説明

表示制御プログラム、表示制御システム、表示制御装置、表示制御方法

【課題】ユーザにコンテンツの端まで到達したことを直感的に把握させるとともに、ユーザの利便性を向上させることができる情報処理プログラムなどを提供すること。
【解決手段】まず、入力装置から出力される出力信号に基づいて、表示装置の表示領域に少なくとも一部が表示される複数の選択オブジェクトを当該表示領域に相対して移動させる。そして、移動された複数の選択オブジェクトのうちの端の選択オブジェクトが表示領域における所定位置に到達したときは、表示領域に表示されている複数の選択オブジェクトの少なくとも一つを変形させ、表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが選択するための選択オブジェクトやユーザが閲覧するためのコンテンツ等の表示内容を表示するときの表示制御処理に関し、より特定的には、選択オブジェクトやコンテンツをタッチスクロールさせるときの処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、1画面内に収まらないコンテンツを閲覧する情報処理端末が知られている。例えば、特許文献1に記載されている携帯電話機では、画面より大きい範囲のコンテンツの一部が画面に表示されている状態において、携帯電話のテンキーの操作によりコンテンツを移動させることが可能である。また、この携帯電話機では、コンテンツの表示領域以外の領域に、全コンテンツに対する現在表示中のコンテンツの位置を示す情報を表示している。例えば、全表示コンテンツ量に対する現在までに表示済みのコンテンツ量の割合をパーセンテージで表示するようになっている。そのため、コンテンツの端まで移動したときは、このパーセンテージ表示の内容を見ることで、コンテンツの端まで移動したことを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−66801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている携帯電話機では、どこまでコンテンツを移動させたかについて、コンテンツの表示領域以外の領域に表示される情報によって推測する必要がある。その一方で、ユーザは、コンテンツ閲覧中はそのコンテンツに注目している。そのため、コンテンツ表示領域以外の領域にある情報を参照するためには、一旦視線をコンテンツから外し、コンテンツ表示領域以外の領域にある情報を確認することになる。その結果、コンテンツの注目している状態でコンテンツを移動させる操作を行っていると、コンテンツの端に到達しているにもかかわらず、更にコンテンツを移動させようとして、その結果、無駄な操作が発生することになっていた。換言すれば、コンテンツの端まで到達しているにも関わらず、ユーザは更にコンテンツを移動させる無駄な操作を行った後、コンテンツ領域外の情報に視線を移して、その内容を確認することで、コンテンツの端に到達したことを認識していた。そのため、コンテンツの端まで到達したことが直感的に把握しにくいものとなっていた。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、ユーザにコンテンツ等の表示内容の端まで到達したことを直感的に把握させることにより、ユーザの利便性を向上させることができる表示制御プログラムなどを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下のような構成を採用した。
【0007】
第1の発明は、ユーザの操作に応じて選択される選択オブジェクトを表示装置に表示させる表示制御装置のコンピュータにおいて実行される表示制御プログラムであって、第1移動制御手段、変形手段、表示制御手段としてコンピュータを機能させる。第1移動制御手段は、入力装置から出力される出力信号に基づいて、表示装置の表示領域に少なくともその一部が表示される複数の選択オブジェクトを当該表示領域に相対して移動させる。変形手段は、第1移動制御手段により移動した複数の選択オブジェクトのうちの端の選択オブジェクトが表示領域における所定位置に到達したときに、表示領域に表示されている複数の選択オブジェクトの少なくとも一つを変形させる。表示制御手段は、変形手段により変形された選択オブジェクトが表示領域内に含まれるように複数の選択オブジェクトの少なくとも一部を表示領域に表示する。
【0008】
第1の発明によれば、複数の選択オブジェクトを表示するための領域を狭めることなく、複数の選択オブジェクトを端まで移動したことをユーザが直感的に把握できるようにすることが可能となり、よりユーザの利便性を高めることができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、変形手段は、入力装置から出力される出力信号に基づいて複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを変形させる。
【0010】
第2の発明によれば、ユーザが行う操作に応じて複数の選択オブジェクトの一つが変形するため、複数の選択オブジェクトの端まで移動させたしたことをよりわかりやすくユーザに把握させることができる。
【0011】
第3の発明は、第1または第2の発明において、入力装置からの出力信号が出力されなくなったとき、変形手段により変形された選択オブジェクトを変形前の状態に復元する復元手段としてコンピュータをさらに機能させる。
【0012】
第3の発明によれば、複数の選択オブジェクトの移動のための操作が行われなくなり次第、変形された選択オブジェクトの形状が元に戻るため、その内容をユーザに見せることができ、利便性を高めることができる。
【0013】
第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、変形手段は、第1移動制御手段により移動していた選択オブジェクトが停止した後に、当該複数の選択オブジェクトの少なくとも一つを変形させる。
【0014】
第4の発明によれば、複数の選択オブジェクトをこれ以上移動させることができないということをユーザに直感的に把握させることができる。
【0015】
第5の発明は、第1の発明において、変形手段は、入力装置から出力される出力信号に基づき決定される変化方向に沿って複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを伸長させることで当該複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを変形させる。
【0016】
第6の発明は、第5の発明において、入力装置からの出力信号が出力されなくなったときに、変形手段によって伸長された方向とは逆の方向に収縮させることにより複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを変形前の状態に復元する復元手段としてコンピュータをさらに機能させる。
【0017】
第5乃至第6の発明によれば、指示位置を移動させる操作に沿って選択オブジェクトが伸長し、ユーザの操作に応じた変形であることをユーザに認識させることができる。また、指示する操作を止めれば元の形状に復元されるため、複数の選択オブジェクトの端まで移動したことをユーザに把握させることができる。
【0018】
第7の発明は、第5または第6の発明において、複数の選択オブジェクトのうち変形手段により変形されている選択オブジェクト以外の選択オブジェクトを、当該選択オブジェクトが変形手段により変形されている選択オブジェクトと重ならないように移動させる第2移動制御手段としてコンピュータをさらに機能させる。
【0019】
第7の発明によれば、複数の選択オブジェクトの端まで移動したことをより直感的にユーザに把握させることができる。
【0020】
第8の発明は、第1乃至第7のいずれかの発明において、変形手段は、端の選択オブジェクトが所定位置に到達したとき、入力装置から出力される出力信号に基づく表示装置の画面上における位置に表示されている選択オブジェクトを変形させる。
【0021】
第8の発明によれば、例えば、タッチパネルを利用する場合におけるユーザが注目しやすいタッチ位置に表示されているコンテンツ要素のみを変形させることが可能となり、複数の選択オブジェクトの端まで移動したことをより直感的にユーザに把握させることができる。
【0022】
第9の発明は、ユーザの操作に応じて選択される選択オブジェクトを表示装置に表示させる表示制御表示制御システムであって、第1移動制御手段、変形手段、および、表示制御手段を備える。第1移動制御手段は、入力装置から出力される出力信号に基づいて、表示装置の表示領域に少なくともその一部が表示される複数の選択オブジェクトを当該表示領域に相対して移動させる。変形手段は、第1移動制御手段により移動した複数の選択オブジェクトの端の選択オブジェクトが表示領域における所定位置に到達したときに、表示領域に表示されている複数の選択オブジェクトの少なくとも一つを変形させる。表示制御手段は、変形手段により変形された選択オブジェクトが含まれるように複数の選択オブジェクトの少なくとも一部を表示領域に表示する。
【0023】
第10の発明は、ユーザの操作に応じて選択される選択オブジェクトを表示装置に表示させる表示制御装置であって、第1移動制御手段、変形手段、および、表示制御手段を備える。第1移動手段は、入力装置から出力される出力信号に基づいて、表示装置の表示領域に少なくともその一部が表示される複数の選択オブジェクトを当該表示領域に相対して移動させる。変形手段は、第1移動制御手段により移動した複数の選択オブジェクトのうちの端の選択オブジェクトが表示領域における所定位置に到達したときに、表示領域に表示されている複数の選択オブジェクトの少なくとも一つを変形させる。表示制御手段は、変形手段により変形された選択オブジェクトが表示領域内に含まれるように複数の選択オブジェクトの少なくとも一部を表示領域に表示する。
【0024】
第11の発明は、ユーザの操作に応じて選択される選択オブジェクトを表示装置に表示させる表示制御表示制御方法であって、第1移動制御ステップ、変形ステップ、および、表示制御ステップを備える。第1移動制御ステップでは、入力装置から出力される出力信号に基づいて、表示装置の表示領域に少なくともその一部が表示される複数の選択オブジェクトを当該表示領域に相対して移動させる。変形ステップでは、第1移動制御ステップにおいて移動した複数の選択オブジェクトのうちの端の選択オブジェクトが表示領域における所定位置に到達したときに、表示領域に表示されている複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを変形させる。表示制御ステップでは、変形ステップにおいて変形された選択オブジェクトが表示領域内に含まれるように複数の選択オブジェクトの少なくとも一部を表示領域に表示する。
【0025】
第12の発明は、ユーザに閲覧させるためのコンテンツを表示装置に表示させる表示制御装置のコンピュータにおいて実行される表示制御プログラムであって、第1移動制御手段、変形手段、表示制御手段としてコンピュータを機能させる。第1移動制御手段は、入力装置から出力される出力信号に基づいて、表示装置の表示領域に少なくとも一部が表示されるコンテンツを当該表示領域に相対して移動させる。変形手段は、第1移動制御手段により移動したコンテンツの端が表示領域における所定位置に到達したときに、表示領域に表示されているコンテンツの一部を変形させる。表示制御手段は、変形手段により変形されたコンテンツの一部が表示領域内に含まれるようにコンテンツを表示領域に表示する。
【0026】
第9乃至第12の発明によれば、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
【0027】
第13の発明は、第12の発明において、コンテンツは、所定の間隔を空けて配置された複数のコンテンツ要素を含む。第1移動制御手段は、入力装置から出力される出力信号に基づいて、複数のコンテンツ要素を一体的に移動させることによりコンテンツを表示領域に相対して移動させる。変形手段は、複数のコンテンツ要素のうち少なくとも2つのコンテンツ要素の配置間隔を変化させることにより、コンテンツを変形させる。
【0028】
第13の発明によれば、例えば、アイコンとして表示されているコンテンツが複数存在しているようなメニュー画面をスクロールするような場合に、一番端までスクロールしたことをユーザに直感的に認識させることが可能となる。
【0029】
第14の発明は、ユーザに閲覧させるためのコンテンツを表示装置に表示させる表示制御装置のコンピュータにおいて実行される表示制御プログラムであって、第1移動制御手段、変形手段、表示制御手段としてコンピュータを機能させる。第1移動制御手段は、入力装置から出力される出力信号に基づいて、表示装置の表示領域に少なくとも一部が表示される複数のコンテンツを当該表示領域に相対して移動させる。変形手段は、第1移動制御手段により移動した複数のコンテンツのうちの端のコンテンツが表示領域における所定位置に到達したときに、表示領域に表示されている複数のコンテンツの少なくとも1つを変形させる。表示制御手段は、変形手段により変形されたコンテンツが表示領域内に含まれるように複数のコンテンツの少なくとも一部を表示領域に表示する。
【0030】
第14の発明によれば、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、表示内容の端まで移動したことをユーザに直感的に把握させることにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置1の外観図
【図2】本発明の実施形態に係るゲーム装置1のブロック図
【図3】本実施形態で想定するゲーム装置1の画面の一例
【図4】本実施形態で想定するゲーム装置1の画面の一例
【図5】本実施形態で想定するゲーム装置1の画面の一例
【図6】本実施形態で想定するゲーム装置1の画面の一例
【図7】本実施形態で想定するゲーム装置1の画面の一例
【図8】本実施形態で想定するゲーム装置1の画面の一例
【図9】メインメモリ32のメモリマップを示す図解図
【図10】ゲーム装置1において実行されるメニュー処理の流れを示すフローチャート
【図11】ゲーム装置1において実行されるメニュー処理の流れを示すフローチャート
【図12】コンテンツ配置の概念説明図
【図13】図11のステップS12で示したスクロール限界演出処理の詳細を示すフローチャート
【図14】図12のステップS22で示した慣性タッチオフ処理の詳細を示すフローチャート
【図15】コンテンツ変形の一例
【図16】コンテンツ変形の一例
【図17】コンテンツ変形の一例
【図18】コンテンツ変形の一例
【図19】コンテンツ変形の一例
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【0034】
図1は、本発明のメニュー処理プログラムを実行するゲーム装置1の外観図である。ここでは、ゲーム装置1の一例として、携帯ゲーム装置を示す。図1において、ゲーム装置1は、折り畳み型の携帯ゲーム装置であり、開いた状態(開状態)のゲーム装置1を示している。ゲーム装置1は、開いた状態においてもユーザが両手または片手で把持することができるようなサイズで構成される。
【0035】
ゲーム装置1は、下側ハウジング11および上側ハウジング21を有する。下側ハウジング11と上側ハウジング21とは、開閉可能(折り畳み可能)に連結されている。図1の例では、下側ハウジング11および上側ハウジング21は、それぞれ横長の長方形の板状で形成され、互いの長辺部分で回転可能に連結されている。通常、ユーザは、開状態でゲーム装置1を使用する。また、ユーザは、ゲーム装置1を使用しない場合には閉状態としてゲーム装置1を保管する。また、図1に示した例では、ゲーム装置1は、上記閉状態および開状態のみでなく、下側ハウジング11と上側ハウジング21とのなす角度が閉状態と開状態との間の任意の角度において、連結部分に発生する摩擦力などによってその開閉角度を維持することができる。つまり、上側ハウジング21を下側ハウジング11に対して任意の角度で静止させることができる。
【0036】
下側ハウジング11には、下側LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)12が設けられる。下側LCD12は横長形状であり、長辺方向が下側ハウジング11の長辺方向に一致するように配置される。なお、本実施形態では、ゲーム装置1に内蔵されている表示装置としてLCDを用いているが、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置等、他の任意の表示装置を利用してもよい。また、ゲーム装置1は、任意の解像度の表示装置を利用することができる。なお、詳細は後述するが、下側LCD12は、主に、内側カメラ23または外側カメラ25で撮影されている画像をリアルタイムに表示するために用いられる。
【0037】
下側ハウジング11には、入力装置として、各操作ボタン14A〜14Kおよびタッチパネル13が設けられる。図1に示されるように、各操作ボタン14A〜14Kのうち、方向入力ボタン14A、操作ボタン14B、操作ボタン14C、操作ボタン14D、操作ボタン14E、電源ボタン14F、スタートボタン14G、およびセレクトボタン14Hは、上側ハウジング21と下側ハウジング11とを折りたたんだときに内側となる、下側ハウジング11の内側主面上に設けられる。方向入力ボタン14Aは、例えば選択操作等に用いられる。各操作ボタン14B〜14Eは、例えば決定操作やキャンセル操作等に用いられる。電源ボタン14Fは、ゲーム装置1の電源をオン/オフするために用いられる。図1に示す例では、方向入力ボタン14Aおよび電源ボタン14Fは、下側ハウジング11の内側主面中央付近に設けられる下側LCD12に対して、左右一方側(図1では左側)の当該主面上に設けられる。また、操作ボタン14B〜14E、スタートボタン14G、およびセレクトボタン14Hは、下側LCD12に対して左右他方側(図1では右側)となる下側ハウジング11の内側主面上に設けられる。方向入力ボタン14A、操作ボタン14B〜14E、スタートボタン14G、およびセレクトボタン14Hは、ゲーム装置1に対する各種操作を行うために用いられる。
【0038】
なお、図1においては、操作ボタン14I〜14Kの図示を省略している。例えば、Lボタン14Iは、下側ハウジング11の上側面の左端部に設けられ、Rボタン14Jは、下側ハウジング11の上側面の右端部に設けられる。Lボタン14IおよびRボタン14Jは、ゲーム装置1に対して、例えば撮影指示操作(シャッター操作)を行うために用いられる。さらに、音量ボタン14Kは、下側ハウジング11の左側面に設けられる。音量ボタン14Kは、ゲーム装置1が備えるスピーカの音量を調整するために用いられる。
【0039】
また、ゲーム装置1は、各操作ボタン14A〜14Kとは別の入力装置として、さらにタッチパネル13を備えている。タッチパネル13は、下側LCD12の画面上を覆うように装着されている。なお、本実施形態では、タッチパネル13は、例えば抵抗膜方式のタッチパネルが用いられる。ただし、タッチパネル13は、抵抗膜方式に限らず、任意の押圧式のタッチパネルを用いることができる。また、本実施形態では、タッチパネル13として、例えば下側LCD12の解像度と同解像度(検出精度)のものを利用する。ただし、必ずしもタッチパネル13の解像度と下側LCD12の解像度とが一致している必要はない。また、下側ハウジング11の右側面には、挿入口(図1に示す破線)が設けられている。挿入口は、タッチパネル13に対する操作を行うために用いられるタッチペン27を収納することができる。なお、タッチパネル13に対する入力は、通常タッチペン27を用いて行われるが、タッチペン27に限らずユーザの指でタッチパネル13を操作することも可能である。
【0040】
また、下側ハウジング11の右側面には、メモリカード28を収納するための挿入口(図1では、二点鎖線で示している)が設けられている。この挿入口の内側には、ゲーム装置1とメモリカード28とを電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。メモリカード28は、例えばSD(Secure Digital)メモリカードであり、コネクタに着脱自在に装着される。メモリカード28は、例えば、ゲーム装置1によって撮影された画像を記憶(保存)したり、他の装置で生成された画像をゲーム装置1に読み込んだりするために用いられる。
【0041】
さらに、下側ハウジング11の上側面には、カートリッジ29を収納するための挿入口(図1では、一点鎖線で示している)が設けられている。この挿入口の内側にも、ゲーム装置1とカートリッジ29とを電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。カートリッジ29はゲームプログラム等を記録した記録媒体であり、下側ハウジング11に設けられた挿入口に着脱自在に装着される。
【0042】
下側ハウジング11と上側ハウジング21との連結部の左側部分には、3つのLED15A〜15Cが取り付けられる。ここで、ゲーム装置1は、他の機器との間で無線通信を行うことが可能であり、第1LED15Aは、ゲーム装置1の電源がオンである場合に点灯する。第2LED15Bは、ゲーム装置1の充電中に点灯する。第3LED15Cは、無線通信が確立している場合に点灯する。したがって、3つのLED15A〜15Cによって、ゲーム装置1の電源のオン/オフ状況、充電状況、および、通信確立状況をユーザに通知することができる。
【0043】
一方、上側ハウジング21には、上側LCD22が設けられる。上側LCD22は横長形状であり、長辺方向が上側ハウジング21の長辺方向に一致するように配置される。なお、下側LCD12と同様、上側LCD22に代えて、他の任意の方式および任意の解像度の表示装置を利用してもよい。なお、上側LCD22上を覆うように、タッチパネルを設けてもかまわない。例えば、上側LCD22には、ユーザに各操作ボタン14A〜14Kやタッチパネル13の役割を教えるための、操作説明画面が表示される。
【0044】
また、上側ハウジング21には、2つのカメラ(内側カメラ23および外側カメラ25)が設けられる。図1に示されるように、内側カメラ23は、上側ハウジング21の連結部付近の内側主面に取り付けられる。一方、外側カメラ25は、内側カメラ23が取り付けられる内側主面の反対側の面、すなわち、上側ハウジング21の外側主面(ゲーム装置1が閉状態となった場合に外側となる面であり、図1に示す上側ハウジング21の背面)に取り付けられる。なお、図1においては、外側カメラ25を破線で示している。これによって、内側カメラ23は、上側ハウジング21の内側主面が向く方向を撮影することが可能であり、外側カメラ25は、内側カメラ23の撮影方向の逆方向、すなわち、上側ハウジング21の外側主面が向く方向を撮影することが可能である。このように、本実施形態では、2つの内側カメラ23および外側カメラ25の撮影方向が互いに逆方向となるように設けられる。例えば、ユーザは、ゲーム装置1からユーザの方を見た景色を内側カメラ23で撮影することができるとともに、ゲーム装置1からユーザの反対側の方向を見た景色を外側カメラ25で撮影することができる。
【0045】
なお、上記連結部付近の内側主面には、音声入力装置としてマイク(図2に示すマイク42)が収納されている。そして、上記連結部付近の内側主面には、マイク42がゲーム装置1外部の音を検知できるように、マイクロフォン用孔16が形成される。マイク42を収納する位置およびマイクロフォン用孔16の位置は必ずしも上記連結部である必要はなく、例えば下側ハウジング11にマイク42を収納し、マイク42を収納位置に対応させて下側ハウジング11にマイクロフォン用孔16を設けるようにしても良い。
【0046】
また、上側ハウジング21の外側主面には、第4LED26(図1では、破線で示す)が取り付けられる。第4LED26は、外側カメラ25によって撮影が行われた(シャッターボタンが押下された)時点で点灯する。また、外側カメラ25によって動画が撮影される間点灯する。第4LED26によって、ゲーム装置1による撮影が行われた(行われている)ことを撮影対象者や周囲に通知することができる。
【0047】
また、上側ハウジング21の内側主面中央付近に設けられる上側LCD22に対して、左右両側の当該主面に音抜き孔24がそれぞれ形成される。音抜き孔24の奥の上側ハウジング21内にはスピーカが収納されている。音抜き孔24は、スピーカからの音をゲーム装置1の外部に放出するための孔である。
【0048】
以上に説明したように、上側ハウジング21には、画像を撮影するための構成である内側カメラ23および外側カメラ25と、例えば撮影の際に操作説明画面を表示する表示手段である上側LCD22とが設けられる。一方、下側ハウジング11には、ゲーム装置1に対する操作入力を行うための入力装置(タッチパネル13および各ボタン14A〜14K)と、ゲーム画面を表示するための表示手段である下側LCD12とが設けられる。したがって、ゲーム装置1を使用する際には、ユーザは、下側LCD12に表示される撮影画像(カメラによって撮影された画像)を見ながら、下側ハウジング11を把持して入力装置に対する入力を行うことができる。
【0049】
次に、図2を参照して、ゲーム装置1の内部構成を説明する。なお、図2は、ゲーム装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0050】
図2において、ゲーム装置1は、CPU31、メインメモリ32、メモリ制御回路33、保存用データメモリ34、プリセットデータ用メモリ35、メモリカードインターフェース(メモリカードI/F)36およびカートリッジI/F44、無線通信モジュール37、ローカル通信モジュール38、リアルタイムクロック(RTC)39、電源回路40、およびインターフェース回路(I/F回路)41等の電子部品を備えている。これらの電子部品は、電子回路基板上に実装されて、下側ハウジング11(または上側ハウジング21でもよい)内に収納される。
【0051】
CPU31は、所定のプログラムを実行するための情報処理手段である。なお、CPU31によって実行されるプログラムは、ゲーム装置1内のメモリに予め記憶されていてもよいし、メモリカード28および/またはカートリッジ29から取得されてもよいし、他の機器との通信によって他の機器から取得されてもよい。例えば、インターネットを経由して所定のサーバからダウンロードすることで取得しても良いし、据置型ゲーム装置と通信を行うことで、当該据置型ゲーム装置に記憶されている所定のプログラムをダウンロードすることで取得しても良い。
【0052】
CPU31には、メインメモリ32、メモリ制御回路33、およびプリセットデータ用メモリ35が接続される。また、メモリ制御回路33には、保存用データメモリ34が接続される。メインメモリ32は、CPU31のワーク領域やバッファ領域として用いられる記憶手段である。本実施形態では、メインメモリ32として、例えばPSRAM(Pseudo−SRAM)を用いる。保存用データメモリ34は、CPU31によって実行されるプログラムや内側カメラ23および外側カメラ25によって撮影された画像のデータ等を記憶するための記憶手段である。保存用データメモリ34は、不揮発性の記憶媒体によって構成されており、例えば本実施例ではNAND型フラッシュメモリで構成される。メモリ制御回路33は、CPU31の指示に従って、保存用データメモリ34に対するデータの読み出しおよび書き込みを制御する回路である。プリセットデータ用メモリ35は、ゲーム装置1において予め設定される各種パラメータ等のデータ(プリセットデータ)や、後述するメニュー処理プリグラム等を記憶するための記憶手段である。プリセットデータ用メモリ35としては、SPI(Serial Peripheral Interface)バスによってCPU31と接続されるフラッシュメモリを用いることができる。
【0053】
メモリカードI/F36は、CPU31に接続される。メモリカードI/F36は、コネクタに装着されたメモリカード28に対するデータの読み出しおよび書き込みを、CPU31の指示に応じて行う。本実施形態では、外側カメラ25によって撮像された画像データがメモリカード28に書き込まれたり、メモリカード28に記憶された画像データがメモリカード28から読み出されて保存用データメモリ34に記憶されたりする。
【0054】
カートリッジI/F44はCPU31に接続される。カートリッジI/F44は、コネクタに装着されたカートリッジ29に対するデータの読み出しおよび書き込みをCPU31の指示に従って行う。
【0055】
無線通信モジュール37は、例えばIEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有する。また、ローカル通信モジュール38は、所定の通信方式により同種のゲーム装置との間で無線通信を行う機能を有する。無線通信モジュール37およびローカル通信モジュール38は、CPU31に接続される。CPU31は、無線通信モジュール37を用いてインターネットを介して他の機器との間でデータを送受信したり、ローカル通信モジュール38を用いて同種の他のゲーム装置との間でデータを送受信したりすることができる。
【0056】
また、CPU31には、RTC39および電源回路40が接続される。RTC39は、時間をカウントしてCPU31に出力する。例えば、CPU31は、RTC39によって計時された時間に基づいて、現在時刻(日付)等を計算することもできる。電源回路40は、ゲーム装置1が有する電源(典型的には電池であり、下側ハウジング11に収納される)から供給される電力を制御し、ゲーム装置1の各部品に電力を供給する。
【0057】
また、ゲーム装置1は、マイク42およびアンプ43を備えている。マイク42およびアンプ43は、それぞれI/F回路41に接続される。マイク42は、ゲーム装置1に向かって発声されたユーザの音声を検知して、当該音声を示す音声信号をI/F回路41に出力する。アンプ43は、I/F回路41から音声信号を増幅してスピーカ(図示せず)から出力させる。I/F回路41は、CPU31に接続される。
【0058】
また、タッチパネル13は、I/F回路41に接続される。I/F回路41は、マイク42およびアンプ43(スピーカ)の制御を行う音声制御回路と、タッチパネル13の制御を行うタッチパネル制御回路とを含む。音声制御回路は、音声信号に対するA/D変換およびD/A変換を行ったり、音声信号を所定の形式の音声データに変換したりする。タッチパネル制御回路は、タッチパネル13からの信号に基づいて所定の形式のタッチ位置データを生成してCPU31に出力する。例えば、タッチ位置データは、タッチパネル13の入力面に対して入力が行われた位置の座標を示すデータである。なお、タッチパネル制御回路は、タッチパネル13からの信号の読み込み、および、タッチ位置データの生成を所定時間に1回の割合で行う。CPU31は、I/F回路41を介して、タッチ位置データを取得することにより、タッチパネル13に対して入力が行われた位置を知ることができる。
【0059】
操作ボタン14は、上記各操作ボタン14A〜14Kから構成され、CPU31に接続される。操作ボタン14からCPU31へは、各操作ボタン14A〜14Kに対する入力状況(押下されたか否か)を示す操作データが出力される。CPU31は、操作ボタン14から操作データを取得することによって、操作ボタン14に対する入力に応じた処理を実行する。
【0060】
内側カメラ23および外側カメラ25は、それぞれCPU31に接続される。内側カメラ23および外側カメラ25は、CPU31の指示に応じて画像を撮影し、撮影した画像データをCPU31に出力する。本実施形態では、CPU31は、内側カメラ23および外側カメラ25のいずれか一方に対して撮影指示を行い、撮影指示を受けたカメラが画像を撮影して画像データをCPU31に送る。
【0061】
また、下側LCD12および上側LCD22は、それぞれCPU31に接続される。下側LCD12および上側LCD22は、それぞれCPU31の指示に従って画像を表示する。
【0062】
次に、本実施形態が想定している処理の概要について説明する。本実施形態の処理は、1画面で表示できないような大きさを有するコンテンツ等のスクロール対象をスクロールさせながら閲覧するような場面を想定している。ここで、このスクロール対象は、例えば、電子書籍ビューワにおける電子書籍コンテンツや、電子文書ビューワ等における電子文書、インターネットブラウザ(HTMLブラウザ)等の各種ブラウザにおける閲覧対象(文書や画像の組み合わせで構成されるHTML文書やWebページ等のコンテンツ)が該当する。また、ゲーム処理における所持アイテム一覧が表示される画面や複数のボタン類が表示されるような画面、画像ビューワ等における画像のサムネイル等、ユーザが選択するための複数のオブジェクトから構成され、かつ、一覧性があってスクロール操作を用いて閲覧するようなものも、ここでいうスクロール対象に含まれる。また、以下の説明において本実施形態の具体的な処理の例として挙げる、ゲーム装置1のメニュー画面におけるメニューの内容(後述する、コンテンツアイコン101として示される複数のコンテンツで構成されるコンテンツ群)もスクロール対象に該当する。以下では、このスクロール対象のことを単にコンテンツと呼ぶ。
【0063】
上記のような1画面で全てが表示しきれないようなコンテンツの全部を閲覧する場合、ユーザは、コンテンツをスクロールする操作(以下、スクロール操作)を行うことで、当該コンテンツの全部を閲覧することが可能となる。
【0064】
上記のようなスクロール操作の一例として、いわゆるドラッグ操作がある。例えば、タッチパネル付きの画面(本実施形態では、下側LCD12)にコンテンツの一部が表示されているような場合に、タッチペン27を用いてタッチパネル13にタッチオンし、そのまま、所定の方向、例えば左から右方向にタッチペン27をスライド移動させれば、表示されているコンテンツを右方向にスクロールすることができる。これにより、コンテンツのうちの見たい部分を表示画面(表示領域)内に移動させることができる。このような、ドラッグ操作によるスクロール操作を繰り返し行った結果、閲覧対象のコンテンツの端まで到達した場合(コンテンツの端が画面内に表示された場合)を想定する。この場合、コンテンツの端まで到達しているため、これ以上のスクロール操作は無駄な操作となる。本実施形態は、このような場合に、スクロール操作に連動させた演出処理を行うことで、コンテンツの端まで到達したことをユーザに直感的に知らせるものである。以下では、このような、コンテンツの端まで到達したことを知らせる演出処理を「スクロール限界演出」と呼ぶ。
【0065】
図3は、本実施形態で想定するゲーム装置1の画面の一例である。本実施形態では、電源を投入するとすぐに所定のゲームが起動する運用形態ではなく、一旦メニュー画面が表示されるような運用携帯を例としている。そして、図3は、このような、ゲーム装置1を起動したときに表示されるメニュー画面を示している。図3に示すメニュー画面は、下側LCD12に表示され、コンテンツ領域102が表示されている。コンテンツ領域102には、複数のコンテンツアイコン101a〜101d(以下では、総称してコンテンツアイコンと呼ぶこともある)が横一列に並んで表示されている。各コンテンツアイコンはそれぞれ所定のアプリケーション(例えば、カメラアプリ、オンラインショッピングアプリ、ゲームアプリ、本体設定用のアプリなど)と対応付けられている。ユーザは各アイコンに対してタップ操作を行うことで、タップしたアイコンに対応付けられたアプリケーションを起動することが可能である。なお、表示されているコンテンツアイコンのいずれかにカーソルが表示されており、その状態で例えばボタン14Bを押下した場合に、カーソルが表示されているコンテンツアイコンに対応するアプリケーションが起動されるようになっていてもよい。これらコンテンツアイコンの数は1画面内で全て表示しきれないだけの数があり、横一列に並んでいるものとする(ここで、コンテンツアイコン101aは、これらコンテンツアイコン群の一番左端に該当するアイコンであるとする。そして、コンテンツ領域102に対して上記のようなドラッグ操作を行うことでコンテンツ領域102について水平方向に沿ったスクロールが可能となっている。つまり、各コンテンツアイコン101をまとめて(コンテンツ群として)スクロールすることが可能となっている。以下では、このようなスクロールのことを単に「コンテンツ領域102をスクロールする」と表現することもある。
【0066】
具体的には、例えば、図4で示すように、コンテンツアイコン101c〜101fが表示されている画面において、コンテンツアイコン101dをタッチオンし、右方向に向けてドラッグ操作したとする。すると、図5に示すように、コンテンツ領域102がスクロールし、画面にはコンテンツアイコン101b〜101eが表示されている状態となる。更に、一旦タッチオフし、コンテンツアイコン101bをタッチオンして再度右方向にドラッグ操作したとする。その結果、図6のように、コンテンツの一番左端にあたるコンテンツアイコン101aの全体が画面内(画面の左端近傍)に含まれた状態となる。つまり、スクロール操作の結果、コンテンツの端まで到達した状態になっている。
【0067】
なお、この図の例では、説明を判りやすくするためにコンテンツアイコン101dをタッチオンした場合を例にしているが、コンテンツ領域102内であれば、コンテンツアイコン101以外の部分をタッチオンしてドラッグ操作を行っても、上記のようなスクロールは可能である。
【0068】
ここで、図6のような状態において、ユーザがタッチオフせずに、更に右方向にタッチペン27を移動させたとする。つまり、コンテンツの左端まで到達したにもかかわらず、更にコンテンツをスクロールさせようとする操作を行ったとする。このような操作が行われたとき、本実施形態では、図7に示すように、タッチしたコンテンツアイコン101が横方向(X軸方向)に伸長して表示される(Y軸方向については伸長していない)。より具体的に言うと、コンテンツアイコン101bのタッチオンした位置から右側部分がX軸方向に伸長した画像になる。また、伸長する距離は、スクロール操作(ドラッグ操作)にかかる移動距離に応じている。つまり、コンテンツの端まで到達した状態でスクロール操作を行ったとき、そのスクロール操作に応じてコンテンツアイコン101が伸長することにより、ユーザは、コンテンツの端までスクロールしたということを直感的に把握することができる。そして、図7のような状態でユーザがタッチオフすれば、伸長したコンテンツアイコン101が元の状態に戻り、図8に示すような状態となる。本実施形態では、このような、コンテンツの端が表示されている状態においてコンテンツアイコン101を変形させるような演出が上記スクロール限界演出となる。
【0069】
なお、上記の例は、ゲーム装置1のメニュー画面であるが、もちろん、電子書籍ビューワやインターネットブラウザ等、1画面内に表示しきれないようなコンテンツや、例えばゲーム処理におけるアイテム一覧等、所定のスクロール対象をスクロール操作を用いて閲覧するようなものについても本実施形態で示すような処理が適用可能である。
【0070】
また、コンテンツの端が表示されている状態で、コンテンツアイコン101以外の部分をドラッグ操作した場合は、タッチした座標に一番近い位置にあるコンテンツアイコン101を変形させるようにしてもよい。あるいは、タッチした座標からの距離に関わりなく、一番端にあたるコンテンツアイコン、図6の例で言えば一番左端のコンテンツアイコン101aを変形させるようにしてもよい。
【0071】
また、上記スクロール操作の例では、単なるドラッグ操作を例に挙げているが、この他、本実施形態では、フリック操作(タッチオンした後、画面を軽く払うように指やタッチペンを動かしてタッチオフするような操作、換言すれば、タッチオンした後、はじくような操作を行う)によってもコンテンツのスクロールが可能である。その結果、フリック操作の強さに応じて慣性がついたようなスクロール動作となる。このようなフリック操作を行ったとき、タッチオフした後も、フリック操作の強さに基づく慣性力によって少しの間スクロールが継続する。なお、この慣性力によるスクロール中(以下、慣性スクロールと呼ぶ)に、コンテンツの端に到達したときは、そこでスクロールは停止する。また、既にコンテンツの端が表示されているような状態(上記図6参照)でフリック操作を行った場合は、その慣性力に基づいて、上述のようなコンテンツアイコン101の変形が行われる。この場合は、表示領域内の全てのコンテンツアイコン101を同じように変形させてもよいし、いずれか任意のコンテンツアイコンのみ、例えば、コンテンツの一番端にあたるコンテンツアイコン101のみを変形させるようにしても良い。そして、慣性力が無くなり次第、変形したコンテンツアイコンは元の形状に戻る。以下では、このような慣性スクロールや慣性力によるコンテンツアイコン101の変形制御のことをまとめて「慣性演出」と呼ぶ。
【0072】
以下、図9〜図14を用いて、本実施形態において利用される各種データ及びプログラムの詳細を説明する。
【0073】
図9は、図2に示したメインメモリ32のメモリマップを示す図解図である。図9において、メインメモリ32は、プログラム記憶領域321およびデータ記憶領域323を含む。プログラム記憶領域321およびデータ記憶領域323のデータは、プリセットデータ用メモリ35に予め記憶されたものが、メインメモリ32にコピーされたものである。
【0074】
プログラム記憶領域321は、CPU31によって実行されるメニュー処理プログラム322等を記憶する。
【0075】
データ記憶領域323には、スクロール限界演出用データ324、慣性演出用データ325、スクロール限界演出フラグ326、慣性演出フラグ327、操作データ328、前回入力座標データ329、前々回入力座標データ330などのデータが記憶される。
【0076】
スクロール限界演出用データ324は、コンテンツの端が画面に表示されているときにおいて、コンテンツの端であることを示すためのスクロール限界演出において用いられるデータである。本実施形態では、上記コンテンツアイコン101を変形させるために必要なデータがスクロール限界演出用データ324として格納される。
【0077】
慣性演出用データ325は、上述したような慣性スクロールにかかる処理(以下、慣性演出と呼ぶ)で用いられるデータである。
【0078】
スクロール限界演出フラグ326は、コンテンツの端が画面に表示されているときにおいて、コンテンツの端であることを示すためのスクロール限界演出が行われているか否かを示すためのフラグである。当該フラグがオンに設定されているときは、スクロール限界演出中であることを示す。
【0079】
慣性演出フラグ327は、慣性スクロールにかかる処理(慣性演出)の実行中であるか否かを示すためのフラグである。本フラグがオンに設定されているときは、慣性スクロールにかかる処理が実行されている最中であることを示す。
【0080】
操作データ328は、各操作ボタン14A〜14Kに対する入力状態、および、タッチパネル13に対する入力状態を示すデータである。また、タッチパネル13に対する入力があるときは、その入力座標を示すデータも含まれる。
【0081】
前回入力座標データ329は、直前のフレームにかかる処理におけるタッチパネルへの入力座標を示すデータである。直前のフレームにかかる処理においてタッチパネル13への入力が無かったときは、当該データは空となり、タッチパネル13への入力が有ったときは、その入力座標が格納される。そのため、当該データを参照することで、ドラッグ操作等におけるタッチ位置(入力座標)の変化、ひいては、タッチペン27の移動量等を算出することができる。
【0082】
前々回入力座標データ330は、上記前回入力座標データの1つ前に取得された入力座標を示すデータである。つまり、現在のフレームから2つ前のフレームにかかる処理で検出された入力座標である。
【0083】
次に、ゲーム装置1において実行されるメニュー処理の流れを図10〜図14を用いて説明する。図10および図11は、ゲーム装置1において実行されるメニュー処理の流れを示すフローチャートである。ゲーム装置1の電源が投入されると、ゲーム装置1のCPU31は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、メインメモリ32等の各ユニットが初期化される。そして、プリセットデータ用メモリ35に格納されたメニュープログラムがメインメモリ32に読み込まれ、当該メニュープログラムの実行が開始される。
【0084】
まず、ステップS1において、以降の処理において用いられるデータの初期化処理が実行される。具体的には、まず、コンテンツ(本実施形態ではコンテンツアイコン101)が生成され、仮想空間(本実施形態では、仮想空間内に割り当てられているコンテンツ領域102)に配置される(図12参照)。そして、当該コンテンツのうちの一部の所定領域が表示されるような位置に仮想カメラが配置され、この仮想カメラで撮影された領域(以下、表示領域)が画面に表示される。本実施形態では、上述したようなスクロール操作が行われれば、その操作内容に応じて当該仮想カメラ(つまり、表示領域)をコンテンツの上でスライド移動させることで、コンテンツのスクロールを実現している。以下、この仮想カメラで撮影される範囲を表示領域と呼ぶ。なお、仮想カメラは固定して、上述したようなスクロール操作が行われた場合に、その操作内容に応じてコンテンツが仮想空間内を移動するようにしてもよい。
【0085】
なお、上記のコンテンツの表示手法やスクロール処理の手法はあくまで一例であり、これらに限らず、コンテンツの表示とスクロールができれば、どのような処理方法を用いても良い。
【0086】
以降、ステップS2〜S27の処理ループが1フレーム毎に繰り返されることによって、メニュー処理が進行していく。
【0087】
次に、ステップS2において、操作データ328が取得される。次に、ステップS3において、上記取得した操作データ328が参照され、タッチパネル13に対するタッチ入力が行われているか否かが判定される。その結果、タッチ入力が行われていると判定されたときは(ステップS3でYES)、その入力座標値が取得され、次のステップS4において、継続的なタッチ入力が行われているか否かが判定される。これは、前回入力座標データ329に何らかのデータが設定されているか否かで判定される。当該判定の結果、継続的なタッチ入力が行われていないと判定されたときは(ステップS4でNO)、いわゆるタッチオンに該当する操作が行われたことになる。この場合は、まず、ステップS5において、慣性演出中か否かが判定される。つまり、上述したようなフリック操作による慣性スクロールがまだ継続している状態であるか否かが判定される。その結果、慣性演出中であると判定されたときは(ステップS5でYES)、ステップS6において、慣性演出をキャンセルする処理が実行される。一方、慣性演出中ではないと判定されたときは(ステップS5でNO)、ステップS6の処理はスキップされる。
【0088】
次に、ステップS7において、タッチオン時処理が実行される。この処理では、上記入力座標に応じて適宜所定の処理が実行される。例えば、コンテンツアイコン101がタッチオンされたときは、当該コンテンツアイコン101に対応するアプリケーションの説明を表示するための処理等が実行される。その後、後述のステップS14に処理が進められる。
【0089】
一方、上記ステップS4の判定の結果、継続的タッチ入力が行われていると判定されたときは(ステップS4でYES)、同じ位置をタッチし続けている状態であるか、または、ドラッグ操作(スクロール操作)が行われている可能性がある。この場合は、次に、ステップS8において、画面の表示内容について、コンテンツの端に到達しているか否かが判定される。つまり、コンテンツの端が表示領域内の所定の位置にあるか否かが判定される。例えば、上記図6の例で言えば、コンテンツアイコン101a(の左辺)が、表示領域の左端から所定のマージンを取った位置に来ているか否かで判定される。その結果、コンテンツの端に到達していないと判定されたときは(ステップS8でNO)、ステップS10において、その操作内容が判別され、操作内容に基づく各種処理が適宜実行される。例えば、操作内容が水平方向へのドラッグ操作であれば、入力座標の変化量および変化方向に応じてコンテンツ領域102(コンテンツアイコン群)を水平方向にスクロールさせる(より正確には、当該変化量と変化方向に応じて上記表示領域を移動させることで、コンテンツ領域102のスクロールを実現する)。その後、後述するステップS13に処理が進められる。
【0090】
なお、コンテンツの端まで到達しているか否かの判定手法について、上記の処理方法はあくまで一例であり、これに限らず、コンテンツの端まで到達していることが判別できれば、どのような処理方法を用いても良い。
【0091】
一方、ステップS8の判定の結果、コンテンツの端が表示領域内に含まれていると判定されたときは(ステップS8でYES)、次に、ステップS9において、上記操作データ328に基づき操作内容が判別され、コンテンツの端を越えるようなスクロール操作が行われたか否かが判定される。例えば、上記図6の例でいうと、右方向へのドラッグ操作(端があるのとは逆方向へのドラッグ操作、端部分を更に画面内に移動させるようなスクロール操作)が行われたかが判定される。その結果、コンテンツの端を越えるようなスクロール操作が行われていないときは(ステップS9でNO)、上記ステップS10の処理が実行される。すなわち、操作内容に応じた処理が適宜実行される。例えば、上記図6の状態で左方向へのドラッグ操作が行われたようなときは、そのドラッグ操作に応じたコンテンツのスクロール処理が実行される。その後、後述するステップS13に処理が進められる。
【0092】
一方、上記ステップS9の判定の結果、コンテンツの端を越えるようなスクロール操作が行われたと判定されたときは(ステップS9でYES)、ステップS12において、スクロール限界演出処理が実行される。図13は、上記ステップS12で示したスクロール限界演出処理の詳細を示すフローチャートである。図13において、まず、ステップS41において、スクロール限界演出フラグ326が参照されることでスクロール限界演出が実行中であるか否かが判定される。その結果、スクロール限界演出中であると判定されたときは(ステップS41でYES)、後述のステップS44に処理が進められる。
【0093】
一方、スクロール限界演出中ではないと判定されたときは(ステップS41でNO)、次のステップS42において、スクロール限界演出を実行するための準備処理が実行される。つまり、コンテンツアイコン101を変形させるための処理の準備が実行される。具体的には、現在タッチされているコンテンツアイコン101上におけるタッチ位置が判別される。次に、当該タッチ位置の縦方向1ラインにかかるコンテンツアイコン101の画像がコピーされる。そして、当該コピーされた画像が、スクロール限界演出用データ324の一部としてメインメモリ32に記憶される。
【0094】
次に、ステップS43において、スクロール限界演出フラグがオンに設定される。
【0095】
次に、ステップS44において、タッチされているコンテンツアイコンを変形させる処理が実行される。具体的には、タッチされている位置が判別される。そして、スクロール限界演出用データ324が参照されて、上記縦1ライン分の画像が読み出され、タッチ位置に挿入するようにすることで、コンテンツアイコン101を水平方向に伸長したような画像が生成される。その結果、コンテンツアイコン101が変形されることになる。
【0096】
なお、上記の処理方法はあくまで一例であり、これらに限らず、コンテンツアイコン101が伸長するように変形できれば、どのような処理方法を用いても良い。また、このとき、伸長度合いに応じてコンテンツアイコン101の透明度を変化させるようにしても良い。
【0097】
以上で、スクロール限界演出処理は終了する。
【0098】
図11に戻り、ステップS12のスクロール限界演出の次に、ステップS13において、前回入力座標データ329の設定が行われる。具体的には、まず、前回入力座標データ329の内容が、前々回入力座標データ330としてメインメモリ32に格納される。更に、上記ステップS2で取得された操作データに含まれるタッチ位置の入力座標が前回入力座標データ329としてメインメモリ32に記憶される。続いて、ステップS14において、表示処理が行われる。すなわち、上記処理内容を反映した画像を生成し、下側LCD12に表示する処理が実行される。その後、上記ステップS2に戻り、処理が繰り返される。
【0099】
次に、上記ステップS3の判定の結果、タッチ入力がなされていないと判定されたときの処理(ステップS3でNO)について説明する。この場合は、まず、図12のステップS15において、現在の操作状態がタッチオフに該当するか否かが判定される。具体的には、前回入力座標データ329が参照され、何らかのデータが記憶されている場合はタッチオフと判定され、前回入力座標データ329が空の場合は、タッチオフではない(つまり、タッチしていない状態が継続している)と判定される。当該判定の結果、タッチオフに該当すると判定されたときは(ステップS15でYES)、次に、ステップS16で、上述したようなフリック操作による慣性のついたタッチオフであるか否かが判定される。これは、前回入力座標データ329と前々回入力座標データ330とで示される入力座標の変化量が所定値以上であるか否かで判定される。当該変化量がある程度大きければ、上述したようなフリック操作が行われ、慣性のついたタッチオフが発生したものとして扱う。
【0100】
ステップS16の判定の結果、慣性のついたタッチオフが行われたと判定されたときは(ステップS16でYES)、次に、ステップS22において、慣性タッチオフ処理が実行される。この処理は、上述したような慣性演出を行うための処理である。
【0101】
図14は、上記ステップS22で示した慣性タッチオフ処理の詳細を示すフローチャートである。図14において、まず、ステップS61において、現在、コンテンツの端が表示領域内にあるか否か、つまり、コンテンツの端に到達した状態であるか否かが判定される。当該判定の結果、まだコンテンツの端に到達していないと判定されたときは(ステップS61でNO)、ステップS62において、上述したような慣性スクロールを行うための各種パラメータが算出される。例えば、上記前回入力座標データ329と前々回入力座標データ330とで示される入力座標の変化量に応じて、スクロールの量や速度、時間等が算出される。そして、次のステップS64において、当該算出されたパラメータが慣性演出用データ325としてメインメモリ32に記憶される。
【0102】
一方、ステップS61の判定の結果、コンテンツの端に到達していると判定されたときは(ステップS61でYES)、ステップS63において、上述したようなスクロール限界演出を行うための各種パラメータが算出される。上記図3を例にして、コンテンツの一番端にあたるコンテンツアイコン101aのみを慣性力で変形させる場合を例に説明すると、当該コンテンツの一番端にあたるコンテンツアイコン101aを上記入力座標の変化量に応じて横方向に伸長させるための各種パラメータが算出される。つまり、慣性力によるスクロール限界演出を行うために必要な各種パラメータが算出される。そして、当該算出されたパラメータが、上記ステップS64において、慣性演出用データ325として記憶される。
【0103】
次に、ステップS65において、慣性演出フラグ327がオンに設定される。続く、ステップS66において、上記慣性演出用データ325基づいて慣性演出が開始される。その結果、フリック操作によるタッチオフが行われた際、コンテンツの端まで到達していなければ、上記慣性スクロールが表示されることになる。また、コンテンツの端に到達している状態でフリック操作によるタッチオフが行われていれば、ユーザがタッチパネル13にタッチしていない状態であっても、慣性力に基づいた上記スクロール限界演出が表示されることになる。以上で、慣性タッチオフ処理は終了する。
【0104】
図12に戻り、ステップS22の処理が終われば、後述するステップS21に処理が進められる。
【0105】
一方、上記ステップS16の判定の結果、慣性のついたタッチオフが行われていない(つまり、フリック操作によらない通常のタッチオフが行われた)と判定されたときは(ステップS16でNO)、次に、ステップS17において、スクロール限界演出フラグ326が参照されることで、スクロール限界演出が行われている最中であるか否かが判定される。その結果、スクロール限界演出が行われていると判定されたときは(ステップS17でYES)、上記図7で示したような、コンテンツアイコン101が変形している状態のときにタッチオフしたことになる。このときは、次のステップS18において、スクロール限界演出のリセットが行われる。つまり、変形したコンテンツアイコン101を元の状態に戻すための処理が実行される。
【0106】
次に、ステップS19において、スクロール限界演出フラグ326がオフに設定される。
【0107】
一方、上記ステップS17の判定の結果、スクロール限界演出が行われていないと判定されたときは(ステップS17でNO)、上記ステップS18およびS19の処理はスキップされる。
【0108】
次に、ステップS20において、タッチオフ時にかかる各種処理が実行される。例えば、コンテンツアイコン101がタッチされていた状態からタッチオフされたときは(つまり、コンテンツアイコン101にタップ操作が行われたとき)、当該タッチされていたコンテンツアイコン101に対応するアプリケーションを起動する処理等が実行される。なお、何らかのアプリケーションが起動された場合は、本メニュー処理は一旦停止し、アプリケーションが終了すれば再開される。
【0109】
次に、ステップS21において、タッチオフ操作に伴って、前回入力座標データ329および、前々回入力座標データ330がクリアされる。その後、上記ステップS14に処理が進められる。
【0110】
次に、上記ステップS15の判定の結果、タッチオフに該当しないと判定されたときの処理(ステップS15でNO)について説明する。この場合は、ユーザがタッチパネルに触れていない状態が継続していると考えられる。この場合は、まず、ステップS23において、慣性演出フラグ327が参照され、慣性演出中であるか否かが判定される。その結果、慣性演出中ではないと判定されたときは(ステップS23でNO)、後述のステップS27に処理が進められる。
【0111】
一方、慣性演出中と判定されたときは(ステップS23でYES)、次に、ステップS24において、上記慣性演出用データ325に基づく慣性演出の処理が継続される。
【0112】
次に、ステップS25において、慣性演出の終了条件が満たされたか否かが判定される。例えば、上記慣性演出用データ325で示される慣性スクロール量に達したか否かで、慣性演出を終了するべきか否かが判定される。その他、慣性スクロール中にコンテンツの端に到達した場合も、慣性演出の終了条件が満たされたと判定される。当該ステップS25の判定の結果、慣性演出の終了条件を満たしていないと判定されたときは(ステップS25でNO)、後述のステップS27に処理が進められる。一方、慣性演出の終了条件を満たしたと判定されたときは(ステップS25でYES)、ステップS26において、慣性演出フラグ327がオフに設定される。
【0113】
次に、ステップS27において、上記慣性演出以外にかかる各種処理が適宜実行される。これらの処理は本実施形態と直接関連しないため、説明は省略する。その後、上記ステップS14に処理が進められる。以上で、本実施形態にかかるメニュー処理の説明を終了する。
【0114】
このように、本実施形態では、コンテンツの端が表示領域内にあり、これ以上のスクロール操作が不要であるような状況でスクロール操作が行われたときに、当該スクロール操作に応じてコンテンツアイコン101(つまり、コンテンツそのもの)を変形させて表示する。これにより、コンテンツが表示される領域を狭めることなく、コンテンツの端までスクロールしたことをユーザに直感的に把握させることができる。
【0115】
なお、スクロール限界演出の際のコンテンツアイコン101の変形に関して、上記実施形態では、コンテンツアイコン101を横方向に伸長させ、縦方向についての変化は行わない場合を例に挙げていた。この他、変形対象となるコンテンツアイコン101の縦方向についても変形するようにしてもよい。例えば、図15に示すように、変形対象であるコンテンツアイコン101bを横方向に伸長すると共に、縦方向に縮めるように変形させてもよい。
【0116】
また、その他、例えば図16に示すように、コンテンツアイコン101aと101bの間の距離を広げるようにコンテンツ全体(本実施形態ではコンテンツ領域102)を変形させるようにしてもよい。この場合は、コンテンツの一番端の部分(図16ではコンテンツアイコン101a)については動かさないようにすることが好ましい。例えば、図17に示すような、横書きの電子文書を縦方向にスクロールさせるような操作を例にすると、図18に示すように、1番端の行は動かさずに、1行目と2行目の間が広がるようにコンテンツ(この場合は電子文書)を変形させればよい。
【0117】
また、例えば、図19に示すように、コンテンツアイコン101が分断されるように変形して表示するようにしても良い。
【0118】
また、上記実施形態では、慣性スクロール中にコンテンツの端に到達したときは、その時点でスクロールを停止していた。この他、残っている慣性力に応じて上述したようなスクロール限界演出を行っても良い。すなわち、残っている慣性力に応じてコンテンツアイコン101(例えば、コンテンツの一番端に位置するコンテンツアイコン101のみ)を変形させてもよい。
【0119】
また、上記実施形態は、タッチ操作が可能な携帯ゲーム装置のメニュー画面での操作を例として主に説明していた。適用可能な装置については、これに限るものではなく、据置型ゲーム装置やパーソナルコンピュータ、電子書籍リーダ等の各種情報処理端末において、ポインティングデバイスを用いて上述したようなドラッグ操作を行うことでコンテンツをスクロールさせるような場合にも本発明は適用可能である。このポインティングデバイスについては、上記タッチパネルの他、例えば、画面上の任意位置を指示可能なマウス、表示画面を持たない操作面上の任意位置を指示するタブレット、遠隔から表示画面や表示画面周囲に配置されたマーカ等を撮像するための撮像手段を備えたデバイスによって、表示画面方向を指し示すことにより得られる撮像画像における表示画面やマーカの位置から、表示画面上の指し示された位置に相当する表示画面上の座標を算出するポインティングデバイスなどでもよい。
【0120】
また、適用対象となるアプリケーション等も、上述したように、電子文書ビューワやインターネットブラウザ等、1画面で表示できないようなコンテンツをスクロールさせながら閲覧するような各種アプリケーションに適用可能である。その他、例えばゲーム処理におけるアイテム一覧等の、何らかの情報を一覧表示し、スクロール操作が必要となるような場面全般において本発明は適用可能である。
【0121】
また、上記実施形態では、横スクロールの場合を例として挙げたが、スクロール方向についてはこれに限るものではなく、縦スクロールの場合であっても本発明は適用可能である。
【0122】
また、上記実施形態では、スクロール操作に際して、操作領域に対するプレイヤの指示位置を検出する装置としてタッチパネルを例に上げたが、プレイヤが所定領域内の位置を指示できるいわゆるポインティングデバイスであればよく、例えば、画面上の任意位置を指示可能なマウス、表示画面を持たない操作面上の任意位置を指示するタブレット、遠隔から表示画面や表示画面周囲に配置されたマーカ等を撮像するための撮像手段を備えたデバイスによって、表示画面方向を指し示すことにより得られる撮像画像における表示画面やマーカの位置から、表示画面上の指し示された位置に相当する表示画面上の座標を算出するポインティングデバイスなどを用いて上述したスクロール操作を行う場合にも本発明は適用可能である。また、ポインティングデバイスではなく、例えば十字キー、カーソルキー等のボタン操作によって上述したようなスクロールが行われる場合にも適用可能である。このようなボタン操作、例えば十字キーの左ボタンを押下することによってスクロール操作を行った場合、コンテンツの端に到達した後もなお左ボタンを押下し続けると、上述したようなスクロール限界演出が行われることになる。
【0123】
また、上記実施形態においては、スクロール操作に応じてスクロール限界演出のための一連の処理が単一の装置(ゲーム装置1)において実行される場合を説明したが、他の実施形態においては、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。さらには、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。
【符号の説明】
【0124】
1…ゲーム装置
11…下側ハウジング
12…下側LCD
13…タッチパネル
14…操作ボタン
15、26…LED
16…マイクロフォン用孔
21…上側ハウジング
22…上側LCD
23…内側カメラ
24…音抜き孔
25…外側カメラ
27…タッチペン
28、29…メモリカード
31…CPU
32…メインメモリ
33…メモリ制御回路
34…保存用データメモリ
35…プリセットデータ用メモリ
36…メモリカードI/F
37…無線通信モジュール
38…ローカル通信モジュール
39…RTC
40…電源回路
41…I/F回路
42…マイク
43…アンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作に応じて選択される選択オブジェクトを表示装置に表示させる表示制御装置のコンピュータにおいて実行される表示制御プログラムであって、
入力装置から出力される出力信号に基づいて、前記表示装置の表示領域に少なくとも一部が表示される複数の選択オブジェクトを当該表示領域に相対して移動させる第1移動制御手段、
前記第1移動制御手段により移動した前記複数の選択オブジェクトのうちの端の選択オブジェクトが前記表示領域における所定位置に到達したときに、前記表示領域に表示されている前記複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを変形させる変形手段、および、
前記変形手段により変形された選択オブジェクトが前記表示領域内に含まれるように前記複数の選択オブジェクトの少なくとも一部を前記表示領域に表示する表示制御手段として前記コンピュータを機能させる、表示制御プログラム。
【請求項2】
前記変形手段は、前記入力装置から出力される出力信号に基づいて前記複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを変形させる、請求項1に記載の表示制御プログラム。
【請求項3】
前記入力装置からの出力信号が出力されなくなったとき、前記変形手段により変形された選択オブジェクトを変形前の状態に復元する復元手段として前記コンピュータをさらに機能させる、請求項1または2に記載の表示制御プログラム。
【請求項4】
前記変形手段は、前記第1移動制御手段により移動していた選択オブジェクトが停止した後に、当該複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを変形させる、請求項1ないし3のいずれかに記載の表示制御プログラム。
【請求項5】
前記変形手段は、前記入力装置から出力される出力信号に基づき決定される変化方向に沿って前記複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを伸長させることで当該複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを変形させる、請求項1に記載の表示制御プログラム。
【請求項6】
前記入力装置からの出力信号が出力されなくなったときに、前記変形手段によって伸長された方向とは逆の方向に収縮させることにより前記複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを変形前の状態に復元する復元手段として前記コンピュータをさらに機能させる、請求項5に記載の表示制御プログラム。
【請求項7】
前記複数の選択オブジェクトのうち前記変形手段により変形されている選択オブジェクト以外の選択オブジェクトを、当該選択オブジェクトが前記変形手段により変形されている選択オブジェクトと重ならないように移動させる第2移動制御手段として前記コンピュータをさらに機能させる、請求項5または6に記載の表示制御プログラム。
【請求項8】
前記変形手段は、前記端の選択オブジェクトが前記所定位置に到達したとき、前記入力装置から出力される出力信号に基づく前記表示装置の画面上における位置に表示されている選択オブジェクトを変形させる、請求項1ないし7のいずれかに記載の表示制御プログラム。
【請求項9】
ユーザの操作に応じて選択される選択オブジェクトを表示装置に表示させる表示制御表示制御システムであって、
入力装置から出力される出力信号に基づいて、前記表示装置の表示領域に少なくとも一部が表示される複数の選択オブジェクトを当該表示領域に相対して移動させる第1移動制御手段、
前記第1移動制御手段により移動した前記複数の選択オブジェクトのうちの端の選択オブジェクトが前記表示領域における所定位置に到達したときに、前記表示領域に表示されている前記複数の選択オブジェクトの少なくとも一つを変形させる変形手段、および、
前記変形手段により変形された選択オブジェクトが前記表示領域内に含まれるように前記複数の選択オブジェクトの少なくとも一部を当該表示領域に表示する表示制御手段とを備える、表示制御システム。
【請求項10】
ユーザの操作に応じて選択される選択オブジェクトを表示装置に表示させる表示制御装置であって、
入力装置から出力される出力信号に基づいて、前記表示装置の表示領域に少なくとも一部が表示される複数の選択オブジェクトを当該表示領域に相対して移動させる第1移動制御手段、
前記第1移動制御手段により移動した前記複数の選択オブジェクトのうちの端の選択オブジェクトが前記表示領域における所定位置に到達したときに、前記表示領域に表示されている前記複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを変形させる変形手段、および、
前記変形手段により変形された選択オブジェクトが前記表示領域内に含まれるように前記複数の選択オブジェクトの少なくとも一部を当該表示領域に表示する表示制御手段とを備える、表示制御装置。
【請求項11】
ユーザの操作に応じて選択される選択オブジェクトを表示装置に表示させる表示制御方法であって、
入力装置から出力される出力信号に基づいて、前記表示装置の表示領域に少なくとも一部が表示される複数の選択オブジェクトを当該表示領域に相対して移動させる第1移動制御ステップ、
前記第1移動制御ステップにおいて移動した複数の選択オブジェクトのうちの端の選択オブジェクトが前記表示領域における所定位置に到達したときに、前記表示領域に表示されている前記複数の選択オブジェクトの少なくとも1つを変形させる変形ステップ、および、
前記変形ステップにおいて変形された選択オブジェクトが前記表示領域内に含まれるように前記複数の選択オブジェクトの少なくとも一部を当該表示領域に表示する表示制御ステップとを備える、表示制御方法。
【請求項12】
ユーザに閲覧させるためのコンテンツを表示装置に表示させる表示制御装置のコンピュータにおいて実行される表示制御プログラムであって、
入力装置から出力される出力信号に基づいて、前記表示装置の表示領域に少なくとも一部が表示されるコンテンツを当該表示領域に相対して移動させる第1移動制御手段S10)、
前記第1移動制御手段により移動した前記コンテンツの端が前記表示領域における所定位置に到達したときに、前記表示領域に表示されている前記コンテンツの一部を変形させる変形手段、および、
前記変形手段により変形されたコンテンツの一部が前記表示領域内に含まれるように前記コンテンツを当該表示領域に表示する表示制御手段として前記コンピュータを機能させる、表示制御プログラム。
【請求項13】
前記コンテンツは、所定の間隔を空けて配置された複数のコンテンツ要素を含み、
前記第1移動制御手段は、前記入力装置から出力される出力信号に基づいて、前記複数のコンテンツ要素を一体的に移動させることにより前記コンテンツを前記表示領域に相対して移動させ、
前記変形手段は、前記複数のコンテンツ要素のうち少なくとも2つのコンテンツ要素の配置間隔を変化させることにより、前記コンテンツを変形させる、請求項12に記載の表示制御プログラム。
【請求項14】
ユーザに閲覧させるためのコンテンツを表示装置に表示させる表示制御装置のコンピュータにおいて実行される表示制御プログラムであって、
前記入力装置から出力される出力信号に基づいて、前記表示装置の表示領域に少なくとも一部が表示される複数のコンテンツを当該表示領域に相対して移動させる第1移動制御手段、
前記第1移動制御手段により移動した前記複数のコンテンツのうちの端のコンテンツが前記表示領域における所定位置に到達したときに、前記表示領域に表示されている前記複数のコンテンツの少なくとも1つを変形させる変形手段、および、
前記変形手段により変形されたコンテンツが前記表示領域内に含まれるように前記複数のコンテンツの少なくとも一部を前記表示領域に表示する表示制御手段として前記コンピュータを機能させる、表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−63862(P2012−63862A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205880(P2010−205880)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【出願人】(391041718)株式会社ハル研究所 (38)
【Fターム(参考)】