手段に表示する工程と、
前記複数の項目のいずれかにフォーカスを移動させる操作を前記ユーザから受け付ける工程と、
前記複数の項目のうち前記フォーカスのあるフォーカス項目を前記表示手段の画面上において揺動させる工程と、
を備えることを特徴とする表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−68917(P2012−68917A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213418(P2010−213418)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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