説明

表示シート、表示装置および電子機器

【課題】信頼性が高く、優れた表示特性を発揮することのできる表示シート、それを備えた表示装置および信頼性が高い電子機器を提供すること。
【解決手段】表示装置20は、表示面121側に設けられた基板12と、基板12に対向配置された対向基板11と、基板12と対向基板11との間に設けられ、白色粒子Aおよび黒色粒子Bを分散媒7に分散してなる分散液100が充填された表示層400と、表示層400内に設けられ、粒子の表示層400の厚さ方向への移動は許容しつつ、表示層400の面内方向の移動を抑制する粒子拘束層6とを有し、粒子拘束層6は、基板12側にて、対向基板11側よりも基板12側の方が空隙率が高くなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示シート、表示装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子ペーパーの画像表示部を構成するものとして、粒子の電気泳動を利用した電気泳動ディスプレイが知られている(例えば、特許文献1参照)。電気泳動ディスプレイは、優れた可搬性および省電力性を有しており、電子ペーパーの画像表示部として特に適している。
電気泳動ディスプレイは、対向配置された一対の電極と、これらの間に設けられた表示層とを有しており、表示層には、例えば正に帯電する白色粒子と、負に帯電する黒色粒子とを液相分散媒に分散してなる分散液が充填されている。このような電気泳動ディスプレイは、一対の電極間に電圧を印加し、白色粒子および黒色粒子を所望の方向へ泳動させることにより所望の画像を表示するように構成されている。
【0003】
ここで、表示層の構成は、大きく分けて、特許文献1のように隔壁によって表示層を複数のセルに分割し、各セルに分散液を充填する「隔壁型」と、特許文献2のように分散液が封入されたマイクロカプセルを複数配置しバインダによって固定する「マイクロカプセル型」と、特許文献3のように表示層を1つの空間として(すなわち、隔壁等により分割せず)その空間内に分散液を充填する「液晶型」とに分類される。
【0004】
しかしながら、「隔壁型」では、隔壁によって表示面内の有効表示領域(表示色を変更することができる領域)が減少し、表示特性が低下する問題がある。また、「マイクロカプセル型」では、隣り合うマイクロカプセル間に隙間が生じることにより表示面内の有効表示領域が減少し表示特性が低下したり、一対の電極間に電圧を印加する際にバインダによってリーク電流が発生したりすることで表示特性が低下する問題がある。また、「液晶型」では、表示面内のほぼ全域を有効表示領域として利用できるが、例えば、ディスプレイを本のように立てた場合に、白色粒子および黒色粒子が自重によって鉛直方向下側に移動(沈降)し、表示画像を維持することがでず、信頼性が低下する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−44114号公報
【特許文献2】特開2003−140202号公報
【特許文献3】特表平8−510790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、信頼性が高く、優れた表示特性を発揮することのできる表示シート、それを備えた表示装置および信頼性が高い電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の表示シートは、表示面側に設けられた第1基板と、
前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、正または負に帯電する少なくとも1種の粒子を分散媒に分散してなる分散液が充填された表示層と、
前記表示層内に設けられた粒子拘束層とを有し、
前記粒子拘束層は、前記第1基板側にて、前記第2基板側よりも前記第1基板側の方が空隙率が高くなっていることを特徴とする。
これにより、信頼性が高く、優れた表示特性を発揮することのできる表示シートを提供することができる。
【0008】
本発明の表示シートでは、前記粒子拘束層は、前記第1基板側に設けられた第1粒子拘束層と、前記第1粒子拘束層よりも前記第2基板側に設けられた第2粒子拘束層とを有し、
前記第1粒子拘束層は、前記第2粒子拘束層よりも空隙率が高いことが好ましい。
これにより、粒子拘束層の構成が簡単となる。
【0009】
本発明の表示シートは、表示面側に設けられた第1基板と、
前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、正または負に帯電する少なくとも1種の粒子を分散媒に分散してなる分散液が充填された表示層と、
前記表示層内に設けられた粒子拘束層とを有し、
前記粒子拘束層は、前記第1基板側に設けられた第1粒子拘束層と、前記第1粒子拘束層よりも前記第2基板側に設けられた第2粒子拘束層とを有し、
前記第1粒子拘束層は、前記第2粒子拘束層よりも空隙率が高いことを特徴とする。
これにより、信頼性が高く、優れた表示特性を発揮することのできる表示シートを提供することができる。
【0010】
本発明の表示シートでは、前記粒子拘束層は、前記粒子の前記表示層の厚さ方向への移動は許容しつつ、前記表示層の面内方向の移動を抑制することが好ましい。
これにより、より優れた表示特性を発揮することができる。
本発明の表示シートでは、前記第1粒子拘束層の空隙率は、70%以上、99%以下であり、
前記第2粒子拘束層の空隙率は、50%以上、90%以下であることが好ましい。
これにより、第1粒子拘束層内にて、粒子を表示層の厚さ方向へスムーズに移動させることができると共に、表示層の面方向への移動を抑制することができる。加えて、表示面から見たときに第1粒子拘束層を目立たなくすることができる。
【0011】
本発明の表示シートでは、前記第1粒子拘束層の厚さをH1とし、前記第2粒子拘束層の厚さをH2としたとき、H1/H2は、0.1以上、0.5以下であることが好ましい。
これにより、表示層中に占める粒子拘束層の割合を充分に高くすることができる。第1粒子拘束層と第2粒子拘束層とでは、第2粒子拘束層の方が粒子の拘束性が高いため、第2粒子拘束層の割合を高くすることにより、表示シートを立てたときの粒子の鉛直方向下側への移動(沈降)をより効果的に防止または抑制することができる。加えて、第1粒子拘束層の厚さを、表示面から第2粒子拘束層が視認されない程度の厚さとすることができるため、表示特性の低下を防止することができる。
本発明の表示シートでは、前記第1粒子拘束層は、前記第1基板に対して離間しており、前記第1粒子拘束層と前記第1基板との離間距離は、前記粒子の平均粒子径の0.5倍以上、5倍以下であることが好ましい。
これにより、表示面側から見たときに粒子拘束層をより目立たなくすることができる。
【0012】
本発明の表示シートでは、前記粒子拘束層は、さらに、前記第2粒子拘束層よりも前記第2基板側に設けられた第3粒子拘束層を有し、前記第3粒子拘束層は、前記第2粒子拘束層よりも空隙率が高いことが好ましい。
これにより、第2基板側にて粒子を表示層の面内方向に移動させることができる。そのため、例えば、装置に強い衝撃が加わったり、同じ姿勢で長時間置かれていたりし、粒子の偏りが生じてしまった場合、再び表示層中に粒子を均一に分散させるのが簡単となる。
本発明の表示シートでは、前記第3粒子拘束層の空隙率は、70%以上、99%以下であることが好ましい。
これにより、表示層中に粒子を均一に分散させるのがより簡単となる。
本発明の表示シートでは、前記粒子拘束層は、多孔質体および繊維の集合体の少なくとも1つを有していることが好ましい。
これにより、粒子拘束層の構成が簡単となる。
【0013】
本発明の表示シートでは、前記分散液には、正または負に帯電する第1粒子と、前記第1粒子と反対の極に帯電する第2粒子とが含まれており、
前記第1粒子と前記第2粒子の平均粒径は、ほぼ等しいことが好ましい。
これにより、第1粒子および第2粒子のいずれの粒子についても同様の効果が得られるため、表示特性がより向上する。
【0014】
本発明の表示装置は、本発明の表示シートを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い表示装置が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の表示装置の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】従来の表示装置の問題点を示す図である。
【図3】従来の表示装置の問題点を示す図である。
【図4】図1に示す表示装置の駆動と効果を説明する断面図である。
【図5】図1に示す表示装置の駆動と効果を説明する断面図である。
【図6】本発明の表示装置の第2実施形態を示す断面図である。
【図7】図6に示す表示装置の駆動と効果を示す断面図である。
【図8】本発明の表示装置の第3実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明の表示装置の第4実施形態を示す概略斜視図である。
【図10】図9に示す表示シートの断面図である。
【図11】本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【図12】本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の表示シート、表示装置および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.表示装置
まず、本発明の表示シートを組み込んだ表示装置について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の表示装置の第1実施形態を示す断面図、図2および図3は、従来の表示装置の問題点を示す図、図4および図5は、それぞれ、図1に示す表示装置の駆動と効果を説明する断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図5中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
【0017】
図1に示す表示装置(本発明の表示装置)20は、粒子の泳動を利用して所望の画像を表示する電気泳動表示装置である。この表示装置20は、表示シート(フロントプレーン)21と、回路基板(バックプレーン)22とを有している。
図1に示すように、表示シート21は、平板状の基部2と基部2の下面に設けられた第2の電極4とを備える基板(第1基板)12と、基板12上に設けられ、分散液100が充填された表示層400とを有している。このような表示シート21では、基板12の上面が表示面121を構成している。なお、以下では、表示面121とは、表示装置20の平面視にて、基板12の上面の表示層400と重なる領域を言い、それ以外の領域(例えば後述する封止部9と重なる領域)は除くものとする。
【0018】
一方、回路基板22は、平板状の基部1と基部1の上面に設けられた複数の第1の電極3とを備える対向基板11と、この対向基板11に設けられた図示しない回路とを有している。回路は、例えば、マトリックス状に配列されたTFT(スイッチング素子)と、TFTに対応して形成されたゲート線およびデータ線と、ゲート線に所望の電圧を印加するゲートドライバーと、データ線に所望の電圧を印加するデータドライバーと、ゲートドライバーとデータドライバーの駆動を制御する制御部とを有している。
このような表示装置20では、対向基板11が表示シート21の第2基板を兼ねている。
【0019】
以下、各部の構成について順次説明する。
基部1および基部2は、それぞれ、シート状(平板状)の部材で構成され、これらの間に配置される各部材を支持および保護する機能を有する。各基部1、2は、それぞれ、可撓性を有するもの硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基部1、2を用いることにより、可撓性を有する表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な表示装置20を得ることができる。
【0020】
各基部(基材層)1、2を可撓性を有するものとする場合、その構成材料としては、それぞれ、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等のポリエステル、ポリエチレン等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0021】
このような基部1、2の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、可撓性を有するものとする場合、20μm以上500μm以下程度であるのが好ましく、25μm以上250μm以下程度であるのがより好ましい。これにより、表示装置20の柔軟性と強度との調和を図りつつ、表示装置20の小型化(特に薄型化)を図ることができる。
【0022】
これらの基部1、2の表示層400側の面、すなわち、基部1の上面および基部2の下面に、それぞれ、膜状をなす第1の電極3および第2の電極4が設けられている。本実施形態では、第2の電極4が共通電極とされ、第1の電極3がマトリックス状に分割された個別電極(TFTに接続された画素電極)とされている。この表示装置20では、1つの第1の電極3と第2の電極4とが重なる領域が1つの画素を構成する。
【0023】
電極3、4の構成材料としては、それぞれ、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金、銀、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリフルオレンまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート等のマトリックス樹脂中に、NaCl、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム酸化物(IO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、電極3、4の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、0.01μm以上、10μm以下程度であるのが好ましく、0.02μm以上、5μm以下程度であるのがより好ましい。
【0024】
ここで、各基部1、2および各電極3、4のうち、表示面121側に配置される基部および電極は、それぞれ、光透過性を有するもの、すなわち、実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。本実施形態では、基板12の表面が表示面121を構成するため、少なくとも基部2および第2の電極4は、実質的に透明とされる。これにより、分散液100中における白色粒子Aおよび黒色粒子Bの状態、すなわち、表示装置20に表示された情報(画像)を表示面121側から目視により容易に認識することができる。
【0025】
基板12と対向基板11との間には、それらの縁部に沿って封止部9が設けられている。この封止部9により、表示層400が気密的に封止されている。これにより、表示装置20外部への分散液100の漏出や、表示装置20内への水分の浸入を防止して、表示装置20の表示性能の劣化をより確実に防止することができる。
封止部9の構成材料としては、特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
表示層400は、分散液100で満たされている。さらに、表示層400内には、柱部材8によって固定された粒子拘束層6が設けられている。
【0026】
分散液100は、互いに反対の極に帯電した白色粒子(第1粒子)Aおよび黒色粒子(第2粒子)Bを分散媒7に分散させたものである。
分散媒7としては、比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。かかる分散媒7としては、例えば、各種水(例えば、蒸留水、純水等)、メタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン等の芳香族複素環類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩、シリコーンオイルまたはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
【0027】
中でも、分散媒7としては、脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、またはシリコーンオイルを主成分とするものが好ましい。流動パラフィン、またはシリコーンオイルを主成分とする分散媒7は、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの凝集抑制効果が高いことから好ましい。これにより、表示装置20の表示性能が経時的に劣化するのをより確実に防止または抑制することができる。また、流動パラフィン、またはシリコーンオイルは、不飽和結合を有しないため耐候性に優れ、および安全性も高いという点からも好ましい。
【0028】
また、分散媒7中には、必要に応じて、例えば電解質、アルケニルコハク酸エステルのような界面活性剤(アニオン性またはカチオン性)、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。また、分散媒7を着色する場合には、分散媒7に必要に応じてアントラキノン系染料、アゾ系染料、インジゴイド系染料等の各種染料を溶解するようにしてもよい。
【0029】
白色粒子Aおよび黒色粒子Bは、それぞれ、荷電を有し、電界が作用することにより分散媒7中を電気泳動し得る粒子である。白色粒子Aおよび黒色粒子Bは、それぞれ、荷電を有するものであればいかなるものをも用いることができ、特に限定はされないが、顔料粒子、樹脂粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。これらの粒子は、製造が容易であるとともに、荷電の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
【0030】
顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック、亜クロム酸銅等の黒色顔料、酸化チタン、酸化アンチモン等の白色顔料、モノアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛等の黄色顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
また、樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料や他の顔料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。
顔料粒子の表面を他の顔料で被覆した粒子としては、例えば、酸化チタン粒子の表面を、酸化珪素や酸化アルミニウムで被覆したものを例示することができ、かかる粒子は、白色粒子Aとして好適に用いられる。また、カーボンブラック粒子またはその表面を被覆した粒子は、黒色粒子Bとして好適に用いられる。
【0032】
また、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの形状は、それぞれ、特に限定されないが、球形状であるのが好ましい。また、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの平均粒子径は、それぞれ、特に限定されるものではないが、好ましくは10nm以上500nm以下、より好ましくは20nm以上300nm以下である。白色粒子Aおよび黒色粒子Bの平均粒子径が10nm未満であると充分な色度が得られず、コントラストが低下して表示が不鮮明になることがある。逆に、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの平均粒子径が300nmを超えると粒子自体の着色度を必要以上に高くする必要があり、顔料などの使用量が増大することや、表示のために電圧を印加した部分で粒子の速やかな移動が困難となり、その応答速度が低下することがある。
【0033】
なお、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば、製品名:LB−500、(株)堀場製作所製)で測定した体積平均粒子径を意味する。
本実施形態では、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの平均粒子径は、互いにほぼ等しく設定されている。
【0034】
次いで、粒子拘束層6について説明するが、それに先立って、粒子拘束層6を省略した場合に起きる問題点について説明する。
電極3、4の間に所定の電圧を印加すると、図2に示すように、白色粒子Aを表示層400の第2の電極4(基板12)側に集め、黒色粒子Bを表示層400の第1の電極3(対向基板11)側に集めることができる。これにより、表示面121全域に白色が表示された状態となる。
【0035】
ここで、表示装置20は、手に持って本のようにして立てた状態で視認される場合を想定している。そこで、図3に示すように、粒子拘束層6を省略した表示装置20を本のように立てて保持した場合、白色粒子Aのうち第2の電極4と接触している粒子や第2の電極4の近傍に位置しる粒子は、第2の電極4との吸着力によってその位置が維持されるが、第2の電極4から比較的離間している粒子は、第2の電極4との間に吸着力が働かないため(または働く吸着力が微少であるため)、自重により鉛直方向へ下側へ移動(沈降)する。黒色粒子Bについても同様である。
【0036】
このような現象が起こると、表示層400内にて白色粒子Aおよび黒色粒子Bの偏りが生じ、表示面121に表示される画像は、ムラのある画像となる。また、白色粒子Aの移動(沈降)によって白色粒子Aの数が減少した画素では、高い反射率を得ることができなくなるため、コントラストが低下する。
このように、粒子拘束層6のない従来型の表示装置では、信頼性に乏しく、優れた表示特性を発揮することができない。
【0037】
また、一端、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの沈降が生じると、再び、表示層400中に白色粒子Aおよび黒色粒子Bを均一に分散させるのは困難であり、例えば、表示を一旦リセットする必要等がある。そのため、リセットができない場合には表示特性が悪化したまま表示が続けられたり、表示特性を回復するためにリセットする場合には、一端表示が中止されたりし、表示装置20の利便性が悪化する。
粒子拘束層6は、このような問題を解消、すなわち、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの鉛直方向下側への移動(沈降)を防止または抑制することにより、表示装置20に優れた表示特性を発揮させる。
【0038】
以下、粒子拘束層6について詳細に説明する。
図1に示すように、粒子拘束層6は、表示層400内に設けられている。このような粒子拘束層6は、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの表示層400の厚さ方向への移動を許容しつつ、表示層400の面内方向の移動を抑制する機能を有している。なお、当該機能は、後述するように、電極3、4間に電圧を印加したときに、白色粒子Aおよび黒色粒子Bが表示層400の厚さ方向へ移動でき、電極3、4に電圧を印加していない状態で表示装置20を立てたときに、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの表示層400の面方向(鉛直方向下側)への移動を阻止する機能を言う。
そのため、粒子拘束層6は、例えば、表示層400の厚さ方向と面方向とで粒子拘束力が異なる、すなわち粒子拘束力に異方性を有するものであってもよい。この場合には、表示層400の厚さ方向よりも面方向の粒子拘束力を高めればよい。このような構成とすることにより、より確実に、上記機能を発揮することができる。
【0039】
また、粒子拘束層6は、例えば、表示層400の厚さ方向と面方向とで粒子拘束力が等しいものであってもよい。この場合、粒子拘束層6の粒子拘束力は、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの自重によっては粒子拘束層6中を移動できず、電極3、4間に所定以上の電圧が印加された状態で粒子拘束層6中を移動できるような強さとすることもできる。このような構成とすることにより、より確実に、上記機能を発揮することができる。
このような粒子拘束層6としては、上記機能を有していれば、特に限定されないが、多孔質体および繊維の集合体のいずれか1つであるのが好ましい。これにより、上記機能に優れ、かつ比較的簡単な構成の粒子拘束層6が得られる。
【0040】
多孔質体としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等の炭素質多孔質体、多孔質シリカ、多孔質アルミナ、多孔質チタニア等の多孔質セラミック、発泡ポリスチレン、発泡ウレタン、発泡ポリイミド等の発泡体、ゼオライト等が挙げられる。また、繊維の集合体としては、所定の繊維を織って形成される織物体、所定の繊維同士を織り込まずに形成される不織体等が挙げられる。
【0041】
また、粒子拘束層6は、基板12側にて、対向基板11側よりも基板12側の方が体積密度が小さくなるような密度勾配を有している。具体的には、粒子拘束層6は、第1粒子拘束層61と、第1粒子拘束層61よりも対向基板11側に設けられた第2粒子拘束層62とを有しており、第1粒子拘束層61の方が第2粒子拘束層62よりも体積密度が小さくなっている。
また、第1粒子拘束層61は、基板12と接触して設けられており、第2粒子拘束層62は、対向基板11と接触して設けられている。また、第1粒子拘束層61と第2粒子拘束層62は、互いに接触して設けられている。すなわち、粒子拘束層6は、表示層400のほぼ全域に広がって設けられている。
【0042】
このような粒子拘束層6によれば、次のような効果を発揮することができる。
第1に、粒子(白色粒子Aおよび黒色粒子B)は、粒子拘束層6内を移動することとなるため、粒子の表示層400の平面方向(厚さ方向に直交する方向)への移動を抑制することができる。そのため、表示装置20を立てたときの粒子の沈降を防止または抑制することができ、表示装置20は、優れた表示特性を発揮することができる。
【0043】
第2に、基板12(表示面121)側に位置する第1粒子拘束層61の体積密度が第2粒子拘束層62よりも小さいため、表示面121から見たときに、粒子拘束層6を目立たなく、または視認できなくすることができる。そのため、粒子拘束層6が表示装置20の画像表示に悪影響を与えるのを防止でき、表示装置20は、優れた表示特性を発揮することができる。
すなわち、粒子拘束層6のうち第2粒子拘束層62は、粒子の拘束性を重視した層であり、第1粒子拘束層61は、粒子の拘束性を発揮しつつも、表示面121からに視認されないことを重視した層である。
【0044】
第1粒子拘束層61は、繊維611aの集合体、具体的には、繊維611a同士を織り込まずに形成された不織体611で構成されている。同様に、第2粒子拘束層62も、繊維621aの集合体、具体的には、繊維621a同士を織り込まずに形成された不織体621で構成されている。
不織体は、繊維径と繊維間距離を独立して設計することができるため、不織体によって第1粒子拘束層61および第2粒子拘束層62を構成することにより、所望の機能を発揮することのできる第1粒子拘束層61および第2粒子拘束層62を形成することができる。
【0045】
繊維611a、621aとしては、例えば、PETなどのポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネード系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの合成繊維などを挙げることができ、また、羊毛、兎毛等の動物由来の繊維を挙げることもできる。更には、樹木や草などから取り出した植物由来の繊維やグラスウール、アスベストなどの無機繊維、鉱物繊維を用いることもできる。これらの中でも、強度、コスト、電気泳動表示用液との相性などの点から、ポリエステルやポリアミド製の繊維を用いることが好ましい。
また、繊維611a、621aは、マルチフィラメントと呼ばれる多芯繊維の他、モノフィラメント繊維と呼ばれる単芯繊維でもよい。また、繊維611a、621aは、上記材質を組み合わせた複合材料であってもよいし、複数の繊維をより合わせた複合繊維であってもよい。
【0046】
繊維611a、621aの直径は、表示特性、応答性などの諸性能の点から細いことが望ましく、具体的には、100nm以上、100μm以下程度であるのが好ましく、1μm以上、50μm以下程度であるのがより好ましい。
また、繊維611a、621aの断面形状は、特に限定されないが、円形形状であるのが好ましい。これにより、分散液100中の白色粒子Aおよび黒色粒子Bの移動を円滑に行うことができる。
【0047】
第1粒子拘束層61を構成する不織体611の平均孔径としては、電界が印加された際に、白色粒子Aおよび黒色粒子Bが不織体611中を移動することができるサイズであれば特に限定されないが、具体的には、白色粒子A(黒色粒子B)の平均粒子径の10倍以上、10000倍以下程度であることが好ましく、20倍以上、1000倍以下程度であることがより好ましい。
【0048】
不織体611の平均孔径をこのような大きさとすることにより、第1粒子拘束層61内にて、白色粒子Aおよび黒色粒子Bを表示層400の厚さ方向へスムーズに移動させることができると共に、表示層400の面方向への移動を抑制することができる。加えて、第1粒子拘束層6を形成するために用いる繊維611aの使用量を比較的少なくすることができるため、表示面121から見たときに、第1粒子拘束層61を目立たなくする(視認され難くする)ことができる。
【0049】
一方、第2粒子拘束層62を構成する不織体621の平均孔径としては、電界が印加された際に、白色粒子Aおよび黒色粒子Bが不織体611中を移動することができるサイズであれば特に限定されないが、不織体611の平均孔径よりも小さいことが好ましい。具体的には、白色粒子A(黒色粒子B)の平均粒子径の1倍以上、5000倍以下程度であることが好ましく、10倍以上、500倍以下程度であることがより好ましい。
【0050】
不織体621の平均孔径をこのような大きさとすることにより、第2粒子拘束層62内にて、白色粒子Aおよび黒色粒子Bを表示層400の厚さ方向へスムーズに移動させることができると共に、表示層400の面方向への移動をより効果的に抑制することができる。
なお、不織体611、621の平均孔径は、不織体611、621の断面のSEM観察により求めた。具体的には、不織体611、621の平均孔径は、不織体611、621の断面に観察される孔の任意の100点について孔径を測定し、各点における孔径の平均値として求めた。
【0051】
第1粒子拘束層61の空隙率は、70%以上、99%以下程度であるのが好ましく、75%以上、85%以下であるのが好ましい。第1粒子拘束層61の空隙率をこのような数値範囲とすることにより、第1粒子拘束層61内にて、白色粒子Aおよび黒色粒子Bを表示層400の厚さ方向へスムーズに移動させることができると共に、表示層400の面方向への移動を抑制することができる。加えて、第1粒子拘束層6を形成するために用いる繊維611aの使用量を比較的少なくすることができるため、表示面121から見たときに第1粒子拘束層61を目立たなくする(視認され難くする)ことができる。
【0052】
一方、第2粒子拘束層62の空隙率は、第1粒子拘束層61の空隙率よりも低いことが好ましく、50%以上、90%以下であるのが好ましく、60%以上、80%以下程度であるのがより好ましい。第2粒子拘束層62の空隙率をこのような数値範囲とすることにより、第2粒子拘束層62内にて、白色粒子Aおよび黒色粒子Bを表示層400の厚さ方向へスムーズに移動させることができると共に、表示層400の面方向への移動をより効果的に抑制することができる。
【0053】
第1粒子拘束層61の厚さは、特に限定されないが、10nm以上、5μm程度であるのが好ましい。これにより、基板12から第2粒子拘束層62を充分に離すことができる。そのため、表示面121から第2粒子拘束層62が視認されるのを、効果的に防止することができる。
第1粒子拘束層61を厚さをH1とし、第2粒子拘束層62の厚さをH2としたとき、H1/H2は、0.1以上、0.5以下であるのが好ましく、0.2以上、0.4以下であるのがより好ましい。このような数値範囲とすることにより、表示層400中に占める第2粒子拘束層62の割合を充分に高くすることができる。前述したように、第1粒子拘束層61と第2粒子拘束層62とでは、第2粒子拘束層62の方が粒子の拘束性が高いため、第2粒子拘束層62の割合を前記数値範囲とすることにより、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの前述したような沈降を、より効果的に防止または抑制することができる。加えて、前記数値範囲とすることにより、第1粒子拘束層61の厚さを、表示面121から第2粒子拘束層62が視認されない程度の厚さとすることができるため、表示特性の低下を防止することができる。
【0054】
2.表示装置の駆動方法
このような表示装置20は、次のようにして駆動する。
電極3、4の間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じる。この電界に従って白色粒子Aおよび黒色粒子Bは、それぞれ、電極3、4のいずれかに向かって移動(電気泳動)する。以下では、白色粒子Aとして正荷電を有するものを用い、黒色粒子Bとして負荷電のものを用いた場合について代表して説明する。また、以下では、説明の便宜上、1つの画素について代表して説明する。
【0055】
−白色表示状態−
第1の電極3と第2の電極4との間に、第1の電極3が正電位、第2の電極4が負電位となる電圧を印加すると、当該電圧印加により発生した電界が表示層400中の白色粒子Aおよび黒色粒子Bに作用する。すると、図4(A)に示すように、白色粒子Aは、第2の電極4側に泳動して第2の電極4に集り、黒色粒子Bは、第1の電極3側に泳動して第1の電極3に集まる。これにより、表示面121に白色が表示される白色表示状態となる。
【0056】
このとき、白色粒子Aは、第1粒子拘束層61内に位置している。第1粒子拘束層61は、前述したように、第2粒子拘束層62と比較して空隙率が高く、さらに、その内部に白色粒子Aが多く集まっていることから、表示面121から視認され難くなっている。そのため、第1粒子拘束層61が表示画像に悪影響を及ぼすことを防止または抑制することができる。
さらに、この状態で表示装置20を立てた場合、白色粒子Aは、第1粒子拘束層61に拘束され、黒色粒子Bは、第2粒子拘束層62に拘束されているため、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの鉛直方向下側への移動が防止または抑制される。
【0057】
−黒色表示状態−
第1の電極3と第2の電極4との間に、第1の電極3が正電位、第2の電極4が負電位となる電圧を印加すると、当該電圧印加により発生した電界が表示層400中の白色粒子Aおよび黒色粒子Bに作用する。すると、図5(A)に示すように、白色粒子Aは、第1の電極3側に泳動して第1の電極3に集り、黒色粒子Bは、第2の電極4側に泳動して第2の電極4に集まる。これにより、表示面121に黒色が表示される黒色表示状態となる。
【0058】
このとき、黒色粒子Bは、第1粒子拘束層61内に位置している。第1粒子拘束層61は、前述したように、第2粒子拘束層62と比較して空隙率が高く、さらに、その内部に黒色粒子Bが集まっていることから、表示面121から視認され難くなっている。そのため、第2粒子拘束層62が表示画像に悪影響を及ぼすことを防止または抑制することができる。
さらに、この状態で表示装置20を立てた場合、黒色粒子Bは、第1粒子拘束層61に拘束され、白色粒子Aは、第2粒子拘束層62に拘束されているため、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの鉛直方向下側への移動が防止または抑制される。
【0059】
このような表示装置20によれば、第2の電極4側に集まった白色粒子Aの不本意な移動を防止または抑制することができるため、高い反射率を有する白色表示状態を維持することができ、同様に、第2の電極4側に集まった黒色粒子Bの不本意な移動を防止または抑制することができるため、低い反射率を有する黒色表示状態を維持することができるため、高いコントラストを発揮することができる。
【0060】
また、表示層400中での粒子(白色粒子Aおよび黒色粒子B)の偏りを効果的に防止または抑制することができるため、表示面121に、ムラのない鮮明な画像を表示することができる。また、第1粒子拘束層61を構成する繊維611aが充分に細いものであるため、表示面121のほぼ全域に粒子(白色粒子Aおよび黒色粒子B)を配置することができ、表示面121のほぼ全域を有効表示領域とすることができるため、より鮮明な画像を表示することができる。
【0061】
表示装置20では、画素毎に、白色表示状態か黒色表示状態を選択することにより、すなわち、白色表示状態の画素と黒色表示状態の画素とを組み合わせることにより、表示面121に所望の画像を表示することができる。
特に、本実施形態では、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの平均粒子径が等しいため、白色表示状態の画素と黒色表示状態の画素とで同じ上記効果を発揮することができる。そのため、表示装置20の表示特性がより向上する。
【0062】
<第2実施形態>
図6は、本発明の表示装置の第2実施形態を示す断面図、図7は、図6に示す表示装置の駆動と効果を示す断面図である。
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態にかかる表示装置は、粒子拘束層の配置が異なること以外は、第1実施形態の表示装置と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0063】
図6に示すように、本実施形態では、第1粒子拘束層61が基板12に対して離間して配置されている。これにより、基板12側に集まった粒子(白色粒子Aまたは黒色粒子B)によって第1粒子拘束層61が覆い隠され、表示面121から第1粒子拘束層61が視認されなくなるため、第1粒子拘束層61が表示に悪影響を与えるのをより確実に防止できる。そのため、表示装置20は、より優れた表示特性を発揮することができる。さらに、表示面121の全域に粒子(白色粒子Aまたは黒色粒子B)を集めることができる。そのため、表示面121のほぼ全域を有効表示領域とすることができ、表示装置20は、優れた表示特性を発揮することができる。
【0064】
粒子拘束層6(第1粒子拘束層61)と基板12との離間距離としては、特に限定されないが、白色粒子A(黒色粒子B)の平均粒子径をRとしたとき、R以上、5R以下程度であるのが好ましく、2R以上、3R以下程度であるのがより好ましい。また、粒子拘束層6と基板12との離間距離は、上記数値範囲を満足していれば特に限定されないが、具体的には、5μm以下程度であるのが好ましい。これにより、後述するように、上記効果に加えて、表示装置20を立てたときの白色粒子Aおよび黒色粒子Bの鉛直方向下側への移動をより効果的に防止または抑制することができる。
【0065】
図6に示すように、粒子拘束層6と基板12との離間距離は、複数の柱部材8によって維持される。具体的には、各柱部材8は、粒子拘束層6を貫通して設けられており、粒子拘束層6に含まれる繊維611a、621aが柱部材8に絡まることにより、基板12に対して粒子拘束層6が固定されている。これにより、粒子拘束層6と基板12との離間距離が維持される。
【0066】
各柱部材8は、表示層400の厚さ方向に延在して設けられており、一端が基板12と接合しており、他端が対向基板11と接合している。これにより、柱部材8を表示層400の強度を高める補強部材として利用でき、表示装置20が湾曲変形しても、表示層400の厚さをほぼ一定に維持することができるため、優れた表示特性を維持することができる。
また、柱部材8の横断面積は、その機能を発揮し得る限り小さいのが好ましい。これにより、表示面121から見たときに柱部材8を目立ち難くすることができる。また、柱部材8の横断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、三角形、四角形等であってもよい。
【0067】
柱部材8の構成材料としては、絶縁性を有していることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン66)、スチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
なお、本実施形態では、柱部材8によって粒子拘束層6と基板12との離間距離を維持しているが、例えば、第1粒子拘束層61と基板12との間にガラスビーズ等で構成されたスペーサー部材を配置することにより、粒子拘束層6と基板12との離間距離を維持してもよい。
【0068】
次いで、本実施形態の表示装置20の駆動について説明する。なお、以下では、白色表示状態について代表して説明するが、黒色表示状態についても同様の効果を発揮することができる。
−白色表示状態−
第1の電極3と第2の電極4との間に、第1の電極3が正電位、第2の電極4が負電位となる電圧を印加すると、当該電圧印加により発生した電界が表示層400中の白色粒子Aおよび黒色粒子Bに作用する。すると、図7(A)に示すように、白色粒子Aは、第2の電極4側に泳動して第2の電極4に集り、黒色粒子Bは、第1の電極3側に泳動して第1の電極3に集まる。これにより、表示面121に白色が表示される白色表示状態となる。
このとき、表示面121側に泳動した白色粒子Aが第2の電極4に集まるため、表示面121側から見たときに、白色粒子Aによって粒子拘束層6(第1粒子拘束層61)が覆い隠される。これにより、表示面121から粒子拘束層6が視認されないため、粒子拘束層6が表示画像に悪影響を及ぼすことがない。
【0069】
さらに、この状態で表示装置20を立てた場合、白色粒子Aのうち第2の電極4と接触している粒子および第2の電極4の近傍に位置している粒子については、第2の電極4との吸着力によってその位置を維持することができる。また、これら粒子は、分散媒7中にて不規則かつ微少に運動(ブラウン運動)しているため、巨視的に見て、その位置を維持することができる。
一方、白色粒子Aのうち第2の電極4から比較的離間している粒子は、前述のような吸着力が働かず自重により鉛直方向下側へ移動(沈降)しようとするが、図7(B)に示すように、そのような粒子は、第1粒子拘束層61や第2粒子拘束層62に拘束されているため、前記移動が防止または抑制される。
【0070】
<第3実施形態>
図8は、本発明の表示装置の第3実施形態を示す断面図である。
以下、第3実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態にかかる表示装置は、粒子拘束層の構成が異なること以外は、第1実施形態の表示装置と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0071】
図8に示すように、本実施形態の粒子拘束層6は、第2粒子拘束層62の対向基板11側に設けられた第3粒子拘束層63を有している。また、第3粒子拘束層63は、第2粒子拘束層62よりも空隙率が低く設定されている。
第3粒子拘束層63の空隙率としては、第2粒子拘束層62の空隙率よりも低ければ特に限定されないが、70%以上、99%以下であることが好ましく、75%以上、85%以下であるのが好ましい。第3粒子拘束層63は、第1粒子拘束層61と同様の構成とするのが好ましい。このような第3粒子拘束層63を有することにより、次のような効果を発揮することができる。
例えば、白色表示状態のときに、対向基板11側に集まっている黒色粒子Bを第2粒子拘束層62および第3粒子拘束層63によって拘束することができるため、表示装置20を立てたときの黒色粒子Bの鉛直方向下側への移動(沈降)が防止される。
【0072】
さらに、例えば、表示装置20を立てた状態が長期間続いたり、表示装置20に強い衝撃や振動が加わったりした場合には、表示層400内にて白色粒子Aおよび黒色粒子Bが偏ってしまう場合がある。その場合には、表示層400中にて白色粒子Aおよび黒色粒子Bが均一に分散した状態とするためにリフレッシュ電圧を印加し、白色粒子Aおよび黒色粒子Bを横方向(表示層400の厚さ方向に直交する方向)に移動させることにより表示層400中に白色粒子Aおよび黒色粒子Bを再び均一に分散させる必要がある。
【0073】
リフレッシュ電圧としては、例えば、所定の第1の電極3に正電圧を印加し、残りの第1の電極3に負電圧を印加した状態と、これと反対の状態とを交互に繰り返すような電圧が挙げられ、これにより、白色粒子Aおよび黒色粒子Bが表示層400の面方向に振動しつつ分散していく。このような白色粒子Aおよび黒色粒子Bの移動は、特に、第1の電極3が配置されている第1の電極3側で起こるため、粒子拘束層6の第1の電極3側を空隙率の低い第3粒子拘束層63とすることにより、前述した白色粒子Aおよび黒色粒子Bの移動をスムーズに行うことができる。
【0074】
なお、前述したように、表示装置20を立てたときには、第3粒子拘束層63によって粒子の鉛直方向下側(表示層400の面方向)への移動が抑制されるのに対して、リフレッシュ電圧を印加した時には、粒子の表示層400の面方向の移動が許容されるのは、リフレッシュ電圧を印加することにより発生する電界の作用によって移動する粒子の方が自重で移動する粒子よりも、移動しようとする力が大きいためである。
【0075】
以上、本実施形態について説明したが、例えば、第3粒子拘束層63が対向基板11に対して離間して配置されていてもよい。この場合、第3粒子拘束層63と対向基板11との離間距離としては、特に限定されないが、前述した第2実施形態で述べたのと同様の理由から白色粒子A(黒色粒子B)の平均粒子径の1倍以上、5倍以下程度あるのが好ましい。
【0076】
<第4実施形態>
図9は、本発明の表示装置の第4実施形態を示す概略斜視図、図10は、図9に示す表示シートの断面図である。
以下、第4実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本願発明の第4実施形態にかかる表示装置は、表示シートが別体として構成されている以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0077】
図9に示すように、本実施形態の表示装置20Eは、表示シート21Eと、書き込み装置22Eとを有している。
表示シート21Eは、図10に示すように、基板(第1基板)12Eと、基板12Eと対向配置された基板(第2基板)11Eと、基板12E、11Eの間に設けられた表示層400と、表示層400内に設けられた粒子拘束層6と、表示層400を封止する封止部9とを有している。基板12E、11Eは、それぞれ、前述した第1実施形態の基板12の基部2と同様の構成であるため、その説明は省略する。
【0078】
書き込み装置22Eは、表示シート21Eに所望の画像(模様、色彩、文字、絵またはこれらの組み合わせ等)を書き込む際に使用する装置である。図9に示すように、書き込み装置22Eは、台座221Eと、台座221E上に設けられたシート状の共通電極222Eと、先端に部分電極223Eが設けられた書き込みペン(入力具)224Eと、共通電極222Eおよび部分電極223E間に電圧を印加する電圧印加手段225Eとを有している。
【0079】
このような表示装置20Eは、例えば、次のように使用する。
まず、表示面121の全域が白色表示状態である表示シート21Eを、表示面121を上側にして書き込み装置22Eの共通電極222E上に載置する。次いで、電圧印加手段225Eによって共通電極222Eおよび部分電極223E間に、部分電極223E側が低電位となる電圧を印加する。この状態で、書き込みペン224Eを表示面121に接触させつつ所望の軌跡で移動させることにより、その軌跡に対応する領域にて粒子の泳動が生じ、表示色が白色から黒色に変化する。
このような表示装置20Eによれば、紙に鉛筆で文字等を描くのと同様の感覚で、表示シート21Eの表示面121に所望の文字等を描くことができる。そのため、表示装置20Eの操作性(操作感覚)が向上する。
【0080】
以上説明したような表示装置20は、それぞれ、各種電子機器に組み込むことができる。電気泳動表示装置を備える本発明の電子機器としては、例えば、電子ペーパー、電子ブック、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができる。
【0081】
これらの電子機器のうちから、電子ペーパーを例に挙げ、具体的に説明する。
図11は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図11に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような表示装置20で構成されている。
【0082】
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図12は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図12中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図12に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図11に示す構成と同様である。
【0083】
本体部801は、その側部(図12(a)中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
【0084】
また、本体部801の表示面側(図12(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
【0085】
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図12(a)中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。これにより、利便性が向上する。
【0086】
以上、本発明の表示シート、表示装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、白色粒子Aおよび黒色粒子Bを互いに反対の極に帯電した帯電粒子としているが、これに限定されず、例えば、白色粒子Aおよび黒色粒子Bの一方を正または負に帯電する帯電粒子とし、他方を実質的に帯電していない無帯電粒子としてもよい。
【0087】
この場合、不織体611、621の平均孔径や、第2実施形態で述べた第1粒子拘束層61と基板12との離間距離、第3実施形態で述べた第3粒子拘束層63と対向基板11との離間距離など、所定の粒子の平均粒子径と関係のあるパラメータについては、白色粒子Aおよび黒色粒子Bのうち帯電している方の粒子の平均粒子径との関係で前述したパラメータとすればよい。これは、無帯電粒子は、電界の有無や表示装置の姿勢によらず、分散媒中に分散した状態を維持されるためである。
また、無帯電粒子の平均粒子径は、帯電粒子の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。これにより、粒子拘束層6による無帯電粒子の拘束性を高めることができるため、無帯電粒子を均一に分散させた状態をより確実に維持することができる。
【0088】
また、この場合には、黒色粒子を帯電粒子とし、白色粒子を無帯電粒子とするのが好ましい。この場合、黒色粒子を第1の電極側に集めれば白色表示状態となり、第2の電極側に集めれば黒色表示状態となる。また、白色粒子を分散させることにより、表示面121からの光をより効率的に反射、拡散することができ、より反射率の高い白色を表示することができる。
【0089】
また、前述した実施形態では、白色粒子および黒色粒子の平均粒子径が互いに等しいものについて説明したが、これに限定されず、互いの平均粒子径が異なっていてもよい。この場合、不織体611、621の平均孔径や、第2実施形態で述べた第1粒子拘束層61と基板12との離間距離、第3実施形態で述べた第3粒子拘束層63と対向基板11との離間距離など、所定の粒子の平均粒子径と関係のあるパラメータについては、白色粒子Aおよび黒色粒子Bのうち平均粒子径が大きいほうの粒子との関係で前述したパラメータとすればよい。
【0090】
また、前述した実施形態では、第1粒子拘束層と第2粒子拘束層とを別体として形成した構成としたが、これに限定されず、これらを一体的に形成してもよい。また、第1粒子拘束層と第2粒子拘束層とを一体的に形成する場合には、第1粒子拘束層と第2粒子拘束層との境界を明確に定め、前記境界を境に空隙率が異なるようにしてもよいし、前記境界を設けずに、第2粒子拘束層側から第1粒子拘束層側へ空隙率を漸減させるようにしてもよい。すなわち、粒子拘束層の表示面側へ空隙率が減少する勾配を有していれば、どのような構成であってもよい。第3粒子拘束層についても同様である。
【0091】
また、第1粒子拘束層と第2粒子拘束層との間に、少なくとも1つの他の粒子拘束層を配置してもよい。前記他の粒子拘束層が1層である場合には、その拘束層の空隙率を第1粒子拘束層より低く第2粒子拘束層より高くすればよく、前記他の粒子拘束層が複数層である場合には、その全ての層の空隙率を第1粒子拘束層より低く第2粒子拘束層より高くし、さらに、第2粒子拘束層側から第1粒子拘束層側へ空隙率が大きくなるようにすればよい。
【符号の説明】
【0092】
1‥‥基部 2‥‥基部 3‥‥第1の電極 4‥‥第2の電極 6‥‥粒子拘束層 61‥‥第1粒子拘束層 611‥‥不織体 611a‥‥繊維 62‥‥第2粒子拘束層 621‥‥不織体 621a‥‥繊維 63‥‥第3粒子拘束層 7‥‥分散媒 8‥‥柱部材 9‥‥封止部 100‥‥分散液 11、11E‥‥対向基板 12、12E‥‥基板 121‥‥表示面 20、20E‥‥表示装置 21、21E‥‥表示シート 22‥‥回路基板 22E‥‥書き込み装置 221E‥‥台座 222E‥‥共通電極 223E‥‥部分電極 224E‥‥書き込みペン 225E‥‥電圧印加手段 400‥‥表示層 600……電子ペーパー 601……本体 602……表示ユニット 800……ディスプレイ 801……本体部 802a、802b……搬送ローラ対 803……孔部 804……透明ガラス板 805……挿入口 806……端子部 807……ソケット 808……コントローラー 809……操作部 A‥‥白色粒子 B‥‥黒色粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面側に設けられた第1基板と、
前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、正または負に帯電する少なくとも1種の粒子を分散媒に分散してなる分散液が充填された表示層と、
前記表示層内に設けられた粒子拘束層とを有し、
前記粒子拘束層は、前記第1基板側にて、前記第2基板側よりも前記第1基板側の方が空隙率が高くなっていることを特徴とする表示シート。
【請求項2】
前記粒子拘束層は、前記第1基板側に設けられた第1粒子拘束層と、前記第1粒子拘束層よりも前記第2基板側に設けられた第2粒子拘束層とを有し、
前記第1粒子拘束層は、前記第2粒子拘束層よりも空隙率が高い請求項1に記載の表示シート。
【請求項3】
表示面側に設けられた第1基板と、
前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、正または負に帯電する少なくとも1種の粒子を分散媒に分散してなる分散液が充填された表示層と、
前記表示層内に設けられた粒子拘束層とを有し、
前記粒子拘束層は、前記第1基板側に設けられた第1粒子拘束層と、前記第1粒子拘束層よりも前記第2基板側に設けられた第2粒子拘束層とを有し、
前記第1粒子拘束層は、前記第2粒子拘束層よりも空隙率が高いことを特徴とする表示シート。
【請求項4】
前記粒子拘束層は、前記粒子の前記表示層の厚さ方向への移動は許容しつつ、前記表示層の面内方向の移動を抑制する請求項2または3に記載の表示シート。
【請求項5】
前記第1粒子拘束層の空隙率は、70%以上、99%以下であり、
前記第2粒子拘束層の空隙率は、50%以上、90%以下である請求項2ないし4のいずれかに記載の表示シート。
【請求項6】
前記第1粒子拘束層の厚さをH1とし、前記第2粒子拘束層の厚さをH2としたとき、H1/H2は、0.1以上、0.5以下である請求項2ないし5のいずれかに記載の表示シート。
【請求項7】
前記第1粒子拘束層は、前記第1基板に対して離間しており、前記第1粒子拘束層と前記第1基板との離間距離は、前記粒子の平均粒子径の0.5倍以上、5倍以下である請求項2ないし6のいずれかに記載の表示シート。
【請求項8】
前記粒子拘束層は、さらに、前記第2粒子拘束層よりも前記第2基板側に設けられた第3粒子拘束層を有し、前記第3粒子拘束層は、前記第2粒子拘束層よりも空隙率が高い請求項2ないし7のいずれかに記載の表示シート。
【請求項9】
前記第3粒子拘束層の空隙率は、70%以上、99%以下である請求項8に記載の表示シート。
【請求項10】
前記粒子拘束層は、多孔質体および繊維の集合体の少なくとも1つを有している請求項1ないし9のいずれかに記載の表示シート。
【請求項11】
前記分散液には、正または負に帯電する第1粒子と、前記第1粒子と反対の極に帯電する第2粒子とが含まれており、
前記第1粒子と前記第2粒子の平均粒径は、ほぼ等しい請求項1ないし10のいずれかに記載の表示シート。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の表示シートを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
請求項12に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−93627(P2012−93627A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242242(P2010−242242)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】